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【発明の名称】 コンバインの刈取部の補助搬送装置
【発明者】 【氏名】中矢 昭彦
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【要約】 【課題】コンバインにおいて、刈取部により刈り取られた穀稈を、脱穀部へ搬送するフィードチェーンに効率よく受け継ぎできるようにする。

【解決手段】刈取装置により刈り取った穀稈を、刈取部Aを構成する上部搬送装置4と下部搬送装置5によって後上方に搬送し、フィードチェーン7と平行状に配置した平行補助搬送装置32を用いて、フィードチェーン7に受け継ぐ構成において、機体の前部に駆動軸50を左右方向に横架し、該駆動軸50の左側端部に平行補助搬送装置32を配設して駆動し、前記平行補助搬送装置32の駆動する減速ケース36を、平行補助搬送装置32に付設し、駆動軸50から平行補助搬送装置32の間に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取装置により刈り取った穀稈を、刈取部Aを構成する上部搬送装置4と下部搬送装置5によって後上方に搬送し、フィードチェーン7と平行状に配置した平行補助搬送装置32を用いて、フィードチェーン7に受け継ぐ構成において、機体の前部に駆動軸50を左右方向に横架し、該駆動軸50の左側端部に平行補助搬送装置32を配設して駆動し、
前記平行補助搬送装置32の駆動する減速ケース36を、平行補助搬送装置32に付設し、駆動軸50から平行補助搬送装置32の間に設けたことを特徴とするコンバインの刈取部の補助搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載のコンバインの刈取部の補助搬送装置において、該駆動軸50と平行補助搬送装置32との間に、前記平行補助搬送装置32の駆動を停止するクラッチ部52を設けたことを特徴とするコンバインの刈取部の補助搬送装置。
【請求項3】
請求項1記載のコンバインの刈取部の補助搬送装置において、平行補助搬送装置32は、走行駆動部78の走行速度に同調した、刈取走行同調駆動軸82を介して駆動する場合と、機体の走行速度と同調させることなく、一定の駆動力で駆動する場合とを可能としたことを特徴とするコンバインの刈取部の補助搬送装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの刈取部により刈り取られた穀稈を脱穀部内に搬送するフィードチェーンへの受け継ぎ効率を高める構成に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、刈取部の前部に配置した引起こし装置によって穀稈を引き起こし、下部に配置した掻込み装置によって掻集めた穀稈の下部を刈刃装置によって切断し、前低後高に配設する上部搬送装置によって穀稈の穂先側を搬送し、該上部搬送装置の下方に配置する下部搬送装置と縦搬送装置によって穀稈の株元を挟扼して後上方に搬送し、立状する穀稈を水平状に傾倒させて搬送し、穀稈の株元をフィードチェーンに受け継いで、穂先を脱穀部内に案内する構成の刈取部を有するコンバインは公知となっている。
また、穀稈の生育状況や稲の種類によっては穀稈の高さがことなっているので、縦搬送装置の後端部を回動して、フィードチェーンに受け継がす株元の位置を変更して、脱穀部による扱深さを適正位置にするようにしているが、縦搬送装置より直接にフィードチェーンに株元を受け継ぐ搬送は難しいので、一旦穀稈の途中部を補助搬送装置に受け継いで、穀稈を水平状に安定して保持した後にフィードチェーンに株元を受け継がす構成にしていた。
【特許文献1】実開昭54−172831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の補助搬送装置は、縦搬送装置に略平行状に配設し、株元より一定間隔を開けた位置を挟扼し、フィードチェーンに株元を受け継がす為に、フィードチェーンの内側に間隔を開けて配置していたので、補助搬送装置とフィードチェーンとの間に隙間が空く構成となっており、この隙間に株元が入り込み、フィードチェーンに株元を受け継ぐことができずに、穀稈を落下させたりすることがあった。その為に、縦搬送装置の下部よりフィードチェーン前端部に向かってガイド桿を突出したり、補助搬送装置の側部や下面よりフィードチェーンに向かってガイド桿を突出したりして、フィードチェーンへの受け継ぎの失敗を無くすようにしていたが、複雑な構成の刈取部にガイド桿を配設するには特別のステーを配設する必要があり、部品点数を増加させて、刈取部の組み立て作業を煩雑にするものとなっていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するために、次の如く構成したものである。
請求項1においては、刈取装置により刈り取った穀稈を、刈取部Aを構成する上部搬送装置4と下部搬送装置5によって後上方に搬送し、フィードチェーン7と平行状に配置した平行補助搬送装置32を用いて、フィードチェーン7に受け継ぐ構成において、機体の前部に駆動軸50を左右方向に横架し、該駆動軸50の左側端部に平行補助搬送装置32を配設して駆動し、前記平行補助搬送装置32の駆動を停止するクラッチ部52を、駆動軸50から平行補助搬送装置32の間に設けたものである。
【0005】
請求項2においては、請求項1記載のコンバインの刈取部の補助搬送装置において、
該駆動軸50上には、第一入力プーリ51と、第二入力プーリ54を取り付け、該第二入力プーリ54には、エンジンEの出力を走行駆動部78を経由せずに伝達する定速回転駆動軸80よりベルトを巻回して動力伝動し、また、前記第一入力プーリ51には、走行駆動部78より突出した刈取走行同調駆動軸82よりベルトを介して動力が伝達され、該駆動軸50により平行補助搬送装置32を駆動すべく構成したものである。
【0006】
請求項3においては、請求項2記載のコンバインの刈取部の補助搬送装置において、平行補助搬送装置32は、走行駆動部78の走行速度に同調した、刈取走行同調駆動軸82を介して駆動する場合と、機体を低速にて駆動させたり、機体の進行方向をかえるために後進させる際には、定速回転駆動軸80を介して動力を平行補助搬送装置32に伝達し、機体の走行速度と同調させることなく、一定の駆動力で駆動する場合とを可能としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するものである。
請求項1の如く、刈取装置により刈り取った穀稈を、刈取部Aを構成する上部搬送装置4と下部搬送装置5によって後上方に搬送し、フィードチェーン7と平行状に配置した平行補助搬送装置32を用いて、フィードチェーン7に受け継ぐ構成において、機体の前部に駆動軸50を左右方向に横架し、該駆動軸50の左側端部に平行補助搬送装置32を配設して駆動し、前記平行補助搬送装置32の駆動を停止するクラッチ部52を、駆動軸50から平行補助搬送装置32の間に設け、
請求項2の如く、該駆動軸50上には、第一入力プーリ51と、第二入力プーリ54を取り付け、該第二入力プーリ54には、エンジンEの出力を走行駆動部78を経由せずに伝達する定速回転駆動軸80よりベルトを巻回して動力伝動し、また、前記第一入力プーリ51には、走行駆動部78より突出した刈取走行同調駆動軸82よりベルトを介して動力が伝達され、該駆動軸50により平行補助搬送装置32を駆動すべく構成し、
また、請求項3の如く、請求項2記載のコンバインの刈取部の補助搬送装置において、平行補助搬送装置32は、走行駆動部78の走行速度に同調した、刈取走行同調駆動軸82を介して駆動する場合と、機体を低速にて駆動させたり、機体の進行方向をかえるために後進させる際には、定速回転駆動軸80を介して動力を平行補助搬送装置32に伝達し、機体の走行速度と同調させることなく、一定の駆動力で駆動する場合とを可能としたので、次のような効果を奏するのである。
即ち、機体を低速にて駆動させたり、機体の進行方向をかえるために後進させる際には、刈取部Aと一体的に駆動する平行補助搬送装置32の駆動力の低下によって、平行補助搬送装置32からフィードチェーン7への穀稈の受け渡しの性能が低下する場合が発生するが、ミッションケースMより動力が直接入力するように刈取クラッチ81をON側に切り換えて、一定速度の高速で平行補助搬送装置32を回転させて、穀稈の受け渡し性能が低下することを防ぐことが可能となったのである。
また、減速ケース36を介装したので、フィードチェーン7と同調する回転数を得ることが簡単に出来るようになったのである。
また、手扱ぎ作業等の場合において、平行補助搬送装置32の駆動が必要の無い場合には、クラッチ部52により、簡単に動力伝達を断状態とすることが出来るのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に本発明の実施の形態を説明する。
図1はコンバインの全体側面図、図2は刈取部を示す側面図、図3は同じく刈取部を示す平面図、図4は本発明の刈取部の補助搬送装置を示す側面図、図5は刈取部の動力伝達を示すスケルトン図、図6は補助搬送装置を示す平面図、図7は脱穀・選別装置への動力伝達を示すスケルトン図、図8はフィードチェーンの側方回動にて開放された補助搬送装置の側面図である。
【0009】
図1において、コンバインの全体構成の概略を説明する。
クローラ式走行装置9上にフレームFを取り付け、その上は、機体左右の一側が脱穀部B及び選別部C、他側が運転席D及びグレンタンク8が載置されている。刈取部Aは、脱穀部Bの前部で、機体の最前部に位置されており、穀稈搬送装置は、刈取部Aにて、脱穀部Bのフィードチェーン7に向けて配設されているものである。48は扱胴である。
【0010】
刈取部Aは、図2に示すように機体フレームFの左側前端部に立設した支柱10の上端に、刈取フレームを回動自在に取り付けている。前記刈取フレームは左右一対の支柱10・10の上端間に、左右幅方向に伸延する筒状の回動支軸12を軸線回りに回動自在に横架し、回動支軸12の右側部より前下方へ向けて筒状の縦フレーム13を伸延し、縦フレーム13の下端に左右幅方向に伸延する筒状の下側横フレーム14の途中部を連通連結し、該下側横フレーム14の左側端部より前上方へ向けて筒状の立上りフレーム15を立ち上げると共に、下側横フレーム14の右側側部より前上方へ向けて支持フレーム(図示せぬ)を立ち上げて、両フレーム15の上端間に上側横フレーム16を横架し、上側横フレーム16の途中部と前記縦フレーム13の後部との間に上方へ凸状に湾曲する上側連結フレーム17を横架する一方、前記下側横フレーム14の左右側部よりそれぞれ前方へ向けて左右一対の下側連結フレーム18・18を延設している。
【0011】
また、前記刈取フレームには、図2、図3に示すように刈取部Aの各搬送装置を配置している。本実施例におけるコンバインは6条刈りであり、刈取部Aの下側連結フレーム18の最前部に分草板19を取り付け、その後部に穀稈を立状態として取り入れるための引起こし装置1を立状に配設している。この引起こし装置1にて穀稈を引起こし、掻込み装置2にて掻き込んで、刈刃3にて穀稈の株元を刈る。
そして、前記刈刃装置3上方に、刈刃装置3にて刈り取った穀稈の株元を挟扼し脱穀部B側に搬送する下部搬送装置5を配し、該下部搬送装置5の上方に穀稈の上部を支持して搬送する上部搬送装置4を配し、該上部搬送装置5の上方に穂先を後上方に搬送する穂先搬送装置20を配設している。
【0012】
そして、前記下部搬送装置5にて搬送される穀稈の株元は縦搬送装置21にて受け継がれ、穀稈上部を上部搬送装置4にて挟持したまま後方に搬送し、立状態の穀稈を水平状に傾倒して、補助搬送装置30を介して、脱穀部Bのフィードチェーン7へと受け継ぐものである。該縦搬送装置21は、図2の如く、搬送角度を調節可能で、この角度調整にてフィードチェーン7への穀稈挟扼位置を決定して扱深さ調整を行うのである。この扱深さを検知するために、補助搬送装置30の上方に図示せぬ扱深さ検出センサーを配設している。
【0013】
図2、図3に示すように、前記分草板19は、左右幅方向に一定の条間隔を開けて計7個配置している。また、引起こし装置1は、左右に隣接する分草板19・19間の直後方位置に上下方向に伸延する引起こしケース22・22・・・を立設し、各引起こしケース22内には多数のタインを取り付けているチェーンを巻回している。また、前記掻込み装置2は、前記各引起こしケース22の直後方位置に、タイン付掻込みベルト24とスターホイル25とを上下に対向させて配置している。
【0014】
また、前記下部搬送装置5は、機体の進行方向に対して左側部に二条分の穀稈の下部を挟扼して内側後方の合流部Pへ搬送する左側下部搬送装置5Lと中央部の二条分の穀稈の下部を挟扼して内側後方の合流部Pへ搬送する中央下部搬送装置5Cと、右側部の二条分の穀稈の下部を挟扼して内側後方の合流部Pへ搬送する右側下部搬送装置5Rとを具備している。これらの搬送装置5L・5C・5Rにより搬送されて合流部Pで合流した穀稈の下部は、縦搬送装置21にて挟扼して後上方に搬送し、後述する本発明の補助搬送装置30へ搬送するようにしている。そして、これらの搬送装置5L・5R・5Cは、搬送チェーンとこれらの搬送チェーンの各穀稈搬送路と対向させて配置した挟扼体とから構成しており、縦搬送装置21も同様に構成している。
【0015】
また、前記上部搬送装置は、左側部の二条分の穀稈の上部を掻き上げて内側後方の合流部Pへ搬送する左側上部搬送装置4Lと、中央部の二条分の穀稈の上部を掻き上げて内側後方の合流部Pへ搬送する中央上部搬送装置4Cと、右側部の二条分の穀稈の上部を掻き上げて内側後方の合流部Pへ搬送する右側上部搬送装置4Rを具備している。また、前記右側上部搬送装置4Rは前部搬送部4Raと後部搬送部4Rbとに二分割して形成している。そして、これらの搬送装置4L・4R・4Cは、多数の搬送タインを前後方向に回行可能に取り付けると共に、各搬送タインは後方移動時に進出し、かつ、前方移動時に退入すべく取り付けている。
【0016】
そして、前記左側上部搬送装置4Lは左側下部搬送装置5Lと、中央上部搬送装置4Cは中央下部搬送装置5Cと、前部搬送部4Raは右側下部搬送装置5Rと、後部搬送部4Rbは縦搬送装置21と、それぞれ上下に対向させて配置して、穀稈の上下部を確実に保持して搬送するようにしている。
更に、前記後部搬送部4Rbの後部と脱穀部Bとの間位置に補助搬送装置30を配置して、該補助搬送装置30と後部搬送部4Rbとを協働して穀稈をフィードチェーン7へ受け渡すことができるようにしている。
【0017】
次に、コンバインの刈取部A及び脱穀・選別装置等への動力伝達構成について図5、図7を用いて説明する。
エンジンEからの出力の一方は、クラッチを介してグレンタンク8内の下部コンベア26に動力を伝達し、次いで縦コンベア27、排出オーガ28内のスクリューを駆動可能としている。また、エンジンEからの他方の出力は、動力分岐用のミッションケースM内に入力されている。該ミッションケースM内には、走行駆動部78に動力を伝達する走行用駆動軸79、脱穀・選別装置Bに動力伝達する選別用駆動軸55、刈取部Aに伝達する定速回転駆動軸80を軸支している。
そして、エンジンEの出力は、カウンタ軸等を介して走行用駆動軸79と選別用駆動軸55に動力伝達される。また、前記選別用駆動軸55に固設したギアより刈取クラッチ81を介して定速回転駆動軸80に動力を伝達している。
【0018】
一方、図2に示すように、前記回動支軸12には、刈取部Aへの駆動部として駆動軸50を挿通している。該駆動軸50の右側端部に第一入力プーリ51と第二入力プーリ54を取り付けて、該第二入力プーリ54には、定速回転駆動軸80との間にベルトを巻回して連動し、ミッションケースMからの変速した駆動力を伝達している。また、第一入力プーリ51には、前記走行駆動部78より突出した刈取走行同調駆動軸82より、ワンウエイクラッチ82a及び同調クラッチ83を介して動力が伝達され、機体の走行速度に同調させた動力を駆動軸50に伝達するようにしている。
こうして、通常の作業においては、刈取クラッチ81をOFFにし、同調クラッチ83をONとして、刈取走行同調駆動軸82を介して駆動軸50を駆動するようにし、刈取部Aの駆動力を走行速度に合わせるようにしている。
また、機体を低速にて駆動させたり、機体の進行方向をかえるために後進させる際には、同調クラッチ83をOFFとし、刈取クラッチ81をONにして、定速回転駆動軸80を介してミッションケースMによって変速した動力を駆動軸50に伝達し、機体の走行速度と同調させることなく、一定の駆動力を駆動軸50に伝達するようにしている。
よって、後述する如く刈取部Aと一体的に駆動する補助搬送装置30の駆動力の低下によって、補助搬送装置30からフィードチェーン7への穀稈の受け渡しの性能が低下する場合には、ミッションケースMより動力が直接入力するように刈取クラッチ81をON側に切り換えて、穀稈の受け渡し性能が低下することを防いでいる。
【0019】
また、前記駆動軸50の途中部にクラッチ部52を配設しており、動力伝達の断続を可能としている。また、前記回動支軸12の途中部にはベベルギア50bを固設し、縦フレーム13内部に軸支する縦伝動軸60に動力伝達する一方、駆動軸50の左側端部には減速ケース36を配設している。
【0020】
また、前記縦伝動軸60の途中部にベベルギア60a・60bを嵌合し、前記ベベルギア60aより複数のベベルギア等を介して後部搬送部4Rbと補助搬送装置30を駆動する伝達軸61に動力を伝達している。前記ベベルギア60bの駆動は伝動軸71に伝達され、該伝動軸71の駆動力は右側下部搬送装置5Rに伝達され、該右側下部搬送装置5Rの前端部より掻込み装置2・2に伝達されている。更に前記伝動軸71に伝達された駆動力はベベルギア、伝動軸73を介して縦搬送装置21に伝達され、伝動軸72を介して前部搬送部4Raに伝達されている。
【0021】
そして、前記縦伝動軸60の動力は、縦伝動軸60の下端部より下側横フレーム14内に挿通する下側横伝動軸63、立上りフレーム15内の立上り伝動軸64、上側横フレーム16内に挿通する上側横伝動軸65を介して各引起こし駆動軸67・67・・・を駆動して、各引起こし装置1・1・・・を駆動している。
【0022】
また、前記下側横伝動軸63の動力は、刈刃駆動軸75・75を介して刈刃装置3を駆動している。更に、前記立上り伝動軸64より左側搬送駆動軸76・77を介して左側上部搬送装置4Lと左側下部搬送装置5Lを駆動し、更に掻込み装置2・2、中央上部搬送装置4C、中央下部搬送装置5Cを駆動している。
【0023】
次に、脱穀・選別装置への動力伝達について説明する。
ミッションケースMに伝達されたエンジンEの動力は、選別駆動軸55に伝達され、該選別駆動軸55の途中部からベベルギアを介して脱穀駆動軸57を駆動し、更にベルト、プーリーを介して送塵口処理胴49と扱胴48に動力を伝達している。また、前記選別駆動軸55の左端にプーリ56を固設し、該プーリ56よりベルト等を介して唐箕47、揺動選別装置、横断流ファン46や排藁処理装置45等に駆動力を伝達している。
また、前記横断流ファン46の駆動軸からギア機構やカウンター軸等を介して、フィードチェーン7の後端部に配置する駆動スプロケット44の駆動軸43に動力を伝達し、フィードチェーン7を駆動している。このように、該フィードチェーン7の駆動を刈取部Aとは独立した脱穀・選別装置の駆動部より取り出し可能としたことによって、刈取り作業において刈取り条を変更するために、機体を方向転換するために刈取部Aの駆動を停止させても、フィードチェーン7は駆動され、脱穀・選別作業を継続することができる。
更に、該フィードチェーン7の駆動速度は、補助搬送装置30の最大駆動速度より早い速度に設定しており、補助搬送装置30により受け渡される穀稈がフィードチェーン7の前部に詰まることなく、スムーズに受け継ぐことを可能にしている。
【0024】
次に、本発明の補助搬送装置30について説明する。
該補助搬送装置30は左右に並設する二つの第一補助搬送装置31と平行補助搬送装置32からなる。即ち、図4、図6に示すように、縦搬送装置21の後部上方に配設する既存の搬送装置を第一補助搬送装置31として、該第一補助搬送装置31の左側に、フィードチェーン7と平行状の平行補助搬送装置32を配設している。
また、前記平行補助搬送装置32後部は、側面視においてフィードチェーン7前部とラップするように配されているが、図8に示す矢印に示すように、フィードチェーン7後部は回動支点軸59を回動中心としてチェーンカバーと一体的に回動し、フィードチェーン7前部を側方に回動することによって、平行補助搬送装置32を開放することができ、メンテナンス作業を行い易くしている。
【0025】
前記平行補助搬送装置32はフィードチェーン7と同様に、従動スプロケット33と駆動スプロケット34との間にチェーン35を巻回し、該チェーン35をフィードチェーン7と平行状に配設している。前記平行補助搬送装置32の内部には前述した減速ケース36を配している。図5に示すように該減速ケース36内に設けた歯車(またはスプロケットとチェーン)によって駆動軸50の回動を減速し、該減速ケース36後部の左側方に配置する駆動スプロケット34を駆動し、平行補助搬送装置32を第一補助搬送装置31の搬送速度を合わせるように減速している。
【0026】
また、前記平行補助搬送装置32の従動スプロケット33は、図4に示す側面視のように、フィードチェーン7の前部を支持する従動スプロケット40より距離X前方位置に配置し、鉛直方向で距離Y上方に配置している。即ち、前記平行補助搬送装置32によって穀稈の挟扼を開始するチェーン35の前端部を、フィードチェーン7により挟扼を開始する前端部より前方に配し、更に、チェーン35の前端部は縦搬送装置21の直後方位置に配する位置となっている。
よって、穀稈の穂先側を後部搬送部4Rbによって搬送し、穀稈の株元側を縦搬送装置21と第一補助搬送装置31によって挟扼し、縦搬送装置21の終端位置より直ちに平行補助搬送装置32によって株元の直上方位置を挟扼し、平行補助搬送装置32の前後途中位置より株元をフィードチェーン7に受け継ぐようにしている。
その際、フィードチェーン7と平行補助搬送装置32とによる搬送方向を等しくしているので水平状に傾倒する穀稈の搬送姿勢を整えて、穀稈の株元を正確に受け継ぎ、安定して脱穀部B内に搬送することができる。
【0027】
また、前記第一補助搬送装置31の図示せぬカバー下面にガイド杆37を配設することもできる。図4、図6に示すように、前記第一補助搬送装置31の下面に枢支軸38を横設している。該枢支軸38は、軸芯を水平方向で後方内側向きに配置しており、該枢支軸38にガイド杆37の基部を枢支し、ガイド杆37の端部を後方外側に向かって突出している。また、前記枢支軸38の外周面にはトルクバネ39を巻回しており、ガイド杆37を下方に付勢している。この下方に付勢されるガイド杆37の途中部は、搬送装置31のカバーに吊設する係止体41に係止され、ガイド杆37の端部を平行補助搬送装置32の前部下部に位置させている。
更に、前記ガイド杆37の下方には、縦搬送装置21を配設しており、該縦搬送装置21を上方に回動させると、縦搬送装置21の図示せぬケース後端部をガイド杆37の途中部に当接し、トルクバネ39の付勢力に抗してガイド杆37を上方に回動させており、ガイド杆37の後端部を平行補助搬送装置32の前部上方に移動させている。なお、ガイド杆37を下方に付勢する構成としてトルクバネ39に限定する必要はなく、ガイド杆37を圧縮バネ等の弾性体によって下方に付勢する構成にすることもできる。
【0028】
従って、前記縦搬送装置21によって搬送されてきた穀稈の株元が第一補助搬送装置31によって引き込まれて、平行補助搬送装置32の右側(機体の内側)に入り込むことを防いでいる。また、扱深さを調整する為に縦搬送装置21の回動に合わせてガイド杆37を回動し、穀稈の株元側を平行補助搬送装置32の受け継ぎを行う搬送面の適正位置に案内している。例えば、扱深さを浅くするために、縦搬送装置21を上方に回動するとガイド杆37の端部を上方に回動して平行補助搬送装置32の搬送面の前部上部に位置し、株元が搬送面の前部より内側に入り込みことを防ぐようにしている。
このように、平行補助搬送装置32への受け継ぎをスムーズにして、穀稈を水平状に安定させて搬送するように構成し、平行補助搬送装置32の途中部より受け継ぎを失敗することなくフィードチェーン7に株元を受け継いでいる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】刈取部を示す側面図である。
【図3】同じく刈取部を示す平面図である。
【図4】本発明の刈取部の補助搬送装置を示す側面図である。
【図5】刈取部の動力伝達を示すスケルトン図である。
【図6】補助搬送装置を示す平面図である。
【図7】脱穀・選別装置への動力伝達を示すスケルトン図である。
【図8】フィードチェーンの側方回動にて開放された補助搬送装置の側面図である。
【符号の説明】
【0030】
A 刈取部
3 刈取装置
21 縦搬送装置
30 補助搬送装置
31 第一補助搬送装置
32 平行補助搬送装置
37 ガイド杆
39 トルクバネ
50 駆動軸
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【出願日】 平成16年12月28日(2004.12.28)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎

【公開番号】 特開2005−95190(P2005−95190A)
【公開日】 平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願番号】 特願2004−381297(P2004−381297)