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【発明の名称】 コンバインの油圧バルブ
【発明者】 【氏名】三島 圭介
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】運転ステップのステップフレーム内に油圧バルブを配置したコンバインにおいて、各油圧アクチュエータとの間の連結を単純化すると共に、これらの点検や整備作業が効率良く行える油圧バルブを得る。

【解決手段】油圧バルブのステップフレームへの取付面側に上記油圧バルブの各吐出ポートを設けると共に、該吐出ポートに対応する位置のステップフレームの取付側板には開口部を設けて、該開口部を通して上記油圧バルブと各油圧アクチュエータとを油圧配管により連結した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転ステップのステップフレーム内に油圧バルブを配置したコンバインにおいて、上記油圧バルブのステップフレームへの取付面側に上記油圧バルブの各吐出ポートを設けると共に、該吐出ポートに対応する位置のステップフレームの取付側板には開口部を設けて、該開口部を通して上記油圧バルブと各油圧アクチュエータとを油圧配管により連結したことを特徴とするコンバインの油圧バルブ。
【請求項2】
油圧バルブにギヤポンプからの作動油を導入するINポートと、油圧バルブから作動油を排出するOUTポートをそれぞれ油圧バルブの前面側に設け、ステップフレームの前面プレートを着脱可能に構成した請求項1記載のコンバインの油圧バルブ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの油圧バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインの各部分を制御作動させる油圧装置のバルブは、大きく別けて、走行用,作業用,機体の水平用等の制御があるが、一般的に、これらは夫々が別々の場所に備えられている場合が多い。
そして、これらに関し、運転ステップ面下方の運転席フレーム内に、「トランスミッションのサイドクラッチとブレーキ及び穀粒排出オーガの昇降制御」と、「前処理リフト制御」とを一体構成にしたものと、「機体の左右水平制御」との2つの油圧バルブボデイにまとめて構成された技術は、既に知られている。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平8−116764号公報(第3頁,図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そして、上記特許文献1に記載のものは、両油圧バルブのボデイ及び各油圧機器等を接続するためのホース又はパイプ等がどこを通っているのか不明確であるが、一般的に各油圧バルブ間及び油圧バルブと各油圧機器間等を連結するための油圧配管が必要で、これらが分散していたり離れていると、このための部品点数が相当数あって、組立時の管理が複雑であると共に、夫々の油圧バルブの設置場所が異なると、これらの点検や整備が別々の場所での作業が必要となって、不便であり作業効率が悪かった。
また、運転席フレーム内の油圧バルブが運転席フレームの中央位置に配置されており、油圧バルブの周囲は狭いため整備性に問題があった。
本発明の目的は、上記従来の不具合を改善する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明においては、運転ステップのステップフレーム内に油圧バルブを配置したコンバインにおいて、上記油圧バルブのステップフレームへの取付面側に上記油圧バルブの各吐出ポートを設けると共に、該吐出ポートに対応する位置のステップフレームの取付側板には開口部を設けて、該開口部を通して上記油圧バルブと各油圧アクチュエータとを油圧配管により連結したことを第1の特徴とする。
【0005】
また、油圧バルブにギヤポンプからの作動油を導入するINポートと、油圧バルブから作動油を排出するOUTポートをそれぞれ油圧バルブの前面側に設け、ステップフレームの前面プレートを着脱可能に構成したことを第2の特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
走行機体に多数採用されている油圧制御装置の油圧バルブを、運転ステップのステップフレーム内に集約して収納し、上記油圧バルブの各吐出ポートをステップフレームの取付面側に向けると共に、ステップフレームの取付側板のこれに対応する位置に夫々開口部を設けて、該開口部を通して上記油圧バルブと各油圧アクチュエータとを油圧配管により連結するように構成したことにより、これらに必要な接続用の多数の配管等を省略又は短縮できて、部品点数を削減することにより、組立時の管理を単純化して軽量でコンパクトに構成できるとともに、油圧バルブや油圧配管を容易に点検整備することができる。
また、運転ステップの足元にあるステップフレーム内に油圧バルブを集約配置してそのIN,OUTポートを前面側に設け、ステップフレームの前面プレートを着脱可能に構成したので、必要に応じてステップフレームの前面プレートを外すことにより、油圧バルブ
や油圧配管の点検や整備作業等を迅速容易に行うことができ、整備性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
運転ステップのステップフレーム内に油圧バルブを配置したコンバインにおいて、上記油圧バルブのステップフレームへの取付面側に上記油圧バルブの各吐出ポートを設けると共に、該吐出ポートに対応する位置のステップフレームの取付側板には開口部を設けて、該開口部を通して上記油圧バルブと各油圧アクチュエータとを油圧配管により連結すると共に、油圧バルブにギヤポンプからの作動油を導入するINポートと、油圧バルブから作動油を排出するOUTポートをそれぞれ油圧バルブの前面側に設け、ステップフレームの前面プレートを着脱可能に構成した。
【実施例】
【0008】
本発明の実施例を以下図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を採用した乗用型コンバインの全体斜視図であって、通常のコンバインと同様に、1は走行機体であり、該走行機体1には、下部にある左右一対のクローラより成る走行装置2の上方に機体フレーム3があって、該機体フレーム3の上方には、前方より前処理部4,内部に運転操縦装置を備えた運転キャビン6,エンジン7(図4参照),収穫した穀粒を一時的に収納するグレンタンク8,脱穀装置(図示せず)及び藁処理装置9等を備えており、更に、走行機体1の上方には後方から斜め前方に向かう穀粒排出用のオーガ10等を備えている。
そして、上記運転キャビン6の前方下部には運転者が運転キャビン6内の運転ステップに乗降するための方形状のステップフレーム11が設けてあり、該ステップフレーム11の詳細については後述する。
【0009】
次に、図2は本案の要部を正面から見た説明用正面図、図3は同上図2の説明用平面図、図4は同上図2の説明用斜視図であって、図の進行方向右側には縦長形状に構成された走行機体1の変速装置が備えられていて、エンジンからの動力を油圧無段変速装置(走行HST)16の油圧ポンプ16aに備えた入力プーリ13により入力し、運転キャビン6内に備えた変速レバー操作により、パイプ15を通じて接続された油圧モータ16bを正逆無段階に変速することにより、下部のトランスミッション17からの動力を車軸18を通じて外部に取出し、走行装置2へ伝達するようになっている。入力プーリ13と同軸上で油圧ポンプ16aの右側面には2連のギヤポンプ14を設けてある。
【0010】
また、図2の正面視で見て、上記走行装置2の上方で、上記ギヤポンプ14の側方近傍位置には運転ステップのステップフレーム11が配置され、その前面側には前面プレート20(図3参照)がボルト23により着脱自在に取付けられていて、その内部空間21に後述する油圧バルブ22が、その各吐出ポートを上記ギヤポンプ14側に向けて設けられると共に、該ギヤポンプ14寄りに集約して収納されているものである。
【0011】
ステップフレーム11は左右に対向する側板11a,11bとの間を上下の桟11c,11d,11e,11fとで連結したもので、走行機体1の外側となる右側側板11aの上部側には運転キャビン6の運転ステップへの出入り時の脚掛け19が開口されており、上記油圧バルブ22の取付面側である左側板(取付側板)11bの上下方向の略中央部には上記内部空間21に収納した油圧バルブ22の各吐出ポートに対応する開口部37が設けられ、開口部37を通じて油圧バルブ22と各油圧アクチュエータとが油圧配管40により連結される。上記油圧バルブ22は、吐出ポート用の開口部37の左右の外側位置で夫々上下の緊締具39にて取付側板11bに強固に装着されるものである。
更に、左側板11bの下部前方には、上記油圧バルブ22と上記ポンプ14aとの接続用の開口部38が設けられ、開口部38を通じて油圧バルブ22とギヤポンプ14のポンプ14aまたは後述する作動油タンク32とが油圧配管12a,12bにより連結されて
いる。
なお、11gはステップフレーム11の後方を覆う後面プレートであり、前面プレート20と同様ボルト36により着脱自在に取り付けられている。
【0012】
図5は本案の油圧機構の油圧回路図であって、まずエンジン7の動力を入力プーリ13により走行HST16の油圧ポンプ16aに入力して油圧モータ16bを正逆駆動し、油圧ポンプ16aと同軸心上に接続されたギヤポンプ14内のポンプ14aから油圧配管12aを介して油圧バルブ22に作動油を供給するとともに、油圧配管12bを介して作動油タンク32に作動油を戻している。
また、グレンタンク8とオーガ10内のラセンを駆動する排出モータ35に接続する排出バルブ33にギヤポンプ14内のポンプ14bから作動油を供給している。なお、ポンプ14bは走行HST16のチャージポンプに兼用していて、排出バルブ33のバルブボディ33aを介して油圧ポンプ16aに作動油を供給している。
また、エンジン7の動力は前処理部4の刈取搬送速度を無段階に変速する前処理HST34にも接続されている。
【0013】
次に、単一の油圧バルブ22について詳述すると、バルブボディ22a内には、走行用バルブとして、左右の選択クラッチアクチュエータ〔機体の旋回時に必要〕24L,24Rを作動させるソレノイドバルブ24a,24b、左右のサイドクラッチアクチュエータ25L,25Rを作動させるソレノイドバルブ25a、ソフトターンとスピンターンを切り替える切替クラッチアクチュエータ26を作動させるソレノイドバルブ26a、ソフトターンとブレーキターンを切り替える切替クラッチアクチュエータ27を作動させるソレノイドバルブ27aと、作業用バルブとして、前処理昇降アクチュエータ28を作動させるソレノイドバルブ28a,28b、オーガ昇降アクチュエータ29を作動させるソレノイドバルブ29a及び左右の車高アクチュエータ30L,30Rを作動させるソレノイドバルブ30a,30bを集約配置している。
【0014】
図6は油圧バルブ22の全体斜視図であって、各吐出ポートは、前記図4の各油圧アクチュエータに対応するもので、左側から左右サイドクラッチ用ポート25LP,25RP、オーガ昇降用ポート29P,左右選択クラッチ用ポート24LP,24RP、右水平制御昇降用ポート30RUP,30RDP、スピンターン,ブレーキターン切替用ポート26P、左水平制御昇降用ポート30LUP,30LDP、ソフトターン,ブレーキターン切替用ポート27P、前処理昇降用ポート28Pである。また、上記油圧バルブ22の前面側のポートの内、上方側のINポート41は、油圧バルブ用ポンプ14aに連結されるものであり、下方側のOUTポート42は、上記作動油タンク32に連結されるものである。油圧バルブ22の前方側にある43は油圧バルブ22のオイルフィルタである。
【0015】
従って、本案の上記構成のものは、コンバイン等の走行機体1に多数採用されている油圧制御装置の油圧バルブ22を運転キャビン6の下方に位置する運転ステップのステップフレーム11内に全部集約して単体の油圧バルブ22として収納し、上記油圧バルブ22の各吐出ポートをステップフレーム11の取付面側である左側板11bに設けると共に、ステップフレーム11の左側板11bの上記各吐出ポートおよびオイルフィルタ43に対応する位置に開口部37を設けて、開口部37を通して油圧バルブ22と各油圧アクチュエータとを油圧配管40により連結するように構成したので、複数のバルブを接続するための配管等を省略したり、油圧バルブ22と各油圧アクチュエータとを連結する油圧配管40を短縮できて、部品の点数を削減することにより、組立時の管理を単純化して軽量でコンパクトに構成できるに至ったものである。
また、油圧バルブ22をステップフレーム内の狭い空間21の中央付近に配置するものと比較して、油圧配管40およびオイルフィルタ43の整備性がよい。
【0016】
また、本案のものは、運転者のいる運転ステップの足元にあるステップフレーム11内にある油圧バルブ22を単一のバルブボディ22aに集約配置してそのIN,OUTポートを前面側に設け、ステップフレーム11の前面プレート20を着脱可能に構成したので、必要に応じて前面プレート20を外すことにより、油圧バルブ22や油圧配管12a,12bの点検や整備作業を迅速・容易に行うことができて、整備性が向上するとの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】乗用型コンバインの全体斜視図である。
【図2】同上要部を正面から見た説明用正面図である。
【図3】同上図2の説明用平面図である。
【図4】同上図2の説明用斜視図である。
【図5】油圧機構の油圧回路図である。
【図6】油圧バルブの全体斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
11 ステップフレーム
11b 左側板(取付側板)
14 ギヤポンプ
20 前面プレート
22 油圧バルブ
32 作動油タンク
37 開口部
41 INポート
42 OUTポート
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成16年1月13日(2004.1.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−198501(P2005−198501A)
【公開日】 平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願番号】 特願2004−4872(P2004−4872)