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【発明の名称】 刈払機の切断物飛散防止構造
【発明者】 【氏名】藤原 吉人

【要約】 【課題】安全カバー装着状況下において容易かつ簡便に取付けでき、草丈の長い草等被切物であっても問題なく処理でき、事後の清掃・集草等作業の労力および所要時間を軽減できる、刈払機の切断物飛散防止構造を提供すること。

【解決手段】切断により倒れてきて飛散移動しようとする切断物を受け止めるための切断物受止構造1と、該切断物受止構造1が刈払機本体4に支持されるための本体固定構造5とからなり、該切断物受止構造1は、切断物の飛散の障壁となるように刈払機の円盤状刃2の上方に設けられた切断物一次受止部1Aおよび切断物二次受止部1Bからなるガード状の構造であることを、主たる構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草等の被切物を切断して切断物とする刈払い機の使用の際に、切断物の飛散を防止するための刈払機の切断物飛散防止構造であって、該切断物飛散防止構造は、切断により倒れてきて飛散移動しようとする切断物を受け止めるための切断物受止構造と、該切断物受止構造が刈払機本体に支持されるための本体固定構造とからなり、該切断物受止構造は、切断物の飛散の障壁となるように刈払機の円盤状刃の上方に設けられたガード状の構造であり、その上縁部において切断物を受け止めることができることを特徴とする、刈払機の切断物飛散防止構造。
【請求項2】
前記切断物受止構造は、被切物の切断時点における前記円盤状刃移動方向の略後方への切断物の飛散の障壁となるような切断物一次受止部と、該円盤状刃の回転に誘導される切断物の飛散の障壁となるような切断物二次受止部とを備えてなり、該切断物一次受止部もしくは切断物二次受止部によって、またはその両者によって切断物を受け止めることができることを特徴とする、請求項1に記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【請求項3】
前記切断物一次受止部は、前記円盤状刃上における被切物切断位置よりも後方位置をカバーする部位を含んで設けられ、該切断物一次受止部の全部および前記切断物二次受止部の少なくとも一部は、その平面視形状が円盤状刃からはみ出さないように形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【請求項4】
前記切断物二次受止部は、概ね円盤状刃の円周に沿って設けられた、平面視が略弧状または鉤状の形状であり、少なくとも円盤状刃上における被切物切断位置から中心角90°の位置までは該円盤状刃からはみ出さないようにその内側に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【請求項5】
前記切断物一次受止部と切断物二次受止部は、連続して一体に形成されていることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【請求項6】
前記切断物受止構造に係るガード状の構造は、一または複数の線状材料により構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【請求項7】
前記切断物受止構造中、前記切断物二次受止部は前記切断物一次受止部よりも低い位置に設けられることを特徴とする、請求項2ないし6のいずれかに記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【請求項8】
前記切断物二次受止部は、前記切断物一次受止部から連続して漸次その高さが低くなるように形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【請求項9】
前記切断物二次受止部は概ね円盤状刃の円周に沿って設けられた平面視が略弧状の形状であり、少なくとも円盤状刃上における被切物切断位置から中心角90°の位置までは該円盤状刃からはみ出さないようにその内側に形成され、前記切断物一次受止部と該切断物二次受止部からなるガード状の構造は、連続して一体にかつ円盤状刃の各回転位置での切断物の倒れ込みを自身側に誘導し得るような平面的湾曲および立体的湾曲を有して線状材料により形成されている、ことを特徴とする、請求項3に記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【請求項10】
前記本体固定構造は、締着手段などにより刈払機本体に着脱可能に取り付けることができる構造であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【請求項11】
前記本体固定構造は、刈払機本体と連続一体に設けられ、前記切断物受止構造を該刈払機本体に固設する構造であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の刈払機の切断物飛散防止構造。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は刈払機の切断物飛散防止構造に係り、特に草等被切物の切断物が周囲に飛散したり、刈払機回転軸に巻き付くことを効果的に防止することのできる、刈払機の切断物飛散防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
草等の被切物を切断するための刈払機は、原動機、これに接続した操作杆、回転する円盤状刃、および安全カバーなどを備えて構成される。かかる刈払機では、刃が回転することより被切物が切断されてなる切断物が飛散したり、これが回転軸に絡みついたり、あるいは周囲の石等が破砕されて飛散したりすること等の不具合が発生するという問題がある。たとえば、左回りに回転する円盤状刃の回右側方向に草等が飛散し、その集草に手間がかかったり、回転軸に草等が巻き付いたり、それによって原動機が停止したりする等のトラブルも発生する。その他にも、異物が飛散したりすることもある。このような刈払機における不具合を防止するために、従来種々の提案がなされている。たとえば、刈払機の後方に位置する操作者方向への草等の飛散を防止するための安全カバー周辺構造としたもの(後掲特許文献1)、回転刃による異物飛散を防止するためにカバーを二重にしたもの(特許文献2)等が提案されているが、草の飛散防止と事後の清掃の容易化を測ったものに、特許文献3がある。
【0003】
その提案の骨子は、草刈り機によって切断された草が飛散するのを阻止するとともに切断された草の遠心力を有効に利用して列状に揃え、さらに切断された草を左側に列状に揃えて草刈り後の清掃を容易にすることを目的として、回転刃により切断された切断草を受けて回転刃の外側方に案内するガイド部と草刈り機に取付けることができる取付け部を備えた草受けガイドであり、またそれを備えた草刈り機である。
【0004】
【特許文献1】実開昭64−17121号公報「刈払機」。実用新案登録請求の範囲。図面(第1図、第2図)。
【特許文献2】特開平2−312509号公報「刈払機」。特許請求の範囲。発明の詳細な説明(発明が解決しようとする課題、発明の効果)。図面(第1図)。
【特許文献3】特開平11−220922号公報「草刈り機」。要約。特許請求の範囲。発明の詳細な説明(段落0004〜0007、0014〜0017)。図面(図1、2、3、4)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし特許文献3に開示された従来技術の草受けガイドおよびそれを用いた刈払機(草刈り機)には、次のような問題点がある。すなわち、
(i)刈払機は高速で回転する円盤状刃を有するため、危険防止のために安全カバーが装着されることが望ましいことはいうまでもない。しかるに、該草受けガイドを安全カバーを備えた草刈り機で用いる場合は、安全カバーが該草受けガイドの上方になるように該草受けガイドを取り付けなくてはならず、煩雑であり、また不可能な場合もある。安全カバー位置可変の刈払機の場合でも、該草受けガイドの取付けと、それに合わせた安全カバーの高さ調節が必要となり、準備が煩雑である。
【0006】
(ii)安全考慮上望ましい安全カバーを装着しての使用に際し、該草受けガイドが線材により構成される場合、その上方に設けられる安全カバーとの関係で、切断された草が回転軸に絡まりやすくなる不都合、危険性がある。
【0007】
(iii)ある程度草丈の長い草を刈る場合であって、これが帯状草受けガイドの高さを超える場合は、切断された草はそもそも草受けガイドには効率的に集められず、本来の効果を発揮できない。
(iv)(iii)の問題を解消するために帯状草受けガイドの高さを高くすると、それに合わせて安全カバーの取付位置も高くなってしまい、操作者の視界を制限するなど操作がしにくくなる。そもそも、帯状草受けガイドの高さを高くするにも限界がある。
【0008】
(v)該草受けガイド付きの刈払機によれば、切断された草は装置左方に連続的に誘導されて、地面に連続的に列状に置かれることとなる。これは、飛散してしまう場合に比べれば、事後の清掃・集草作業労力および時間が軽減されようが、集草作業対象域が連続してかつ量的には薄く存在することとなる。集草作業対象域が不連続的であっても、一箇所あたりには量的に厚く存在する状態の方が、集草作業をさらに軽減できる。
【0009】
本発明の課題は、かかる従来技術の各問題点を解決し、安全カバー装着状況下において容易かつ簡便に取付けあるいは当初から固設でき、回転軸への切断物の絡み付きを容易かつ効果的に防止でき、草丈の長い草等被切物であっても問題なく処理することができ、切断物飛散防止機能を安全カバーの取付位置・方法等に影響を与えることなしに発揮でき、かつ、切断物集積点一箇所あたりの集積量を多くできることによって作業後の清掃・集草等作業の労力および所要時間を軽減することのできる、刈払機の切断物飛散防止構造を提供することである。
【0010】
加えて本発明の目的は、これを草刈り等の作業に用いる場合、集草に手間がかからず、回転軸への草等の巻付きとそれにより生じ得る原動機の停止事態を防止できる、刈払機の切断物飛散防止構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち本願において特許請求される発明は、以下のとおりである。
(1) 草等の被切物を切断して切断物とする刈払い機の使用の際に、切断物の飛散を防止するための刈払機の切断物飛散防止構造であって、該切断物飛散防止構造は、切断により倒れてきて飛散移動しようとする切断物を受け止めるための切断物受止構造と、該切断物受止構造が刈払機本体に支持されるための本体固定構造とからなり、該切断物受止構造は、切断物の飛散の障壁となるように刈払機の円盤状刃の上方に設けられたガード状の構造であり、その上縁部において切断物を受け止めることができることを特徴とする、刈払機の切断物飛散防止構造。
【0012】
(2) 前記切断物受止構造は、被切物の切断時点における前記円盤状刃移動方向の略後方への切断物の飛散の障壁となるような切断物一次受止部と、該円盤状刃の回転に誘導される切断物の飛散の障壁となるような切断物二次受止部とを備えてなり、該切断物一次受止部もしくは切断物二次受止部によって、またはその両者によって切断物を受け止めることができることを特徴とする、(1)に記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【0013】
(3) 前記切断物一次受止部は、前記円盤状刃上における被切物切断位置よりも後方位置をカバーする部位を含んで設けられ、該切断物一次受止部の全部および前記切断物二次受止部の少なくとも一部は、その平面視形状が円盤状刃からはみ出さないように形成されていることを特徴とする、(2)に記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【0014】
(4) 前記切断物二次受止部は、概ね円盤状刃の円周に沿って設けられた、平面視が略弧状または鉤状の形状であり、少なくとも円盤状刃上における被切物切断位置から中心角90°の位置までは該円盤状刃からはみ出さないようにその内側に形成されていることを特徴とする、(3)に記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【0015】
(5) 前記切断物一次受止部と切断物二次受止部は、連続して一体に形成されていることを特徴とする、(2)ないし(4)のいずれかに記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【0016】
(6) 前記切断物受止構造に係るガード状の構造は、一または複数の線状材料により構成されていることを特徴とする、(1)ないし(5)のいずれかに記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【0017】
(7) 前記切断物受止構造中、前記切断物二次受止部は前記切断物一次受止部よりも低い位置に設けられることを特徴とする、(2)ないし(6)のいずれかに記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【0018】
(8) 前記切断物二次受止部は、前記切断物一次受止部から連続して漸次その高さが低くなるように形成されていることを特徴とする、(7)に記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【0019】
(9) 前記切断物二次受止部は概ね円盤状刃の円周に沿って設けられた平面視が略弧状の形状であり、少なくとも円盤状刃上における被切物切断位置から中心角90°の位置までは該円盤状刃からはみ出さないようにその内側に形成され、前記切断物一次受止部と該切断物二次受止部からなるガード状の構造は、連続して一体にかつ円盤状刃の各回転位置での切断物の倒れ込みを自身側に誘導し得るような平面的湾曲および立体的湾曲を有して線状材料により形成されている、ことを特徴とする、(3)に記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【0020】
(10) 前記本体固定構造は、締着手段などにより刈払機本体に着脱可能に取り付けることができる構造であることを特徴とする、(1)ないし(9)のいずれかに記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【0021】
(11) 前記本体固定構造は、刈払機本体と連続一体に設けられ、前記切断物受止構造を該刈払機本体に固設する構造であることを特徴とする、(1)ないし(9)のいずれかに記載の刈払機の切断物飛散防止構造。
【発明の効果】
【0022】
本発明の刈払機の切断物飛散防止構造は上述のように構成されるため、これによれば、切断物飛散防止構造を安全カバー装着状況下において容易かつ簡便に取付けあるいは当初から固設できる。また、回転軸への切断物の絡み付きを容易かつ効果的に防止することができる。さらに、草丈の長い草等被切物であっても問題なく処理することができる。そして、切断物飛散防止機能を、安全カバーの取付位置・方法等に影響を与えることなしに発揮できる。その上、切断物を本構造上に少なくとも一次的に載置、保持することができ、ある程度まとまった量の保持切断物の集合として取り扱うことができ、それによって切断物集積点一箇所あたりの集積量を多くすることができ、作業後の清掃・集草等作業の労力および所要時間を軽減することができる。
【0023】
加えて本発明の刈払機の切断物飛散防止構造によれば、これを草刈り等の作業に用いる場合、集草に手間がかからず、回転軸への草等の巻付きとそれにより生じ得る原動機の停止事態を防止することができる。また、特に線状材料を用いて構成することにより、これを簡素かつ軽量な構成とすることができ、製造上もコスト・工程を軽減化でき、使用上も便利である。本構造は、これを別途単独で製造して刈払機に後から取り付けることも、また当初から一要素として刈払機に含めて構成することも可能であるが、特に前者の場合、本体固定構造を多種多様な刈払機機種の多種多様さに適合するように構成することによって、汎用的な後付部品として提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明について図を用いてより詳細に説明する。
図1は、本発明の刈払機の切断物飛散防止構造の基本構成を示す説明図である。図において本構造は、草等の被切物を切断して切断物とする刈払い機の使用の際に、切断物の飛散を防止するためのものであって、切断により倒れてきて飛散移動しようとする切断物を受け止めるための切断物受止構造1と、該切断物受止構造1が刈払機本体4に支持されるための本体固定構造5とからなり、該切断物受止構造1は、切断物の飛散の障壁となるように刈払機の円盤状刃2の上方に設けられたガード状の構造であることを、主たる構成とする(上記(1)の発明)。図において刈払機本体4には、安全カバー3が設けられている。
【0025】
図において本発明の刈払機の切断物飛散防止構造は、基本的に上述のように構成されるため、該切断物受止構造1のガード状の構造が障壁として働いて、切断され倒れてきて飛散移動しようとする切断物が、該切断物受止構造1で受け止められる。切断物は、該ガード状の構造の上縁部において受け止められる。これにより、切断物の飛散が防止される。この受止めは必ずしも、後述するような、少なくとも一時的な切断物の載置・保持である必要はなく、最終的にその場所に留まらなくとも、少なくとも飛散移動の障害となる障壁として機能する受止めであればよい。しかし、「切断物の載置・保持」がよりなされ得る構成が、より望ましい。
【0026】
該切断物受止構造1の上縁部における受止めは、少なくとも一時的に切断物を該構造1上に載置したまま保持できるように、切断物を下方から最低二点支持できる構造とすることができる。たとえば具体的には、倒れてくる切断物の倒れ方向において最低二点支持できるような略水平面部を有する板状材料による構造や、あるいは倒れ方向といずれも交差するように設けられる線状材料による複線構造などにより、該切断受止構造1を構成することができる。ここで「少なくとも一時的」とは、風等流体の作用による流動飛散、刈払機の振動や傾きによる落下、切断物の過大な載置による崩れ、こぼれなど、動的な要因がない場合に、一時的に切断物の移動が停止して、該切断物受止構造1等の上に保持されることをいう。
【0027】
図において本切断物飛散防止構造は、その切断物受止構造1が、被切物の切断時点における前記円盤状刃2移動方向の略後方への切断物の飛散の障壁となるような切断物一次受止部1Aと、該円盤状刃2の回転に誘導される切断物の飛散の障壁となるような切断物二次受止部1Bとを備えた構成である(上記(2)の発明)。すなわち切断物一次受止部1Aは、図のように該円盤状刃2が反時計回りに回る場合、該刃2の、刈払機本体4進行方向(図の上方)先端部から右寄り方向へかけての切断物の飛散の障壁となるように設けられ、一方切断物二次受止部1Bは、該刃2の刈払機本体4進行方向左側の縁部における該刃2の回転に誘導された切断物の飛散の障壁となるように設けられる。
【0028】
かかる構成により、上述した、少なくとも一時的に切断物を該構造1上に載置したまま保持できる構造が構成される。すなわち、該切断物一次受止部1Aおよび切断部二次受止部1B、あるいはこれに加えて本体4や安全カバー3の存在により、切断物は下方から少なくとも二点支持されて、少なくとも一時的に載置保持されることができる。つまり、該切断物一次受止部1Aもしくは切断物二次受止部1Bによって、またはその両者1A、1Bによって、あるいはまた刈払機の他の部分との協働にもよって、切断物が刈払機の円盤状刃2の上方に、少なくとも一時的に受け止められる。
【0029】
図に示すように本切断物飛散防止構造においては、前記切断物一次受止部1Aは前記円盤状刃2上における被切物切断位置2Aよりも後方位置をカバーする部位を含んで設けられ、該切断物一次受止部1Aの全部および前記切断物二次受止部1Bの少なくとも一部は、その平面視形状が円盤状刃からはみ出さないように形成された構成とすることができる(上記(3)の発明)。かかる構成により、上述した被切物の切断時点における前記円盤状刃2移動方向の略後方への切断物の飛散に対して該切断物一次受止部1Aが障壁となる。また、該切断物受止構造1が円盤状刃2の回転により誘導される切断物の刃2方向への自然な倒れ込みが阻害されず、刃2の下方に切断物が押し込まれたり、安全カバー3との間に入り込んだり、あるいは回転軸に巻き込まれたりすることが防止される。
【0030】
図に示すように本切断物飛散防止構造は、前記切断物二次受止部1Bは、概ね円盤状刃2の円周に沿って設けられた、平面視が略弧状の形状であり、少なくとも円盤状刃2上における被切物切断位置2Aから中心角90°の位置までは該円盤状刃2からはみ出さないようにその内側に形成された構成とすることができる(上記(4)の発明)。図では該切断物二次受止部1Bは円盤状刃2の形状に沿うように略弧状であるが、これは直線的な輪郭の鉤状でもよい。要するに、刃2の回転により誘導される切断物の飛散防止のために、刃2方向に倒れ込んでくる切断物を有効にいったん受け止めることのできるようなガード状の構造であれば、弧状、鈎状、あるいは他の形状を適宜用いることができる。中心角90°は一例であり、これよりも大きい中心角位置すなわちより安全カバー3寄り部分まで、該切断物二次受止部1Bがはみ出さないようにすることもできる。他方、より小さい中心角であることを本発明が排除する趣旨でもない。
【0031】
図に示すように本切断物飛散防止構造は、前記切断物一次受止部1Aと切断物二次受止部1Bとが連続して一体に形成されたものとすることができる(上記(5)の発明)。
【0032】
図2は、本発明の刈払機の切断物飛散防止構造の具体的構成例を示す要部平面図である。また図3は、図2に示す本発明刈払機の切断物飛散防止構造構成例の要部側面図である。これらの図において本構造は、草等の被切物を切断して切断物とする刈払い機の使用の際に、切断物の飛散を防止するためのものであって、切断により倒れてきて飛散移動しようとする切断物を受け止めるための切断物受止構造10と、該切断物受止構造10が刈払機本体40に支持されるための本体固定構造50とからなり、該切断物受止構造10は、切断物の飛散の障壁となるように刈払機の円盤状刃20の上方に設けられたガード状の構造である。そして該切断物受止構造10は、被切物の切断時点における前記円盤状刃20移動方向の略後方への切断物の飛散の障壁となるような切断物一次受止部10Aと、該円盤状刃20の回転に誘導される切断物の飛散の障壁となるような切断物二次受止部10Bとを備える。かかる基本構成に加え、上記(1)〜(5)の発明のいずれかに述べた構成を備え、さらに該切断物受止構造10に係るガード状の構造を、一または複数の線状材料により構成することができる(上記(6)の発明)。
【0033】
該切断物受止構造10を線状材料により構成することで、該構造の軽量化、簡易化を得ることができる。線状材料は複数用いて構成してもよいが、一本の線材の折り曲げ加工により構成すると、コスト・工程ともに軽減され、また構造も簡素化して取り扱いやすくなる。
【0034】
図示するように、前記切断物受止構造10中、前記切断物二次受止部10Bは前記切断物一次受止部10Aよりも低い位置に設けることとすることができる(上記(7)の発明)。さらにいえば該切断物二次受止部10Bは、該切断物一次受止部10Aから連続して漸次その高さが低くなるように形成された構成とすることができる(上記(8)の発明)。つまり、該切断物二次受止部10Bが該切断物一次受止部10Aと同等の高さかより高い場合は、切断物は該切断物一次受止部10Aによる抑止があまり効果を奏せずに本体40右方側に滑り落ちてしまうか、あるいは、切断物が該切断物二次受止部10Bによって跳ね返されて刈払機本体40の左方側に誘導されてしまう。後者は、上述した特許文献3の技術と同様の効果が得られるのみである。これに対し、切断物の倒れ込み方向(飛散方向)のより前方に位置する該切断物一次受止部10Aの方を該切断物二次受止部10Bよりも高くすることによって、切断物の刈払機本体40右方側への飛散防止効果、障壁としての効果をより高めることができる。
【0035】
図示するように本切断物飛散防止構造は、前記切断物二次受止部10Bは概ね円盤状刃20の円周に沿って設けられた平面視が略弧状の形状であり、少なくとも円盤状刃20上における被切物切断位置20Aから中心角90°の位置までは該円盤状刃20からはみ出さないようにその内側に形成され、前記切断物一次受止部10Aと該切断物二次受止部10Bからなるガード状の構造は、連続して一体にかつ円盤状刃20の各回転位置での切断物の倒れ込みを自身側に誘導し得るような平面的湾曲および立体的湾曲を有して線状材料により形成された構成とすることができる(上記(9)の発明)。図示された平面的湾曲および立体的湾曲は一例であり、本発明はこれに限定されない。すなわち本発明に係る切断物受止構造10は、上述した切断物の、載置・保持を含む受止効果を発揮するあらゆる平面的および立体的形状に設計することができる。
【0036】
図2、3において示されるように、前記切断物受止構造10には、切断物巻込み防止部10Lを設けることができる。これを設けることにより、安全カバー30の方向に切断物が誘導されて、該安全カバー30と円盤状刃20との間への巻込み、回転軸への巻込みが生じることを防止することができる。該切断物巻込み防止部10Lは、図では別途の線材を用いて小規模のガードを設ける構成としているが、要するに本体40、安全カバー30、および円盤状刃20により形成される狭隘な空間に切断物が入り込むことを防止できガード状構造であればよく、前記切断物二次受止部10B等を含む一本の線材がさらに折り曲げられて該切断物巻き込み防止部10Lを形成してもよい。また、板状材料によりガード状構造を構成してもよい。あるいはまた、後掲図6、7のように、敢えてこの構造を設けなくてもよい。
【0037】
図2、3において示すように、前記本体固定構造50は、締着手段などにより刈払機本体40に着脱可能に取り付けることができる構造とすることができる(上記(10)の発明)。図では、ボルトを用いた締着手段の使用が示されている。かかる構成とすることにより、刈払機本体40に後付して用いることができる。なお、後からの取付は本体40として示される操作杆部上に対し行うことができるが、安全カバー30に取り付けることを排除するものではない。
【0038】
前記本体固定構造は、上記の後付用ではなく、刈払機本体と連続一体に設けられ、前記切断物受止構造を該刈払機本体に固設する構造とすることもできる(上記(11)の発明)。つまり本発明の切断物飛散防止構造は、刈払機に後付できる別途独立のものとしても構成できるが、当初から刈払機の要素として含んで形成することもできるものである。
【0039】
図4、図5は、前掲図2、3を用いて説明した本発明において、草を被切物の例とした場合の刈払機要部と草との位置関係を示す図である。
【0040】
図6、7は、本発明の刈払機の切断物飛散防止構造の他の例を示す要部平面図および要部側面図である。図示するように、図2等で示した例とは異なり、切断物巻込み防止部を設けない構造とすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の刈払機の切断物飛散防止構造は上述のように構成されるため、これによれば、切断物飛散防止構造を安全カバー装着状況下において容易かつ簡便に取付けあるいは当初から固設できる。また、回転軸への切断物の絡み付きを容易かつ効果的に防止することができる。さらに、草丈の長い草等被切物であっても問題なく処理することができる。そして、切断物飛散防止機能を、安全カバーの取付位置・方法等に影響を与えることなしに発揮できる。その上、切断物を本構造上に少なくとも一次的に載置、保持することができ、ある程度まとまった量の保持切断物の集合として取り扱うことができ、それによって切断物集積点一箇所あたりの集積量を多くすることができ、作業後の清掃・集草等作業の労力および所要時間を軽減することができる。
【0042】
加えて本発明の刈払機の切断物飛散防止構造によれば、これを草刈り等の作業に用いる場合、集草に手間がかからず、回転軸への草等の巻付きとそれにより生じ得る原動機の停止事態を防止することができる。また、特に線状材料を用いて構成することにより、これを簡素かつ軽量な構成とすることができ、製造上もコスト・工程を軽減化でき、使用上も便利である。本構造は、これを別途単独で製造して刈払機に後から取り付けることも、また当初から一要素として刈払機に含めて構成することも可能であるが、特に前者の場合、本体固定構造を多種多様な刈払機機種の多種多様さに適合するように構成することによって、汎用的な後付部品として提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の刈払機の切断物飛散防止構造の基本構成を示す説明図である。
【図2】本発明の刈払機の切断物飛散防止構造の具体的構成例を示す要部平面図である。
【図3】図2に示す本発明刈払機の切断物飛散防止構造構成例の要部側面図である。
【図4】前掲図2、3を用いて説明した本発明において、草を被切物の例とした場合の刈払機要部と草との位置関係を示す図である。
【図5】前掲図2、3を用いて説明した本発明において、草を被切物の例とした場合の刈払機要部と草との位置関係を示す図である。
【図6】本発明の刈払機の切断物飛散防止構造の他の例を示す要部平面図である。
【図7】本発明の刈払機の切断物飛散防止構造の他の例を示す要部側面図である。
【符号の説明】
【0044】
1、10、11…切断物受止構造
1A、10A…切断物一次受止部
1B、10B…切断物二次受止部
2、20、21…円盤状刃
2A、20A…被切物切断位置
3、30、31…安全カバー
4、40、41…刈払機本体
5、50、51…本体固定構造
10L…切断物巻込み防止部

【出願人】 【識別番号】303054179
【氏名又は名称】藤原 吉人
【出願日】 平成15年10月31日(2003.10.31)
【代理人】 【識別番号】100119264
【弁理士】
【氏名又は名称】富沢 知成

【公開番号】 特開2005−130830(P2005−130830A)
【公開日】 平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願番号】 特願2003−373574(P2003−373574)