| 【発明の名称】 |
モアー用トラクタ |
| 【発明者】 |
【氏名】片上 望 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】車体の前輪と後輪間にモアーを配置し、モアーで刈り取られた芝草を左右の後輪間に配設したダクトを通して車体後部の芝草収容ケースに集草するモアー用トラクタにおいて、大きなダクトを構成し芝草を円滑に集草する。
【解決手段】車体の前輪8,8と後輪34,45間にモアー52を配置し、モアー52で刈り取られた芝草を左右の後輪間34,45に配設したダクト61を通して車体後部の芝草収容ケース57に集草するように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体の前輪8,8と後輪34,45間の下腹部にモアー52を配置し、モアー52で刈り取られた芝草を左右の後輪34,45間に配設したダクト61経由で車体後部の芝草収容ケース57に集草するモアー用トラクタにおいて、前記ダクト61の上方に配置した変速手段9で変速された動力を前記ダクト61の左右一側に配置した後輪伝動ケース23に収容した動力伝動手段及びデフ機構35に伝達し、デフ機構35に伝達された動力を前記ダクト61の下方に配置した左・右走行伝動軸39,36を経由して左・右後輪45,34に伝達するように構成したことを特徴とするモアー用トラクタ。 【請求項2】 後輪伝動ケース23の下部を左右一側に膨出する膨出ケース部26に構成し、前記膨出ケース部26の下部にデフ機構35を配設して前記膨出ケース部26の外側端部を左・右後輪45,34の何れかの内側中心凹部に収納配置したことを特徴とする請求項1に記載のモアー用トラクタ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、モアー用トラクタに関するものである。 【背景技術】 【0002】 モアー用トラクタにおいて、前輪と後輪の間にモアーを配置し、機体後部に芝草収容ケースを配置し、モアーで刈り取った芝草を左右の後輪間に配置したダクトで芝草収容ケースに搬送するように構成し、変速手段と動力伝動手段とデフ機構を収容したミッションケースをダクトの側方に配置し、ミッションケースとダクトを側面視で少なくとも一部が重複するように構成し、左右の後輪にダクトの下方を経由して伝動するように構成したものは公知である(特許文献1)。 【特許文献1】特開平9−51709号公報(第3頁、第9図) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 前記従来技術にあっては、変速手段、動力伝動手段、デフ機構を収容したミッションケースとダクトを左右の後輪間に併設する関係で、ダクトの左右幅が狭くなりモアーからの芝草をダクトで円滑に芝草収容ケースに搬送できないという不具合が発生していた。そこで、この発明はこのような不具合を解消しようとするものである。 【課題を解決するための手段】 【0004】 前記問題点を解決するために、この発明は次のような技術的手段を講じた。 【0005】 請求項1の発明は、車体の前輪8,8と後輪34,45間の下腹部にモアー52を配置し、モアー52で刈り取られた芝草を左右の後輪34,45間に配設したダクト61経由で車体後部の芝草収容ケース57に集草するモアー用トラクタにおいて、前記ダクト61の上方に配置した変速手段9で変速された動力を前記ダクト61の左右一側に配置した後輪伝動ケース23に収容した動力伝動手段及びデフ機構35に伝達し、デフ機構35に伝達された動力を前記ダクト61の下方に配置した左・右走行伝動軸39,36を経由して左・右後輪45,34に伝達するように構成したことを特徴とするモアー用トラクタとする。 【0006】 前記構成によると、エンジンの動力はダクト61の上方に配置した変速手段9で変速され、変速された動力はダクト61の左右一側に配置した後輪伝動ケース23内の動力伝動手段を経てデフ機構35に伝達され、デフ機構35に伝達された動力はダクト61の下方に配置した左・右走行伝動軸39,36を経由して左・右後輪45,34に伝達されてモアー用トラクタは走行する。また、車体の前輪8,8と後輪34,45間の下腹部に配置されたモアー52で刈り取られた芝草は、左右の後輪34,45間に配設したダクト61を経由して車体後部の芝草収容ケース57に収容される。 【0007】 請求項2の発明は、後輪伝動ケース23の下部を左右一側に膨出する膨出ケース部26に構成し、前記膨出ケース部26の下部にデフ機構35を配設して前記膨出ケース部26の外側端部を左・右後輪45,34の何れかの内側中心凹部に収納配置したことを特徴とする請求項1に記載のモアー用トラクタとする。 【0008】 前記構成によると、請求項1の発明の前記作用に加えて、後輪伝動ケース23の下部から左右一側に膨出する膨出ケース部26の外側端部は左・右後輪の何れかの内側中心凹部に収納配置された状態で左・右後輪45,34が回転しモアー用トラクタは走行する。 【発明の効果】 【0009】 請求項1の発明は、左右の後輪34,45間に配設したダクト61の上方に変速手段9を配置し、ダクト61の左右一側に動力伝動手段及びデフ機構35の収容された後輪伝動ケース23に配置し、デフ機構35からダクト61の下方に配置された左・右走行伝動軸39,36を経て左・右後輪45,34に動力を伝達するように構成したので、ダクト61を大きく構成することができて、モアー52で刈り取った芝草をダクト61経由で芝草収容ケース57に円滑に搬送することができる。 【0010】 請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、後輪伝動ケース23の下部から左右一側に膨出する膨出ケース部26の外側端部を左・右後輪45,34の何れかの内側中心凹部に収納配置したので、後輪伝動ケース23と何れか一方の後輪との間により広い空間を形成することができ、ダクト61をより大きく構成し、芝草をダクト61経由で芝草収容ケース57に円滑に搬送することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 この発明は、車体の前輪8,8と後輪34,45間の下腹部にモアー52を配置し、モアー52で刈り取られた芝草を左右の後輪34,45間に配設したダクト61経由で車体後部の芝草収容ケース57に集草するモアー用トラクタにおいて、ダクト61の上方に配置した変速手段9で変速された動力をダクト61の左右一側に配置した後輪伝動ケース23に収容した動力伝動手段及びデフ機構35に伝達し、デフ機構35に伝達された動力をダクト61の下方に配置した左・右走行伝動軸39,36を経由して左・右後輪45,34に動力を伝達するように構成することにより、大きなダクト61を構成し、モアー52で刈り取った芝草をダクト61を経由して芝草収容ケース57に円滑に搬送しようとするものである。 【実施例1】 【0012】 以下本発明を具備したモアー付きトラクタの一実施形態について説明する。 【0013】 図1はトラクタの全体側面図、図2は一部を取り除いた全体の平面図、図3は要部の切断背面図である。トラクタの車体1は前部のエンジン2からクラッチハウジング3、HSTケース4及び後部ミッションケース5にわたって連接して一体構成とし、車体1の左右両側に車体フレーム42,42を取り付けている。 【0014】 車体1前部のフロントアクスルケース6の左右両側にはステアリングハンドル7によって操舵できる左右の前輪8,8を設けている。HSTケース4にはHST(油圧無段変速装置)9が納められていて、エンジン2の回転動力がクラッチハウジング内の主クラッチを経てHST入力軸10に伝達され、可変容量型の油圧ポンプ11はトラニオン軸12により中立位置から前進及び後進の切替並びに前後進の無段変速がなされて油圧モータ13に伝達され、油圧モータ13の出力軸14が回転する構成である。 【0015】 後部ミッションケース5には走行第1軸16及び走行第2軸17を上下に軸架し、前記出力軸14の出力ギヤ18からギヤ19、ギヤ20、ギヤ21を経て走行第2軸17に動力が伝達される。後部ミッションケース5の左右一側例えば右側部に、走行第2軸17の右側部を側方に突出するように延出し、走行第2軸17の右側部を偏位筒体22により覆い、偏位筒体22の右側端部から後輪伝動ケース23を後斜め下方に向けて延出し、後輪伝動ケース23の中途部内側を右側の車体フレーム42に取り付けている。 【0016】 後輪伝動ケース23の中途部に中間軸24を軸架し、走行第2軸17からチエン伝動装置25を経て中間軸24に動力を伝達している。後輪伝動ケース23の下部を右側に膨出する膨出ケース部26に構成し、膨出ケース部26の上下中間部における左右両側には前記中間軸24のギヤ27に噛み合っている大径の中継ギヤ28、及び、右後車軸29を軸架している。この右後車軸29の内側部に前記中継ギヤ28と同形の大径の右ホイルギヤ30を設けている。 【0017】 この中継ギヤ28の中心突出部28aと右後車軸29の中心凹部29aとを軸心一致状態で回転自在に嵌合し、この嵌合部の中心にピン31を挿入嵌合して軸支状態の強化を図っている。この右後車軸29の内側部外周にカップリング33を軸方向に摺動自在に装着し、カップリング33の内周面に構成した凹溝と右後車軸29の中心凹部29aに構成した凹溝にボール32を挿入している。 【0018】 しかして、カップリング33が図3に示すように、カップリング33の凹溝と右後車軸29の中心凹部29aの凹溝にボール32が嵌り込んだ状態では、中継ギヤ28と右後車軸29とが一体的に回転し左右の後輪45,34が一体的に回転する。また、カップリング33を右側に移動すると、中継ギヤ28の中心突出部28aの凹溝からボール32が退避して右後車軸29の中心凹部29aの凹溝に嵌り込み、中継ギヤ28と右後車軸29は独立して回転し、左右の後輪45,34はデフ機構35により差動回転する。 【0019】 そして、右後車軸29には右後輪34を取り付け、後輪伝動ケース23の下部を右側に膨出する膨出部26に構成し、この膨出部26の右側端部を右後輪34の中心部内側凹部に入り込むように配置している。 【0020】 膨出部26の下部にはデフ機構35を配置している。デフ機構35から右側に延出した右走行伝動軸36に小径の右ギヤ37をスプライン嵌合すると共に、この右ギヤ37をベアリング38を介して膨出部26の右側壁に軸架し、右ギヤ37を右後車軸29の大径の右ホイルギヤ30に噛み合わせている。また、デフ機構35から左側に延出した左走行伝動軸39に小径の左ギヤ40をスプライン嵌合すると共に、この左ギヤ40をベアリング41を介して膨出部26の左側壁に軸架している。しかして、デフ機構35は左ギヤ40及び右ギヤ37を介して膨出部26下部に支架された構成となり、支架構成を簡素化することができる。 【0021】 車体1の左側に沿わせた車体フレーム42には後部左側下方に位置するように左車軸ケース43を取り付け、左車軸ケース43に軸架した左後車軸44に左後輪45を取り付けている。デフ機構35から長い左走行伝動軸39を後述のダクト61の下方を経由して左側の左車軸ケース43の下端部まで延出し、この左走行伝動軸39を筒体46により被覆し、左走行伝動軸39の左側端部に取り付けた小径のギヤ47、大径の左ホイルギヤ48を介して左後車軸44に動力を伝達するように構成している。 【0022】 また、中継ギヤ28、左ホイルギヤ48、右ホイルギヤ30を軸心の一致した同形の大径に構成し、小径のギヤ37、40、47を軸心一致状態で同形の小径に構成している。中間軸24の小径のギヤ27から大径の中継ギヤ28の間で減速し、次いで、大径の中継ギヤ28から小径のギヤ40の間で増速し、次いで、小径のギヤ37とギヤ40と間に設けた小形のデフ機構35から小径のギヤ37を経て大径の右ホイルギヤ30に伝達する間に減速し右側の車輪34に動力を伝達している。また、デフ機構35からギヤ40、ギヤ47を経て大径の左ホイルギヤ48に伝達する間に減速し左側の後輪45に動力を伝達するようにし、デフ機構35のコンパクト化を図っている。 【0023】 エンジン2をボンネット49により被覆し、ボンネット49の後部上方にはステアリングハンドル7を設け、このハンドルの後方における左右の後輪34,45間に操縦席50を設け、ボンネット49と操縦席50との車体上にステップ51を設けている。 【0024】 車体の前後方向中間の下腹部には前輪8,8と後輪34,45の間に位置するようにモアー52を配置し、前・後昇降リンク53,53及びリフトアーム(図示省略)を介してをモアー52を昇降可能に構成している。そして、エンジン2から機体前側部のPTO軸(図示省略)に動力を取り出し、作業機伝動装置54を経てモアー52に動力を伝達している。 【0025】 車体の後端部には操縦席50の後方に位置するように安全フレーム55を設け、安全フレーム55にハイダンプ機構56を構成するリンクを介して芝草収容ケース57を取り付けている。左側の後輪45と右側の34、後輪伝動ケース23の間で、且つ、後部ミッションケース5の下方に位置するようにダクト61を配置し、モアー52で刈り取られた芝草をダクト 61を経て芝草収容ケース57に送るように構成し、草収納ケース57を昇降シリンダ58により高く引き上げ、芝草を排出するように構成している。 【0026】 安全フレーム55には透明板体のフード59を取り付けて、操縦者の後側及び左右両側を囲い塵埃類の飛散を防止している。また、安全フレーム55に操縦席50の左右両側に位置する左右の肘掛60,60を上下回動自在に設け、傾斜地作業での操縦者の姿勢の安定化を図り、乗降時には肘掛60,60を上方に回動することにより乗降の容易化を図っている。 【0027】 前記のように、左右の後輪34,45に動力を伝達する後輪伝動ケース23を車体の中心部から左右一側に偏位させて例えば右側の後輪34に近接するように配置し、左側の後輪45と右側の34、後輪伝動ケース23の間で、且つ、後部ミッションケース5の下方に位置するようにダクト61を配置したので、ダクト61を大きく構成できて芝草を芝草収容ケース57に円滑に送り込み詰まりを防止することができる。 【0028】 前記のように、左右の後輪34,45に動力を伝達する後輪伝動ケース23を車体の中心部から左右一側に偏位して例えば右側の後輪34に近接するように配置し、後輪伝動ケース23の下部を外側に膨出する膨出ケース部26に構成し、この膨出ケース部26の下部にデフ機構35を配置したので、左右の後輪34,45と後輪伝動ケース23間に広い空間を形成できて、ダクト61をより大きく構成することができる。 【0029】 モアー52は縦軸回りに回転する刈刃62,62を左右に併設し、且つ互いに逆向きに回転すべく構成したもので、左右の刈刃62,62をモアーカバー63で蓋い、モアーカバー63の前後左右両側部にはブラケットを介して上下調節自在に前・後転輪64,64、65,65を取り付け、リフトアーム(図示省略)を下降した刈取作業中は左右の前・後転輪64,64、65,65によりモアー52を支持し刈取高さを規制しながら刈取作業をする構成である。 【0030】 そして、左右の前転輪64,64にはモアー52の内側に向けて草を案内する草引越しプレート66,66を取り付けている(図4参照)。即ち、左右の前転輪64,64の軸部64a,64a内側に草引越しプレート66,66を上下回動自在に軸支し、草引越しプレート66,66には前側部の上り傾斜の前案内面66aと外側から内側に向けて下り傾斜となる後案内面66bにより構成されている。 【0031】 草引越しプレート66,66を下方に回動し前転輪64,64の前側部を覆うように調節する。すると、左右の前輪8,8により踏み倒された草は草引越しプレート66,66の前案内面66aにより掬い上げられ、次いで、後案内面66bによりモアー52の内側に向けて順次案内され、刈刃62,62により刈り取られていく。また、草引越しプレート66,66を上方に回動すると、前転輪64,64の清掃を容易にすることができる。しかして、塀際での芝草の刈り残しを防止しきれいな刈取作業をすることができる。 【0032】 次に、図5に基づきモアー52の刈刃62について説明する。 【0033】 刈刃62は回転中心62aから両側に延びる幅狭の板体で構成されていて、その先端部に切り刃62b,62bを構成し、この切り刃62b,62bの回転後側には後側ほど上り傾斜の放出板部62c,62cを構成している。そして、この切り刃62b,62bの外周部を外側ほど回転方向前側に傾斜する傾斜縁となるように構成し、中途部にリブ62を設けている。 【0034】 しかして、図2に示すように、モアー52には左右一対の刈刃62,62を縦軸回りに互いに内向きに回転するようにし、切り刃62b,62bの先端部が一部重合するように回転して芝草を切断する。そして、刈刃62,62の回転内側から刈り取られた芝草は後方の機体中央のダクト61に送り込まれ芝草収容ケース57に収納される。 【0035】 前記のように、刈刃62における切り刃62b,62bの外周部を外側ほど回転方向前側に傾斜する傾斜縁になるように構成したので、先端部が摩耗しても切り刃62b,62bの先端部が回転方向後側に変形しにくく、左右の刈刃62,62の刈り残しを少なくしながら耐久性を高めることができる。 【図面の簡単な説明】 【0036】 【図1】全体の側面図。 【図2】全体の平面図。 【図3】要部の切断背面図。 【図4】要部の正面図。 【図5】要部の平面図。 【符号の説明】 【0037】 8 前輪 9 変速手段(HST)で 23 後輪伝動ケース 25 チエン伝動装置(動力伝動手段) 26 膨出ケース部 27 ギヤ(動力伝動手段) 28 中継ギヤ(動力伝動手段) 30 右ホイルギヤ(動力伝動手段) 34 右後輪 35 デフ機構 36 右走行伝動軸 39 左走行伝動軸 45 左後輪 52 モアー 57 芝草収容ケース 61 ダクト
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成16年2月3日(2004.2.3) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−218315(P2005−218315A) |
| 【公開日】 |
平成17年8月18日(2005.8.18) |
| 【出願番号】 |
特願2004−26926(P2004−26926) |
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