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【発明の名称】 保護カバー及び刈払機
【発明者】 【氏名】杉原 智仁
【住所又は居所】岐阜県郡上市白鳥町向小駄良809番地の1 ダイアトップ 株式会社内

【氏名】富田 一
【住所又は居所】岐阜県郡上市白鳥町向小駄良809番地の1 ダイアトップ 株式会社内

【要約】 【課題】耐久性及びメンテナンス性に優れた保護カバーを提供する。

【解決手段】刈払機11に設けられた回転軸14に固定され、刈刃15と一体的に回転する座部22と、この座部22の外周において締結部材17の周囲を取り囲むように設けられる環状のプロテクト部27とを備える。プロテクト部27の内周面と座部22の外周面とのうちいずれか一方には、回転軸14の中心周りに沿って延びる係止溝25を設けるとともに、他方に係止溝25に係合される係止突部31を設け、係止溝25と係止突部31との間に空隙部を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈払機に設けられた回転軸に刈刃を固定するための締結部材が接地するのを保護する保護カバーにおいて、
前記回転軸に固定され、前記刈刃と一体的に回転する座部と、
前記座部の外周において締結部材の周囲を取り囲むように設けられ、締結部材を外部に露出させる開口縁が、締結部材及び回転軸の先端よりも下側に位置する環状のプロテクト部とを備え、
前記プロテクト部の内周面と座部の外周面とのうちいずれか一方に前記回転軸の中心周りに沿って延びる係止溝を設けるとともに、他方に前記係止溝に係合される係止突部を設け、前記係止溝と係止突部との間に空隙部を設けたことを特徴とする保護カバー。
【請求項2】
前記空隙部は、前記係止突部の先端部において等間隔おきに形成された複数の切欠き部を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の保護カバー。
【請求項3】
駆動源からの回転力を操作杆内に設けられた駆動シャフトを介して伝達される回転軸に、刈刃と請求項1又は2に記載される保護カバーの座部とを挿通し、それら刈刃及び保護カバーを締結部材の締め付けによって回転軸に対して固定したことを特徴とする刈払機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、草等を刈る刈払機、及びその刈払機に刈刃を固定するための締結部材を保護する保護カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の刈払機として、例えば、図11に示す刈払機61aが知られている(特許文献1参照)。この刈払機61aは、操作杆62の先端部にある本体63から回転軸64が突設され、刈刃65がナット等の締結部材66によって固定され、その締結部材66が接地するのを防止するための保護カバー67を備えている。保護カバー67は、締結部材66によって回転軸64に対して固定されるため、刈刃65と共に回転する。そのため、保護カバー67が接地すると、その回転力が本体63を介して操作杆62へと伝わり、作業者の意志に反して操作杆62が振られやすく、刈り込み作業性が悪くなるという不具合がある。
【0003】
上述した刈払機61aの不具合を解消するために、例えば図12に示すように、保護カバー67と締結部材66との間にそれらを相対回転可能にするベアリング軸受69を設けた刈払機61bが知られている(特許文献2、3参照)。このタイプの刈払機61bによれば、ベアリング軸受69を設けたことにより、原動機の回転力が保護カバー67に伝達されないため、保護カバー67が接地したとき、保護カバー67を回転させずに刈刃65のみを回転させることができる。
【特許文献1】特開2002−360029号公報
【特許文献2】実開昭61−41533号公報
【特許文献3】実開平2−28668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図12に示した刈払機61bにおいては、ベアリング軸受69を設置するため、部品点数が多く、またベアリング軸受69を保護カバー67に接地するための構造が複雑化する。
【0005】
又、ベアリング軸受69に外部からの粉塵等の異物が入り込むことによるその回転動作の低下を防止するために、ベアリング軸受69全体が保護カバー67によって覆われている。そのため、例えば摩耗して切れ味が低下した刈刃65を新しいものと交換する際に、保護カバー67を取り外すのに、ベアリング軸受69と回転軸64とを離脱させる必要があるが、それらを締結する締結ナットを取り外しにくいという問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、簡単な構成であるにもかかわらず、耐久性及びメンテナンス性に優れた保護カバー及び刈払機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明では、刈払機に設けられた回転軸に刈刃を固定するための締結部材が接地するのを保護する保護カバーにおいて、前記回転軸に固定され、前記刈刃と一体的に回転する座部と、前記座部の外周において締結部材の周囲を取り囲むように設けられ、締結部材を外部に露出させる開口縁が、締結部材及び回転軸の先端よりも下側に位置する環状のプロテクト部とを備え、前記プロテクト部の内周面と座部の外周面とのうちいずれか一方に前記回転軸の中心周りに沿って延びる係止溝を設けるとともに、他方に前記係止溝に係合される係止突部を設け、前記係止溝と係止突部との間に空隙部を設けたことを要旨とする。
【0008】
この構成によれば、座部及びプロテクト部のうち一方に設けた係止溝に他方に設けた係止突部を係合させることで、座部とプロテクト部との相対回転を実現することができる。これにより、プロテクト部が接地したときには、プロテクト部の回転が止められ、座部のみが回転することとなる。プロテクト部と座部との間に生じる摩擦によって出る摩耗屑や粉塵等の異物を空隙部に逃がすことができるため、係止溝内に目詰まりが起きるのを防止することができる。しかも、締結部材は、プロテクト部の内側に露出しているため、例えば摩耗して切れ味が低下した刈刃を新しいものと交換する際に、締結部材を緩める作業を行いやすい。
【0009】
請求項2に記載の発明では、前記空隙部は、前記係止突部の先端部において等間隔おきに形成された複数の切欠き部を含んで構成されていることを要旨とする。
この構成にすれば、保護カバーの強度低下を招くことなく、空隙部の体積を大きく設定することができるため、係止溝内において摩擦屑や粉塵等の異物による目詰まり防止効果をいっそう向上することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、駆動源からの回転力を操作杆内に設けられた駆動シャフトを介して伝達される回転軸に、刈刃と請求項1又は2に記載される保護カバーの座部とを挿通し、それら刈刃及び保護カバーを締結部材の締め付けによって回転軸に対して固定したことを要旨とする。
【0011】
この構成によれば、請求項1又は2に記載した保護カバーを用いているため、保護カバーの耐久性を向上することができ、メンテナンス性に優れた刈払機を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1又は2に記載の発明によれば、簡単な構成であるにもかかわらず、座部とプロテクト部とのスムーズな相対回転を長時間に亘って持続することができるため、耐久性の向上を図ることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、上記の効果に加えて、締結部材の着脱作業が容易となるため、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、刈払機11は、操作杆12の先端部に設けられたギアケース13を備えており、ギアケース13内にはその下面から先端部が突出された回転軸14が支持されている。そして、操作杆12の基端部に設けられた原動機(駆動源)からの回転力は、操作杆12内に設けられた駆動シャフト12a、及びギアケース13内に設けられた図示しない歯車機構を介して回転軸14に伝達されるようになっている。
【0015】
回転軸14には、その基端部に形成された段差部14aに係合する丸鋸状の刈刃15と保護カバー16とがそれぞれ挿通されている。そして、回転軸14のネジ部14bに締結部材としてのナット17が締め付けられることにより、刈刃15と保護カバー16とが回転軸14に対して取り付けられている。
【0016】
要部である保護カバー16について説明する。
図2,図3に示すように、保護カバー16は、回転軸14が挿通される貫通孔21を有する金属製(アルミニウム)の座部22を有している。座部22は、前記回転軸14に螺合されるナット17によって刈刃15に対して押圧され、刈刃15と共に一体的に回転する。座部22は、外周縁に段部24a,24bを有する環状の半割体22a,22bとから構成され、両半割体22a,22bは、それらに螺合される組付ネジ23によって接合されている。そして、これらの段部24a,24b同士が向き合わせられた状態で、両半割体22a,22bが組付ネジ23によって接合固定されることにより、座部22の外周面には係止溝25が形成されている。係止溝25の内奥部には、半割体22a,22bの接合面26から外側に向けて傾斜した断面横V字状の底壁部25aが形成されている。
【0017】
座部22の外周には、前記回転軸14、ナット17の外周を取り囲むように環状をなす合成樹脂製(ナイロン)のプロテクト部27が設けられている。プロテクト部27は、その周方向に間隔をおいて形成された仕切り壁28によって区画される複数の中空部29を有しており、大部分が肉抜きされることで軽量化が図られている。プロテクト部27は、その開口縁27cが回転軸14及びナット17よりも下方に位置するように、座部22の外周縁から下側に膨出されている。これにより、プロテクト部27は、プロテクト部27の内側で回転軸14及びナット17が露出されていてもそれらが接地されるのを防止する役割がある。
【0018】
プロテクト部27の内周面には、前記座部22における係止溝25の上下幅よりも厚みがやや小さい環状の係止突部31が突設されており、係止突部31は前記座部22の係止溝25内に適度な遊びを持たせて摺動可能に係合されている。この係合によって、座部22とプロテクト部27とは相対回転可能となっている。本実施形態では刈刃15が回転しているとき、プロテクト部27は、接地されていなければ座部22と連れ回りし、接地されれば座部22との連れ回りが解除されて停止するようになっている。
【0019】
図2,図3に示すように、前記プロテクト部27の係止突部31には、その周方向に等間隔をおいて切欠き部33が複数形成されている。切欠き部33と、座部22における係止溝25の底壁部25aとから、係止溝25と係止突部31との間には空隙部34が形成されている。空隙部34には、プロテクト部27とは異なる合成樹脂(ポリアセタール)からなる転動自在なボール35が着脱可能に収容されている。すなわち、各ボール35は、半分が係止突部31の切欠き部33内に収容され、残りの半分が係止溝25の底壁部25aに収容されている。空隙部34にボール35を収容したのは、刈刃15の回転中にプロテクト部27が接地したとき、座部22とプロテクト部27とを安定した状態で相対回転させるためである。
【0020】
次に、上記のように構成された刈払機11の作用について説明する。
原動機からの動力が回転軸14が伝達されると、刈刃15と保護カバー16の座部22とが一体的に回転する。このとき、保護カバー16のプロテクト部27が接地されていなければ、プロテクト部27は座部22と連れ回りする。一方、プロテクト部27が接地されれば、座部22との連れ回りが解除されるため、座部22のみが回転し、プロテクト部27の回転が停止される。このとき、座部22は高速で回転しているため、座部22の係止溝25に対して摺動するプロテクト部27の係止突部31や、空隙部34内において転動するボール35から出る摩擦屑や粉塵等の異物は、空隙部34内に逃げ込む。そのため、係止溝25内で異物による目詰まりが起きなくなる。
【0021】
長時間使用で摩耗したプロテクト部27の係止突部31やボール35を交換する場合には次のように行う。すなわち、ナット17を緩めて回転軸14から保護カバー16を取り外した後、組付ネジ23を緩めて座部22を構成する半割体22a,22bを離間させる。これにより、座部22に対して摩耗したプロテクト部27とボール35が取り外され、それらを新しいものと交換する。交換後は、上述した順序と逆の順序で座部22に対してプロテクト部27とボール35とを組み付け、組み付けられた保護カバー16を回転軸14に装着する。
【0022】
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
[1]保護カバー16を構成する座部22とプロテクト部27とが相対回転した際に排出される摩擦屑や粉塵等の異物を、座部22の係止溝25とプロテクト部27の係止突部31との間にある空隙部34に逃がすことができる。そのため、異物によって係止溝25内が目詰まりを防止することができ、座部22とプロテクト部27とのスムーズな相対回転を長時間に亘って維持することができ、保護カバー16の長寿命化を図ることができる。
【0023】
[2]座部22とプロテクト部27との間にある空隙部34に複数のボール35を設けたことにより、座部22とプロテクト部27との相対回転を安定させることができる。そのため、プロテクト部27が接地したときに、原動機やギアケース13内に設けた歯車機構に過剰な回転負荷がかかるのを防止できるとともに、作業者の意志に反して操作杆12が振られやすくなるといった不具合の発生防止を長時間に亘って持続することができる。
【0024】
[3]座部22とプロテクト部27とのスムーズな相対回転を得るのに、座部22の係止溝25と、プロテクト部27の係止突部31との間に空隙部34を形成するという簡単な構成で済む。例えば、ベアリング等のように複雑かつ精密で、しかも重量のある部材を用いるのと比較して、低コスト化を図ることができる。しかも、操作杆12の先端部に装着される保護カバー16の軽量化をも実現できることから、刈り込み作業性の更なる向上を実現することができる。
【0025】
[4]座部22とプロテクト部27とが相対回転する構造では、ベアリング等の精密部品を用いていないため、回転軸14に刈刃15及び保護カバー16を締結するナット17を外部に露出させることができる。そのため、例えば、摩耗して切れ味が低下した刈刃15を新しいものと交換したり、メンテナンスで保護カバー16を取り外したりする際に、ナット17を緩める作業が行いやすく、刈刃15や保護カバー16の着脱作業を簡単に行うことができる。
【0026】
[5] 空隙部34の一部は、プロテクト部27の係止突部31に形成された複数の切欠き部を含んで構成されているため、保護カバー16の強度低下を招くことなく、空隙部34の体積を大きく設定することができる。
【0027】
[6]保護カバー16を構成する座部22とプロテクト部27とは組付ネジ23によって分解可能になっているため、長時間の使用によって合成樹脂製のプロテクト部27やボール35が摩耗したとしても、それらの摩耗した部分のみを交換することができる。従って、交換部品は必要最小限で済むため、保護カバー16を全て交換することに比べて、メンテナンスコストを大幅に削減することができる。
【0028】
[7]座部22とプロテクト部27との連れ回りが解除され、座部22とプロテクト部27との相対回転によってそれらの間に摩擦が生じるようなことがあっても、座部22とプロテクト部27とは異種の材料、ここでは金属と合成樹脂とから構成されているため、係止突部31やボール35の摩耗抑制効果を高くすることができる。
【0029】
[8]座部22の形成材料をアルミニウム製とし、プロテクト部27及びボール35の形成材料を合成樹脂製としたため、それら座部22、プロテクト部27、ボール35をそれぞれ水で洗浄することができ、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0030】
[第2実施形態]
第2実施形態について前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図4に示すように、保護カバー16におけるプロテクト部27の係止突部31に等間隔をおいて形成された切欠き部41は、その周方向に延びるように形成されている。そのため、本実施形態における切欠き部41の幅は、ボール35の径よりも大きく設定されている。
【0031】
よって、本実施形態の刈払機11によれば、高速回転に伴って、ボール35が摩擦熱を持ち、熱膨張を引き起こしたとしても、ボール35の大きさに比べて切欠き部41は十分な大きさを有しているため、座部22とプロテクト部27とのスムーズな相対回転を長時間に亘って持続することができる。
【0032】
又、第1実施形態と比較して空隙部34の体積を大きくすることができるため、ボール35から出る摩擦屑や粉塵等の異物を逃がすためのスペースを大きくすることができ、保護カバー16の更なる軽量化を図ることができる。
【0033】
[第3実施形態]
第3実施形態について前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図5,図6に示すように、前記保護カバー16におけるプロテクト部27の係止突部31の先端面は、その周方向に亘って断面円弧状に形成されている。係止突部31の上下両面には、その周方向に等間隔をおいて半球突状をなす第1支持部43と第2支持部44とが複数形成されている。それぞれの第1支持部43と第2支持部44とは、上下方向の同軸線上に位置している。
【0034】
係止溝25内には、係止突部31において両支持部43,44を有する箇所が適度な遊びを持たせて係合されている。遊びを持たせたのは、座部22とプロテクト部27とを相対回転可能にするためである。ちなみに、相対回転時には、係止突部31の各支持部43,44と座部22の両側面とが摺動されたり、係止突部31の先端と係止溝25の底壁部とが摺動されたりする。係止突部31の先端の摺動位置は、座部22を構成する半割体22a,22bの接合面26に対して位置ずれするように設定されている。このような構成を採用したのは、係止突部31の先端を座部22の係止溝25の平滑面で接触させることで、係止突部31の先端部が摩耗するのを抑制するためである。両支持部43,44がない箇所における係止突部31の厚みは、係止溝25の幅よりも小さく設定され、係止溝25内において両支持部43,44を除く部分が、本実施形態での空隙部34となっている。
【0035】
上述した構成によれば、草刈り作業中に保護カバー16のプロテクト部27が接地されれば、座部22との連れ回りが解除され、座部22のみが回転し、プロテクト部27の回転が停止される。このとき、座部22の係止溝25に対して摺動するプロテクト部27の係止突部31の先端面や、第1支持部43及び第2支持部44から出る摩擦屑や粉塵等の異物を、空隙部34内に逃がすことができ、異物が係止溝25と係止突部31との間に噛み込んで目詰まりを引き起こすことがない。そのため、座部22とプロテクト部27とのスムーズな相対回転を長時間に亘って維持することができる。
【0036】
又、係止突部31の先端の摺動位置を、座部22を構成する半割体22a,22bの接合面26から位置ずれするように設定したため、係止突部31の先端が摩耗するのを抑制することができ、プロテクト部27の長寿命化を図ることができる。
【0037】
[第4実施形態]
第4実施形態について前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図7,図8に示すように、ここでの座部22は一部材から構成されている。座部22の外周面には環状の係止突部51が突設されている。一方、プロテクト部27の中央部分は、内周面に段差部53aを有する小径の環状分割体27aと、内周面に段差部53bを有する大径の環状分割体27bとから構成されている。そして、それらの段差部53a,53b同士が向き合わせられた状態で、両環状分割体27a,27bが取付ネジ52によって接合固定されることにより、プロテクト部27の内周面には、前記座部22の係止突部51が挿入される係止溝53が形成されている。
【0038】
プロテクト部27における係止溝53内の両側面には、その周方向に等間隔をおいて半球状をなす第1支持部54aと第2支持部54bとが複数形成されている。第1支持部54aと第2支持部54bとは上下方向の同軸線上に位置している。
【0039】
係止溝53内において両支持部54a,54bの間に位置する箇所には、座部22の係止突部51が適度な遊びを持たせて係合されている。遊びを持たせたのは、座部22とプロテクト部27とを相対回転可能にするためである。ちなみに、相対回転時には、座部22の係止突部51と各支持部54a,54bとが摺動されたり、係止突部51の先端と係止溝53の底壁部とが摺動されたりする。
【0040】
係止突部51の先端の摺動位置は、プロテクト部27を構成する環状分割体27a,27bの接合面26に対して位置ずれするように設定されている。このような構成を採用したのは、座部22における係止突部51の先端面を、プロテクト部27における係止溝53の平坦面に接触させることで、係止溝53の底壁部が摩耗するのを抑制するためである。これにより、プロテクト部27の長寿命化を図ることができる。
【0041】
両支持部54a,54bがない箇所における係止溝53の幅は、座部22の係止突部51よりも大きく設定され、係止溝25内において両支持部54a,54bを除く部分が、本実施形態での空隙部34となっている。そして、この空隙部34が設けられていることにより、前記実施形態で説明した同様の効果を奏する。
【0042】
[変形例]
・前記第1実施形態又は第2実施形態において、切欠き部33,41に挿入されるボール35を省略してもよい。
【0043】
・前記第3実施形態の変形例として、図9,図10に示すようにプロテクト部27における係止突部31の先端形状を、断面略菱形状をなすように同プロテクト部27内周方向に沿って連続的に形成してもよい。
【0044】
・前記各実施形態では、座部22を金属製とし、プロテクト部27及びボール35を合成樹脂から形成し、それらの形成材料を異なるものから構成している。これ以外の形成材料として、全て金属材料に変更してもよい。この場合には、座部22をステンレス製とし、プロテクト部27及びボール35をアルミニウム製とすることが好ましい。
【0045】
・前記各実施形態では、外周縁にチップソーが設けられた円盤状の刈刃15を有する刈払機11に具体化したが、刈刃15の形状を任意に変更してもよい。又、回転軸14に装着される回転体に、可撓性を有する線状のカッターコードを取り付けたタイプの刈刃に変更してもよい。
【0046】
・第1実施形態で説明した切欠き部33や、或いは第2実施形態で説明した切欠き部41のうちいずれかを、第3又は第4実施形態のプロテクト部27に設けてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に示す。
【0047】
[1]請求項1又は2において、前記切欠き部内にはボールが転動自在に収容されている。この構成によれば、座部とプロテクト部との相対回転の安定化を図ることができる。
[2]請求項2又は[1]において、前記切欠き部は、前記プロテクト部の内周方向に沿って延設されている。この構成によれば、座部とプロテクト部とのスムーズな相対回転を長時間に亘って持続することができる。
【0048】
[3]請求項1又は2、前記[1]又は[2]のいずれかにおいて、前記係止溝は座部の外周面に形成されている一方、前記係止突部はプロテクト部の内周面に突設され、前記係止突部の先端部には、係止溝に対して摺動可能な突状の支持部(43,44)が複数突設され、前記係止溝内において前記支持部を除く箇所に前記空隙部が形成されている。この構成によれば、係止溝に係止突部を挿入するだけで、座部とプロテクト部とを相対回転可能にすることができるため、刈払機の組み付けの容易にすることができる。
【0049】
[4]前記[3]において、前記座部は、プロテクト部に設けた係止突部を挟み込むように複数の分割構成部材(22a,22b)によって構成され、それら分割構成部材の接合面(26)と係止突部の先端位置とが接しないように位置ずれされている。この構成によれば、保護カバーの長寿命化を図ることができる。
【0050】
[5]請求項1又は2、前記[1]又は[2]のいずれかにおいて、前記係止溝はプロテクト部の外周面に形成されている一方、前記係止突部は座部の内周面に突設され、前記係止溝内には、係止突部に対して摺動可能な突状の支持部(54a,54b)が複数突設され、前記係止溝内において前記支持部を除く箇所に前記空隙部が形成されている。
【0051】
この構成によれば、係止溝に係止突部を挿入するだけで、座部とプロテクト部とを相対回転可能にすることができるため、刈払機の組み付けを容易にすることができる。
[6]前記[3]において、前記座部は、プロテクト部に設けた係止突部を挟み込むように複数の分割構成部材(27a,27b)によって構成され、それら分割構成部材の接合面(26)と係止突部の先端とが接しないように位置ずれされている。この構成によれば、保護カバーの長寿命化を図ることができる。
【0052】
[7]請求項1又は2、前記[1]〜[6]のいずれかにおいて、前記座部と、ボール及びプロテクト部とは異種の材料からなる。この構成によれば、座部或いはプロテクト部の摩耗を抑制することができるため、保護カバーの長寿命化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1実施形態における刈払機の断面図。
【図2】同じく、保護カバーの分解斜視図。
【図3】同じく、保護カバーの要部拡大断面図。
【図4】第2実施形態における保護カバーの分解斜視図。
【図5】第3実施形態における刈払機の断面図。
【図6】同じく、保護カバーのプロテクト部を示す斜視図。
【図7】第4実施形態における刈払機の断面図。
【図8】同じく、保護カバーの分解斜視図。
【図9】変形例における保護カバーの断面図。
【図10】同じく、保護カバーにおけるプロテクト部の斜視図。
【図11】従来技術を示す刈払機の一部切欠き正面図。
【図12】同じく、図11とは異なるタイプの刈払機における一部切欠き正面図。
【符号の説明】
【0054】
12…操作杆、12a…駆動シャフト、14…回転軸、17…ナット(締結部材)、15…刈刃、16…保護カバー、22…座部、25,53…係止溝、27…プロテクト部、27c…開口縁、31,51…係止突部、34…空隙部、33,41…切欠き部。
【出願人】 【識別番号】592013325
【氏名又は名称】ダイアトップ株式会社
【住所又は居所】岐阜県郡上郡白鳥町向小駄良809番地の1
【出願日】 平成16年5月26日(2004.5.26)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠

【公開番号】 特開2005−333871(P2005−333871A)
【公開日】 平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願番号】 特願2004−156604(P2004−156604)