トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】西田 和彦
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】高原 一浩
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】土井 久
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】松林 智也
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】押谷 誠
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】コンバインにおいて、刈取部搬送装置の搬送終端部と脱穀装置の扱室の入口との間に補助搬送装置を備えた場合、刈取部搬送装置の搬送終端部から補助搬送装置の搬送始端部に穀稈の穂先側がうまく受け渡されるように構成する。

【解決手段】刈取部搬送装置8,9の搬送終端部から出てきた穀稈の穂先側を脱穀装置4の扱室の入口4aに搬送する補助搬送装置13を、刈取部搬送装置8,9の搬送終端部と脱穀装置4の扱室の入口4aとの間の機体の固定部に昇降自在に備え、刈取部2の昇降駆動に伴って補助搬送装置13の位置が上下に変更されるように、刈取部2と補助搬送装置13とを連係する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の前部に刈取部を昇降駆動自在に備えて、前記刈取部に刈取部搬送装置を備え、機体に脱穀装置及びフィードチェーンを備えて、
前記刈取部によって刈り取られた穀稈が、前記刈取部搬送装置により横向き姿勢にされながら搬送されて、穀稈の株元側が前記フィードチェーンに渡され、穀稈の穂先側が前記脱穀装置の扱室の入口に送られるように構成すると共に、
前記刈取部搬送装置の搬送終端部から出てきた穀稈の穂先側を脱穀装置の扱室の入口に搬送する補助搬送装置を、前記刈取部搬送装置の搬送終端部と脱穀装置の扱室の入口との間の機体の固定部に昇降自在に備え、
前記刈取部の昇降駆動に伴って補助搬送装置の位置が上下に変更されるように、前記刈取部と補助搬送装置とを連係してあるコンバイン。
【請求項2】
前記補助搬送装置の搬送終端部を脱穀装置の扱室の入口付近の横軸芯周りに上下に揺動自在に支持して、前記補助搬送装置の搬送始端部が上下に移動することにより、前記補助搬送装置を昇降自在に構成してある請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記刈取部搬送装置の搬送終端部から出てきた穀稈の穂先側を脱穀装置の扱室の入口に搬送する作業位置、並びに前記補助搬送装置の搬送始端部及び搬送終端部が作業位置から上方に移動した退避位置に、前記補助搬送装置を移動自在に構成してある請求項1又は2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記補助搬送装置に伝達される動力を伝動及び遮断自在な補助搬送クラッチを備えて、前記補助搬送装置を作業位置に移動させると補助搬送クラッチが伝動状態に操作され、前記補助搬送装置を退避位置に移動させると補助搬送クラッチが遮断状態に操作されるように、前記補助搬送装置と補助搬送クラッチとを連係してある請求項3に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は自脱型のコンバインにおいて、刈取部で刈り取った穀稈を脱穀装置に搬送する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
コンバインでは一般に、機体の前部に刈取部を昇降駆動自在に備えて、刈取部に刈取部搬送装置を備え、機体に脱穀装置及びフィードチェーンを備えている。これにより、刈取部によって刈り取られた穀稈が、刈取部搬送装置により横向き姿勢にされながら搬送されて、穀稈の株元側がフィードチェーンに渡され、穀稈の穂先側が脱穀装置の扱室の入口に送られる。
【0003】
この場合、例えば特許文献1及び2に開示されているように、刈取部搬送装置(特許文献1の図7及び図10中の2,2’)の搬送終端部と脱穀装置の扱室の入口(特許文献1の図7及び図10中の13)との間の機体の固定部に、補助搬送装置(特許文献1の図7及び図10中の37)を備えたものがある。これにより、刈取部搬送装置の搬送終端部から出てきた穀稈の穂先側が補助搬送装置により脱穀装置の扱室の入口に搬送される。
従って、特に刈り取られた穀稈が長い場合に、穀稈の株元側がフィードチェーンに渡され、穀稈の穂先側が脱穀装置の扱室の入口に送られる際に、穀稈がしなるような状態となり、穀稈の穂先側が遅れるような状態となっても、補助搬送装置によって穀稈の穂先側が遅れるような状態を防止することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平6−133626号公報(図7及び図10)
【特許文献2】特開平8−331967号公報(図2,3,5,6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンバインでは機体の前部に刈取部を昇降駆動自在に備えており、刈取部を昇降駆動することによって、穀稈の刈り高さ(圃場の穀稈が切断される位置の圃場からの高さ)を変更できるように構成している。
前述のように刈取部を昇降駆動すると、刈取部に備えられた刈取部搬送装置も一緒に昇降駆動されるので、刈取部搬送装置と補助搬送装置との上下方向の位置関係が変化することになり、刈取部搬送装置の搬送終端部から補助搬送装置の搬送始端部に、穀稈の穂先側がうまく受け渡されないような状態の生じることが考えられる。
【0006】
本発明はコンバインにおいて、刈取部搬送装置の搬送終端部と脱穀装置の扱室の入口との間の機体の固定部に、穀稈の穂先側を搬送する補助搬送装置を備えた場合、刈取部の昇降駆動の影響を受けることなく、刈取部搬送装置の搬送終端部から補助搬送装置の搬送始端部に、穀稈の穂先側がうまく受け渡されるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、コンバインにおいて次のように構成することにある。
機体の前部に刈取部を昇降駆動自在に備えて、刈取部に刈取部搬送装置を備え、機体に脱穀装置及びフィードチェーンを備える。刈取部によって刈り取られた穀稈が、刈取部搬送装置により横向き姿勢にされながら搬送されて、穀稈の株元側がフィードチェーンに渡され、穀稈の穂先側が脱穀装置の扱室の入口に送られるように構成する。刈取部搬送装置の搬送終端部から出てきた穀稈の穂先側を脱穀装置の扱室の入口に搬送する補助搬送装置を、刈取部搬送装置の搬送終端部と脱穀装置の扱室の入口との間の機体の固定部に昇降自在に備え、刈取部の昇降駆動に伴って補助搬送装置の位置が上下に変更されるように、刈取部と補助搬送装置とを連係する。
【0008】
(作用)
本発明の第1特徴によると、刈取部搬送装置の搬送終端部と脱穀装置の扱室の入口との間の機体の固定部に、穀稈の穂先側を搬送する補助搬送装置を備えた場合、刈取部の昇降駆動に伴って補助搬送装置の位置が上下に変更されるので、刈取部が昇降駆動されても、刈取部搬送装置と補助搬送装置との上下方向の位置関係が変化することはない。
【0009】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、コンバインにおいて、刈取部搬送装置の搬送終端部と脱穀装置の扱室の入口との間の機体の固定部に、穀稈の穂先側を搬送する補助搬送装置を備えた場合、刈取部が昇降駆動されても、刈取部搬送装置と補助搬送装置との上下方向の位置関係が変化することはないので、刈取部搬送装置の搬送終端部から補助搬送装置の搬送始端部に穀稈の穂先側がうまく受け渡されるようになり、穀稈の搬送性能を向上させることができた。
【0010】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のコンバインにおいて次のように構成することにある。
補助搬送装置の搬送終端部を脱穀装置の扱室の入口付近の横軸芯周りに上下に揺動自在に支持して、補助搬送装置の搬送始端部が上下に移動することにより、補助搬送装置を昇降自在に構成する。
【0011】
(作用)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、刈取部の昇降駆動に伴って、補助搬送装置の搬送終端部を支点として補助搬送装置の搬送始端部の位置が上下に変更されることにより、刈取部搬送装置の搬送終端部と補助搬送装置の搬送始端部との上下方向の位置関係が変化しない状態となっている。
【0012】
この場合、本発明の第2特徴によると、補助搬送装置の搬送終端部が脱穀装置の扱室の入口付近の横軸芯周りに上下に揺動自在に支持されているので、前述のように刈取部の昇降駆動に伴って補助搬送装置の搬送始端部の位置が上下に変更されても、補助搬送装置の搬送終端部の上下方向の位置が変化することはなく、補助搬送装置の搬送終端部と脱穀装置の扱室の入口との上下方向の位置関係が変化することはない。
【0013】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、刈取部が昇降駆動されても、補助搬送装置の搬送終端部と脱穀装置の扱室の入口との上下方向の位置関係が変化することはないので、補助搬送装置の搬送終端部から脱穀装置の扱室の入口に穀稈の穂先側がうまく受け渡されるようになって、穀稈の搬送性能を向上させることができた。
【0014】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴のコンバインにおいて次のように構成することにある。
刈取部搬送装置の搬送終端部から出てきた穀稈の穂先側を脱穀装置の扱室の入口に搬送する作業位置、並びに補助搬送装置の搬送始端部及び搬送終端部が作業位置から上方に移動した退避位置に、補助搬送装置を移動自在に構成する。
【0015】
(作用)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第3特徴によると、例えば補助搬送装置の付近のメンテナンスを行う場合、補助搬送装置を退避位置に移動させればよい。本発明の第3特徴によれば、補助搬送装置を退避位置に移動させると、補助搬送装置の搬送始端部及び搬送終端部が作業位置から上方に移動するので、例えば補助搬送装置を退避位置に移動させたのに、補助搬送装置の搬送終端部の付近の空間が狭く、メンテナンスが行い難いと言うような状態は生じない。
【0016】
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によれば、補助搬送装置を退避位置に移動させると、補助搬送装置の搬送始端部及び搬送終端部が作業位置から上方に移動するので、補助搬送装置の搬送始端部及び搬送終端部の付近でのメンテナンスが行い易くなって、メンテナンス性を向上させることができた。
【0017】
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴のコンバインにおいて次のように構成することにある。
補助搬送装置に伝達される動力を伝動及び遮断自在な補助搬送クラッチを備えて、補助搬送装置を作業位置に移動させると補助搬送クラッチが伝動状態に操作され、補助搬送装置を退避位置に移動させると補助搬送クラッチが遮断状態に操作されるように、補助搬送装置と補助搬送クラッチとを連係する。
【0018】
(作用)
本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[I][II][III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第4特徴によれば、例えば補助搬送装置の付近のメンテナンスを行う場合、補助搬送装置を退避位置に移動させると、補助搬送クラッチが自動的に遮断状態に操作されて補助搬送装置が停止するので、補助搬送装置を退避位置に移動させる際に、作業者が補助搬送クラッチを遮断状態に操作する必要がない。逆に補助搬送装置を作業位置に移動させると、補助搬送クラッチが自動的に伝動状態に操作されるので、補助搬送装置を作業位置に移動させる際に、作業者が補助搬送クラッチを伝動状態に操作する必要がない。
【0019】
(発明の効果)
本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[I][II][III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第4特徴によれば、補助搬送装置を作業位置及び遮断位置に移動させると、補助搬送クラッチが自動的に伝動状態及び遮断状態に操作されるので、作業者が補助搬送クラッチを伝動状態及び遮断状態に操作する必要がなくなって、操作性を向上させることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1及び図2に示すように、クローラ式の走行装置1によって支持された機体の前部の左側に刈取部2が支持され、機体の前部の右側に運転部3が備えられており、機体の左側に脱穀装置4及びフィードチェーン12、機体の右側にグレンタンク5が備えられて自脱型のコンバインが構成されている。刈取部2は、引き起し装置6、バリカン型の刈取装置7、株元搬送装置8(刈取部搬送装置に相当)及び穂先搬送装置9(刈取部搬送装置に相当)等を備えて構成されている。機体の固定部の横軸芯P1周りに刈取フレーム10が上下に揺動自在に支持されて、刈取フレーム10を昇降駆動する油圧シリンダ11が備えられており、刈取フレーム10に刈取部2の全体が支持されている。
【0021】
以上の構造により、図1及び図2に示すように、圃場の穀稈が引き起し装置6により引き起こされながら、刈取装置7により穀稈の株元側が切断され、刈り取られた穀稈の株元側が株元搬送装置8により搬送され、穀稈の穂先側が穂先搬送装置9により搬送されて、穀稈が横向き姿勢にされながら搬送される。穀稈の株元側が株元搬送装置8の搬送終端部からフィードチェーン12の搬送始端部に受け渡され、穀稈の穂先側が穂先搬送装置9の搬送終端部から脱穀装置4の扱室の入口4aに送られる。穀稈の株元側がフィードチェーン12に挟持されながら、穀稈の穂先側が脱穀装置4(扱室)の内部で脱穀処理されて、脱穀装置4で回収された穀粒がグレンタンク5に送られる。
【0022】
図1及び図2に示すように、株元搬送装置8及び穂先搬送装置9の搬送終端部と脱穀装置4の扱室の入口4aとの間に、補助搬送装置13が備えられており、穂先搬送装置9の搬送終端部から出てきた穀稈の穂先側が、補助搬送装置13により脱穀装置4の扱室の入口4aに搬送される。図3及び図4に示すように、左右一対の平板状の支持板14の間にスプロケット15及び従動輪16が回転自在に支持されて、スプロケット15及び従動輪16にチェーン17が巻回され、複数の搬送アーム18がチェーン17に起伏自在に支持されて、補助搬送装置13が構成されている。
【0023】
これにより、図3及び図4に示すように、スプロケット15が固定された駆動軸19に動力が伝達されて、スプロケット15及び従動輪16、チェーン17が図3の紙面反時計方向に回転駆動される。搬送アーム18は、補助搬送装置13(支持板14)の搬送始端部から起立しながら下方に突出し、補助搬送装置13(支持板14)の搬送終端部に移動しながら穀稈の穂先側を搬送して(図3の紙面右方)、補助搬送装置13(支持板14)の搬送終端部から倒れながら上方に移動して支持板14の間に入る。この場合、搬送アーム18が補助搬送装置13(支持板14)の搬送始端部から起立しながら下方に突出する位置が、側面視で穂先搬送装置9の搬送終端部よりも少し前方に位置している(穂先搬送装置9の搬送終端部と補助搬送装置13の搬送始端部とが側面視で少し重なる状態)。
【0024】
図3及び図4に示すように、脱穀装置4の扱室の入口4aの付近の固定部に軸受け部20が支持され、軸受け部20に伝動軸21が回転自在に支持されて、支持アーム22が伝動軸21に相対回転自在に外嵌されており、脱穀装置4の扱室の入口4aの付近の横軸芯P2周りに、支持アーム22が上下に揺動自在に支持されている。図4及び図6(イ)に示すように、支持アーム22の先端に支持板23が固定され、支持板23にガイドレール28が固定されており、図1,2,3に示すように、刈取部2に固定されたアーム26が後方に延出され、アーム26のローラー26aがガイドレール28に取り付けられて、刈取部2(アーム26)により支持アーム22の位置が決められている。これにより、図5(イ)(ロ)に示すように、油圧シリンダ11により刈取部2が昇降駆動されると、アーム26のローラー26aがガイドレール28に沿って移動しながら、補助搬送装置13及び支持アーム22の位置が上下に変更される(支持アーム22が横軸芯P2周りに上下に揺動する)。
【0025】
図4及び図6(イ)に示すように、支持板23の横軸芯P3,P4周りに支持アーム24,25が上下に揺動自在に支持されて後向きに延出され、支持アーム24,25の先端が補助搬送装置13(支持板14)の横軸芯P5,P6周りに上下に揺動自在に支持されている。支持板14に把手29が固定されており、把手29を持つことにより支持アーム24,25を横軸芯P3,P4周りに上下に揺動させて、補助搬送装置13を作業位置(図6(イ)参照)及び退避位置(図6(ロ)参照)に亘り、支持アーム22及び支持板23に対して平行に斜め上下方向に移動させることができる。
【0026】
図4及び図6(イ)に示すように、トッグルバネ27が支持アーム24と支持板23とに亘って取り付けられており、トッグルバネ27により補助搬送装置13が作業位置(図6(イ)参照)及び退避位置(図6(ロ)参照)に付勢されている。支持板23にピン23a,23bが固定されており、支持アーム24が支持板23のピン23aに接当することにより、補助搬送装置13が作業位置(図6(イ)参照)で止められ、支持アーム25が支持板23のピン23bに接当することにより、補助搬送装置13が退避位置(図6(ロ)参照)で止められる。
【0027】
図4に示すように、刈取フレーム10の基部(横軸芯P1の位置)に入力軸30が備えられており、エンジン(図示せず)の動力が伝動ベルト31及び入力軸30に固定されたプーリー32を介して入力軸30に伝達され、入力軸30の動力が刈取部2(引き起し装置6、バリカン型の刈取装置7、株元搬送装置8及び穂先搬送装置9等)に伝達されている。
【0028】
図4に示すように、入力軸30にプーリー33が固定され、伝動軸21にプーリー34が固定されて、プーリー33,34に亘って伝動ベルト35が巻回されている。支持板23に伝動軸36が回転自在に支持され、伝動軸21,36にスプロケット37,38が固定されて、スプロケット37,38に伝動チェーン39が巻回されている。駆動軸19及び伝動軸36にスプロケット40,41が固定されて、スプロケット40,41に亘って伝動チェーン42が巻回されている。これにより、刈取部2に伝達される動力が伝動ベルト35、伝動軸21、伝動チェーン39、伝動軸36及び伝動チェーン42を介して駆動軸19に伝達されて、前述のように補助搬送装置13においてスプロケット15及び従動輪16、チェーン17が図3の紙面反時計方向に回転駆動される。刈取部2が作動すると補助搬送装置13も一緒に作動し、刈取部2が停止すると補助搬送装置13も一緒に停止する。
【0029】
以上の構造により、図1,2,3に示すように、刈取作業状態において、穀稈の株元側が株元搬送装置8の搬送終端部からフィードチェーン12の搬送始端部に受け渡されるのであり、穀稈の穂先側が穂先搬送装置9の搬送終端部から脱穀装置4の扱室の入口4aに送られる際に、穂先搬送装置9の搬送終端部から出てきた穀稈の穂先側が、補助搬送装置13により脱穀装置4の扱室の入口4aに搬送される。
【0030】
図5(イ)(ロ)に示すように、刈取部2(アーム26)により補助搬送装置13(支持アーム22)の位置が決められており、油圧シリンダ11により刈取部2が昇降駆動されると、支持アーム22が横軸芯P2周りに上下に揺動して、補助搬送装置13の搬送始端部の位置が上下に変更される。これにより、株元搬送装置8及び穂先搬送装置9の搬送終端部と補助搬送装置13の搬送始端部との上下方向の位置関係が変化することはなく、刈取部2が上限まで上昇駆動されても(図5(ロ)参照)、刈取部2が補助搬送装置13に接触するようなことはない。脱穀装置4の扱室の入口4aの付近においては、前述のように補助搬送装置13の搬送始端部の位置が上下に変更されても、補助搬送装置13の搬送終端部の上下方向の位置が変化することはなく、補助搬送装置13の搬送終端部と脱穀装置4の扱室の入口4aとの上下方向の位置関係が変化することはない。
【0031】
この場合、刈取作業状態において、脱穀装置4及びフィードチェーン12に伝達される動力は一定回転数であるのに対して、エンジンの動力が走行用の変速装置(図示せず)を介して刈取部2に伝達されており、刈取部2及び補助搬送装置13に伝達される動力は機体の走行速度に同調した回転数となっている。刈取作業状態において、補助搬送装置13の搬送速度が、穂先搬送装置9の搬送速度及びフィードチェーン12の搬送速度よりも高速になるように構成されている。
【0032】
例えば刈取作業状態を中断した状態で、補助搬送装置13の付近のメンテナンスを行う場合、把手29を持つことによって、補助搬送装置13を作業位置(図6(イ)参照)及び退避位置(図6(ロ)参照)に亘り、支持アーム22及び支持板23に対して平行に斜め上下方向に移動させることができる。この場合、図6(ロ)に示すように、補助搬送装置13を退避位置(図6(ロ)参照)に移動させると、支持アーム24,25が横軸芯P3,P4周りに上方に揺動して、補助搬送装置13の全体が脱穀装置4の扱室の入口4aから斜め前方上方に離れるように、補助搬送装置13の搬送始端部及び搬送終端部が作業位置から斜め前方上方に移動する。
【0033】
図4及び図6(イ)(ロ)に示すように、横軸芯P4と伝動軸36とが接近している点及び横軸芯P6と駆動軸19とが接近している点により、前述のように補助搬送装置13を作業位置(図6(イ)参照)及び退避位置(図6(ロ)参照)に移動させても、伝動軸36と駆動軸19との距離が変化することは少なく、伝動チェーン42の張り具合に変化は少ない。
【0034】
[発明の実施の別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、図7に示すように構成してもよい。
図7に示すように、伝動ベルト35に対してテンションプーリー43を備えて、テンションプーリー43の位置を変更することにより、伝動ベルト43において動力を伝動及び遮断自在な補助搬送クラッチ45を構成し、テンションプーリー43の位置を変更して補助搬送クラッチ45を伝動状態及び遮断状態に操作するアクチュエータ44、及びアクチュエータを操作するもので人為的に操作されるクラッチスイッチ(図示せず)を備える。これにより、刈取部2が作動して、補助搬送装置13が作動している状態において、クラッチスイッチをON位置に操作することにより、補助搬送クラッチ45を遮断状態に操作して、補助搬送装置13を停止させることができる。
【0035】
この場合、補助搬送装置13が作業位置(図6(イ)参照)に位置していることを検出するリミットスイッチ(図示せず)を備えて、クラッチスイッチがON位置に操作され、且つ刈取部2への動力を伝動及び遮断自在な刈取クラッチ(図示せず)が伝動状態に操作され、且つ脱穀装置4及びフィードチェーン12への動力を伝動及び遮断自在な脱穀クラッチ(図示せず)が伝動状態に操作されている場合において、補助搬送装置13を退避位置(図6(ロ)参照)に移動させると、補助搬送クラッチ45が遮断状態に操作され、補助搬送装置13を作業位置(図6(イ)参照)に移動させると、補助搬送クラッチ45が伝動状態に操作されるように構成する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】補助搬送装置の縦断左側面図
【図4】補助搬送装置の横断平面図
【図5】刈取部と補助搬送装置との連係状態を示す補助搬送装置の付近の左側面図
【図6】補助搬送装置を作業位置及び退避位置に移動させた状態を示す補助搬送装置の右側面図
【図7】発明の実施の別形態における補助搬送クラッチの付近の平面図
【符号の説明】
【0037】
2 刈取部
4 脱穀装置
4a 脱穀装置の扱室の入口
8,9 刈取部搬送装置
12 フィードチェーン
13 補助搬送装置
45 補助搬送クラッチ
P2 横軸芯
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2005−95076(P2005−95076A)
【公開日】 平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願番号】 特願2003−333772(P2003−333772)