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【発明の名称】 草刈機
【発明者】 【氏名】宮入 忠
【住所又は居所】長野県松本市石芝一丁目1番1号 石川島芝浦機械株式会社松本工場内

【要約】 【課題】畦の斜面において草刈り作業する場合には、安定輪が本機の進行方向に固定されて、傾斜地で蛇行して斜面の下方に本機が傾くことなく、安定した作業が行えるように構成した草刈機を提供する。

【解決手段】機体フレーム1後部にエンジン4と駆動輪3・3を配置し、機体フレーム1の前部に左右回転可能に安定輪2を配置し、該駆動輪3・3と安定輪2の間に刈取部9を配置し、機体フレーム1に水平方向回転可能なハンドル8を配置する草刈機であって、前記安定輪2の左右回動支持部に回動固定部材を設け、ハンドル回動基部にハンドル8の前後方向よりの回転を検知する部材を設け、該回動固定部材と回転検知部材を連結し、該ハンドルを機体左右方向に回転した際に、該安定輪2を機体進行方向と略同方向に固定すべく構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレーム1後部にエンジン4と駆動輪3・3を配置し、機体フレーム1の前部に左右回転可能に安定輪2を配置し、該駆動輪3・3と安定輪2の間に刈取部9を配置し、機体フレーム1に水平方向回転可能なハンドル8を配置する草刈機であって、前記安定輪2の左右回動支持部に回動固定部材を設け、ハンドル回動基部にハンドル8の前後方向よりの回転を検知する部材を設け、該回動固定部材と回転検知部材を連結し、該ハンドルを機体左右方向に回転した際に、該安定輪2を機体進行方向と略同方向に固定すべく構成したことを特徴とする草刈機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、畦草刈機に関するもので、特に、草刈機の操作性を向上させるためのハンドル及びその支持構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より畦や農道等の草刈りを行うために歩行型の草刈機が公知となっている。例えば特開平10−210838号公報においては、幅の狭い畦上での作業性を向上させるために、幅広の走行輪の前部に刈刃を配置し、走行輪の後部上にエンジンを配置し、上方にハンドルを配置していた。
【特許文献1】特開平10−210838号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来技術においては、ハンドルを左右回転可能に構成して、側方からでも草刈りを可能としていた。ところが、ハンドルが伸び縮みしない構成となっているため、例え上下に回転可能としていても、身長の高い人が作業する場合には、ハンドルを上昇回動すると、歩行時にエンジンの後部を蹴ってしまい歩きにくくなったり、また、畦草の刈取作業のとき、畦の傾斜面が長い場合には、傾斜面の下側を刈り取る時に、畦の上側から作業者が手を伸ばして作業を行うことになり、作業者は腰を屈めて、手を伸ばして作業を行うために負担が大きい上、刈残しが発生し、作業性が悪いものとなっていた。また、ハンドルの回動支点が機体の後方側に位置しているため、傾斜地においては機体が下方に向けて流れやすいという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上が本発明の解決する課題であり、次に課題を解決するための手段を説明する。
機体フレーム1後部にエンジン4と駆動輪3・3を配置し、機体フレーム1の前部に左右回転可能に安定輪2を配置し、該駆動輪3・3と安定輪2の間に刈取部9を配置し、機体フレーム1に水平方向回転可能なハンドル8を配置する草刈機であって、前記安定輪2の左右回動支持部に回動固定部材を設け、ハンドル回動基部にハンドル8の前後方向よりの回転を検知する部材を設け、該回動固定部材と回転検知部材を連結し、該ハンドルを機体左右方向に回転した際に、該安定輪2を機体進行方向と略同方向に固定すべく構成したものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は以上の如く構成したので、以下のような効果を奏ずるものである。
機体フレーム後部にエンジンと駆動輪を配置し、機体フレーム前部に左右回転可能に安定輪を配置し、該駆動輪と安定輪の間に刈取部を配置し、機体フレームに水平方向回転可能なハンドルを配置する草刈機であって、前記安定輪の左右回動支持部に回動固定部材を設け、ハンドル回動基部にハンドルの前後方向よりの回転を検知する部材を設け、該回動固定部材と回転検知部材を連結し、該ハンドルを機体左右方向に回転した際に、該安定輪を機体進行方向と略同方向に固定されるよう構成したので、作業者が機体後方に位置してハンドルを後方側に回転させた状態で作業を行う場合には、安定輪が左右方向に回転自由となり、操作性が向上するし、例えば、作業者が畦の上部に位置して、本機を畦の斜面において作業する場合には、安定輪が本機の進行方向に固定されるので、傾斜地で蛇行して斜面の下方に本機が傾くことなく、安定した作業が行えるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に本発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。図1は畦草刈機の全体側面図、図2は同じく平面図、図3はハンドルを機体側方に回転させた状態を示す畦草刈機の平面図、図4はハンドル伸縮固定レバーの解除状態を示す図、図5はハンドル伸縮固定レバーの固定状態を示す図である。
【0007】
図6はハンドル及びレバーボックス内部を示す図、図7、図8はエンジンコントロールレバー操作時のレバーボックス内部を示す図、図9はハンドルの回転及び回動支点部を示す側面図、図10はハンドルが機体側方に回転した状態の回転及び回動支点部を示す側面図である。
【0008】
まず、図1及び図2を用いて全体概略構成について説明する。機体前後方向に機体フレーム1を配し、該機体フレーム1後端において機体左右方向に駆動伝動パイプ11が横架されて、該駆動伝動パイプ11の左右両端において駆動車輪ケース30・30を後下方に延設して、該駆動車輪ケース30・30の下端においてそれぞれ駆動輪3・3を軸支している。
【0009】
また、エンジン4の出力軸が上下方向に配置されて、該出力軸がその下部に配置したエンジン動力駆動ケース41内に挿入されて、該エンジン動力駆動ケース41は機体前方に延設して、その前部上に減速ボックス43を配置して前記機体フレーム1と連結している。
【0010】
前記エンジン動力駆動ケース41の前端は刈取伝動ケース42に連結して、該刈取伝動ケース42の下部に刈取部9が配設されている。刈取部9は刈部カバー92内の左右にブレード刃またはディスク刃からなる刈刃91・91を収納し、該刈刃91・91先端の回動軌跡は一部ラップするように上下ずらせて配置され、該刈刃91・91を支持する草刈用保持具90・90と前記刈取伝動ケース42内の伝動軸はチェーン等で連動連結されて動力を伝達するようにしている。
【0011】
そしてエンジン4からの動力が、エンジン動力駆動ケース41、減速ボックス43、駆動伝動パイプ11、駆動車輪ケース30内の駆動伝達系を経由し、左右の駆動輪3・3を回転駆動させると共に、エンジンからの動力がエンジン動力駆動ケース41、減速ボックス43、刈取伝動ケース42内の駆動伝達系を経由し、刈取部9の刈刃91・91を回転駆動させるのである。
【0012】
また、前記機体フレーム1の前端に略円筒形状の前輪支持ホルダ22を設けて、該前輪支持ホルダ22内に上下方向に前輪支持パイプ20を挿嵌し、さらに前輪支持パイプ20内に前輪回転シャフト23を挿嵌している。そして、該前輪回転シャフト23下端に前輪フレーム24を設け、該前輪フレーム24に安定輪となる前輪2を回転自在に軸支している。
【0013】
前記前輪支持ホルダ22内に前輪支持パイプ20が上下摺動可能に嵌挿され、該前輪支持パイプ20は上下固定ハンドル21により固定可能であり、前輪2の上下位置を調整して刈り高さや非作業等で高さを変更可能としている。また、前記前輪回転シャフト23は前記前輪支持パイプ20内において上下方向を軸心として回転可能であり、該前輪回転シャフト23の上端後部面に凹部23aが形成され、該凹部に後述するノブ61を挿入可能としている。
【0014】
また、機体フレーム1の前後方向で中央位置よりも前方(前記刈取部9前上方)に、ハンドルスライドボックス5が嵌挿され、該ハンドルスライドボックス5の側部にはスライド固定具51が設けられ、該スライド固定具51を緩めて該ハンドルスライドボックス5を前記機体フレーム1上で前後方向に摺動させることにより、該ハンドル8の配設位置を前後方向に調節可能としている。
【0015】
該ハンドルスライドボックス5上には左右回転支点軸6が上方に突設され、該左右回転支点軸6上にパイプ状のハンドル基部17が回転自在に嵌合され、ハンドル8を水平方向に回転可能としている。また、前記ハンドル基部17の前部には上下回転支点軸7が左右水平方向に配設され、該上下回転支点軸7にハンドル8の前端が枢支されて、該上下回転支点軸7を中心として、該ハンドル8を上下方向に回動自在としている。
【0016】
そして、図9で示すように、前記ハンドル基部17の後面にはシリンダー19が上下方向に固定され、該シリンダー19内には回転ストッパーピン65が上下摺動自在に挿入され、該回転ストッパーピン65の上部には図示しないバネが挿入されて下方に突出するように付勢し、上端は後述するワイヤー66と連結されている。該回転ストッパーピン65の下端は、前記スライドボックス5の上部に固定した規制ディスク5aに穿設した固定穴5b内に挿入できるようにしており、該固定穴5bは前記左右回転支点軸6を中心として同一半径上に回転ストッパーピン65の位置に合わせて規制ディスク5a上に所定間隔を開けて複数穿設している。
【0017】
さらに、前記シリンダー19の後面にはハンドル上下固定具70が固定されており、該ハンドル上下固定具70の後面は前記上下回転支点軸7を中心とした円弧状の面に構成され、この面に上下方向に一定間隔を開けて固定穴70b・70b・・・が穿設されている。一方、ハンドル8の前下部にシリンダー73が固定され、該シリンダー73内に上下ストッパーピン71を収納し、該ストッパーピン71は下方へ突出するようにバネで付勢されて、該ストッパーピン71の後端はワイヤー72と連結され、前端は前記固定穴70bに挿入されて、ハンドル8の回動高さを調節できるようにしている。
【0018】
次に、本発明のハンドル8の構成、操作方法について図3乃至図10を用いて詳述する。前述したように、ハンドル8は前記ハンドルスライドボックス5上で水平方向回転可能、且つ、上下方向回動可能で、さらに該ハンドルスライドボックス5と一体となって機体フレーム1上を前後方向に移動可能としている。そして、本発明のハンドル8は図4及び図5に示すように、さらにハンドル8の長手方向に伸縮可能としている。つまり、ハンドル8の長手部分は、挿嵌部であるハンドルインナ80と筒状部であるハンドルホルダ81により構成され、筒状のハンドルホルダ81内にハンドルインナ80を挿嵌させているのである。
【0019】
そして図4に示すように、ハンドルインナ80とハンドルホルダ81の間に固定部が配置され、本実施例ではハンドルホルダ81の後端側に、伸縮固定レバー82が回動支点軸82cを中心として上下方向回動可能に支持され、該ハンドルボルダ81の下端にはカム部82aが形成され、前記回動支点軸82cにはスプリング82bが巻回され、その一端がハンドルホルダ81側に係止され、他端が伸縮固定レバー82に係止されて、該スプリング82bのバネ力で伸縮固定レバー82をハンドルホルダ81側に押し付けるよう付勢している。
【0020】
一方、ハンドルホルダ81には、伸縮固定用の固定孔81aが穿設されており、前記伸縮固定レバー82のハンドルホルダ81側への回動時にはカム部82aが、固定孔81aからハンドルホルダ81内に突出し、ハンドルホルダ81内に挿嵌されているハンドルインナ80に押し付けられ、該ハンドルインナ80のハンドルホルダ81に対する位置を固定するようにしている。
【0021】
以上の如く構成されたハンドル8において、ハンドル8を伸縮させる場合は、図4の如く、前記伸縮固定レバー82を上方に回動させ、カム部82aをハンドルホルダ81の固定孔81aから外して、ハンドルインナ80に対する押圧力を開放する。そして、ハンドルインナ80をハンドルホルダ81内で摺動させて、適当な位置を決めて、再び図5の如く、伸縮固定レバー82を回動させ、カム部82aをハンドルインナ80に押し付ければ、ハンドルインナ80とハンドルホルダ81が固定され、伸縮固定レバー82はスプリング82bの張力により固定位置で維持される。
【0022】
このように本発明のハンドル8は伸縮可能としているので、作業場所に応じて適当なハンドル長さを選択でき、例えば、傾斜面の長い畦において草刈作業を行う場合であっても、ハンドル8を充分伸長した長さに調整することにより、作業者は畦の上部に位置したまま、無理のない体勢で刈取作業が可能となり、作業効率が格段に向上するのである。
【0023】
また、前述したようにハンドル8はハンドルスライドボックス5において配置を前後方向い移動可能としているが、その配置を前記刈取部9の中心位置よりも前方にくるよう構成しているので、傾斜地等で刈取作業を行う場合に、機体が傾斜下方に流れることがなく安定した作業が行えるのである。
【0024】
次にハンドル8の把持部83に配設された各種レバーの構成について図6乃至図10を用いて説明する。前述の如くハンドル8のハンドルインナ80の後端には、ハンドル把持部83が配設され、該ハンドル把持部83に設けられたレバーボックス100内にはエンジンのコントロール及びハンドル8の回転及び回動操作を行うためのレバー等が配設されている。図6の如く、レバーボックス100内の略中央にガイドレバー支点106aが設けられて、該ガイドレバー支点106aに左右のガイドレバー106L・106Rの一端が回動自在に枢支され、該ガイドレバー106L・106Rの他端上にはガイドローラ107・107を回転自在に枢支し、端部からはそれぞれエンジンコントロールレバー101、ハンドルコントロールレバー102を延出している。
【0025】
該エンジンコントロールレバー101、ハンドルコントロールレバー102の基部にはそれぞれスプリング101a・102aの一端が係止され、該スプリング101a・102aの他端はそれぞれレバーボックス100側に係止されて、両コントロールレバー101・102を前方(図6における左方向)へ付勢しており、両コントロールレバー101・102の前方への回動をレバーストッパ101b・102bが規制している。さらに、ガイドレバー支点106aに左右の固定レバーストッパ103・104の一端が回動自在に枢支され、該固定レバーストッパ103・104の他端とレバーボックス100側とに渡ってそれぞれ懸架されたスプリング103a・104aにより、両固定レバーストッパ103・104は前方(図6における左側)へ付勢されるとともに、ストッパ103c・104cにより前方への回動を規制されている。
【0026】
また、前記ガイドレバー支点106aの後方側には、リコイルボックス105が配設され、該リコイルボックス105内にワイヤ108・109が引込み収容されている。そして、前記ワイヤ108・109の途中部がそれぞれ、レバーボックス100及び前記ガイドレバー106L・106Rの一端に設けられたガイドローラ107・107にガイドされて、ハンドルインナ80内を前方に延伸している。
【0027】
一方、ハンドルホルダ81の前端側にもガイドレバー110・111の中央部がそれぞれ支点110a・111aを中心に回動自在に支持されて左右側方へ突出されており、該ガイドレバー110・111の一端には、ハンドルホルダ81内において、前記ワイヤ108・109の一端が係止されている。そして、ガイドレバー110・111の他端においてそれぞれワイヤ112・113が係止され、該ワイヤ112の他端がエンジン4のスロットルに連結され、該ワイヤ113の他側は図9に示すようにワイヤ66・72に分岐され、それぞれ前記回転ストッパーピン65・上下ストッパーピン71に連結している。
【0028】
以上の如く構成されたハンドル8において、作業者がエンジンコントロールレバー101を図6における右方向へ引けば、ガイドレバー106Rが回動し、ワイヤ108はガイドレバー106Rの一端に設けられたガイドローラ107上を滑る。そして図7のように、ガイドレバー106Rが回動して、ガイドレバー106Rのやや後方に配設された固定レバーストッパ103の突起部103bに当接する。そして、前記スプリング101a・103aの張力に逆らってさらに、エンジンコントロールレバー101を後方に引けば、図8に示すようにワイヤ108はガイドローラ107と固定レバーストッパ103の突起部103bに挟持されながら、後方に引かれる。
【0029】
これにより、ワイヤ108がリコイルボックス105から引き出されることなく、後方に引かれるので、前記ハンドルホルダ81の前端に設けられたガイドレバー110がワイヤ108に引っ張られて図8の如く回動し、ワイヤ112を前方側に引きエンジンの回転数を上昇させることができるのである。
【0030】
これと同様にして、ハンドルコントロールレバー102が作業者により後方側へ引かれた場合においても、ワイヤ109がガイドローラ107と固定レバーストッパ104の突起部104bに挟持され、スプリング102a・104aの張力に逆らってさらに後方に引かれ、ワイヤ109がガイドレバー111を回動させ、ワイヤ113を前方に引くのである。
【0031】
そして、ワイヤ113は図9に示すようにワイヤ66・72に分岐され、それぞれ回転ストッパーピン65及びストッパーピン71を引いて、固定穴5b・70bから解除するのである。これにより、作業者がハンドルコントロールレバー102を引いた状態で自由にハンドル8を水平方向回転、及び、上下方向に回動可能となるのである。
【0032】
本発明のハンドル8は以上の如く構成したので、エンジン回転数のコントロール及びハンドル8の上下左右回動操作が、ハンドル8の把持部83付近で操作可能となるため、本機が傾斜地等に位置している場合においても、作業者は本機まで移動することなく、ハンドル8の手元部分において上記操作が行えるため、操作性が向上し、作業効率が向上するのである。但し、エンジン回転数のコントロール及びハンドル8の上下左右回動操作のためのレバーを別々に設けて、個々に操作するように構成することもできる。また、ハンドルを固定するための固定穴の代わりに歯車状のものとすることもでき、また、ピンの代わりにレバー状のものとすることも可能であり、また、クラッチ等を用いることも可能であり、固定構造は限定するものではない。
【0033】
最後に、前記ハンドル8の左右回転の際に前輪2の左右回転規制機構について図9及び図10より説明する。前述したように、ハンドル8は左右回転支点軸6を中心に水平回転可能となっている。そして、前記ハンドル基部17にはハンドル8の左右回転を検知する部材が配置されている。この検知部材は本実施例ではハンドル基部17の前下部に規制切欠17aが設けられ、前記規制ディスク5a上にはシリンダー63が固設され、該シリンダー63内にノブ62が収納され、該ノブ62はスプリング62aに付勢された状態で前記規制切欠17aに当接させている。該規制切欠17aは、ハンドル8が機体に対して後方側に回転させた状態において、左右回転支点軸6の機体前方側に設けられ、該規制切欠17aは平面視で半円状としている。よって、ハンドル8の回動によってノブ62が押されてハンドル基部17より押し出されるようにしている。
【0034】
また、前記前輪支持パイプ20には前輪2の左右回動固定部材が配置されている。本実施例では、前輪支持パイプ20の後面にシリンダー64が固設され、該シリンダー64内にノブ61を収納し、該ノブ61が前輪支持パイプ20を貫通してスプリング61aに付勢された状態で前記規制穴23aに挿入可能とされている。該ノブ61の後面と前記ノブ62の前面の間はワイヤ60で連結されている。なお、前記規制穴23aは前輪2が前後方向を向いている時に、後面に穿設されている。また、前記スプリング61aによる付勢力はストッパー62aの付勢力よりも小さくしている。また、ワイヤー60はハーネスによって覆われ、スライドボックス5を前後移動させてもピンの位置関係は崩れないようにしている。
【0035】
以上の構成において、ハンドル8が機体後方側に回転されている場合には、前記切欠17aにノブ62の先端が当接して、ワイヤー60を介してノブ61を引っ張り、ノブ61の前端は規制穴23aから外れて解除される。これにより、ノブ61の前記前輪回転シャフト23に対する規制が無くなり、該前輪回転シャフト23が前輪支持パイプ20内で回転可能となり、これによって前輪2は左右方向に回転自在となる。
【0036】
また、ハンドル8が機体前方側、若しくは左右側に回転している状態においては、図10に示すようにハンドル基部17が回転して、規制切欠17aも回転されて、前記ノブ62が規制切欠17aから外れて前方へ移動し、これによりワイヤ60によってノブ61はスプリング61aのばね力によって前方側へ押圧され、前記規制穴23a内に挿嵌され、前輪支持パイプ20と前輪回転シャフト23がノブ61によって固定される。これにより、前輪回転シャフト23が回転不能となり、前輪2が機体の前後方向と略同方向を維持した状態で固定されるのである。
【0037】
本発明の前輪左右回転規制は以上の如く構成したので、作業者が機体後方に位置してハンドル8を後方側に回転させた状態で作業を行う場合には、前輪2が左右方向に回転自由となり、操向が容易にできて操作性が向上する。そして、例えば、作業者が畦の上部に位置して、本機を畦の斜面において作業する場合、図3の如くハンドル8を本機の側方に回転させて作業を行うことがあるが、この場合には、前輪2が本機の進行方向に固定されるので、傾斜地で蛇行して斜面の下方に本機が傾くことなく、安定した作業が行えるのである。但し、ノブとワイヤーの代わりにリンク等を用いることも可能であり、また、前輪支持パイプ20にノブ61を配置してワイヤーと連結し、ハンドル基部17を回動するとワイヤーを引っ張りノブを規制穴23a内に押し込むように構成することも可能であり、固定構造は限定するものではない。また、シリンダーとピンやノブの代わりに、ソレノイド等を用いることもでき、電気的に検知して、ピストンやソレノイドを駆動する構成とすることもできる。
【0038】
機体フレームにエンジンと刈取部と安定輪と駆動輪を配置し、該機体フレームより水平方向および上下方向に回動なハンドルを具備する草刈機において、該ハンドルを筒状部と該筒状部に挿嵌される挿嵌部とで構成し、該筒状部と挿嵌部の間に固定部を配置し、任意の長さで固定可能に構成したので、作業場所に応じて適当にハンドル長さを調整でき、例えば、傾斜面の長い畦において草刈作業を行う場合であっても、ハンドルを充分に伸ばして調整することにより、作業者は畦の上部に位置したまま、無理のない体勢で刈取作業が可能となり、作業効率が格段に向上するのである。
【0039】
また、前記ハンドルの手元側に、草刈機のエンジンの回転数を調整する操作レバーと、ハンドルの水平方向、及び、上下方向への回動を可能とする操作レバーを配設したので、ハンドルを握って作業を行う体勢のままで、エンジン回転数の調整及びハンドルノズル左右及び上下方向の回動の操作が行えるし、特に、本機が傾斜地等に位置している場合においても、作業者は本機まで移動することなく、ハンドルの手元部分において操作が行えるため、操作性が向上し、作業効率が向上するのである。
【0040】
また、機体フレーム後部にエンジンと駆動輪を配置し、機体フレーム前部に安定輪を配置し、該駆動輪と安定輪の間に刈取部を配置し、機体フレームに水平方向回転可能なハンドルを配置する草刈機であって、該ハンドルの水平方向に対する回転支点を、刈取部の中心位置より前方に配置したので、傾斜地等で刈取作業を行う場合に、機体が傾斜下方に流れることがなく安定した作業が行えるのである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】畦草刈機の全体側面図である。
【図2】畦草刈機の平面図である。
【図3】ハンドルを機体側方に回転させた状態を示す畦草刈機の平面図である。
【図4】ハンドル伸縮固定レバーの解除状態を示す図である。
【図5】ハンドル伸縮固定レバーの固定状態を示す図である。
【図6】ハンドル及びレバーボックス内部を示す図である。
【図7】エンジンコントロールレバー操作時のレバーボックス内部を示す図である。
【図8】エンジンコントロールレバー操作時のレバーボックス内部を示す図である。
【図9】ハンドルの回転及び回動支点部を示す側面図である。
【図10】ハンドルが機体側方に回転した状態の回転及び回動支点部を示す側面図である。
【符号の説明】
【0042】
2 前輪(安定輪)
5 ハンドルスライドボックス
6 ハンドル回転支点軸
7 ハンドル回動支点軸
8 ハンドル
9 刈取部
20 前輪支持パイプ
23 前輪回転シャフト
80 ハンドルインナ
81 ハンドルホルダ
82 伸縮固定レバー
83 (ハンドル)把持部
【出願人】 【識別番号】000198330
【氏名又は名称】石川島芝浦機械株式会社
【住所又は居所】東京都中野区本町一丁目32番2号
【出願日】 平成16年12月17日(2004.12.17)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎

【公開番号】 特開2005−110692(P2005−110692A)
【公開日】 平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願番号】 特願2004−366392(P2004−366392)