| 【発明の名称】 |
歩行型草刈機 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 正彦 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】吉井 秀夫 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
【氏名】斎藤 成徳 【住所又は居所】山形県酒田市両羽町332番地 株式会社斎藤農機製作所内
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| 【要約】 |
【課題】斜面刈りが可能な歩行型草刈機において、機体のコンパクト化を図りながら刈草や小石などの機体横外方への飛び出しを効果的に防止することができようにする。
【解決手段】刈刃ハウジング1内に回転駆動される刈刃を備えてなる草刈部3の前後に左右一対の走行車輪4をそれぞれ装備するとともに、草刈部3に前後に向き変更可能な操縦ハンドル6を装備してなる歩行型草刈機において、刈刃ハウジング1と走行車輪4との間に形成された間隙cを横外側方から覆うサイドカバー78を刈刃ハウジング1に取付けてある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈刃ハウジング内に回転駆動される刈刃を備えてなる草刈部の前後に左右一対の走行車輪をそれぞれ装備するとともに、前記草刈部に前後に向き変更可能な操縦ハンドルを装備してなる歩行型草刈機であって、 前記刈刃ハウジングと走行車輪との間に形成された間隙を横外側方から覆うサイドカバーを刈刃ハウジングに取付けてあることを特徴とする歩行型草刈機。 【請求項2】 前記走行車輪の外側面に凹入部を形成し、前記サイドカバーの車輪側の遊端部を機体内方側に屈曲させて走行車輪の前記凹入部に入り込ませてあることを特徴とする請求項1記載の歩行型草刈機。 【請求項3】 前記操縦ハンドルの基部を前記草刈部の横一側箇所に設置するとともに、ハンドル基部が偏在する横一側方の前後の走行車輪と刈刃ハウジングとの間の間隙を横外側方から前記サイドカバーで覆うよう構成してあることを特徴とする請求項1または2記載の歩行型草刈機。 【請求項4】 前記草刈部の前後左右箇所に上下揺動調節可能に配備した支持アームの遊端側に前記走行車輪を軸支して、支持アームの揺動調節によって草刈部の対地高さを変更調節可能に構成し、前記サイドカバーを弾性変形可能に構成するとともに、走行車輪と刈刃ハウジングとの前後方向間隔が最大の時にも前記サイドカバーの車輪側の遊端部が走行車輪の前記凹入部に入り込むようにサイドカバー遊端部の前後方向長さを設定してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の歩行型草刈機。 【請求項5】 前方の走行車輪と刈刃ハウジングとの間の間隙を覆う前記サイドカバーと後方の走行車輪と刈刃ハウジングとの間の間隙を覆う前記サイドカバーを一連に構成するとともに、このサイドカバーの下端を刈刃ハウジングの下端より下方に延出してあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の歩行型草刈機。 【請求項6】 前記刈刃ハウジングと走行車輪との間に形成された間隙を上方から覆う上部カバーを刈刃ハウジングに取付けてあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の歩行型草刈機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、農道などの斜面刈りを可能にした歩行型草刈機に関する。 【背景技術】 【0002】 斜面刈りが可能な歩行型草刈機としては、刈刃ハウジング内に回転駆動される刈刃を備えてなる草刈部の前後に左右一対の走行車輪をそれぞれ装備するとともに、草刈部に前後に向き変更可能な操縦ハンドルを装備したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。 【0003】 【特許文献1】特開2001−238514号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 特許文献1に示された従来の歩行型草刈機では、操縦ハンドル6を横方向に向けた状態で前後進を繰り返すことで斜面を等高線に沿って往復自走させながら斜面の雑草を刈取ることができるものであるが、刈草の一部や地上の小石が回転する刈刃によって跳ね飛ばされてハウジングの下をすり抜けて機体横外方に飛び出ることがあり、機体の横側方に操縦ハンドルを向ける斜面刈りにおいては、機体横方を追従移動する作業者に向けて刈草や小石などが飛び出てくるおそれがあった。 【0005】 このような不具合を解消するために、ハウジングの周壁下端にゴム製の垂れカバーを備えることも考えられるが、この種の歩行型草刈機では刈刃ハウジングの前後左右の角部を凹入させて、ここに走行車輪を収めることで機体のコンパクト化を図っているために、刈刃ハウジングに形成された車輪収容用の凹入部位の周壁と車輪外周とは充分接近しており、この凹入部位の周壁に備えた垂れカバーが車輪外周のラグに引っ掛かって巻き込まれるおそれがある。また、垂れカバーの巻き込みを回避するために凹入部位の周壁と車輪外周との間隔を充分に開けると、前後の車輪間隔が大きくなってしまい、機体の前後方向での小型化が阻害されることになるものであり、刈草や小石の飛び出し防止のために垂れカバーを備えるには問題があった。 【0006】 本発明は、このような点に着目してなされたものであって、斜面刈りが可能な歩行型草刈機において、機体のコンパクト化を図りながら刈草や小石などの機体横外方への飛び出しを効果的に防止することができようにすること主たる目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0007】 第1の発明は、刈刃ハウジング内に回転駆動される刈刃を備えてなる草刈部の前後に左右一対の走行車輪をそれぞれ装備するとともに、前記草刈部に前後に向き変更可能な操縦ハンドルを装備してなる歩行型草刈機であって、 前記刈刃ハウジングと走行車輪との間に形成された間隙を横外側方から覆うサイドカバーを刈刃ハウジングに取付けてあることを特徴とする。 【0008】 上記構成によると、操縦ハンドルを路面側に位置する作業者に向けて横振りした状態で前後進を繰り返して斜面の雑草を刈り取ることができる。この場合、刈刃で跳ね飛ばされた刈草や小石などが刈刃ハウジングの下端をすり抜けて機体横外方に飛び出されようとしてもサイドカバーによって受止められ、機体横方を追従移動する作業者に向かって強く飛び出ることはない。 【0009】 この場合、刈刃ハウジングと走行車輪との間の間隙から横外方に向けて飛び出す刈草や小石などを受止めるサイドカバーは走行車輪の横外側に位置するので、走行車輪の外周のラグに引っ掛かって巻き込まれるようなことはない。従って、刈刃ハウジングの前後左右の角部に形成した凹入部に走行車輪を収容配備する構成においても、車輪収容用の凹入部の周壁と車輪外周とを充分接近させることができ、前後の車輪間隔を小さいものにすることが容易となる。 【0010】 このように、第1の発明によると、操縦ハンドルを横向きにして斜面刈を好適にが可能な歩行型草刈機において、機体のコンパクト化を図りながら刈草や小石などの機体横外方への飛び出しを効果的に防止することができる。 【0011】 第2の発明は、上記第1の発明において、 前記走行車輪の外側面に凹入部を形成し、前記サイドカバーの車輪側の遊端部を機体内方側に屈曲させて走行車輪の前記凹入部に入り込ませてあることを特徴とする。 【0012】 上記構成によると、サイドカバーの車輪側の遊端部が車輪外端よりも内側に入り込んでいるので、未刈り地の草がサイドカバーの遊端部と走行車輪との間に侵入することがなく、サイドカバーの内側での草の詰まりなく走行させることができる。 【0013】 第3の発明は、上記第1または第2の発明において、 前記操縦ハンドルの基部を前記草刈部の横一側箇所に設置するとともに、ハンドル基部が偏在する横一側方の前後の走行車輪と刈刃ハウジングとの間の間隙を横外側方から前記サイドカバーで覆うよう構成してあることを特徴とする。 【0014】 上記構成によると、斜面刈り作業においては、ハンドル基部が偏在する横一側方に操縦ハンドルが横振りされることになり、横振りされた操縦ハンドルを保持する作業者側に刈草や小石が飛ぶことがサイドカバーによって効果的に防止される。 【0015】 第4の発明は、上記第1ないし3のいずれか一つの発明において、 前記草刈部の前後左右箇所に上下揺動調節可能に配備した支持アームの遊端側に前記走行車輪を軸支して、支持アームの揺動調節によって草刈部の対地高さを変更調節可能に構成し、前記サイドカバーを弾性変形可能に構成するとともに、走行車輪と刈刃ハウジングとの前後方向間隔が最大の時にも前記サイドカバーの車輪側の遊端部が走行車輪の前記凹入部に入り込むようにサイドカバー遊端部の前後方向長さを設定してあることを特徴とする。 【0016】 上記構成によると、刈高さ変更のために支持アームを揺動調節すると、支持アームの遊端部に軸支された走行車輪は前後方向にも変位することになり、走行車輪と刈刃ハウジングとの前後方向間隔が変化するが、この前後方向間隔が最も大きくなってもサイドカバーで外側から覆われて刈草や小石の飛び出しが防止される。また、走行車輪の位置変更にかかわらずサイドカバーの車輪側の遊端部が常に走行車輪の凹入部に入り込む状態が維持され、未刈地の草がサイドカバーの内側に侵入して詰まることが未然に回避される。 【0017】 従って、第4の発明によると、刈高さ変更を行うことができるものでありながら、第1ないし3のいずれか一つの発明の上記効果を的確に発揮させることができる。 【0018】 第5の発明は、上記第1ないし4のいずれか一つの発明において、 前方の走行車輪と刈刃ハウジングとの間の間隙を覆う前記サイドカバーと後方の走行車輪と刈刃ハウジングとの間の間隙を覆う前記サイドカバーを一連に構成するとともに、このサイドカバーの下端を刈刃ハウジングの下端より下方に延出してあることを特徴とする。 【0019】 上記構成によると、走行車輪と刈刃ハウジングとの間の間隙からの刈草や小石の飛び出しと、刈刃ハウジングの下端からの刈草や小石の飛び出しを一つのサイドカバーで防止することができ、各部位ごとにサイドカバーを取付ける場合に比べて部品点数および取付けて工数が節減され、コスト低減に有効となる。 【0020】 第6の発明は、上記第1ないし5のいずれか一つの発明において、 前記刈刃ハウジングと走行車輪との間に形成された間隙を上方から覆う上部カバーを刈刃ハウジングに取付けてあることを特徴とする。 【0021】 上記構成によると、刈刃ハウジングと走行車輪との間の間隙に飛び出した刈草や小石はサイドカバーと上部カバーとによって受止められて横外側方への飛散および上方への舞い上がりが阻止されることになり、作業者へのふりかかりのみならず刈刃ハウジング上への刈草の堆積が防止されることになり、草刈作業後の機体清掃作業が簡単なものとなってメンテナンス性が向上する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 図1に、本発明に係る歩行型草刈機の全体側面が、また、図2に、その全体平面がそれぞれ示されている。この歩行型草刈機は、刈刃ハウジング1の内部に縦軸心P周りに回転駆動される刈刃2を備えてなる草刈部3の前後左右に走行車輪4が装備されるとともに、草刈部3の中央部位に、刈刃2および走行車輪4を駆動する原動部としてエンジン5が搭載され、かつ、草刈部3から向き変更可能な操縦ハンドル6が延出された構造となっている。 【0023】 前記草刈部3には、板材を下向きコの字状に屈折してなる左右一対の主フレーム10が備えられ、左右の主フレーム10の前後中間部に亘って架設されたステー11に駆動ケース12が連結支持されるとともに、駆動ケース12の上部に前記エンジン5が搭載されている。 【0024】 前記エンジン5はリコイルスタート式の縦軸型空冷ガソリンエンジンが使用され、その下向き出力軸5aと駆動ケース12の上部に配備された入力軸13とが遠心クラッチ14を介して同芯状に連動連結されるとともに、入力軸13にはブレーキ15が装備されている。 【0025】 図9に示すように、左右の主フレーム10の前後端には筒支軸16が回動自在に横架支承され、各筒支軸16の左右両端部に固着した支持アーム17に、前記走行車輪4を連結した車軸18が回転自在に支承され、後述するように前後左右の走行車輪4が同調して正転あるいは逆転駆動されるようになっている。 【0026】 次に、駆動ケース内の伝動構造を図4〜図7に基づいて説明する。 【0027】 前記駆動ケース12における前記入力軸13の後側には第2軸21が配備され、入力軸13の下端部に一体形成したギヤG1と第2軸21の上半部にキー連結したギヤG2とが減速連動されるとともに、第2軸21の下半部にはシフトギヤG3がスライド可能かつバネ22によって上方付勢状態に遊嵌装着されている。また、入力軸21の下方には、下端に前記刈刃2を装着した刈刃駆動軸23が相対回転可能に突合せ配備され、この刈刃駆動軸23に連結されたギヤG4が前記シフトギヤG3に常時咬合されている。 【0028】 前記シフトギヤG3は、刈刃駆動軸23への動力伝達を断続する刈刃クラッチ24を構成しており、シフトギヤG3が上方へ付勢シフトされてギヤG2の内歯25に咬合されることで刈刃駆動軸23を駆動する「クラッチ入り」状態となり、シフトギヤG3をバネ22に抗して下方にシフトして内歯25から離脱させることで刈刃駆動軸23への伝動を断つ「クラッチ切り」状態がもたらされるようになっている。なお、シフトギヤG3は、クラッチ操作軸26によって揺動操作されるシフトフォーク27に係合されており、クラッチ操作軸26のケース外端部に連結した操作レバー28をレバーガイド29に係止することで入り付勢された刈刃クラッチ24を「クラッチ切り」状態に保持することが可能となっている。 【0029】 前記入力軸13および第2軸21の右横側には第3軸31が立設配備されるとともに、前後一対の走行用出力軸32a,32bがケース右側に突出して左右水平に配備され、更に、第3軸31上に走行用の高低変速機構33が装備されるとともに、両出力軸32a,32bに前後進切換え機構34が装備されている。 【0030】 前記高低変速機構33は、第2軸21にキー連結された大小2枚のギヤG5,G6と、これらに咬合されて第3軸31に遊嵌された2枚の変速ギヤG7,G8とで構成されており、変速ギヤG7,G8のいずれか一方を以下のようにして第3軸31と一体化することで第3軸31を高低2段に変速するようになっている。 【0031】 つまり、第3軸31の内部には、変速操作軸35が上下スライド自在かつ内装バネ36によって上方付勢状態で内嵌されるとともに、この変速操作軸35に貫通連結された駆動ピン37が第3軸31に形成された上下長孔38から外方に突出されて、ギヤ変速ギヤG7,G8の内周に形成された係合溝39に選択係合されるようになっており、変速操作軸35を上方にスライドして大径の変速ギヤG8と第3軸31とを一体化することで第3軸31が低速駆動され、変速操作軸35を下方にスライドして小径の変速ギヤG7と第3軸31とを一体化することで第3軸31が高速駆動されるのである。なお、変速操作軸35は、変速レバー40の上下揺動操作によってスライド操作される。 【0032】 前記前後進切換え機構34は、ケース右側に突出された前後一対の走行用出力軸32a,32bから回転方向の相反する回転動力を選択取り出し可能に構成し、選択して取り出した正転動力あるいは逆転動力を走行車輪4に伝達することで前後進の切換えを行うようになっている。 【0033】 つまり、前記走行用出力軸32a,32bは前記第3軸31の軸心から前後に等距離づつ離れた位置に配備されており、第3軸31の下半部に外嵌固着されたウオームギヤ41に、各走行用出力軸32a,32bに遊嵌支持した一対のウオームホイール42が前後からそれぞれ咬合され、ウオームギヤ41の一定方向回転によって両ウオームホイール42が互いに相反する方向に、かつ、大きく減速されて回転駆動されるようになっている。 【0034】 前側の走行用出力軸32aには、正転駆動されるウオームホイール42とこの出力軸32aとを連結する前進用クラッチ43aが、また、後側の走行用出力軸32bには、逆転駆動されるウオームホイール42とこの出力軸32bとを連結する後進用クラッチ43bがそれぞれ装備されている。 【0035】 これらクラッチ43a,43bは、走行用出力軸32a,32bにスプライン装着したクラッチ部材44をバネ45によって付勢シフトしてウオームホイール42に側面から係合連結することで「クラッチ入り」となり、クラッチ部材44をバネ45に抗して後退シフトさせてウオームホイール42との係合を解除することで「クラッチ切り」となるものであり、クラッチ部材44の端部に形成した係合爪44aがウオームホイール42の側面にねじ込み装着したボルト46の頭部に周方向から接当係合するようになっている。なお、前記ウオームホイール42は、ウオームギヤ41に滑らかに噛合い駆動されるように銅合金を切削して構成されており、クラッチ部材44との係合強度および耐久性を高めるために、係合爪44aおよびボルト46の頭部は焼入れ処理されている。 【0036】 前進用クラッチ43aおよび後進用クラッチ43bにおけるクラッチ部材44を操作する各シフトフォーク47の操作軸48は、操縦ハンドル6の先端近くに支点p周りに揺動自在に設けた単一の前後進切換えレバー49にワイヤ50を介してそれぞれ連係されており、ワイヤ50が弛められるこよでクラッチ入り状態がもたらされ、ワイヤ50が所定量以上に引張されることでクラッチ切り状態がもたらされるようになっている。ここで、両ワイヤ50は前記支点pの左右に振り分けて前後進切換えレバー49に連結され、前後進切換えレバー49の揺動操作によって両ワイヤ50が背反的に操作されるようになっている。 【0037】 上記構成によると、前後進切換えレバー49を「前進」位置に操作してレバーガイド51に係止保持すると、前進用クラッチ43aに対応したワイヤ50が弛められて前進用クラッチ43aが入れられるとともに、後進用クラッチ43bに対応したワイヤ50が大きく引張されて後進用クラッチ43bか切られ、また、前後進切換えレバー49を「後進」位置に操作して係止保持すると、前進用クラッチ43aに対応したワイヤ50張されて前進用クラッチ43aが切られるとともに、後進用クラッチ43bに対応したワイヤ50められて後進用クラッチ43bが入れられ、更に、前後進切換えレバー49を「中立」位置に操作して係止保持すると、両ワイヤ50に引張されて前進用クラッチ43aおよび後進用クラッチ43bが共に切られた状態がもたらされるようになっており、この「中立」位置に操作することで、走行系への動力伝達を遮断して走行車輪4を遊転状態とすることができ、機体の手押し移動が可能となる。また、前後進切換えレバー49を「中立」位置に切換え保持した状態でエンジン始動時を行うことになる。 【0038】 前記走行用出力軸32a,32bの外端部にはそれぞれスプロケット55a,55bが取り付けられるとともに、前記主フレーム前後端の前記筒支軸16に挿通支持された伝動軸56の右端部にもスプロケット57がそれぞれ取り付けられ、これらスプロケット55a,55b,57に亘ってチェーン58が一連に巻回され、タイトナー59および、テンションローラ60を介して弛みなく張設されている。 【0039】 そして、前記伝動軸56の左右両端と前記車軸18とがギヤ減速機構61で連動連結されている。このギヤ減速機構61は、伝動軸56の端部に連結された小径ギヤG9と車軸18に連結された大径ギヤG10とを咬合させたものとして構成されており、ギヤ減速機構61全体が、走行車輪4の内部に形成された凹入空間62aに収容されるとともに、ギヤ減速機構61を支持している固定側の部材によって凹入空間62aの開口が閉塞されている。 【0040】 図11,12に示すように、前記走行車輪4は、機体内向きの凹入空間62aと機体外向きの擂鉢状の凹入部62bを備えた板金プレス車輪に構成されており、前記支持アーム17に取り付けられた円板状の蓋体63の外周フランジ部が凹入空間62aの内周に十分近接あるいは摺接するよう配備されることで、凹入空間62aの内向きの開口が閉塞されるようになっている。また、この蓋体63の適所には、脱着自在なカバー64によって開閉可能な点検口65が形成されており、凹入空間62aに侵入した異物を任意に排出除去することができるようになっている。また、走行車輪4の外周には円形外周縁を有する直進板66がフランジ状に一体延出されるとともに、金属帯板材の両端を屈曲起立してなる推進ラグ67が周方向等ピッチで突設されている。なお、推進ラグ67は直進板66の外周径と同じ高さ、あるいは、それより若干低く突設され、平地走行移動時に走行振動が発生しにくいよう考慮されている。また、走行車軸18と車輪ハブ4aとの連結ピン18aにシヤーピンが使用されており、過大な走行負荷がかかるとが連結ピン18aが折れ、走行伝動系の損傷が未然に回避されるようになっている。 【0041】 図2に示すように、前後左右の走行車輪4は刈刃ハウジング1の横幅内に収まるように、刈刃ハウジング1を構成する刈刃カバー72の前後に位置して配備されており、刈刃カバー72と走行車輪4との間には横外方に向けて開放された間隙cが形成されている。 【0042】 左側に位置する前後の支持アーム17に基部から屈折延出された操作アーム部17aと、草刈部3の中央右側箇所に前後揺動可能に立設された刈高さ調節レバー68とが連係ロッド69で連動連結されており、この刈高さ調節レバー68を前後に揺動することで、前後左右の支持アーム17が筒支軸16と一体に回動して全走行車輪4が同方向に同量だけ昇降し、地面に対する刈刃2の高さ、つまり刈高さを変更することができ、この例では、刈高さ調節レバー68を固定レバーガイド70に形成した4箇所の係止部に選択係入することで、刈高さを4段階に変更することが可能となっている。 【0043】 草刈部3を構成する刈刃ハウジング1は、左右の主フレーム10に亘って取り付けられた前後の天板71、主フレーム10から横外方に張り出した左右の刈刃カバー72、および、天板71の前後端に取り付けられたゴム製の垂れカバー73とで刈刃回動軌跡を覆うよう構成されており、左右の刈刃カバー72は損傷した場合の交換あるいは刈刃径に対応した寸法のももに付け替えすることができるように、主フレーム10に脱着可能にボルト連結されている。 【0044】 上記のように構成された刈刃ハウジング1全体の平面形状は、その前後左右の角部に凹入部が形成された形状となっており、各凹入部に前記走行車輪4が配備されることで、前後左右の走行車輪4が刈刃ハウジング1の横幅内に収められている。刈刃カバー72と走行車輪4との間には横外方に向けて開放された間隙cが形成されている。 【0045】 そして、刈刃ハウジング1の左右部位を構成する刈刃カバー72のうち、操縦ハンドル6が偏在する側の刈刃カバー72の横外側面には、刈刃2によって跳ね飛ばされて刈刃カバー72の下端や前記間隙cから飛び出てくる刈草や小石を受止めるサイドカバー78が取付けられている。このサイドカバー78はゴムあるいは軟質樹脂からなる弾性変形可能なプレート材で構成されており、その上端辺に沿って配備された金属製の当て部材79で保形された状態で刈刃カバー72にボルト連結されている。 【0046】 このサイドカバー78は刈刃カバー72の下端よりも下方に延出される上下幅を有するとともに前後に片持ち状に延出され、その前後の遊端部78aが走行車輪4の外側面に形成された前記凹入部62bに入り込むように機体内側に湾曲されており、植立している未刈りの草がサイドカバー78と走行車輪4の間に侵入して詰まることが防止されている。また、刈高さ調節のために走行車輪4が上下に揺動調節されることによって前記間隙cの大きさが変化してもサイドカバー78によって常に間隙cが側方から覆われるように遊端部78aの前後への延出長さが設定されている。 【0047】 つまり、刈高さを低く調節するために支持アーム17を上方に揺動して走行車輪4を上方に変位させると、これに連れて走行車輪4は刈刃カバー72から前後方向に離れて前記間隙cが大きくなるが、この間隙cが最大となる時にもサイドカバー78の遊端部78aが走行車輪4の凹入部に入り込むようにサイドカバー78の前後への延出長さが設定されているのである。 【0048】 また、刈刃ハウジング1を構成する左右の刈刃カバー72の上面の前後には、刈刃カバー72と走行車輪4との間に形成された間隙cを上方から覆う上部カバー80が片持ち状に取付けられており、間隙cから舞い上がった刈草などが刈刃ハウジング1上に堆積することが防止されている。なお、この上部カバー80はサイドカバー78と同様にゴムあるいは軟質樹脂からなる弾性変形可能なプレート材で形成されており、推進ラグ67に接触しても巻き込まれることのない前後長さを有するとともに、走行車輪4の直進板66を避ける切欠き80aが備えられている。 【0049】 図15,16に示すように、前記刈刃2は、刈刃駆動軸23に連結固定された円板状の刈刃支持板74における周方向4箇所の上面および下面に、刈刃駆動軸23の回転軸心と平行する支点q周りに揺動自在に枢支連結され、地上の石や硬い異物に作用した際に刈刃2が後退揺動することができるようになっている。そして、各刈刃2は帯板材を所定角度に屈折してなる同一仕様の刈刃素材に枢支連結孔と切刃縁を形成して構成されており、刈刃支持板74の上面に装着された刈刃2はその切断作用部が上向きに屈折された姿勢に取付けられるとともに、刈刃支持板74の下面に装着された刈刃2はその切断作用部が下向きに屈折された姿勢に取付けられており、切断高さの異なる刈刃2が周方向交互に配置されることで草が細断されるようになっている。また、刈刃支持板74の上面には巻付き防止ドラム75が取付けられるとともに、刈草排出用の羽根76が略放射状に取付けられており、刈草が草刈部3の通過跡に拡散して放置されるようになっている。なお、刈刃ハウジング1内の天井部には、円板状のガイドカバー77が固設されている。 【0050】 前記操縦ハンドル6は、丸パイプ材からなるハンドル本体6aの遊端にループハンドル部6bを連結して構成されたものであり、前記エンジン(原動部)5の右横側において、前後の走行車輪4の中間位置に近い位置において、刈刃ハウジング1の上面に近い低位置から片持ち状に延出されるとともに、縦軸心x周りに向き変更調節可能、かつ、横軸心y周りに上下に揺動調節可能に構成されている。なお、図20に示すように、前記ループハンドル部6bは横軸心z周りに長孔81の角度範囲内で角度調節可能に装着されるとともに、セットボルト82の締め込みによって任意の角度で固定できるようになっている。 【0051】 図17,18に示すように、右側の主フレーム10に固着されたステー11には縦向きボスが83設けられ、この縦向きボス83に筒軸からなるハンドル支軸84が上方より回動可能に挿入されて、その下方突出部に装着されたピン85で抜け止め支持されている。ハンドル支軸84の上下中間部の外周にはフランジ86が固着されており、このフランジ86が縦向きボス83の上端に連設した円形の支持板87に受止め載置されている。また、ハンドル支軸84の上端には前記横軸心yを構成する横向きボス88が固着され、この横向きボス88に操縦ハンドル6の基端が上下揺動可能に枢支連結されている。 【0052】 前記フランジ86には、ボス89を介して支持された旋回ロックピン90がフランジ下方に出退可能に装着されるとともに、前記支持板87の周方向所定位相には、旋回ロックピン90を係入支持する複数のロック孔91が設けられており、旋回ロックピン90をボス89に内装したロック付勢バネ92に抗して上方に引き抜くことで操縦ハンドル6をハンドル支軸84と共に縦軸心x周りに旋回させることができ、所望の旋回位置において旋回ロックピン90を下方に付勢移動させてロック孔91に係入することで操縦ハンドル6をその位置に旋回固定することができるようになっており、操縦ハンドル6を図1に示す後ろ向き姿勢から前向き姿勢に亘る所定の範囲(図23中の矢印A1の範囲参照)内で向き変更可能となっている。 【0053】 そして、操縦ハンドル6の向き変更範囲は、支持板87に突設したストッパピン93とフランジ86の端辺との接当によって制限されており、前向き限界位置まで向き変更した操縦ハンドル6は平面視において縦軸心xを通る前後方向線Lに沿った姿勢となり、後向き限界位置まで向き変更した操縦ハンドル6は、図23に示すように、平面視において縦軸心xを通る前後方向線Lより機体内側に適当小角度だけ越える後向き傾斜姿勢となり、ハンドル遊端側のループハンドル部6bが機体の後方に位置し、機体後方から歩行追従する作業者がループハンドル部6bを自然な姿勢で把持することができるようになっている。 【0054】 また、ハンドル本体6aにおける基部近くの下面に設けたボス94に揺動ロックピン95が横軸心yに向けて突出付勢状態で装備されるとともに、前記フランジ86には横軸心yを中心とした円弧状に湾曲させたロック板96が固着され、このロック板96に、付勢突出された前記揺動ロックピン95を係入支持する複数のロック孔97が上下方向に適当ピッチで設けられており、揺動ロックピン95を内装バネ98に抗して後退させてロック孔97から引き抜くことで操縦ハンドル6を横軸y心周りに上下揺動させることができ、所望の揺動位置において揺動ロックピン95を付勢突出させてロック孔97に係入することで操縦ハンドル6をその高さ位置に固定することができるようになっている。なお、操縦ハンドル6の上方への揺動は、ロック板96の上端に屈曲形成したストッパ部96aとボス94との接当によって制限されている。 【0055】 そして、図20,21に示すように、操縦ハンドル6におけるループハンドル部6bの基部近くの左右に配備された一対のグリップレバー100,101と旋回ロックピン90および揺動ロックピン95とがそれぞれ操作ワイヤ102,103で連係されており、グリップレバー100,101をループハンドル部6bの基部と共握り操作して操作ワイヤ102,103を引き操作することで、旋回ロックピン90あるいは揺動ロックピン95を引き抜き後退して旋回ロックあるいは揺動ロックを解除することができるようになっており、ロック解除した後、引き続き操縦ハンドル6を持って任意に向き変更あるいは高さ変更し、所望の旋回向きあるいは高さでグリップレバー100,101を離すことでハンドルロックを行うことができるのである。 【0056】 また、操縦ハンドル6におけるループハンドル部6bには支点r周りに上下揺動可能かつ上方に揺動付勢された門形のアクセルレバー105が備えられている。このアクセルレバー105の基部からは2本の操作ワイヤ106,107が延出され、一方の操作ワイヤ106がエンジン5に備えられた調速機構(図示せず)に連係されるとともに、他方の操作ワイヤ107が前記ブレーキ15にそれぞれ連係されている。そして、アクセルレバー105を上方付勢力に抗して引き下げ揺動してループハンドル部6bと共握りすることで両操作ワイヤ106,107を共に引き操作して、エンジン5の回転速度を高める(アクセルアップ)とともにブレーキ15を解除することができ、エンジン回転速度が高まると、遠心クラッチ14が作動して入力軸13に動力が伝達され、駆動走行および刈刃駆動が可能となる。また、アクセルレバー105の握りを解除するとアクセルレバー105が上方に復帰揺動してエンジン5はアイドリングまで回転低下(アクセルダウン)し、遠心クラッチ14が切れて走行系および刈刃駆動系への動力伝達が遮断されるとともに、ブレーキ15の作動によって入力軸13が制動されて刈刃2の慣性回転が速やかに停止されることになる。 【0057】 草刈機は以上のように構成されており、農道などの斜面における雑草刈りを行う場合には、図3に示すように、草刈部3を斜面にその等高線に沿った姿勢で位置させるとともに、操縦ハンドル6を農道側に向かう横方向に旋回して固定し、この状態で草刈部3を等高線に沿って前進あるいは後進させる。傾斜方向の長さが大きい広い斜面では、前後進を繰返しながら、その方向転換のつど操縦ハンドル6に斜面下方への押し下げ操作、あるいは、斜面上方への引き上げ操作を行うことで走行位置を斜面の傾斜方向にずらすことになる。 【0058】 なお、上記のように、操縦ハンドル6を横向きにした状態では機体に対する前進方向および後進方向が判らなくなるおそれがあるので、前後進切換えレバー49のレバーガイド108に、草刈部3の前後端に付した色マークに対応した色で前進位置表示と後進位置表示を行うようにするとよい。 【0059】 また、斜面で使用することの多いこの草刈機では、傾斜下手に位置するように燃料タンク109が配備されるとともに、その補給口110が傾斜上手となる方向に向けて設けられている。また、斜面において作業者が斜面上手側からエンジン5のリコイル始動を行いやすくするために、エンジン5の後側に位置するスタートノブ111が、操縦ハンドル6の基部が設置される左横側方に向けて引き操作するように設けられている。 【0060】 なお、本発明は、以下のような形態で実施することもできる。 【0061】 (1)実施例では斜面刈り作業において運転作業者が立つ側に刈草や小石が飛び出るのを阻止するように、操縦ハンドル6が偏在する側にのみサイドカバー78を備えているが、反対側にもサイドカバー78を装着して実施するもよい。 【0062】 (2)実施例では前後の走行車輪4と刈刃ハウジング1との間に形成される間隙cを、前後に連なる1枚のサイドカバー78で覆うようにしているが、前後に2分割あるいは3分割して実施することもできる。このように分割構造にすると、サイドカバーの一部が破損した場合の取り換えが容易となる。 【0063】 (3)実施例ではサイドカバー78と上部カバー80とを別体としているが、両者を一体に形成したカバー体を折り曲げて取付けることもできる。 【0064】 (4)図27に示すように、前向き限界位置まで向き変更した操縦ハンドル6を、後向き限界位置まで向き変更した場合と同様に、平面視において縦軸心xを通る前後方向線Lより機体内側に越える前向き傾斜姿勢となるように向き変更範囲(図27中の矢印A2の範囲参照)を設定して実施することもでき、これによると、後進する機体の後方から作業者が追従する際の操縦が容易となる。 【図面の簡単な説明】 【0065】 【図1】歩行型草刈機の全体側面図 【図2】歩行型草刈機のハンドル横振り状態における全体平面図 【図3】斜面での草刈り作業状態を示す正面図 【図4】駆動ケースの縦断正面図 【図5】刈刃クラッチ切り状態を示す要部の縦断正面図 【図6】高低変速機構を示す縦断側面図 【図7】前後進切換え機構の横断平面図 【図8】前後進切換え操作部の平面図 【図9】機体構造および走行部を示す平面図 【図10】走行部を示す側面図 【図11】車輪駆動構造を示す横断平面図 【図12】走行車輪の縦断側面図 【図13】刈刃ハウジングの平面図 【図14】刈刃ハウジングの分解斜視図 【図15】草刈部の要部を縦断した側面図 【図16】刈刃の平面図 【図17】操縦ハンドルの姿勢調節構造を示す縦断側面図 【図18】操縦ハンドルの姿勢調節構造を示す平面図 【図19】旋回ロック構造の縦断面図 【図20】操縦ハンドルの操作部を示す縦断側面図 【図21】操縦ハンドルの操作部を示す平面図 【図22】前後進切換え操作部の正面図 【図23】操縦ハンドルを後方に向けた状態の全体平面図 【図24】走行車輪とサイドカバーを示す横断平面図 【図25】走行車輪とサイドカバーを示す側面図 【図26】サイドカバー取付け構造を示す分解斜視図 【図27】他の実施例において操縦ハンドルを後方に向けた状態の全体平面図 【符号の説明】 【0066】 1 刈刃ハウジング 2 刈刃 3 草刈部 4 走行車輪 6 操縦ハンドル 17 支持アーム 62b 凹入部 78 サイドカバー 78a 遊端部 80 上部カバー
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
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| 【出願日】 |
平成16年1月14日(2004.1.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2005−198540(P2005−198540A) |
| 【公開日】 |
平成17年7月28日(2005.7.28) |
| 【出願番号】 |
特願2004−7209(P2004−7209) |
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