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【発明の名称】 豆類引抜収穫機
【発明者】 【氏名】渡邊 章人
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】山本 義昭
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】松井 幹夫
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】嶋田 重徳
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】福田 幸広
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【要約】 【課題】土落とし装置15に根部が巻き付いて堆積するのを阻止する。

【解決手段】挟持搬送装置13によって茎幹7aを挟持して後上方へ搬送することで茎根7bを土中から引き抜くと共に、該挟持搬送装置13の下方に位置され且つ回転中心線を前後向きとなされ且つ該回転中心線回りへ回転駆動される土落とし回転体28が前記挟持搬送装置13による搬送中の前記茎根7bに付いている土を落とすように作動する豆類引抜収穫機において、前記土落とし回転体28を支持して前記回転中心線回りへ回転駆動するものとした伝動ケース30を該土落とし回転体28の前側に位置させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挟持搬送装置によって茎幹を挟持して後上方へ搬送することで茎根を土中から引き抜くと共に、該挟持搬送装置の下方に位置され且つ回転中心線を前後向きとなされ且つ該回転中心線回りへ回転駆動される土落とし回転体が前記挟持搬送装置による搬送中の前記茎根に付いている土を落とすように作動する豆類引抜収穫機において、前記土落とし回転体を支持した伝動ケースを該土落とし回転体の前側に位置させたことを特徴とする豆類引抜収穫機。
【請求項2】
挟持搬送装置によって茎幹を挟持して後上方へ搬送することで茎根を土中から引き抜くと共に、該挟持搬送装置の下方に位置され且つ回転中心線を前後向きとなされ且つ該回転中心線回りへ回転駆動される土落とし回転体が前記挟持搬送装置による搬送中の前記茎根に付いている土を落とすように作動する豆類引抜収穫機において、前記土落とし回転体を支持した伝動ケースを該土落とし回転体の前側に位置させ、この際、該伝動ケースの後面部から該土落とし回転体を回転駆動するための駆動軸を延設したことを特徴とする豆類引抜収穫機。
【請求項3】
挟持搬送装置によって茎幹を挟持して後上方へ搬送することで茎根を土中から引き抜くと共に、該挟持搬送装置の下方に位置され且つ回転中心線を前後向きとなされ且つ該回転中心線回りへ回転駆動される土落とし回転体が前記挟持搬送装置による搬送中の前記茎根に付いている土を落とすように作動する豆類引抜収穫機において、前記土落とし回転体を支持した伝動ケースを該土落とし回転体の前側に位置させ、また前記挟持搬送装置の後部に茎幹を機体横側へ移動させる送り爪を具備した茎幹誘導装置を設けると共に、該送り爪のうち最下段のものが根部に当接して該根部に送り力を付与する構成としたことを特徴とする豆類引抜収穫機。
【請求項4】
挟持搬送装置によって茎幹を挟持して後上方へ搬送することで茎根を土中から引き抜くと共に、該挟持搬送装置の下方に位置され且つ回転中心線を前後向きとなされ且つ該回転中心線回りへ回転駆動される土落とし回転体が前記挟持搬送装置による搬送中の前記茎根に付いている土を落とすように作動する豆類引抜収穫機において、前記土落とし回転体を支持した伝動ケースを該土落とし回転体の前側に位置させ、また前記挟持搬送装置の前上側に掻込装置を設け、該掻込装置は前端個所の地上高さを特定高さに保持されて前後位置調整可能となされていて、前側へ移動されたときは、後上がり傾斜角度を小さくなされてタインによる掻込み速度を低下され、逆に後側へ移動されたときは、後上がり傾斜角度を大きくなされてタインによる掻込み速度を増大されるものとなされていることを特徴とする豆類引抜収穫機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、挟持搬送装置や土落とし装置を備えた豆類引抜収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
挟持搬送装置によって茎幹を挟持して後上方へ搬送することで茎根を土中から引き抜くと共に、該挟持搬送装置の下方に位置され且つ回転中心線を前後向きとなされ且つ該回転中心線回りへ回転駆動される土落とし回転体が前記挟持搬送装置による搬送中の前記茎根に付いている土を落とすように作動する豆類引抜収穫機は存在している(特許文献1参照)。
該収穫機の詳細は次のようになされている。
即ち、前記土落とし装置は、前記土落とし回転体の後側に配設された伝動ケースの前面部から前記回転中心線に合致するように延設された駆動軸を具備し、該駆動軸で前記土落とし回転体を回転駆動するようになされている。
また前記挟持搬送装置の前部には植生された茎幹を掻き込んで該挟持搬送装置に送り込むように作用する掻込装置が固定状に設けられており、また前記挟持搬送装置の後部には該挟持搬送装置が後上方へ搬送した茎幹を機体の横外方へ誘導するための茎幹誘導装置が設けられている。
【特許文献1】特開2002−119118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した従来の豆類引抜収穫機では、前記挟持搬送装置で後方へ搬送される茎幹の茎根に付着している土が土落とし装置で落下された後、該茎根の下部が前記伝動ケースに衝接してその流れを一時的に抑制されるため、根部やこれに絡んでいる雑草が土落とし回転体と伝動ケースとの間個所の駆動軸に巻き付いて堆積し、このように堆積した物が土落とし回転体の回転に要する駆動力を無駄に増大させるようになる。
また前記掻込装置は前記挟持搬送装置に固定されているため、茎幹の状況に応じた最適の掻込が行えないものとなっており、さらに前記幹茎誘導装置は茎幹の全体を適正姿勢で機体の横外方へ誘導する上で未だ充分なものとなっていないのが実情である。
本発明は、斯かる問題点を解消させることのできる豆類引抜収穫機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記目的を達成せんとするものであり、第1の発明は、請求項1に記載したように、挟持搬送装置によって茎幹を挟持して後上方へ搬送することで茎根を土中から引き抜くと共に、該挟持搬送装置の下方に位置され且つ回転中心線を前後向きとなされ且つ該回転中心線回りへ回転駆動される土落とし回転体が前記挟持搬送装置による搬送中の前記茎根に付いている土を落とすように作動する豆類引抜収穫機において、前記土落とし回転体を支持した伝動ケースを該土落とし回転体の前側に位置させたことを特徴とするものである。
この発明によれば、前記挟持搬送装置で搬送される茎幹は前記伝動ケースの前面に衝接してその流れを一時的に抑制されても、この抑制現象が前記伝動ケースと前記土落とし回転体と間に茎幹の根部を巻き付かせる要因とはならないのであり、また前記土落とし回転体で土を落とされた根部はその流れを他物に抑制されることなく前記挟持搬送装置によりさらに後上方へ円滑に搬送されるようになる。
【0005】
第2の発明は、請求項2に記載したように、挟持搬送装置によって茎幹を挟持して後上方へ搬送することで茎根を土中から引き抜くと共に、該挟持搬送装置の下方に位置され且つ回転中心線を前後向きとなされ且つ該回転中心線回りへ回転駆動される土落とし回転体が前記挟持搬送装置による搬送中の前記茎根に付いている土を落とすように作動する豆類引抜収穫機において、前記土落とし回転体を支持した伝動ケースを該土落とし回転体の前側に位置させ、この際、該伝動ケースの後面部から前記土落とし回転体を回転駆動するための駆動軸を延設させたことを特徴とするものである。
この発明によれば、請求項1記載の発明と同様な作用が得られる上に次のような作用が得られるのであって、即ち、前記土落とし回転体は前記駆動軸のみで支持して回転させることができるようになって構造が簡易であり、また前記伝動ケースは前記駆動軸に根部の巻き付くのを効果的に阻止するものとなる。
【0006】
第3の発明は、請求項3に記載したように、挟持搬送装置によって茎幹を挟持して後上方へ搬送することで茎根を土中から引き抜くと共に、該挟持搬送装置の下方に位置され且つ回転中心線を前後向きとなされ且つ該回転中心線回りへ回転駆動される土落とし回転体が前記挟持搬送装置による搬送中の前記茎根に付いている土を落とすように作動する豆類引抜収穫機において、前記土落とし回転体を支持した伝動ケースを該土落とし回転体の前側に位置させ、また挟持搬送装置の後部に茎幹を機体横側へ移動させる送り爪を具備した茎幹誘導装置を設けると共に、該送り爪のうち最下段のものが根部に当接して該根部に送り力を付与する構成としたことを特徴とするものである。
この発明によれば、請求項1記載の発明と同様な作用が得られる上に次のような作用が得られるのであって、即ち、前記挟持搬送装置が搬送した茎幹が誘導装置により機械的に機体横側の特定収集場所に収集される際、茎幹は最下段の前記送り爪によって根部に送り力を付与されるため、該根部の移動は遅れがちとならないのであり、したがって茎幹は特定姿勢で的確に特定収集場所へ向けて送り移動されるようになる。
【0007】
第4の発明は、請求項4に記載したように、挟持搬送装置によって茎幹を挟持して後上方へ搬送することで茎根を土中から引き抜くと共に、該挟持搬送装置の下方に位置され且つ回転中心線を前後向きとなされ且つ該回転中心線回りへ回転駆動される土落とし回転体が前記挟持搬送装置による搬送中の前記茎根に付いている土を落とすように作動する豆類引抜収穫機において、前記土落とし回転体を支持した伝動ケースを該土落とし回転体の前側に位置させ、また前記挟持搬送装置の前上側に掻込装置を設け、該掻込装置は前端個所の地上高さを特定高さに保持されて前後位置調整可能となされいて、前側へ移動されたときは、後上がり傾斜角度を小さくなされてタインによる掻込み速度を低下され、逆に後側へ移動されたときは、後上がり傾斜角度を大きくなされてタインによる掻込み速度を増大されるものとなされていることを特徴とするものである。
この発明によれば、請求項1記載の発明と同様な作用が得られる上に次のような作用が得られるのであって、即ち、前記掻込装置が圃場に植立している茎幹を掻き込んで的確に前記挟持搬送装置の搬送始端に送り込むのであり、この際、茎幹の倒伏度が強いときは、前記掻込装置は後側へ移動された状態となされて強い引き起こし力を発揮するようになり、逆に茎幹の倒伏度が弱いときは、前記掻込装置は前側へ移動された状態となされて弱い引き起こし力を発揮すると共に該引き起こし力が茎幹の成る可く下側に付与される傾向となる。
【発明の効果】
【0008】
上記した本発明によれば、次のような効果が得られる。
即ち、請求項1記載のものによれば、本来的に必要な前記伝動ケースと前記土落とし回転体との配置を変更したことにより、これら伝動ケースと土落とし回転体との間に根部が絡み付いて堆積するのを阻止することができ、安定的な土落とし処理が行えると共に前記土落とし回転体の回転に要する動力の無駄な消費を回避することができる
【0009】
請求項2記載のものによれば、請求項1記載の発明と同様な効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、前記土落とし回転体を簡易な構造により前記伝動ケースに支持させることができると共に、前記伝動ケースが該伝動ケースと前記土落とし回転体との間に根部や雑草の巻き付くのを効果的に阻止するものとなすことができる。
【0010】
請求項3記載のものによれば、請求項1記載の発明と同様な効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、前記挟持搬送装置が搬送した茎幹を機械的に機体横側の特定収集場所に収集させる際、茎幹の根部を最下段の送り爪により茎幹上部の移動に遅れることなく的確に特定収集場所へ向けて移動させることができ、したがって茎幹を特定収集場所に特定姿勢で収集させることを従来に増して安定的且つ的確に行わせることができる。
【0011】
請求項4記載のものによれば、請求項1記載の発明と同様な効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、圃場に植立している茎幹を前記掻込装置に掻き込ませて的確に前記挟持搬送装置の搬送始端に送り込ませることができると共に、茎幹の倒伏度が強いときは、前記掻込装置を後側へ移動させてこれに強い引き起こし力を発揮させることができて的確な収穫が行えるようになり、逆に茎幹の倒伏度が弱いときは、前記掻込装置を前側へ移動させてこれに弱い引き起こし力を発揮させると共に該引き起こし力を茎幹の成る可く茎幹の下側に付与させることができて裂莢を抑制しつつ少ない動力で効率的な収穫が行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一例を示す豆類引抜収穫機の側面図、図2は正面図であるが、この豆類引抜収穫機(以下、収穫機という)は、左右の車輪1で装架した機体2の前部に作業部3を、後部にエンジン4aやミッション4bなどの伝動部4を載せ、伝動部4の上方に操縦用のハンドル5を設けたものである。
【0013】
本例の収穫機は、畝6を形成して二条植えられている豆類7を往復収穫するものであり、左右の車輪1は、畝6の両側(溝底6b)を走行する。なお、車輪1の外面はカバー1aで覆っておき、茎幹7aがこれに噛み込まないようにしている。この場合、異なる畝幅にも対応できるように、車輪1の一方(進行方向から見て右側)は図外の車輪幅変更機構によってその支持筒8及び伝動筒9が左右に進退するようになっている。なお、固定側の車輪1の前方には、車輪1と同じ轍を進む高さ調整可能なゲージ輪10が設けられており、これによって作業部3の高さが調整される。
【0014】
豆類7を引抜き収穫する作業部3は、前部から分草装置11、掻込装置12、挟持搬送装置13、振動装置14、土落し装置15、茎幹誘導装置16、収集装置17などで構成される。分草装置11は、先端が尖った分草板18と分草板18から上後方に延びる分草杆19とからなるものであり、豆類7の茎幹7aの中に分草板18や分草杆19が分け入ることで、引き抜く茎幹とそうでない茎幹7aとを分け、引き抜く茎幹7aだけを後続する掻込装置12へ導くものである。ところで、収穫間際の茎幹7aは非常に繁茂しており、分草板18などはどこを走行しているのかわからない位である。そこで、掻込装置12や挟持搬送装置13の作用中心を指標する右側の分草板18から出る左側の分草杆19を一際高くし、繁茂した茎幹7aの中から上方に覗かせるようにしてその位置を示している。
【0015】
なお、本例の分草装置11は、植生条の左右に二基設けられているが、この他に車輪1やゲージ輪10の前方にも設けられている。この場合、右側の車輪1の前方に存在する分草杆19a、19bのうち、外側のもの19aは車輪1の外側まで張出し、内側のもの19bは車輪1の伝動ケース20の下側を通って内側まで入り込んでおり、これによって茎幹7aの車輪1や伝動ケース20への絡み付きを防止している。またゲージ輪10の前方に設けられている分草装置11の左側の分草杆19cは機体2に対して回動可能に止められており、全体が大きく左方に倒せるようになっている。こちら側には収集装置17が設けられており、左側の畝6の豆類7の茎幹7aがこちら側に延びて来ると、この収集作業の邪魔になるから、これを大きく払い除けられるようにしたものである。このように、分草杆19cを回動可能にしているのは、作物の成長度によってその回動範囲を調整したり、路上走行や運搬時にこれを収納して全幅を抑えるためである。
【0016】
図3〜図7は掻込装置12やその伝動機構などを示している。掻込装置12は、分草装置11の後方に設けられるもので、図4に示す上下一対のプーリ12a、12b間に張られた突起付きベルト21を左右に対設し、その対向面を共に前低後高傾斜平面内で後方回動させたものであり、突起付きベルト21で引抜き対象の茎幹7aを掻き上げて後続する挟持搬送装置13に誘導するものである。従って、対向する突起付きベルト21の中心は挟持搬送装置13の中心と一致させられることになる。なお、突起付きベルト21の上面にはカバー22が覆設されており、茎幹7aの噛込みなどを防止している。
【0017】
掻込装置12と挟持搬送装置13前部との間には挟持搬送装置13から掻込装置12へエンジン4aの回転を伝達するための図3に示す伝動機構50と、掻込装置12を位置変更調整可能に機体2に支持させるための図示しない掻込装置支持機構とが設けられている。この際、伝動機構50は挟持搬送装置13の前固定部に固定された左右一対の駆動ケース51を備えており、該駆動ケース51は図6及び図7に示すように本体ケース51aの内方に前スプロケット52と後スプロケット53とを備えると共にこれらスプロケット52、53に無端状のチェーン54を掛け回し、該チェーン54をチェーン張り弾性部材sで緊張させており、前スプロケット52と後スプロケット53との間のチェーン54の長さ途中個所には前後位置を任意に変更調整される縦向きの回転取出軸55を設け、該回転取出軸55に大小の径のスプロケット56a、56bを2段状に固定し、該回転取出軸55の上下位置を切り換えてその位置を保持させることにより2つのスプロケット56a、56bのうちの任意な何れかとチェーン54とを噛み合わせることができるようになされている。そして、該回転取出軸55の上端部と、その対応する掻込装置12の上側プーリ12aと同体の回転軸57とは自在継ぎ手58により連動連結されており、また前スプロケット52はその対応する側の挟持搬送装置13の前プーリ13aと同体の回転軸58を上方へ延長した延長軸部58aに固定したものとなれている。
【0018】
上記掻込装置12は次のように使用される。即ち、茎幹7aの倒伏度が強いときは、図4に示すように、掻込装置12は前端個所p1の地上高さを成る可く畝6a上面に近い特定高さh1に保持させて掻込装置12を後側へ移動させることにより、後上がり傾斜角度を大きくなし、また駆動ケース51においては回転取出軸55の高さを高い位置に切り換え保持させて、小さい径のスプロケット56bをチェーン54に噛み合わせた状態となすと共に回転取出軸55の前後位置を後側位置p10に保持させた状態となす。これにより、挟持搬送装置13の前プーリ13aの回転速度が変化しなくても、回転取出軸55の回転速度は増大し、掻込装置12の突起付きベルト21の移動速度が増大され、掻込装置12は強い掻込力を発揮し、倒伏した茎幹7aを的確に引き起こして挟持搬送装置13の搬送始端に確実に送り込むようになる。
【0019】
逆に、茎幹7aの倒伏度が弱いときは、図6に示すように、掻込装置12は前端個所p1の地上高さh1を成る可く畝6a上面に近い特定高さに保持させて掻込装置12を前側へ移動させることにより、後上がり傾斜角度θを小さくなし、また駆動ケース51においては回転取出軸55の高さを低い位置に切り換え保持させて、大きい径のスプロケット56aをチェーン54に噛み合わせた状態となすと共に回転取出軸55を前側位置p20に保持させた状態となす。これにより、挟持搬送装置13の前プーリ13aの回転速度が変化しなくても、回転取出軸55の回転速度は減少し、掻込装置12の突起付きベルト21の移動速度が低下され、掻込装置12は比較的弱い掻込力を発揮し、しかも茎幹7aの比較的低い個所に掻込力を付与するようになって、茎幹7aに対し比較的小さな引き起こし作用を及ぼし、茎幹7aを損傷させないようにして裂莢を抑制し、無駄な動力の消費を抑えつつ、挟持搬送装置13の搬送始端に安定的に送り込むようになる。
【0020】
挟持搬送装置13は、掻込装置12の後方下側に設けられるもので、図3に示す前プーリ13aと図8に示す後プーリ13b間に張られた弾性ベルト23を左右に対設し、その対向面同士を互いに押圧状態にして共に前低後高傾斜平面内で後方回動させたものであり、掻込装置12で掻き込まれた茎幹7aを弾性ベルト23で挟持して地中から引き抜き、かつ、後上方へ搬送するものである。この場合、弾性ベルト23の押圧力は、茎幹7aを挟持した状態で地中にある茎根7bを引き抜くだけの力を発揮できるように設定されているが、挟持したときに茎幹7aや莢7cを潰してはならないので、表面にはスポンジなどの軟質弾性体が使用されている。なお、弾性ベルト23の上方にもカバー24が覆設されて茎幹7aの噛込みなどを防止している。
【0021】
振動装置14は、挟持搬送装置13の始端部付近に設けられるもので、縦部25aと横部25bとで正面視逆L字形をした振動刃25を主体としており、横部25bによって茎根7b下方の土を緩め、茎幹7aを引き抜き易くするものである。この場合、茎幹7aが挟持搬送装置13による引抜き作用を受ける前には、茎根7b下方の土は振動装置14で緩められていることになる。なお、縦部25aは機体2などにピン26で回転可能に枢支されており、その上部にクランクロッド27が連結されて前後に振動させられている。振動刃25の横部25bは畝6の端の裾から挿入されて引抜き茎幹7aの茎根7b下方にまで至っているものであるが、茎根7bの下方辺りでは上方にせり上がって茎根7bに接近させられるかまたは直接触れるようにして引抜きの容易さを確保している。従って、横部25bの始端、則ち、縦部25aの終端は横に折り曲げられており、畝6上面がマルチフィルムで被覆されている場合でも、それより下側で振動刃25(横部25b)が畝に突入できるようにしてマルチ栽培に対応している。なお、この振動装置14は、茎根7bが深く地中に延びて引抜き抵抗が強い場合に装備されるものであり、早生などで引抜き抵抗が小さい場合には外される。
【0022】
図8及び図9は土落とし装置15などを示しており、該土落し装置15は、挟持搬送装置13の途中の下方に設けられるもので、機体2に前後位置及び高さ位置の調整可能に固定された伝動ケース30と、該伝動ケース30の後側に設けられて回転中心線が垂直面内に含まれる前後向き状態で回転させられる土落とし回転体28と、これと対向して設けられるゴム板29とからなり、挟持搬送装置13で搬送中の茎根7bに作用してこれに付いている土を落とすものである。
伝動ケース30は基端を機体2の右横部に固定されて先部を機体巾中央に位置され、後面部から駆動軸59を後上がり状の後方へ延設され、内方に収容されたベベルギヤなどの伝動機構を介してエンジン4aの回転を駆動軸59に伝達するようになされており、また土落とし回転体28は脱穀機の扱胴のような形態をしているもので、駆動軸59に固定されたドラム31が該ドラム31の形状中心線回りに回転されると共に、該ドラム31の外周面に扱歯32を植設されていて、前後方向に配列された扱歯32を補強棒32aで結合したものとなされている。そして、扱歯32の作用範囲内の個所にゴム板29が設けられており、扱歯32が茎根7bを叩いてもこれをゴム板29が遮って逃げないようにしたものである。
【0023】
この場合、ドラム31の形状中心線は挟持搬送装置13の弾性ベルト23の下方に、且つ、その移送方向と平面視では平行に設定されるが、側面視で前方が開くか又は後方が開く交差状態に設定されている。これは茎根7bに対して徐々に、しかも、すべてに作用して土を確実に落とすためである。なお、前記伝動ケース30の固定位置を変更調整することにより、弾性ベルト23との相関関係が調整できるようになっている。補強棒32aは茎根7bに土が塊Aとなって付着しているような場合でも、これを叩き割る上で寄与するものとなされている。なお、千切れた茎根7bが扱歯付きドラム28へ巻き付こうとしても、補強棒32aがドラム31から半径方向に離れた位置にあるため、巻き付き難く、たとえ、巻き付いても、除去し易い。
【0024】
挟持搬送装置13で搬送される茎根7bは先ず伝動ケース30に衝接してその流れを一時的に抑制されるが、伝動ケース30は円筒状又は半円筒状となされていて後方へ向けて流線形であるため茎根7bは伝動ケース30に引っ掛かることなく安定的に土落とし回転体28個所に移動され、ここで扱歯32や補強棒32aによる叩き作用による土落とし作用を受けつつ搬送され、土落とし回転体28個所を通過すると、他物に干渉することなくさらに後方へ搬送される。この際、伝動ケース30個所を経た後の茎根7bは土落とし回転体28に沿って比較的円滑に後方移動されるようになり、したがって茎根7bの根部は伝動ケース30と土落とし回転体28との間個所の駆動軸59に巻き付いて堆積するような現象は生じないのである。
【0025】
図10〜図12は茎幹誘導装置16やその関連部材を示しており、該茎幹誘導装置16は、誘導体35によって弾性ベルト23の挟持面に連通する誘導路38を形成し、この誘導路38を一方の弾性ベルト23を張り掛ける後プーリ13bの回動軌跡に沿って円形に回り込ませたものであり、これにおいて、その誘導路38内に後方回動する送り爪34aを突入させたものである。本例の誘導路38は内外二つの部材からなっており、このうち、回り込み内側部材36Aは、当該側の弾性ベルト23の上面に配設されるカバー24に固定されて弾性ベルト23の挟持面に沿って起立しており、後プーリ13bの回転駆動軸60を周回して弾性ベルト23の外方に外れて収集装置17の上方まで延びる誘導壁で構成している。
【0026】
この場合の送り爪34aはゴムや軟質樹脂といった軟質弾性材で構成される図12に示すスターホイール34の一部として形成されたものであって、押圧辺部nで送り力を付与し、莢7cに作用したときにこれを傷付けず、かつ、茎幹7aからもぎ取らないようなものとなされる。また、送り爪34については回転駆動軸60と同心に固定させたドラムなどに植え付けたものでもよいし、突起部を有するベルト状のものを該ドラムの外周に巻き付けたものであってもよい。
【0027】
一方、外側部材は、反対側のカバー24の上面から起立して誘導壁36Aと一定間隔を保って周回する誘導棒36Bで構成されている。該誘導棒36Bは、少なくとも、弾性ベルト23の後方から側方にかけて(本例では後方から見て左側)延長しており、これが途切れた辺りが放出口61となる。なお本例では、誘導棒36Bは回転駆動軸60の比較的上方に一本のみ設けられているが、複数本設けられるものであってもよい。
【0028】
本例の送り爪34aは、図11に示すように、弾性ベルト23の下方に二段、上方に上下二段に設けられており、それぞれが誘導路38内に導かれた茎幹7aを押している。下方の二段の送り爪34a、34aは回転駆動軸60に固定されたドラム部材60aの周面に前記スターホイール34、34を固定することにより形成されたものである。62は回転駆動軸60の軸受筒部材63に結合させた挟持搬送装置13の支持部材であり、該支持部材62は機体2の固定部である前記軸受筒部材63の下部に支持されている。送り爪34aは茎幹7aの丈に沿って数多く作用し、誘導姿勢が安定するが、中でも、最下段の送り爪34aは幅の厚い強固なもので構成されており、抵抗の強い茎幹7aの根部に直接に当接して十分な移送力を発揮する。
【0029】
該茎幹誘導装置16により誘導路38内を誘導される茎幹7aは、上部が摩擦抵抗少なくて比較的速く送り移動される傾向となる一方、下部がミッション4bの上面mに固定された根部支持板m1に支持されて摺擦されるため比較的大きな摩擦抵抗を受けて上部に較べて遅れがちに送り移動される傾向となるが、本例では最下段の送り爪34aが直接に根部に当接してこれを押し移動させるため、該根部を上部に遅れることなく的確に横外方の放出口61へ送り移動させ、茎幹7aは安定的に特定姿勢となされて収集装置17上に収集される。
【0030】
この場合、誘導壁36Aは回転駆動軸60を取り巻くように設けられており、送り爪34aが移動する軌跡個所にはこれの突出を許容する窓36aが形成されている。また送り爪34aは誘導棒36Bと上下に重合するまで突出しており、誘導路38はこの送り爪34aで仕切られる状態になっている。なお、この送り爪34aの段数も一例であって、これに限定されるものではない。
【0031】
収集装置17は、誘導経路38に続く機体2の左側方に設けられる収集板39を主体とするものであり、誘導経路38から排出された茎幹7aをこの上に一定量溜め置くものである。この収集板39は、機体2側に設けられる支持軸40の回りを下方回動可能に設けられており、茎幹7aが一定量になると、自動または手動で回動してその上に溜まった茎幹7aを放出する。一まとめにすることで、後の収拾作業を容易にするためである。また路上走行や運搬時に下方回動して全幅を抑えるためでもある(格納時は上方回動してもよい)。
【0032】
以上の各作業部3は伝動部4によって駆動されるが、その駆動系は、走行系と作業系とに分けられる。その構成は、この種の作業機と同じであることから、以下に図示を省略して概略の構成を説明しておく。まず、走行系については、伝動部4に伝えられた動力は伝動筒9に収容される駆動軸によって伝動ケース20から車軸41に伝えられ、車輪1を駆動する。
【0033】
一方、作業系については、伝動部4に伝えられた動力は、挟持搬送装置13の弾性ベルト23の回転駆動軸60に伝えられ、弾性ベルト23を回動させる。また回転駆動軸60の左側のものは上方に突出しており、これにスターホイル34を固定してこれも駆動する。更に、弾性ベルト23を張る前プーリ13aからは、その動力が掻込装置12に伝えられる。更に、伝動部4に伝えられた動力は適宜な駆動経路をとって振動装置14の振動刃25を振動させるクランクロッド27を駆動するし、土落し装置15の土落とし回転体28をも駆動する。
【0034】
以上の設備の他に、分草装置11の後方辺りの機体2の前部にゲート42が設けられている。このゲート42は、掻込装置12を構成する左右の突起付きベルト21が茎幹7aを対向面へ取り込んだときに変形などを引き起こさないように左右を連結したり、前部に重量を付加して機体2のバランスを取るもので、その中心が茎幹7aの搬送面(挟持搬送装置13の弾性ベルト23の合わせ面)と一致して設けられており、茎幹7aはこのゲート42を潜って後方に搬送される。従って、ゲート42は、茎幹7aの搬送を妨げない高さに設定してある。また機体2の左側方にはゲージ輪10が設けられことは前述したが、当然ながら、このゲージ輪10は、機体2に固定される収納筒43にハンドル44で上下するように収納されており、これによって作業部3の高さを設定する。
【0035】
作業部3の高さについては、分草装置11の分草板18の先端が畝頂6a上に至近距離を保つように設定される。但し、畝頂6aにマルチフィルム45が被せられるものは、分草板18の先端がこのマルチフィルム45を破らない程度の間隔は取るように設定される。そして、マルチフィルム45を押えるマルチ押え46が振動装置14のやや後方で、収穫条を挟む両側に設けられている。従って、マルチフィルム45の植付孔から茎根7bを引き抜く際にマルチフィルム45が持ち上がって弾性ベルト23に挟まれたりする事態が防がれる。さらに、各作業部3を照らすライト47も設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る豆類引抜収穫機の一例を示す側面図である。
【図2】前記豆類引抜収穫機の一例を示す正面図である。
【図3】前記豆類引抜収穫機の挟持搬送装置の前部及び掻込装置を示す側面図である。
【図4】前記掻込装置を後側へ変位させた状態を示す側面図である。
【図5】前記掻込装置を前側へ変位させた状態を示す側面図である。
【図6】前記豆類引抜収穫機の駆動ケースを示す平面図である。
【図7】前記豆類引抜収穫機の駆動ケースを示す側面図である。
【図8】前記豆類引抜収穫機の挟持搬送装置と土落とし装置を示す図1のA矢視図である。
【図9】前記豆類引抜収穫機の挟持搬送装置と土落とし装置を示す図1のB−B断面図である。
【図10】前記豆類引抜収穫機の茎幹誘導装置を平面図である。
【図11】前記茎幹誘導装置の側面視断面図である。
【図12】前記茎幹誘導装置のスターホイールを示す平面図である。
【符号の説明】
【0037】
7a 茎幹
7b 茎根
12 掻込装置
13 挟持搬送装置
16 茎幹誘導装置
34a 送り爪
28 土土落とし回転体
30 伝動ケース
59 駆動軸
θ 後上がり傾斜角度
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
【出願日】 平成15年9月24日(2003.9.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−95030(P2005−95030A)
【公開日】 平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願番号】 特願2003−330867(P2003−330867)