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【発明の名称】 農作業機
【発明者】 【氏名】村山 生夫
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】山本 誠
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【要約】 【課題】効率よく作業ができる農作業機を提供する。

【解決手段】農作業機1は、農作物を掘り取って斜め後上方に向けて搬送する掘取コンベヤ12を備える。掘取コンベヤ12の上方には、左右方向への振動により掘取コンベヤ12にて搬送中の複数の農作物の絡んだ根部をほぐしながらその根部に付着した土を落す対をなす振動体21を配設する。振動体21は、振れ角度をもって往復回動することにより左右方向に振動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農作物を掘り取って斜め後上方に向けて搬送する掘取コンベヤと、
この掘取コンベヤの上方に左右に互いに離間対向して配設され、左右方向への振動により前記掘取コンベヤにて搬送中の複数の農作物の絡んだ根部をほぐしながらその根部に付着した土を落す対をなす振動体と
を備えることを特徴とする農作業機。
【請求項2】
振動体の前端は、掘取コンベヤの前端より前方に配設されている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
振動体は、予め設定された振れ角度をもって往復回動することにより左右方向に振動する
ことを特徴とする請求項1または2記載の農作業機。
【請求項4】
振動体の振れ角度が調節可能となっている
ことを特徴とする請求項3記載の農作業機。
【請求項5】
両振動体間の離間距離が調節可能となっている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の農作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、振動体が振動して農作物の絡んだ根部をほぐすため、効率よく作業ができる農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば長ねぎ等の農作物を掘り取って斜め後上方に向けて搬送する掘取コンベヤと、掘取コンベヤの後方に配設され水平方向の回動軸を中心として回転して農作物の根部に付着した土を除去する土除去手段とを備えた農作業機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−153626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の農作業機では、圃場の畝に例えば2〜4本が束となって栽培された長ねぎ等の農作物の絡んだ根部をほぐすことができないため、作業者が手作業で根部をほぐさなければならず、効率よく作業ができないおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、効率よく作業ができる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の農作業機は、農作物を掘り取って斜め後上方に向けて搬送する掘取コンベヤと、この掘取コンベヤの上方に左右に互いに離間対向して配設され、左右方向への振動により前記掘取コンベヤにて搬送中の複数の農作物の絡んだ根部をほぐしながらその根部に付着した土を落す対をなす振動体とを備えるものである。
【0006】
そして、対をなす振動体が左右方向への振動により掘取コンベヤにて搬送中の複数の農作物の絡んだ根部をほぐしながらその根部に付着した土を落すため、効率よく作業が行われる。
【0007】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、振動体の前端は、掘取コンベヤの前端より前方に配設されているものである。
【0008】
そして、掘取コンベヤの前方で圃場の畝を柔軟にすることができるため、より一層効率よく作業が行われる。
【0009】
請求項3記載の農作業機は、請求項1または2記載の農作業機において、振動体は、予め設定された振れ角度をもって往復回動することにより左右方向に振動するものである。
【0010】
そして、振動体が予め設定された振れ角度をもって往復回動することにより左右方向に振動するため、適切に根部をほぐしつつその根部に付着した土を落すことが可能となる。
【0011】
請求項4記載の農作業機は、請求項3記載の農作業機において、振動体の振れ角度が調節可能となっているものである。
【0012】
そして、振動体の振れ角度を調節することができるため、圃場の状態等に適切に対応することが可能となる。
【0013】
請求項5記載の農作業機は、請求項1ないし4のいずれか一記載の農作業機において、両振動体間の離間距離が調節可能となっているものである。
【0014】
そして、両振動体間の離間距離を調節することができるため、圃場の状態等に適切に対応することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、対をなす振動体が左右方向への振動により掘取コンベヤにて搬送中の複数の農作物の絡んだ根部をほぐしながらその根部に付着した土を落すため、効率よく作業ができる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、掘取コンベヤの前方で圃場の畝を柔軟にすることができるため、より一層効率よく作業ができる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、振動体が予め設定された振れ角度をもって往復回動することにより左右方向に振動するため、適切に根部をほぐしつつその根部に付着した土を落すことができる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、振動体の振れ角度を調節することができるため、圃場の状態等に適切に対応できる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、両振動体間の離間距離を調節することができるため、圃場の状態等に適切に対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の農作業機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1ないし図3において、1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)に連結された状態で、トラクタの走行により前方(図示X方向)に移動しながら、圃場の畝Aに栽培された細長状の農作物Wを掘り取って所望位置まで搬送する片側作業型の長ねぎ収穫機である。
【0022】
なお、収穫対象物である農作物Wは、圃場に複数列状に凸設された畝Aに例えば2〜4本が束となって栽培された長茎野菜、例えば長ねぎである。農作物Wは、長手状の本体部(茎葉部)W1を有し、この本体部W1の下端部から根部W2が生えている(図8および図9参照)。
【0023】
農作業機1は、機枠2を備え、この機枠2は、図示しないトラクタの3点リンク部に連結された3点連結部3を有している。3点連結部3は、トップピン4が先端部に取着された1本のトップマスト5と、ロワピン6が先端部に取着された左右2本のロワアーム7とにて構成されている。
【0024】
また、機枠2は、入力軸保持部(ギアボックス)8を有し、この入力軸保持部8にてトラクタからの動力を入力する入力軸9が回転可能に保持されている。入力軸9には、トラクタのPTO軸がユニバーサルジョイントおよび伝動シャフト等を介して連結されている。
【0025】
そして、機枠2には、畝Aの左右両側を崩す左右一対のディスク11が設けられているとともに、前端側が畝Aの土中に差し込まれた状態で農作物Wを畝Aから連続的に掘り取って斜め後上方に向けてその農作物Wの根部W2を下方から支持した状態で載置搬送する前下り傾斜状のロッド式の掘取コンベヤ12が設けられている。
【0026】
掘取コンベヤ12は、図4および図5にも示すように、機枠2に固着され互いに離間対向した左右一対のコンベヤフレーム13を有している。
【0027】
コンベヤフレーム13の後端側には駆動軸14が設けられ、コンベヤフレーム13の前端側には従動軸15が設けられ、駆動軸14および従動軸15には左右一対のチェーン16がスプロケット17を介して設けられ、チェーン16間には複数本のロッド18が掛け渡されている。駆動軸14は、入力軸9側からの動力を第1伝動手段19を介して受けて回転し、この駆動軸14の回転に基づいてチェーン16が回行する。また、コンベヤフレーム13の前端部には、略板状の掘取刃(先金)20が設けられている。
【0028】
そして、この掘取コンベヤ12の左右両側の上方には、左右方向への振動により掘取コンベヤ12にて搬送中の複数の農作物Wつまり2〜4本が束となった複数の農作物Wの絡んだ根部W2をほぐしながらその根部W2に付着した土を落す略板状の左右一対の振動体21が左右に互いに離間対向して配設されている。
【0029】
振動体21は、側面視で掘取コンベヤ12の搬送方向に長手方向を有する略細長板状に形成され、この振動体21は、コンベヤフレーム13に取付片22を介して固着された支軸23の上部にこの支軸(支点)23を中心として回動可能に設けられている。
【0030】
また、振動体21は、入力軸9側からの動力を振動体作動手段である第2伝動手段24を介して受けて振れ角度αをもって支軸23を中心として往復回動することにより、左右方向に振動する。なお、左右一対の振動体21は同時に同じ方向に振動するようになっている。
【0031】
ここで、両振動体21を振動させる第2伝動手段24は、第1伝動手段19に接続され支軸25を中心として回転する第1回転体である第1プーリ26を有するとともに、この第1プーリ26に離間対向して配設され支軸27を中心として回転する第2回転体である第2プーリ28を有し、両プーリ26,28間には無端体であるベルト29が巻き掛けられている。
【0032】
第2プーリ28には、図6に示されるように、支軸27からの距離がそれぞれ異なる複数、例えば3つの連結部である孔部30が設けられ、これら3つの孔部30の中から選択された一の孔部30には第1アーム31の一端部が回転可能に連結されている。なお、第1アーム31を連結する孔部30の選択により、振動体21の振れ角度αが例えば5度〜20度の範囲で調節可能となっている。
【0033】
第1アーム31の他端部には第2アーム32の一端部が回動可能に連結され、この第2アーム32の他端部は支軸23の下部に回動可能に連結されている。第2アーム32の中間部には連結バー33が連結され、この連結バー33の長手方向両端部からは連結杆34が立ち上がっている。連結杆34の上端部には連結板35の一端側が回動可能に連結され、この連結板35の他端が振動体21の後端側に固着されている。第2アーム32と連結バー33とは、第2アーム32の孔部36と連結バー33にその孔部36より大きく形成された孔部37とにピン38が差し込まれることにより連結されている。
【0034】
なお、図4から明らかなように、振動体21の前端は、掘取コンベヤ12の前方で掘取刃20の掘取に先立って畝を柔軟にできるように掘取コンベヤ12の前端つまり掘取刃20の前端より前方に配設されている。すなわち、振動体21の前端部は、先細状に形成され、畝Aを崩す振動刃部40となっている。
【0035】
また、振動体21は支軸23の近傍位置で若干屈曲しており、左右一対の振動体21は、平面視で後端ほど離間距離が短い略ハ字状に位置する。すなわち、振動体21は支軸23の近傍位置に屈曲部21aを有し、振動体21の屈曲部21aより前側の部分が第1振動部21bとなっており、振動体21の屈曲部21aより後側の部分が第2振動部21cとなっており、第2振動部21cが平面視で後端ほど離間距離が短い略ハ字状に位置する。
【0036】
また一方、機枠2には、農作物Wの本体部W1を左右両側から挟持した状態で農作物Wを立ち姿勢のまま斜め後上方に向けて挟持搬送する前下り傾斜状のベルト式の挟持コンベヤ41が設けられているとともに、水平方向の回動軸42を中心として回転することにより挟持コンベヤ41にて搬送中の農作物Wの根部W2に付着した土を除去する土除去手段である土除去ローラ43が設けられている。
【0037】
なお、挟持コンベヤ41の前端部は、掘取コンベヤ12の上方に配設されている。土除去ローラ43は、第1伝動手段19側からの動力に基づいて回転するもので、掘取コンベヤ12の後方に配設されている。
【0038】
挟持コンベヤ41は、軟質ゴム等にて構成された左右一対の挟持ベルト45を有し、挟持ベルト45は、複数のローラ46に巻き掛けられ、第1伝動手段19側からの動力に基づいて回行する。
【0039】
また、挟持コンベヤ41の後端部に隣接して載置台(図示せず)が配設されている。さらに、機枠2には1つの前輪47および2つの後輪48が設けられている。
【0040】
次に、上記農作業機1を使用して収穫作業をする場合について説明する。
【0041】
トラクタに連結した状態でトラクタの走行により農作業機1全体を前方に移動させると、図8および図9に示すように、農作物Wは、掘取コンベヤ12にて掘り取られるとともに、掘取コンベヤ12および挟持コンベヤ41にて斜め後上方に向けて搬送され、その後、載置台上に載置される。
【0042】
この際、左右一対の振動体21は、図7に示すように、第2伝動手段24側からの動力に基づき、予め設定された振れ角度αをもって支軸23を中心に回動して振動する。このため、2〜4本が束となった複数本の農作物Wは、両側方の振動体21にて案内されつつ、掘取コンベヤ12および挟持コンベヤ41にて斜め後上方に向けて搬送され、その途中で振動体21にて左右両側から叩かれるようにして絡んだ根部W2がほぐされて分離され、かつその根部W2に付着した土が除去される。なお、振動体21にて除去しきれなかった付着土は、回転する土除去ローラ43で除去される。
【0043】
そして、農作業機1の後ろを追う作業者は、載置台上の農作物Wを図示しないシート上に載せかえ、そのシートで農作物Wを包み込み、圃場上に置いていく。
【0044】
このように上記農作業機1によれば、対をなす振動体21が左右方向に振動し、この振動する振動体21が掘取コンベヤ12にて搬送中の複数の農作物Wの絡んだ根部W2をほぐしながらその根部W2に付着した土を落すため、根部W2の付着土を適切に除去できるばかりでなく、作業者が手作業で絡んだ根部W2をほぐす必要もなく、効率よく収穫作業ができる。
【0045】
また、振動する振動体21の振動刃部40が掘取コンベヤ12の掘取刃20による掘取に先立って畝Aを崩すため、掘取コンベヤ12の前方で畝Aを柔軟にでき、例えば挟持コンベヤ41にて農作物Wを適切に挟持でき、よってより一層効率よく収穫作業ができる。
【0046】
さらに、振動体21の振れ角度を調節することができるため、土質等の圃場の状態等に適切に対応できる。
【0047】
なお、農作業機1は、両振動体21間の離間距離が調節不可能なものには限定されず、例えば図10に示すように、農作物Wの本数に対応できるように、ボルト51およびナット52を用いて両振動体21間の離間距離を調節可能としたものでもよい。この図10に示す振動体21は、支軸23を中心として回動調節することにより両振動体21間の離間距離が調節可能となっている。なお、図示しないが屈曲部21aの屈曲角度の調節により両振動体21間の離間距離を調節できるようにしてもよい。
【0048】
また、振動体21は、板材にて構成された略細長板状のものには限定されず、例えば図11に示すように、複数、例えば2本の棒材53にて構成された略細長棒状のもの等でもよく、振動体21の形状は任意である。
【0049】
さらに、振動体21は、回動により左右方向に振動するものには限定されず、例えば平行移動により左右方向に振動するもの等でもよい。また、左右方向に振動する振動体21は、少なくとも左右方向成分を含んだ方向に振動するものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の農作業機の一実施の形態の側面図である。
【図2】同上農作業機の平面図である。
【図3】同上農作業機の一部省略平面図である。
【図4】同上農作業機の振動体の平面図である。
【図5】同上農作業機の振動体の側面図である。
【図6】同上農作業機の第2プーリを示す図である。
【図7】同上農作業機の振動体の動作説明図である。
【図8】同上農作業機による作業状況を示す側面図である。
【図9】同上農作業機による作業状況を示す平面図である。
【図10】本発明の他の実施の形態の振動体の平面図である。
【図11】本発明のさらに他の実施の形態の振動体の側面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 農作業機
12 掘取コンベヤ
21 振動体
W 農作物
【出願人】 【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地
【出願日】 平成16年2月24日(2004.2.24)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄

【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡

【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也

【公開番号】 特開2005−237207(P2005−237207A)
【公開日】 平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願番号】 特願2004−47684(P2004−47684)