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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】里路 久幸
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】岩本 浩
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】長井 敏郎
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】泉 浩二
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】二神 伸
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】刈取幅に対する刈取部の幅の拡大。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最前方位置に左右に複数並設した分草装置8と、該分草装置8の後方に複数並設した穀稈を引き起こすラグ式引起装置9と、該引起装置9により引き起こされた穀稈を切断する刈刃10と、該刈刃10の後方に設けた搬送装置11とを有する刈取部4を機体前部に設け、該刈取部4は、刈取部4のうち、少なくとも、前記分草装置8と引起装置9を、刈取フレーム18の刈取下側フレーム19の左右両側の側部フレーム27の上部に設けた上部伝動ケース37から吊り下げて該上部伝動ケース37の軸心を回動中心Sとして上方回動するように構成し、前記各引起装置9のうちの左側の引起装置9の引起ケース31の左側に位置する左側部フレーム27に、前記分草装置8と引起装置9を上方回動させる移動機構41の移動用駆動手段42を設けたコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記移動用駆動手段42は、側面視において、前記引起装置9の回動範囲を避けた位置に取付けたコンバイン。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記移動機構41は、移動用駆動手段42の駆動歯車43の回転により前記分草装置8および引起装置9に設けた受動歯車44を回転させて行うように構成し、前記左側部フレーム27には移動用駆動手段42の駆動歯車43に噛合う入力歯車56と、該入力歯車56と前記受動歯車44に至る間に一又は二以上の減速歯車57とを有する減速ギヤケース55を設けたコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、分草装置と引起装置を、刈刃(搬送装置)に対して移動させて畦際の穀稈の刈取を可能にするコンバインおよび刈取方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、最前方位置に左右に複数並設した分草具の後方に、穀稈を引き起こすラグ式引起装置を複数並設し、引起装置の後側に刈刃を設け、分草具と引起装置を刈刃の上方に設けた回動中心を中心に上昇させ、畦に近い穀稈の刈取りができるようにする構成が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−24147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例の移動機構は、引起装置の側方に移動用駆動手段(モーター)を設けているので、刈取部の幅が移動用駆動手段を設けたスペースだけ広くなってしまうという課題がある。
また、上部伝動ケースに設けた受動歯車に移動用駆動手段の駆動歯車を直接噛み合わせているため、受動歯車の直径が大きくなるという課題がある。
本願は、分草装置および引起装置を有するする引起ユニットを上方回動させる構成でありながら左右幅のコンパクトなコンバインを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、最前方位置に左右に複数並設した分草装置8と、該分草装置8の後方に複数並設した穀稈を引き起こすラグ式引起装置9と、該引起装置9により引き起こされた穀稈を切断する刈刃10と、該刈刃10の後方に設けた搬送装置11とを有する刈取部4を機体前部に設け、該刈取部4は、刈取部4のうち、少なくとも、前記分草装置8と引起装置9を、刈取フレーム18の刈取下側フレーム19の左右両側の側部フレーム27の上部に設けた上部伝動ケース37から吊り下げて該上部伝動ケース37の軸心を回動中心Sとして上方回動するように構成し、前記各引起装置9のうちの左側の引起装置9の引起ケース31の左側に位置する左側部フレーム27に、前記分草装置8と引起装置9を上方回動させる移動機構41の移動用駆動手段42を設けたコンバインとしたものであり、畦から離れた箇所では、コンバインを前進させて、分草装置8で分草するとともに引起装置9で引起しし、その後前側搬送装置12で穀稈を掻き込んで刈刃10で穀稈の根本側を切断し、切断した穀稈を穀稈搬送装置11で搬送するようにして穀稈を刈取る。
畦際では、移動機構41の移動用駆動手段42が駆動歯車43を回転させ、駆動歯車43は受動歯車44を回転させ、受動歯車44は上部伝動ケース37を介して分草装置8と引起装置9(引起ユニット26)を上方回動させ、刈刃10を穀稈の根本側に直接接近させて切断し、切断した穀稈を穀稈搬送装置11で搬送するようにして穀稈刈取り、特に、左側の引起装置9の引起ケース31に設けた補助引起装置46の荷重が左側に掛かっても、移動用駆動手段42が左側にあるため引起ケース31を支えているフレームの撓みを抑制し、破損を防止する。
即ち、補助引起装置46が移動用駆動手段42から離れていないため、モーメントは小となり、撓みが抑制され、移動用駆動手段42が正常に作動する。
本発明は、前記移動用駆動手段42は、側面視において、前記引起装置9の回動範囲を避けた位置に取付けたコンバインとしたものであり、引起装置9の回動範囲を避けた位置の左側部フレーム27に取付けた移動用駆動手段42は、分草装置8と引起装置9を上方回動させるときに干渉せず、そのため、分草装置8と引起装置9がどの位置にあっても、移動用駆動手段42と干渉することなく上下回動させられる。
本発明は、前記移動機構41は、移動用駆動手段42の駆動歯車43の回転により前記分草装置8および引起装置9に設けた受動歯車44を回転させて行うように構成し、前記左側部フレーム27には移動用駆動手段42の駆動歯車43に噛合う入力歯車56と、該入力歯車56と前記受動歯車44に至る間に一又は二以上の減速歯車57とを有する減速ギヤケース55を設けたコンバインとしたものであり、移動用駆動手段42の駆動歯車43が減速ギヤケース55の入力歯車56を回転させ、入力歯車56が減速歯車57を回転させ、減速歯車57が他の減速歯車57を回転させ、減速歯車57は受動歯車44を回転させ、受動歯車44は上部伝動ケース37を介して分草装置8と引起装置9(引起ユニット26)を上方回動させる。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、左側に掛かる荷重を強固に支持でき、特に、左側の引起装置9の引起ケース31に補助引起装置46を設けた場合、フレームの撓みを抑制し、破損を防止する。
請求項2の発明では、分草装置8および引起装置9がどの位置にあっても、移動用駆動手段42と干渉することを防止でき、いつでも分草装置8と引起装置9(引起ユニット26)を上下回動させることができ、操作性および作業性を向上させる。
請求項3の発明では、前記効果に加えて、複数の減速歯車57により減速するので、減速ギヤケース55内の各歯車の径を小さくでき、結果的に、減速ギヤケース55も含めて移動機構41全体をコンパクトにできる。
【実施例1】
【0006】
本発明の実施例を図により説明すると、1は機体フレーム、2は該機体フレーム1の下方位置に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方位置に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5はグレンタンク、6はグレンタンク5内の穀粒を排出する排出オーガ、7は操縦部である。
前記刈取部4は、最先端位置に分草装置8を左右に並設し、各分草装置8の後側に分草装置8が分草した穀稈を引起す引起装置9を設け、引起装置9の後側には刈刃10を設け、刈刃10の上方から後側には刈刃10によって刈り取った穀稈を搬送する穀稈搬送装置11を設ける。
穀稈搬送装置11の構成は任意であるが、一例を示すと、刈刃10の後側に刈り取った穀稈を搬送するラグ式の前側搬送装置12を設け、前側搬送装置12の終端部下方に前側搬送装置12より宙吊り状態にスターホイル形状の掻込装置13を設け、前側搬送装置12と掻込装置13の後側に、前側搬送装置12と掻込装置13が搬送した穀稈を搬送する後側搬送装置14および該後側搬送装置14の上方に設けた穂先搬送装置15を設けて構成している(図2)。
【0007】
また、前記後側搬送装置14は、その始端部を上下自在に構成して扱深さ調節用搬送装置を兼用し、また、後側搬送装置14の終端部を穀稈供給搬送装置16の始端部に臨ませて、穀稈供給搬送装置16に穀稈を引き継ぐ引継搬送装置を兼用しているが、別途扱深さ調節用搬送装置や引継搬送装置を設けてもよい。
また、前記穀稈搬送装置11には、扱深さ調節用搬送装置や引継搬送装置を含めてもよく、また、掻込装置13を穀稈搬送装置11より除外してもよく、名称等によって限定されない。
【0008】
しかして、前記刈取部4は、刈取フレーム18の刈取下側フレーム19を縦支持フレーム20の先端に取付け、縦支持フレーム20の基部は前記機体フレーム1側に設けた支持台21に回動自在に取付けて機体フレーム1側に取付ける。前記縦支持フレーム20にはに刈取上下シリンダの先端を取付け、刈取上下シリンダの基部を機体フレーム1側に取付け、刈取上下シリンダを伸縮させて刈取部4を上下させる。
前記刈取部4の刈取フレーム18は、縦支持フレーム20側に設けた固定フレーム24と該固定フレーム24に対して移動する移動フレーム25とに分割形成し、前記移動フレーム25側に少なくとも分草装置8および引起装置9を設けて引起ユニット26を構成し、引起ユニット26(移動フレーム25)は固定フレーム24の上部任意固定部に設けた回動中心S中心に一体で前側上方回動するように構成する(図2、図4等)。
【0009】
刈刃10の前側を開放する一つの例を示すと、前記刈取フレーム18の刈取下側フレーム19の左右中間位置に前記縦支持フレーム20の先端を固定状態に取付け、刈取下側フレーム19の左右両側に左右側部フレーム27の下部を固定状態に取付け、また、刈取下側フレーム19には前方に突き出るように下側前後フレーム28の基部を固定状態に取付け(図4)、下側前後フレーム28は左右側に複数並設し、下側前後フレーム28の先端側は刈刃フレーム29により連結固定し、刈刃フレーム29に前記刈刃10を摺動自在に取付ける(なお、刈刃10の取付けおよび左右摺動する構成は公知であり、詳細は省略する)。
【0010】
このように、前記刈取下側フレーム19と左右側部フレーム27と下側前後フレーム28と刈刃フレーム29により固定フレーム24を構成する。
また、前記各分草装置8は前後方向の軸棒形状により形成した分草杆30の先端に設け、各分草装置8は公知のものであり、側面視後方に至るに従い高くなる傾斜面を有して形成している。
また、前記引起装置9は公知の構成でよく、一例を示すと、引起装置9の引起ケース31の上部に前後方向の横軸32により駆動歯車33を設け(図6)、駆動歯車33とローラ34との間に引起ラグ35を複数起伏自在に取付けたチエン35aを掛け回し、引起ラグ引起ラグ35は引起ケース31の下方位置で起立して穀稈を引起し、引起ケース31の上部所定位置で引起ケース31内に格納されて下降し、これを反復して穀稈を引き起こすようにすればよい。
【0011】
しかして、前記各引起装置9の引起ケース31の下部は分草装置8を取付けた分草杆30に固定し、引起ケース31の上部には上側に突き出す伝動筒36を設け、各伝動筒36の上部を左右方向の筒部材により構成した上部伝動ケース37に固定状態に取付ける。
前記移動フレーム25は少なくとも分草杆30と上部伝動ケース37とこの両者を連結する引起ケース31と各分草杆30を連結する移動側横フレーム38とを有して構成し、上部伝動ケース37の左右両側は前記左右側部フレーム27の上部に回転自在に取付け、左右方向の上部伝動ケース37の軸心を回動中心Sとして分草装置8および引起装置9が機体進行方向に上方回動して、刈刃10の前側を開放するように構成する。
左右側部フレーム27の上部には懸架部40を設け、該懸架部40に前記上部伝動ケース37を回転自在に取付ける。上部伝動ケース37と左右側部フレーム27の取付部分には移動フレーム25を移動(回動)させる移動機構41を設ける。移動機構41はモータ・油圧シリンダ等により構成した移動用駆動手段42を各引起装置9の内の左側の引起装置9の引起ケース31の左側に位置する左側部フレーム27に取付け、移動用駆動手段42の歯車43に上部伝動ケース37の外周に設けた受動歯車44を噛み合わせる。
【0012】
実施例では、移動用駆動手段42は左側部フレーム27の後側に固定し、刈り幅に対する刈取部4の左右幅をコンパクトにしている。
移動機構41は、移動用駆動手段42に通電すると、歯車43が受動歯車44を回転させて、受動歯車44は上部伝動ケース37を懸架部40に対して回転させ、これにより引起ユニット26を上部伝動ケース37の軸心を回動中心Sとして上方回動させる。
この場合、移動機構41の移動用駆動手段42を各引起装置9の内の左側の引起装置9の引起ケース31の左側に位置する左側部フレーム27に取付けているから、左側の引起装置9の引起ケース31に設けた補助引起装置46(図5)の荷重が、左側に掛かるが、移動用駆動手段42が左側にあるため引起ケース31を支えているフレームの撓みを抑制し、破損を防止する。
【0013】
即ち、補助引起装置46が移動用駆動手段42から離れていないため、モーメントは小となり、撓みが抑制され、移動用駆動手段42が正常に作動する。
また、前記補助引起装置46は、左右方向の横軸中心に前記引起ラグ35に対して交差方向となる前後方向に回転する引起(分草)ラグを設けたものであり、分草装置8に続いて分草して引き起こしを行う。
【0014】
また、前記移動用駆動手段42は、側面視において、前記引起装置9の回動範囲を避けた位置の左側部フレーム27に取付ける。
即ち、引起ユニット26(移動フレーム25)は、図12、図15のように、回動中心Sを中心に180度以上の角度となるように前側上方回動するが、この通常作業位置と上方回動位置との間の回動範囲を外れた位置に、移動用駆動手段42を配置させる。
そのため、引起ユニット26(分草装置8および引起装置9)がどの位置にあっても、移動用駆動手段42と干渉することを防止する。
【0015】
また、移動用駆動手段42は、回動中心Sより下方に設ける。そのため、移動機構41の歯車43および受動歯車44を上部カバー47より包囲したとき、移動用駆動手段42が邪魔にならず、上部カバー47をコンパクトに構成できる(図10)。
【0016】
また、移動機構41の受動歯車44は、左右の懸架部40の間の上部伝動ケース37に設ける。これにより、受動歯車44の支持強度が向上し、受動歯車44の倒れを防止し、歯飛び等を防止でき、引起ユニット26の回動を円滑にする(図6)。
また、左右の懸架部40の間であって、懸架部40の近傍に受動歯車44を設けると、上部伝動ケース37へ掛かる荷重を懸架部40に分散して、上部伝動ケース37の撓み・変形を抑制・防止できる。
【0017】
前記上部伝動ケース37の側部には受動プーリ48を設け、受動プーリ48と側部フレーム27に設けた出力プーリ49との間にベルト50を掛け回している。
前記受動プーリ48は上部伝動ケース37に設けた伝動軸51に回転を伝達し、伝動軸51は引起装置9の駆動歯車33に回転を伝達する。
この場合、受動プーリ48は懸架部40より外側に配置し(図6)、懸架部40から受動プーリ48および受動歯車44の距離を夫々短くすることにより懸架部40に加わるモーメントを減少できる。
即ち、懸架部40の左右両側に、受動歯車44および受動プーリ48の夫々を配置したので、受動歯車44および受動プーリ48に掛かる荷重モーメントを左右に分散させて懸架部40は支持でき、支持強度を向上させ、また、懸架部40から受動プーリ48および受動歯車44の距離を夫々短くすることによりコンパクトに設計でき、移動用駆動手段42をカバー等で包囲することも可能となる。
また、ベルト50に当接させるテンションプーリ48aを移動用駆動手段42と回動中心Sとの間に配置すると、前記上部カバー47よる包囲も可能となって、好適である(図11)。
【0018】
しかして、前記出力プーリ49は、走行装置2のクローラ52の上面より上方に位置させる(図2)。これにより出力プーリ49やベルト50へのクローラ52による泥の跳ね上げを防止する。
【0019】
また、図16は、移動機構41の他の実施例を示し、前記左側部フレーム27に減速ギヤケース55を設け、減速ギヤケース55の入力歯車56に移動用駆動手段42の出力歯車43を噛み合わせ、入力歯車56から受動歯車44に至る間に一又は二以上の減速歯車57を設けて構成している。
複数の減速歯車57により減速するので、減速ギヤケース55内の各歯車の径を小さくでき、結果的に、減速ギヤケース55も含めて移動機構41全体をコンパクトにできる。
【0020】
しかして、引起ユニット26(移動フレーム25)は回動中心Sを中心に180度以上の角度となるように前側上方回動させたとき、引起ユニット26(移動フレーム25)の重心Gが通常の刈取位置(回動中心S)より側面視後側に位置するように構成する。
180度以下の角度となる高さ位置に位置したときの引起ユニット26(移動フレーム25)の重心は通常の刈取位置より前方に移動するが、180度以上で前側上方回動させると、引起ユニット26(移動フレーム25)の重心Gが通常の刈取位置より側面視後側に位置するので、刈取部4全体を安定させた状態で刈取作業を行える。
即ち、圃場入口や畦越え後の機体は前傾姿勢であったり、機体重心位置が極端に前側に位置しているが、移動フレーム25(引起ユニット26)の重心Gを刈取位置より後側に位置させることにより、刈取部4のみならず、機体全体の重心位置を可及的に後側に位置させ、安定した状態で刈取作業を行え、また、刈刃10を畦際(枕地)の穀稈にまで直接近づけて刈り取れる。
【0021】
また、単に、引起ユニット26(移動フレーム25)を上昇させた場合に比し重心位置を通常の刈取位置より後側にするので、刈刃10が圃場に突っ込むのを防止する。
刈取下側フレーム19の左右両側に設けた左右側部フレーム27は、上下中間部に前側に突き出る屈曲部60を設け、側面視「く」の字形状に形成する(図2)。左右側部フレーム27は、穀稈搬送装置11の側方に位置するので、直線状に形成した場合に比し「く」の字形状に形成することで、引起装置9に近づけられて穀稈搬送装置11の側方空間を広くし、搬送穀稈に対する干渉を減少させ、また、機体全長もコンパクトに納めることができる。
【0022】
(実施例の作用)
走行装置2により圃場を走行すると、刈取部4の分草装置8が圃場の穀稈を分草し、分草された穀稈は引起装置9により引き起こされ、引き起こされた穀稈が刈刃10により切断され、穀稈搬送装置11により穀稈供給搬送装置16に穀稈を搬送し、穀稈供給搬送装置16により脱穀室に穀稈が供給されて脱穀される。
刈取部4は、刈取フレーム18に分草装置8と引起装置9と刈刃10と穀稈搬送装置11を設けて構成し、刈取フレーム18は縦支持フレーム20の先端に取付けられ、縦支持フレーム20の基部は機体フレーム1側に設けた支持台21に回動自在に取付けているから、刈取上下シリンダを伸縮させると、刈取部4を上下させることができ、これにより刈取部4全体を上下させて刈高さを調節して前進して作業を行う。
【0023】
しかして、刈取部4の刈取フレーム18には少なくとも分草装置8と引起装置9と刈刃10と穀稈搬送装置11を設け、刈取フレーム18全体が機体フレーム1に対して上下するが、更に、刈取フレーム18は縦支持フレーム20側に設けた固定フレーム24と該固定フレーム24に対して移動する移動フレーム25とに分割形成し、移動フレーム25側には少なくとも分草装置8および引起装置9を設けて引起ユニット26を構成すると共に、移動フレーム25(引起ユニット26)は刈取部4の上部任意固定部に設けた回動中心Sを中心として移動フレーム25(引起ユニット26)の重心Gが回動中心Sより上方後側に位置するまで前側上方回動するように構成しているから、刈刃10の前方に位置する刈取部4の前側部分(引起ユニット26)を刈刃10に対して上方移動させた分当初位置まで刈刃10が前進でき、畦際の穀稈に刈刃10を可及的に接近して手作業によらずに畦際(枕地)の穀稈の機械刈りが可能となり、圃場入口や畦越え後の前傾姿勢や、機体重心位置が極端に前側に位置するような場合でも、移動フレーム25(引起ユニット26)および機体の重心位置安定させた状態で、作業が行える。
【0024】
また、刈刃10の前側の引起ユニット26が上動しているので、分草装置8および引起装置9の下部が圃場に突っ込むのを防止する。
この場合、複数並設した分草装置8と引起装置9は一体的に引起ユニット26に構成しているから、引起ユニット26を移動させると、刈刃10の前方全体を一度に開放し、開放作業を容易にする。
また、分草装置8および引起装置9は、移動フレーム25(引起ユニット26)ごと移動させるから、操縦部7にいる作業者は畦際の穀稈まで直接近づいて切断する刈取作業を、刈刃10およびその前側上方周辺から視認でき、作業性および操作性を向上させ、好適である。
【0025】
この場合、刈刃10の上方から後側に穀稈搬送装置11が存在し、穀稈搬送装置11は刈刃10と共に固定フレーム24に位置固定に設けるだけでなく、引起ユニット26を移動させた後も駆動可能であるから、刈刃10により刈り取った穀稈は穀稈搬送装置11により穀稈供給搬送装置16に搬送され、穀稈供給搬送装置16により脱穀室に供給される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】刈取部の側面図。
【図3】同平面図。
【図4】引起ユニットを所定高さに上動させた斜視図。
【図5】引起ユニットに補助引起装置を設けた実施例の斜視図。
【図6】門型の固定フレームを示す正面図。
【図7】引起装置の一部正面図。
【図8】引起ユニットの側面図(分草体は省略)。
【図9】同正面図(分草体は省略)。
【図10】移動機構の概略図。
【図11】移動機構と回転伝達機構の他の実施例の側面図。
【図12】引起ユニットを回動中心Sより重心Gが機体中心寄りになるように上動させた側面図。
【図13】引起ユニットを回動中心Sより回動させた状態の正面図。
【図14】引起ユニットを回動中心Sより回動させた状態の側面図。
【図15】枕地を乗り越える状態の側面図。
【図16】移動機構の他の実施例の概略図。
【符号の説明】
【0027】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部4、5…グレンタンク、6…排出オーガ、7…操縦部、8…分草装置、引起装置9…引起装置、10…刈刃、11…穀稈搬送装置、12…前側搬送装置、13…掻込装置、14…後側搬送装置、15…穂先搬送装置、16…穀稈供給搬送装置、18…刈取フレーム、19…刈取下側フレーム、20…縦支持フレーム、21…支持台、24…固定フレーム、25…移動フレーム、26…引起ユニット、27…左右側部フレーム、28…下側前後フレーム、29…刈刃フレーム、30…分草杆、31…引起ケース、32…横軸、33…駆動歯車、34…ローラ、35…引起ラグ、36…伝動筒、37…上部伝動ケース、38…移動側横フレーム、41…移動機構、42…移動用駆動手段、43…歯車、44…受動歯車、46…補助引起装置、48…受動プーリ、49…出力プーリ、50…ベルト、51…伝動軸、52…クローラ、55…減速ギヤケース、56…入力歯車、57…減速歯車。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成16年6月8日(2004.6.8)
【代理人】 【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎

【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋

【公開番号】 特開2005−348604(P2005−348604A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−169437(P2004−169437)