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【発明の名称】 コンバインの操縦部構造
【発明者】 【氏名】三島 圭介
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】エンジンコントロールレバーによるエンジン回転調節及び副変速レバーと主変速レバーの一連の変速操作をスムーズに行うと共に、オペレータの起立姿勢での運転を行い易くすることができるコンバインの操縦部構造を提供する。

【解決手段】前処理部3と脱穀部5等の作業部を備えた走行機体1bに、運転座席8の前方と側方にステアリング13を設置する前部操縦パネル部11と、機体の前後進変速を行う主変速レバー15と、走行速度を副次的に変速する副変速レバー16と、前処理部3と脱穀部5の動力入り切りを行う作業部レバー19を設置した側部操縦パネル部12とからなる操縦部6を設けたコンバイン1において、前記側部操縦パネル部12の前部の内側寄りと外側寄りに、主変速レバー15と副変速レバー16を前後方向操作可能に並設し、該副変速レバー16の後方にエンジン回転を調節するエンジンコントロールレバー2を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前処理部(3)と脱穀部(5)等の作業部を備えた走行機体(1b)に、運転座席(8)の前方と側方にステアリング(13)を設置する前部操縦パネル部(11)と、機体の前後進変速を行う主変速レバー(15)と、走行速度を副次的に変速する副変速レバー(16)と、前処理部(3)と脱穀部(5)の動力入り切りを行う作業部レバー(19)を設置した側部操縦パネル部(12)とからなる操縦部(6)を設けたコンバイン(1)において、前記側部操縦パネル部(12)の前部の内側寄りと外側寄りに、主変速レバー(15)と副変速レバー(16)を前後方向操作可能に並設し、該副変速レバー(16)の後方にエンジン回転を調節するエンジンコントロールレバー(2)を設けたコンバインの操縦部構造。
【請求項2】
エンジンコントロールレバー(2)の後方に作業部レバー(19)を設けた請求項1記載のコンバインの操縦部構造。
【請求項3】
主変速レバー(15)の後方で、エンジンコントロールレバー(2)と作業部レバー(19)の側方にコンバイン作業自動制御機器類の自動制御操作パネル部(17)を設けた請求項1又は2記載のコンバインの操縦部構造。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は側部操縦パネル部にエンジンコントロールレバーを設置したコンバインの操縦部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前処理部と脱穀部を備えた走行機体に、ステアリングを設置した前部操縦パネル部を立設し、また機体の前後進変速を行う主変速レバーと走行速度を低速,中速,高速とに副次的に変速する副変速レバーと、前処理部と脱穀部の動力入り切りを行う作業部レバーを設置した側部操縦パネル部を立設した操縦部を備えるコンバインは、出願人の提案に係わる特許文献1に示されるように既に公知である。
この特許文献1によれば、前部操縦パネル部に符号を付さず説明を省略された、エンジンコントロールレバーと走行クラッチペダルとが公知の構成によって設置される。
【0003】
そして、側部操縦パネル部はパネル枠の前後側に主変速レバーと作業部レバーを配置し、両者の間において副変速レバーと扱深さ自動や方向自動,選別自動等のコンバイン自動制御操作用の自動制御操作パネル部を左右に設置した構成となっている。
【特許文献1】特開2000−287521号公報(第3ページ,図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で示されるコンバインは、エンジンコントロールレバーを前部操縦パネル部から突出した状態で設置されることが一般的であるため、例えばオペレータが操縦ステップに起立した姿勢で運転をしたり、運転座席に座った姿勢で身体を前部操縦パネル部の前側にのりだした姿勢で運転をする場合に、オペレータの膝がエンジンコントロールレバーに接触しこれを誤作動させることがあり、コンバイン作業中にエンジン回転を不慮に低下させる等適正作業を阻害する等の欠点がある。またエンジンコントロールレバーは側部操縦パネル部と離間した前部操縦パネル部に設けられるので、副変速レバーや作業部レバーと関連し同時的に操作するうえで、操作動線が長くなり操作性を損なう等の問題がある。
【0005】
また、側部操縦パネル部では前処理作業部レバーと脱穀作業部レバーが運転座席寄りに近接して設置され、この外側寄りの前側に副変速レバーが近接状態で設置されていること、及び上記作業部レバーが前側に傾倒操作されたとき前方の主変速レバー側に近接した状態になるので、作業部に穀稈詰まり等のトラブルを生じたとき作業部レバーをとっさに操作する際に、近接した状態にある主変速レバーや副変速レバーに支障されて誤操作を伴い易い欠点がある。またオペレータが後方確認や後方操作部材の操作を振り返りながら身を捻って行うとき、作業部レバーに肘腕が接触し易く、コンバイン作業中に前処理部或いは脱穀部を不慮に停止させ、穀稈等の詰まりを発生させる等の問題もある。
【0006】
また主変速レバーと副変速レバーの間で外側寄りに配置された自動制御操作パネル部は、前側に離間した位置にあり傾倒した長い作業部レバーに遮られ、オペレータによる各スイッチ類の視認及び操作が行い難い問題や、パネル構造が大型化する等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のコンバインの操縦部構造は、第1に、前処理部3と脱穀部5等の作業部を備えた走行機体1bに、運転座席8の前方と側方にステアリング13を設置する前部操縦パネル部11と、機体の前後進変速を行う主変速レバー15と、走行速度を副次的に変速する副変速レバー16と、前処理部3と脱穀部5の動力入り切りを行う作業部レバー19を設置した側部操縦パネル部12とからなる操縦部6を設けたコンバイン1において、前記側部操縦パネル部12の前部の内側寄りと外側寄りに、主変速レバー15と副変速レバー16を前後方向操作可能に並設し、該副変速レバー16の後方にエンジン回転を調節するエンジンコントロールレバー2を設けたことを特徴としている。
【0008】
第2に、エンジンコントロールレバー2の後方に作業部レバー19を設けたことを特徴としている。
【0009】
第3に、主変速レバー15の後方で、エンジンコントロールレバー2と作業部レバー19の側方にコンバイン作業自動制御機器類の自動制御操作パネル部17を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明によれば、側部操縦パネル部の前部の内側寄りと外側寄りに、主変速レバーと副変速レバーを前後方向操作可能に並設し、副変速レバーの後方にエンジンコントロールレバーを設けたことにより、エンジンコントロールレバーによるエンジン回転調節及び副変速レバーと主変速レバーの一連の変速操作を片側の手で能率よくスムーズに行うことができる。また、従来のもののようにエンジンコントロールレバーを前部操縦パネル部に設けないので、オペレータが起立姿勢で運転する際に、エンジンコントロールレバーと膝との接触を防止し運転を行い易くすることができる。
【0011】
また、作業部レバーをエンジンコントロールレバーを介し副変速レバーから離間した後方に設置することにより、前処理部或いは脱穀部に穀稈等の詰まりが生じたとき、作業部レバーを副変速レバー等に妨げられることなく即時操作することができる。
【0012】
さらに、主変速レバーの後方でエンジンコントロールレバーと作業部レバーの内側寄りに空間部を形成し、自動制御操作パネル部を設けたことにより、自動制御操作パネル部の目視及び操作を、レバー類に妨げられることなくオペレータの側方直下で行い易くすることができ、操作頻度の高いコンバイン作業自動制御機器のスイッチ類の誤操作を防止することができる。また自動制御操作パネル部を介し運転座席の側方に広い空間スペースを形成するので、後方確認等を行い易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1において符号1は、図2図3で示す本発明に係わるエンジンコントロールレバー2を操縦部構造に備えたコンバインであり、クローラー式の走行装置1aを備えた走行機台1bに、従来のものと同様に前処理部3と脱穀部5等の作業部を前後方向に配置し、前処理部3の後方で脱穀部5の右側に操縦部6とグレンタンク7を配置し、操縦部6の運転座席8を支持するエンジンカバー8a内にエンジン9を搭載している。
【0014】
この構成により植立穀稈を前処理部3で刈り取り、刈り取った穀稈を脱穀部5に搬送供給して脱穀を行い脱穀選別した穀粒をグレンタンク7に収容し、収容された穀粒は穀粒排出オーガー7aを操作して機外に排出する。
このコンバイン1の操縦部6は、操縦ステップ10の前側に立設される前部操縦パネル部11と、操縦ステップ10及び運転座席8の左側に前後方向に立設される側部操縦パネル部12を平面視でL字状に構成している。
【0015】
上記前部操縦パネル部11は、コラム状の上部に右側から左側に向けステアリング13と、モニター機器13a及び機体水平制御操作部13bを列設し、モニター機器13aの下方に走行クラッチペダル14を配置している。尚、図示例のステアリング13は操向操作レバー方式としているが回転ハンドル方式にすることもできる。
【0016】
側部操縦パネル部12は、後述するパネル21の前側で前後方向にレバー操作される主変速レバー15と副変速レバー16を右側と左側に並べて立設し、主変速レバー15の後方に形成されるスペースに、自動制御操作パネル部17を方形状のパネル面に纏めて配置し、且つ副変速レバー16の後方にエンジンコントロールレバー2と、前処理部3及び脱穀部5のクラッチ操作を行う作業部レバー19等を一連の直線操作動線となるように配設している。尚、グレンタンク7及びその穀粒排出オーガー7a等を操作する籾処理レバー等の籾処理操作部20、及び排藁搬送切換レバー20aは従来のものと同様に運転座席8の後方側に設置している。
【0017】
上記側部操縦パネル部12のカバー枠となるパネル21は、板部材によって平坦な上壁面として形成される。このパネル21の上面には各レバーをそれぞれ挿通して前後方向に操作案内する、主変速レバーガイド溝22と、副変速レバーガイド溝23と、エンジンコントロールレバーガイド溝25と、作業部レバーガイド溝26を穿設している。
【0018】
主変速レバーガイド溝22はクランク溝形状の長孔で形成し、図3で示すようにクランク溝の中央段部を中立位置とし、ここから図示しないトランスミッションと連繋する主変速レバー15を前側と後側に操作すると、その操作量に応じ車速を前進増速変速及び後進増速変速させる。
副変速レバーガイド溝23はトランスミッションと連繋する副変速レバー16を低速位置23aと中速位置23bと高速位置23cに位置決め切換可能な長孔としている。
【0019】
エンジンコントロールレバーガイド溝25は前後方向にストレートな長孔とし、エンジンコントロールレバー2が長孔の実線で示す後側端の作業回転位置Aにあるとき、エンジン9をフルスロットル状態の作業回転域にすることができ、ここから前側に操作される量に対応しエンジン9を順次低速回転にし、前端側の最低速回転位置Bでアイドリング回転にすることができる。
【0020】
作業部レバーガイド溝26は略クランク状の長孔で形成され、作業部レバー19を図3で示す前側位置に操作したとき、前処理部3と脱穀部5のクラッチ入り操作を同時に行うことができ、ここから作業部レバー19をクランク段部の前処理部切り位置26aに操作すると、前処理部3を停止した状態で脱穀部5のみを駆動することができ、ここから長孔の後端に操作すると、前処理部3と共に脱穀部5を停止させた作業部停止状態にすることができる。
【0021】
以上のようなレバー構造において、副変速レバー16と作業部レバー19の間に設置されるエンジンコントロールレバー2は、パネル21から上方に突出する長さを副変速レバー16と作業部レバー19よりも短くしている。
従って、操作頻度の少ないエンジンコントロールレバー2は副変速レバー16と作業部レバー19の間で低くした状態で、副変速レバー16と作業部レバー19の間隔を実質的に広く離間させる。これにより操作頻度の高い作業部レバー19或いはやや操作頻度の低い副変速レバー16を操作する際に、エンジンコントロールレバー2との識別が容易にでき誤操作を防止させることができる。
【0022】
また、図2で示すようにエンジンコントロールレバー2が作業回転位置Aで且つ作業部レバー19が前側に操作され前処理部3と脱穀部5を動力入りの作業位置にあるとき、エンジンコントロールレバー2と作業部レバー19とは近接し、またエンジンコントロールレバー2と副変速レバー16とは離間した状態になる。
上記のように、エンジンコントロールレバー2が作業回転位置Aにあり作業部レバー19が作業位置にあるとき、両レバーは近接しているが、作業部レバー19はエンジンコントロールレバー2より長いので該エンジンコントロールレバー2に妨げられることなく操作することができる。
【0023】
一方自動制御操作パネル部17は主変速レバー15の後方において、エンジンコントロールレバー2と作業部レバー19の側方(内側寄り)に配置され、運転座席8に近接したオペレータの側方直下に位置するように設置される。この自動制御操作パネル部17には、従来のものと同様の扱深さ自動や方向自動,選別自動,機体水平制御等のコンバイン作業自動制御操作用のセンサスイッチや各種のスイッチ類やボリューム等の操作具及びモニター等が略フラット状面でコンパクトに纏めて配置される。また自動制御操作パネル部17の上方はレバー類と運転座席8との間に広い空間部を形成する。
【0024】
以上のように構成された操縦部6を備えるコンバイン1は、先ずエンジン9が始動されると、副変速レバー16の副次的変速を設定したのち、エンジンコントロールレバー2を操作してエンジン回転を作業回転に調節する。次いで作業部レバー19が入り操作された状態で、主変速レバー15の操作等が一連に行われコンバイン作業を開始する。
【0025】
このコンバイン作業において、操縦部6の側部操縦パネル部12の前部の内側寄りと外側寄りに、主変速レバー15と副変速レバー16を前後方向操作可能に並設し、上記副変速レバー16の後方にエンジン回転を前後方向操作によって調節するエンジンコントロールレバー2を設けたことにより、従来のもののように前部操縦パネル部11側へのエンジンコントロールレバー2の設置を避けることができる。
【0026】
従って、オペレータが操縦ステップ10で起立した立姿運転や、運転座席8から前側に身をのりだして運転をする場合に、前部操縦パネル部11はオペレータの膝をエンジンコントロールレバー2に接触させる憂い無く、またエンジン回転を不慮に変更させる誤作動や膝の怪我等を伴なうことのない、運転操作をスムーズに行うことができる。
【0027】
また、副変速レバー16の後方でエンジンコントロールレバー2を介して設置される作業部レバー19は、前処理部3或いは脱穀部5に穀稈等の詰まりが生じた緊急停止時に、作業回転位置Aにあるエンジンコントロールレバー2並びに副変速レバー16等に妨げられることなく、即時操作することができ作業部の停止を確実に行うことができる。
【0028】
尚、作業部レバー19で前処理部3のみの切り操作をする動作時に、手が不慮にエンジンコントロールレバー2に接触したとしても、該エンジンコントロールレバー2は作業部レバー19の切り方向を作業回転位置A側にしているので、エンジン回転を低速回転させることがないから脱穀作業を続行することができる。
【0029】
また、主変速レバー15の後方でエンジンコントロールレバー2と作業部レバー19の側方に形成される空間部に配置される自動制御操作パネル部17は、運転座席8に近接させオペレータの側方直下に設置することができるから、前記各種のレバー類に妨げられることなく、操作頻度の高いコンバイン作業自動制御機器のスイッチ類の目視が確実になり各スイッチ類の操作を誤りなく速やかに行うことができる。
【0030】
また、自動制御操作パネル部17の上方は広い空間スペースとなるので、作業部レバー19等の操作を速やかに行うことができると共に、前方左側の操作頻度の高い主変速レバー15等をとっさに操作する場合や、体を捻って後方確認をしたり後方の籾処理操作部20等の操作を行う際に、肘等をエンジンコントロールレバー2或いは作業部レバー19等に接触する憂いを無くすことができる。
【0031】
さらに、前部操縦パネル部11側にエンジンコントロールレバー2を設けないで、該エンジンコントロールレバー2を側部操縦パネル部12側に上記構成によって備えた操縦部6は、コンバイン作業時に左手で車速及び作業の一連のレバー操作を無駄な動作を省き左手で、略直線的な操作動線によってスムーズに行い、右手は操舵操作に専念させることができ操縦操作を行い易くする。尚、作業部レバー19は図示例のものに限定されることなく、従来のものと同様に前処理作業部レバーと脱穀作業部レバーを並設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の操縦部構造を備えたコンバインの側面図である。
【図2】図1の操縦部の構成を示す拡大側面図である。
【図3】図2の平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 コンバイン
1b 走行機体
2 エンジンコントロールレバー
3 前処理部
5 脱穀部
6 操縦部
8 運転座席
9 エンジン
11 前部操縦パネル部
12 側部操縦パネル部
13 ステアリング
15 主変速レバー
16 副変速レバー
17 自動制御操作パネル部
19 作業部レバー
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成16年3月5日(2004.3.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−245359(P2005−245359A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−62856(P2004−62856)