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【発明の名称】 野菜収穫機
【発明者】 【氏名】石田 伊佐男
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】小田切 元
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】高木 真吾
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】岩部 孝章
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】圃場内の作物を掘起こし刃で掘り起して収穫する野菜収穫機に関して、掘起こし刃で掘り起こした土をできるだけ既に堀り起こした列側に寄せることで、未だ掘り起こされていない側の列を掘り起すときに作物を掘起こし易くする。

【解決手段】前記掘起こし刃40は設定軌跡で上下方向に揺動する揺動部材42Lと連結する基部から前下がり姿勢で前方に延びるアーム部42aと、作物の周辺の土を解す刃部40bとからそれぞれ形成し、左右一対の掘起こし刃40のうち、未だ掘起し作業がなされていない作物の列に近い側の未堀側掘起こし刃40は、該未堀側掘起こし刃40の上下揺動上死点W1及び下死点W2の何れの時も、未堀側掘起こし刃40のアーム部40aの上面及び刃部40bの上面が前記引起しラグ35aの周回軌跡の下端位置より上位に位置する構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場内の作物の左右両側を設定軌跡で上下方向に揺動して作物の周辺の土を解す左右一対の掘起こし刃と、該掘起こし刃で周辺の土を解された作物を挟持して機体後方に搬送する挟持搬送装置と、引起しケースの外側に沿って上下方向に周回する複数の引起しラグで圃場から外に出ている作物の葉を引起す引起し装置とを走行車体に設け、
前記掘起こし刃は設定軌跡で上下方向に揺動する揺動部材と連結する基部から前下がり姿勢で前方に延びるアーム部と、作物の周辺の土を解す刃部とからそれぞれ形成し、
左右一対の掘起こし刃のうち、未だ掘起し作業がなされていない作物の列に近い側の未堀側掘起こし刃は、該未堀側掘起こし刃の上下揺動上死点及び下死点の何れの時も、未堀側掘起こし刃のアーム部の上面及び刃部の上面が前記引起しラグの周回軌跡の下端位置より上位に位置する構成としたことを特徴とする野菜収穫機。
【請求項2】
前記左右一対の掘起こし刃のうち、既に掘起し作業がなされた作物の列に近い側の既堀側掘起こし刃の前端位置と、前記未堀側の掘起こし刃の前端位置とを機体前後方向にずらして構成し、前記未堀側の掘起こし刃の前端位置を既堀側掘起こし刃の前端位置より前側に位置するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の野菜収穫機。
【請求項3】
前記既堀側掘起こし刃の前端部から上方に向かって突起部を形成し、該突起部は挟持搬送装置の搬送始端位置より機体前後方向前側に位置すると共に、既堀側掘起こし刃が上下揺動上死点及び下死点の何れの時も、前記前記引起しラグの周回軌跡の下端位置より上位に位置する構成としたことを特徴とする請求項1記載の野菜収穫機。
【請求項4】
前記既堀側掘起こし刃の刃部の下端部と前記未堀側掘起こし刃の刃部の下端部から機体後方に向かって屈曲部を形成したことを特徴とする請求項2記載の野菜収穫機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圃場内で生育した作物の左右両側を挟持搬送ベルトの始端部の前方にある左右対称の一対の掘起し刃が上下揺動動作して作物の周辺の土を解して作物を掘り起こし、挟持搬送ベルトで作物の茎葉を挟持して後方に搬送する野菜収穫機が記載されている。
【特許文献1】特開2002−58316号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のように左右対称の掘起し刃が共に地中で上下揺動して作物を掘り起こす構成においては、掘起こし刃で解して盛り上がった土が左右双方の掘起こし刃の両外側に寄せられるため、未だ掘起こし作業をしていない作物の列(いわゆる未堀側)にも盛り上がった土が寄せられ、後に当該未堀側の列の作物の掘起こし作業をするとき、その分視認性が悪くなる等の理由で掘起こし作業をし難くしていた。
【0004】
また、掘起こし刃が地中で上下揺動すると掘り起こされた土が盛り上がり、盛り上がった土が挟持搬送ベルトに入り込むとベルトがスリップして作物を挟持し損ねたり、ベルトの耐久性が低下するという欠点が生じていた。
【0005】
本発明は掘起こし刃で掘り起こした土をできるだけ既堀側に寄せることで、未堀側の列の作物を掘起こし易くすることを目的とする。また、できるだけ掘り起こした土を盛り上がりし難くすることで挟持搬送ベルトの作業性や耐久性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために以下のような技術的手段を講じた。
【0007】
即ち、請求項1記載の発明は、圃場内の作物の左右両側を設定軌跡で上下方向に揺動して作物の周辺の土を解す左右一対の掘起こし刃と、該掘起こし刃で周辺の土を解された作物を挟持して機体後方に搬送する挟持搬送装置と、引起しケースの外側に沿って上下方向に周回する複数の引起しラグで圃場から外に出ている作物の葉を引起す引起し装置とを走行車体に設け、
前記掘起こし刃は設定軌跡で上下方向に揺動する揺動部材と連結する基部から前下がり姿勢で前方に延びるアーム部と、作物の周辺の土を解す刃部とからそれぞれ形成し、
左右一対の掘起こし刃のうち、未だ掘起し作業がなされていない作物の列に近い側の未堀側掘起こし刃は、該未堀側掘起こし刃の上下揺動上死点及び下死点の何れの時も、未堀側掘起こし刃のアーム部の上面及び刃部の上面が前記引起しラグの周回軌跡の下端位置より上位に位置する構成としたことを特徴とする野菜収穫機とする。
【0008】
請求項2記載の発明は前記左右一対の掘起こし刃のうち、既に掘起し作業がなされた作物の列に近い側の既堀側掘起こし刃の前端位置と、前記未堀側の掘起こし刃の前端位置とを機体前後方向にずらして構成し、前記未堀側の掘起こし刃の前端位置を既堀側掘起こし刃の前端位置より前側に位置するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の野菜収穫機とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記既堀側掘起こし刃の前端部から上方に向かって突起部を形成し、該突起部は挟持搬送装置の搬送始端位置より機体前後方向前側に位置すると共に、既堀側掘起こし刃が上下揺動上死点及び下死点の何れの時も、前記前記引起しラグの周回軌跡の下端位置より上位に位置する構成としたことを特徴とする請求項1記載の野菜収穫機とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記既堀側掘起こし刃の刃部の下端部と前記未堀側掘起こし刃の刃部の下端部から機体後方に向かって屈曲部を形成したことを特徴とする請求項2記載の野菜収穫機とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明によると、未だ掘起し作業がなされていない作物の列に近い側の未堀側掘起こし刃は、該未堀側掘起こし刃の上下揺動上死点及び下死点の何れの時も、未堀側掘起こし刃のアーム部の上面及び刃部の上面が前記引起しラグの周回軌跡の下端位置より上位に位置する構成としたことで、掘起こし刃の上面で土を盛り上げ難くなるため、その分掘起こし作業で盛り上がる土を減少させることができ、挟持搬送装置に入り込む土の量を減少させることができ、挟持搬送装置が作物を挟持しにくくなることを防止し、かつ、挟持搬送装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0012】
また、未堀側掘起こし刃のアーム部及び刃部の地上に突出している部分で既堀側で盛り上がった土が未堀側へ寄せられることを遮ることが出来るため、未堀側に寄せられる土を減少させ、後に未堀側の列の作物を掘り起こすときにより掘起こし易くすることができる。
【0013】
請求項2記載の発明によると、前記未堀側の掘起こし刃の前端位置を既堀側掘起こし刃の前端位置より前側に位置するよう構成したことで、未堀側の土を先行して掘り起こし作業することでより多くの土を既堀側に寄せることが可能になる。
【0014】
請求項3記載の発明によると、既堀側掘取刃の突起部は挟持搬送装置の搬送始端位置より機体前後方向前側に位置し、かつ、既堀側掘起こし刃が上下揺動上死点及び下死点の何れの時も、前記前記引起しラグの周回軌跡の下端位置より上位に位置する構成としたことで、挟持搬送装置の搬送始端位置に土を盛り上げ難くすることができ、挟持搬送装置に入り込む土の量を減少させることができる。
【0015】
請求項4記載の発明によると、前記既堀側掘起こし刃の刃部の下端部と前記未堀側掘起こし刃の刃部の下端部から機体後方に向かって屈曲部を形成したことで、作物を持ち上げ易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態の一つとして、人参等の根菜類を圃場から収穫する根菜類収穫機がある。以下に、本発明を実施した根菜類収穫機について詳細に説明する。
【0017】
図面に示した根菜類収穫機1は、機体を自走させる走行装置2と、搭乗した操縦者によって操作される操作具を配置した操縦部3と、圃場に植生する根菜類の茎葉Q1部を挟持して後側斜め上方に搬送して引抜き収穫する収穫部4と、収穫物を収容する容器Cを設置可能とする収容部5と、前記収穫部4から収穫物を受け取って前記収容部5に搬送する搬送部6と、収穫物を収容した容器を複数体載置可能とする収穫物載置部7とを設けた構成としている。また、前記走行装置2は駆動回転する左右一対のクローラ8L,8Rを備え、前記収穫部4は機体の左右一方側に配置し、前記収穫物載置部7は機体の左右他方側に配置し且つ該収穫物載置部7を配置した側のクローラ8Rの左右外端部より収穫物載置部7の左右外端部が左右方向外側に位置する状態に配置している。そして、前記収穫物載置部7を配置した側のクローラ8Rの接地部を左右反対側のクローラ8Lの接地部より下方に位置する状態に下動可能に設けている。
【0018】
以下に、根菜類収穫機1の各部の具体的な構成を説明する。
【0019】
走行装置2は、駆動回転する左右一対のクローラ8L,8Rにより構成している。このクローラ8L,8Rの駆動機構は、まず、操縦部3の操縦座席12の下側に配置したエンジンの動力が、機体前部の低位置に設けたミッションに伝動し、ミッションから左右両側に延出させた走行駆動軸が駆動回転し、この走行駆動軸の左右両外端部に取り付けた駆動スプロケット14,14が駆動回転して左右のクローラ8L,8Rが駆動される構成となっている。クローラ8L,8Rは、駆動スプロケット14,14と機体後部側の転動輪15,15、そして、その転動輪15,15と駆動スプロケット14,14との間に取り付けた転輪16,16,16;16,16,16の周りに巻き掛けて取り付けている。
【0020】
収穫部4を配置している側(左側)のクローラ8Lについては、その転動輪15と転輪16,16,16を、機体(機体フレーム17)に設けた前側支持フレーム18Lと後側支持フレーム19Lとに固着された左側転輪支持フレーム20Lに回転自在に取付けている。従って、収穫部4を配置している側(左側)のクローラ8Lの下面である接地部は機体に対して上下動操作不能となっている。
【0021】
収穫部4は、根菜類の茎葉Q1部を挟持して搬送する搬送作用部として左右挟持搬送ベルト9L,9Rからなる挟持搬送装置9を備える。この左右挟持搬送ベルト9L,9Rは、機体前部側の左右に軸架した左右遊動プーリ13L,13Rと、機体後部側の左右に設けた左右駆動プーリと、両プーリの前後間に適宜設けたローラとに巻き掛け、且つ、当該左右挟持搬送ベルトの互いに左右対向する周側面が互いに圧接する状態で回転するように構成している。左右駆動プーリがエンジンからの動力を受けて駆動回転すると左右挟持搬送ベルトが互いに圧接するベルト面が後方に移動するよう互い反対方向に回転して、左右のベルトの互いに圧接するベルト面の間に、根菜の茎葉Q1部の基部(根部の肩に近い部分)を挟持して吊り下げ状態で搬送するものとなる。この収穫部4の後部は機体後部側に設けた左右横軸29回りに回動自在に取り付け、そして、油圧シリンダ30によって左右挟持搬送ベルト9L,9Rの前部を上下動できる構成としている。従って、左右挟持搬送ベルト9L,9Rの搬送作用部の搬送始端部を地面の高さ変動、搬送作用部が保持しようとする根菜類の茎葉Q1部の状態に合わせて、容易に上下調節できる。
【0022】
また、収穫部4には、根菜類の茎葉Q1部を切断して根部から取り除くために切断する切断装置31も設けている。左右挟持搬送ベルト9L,9Rで根菜類を搬送する途中で根菜類の茎葉Q1部を引継いで挟持して機体後方水平状に搬送する排葉ベルト32,32を、左右挟持搬送ベルト9L,9Rの終端部分の下方に略水平姿勢で左右一対に設けている。また、この排葉ベルト32,32に茎葉Q1部を引継ぎ搬送するときに、根菜類の根部の上端部に係合して根菜類の上昇を規制し根菜類の高さを切断装置31に対して設定高さに揃えるための位置揃えベルト33,33を設けている。この位置揃えベルト33,33の後端部後方に、切断装置31の左右一対の円板状の切断刃を配置し、挟持搬送ベルト9L,9Rで搬送されてきた根菜の茎葉Q1部の基部を切断する。切断された根菜類の根部は下方に落下し、茎葉Q1部は排葉ベルト32,32で機体後方に搬送されて機体後部側から排出される。左右挟持搬送ベルト9L,9Rの前側には、該ベルト9L,9Rによる茎葉Q1部の挟持が適確に行われるように前後方向突出する多数のラグ34aを縦引起しケース34bに沿って上下方向に周回させて茎葉Q1部を引起す縦引起し装置34と、左右方向に突出する多数のラグ35aを横引起しケース35bに沿って上下方向に周回させて茎葉Q1部を引起す横引起し装置35とを設けている。
【0023】
収穫部4により機体上に搬送された根菜類は、搬送部6によって収穫部4が配置されている側とは左右反対側に向って(機体左側から右側に向って)搬送され、収容部5に置かれた容器であるコンテナC内に収容される。
【0024】
搬送部6は、切断装置31の下方に位置し機体の左右内側方向に根菜類を搬送する第一コンベア36と、該第一コンベア36の前側に並行するように位置して第一コンベア36の移送方向と同方向に根菜類を移送する第二コンベア37と、該第二コンベア37の搬送終端部から機体後方に向けて延びて同方向に根菜類を移送する第三コンベア38とを備えた構成としている。収穫部4によって搬送され、切断装置13によって茎葉Q1部が切断されて落下した根菜類は、第一コンベア36上に受けられ機体の左右内側方向に移送され第二コンベア37上に排出され、更に、第二コンベア37によって同方向(機体右側方向)に移送され、次いで、第三コンベア38によって機体後方に向けて移送されて、第三コンベア38の移送終端部後方に配置した収容部5に載置したコンテナC内に排出される。
【0025】
なお、第一コンベア36を平坦な面を有するベルトコンベアで構成し、その移送下手側のベルト上面に下側がベルト回転方向と同方向に向って駆動回転する残葉処理ローラ39を、該ローラ前端部側が後端部側に比べて左右方向において機体内側になるように平面視傾斜状態で配置して設けている。従って、第一コンベア36によって根菜が移送されて残葉処理ローラ39に当ると、第一コンベア36の前側に配置した第二コンベア37上に排出されるようになるが、切断装置31によって切断された後に根菜の根部側に残っている茎葉Q1部の基部から伸びている葉(残葉)は、第一コンベア36のベルト上面と残葉処理ローラ39との間に引き込まれて取り除かれることになる。
【0026】
また、収容部5のコンテナ交換作業と第三コンベア38で搬送される根菜類から不良品を取り除く選別作業を行う作業者が機体上に搭乗するための搭乗部25を設けている。搭乗部25には、作業者が機体上に容易に搭乗し作業が行えるようシート27を設けている。更に、搭乗部25の左右方向機体外側部に機体前部から機体後部にわたってコンテナCを前後一列に複数載置できる収穫物載置部7を設けていて、この積載部7上に収穫物で満杯のコンテナCを載置しながら収穫作業を進めることで能率よく作業が行えるものとなる。この収穫物載置部7は、機体内側に回動可能に取り付けて折畳み可能な構造等にすることで機体内側に収納可能に設けている。
【0027】
次に発明の要部である掘起こし刃の構成について説明する。
【0028】
本実施例の掘起こし刃は挟持搬送装置9の搬送始端側の下方にあって、機体左右方向に一対設けられており、そのうち40は未だ掘起していない作物Qの列M側に隣接する機体の左右方向外側に設けられた未堀側掘起こし刃で、41は既に掘り起こした側の作物Qの列側にあって機体の左右方向内側に設けられた既堀側掘起こし刃である。
【0029】
未堀側掘起こし刃40と既堀側掘起こし刃41とはそれぞれ上下方向に揺動させる揺動アーム42L,42Rに夫々取り付け、収穫作業時には揺動アーム42L,42Rが同期して上下方向に揺動することで、地中の作物Qの左右両側で未堀側掘起こし刃40と既堀側掘起こし刃41とが上下方向に揺動し、作物Qの周囲の土を解して掘り起すものである。
【0030】
未堀側掘起こし刃40は未堀側掘起こし刃40を上下方向に揺動させる揺動アーム42Lに取り付けるアーム部40aと作物Qを掘り起す刃部40bとを一体形成している。そして、アーム部40aはその基端側から斜め前方下がりになるよう揺動アーム42Lに取り付け、アーム部40aの先端側に刃部4bを形成し、刃部4bはアーム部40aより下方に向かって第一屈曲部40cを屈曲形成している。そしてさらに、第一屈曲部40cの下端部から機体後方に向かって第二屈曲部40dを屈曲形成している。この第二屈曲部40dにより、作物Qを持ち上げやすくなり、より作物Qを掘り起し易くできるものである。
【0031】
第一屈曲部40c、及び第二屈曲部40dは下方に向かって機体内側に向かって緩やかに曲げて構成されている。なお、第一屈曲部40cの前端は鋭角40gを形成することで、収穫機が掘り起し作業をしながら前進するときに鋭角gが土を切り分けていくので、刃部40bの抵抗を小さくすることができ、円滑な掘り起し作業に寄与するものである。
【0032】
刃部40bの上部は揺動アーム42Lの厚さより薄いプレート40eに形成している。図6に示すように未堀側掘起こし刃40が上下揺動上死点位置(実線)W1及び下死点位置(二点鎖線)W2のいずれの状態においても、プレート40eの上端面40fは横引起し装置35のラグ35aの周回軌跡の下端高さ位置Kよりも高い位置になるよう構成している。また、プレート40eは刃部40bの前端位置からアーム部40a上部にわたって設けられている。
【0033】
そのため、未堀側の作物Qの列Mに向かって寄せられようとしている土が、常時地上に突出しているプレート40e面によって遮られ、その結果、未堀側の作物Qの列M側に寄せられる土の量を減少させることができ、後に未堀側の列の作物Qを収穫するときに、余分な土が寄せられていないため、例えば視認性が向上する等掘り起し作業性が向上する。
【0034】
また、プレート40eの上端面40fが常時地上に突出しているため、上端面40fで圃場内の土を持ち上げることが無く、挟持搬送ベルト9L,9Rの搬送始端部に入り込む土の量を減少させることができる。従って、挟持搬送ベルト9L,9Rがスリップして作物Qを挟持し損ねたりすることを防止し、かつ、ベルトの耐久性の低下を防止することができる。
【0035】
また、刃部40bの前端位置は機体前後方向で横引起し装置35のラグ35aと挟持搬送ベルト9L,9Rの挟持始端位置Tとの間に位置し、横引起し装置35で作物Qの茎葉Q1を掻き上げた後で作物Qの周辺の土を掘り起すため、茎葉Q1が掘り起こし作業時に未堀側掘起こし刃40に絡まって切られたり、邪魔したりすることを防止し、円滑に作物Qを土中から掘り起し、挟持搬送ベルト9L,9Rで茎葉Q1を挟持することができる。
【0036】
既掘側掘起こし刃41は既掘側掘起こし刃41を上下方向に揺動させる揺動アーム42Rに取り付けるアーム部41aと作物Qを掘り起す刃部41bとを一体形成している。そして、アーム部41aはその基端側から斜め前方下がりになるよう揺動アーム42Rに取り付け、アーム部41aの先端側に刃部41bを形成し、刃部41bはアーム部41aより下方に向かって屈曲形成する第一屈曲部41cを形成し、かつ第一屈曲部41cの下端部から機体方向後方に向かって第二屈曲部41dを屈曲形成している。この刃部41bに形成する第二屈曲部41dにより、作物Qを持ち上げやすくなり、より、作物Qを掘り起し易くできるものである。
【0037】
第一屈曲部41c、及び第二屈曲部41dは下方に向かって機体内側に向かって緩やかに曲げて構成されている。なお、第一屈曲部41cの前端は鋭角41gを形成することで、収穫機が掘り起し作業をしながら前進するときに鋭角gが土を切り分けていくので、刃部41bの抵抗を小さくすることができ、円滑な掘り起し作業に寄与するものである。
【0038】
刃部41bの上部には揺動アーム42Rの厚さより薄く形成する突起41eを設けている。突起41eは挟持搬送ベルト9L,9Rの挟持搬送始端位置Bよりも機体前後方向前側にあり、かつ、未堀側掘起こし刃40の前端位置より機体前後方向後側に設けている。そして、図7に示すように既掘側掘起こし刃41が上下揺動上死点位置(実線)X1及び下死点位置(二点鎖線)X2のいずれの状態においても、突起41eの上端41fは横引起し装置35のラグ35aの周回軌跡の下端高さ位置Kよりも高い位置になるよう構成している。そして、突起41eの機体方向後ろ側とアーム部41aとの間には空間部Yが形成されている。
【0039】
以下効果を述べると、未堀側掘起こし刃40と既堀側掘起こし刃41とが作物Qの左右両側で上下方向揺動し、作物Qの周辺の土を解すが、未堀側の作物Qの列Mに向かって寄せられる土はプレート40fで遮蔽され、反対に既堀側に向かって寄せられる土は空間部Yを通過して既堀側に寄せられる。そのため、掘り起された土をできるだけ既堀側に寄せることができ、後に未堀側の作物Qの列Mを収穫作業するときに掘り起し易くすることができる。
【0040】
また、刃部40bの前端位置は機体前後方向で横引起し装置35のラグ35aの前後先端位置Tと挟持搬送ベルト9L,9Rの挟持始端位置Bとの間に位置し、横引起し装置35で作物Qの茎葉Q1を掻き上げた後で作物Qの周辺の土を掘り起すため、茎葉Q1が掘り起こし作業時に既掘側掘起こし刃41に絡まったり邪魔すること無く、円滑に作物Qを土中から掘り起すことができる。
【0041】
なお、未堀側掘起こし刃40の第一屈曲部と、既堀側掘起こし刃41の第一屈曲部は機体前後方向にずらした位置に構成することで、第一屈曲部が土を挟んで持ち上げ難くすることができ、盛り上がる土の量を減少させることができ、挟持搬送ベルト9L,9Rに入り込む土の量を減少させることができる。また、このことは、第二屈曲部40dと第二屈曲部41dとを機体前後方向にずらした位置に構成することでも同様の効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】根菜類収穫機の左側面図。
【図2】根菜類収穫機の右側面図。
【図3】根菜類収穫機の平面図。
【図4】根菜類収穫機の背面図。
【図5】掘起こし刃の正面図。
【図6】発明の要部を示す拡大左側面図。
【図7】発明の要部を示す拡大左側面図。
【図8】発明の要部を示す拡大左側面図。
【符号の説明】
【0043】
1 根菜類収穫機
2 走行装置
3 操縦部
4 収穫部
5 収容部
6 搬送部
7 収穫物載置部
40 未堀側掘起こし刃
41 未堀側掘起こし刃
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成16年4月1日(2004.4.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−287437(P2005−287437A)
【公開日】 平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願番号】 特願2004−109153(P2004−109153)