トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 収穫機
【発明者】 【氏名】上窪 啓太
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【要約】 【課題】営農集団や生産組合や収穫請負業者などが有する収穫機に、当年度の委託農家ごとの収穫量や水分や収穫作業時間などのデータを蓄積し、更に数年前の同様のデータを蓄積して、収穫作業時間から請負手数料を算出したり、他の委託農家と比較したり、次年度の生産計画などを提案したり、これらのデータや演算結果をレポートとして印刷して提供できるようにすることを課題とする。

【解決手段】収穫機に、圃場に関する情報と、該圃場で栽培する農作物の種類と、該農作物を栽培する生産者に関する情報と、該農産物の収穫に関する情報と作業時間とを記憶する記憶手段44と、これらの情報を演算する制御手段53とを備えて、前記記憶手段44に記憶した情報を委託農家ごとに出力可能に構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に関する情報と、該圃場で栽培する農作物の種類と、該農作物を栽培する生産者に関する情報と、該農産物の収穫に関する情報と作業時間とを記憶する記憶手段と、これらの情報を演算する制御手段を備えた収穫機であって、前記記憶手段に記憶した情報を委託農家ごとに出力可能に構成したことを特徴とする収穫機。
【請求項2】
前記制御手段により、前記記憶手段に記憶した情報に基づいて委託農家ごとに手数料を演算するように構成したことを特徴とする請求項1記載の収穫機。
【請求項3】
前記制御手段による演算結果を前記記憶手段に記憶させ、記憶手段の他の情報とともに印刷装置又は表示装置に出力可能に構成したことを特徴とする請求項2記載の収穫機。
【請求項4】
前記制御手段により、前記記憶手段に記憶した情報を分析して、圃場ごとの作業を管理することを特徴とする請求項3記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫管理情報を蓄積して、演算して出力することができる収穫機に関し、特に、委託農家ごとの情報を提供できる収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、農産物の生産から消費者の手に渡るまでの生産管理や生産履歴の情報を管理して利用できる農作業管理装置及びその方法は公知となっている。(例えば、特許文献1参照。)この技術は、圃場ごとに、栽培する農作物の種類や土地の履歴や生産者に関する情報などを記憶装置などに記憶させて、生産者の情報とし、この情報を収穫後に農作物を消費者に販売するときにレシートなどに印刷することで、生産者を明確にするとともに、施肥や防除などの情報がわかるようにして、生産者と消費者の間のコミュニケーションが図れるようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】特開2002−149744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の農作業管理装置及び方法においては、生産者にとって、施肥や防除の情報は参考になるが、生産者の情報や農産物の種類や分析した結果や農産物の状態や収穫量など、これらの情報はすべて生産者が個々に入力する必要があり、大変面倒な作業となる。そして、これらの情報は消費者に渡る時に土壌の状態や生育状態や収穫時期や施肥の回数・量・種類や、防除の回数や農薬の量・種類などがわかるもので、どちらかといえば、消費者が安心して農作物を購入できるようにするための支援システムである。
【0005】
一方、収穫請負者が有するコンバインは、多数の契約された委託農家の圃場の稲などを収穫するために使用するが、各委託農家ごとに圃場の状態や生育状態は異なるため、標準料金に対して、作業時間はまちまちとなり、また、倒伏圃場や超湿田などにおいては料金を割り増しして特別料金を課すようにしたが、双方にとって客観的に納得がいくものとはならないことがあった。
【0006】
そこで本発明は、営農集団や生産組合や収穫請負業者などが有するコンバインに、当年度の委託農家ごとの収穫量や水分や収穫作業時間などのデータを蓄積し、更に数年前の同様のデータを蓄積して、収穫作業時間から請負手数料を算出したり、他の委託農家と比較したり、次年度の生産計画などを提案したり、これらのデータや演算結果をレポートとして印刷して提供できるようにしようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、圃場に関する情報と、該圃場で栽培する農作物の種類と、該農作物を栽培する生産者に関する情報と、該農産物の収穫に関する情報と作業時間とを記憶する記憶手段と、これらの情報を演算する制御手段を備えた収穫機であって、前記記憶手段に記憶した情報を委託農家ごとに出力可能に構成したものである。
【0009】
請求項2においては、前記制御手段により、前記記憶手段に記憶した情報に基づいて委託農家ごとに手数料を演算するように構成したものである。
【0010】
請求項3においては、前記制御手段による演算結果を前記記憶手段に記憶させ、記憶手段の他の情報とともに印刷装置又は表示装置に出力可能に構成したものである。
【0011】
請求項4においては、前記制御手段により、前記記憶手段に記憶した情報を分析して、圃場ごとの作業を管理するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
即ち、請求項1においては、圃場に関する情報と、該圃場で栽培する農作物の種類と、該農作物を栽培する生産者に関する情報と、該農産物の収穫に関する情報と作業時間などの情報とともに、制御手段により演算された収穫した農作物の収穫量などの情報を収穫機で委託農家ごとに管理し、収穫作業後に印刷装置で印刷したり、表示装置に表示したりして、容易に確認できる。また、各圃場の位置と収穫量などから最適の作物を分析したり、各圃場の次年度の生産計画などを立てたりしやすくなり、管理作業が簡単に行えるようになる。
【0014】
請求項2においては、収穫作業者である請負者が委託農家に対する手数料を、収穫量や作業時間、収穫作業を行った圃場の状態などに応じて容易に算出することができる。
【0015】
請求項3においては、収穫作業者である請負者は手数料や収穫量などの情報を委託農家に提示できる。また、手数料にその明細が添付されるので、請負者は委託農家の信頼性の向上を図ることができる。
【0016】
請求項4においては、次年度の圃場ごとの生産計画が立てやすくなり、収穫量の向上や等級の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の一形態であるコンバインの左側面図、図2は本発明の実施の一形態であるコンバインの平面図、図3は本発明の実施の一形態であるコンバインの右側面図、図4は発明の実施の一形態であるコンバインの正面図、図5は穀物タンクの側面図、図6はエンジンから穀物排出装置までの動力伝達経路を示す模式図、図7は穀物排出装置の収納位置および作業位置とコンバインの機体との位置関係を示す平面図、図8は旋回指令手段を示す図、図9はコントローラを示すブロック図、図10は穀物重量算出制御フローチャート、図11は収穫時の動作手順を示すフローチャート、図12は収穫作業時の動作手順を示すフローチャートである。
【0018】
まず、図1から図4を用いて本発明の一実施例に係る収穫機201の全体構成について説明する。ここで、収穫機201をコンバインとして米の収穫について説明しているが、麦やそばや大豆などの穀物や野菜などにおいても適用可能である。
【0019】
クローラ式走行装置1上に機台2が載置され、該機台2前方に引起し・刈取部3が昇降可能に配設されている。該引起し・刈取部3において、穀稈は前方に突出した分草板4により分草されて、該分草板の後方に立設された引起しケース5から突出されたタイン6により引き起され、該引起こしケース5の後方に配設された刈刃7にて株元側から刈り取られる。
【0020】
引起し・刈取部3の後方には扱胴や処理胴を備える脱穀部12が配置され、該引起し・刈取部3と脱穀部12との間に穀稈の搬送装置8が配設されている。さらに、該搬送装置8の後方であって、脱穀部12の側方にはフィードチェーン9が後方に延設されている。前記引起し・刈取部3で刈り取られた穀稈は搬送装置からフィードチェーン9に受け継がれ、該フィードチェーン9によって株元側が後方に搬送される。これにより、穀稈の穂先側が脱穀部12内に搬送されて、該脱穀部12にて穀稈の脱穀が行われる。
【0021】
そして、前記フィードチェーン9後端に排藁チェーン18が配設され、該排藁チェーン18後部下方に排藁カッター装置、拡散コンベアなどを備えた排藁処理部19が配設されている。前記脱穀部12で脱穀された後の穀稈(排藁)は、フィードチェーン9から排藁チェーンに搬送されて、そのまま圃場に放出、あるいは排藁処理部19にて藁片に切断された後に拡散されながら放出される。
【0022】
また、前記脱穀部12下方には選別部17が配設され、該選別部17にて脱穀部12から流下した穀粒や藁屑などから穀粒が選別される。そして、穀粒や藁屑などのうち、選別後の穀粒が穀物タンク13に搬送され、藁屑などが機外に排出される。
【0023】
前記穀物タンク13は脱穀部12の側方に配設されており、該穀物タンク13の前方に運転室14が配設される一方、穀物タンク13後方及び上方に穀物排出装置15が配設されている。穀物排出装置15は縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bとを備えて構成されており、縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bのうち、縦排出オーガ15aが穀物タンク13後方で機台2上に立設され、横排出オーガ15bが穀物タンク13上方に配置されている。こうして、穀物タンク13は縦排出オーガ15aを中心にして側方へ回動可能に構成されるとともに、その後部に備えられた回動支点により上下方向に回動可能に構成されている。
【0024】
図5に示すように、前記穀物タンク13の前部下方には、穀物タンク13の重量を測定する測定装置30が配置されている。該測定装置30は、主に油圧シリンダであるタンク昇降シリンダ31と該タンク昇降シリンダ31と接触可能に配置された重量センサ32とで構成されている。
【0025】
タンク昇降シリンダ31は、穀物タンク13前部を機台2に対して昇降可能とするものであり、穀物タンク13の前下部に上下方向に伸縮可能に取り付けられている。一方、重量センサ32はロードセル型のセンサであり、タンク昇降シリンダ31に対向して、即ちタンク昇降シリンダ31のピストンロッドの延長線上に位置して、機台2上に固定されている。これにより、タンク昇降シリンダ31が伸長した場合には、該タンク昇降シリンダ31と重量センサ32とが接触し、穀物タンク13の前部が持ち上げられるようになっている。
【0026】
前記タンク昇降シリンダ31は、図9に示すように、油圧制御バルブ33と接続され、該油圧制御バルブ33のソレノイドが後述する制御手段53に接続されている。こうして、制御手段53からの制御信号により油圧制御バルブ33が切り換えられて、タンク昇降シリンダ31の伸縮が制御されるように構成されている。さらに、該制御手段53には前記重量センサ32が接続され、該重量センサ32により検出された穀物タンク重量に関する信号(情報)が制御手段53に送信されるようになっている。
【0027】
このように構成することにより、穀物タンク重量を測定するときのみ、タンク昇降シリンダ31が伸長して重量センサ32と接触し、穀物タンク13の前部が持ち上げられて、重量センサ32により穀物タンク重量が測定されることになる。なお、穀物タンク重量の測定時を除いては、タンク昇降シリンダ31は縮短して重量センサ32と接触しない状態となる。つまり、穀物タンク13が機台2に固定され、重量センサ32に荷重がかからないようになっている。
【0028】
さらに、図5に示すように、前記穀物タンク13の内側上部には、穀物水分を測定する水分センサ35が配置され、穀物タンク13内に貯溜された穀物の水分量を測定できるようになっている。水分センサ35は、図9に示すように、前記制御手段53と接続されており、該水分センサ35により検出された穀物水分に関する信号(情報)が制御手段53に送信されるようになっている。
【0029】
また、前記穀物タンク13の内側下部にスクリュー式の横送りコンベア16が前後方向に配設され、該横送りコンベア16の一端が穀物排出装置15に連設されている。こうして、穀物タンク13内の穀物横送りコンベア16によりは穀物タンク13から穀物排出装置15に搬送された後、縦排出オーガ15aを経て横排出オーガ15bの先端部から外部に排出されるようになっている。
【0030】
次に、図6を用いてエンジンから穀物タンク及び穀物排出装置への駆動力伝達経路について説明する。
エンジン101の前方出力軸101bには、クローラ式走行装置1を駆動するための走行用ミッションケース47の入力軸が連結され、クローラ式走行装置1に駆動力が伝達されるようになっている。一方、後方出力軸101aには、脱穀部12や選別部17へ駆動力を伝達するためのプーリ102・102・102と、穀物タンク13および穀物排出装置15へ駆動力を伝達するためのプーリ103とが嵌設されている。
【0031】
また、前記エンジン101の略後方で、穀物タンク13の下部前面に駆動ケース104が配設され、該駆動ケース104から駆動ケース入力軸105が機体前方へ突出されている。そして、駆動ケース入力軸105の前端にプーリ106が嵌設され、該プーリ106と前記後方出力軸101a後端に嵌設されたプーリ103とにVベルト107が巻回されて、エンジン101の駆動力の一部が駆動ケース104の入力軸105に伝達されるように構成されている。Vベルト107には、該Vベルト107のテンションプーリを兼ねるオーガクラッチ118が設けられ、該オーガクラッチ118により駆動力を駆動ケース104より下流側へ伝達又は遮断できるようになっている。
【0032】
前記駆動ケース104内には互いに噛合するギア108a・108bが収納されており、二つのギア108a・108bのうち、一方のギア108aは駆動ケース104に軸支された前記入力軸105の後端に外嵌固定され、他方のギア108bは横送りコンベア16の前端に嵌設された回転軸であるコンベア駆動軸56に外嵌固定されている。
【0033】
横送りコンベア16の後端にはベベルギア109が嵌設され、該ベベルギア109に縦排出オーガ15a内のスクリュー式の縦送りコンベア110下端に嵌設されたベベルギア111が噛合されている。一方、縦送りコンベア110上端にはベベルギア112が嵌設され、該ベベルギア112にベベルギア113が噛合されている。そして、該ベベルギア113とベベルギア115とがチェーンやスプロケットを内設する中間ケース114に連動連結され、該ベベルギア115に横排出オーガ15b内のスクリュー式の横送りコンベア117の一端に嵌設されたベベルギア116が噛合されている。
【0034】
このように構成することにより、横送りコンベア16から穀物排出装置15の縦送りコンベア110と横送りコンベア117に駆動力が伝達される。つまり、穀物タンク13内の穀物は横送りコンベア16により後方に搬送され、穀物タンク13後方に位置する縦排出オーガ15aを経て、横排出オーガ15b先端から強制的に排出されることになる。
【0035】
次に、図2、図5、図6を用いて、穀物排出装置15の各部の構造とその操作手段について説明する。
【0036】
図5に示すように、穀物排出装置15において、横排出オーガ15bの根元側は縦排出オーガ15aの上端に上下回動可能に枢着されている。収穫機201における昇降用アクチュエータであるオーガ昇降シリンダ130は油圧制御バルブ139の切換により伸縮されるように構成されており、一端が縦排出オーガ15a側面より突設されたブラケット131に回動可能に枢着され、他端が横排出オーガ15b側面より突設されたブラケット132に回動可能に枢着されている。こうして、オーガ昇降シリンダ130を伸縮させることによって、横排出オーガ15bが上下方向に回動されるようになっている。なお、収穫機201における昇降用アクチュエータであるオーガ昇降シリンダ130は油圧式のシリンダであるが、その他の電気式または油圧式のモータでも良く、限定されない。
【0037】
前記縦排出オーガ15aの中途部にはギア133aが外嵌固定され、該ギア133aに旋回用アクチュエータであるオーガ旋回モータ134の回転軸134aに嵌設されたギア133bが噛合されている。こうして、該オーガ旋回モータ134を作動させることにより、縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bとが一体的に旋回されるようになっている。さらに、ギア133bと同軸にオーガ旋回角センサ135が設けられている。なお、収穫機201における旋回用アクチュエータであるオーガ旋回モータ134は電気式のモータであるが、油圧式のモータでも、その他の油圧シリンダでも良く、限定されない。また、オーガ旋回角センサ135はレゾルバ、回転式ポテンショメータ、ロータリーエンコーダなどであり、該オーガ旋回角センサ135により、横排出オーガ15bの旋回角度が検出される。
【0038】
また、横排出オーガ15bの先端に排出ケース136が設けられている。該排出ケース136内には、横送りコンベア117を軸支するためにボールベアリングなどからなる軸受け部が形成されている。排出ケース136の下面は開口されており、該開口部の縁に沿って筒形状のスリーブ137が取り付けられている。スリーブ137は可撓性の樹脂などで構成され、スリーブ137の下端が穀物排出口138とされている。これにより、排出ケース136の下面から落下した穀物を周囲に飛散させず、穀物排出口138の直下近傍に集中して排出することができるようになっている。
【0039】
ここで、収穫機201におけるオーガレストについて、図1及び図2、図4を用いて説明する。
オーガレスト52は、穀物排出装置15を使用しないときに該穀物排出装置15の横排出オーガ15bを支持する部材である。以下では、穀物排出装置15の旋回方向に関して「収納位置にある」とは、基本的には平面視で横排出オーガ15bがオーガレスト52上に位置する状態を指す。
【0040】
オーガレスト52は、レスト部52aと支柱部52bとで構成されている。レスト部52aは正面視略U字型に形成され、不使用時の横排出オーガ15bはオーガレスト52に載置固定される。該レスト部52aの上面(U字型に形成された内面)にはゴムや樹脂などの弾性部材が取り付けられ、走行中に横排出オーガ15bが載置されていても振動音が発生しないようになっている。
【0041】
支柱部52bは正面視で上半分がコンバインの左側方にやや屈曲した形状をした角パイプであり、その下端部が運転室14の筐体であるキャビンを支持するフレームに固設されている。また、支柱部52bの中途部と、前記キャビンを支持するフレームにおいて支柱部52bの下端部が固設された位置とは別の箇所との間には補強パイプ(図示せず)が固設され、オーガレスト52の強度の向上が図られている。
【0042】
次に、図7を用いて、収穫機201における穀物排出装置15の横排出オーガ15bの収納位置および作業位置について説明する。
「収納位置」とは、走行中など穀物排出装置15を使用しない時に横排出オーガ15bが停止している位置である。収穫機201においては、平面視で穀物排出装置15の横排出オーガ15bがオーガレスト52上に位置する状態を指す。実際には、平面視で横排出オーガ15bがオーガレスト52上に位置する状態からオーガ昇降シリンダ130が短縮して横排出オーガ15bが下方に回動し、横排出オーガ15bがオーガレスト52上に載置された状態である。
【0043】
「作業位置」とは、収穫機201の穀物タンク13に貯溜された穀物をトラックなどの搬送車の荷台に移載するなどのために穀物排出装置15を使用する時に横排出オーガ15bが停止している位置である。収穫機201においては、平面視で横排出オーガ15bの先端部(排出ケース136)が収穫機201の機体右側方に突出した「右側方作業位置」、横排出オーガ15bの先端部が収穫機201の機体左側方に突出した「左側方作業位置」、横排出オーガ15bの先端部が収穫機201の機体後方に突出した「後方作業位置」の計三箇所の作業位置が設定されている。
【0044】
なお、収穫機201においては作業位置が三箇所設定されているが、一箇所でも、二箇所でも、四箇所以上でも設定可能であり作業位置の設定箇所の数は限定されない。また、作業位置の収納位置からの旋回角度についても、例えば右側方作業位置を右側方やや後方寄りとしたり、後方作業位置を後方やや右側方寄りとしたりしても良く、限定されない。
【0045】
以下では、穀物排出装置15に対する旋回指令手段150について、図8を用いて説明する。
旋回指令手段150は、旋回方向に沿って設定された収納位置及び旋回方向に沿って設定された複数の作業位置の間で穀物排出装置15の横排出オーガ15bを旋回させるための指令を発するものである。旋回指令手段150は片手で持って操作できる程度の大きさの略直方体形状を呈し、運転室14内に設けられた座席14aの側方のサイドコラムに配置されている。また、旋回指令手段150は有線で制御手段53に接続され、旋回指令手段150を座席14aの側方のサイドコラムから着脱可能に係止されている。
【0046】
なお、該旋回指令手段150と制御手段との送受信を有線ではなく無線にて行う構成としても良い。また、座席14aの側方のサイドコラムに限定せず、前方や後方など運転室14内の別の場所に旋回指令手段150を着脱可能に取り付けても良い。
【0047】
前記旋回指令手段150の操作面には、収穫機201の平面視の形状を模した機体模式表示部が設けられている。また、該旋回指令手段の操作面には収納操作スイッチであるリターンスイッチ152と、旋回セット操作スイッチであるセットスイッチ153とが設けられている。
【0048】
これらのスイッチのうち、リターンスイッチ152は横排出オーガ15bを収納位置に近づける方向に自動旋回させる指令を発するためのスイッチであり、旋回指令手段150の操作面上において機体模式表示部151のコンバイン前部となる位置に配置されている。一方、セットスイッチ153は横排出オーガ15bを収納位置から遠ざかる方向(収納位置から作業位置に向かう方向)に自動旋回させる指令を発するためのスイッチであり、旋回指令手段150の操作面上において機体模式表示部151のコンバイン右側方部となる位置に配置されている。こうして、リターンスイッチ152又はセットスイッチ153を押したときに作業者が横排出オーガ15bの旋回方向を容易に認識できるようになっている。
【0049】
さらに、旋回指令手段150の操作面上にはオーガクラッチスイッチ155とともに、オーガ手動操作スイッチ156が設けられている。オーガクラッチスイッチ155は図5に示すオーガクラッチ118を入切するためのスイッチであり、該オーガクラッチ118の入切によりエンジン101からの駆動力を穀物排出装置15(縦排出オーガ15a内の縦送りコンベア110及び横排出オーガ15b内の横送りコンベア117)に伝達又は遮断可能に構成されている。
【0050】
一方、オーガ手動操作スイッチ156は、横排出オーガ15bを手動操作するためのスイッチであり、オーガ手動操作スイッチ156はオーガ上昇スイッチ156a、オーガ下降スイッチ156b、オーガ右旋回スイッチ156c、オーガ左旋回スイッチ156dの計四個のスイッチからなる。なお、オーガ手動操作スイッチ156において「手動操作」とは、スイッチを押している間だけ横排出オーガ15bが上昇、下降、右旋回または左旋回し、スイッチから手を離したときの位置で横排出オーガ15bが停止することを指す。
【0051】
また、旋回指令手段150の操作面上に点灯手段である表示ランプ154が一つ設けられ、複数の異なる発光色で発光可能、かつ異なる点滅周期で点滅可能となっている。なお、表示ランプ154はLEDなどで構成される。
【0052】
そして、図9に示すように、前記旋回指令手段150に設けられたリターンスイッチ152と、セットスイッチ153と、オーガ手動操作スイッチ156と、オーガクラッチスイッチ155と、表示ランプ154とがケーブル158により制御手段53に接続され、各スイッチの操作が行われたことを示す旋回指令手段150からの制御手段53への信号、および穀物排出装置15の状態(旋回中または停止中の区別、停止位置など)に関する制御手段53からの旋回指令手段150への信号が該ケーブル158を介して旋回指令手段150と制御手段53との間で送受信されるようになっている。
【0053】
このように、前記制御手段53には、横排出オーガ15bを収納位置に近づける方向に自動旋回させるリターンスイッチ152と、横排出オーガ15bを収納位置から遠ざかる方向(収納位置から作業位置に向かう方向)に自動旋回させるセットスイッチ153と、横排出オーガ15bを手動操作するためのオーガ手動操作スイッチ156と、オーガクラッチ118を入切するためのオーガクラッチスイッチ155とが接続されるとともに、横排出オーガ15bの機体に対する昇降角度を検出するオーガ昇降角センサ130aと、横排出オーガ15bの機体に対する旋回角度を検出するオーガ旋回角センサ135と、穀物タンク重量を測定する重量センサ32と、穀物タンク13内の穀物の水分を測定する水分センサ35と、これらの重量センサ32の検出動作を手動で行うための測定スイッチ36と、これらの重量センサ32と水分センサ35による検出結果を記録紙に印刷するための出力スイッチ38と、収穫機201の現在位置を検出するGPS(全地球測位システム)を利用した位置検出手段40と、各種情報を入力するためのキーボードやタッチパネルなどの入力装置41とが接続されている。
【0054】
さらに、制御手段53には、旋回指令手段150上の表示ランプ154と、オーガ昇降シリンダ130を作動させる油圧制御バルブ139と、オーガ旋回モータ134と、穀物排出装置15への駆動力の伝達又は遮断を行うオーガクラッチ118と、タンク昇降シリンダ31を作動させる油圧制御バルブ33と、重量センサにより測定された穀物重量などを印刷する印刷装置39と、穀物重量などを表示する表示装置42と、各種情報を生産組合や営農集団などに設置される農作業管理用装置などとの間で通信する手段である通信装置43と、各種情報と記憶する手段となる記憶装置44とが接続されている。
【0055】
続いて、制御手段について、図9を用いて説明する。
制御手段53は、旋回指令手段150からの指令に基づいてオートリターン作業(リターンスイッチ152を押して横排出オーガ15bを収納位置に自動旋回させる作業)やオートセット作業(セットスイッチ153を押して横排出オーガ15bを作業位置に自動旋回させる作業)などの横排出オーガ15bの自動旋回・上昇や、その他手動による横排出オーガ15bの旋回・上昇、横排出オーガ15bの駆動、穀物タンク重量の検出などを行うものであり、主に中央処理装置54や記憶部55などから構成されている。
【0056】
中央処理装置54は各種入力信号及び記憶部55に記憶された各種情報を基にオートリターン及びオートセットに関する演算処理や穀物重量に関する演算処理を行い、各種出力信号を出力する。記憶部55は、横排出オーガ15bのオートセット及びオートリターンに関する情報や穀物タンク重量、穀物タンク重量に基づいて算出された穀物重量などの種々の情報を記憶する。
【0057】
中央処理装置54へ入力される信号(情報)としては、リターンスイッチ152が押されたことを示す信号、セットスイッチ153が押されたことを示す信号、オーガクラッチスイッチ155が押されたことを示す信号、オーガ手動操作スイッチ156を構成する四個のスイッチであるオーガ上昇スイッチ156a、オーガ下降スイッチ156b、オーガ右旋回スイッチ156c、オーガ左旋回スイッチ156dのいずれか一つ、またはオーガ上昇スイッチ156aとオーガ下降スイッチ156bのいずれか一方とオーガ右旋回スイッチ156cとオーガ左旋回スイッチ156dのいずれか一方との組み合わせが押されていることを示す信号、オーガ昇降角センサ130aからの機体に対する横排出オーガ15bの昇降角度(回動角度)に関する信号、オーガ旋回角センサ135からの機体に対する横排出オーガ15bの旋回角度に関する信号、重量センサ32からの穀物タンク重量に関する信号、水分センサ35からの穀物タンク13内の穀物水分に関する信号、測定スイッチ36が押されたことを示す信号、出力スイッチ38が押されたことを示す信号、収穫機201の現在位置に関する信号、入力装置41が操作されたことを示す信号などがある。
【0058】
一方、中央処理装置54から出力される信号(情報)としては、オーガ昇降シリンダ130を作動させるための信号、オーガ旋回モータ134を作動させるための信号、オーガクラッチ118を作動させるための信号、表示ランプ154の発光色および点灯または点滅により穀物排出装置15の状態を示すための信号、タンク昇降シリンダ31を作動させるための信号、印刷装置39を作動させるための信号、表示装置42に表示させるための信号、通信装置43を作動させるための信号などがある。
【0059】
続いて、制御手段53を用いた自動旋回作業(オートリターン作業およびオートセット作業)及び穀粒の排出作業ついて、図8から図10を用いて説明する。
図8に示す如く、横排出オーガ15bの旋回位置として収穫機201の機体前方やや左寄りとなる方向に収納位置が設定される。また、機体右側方となる方向に右側方作業位置、機体後方となる方向には後方作業位置、機体左側方となる方向には左側方作業位置がそれぞれ設定される。そして、これら収納位置や右側方作業位置、後方作業位置、左側方作業位置に横排出オーガ15bが位置するときのオーガ旋回角センサ135の信号(電流値または電圧値)に関する情報が記憶部55に予め記憶されている。
【0060】
本実施例の自動旋回作業においては、リターンスイッチ152を押したときの横排出オーガ15bの旋回方向は平面視で左回り(反時計回り)である。また、セットスイッチ153を押したときの横排出オーガ15bの旋回方向は平面視で右回り(時計回り)である。
【0061】
図8に示す如く、収納位置に横排出オーガ15bが位置しているときにセットスイッチ153を一回押すと、横排出オーガ15bは旋回時にオーガレスト52と干渉しない位置まで上方に回動し、右回り(時計回り)に旋回する。そして、収納位置から最も近い作業位置である右側方作業位置まで右回り(時計回り)に旋回後、停止する。
【0062】
次に、右側方作業位置に横排出オーガ15bが位置しているときにセットスイッチ153を一回押すと、横排出オーガ15bは旋回時に収穫機201の他の部材と干渉しない位置まで上方に回動し、右回り(時計回り)に旋回する。そして、旋回方向において右側方作業位置から最も近い作業位置である後方作業位置まで右回り(時計回り)に旋回後、停止する。
【0063】
続いて、後方作業位置に横排出オーガ15bが位置しているときにセットスイッチ153を一回押すと、横排出オーガ15bは旋回時に収穫機201の他の部材と干渉しない位置まで上方に回動し、右回り(時計回り)に旋回する。そして、旋回方向において後方作業位置から最も近い作業位置である左側方作業位置まで右回り(時計回り)に旋回後、停止する。
【0064】
収納位置で一回セットスイッチ153を押し、収納位置から右側方作業位置に向かって横排出オーガ15bが旋回している最中にさらにセットスイッチ153を一回押すと、横排出オーガ15bは右側方作業位置で停止せずに旋回を続け、後方作業位置まで旋回後、停止する。
【0065】
また、収納位置で一回セットスイッチ153を押し、収納位置から右側方作業位置に向かって横排出オーガ15bが旋回している最中にセットスイッチ153を二回押すと、横排出オーガ15bは右側方作業位置および後方作業位置で停止せずに旋回を続け、左側方作業位置まで旋回後、停止する。
【0066】
さらに、収納位置でセットスイッチ153を最初に押してから、横排出オーガ15bが旋回中に、セットスイッチ153を押した回数が四回となったとき(すなわち、作業位置の数よりもセットスイッチ153を押した回数が一回多くなったとき)、横排出オーガ15bは旋回を中止する。そして、旋回を中止してからさらにセットスイッチ153を一回押すと、右側方作業位置に向かって旋回を始める(この場合、横排出オーガ15bが旋回を中止した位置が右側方作業位置よりも右旋回した位置のときは横排出オーガ15bは左旋回し、横排出オーガ15bが旋回を中止した位置が右側方作業位置よりも左旋回した位置のときは横排出オーガ15bは右旋回することとなる)。
【0067】
いずれかの作業位置に横排出オーガ15bが停止しているとき、または、セットスイッチ153を四回(作業位置の数よりも一回多い回数)押したことにより横排出オーガ15bが停止しているときにリターンスイッチ152を押すと、横排出オーガ15bは収納位置に向かって旋回し、収納位置にて停止する。また、横排出オーガ15bが旋回中にリターンスイッチ152を押した場合、その操作は受け付けられない。このように構成することにより、操作スイッチの誤操作を防止し、操作性を向上させることが可能である。
【0068】
以上のよう構成することにより、収穫した穀物を穀物タンク13から搬送車の荷台などに移載するとき、図10に示すように、セットスイッチ153が押されてONになると(S101)、オーガ昇降シリンダ130及びオーガ旋回モータ134が作動して、横排出オーガ15bが前述のごとくセットスイッチ153を押した回数に応じて作業位置に向かって旋回し、作業位置にて停止する(S102)。
【0069】
そして、オーガクラッチスイッチ155が押されてONになると(S103)、タンク昇降シリンダ31が伸長して穀物タンクが上昇し(S104)、制御バルブ33が中立に戻った後に重量センサにより穀物タンク重量が測定される。測定された穀物タンク重量に関する信号が制御手段53の中央処理装置54に入力され、記憶部55に排出直前の穀物タンク重量が記憶される(S105)。
【0070】
一定時間経過すると(S106)、タンク昇降シリンダ31が短縮して穀物タンクが下降する(S107)。そして、制御バルブ33が中立に戻ると、オーガクラッチ118が「入」となり、穀物タンク13の横送りコンベア16と穀物排出装置15の縦送りコンベア110及び横送りコンベア117とが駆動されて、排出作業が開始し(S108)、横排出オーガ15b先端の穀物排出口138から穀物が排出される。
【0071】
オーガクラッチスイッチ155が押されてOFFになると(S109)、オーガクラッチ118が「切」となり、横送りコンベア16と穀物排出装置15の縦送りコンベア110及び横送りコンベア117とが停止して、排出作業が終了する(S110)。
【0072】
その後、タンク昇降シリンダ31が伸長して穀物タンク13が上昇し(S111)、制御バルブ33が中立に戻った後に重量センサ32により穀物タンク重量が測定される。そして、測定された穀物タンク重量に関する信号が制御手段53の中央処理装置54に入力されて、記憶部55に排出直後の穀物タンク重量が記憶され(S112)、排出直前の穀物タンク重量から排出直後の穀物タンク重量が差し引かれて穀物タンク13の穀物重量が算出される(S113)。さらに、一定時間経過すると(S114)、タンク昇降シリンダ31が短縮して穀物タンクが下降する(S115)。なお、排出位置を変更するために、横排出オーガ15bを若干旋回させて、または昇降させて、再びオーガクラッチ118を作動させることがあり、この場合には、再度穀物重量を測定して前記穀物重量に加算する。
【0073】
そして、リターンスイッチ152が押されてOFFになると(S116)、オーガ旋回モータ134が作動して横排出オーガ15bが収納位置に向かって旋回し、収納位置にて停止する(S117)。続いて、オーガ昇降シリンダ130が作動して、横排出オーガ15bがオーガレスト52に戴置される。
【0074】
次に、収穫機201を用いた収穫時の動作手順について、図11のフローチャート図を用いて説明する。
【0075】
〔ステップ1〕
まず、所定の圃場に移動して、収穫作業前に入力装置41より記憶装置44に、委託農家に関する情報(名前またはコードまたはIDなど)や収穫する農作物の種類、圃場に関する情報(土地名または位置またはIDと、湿田などの土質、倒伏しているかどうか、病気や害虫の発生状況など作物の状態など)と、収穫作業を行う作業者名などの各種基礎情報を入力して記憶させる(S1)。
【0076】
〔ステップ2〕
入力後に収穫作業を実施する(S2)。具体的には、図12に示すように、収穫作業を開始し(S201)、作業が進んで穀物タンク13が満杯となると(S202)、収穫機201をトラックなどの搬送車まで移動して、穀物タンク13内の穀物を穀物排出装置15を用いて搬送車に排出する(S203)。このとき、前述のごとく穀物排出装置15を駆動させるためのオーガクラッチ118が「入」となると、水分センサ35及び重量センサ32が作動して、穀物の水分と穀物タンク重量を測定し、この測定値に基づいて穀物タンク13の穀物重量を算出する(S204)。こうして得られた穀物重量と水分を集計し、集計結果を表示装置42に表示し、記憶装置44に記憶させる(S205)。収穫作業が終了すると(S206)、その圃場における収穫した穀物の収穫量、平均水分値などを演算する(S207)。さらに、作業時間などを演算し(S208)、これらの演算結果とともに、収穫日時や圃場、刈取面積などの収穫に関する情報を、記憶装置44に蓄積する(S209)。続いて、別の圃場で同様の作業を実行する場合には、(S201)から(S209)を繰り返す。
【0077】
〔ステップ3〕
次に、今年度の全圃場での収穫作業が終了すると、記憶装置44に記憶されている各種情報に基づいて、記憶部55に記憶しておいたプログラムにより、委託農家ごとの収穫量や諸費用などを演算し、委託農家ごとに手数料を算出する。この際、収穫作業を行う圃場の形状が変形していたり、圃場が湿田でぬかるんでいたり、圃場の水稲が到伏していたりする場合には、作業時間が大幅に増加するので、実際の作業時間や穀物重量、水分値に基づいて特別料金を算出し、該特別料金を標準料金に加算して、委託農家に対する手数料を決定する。そして、これらの明細を情報として記憶装置44に保存し、表示装置42に表示したり、印刷装置39で記録紙にレポートとして印刷したりする(S3)。なお、これらの情報は、通信装置43によりインターネットなどの通信手段を介して生産組合や営農集団などに設置される農作業管理用装置に送信することも可能である。
【0078】
〔ステップ4〕
そして更に、記憶装置44に保存した情報を基に、他の農家と比較したり、次年度の生産計画など求める(S4)。このとき、他の農家と比較することにより、何が足らないか、何が必要か、どの時期に何の作業が必要かなどが、情報交換することにより判る場合もでてくるのである。また、品種が異なる場合には、収穫量や等級の違いなどがわかり、品種の変更が必要かなども判る。また、記憶装置44には年度ごとの各種情報を蓄積していることから、圃場ごとの穀物の収穫量や水分値が統計的にわかるので、これらの情報から、次年度の生産計画、例えば、品種を変更したり、刈取時期を決めたり、減産したりすることができ、収穫量の向上や等級の向上を図ることもできる。
【0079】
以上のように、前記収穫機201では、収穫作業時に、穀物タンク13が満量となって、トラックなどの搬送車に穀物を載せ替える時、重量センサ32により穀物重量を、水分センサ35により水分を測定し、収穫作業終了後に、これらの情報を収穫機の種類や作業時間、その圃場で収穫に費やした時間、収穫作業の収穫日、収穫作業にかかった燃料や人件費なども印刷したり、表示したりできる。また、収穫にかかる時間は圃場の状態に応じて形状が変形していたり、圃場がぬかるんでいたり、刈取り対象となる農作物が倒伏していたりすると、作業時間が大幅に増加するので、それに応じた特別料金も算出することができる。
【0080】
そして、これらの情報から売上額から収穫にかかる材料費などを引いた額を計算して、収穫請負者が委託農家に対する手数料を特別料金を含めて算出し、収穫情報とともに表示装置42に表示したり、印刷装置39により印刷したりすることが可能となる。これにより、請負者はこれらの情報を委託農家ごとのレポートとして委託農家に提示することができる。また、手数料にその明細が添付されるので、請負者は委託農家の信頼性の向上を図ることができる
【0081】
そして更に、前述の情報を印刷装置39や表示装置42などに年度ごとに出力したり、圃場ごとに出力したりして、これらを分析することにより、次年度の生産計画が立てやすくなるのである。例えば、同一の圃場で栽培する品種を変更した場合には、収穫量の差を比較することにより各圃場の適性を判断することができ、近くにある圃場間で品種が異なる穀物を栽培した場合には、収穫量の多い品種に変更することができる。さらに、施肥量と収穫量との関係を年度ごとに比較することが可能となるため、各圃場に対する最適な施肥量を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の一形態であるコンバインの左側面図。
【図2】本発明の実施の一形態であるコンバインの平面図。
【図3】本発明の実施の一形態であるコンバインの右側面図。
【図4】発明の実施の一形態であるコンバインの正面図。
【図5】穀物タンクの側面図。
【図6】エンジンから穀物排出装置までの動力伝達経路を示す模式図。
【図7】穀物排出装置の収納位置および作業位置とコンバインの機体との位置関係を示す平面図。
【図8】旋回指令手段を示す図。
【図9】コントローラを示すブロック図。
【図10】穀物重量算出制御フローチャート。
【図11】収穫時の動作手順を示すフローチャート。
【図12】収穫作業時の動作手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0083】
44 記憶装置
53 制御手段
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【出願日】 平成16年3月12日(2004.3.12)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎

【公開番号】 特開2005−253383(P2005−253383A)
【公開日】 平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願番号】 特願2004−70736(P2004−70736)