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【発明の名称】 収穫機
【発明者】 【氏名】高崎 和也
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】高原 一浩
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】西田 和彦
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】前処理部に上下揺動自在に支持される接地センサ23の上下揺動角に基いて前処理部の対地高さを検出する対地高さ検出手段21を備えた収穫機において、接地センサ23が地面上を横滑りしないようにしながら走行機体の操向操作が行なえるようにする。

【解決手段】操向検出手段44を制御手段41に連係させてある。操向操作されたことを操向検出手段44によって検出されると、この検出結果を基に、制御手段41がリフトシリンダ6を上昇側に操作し、接地センサ23が下降限界になるように前処理部を上昇操作する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前処理部を走行機体に対して昇降操作する昇降駆動機構、前記前処理部の支持部に上下揺動自在に支持される接地センサの前記支持部に対する上下揺動角に基いて前記前処理部の対地高さを検出する対地高さ検出手段、この対地高さ検出手段による検出結果に基いて前記昇降駆動機構を自動的に操作する制御手段を備えてある収穫機であって、
前記走行機体の操向操作が行なわれたことを検出する操向検出手段を備え、
前記制御手段を、前記操向検出手段が検出状態になると、前記接地センサが接地状態にあれば、前記操向検出手段による検出情報を基に、前記対地高さ検出手段による検出情報に優先して前処理部が設定高さに上昇するように前記昇降駆動機構を自動的に操作する前処理部持上げ制御を実行するように構成してある収穫機。
【請求項2】
前処理部を走行機体に対して昇降操作する昇降駆動機構、前記前処理部の支持部に上下揺動自在に支持される接地センサの前記支持部に対する上下揺動角に基いて前記前処理部の対地高さを検出する対地高さ検出手段、この対地高さ検出手段による検出結果に基いて前記昇降駆動機構を自動的に操作する制御手段を備えてある収穫機であって、
前記走行機体の操向操作が行なわれたことを検出する操向検出手段を備え、前記接地センサを前記支持部に対して設定上昇取付け高さに上昇揺動させて保持する作用状態と、前記接地センサの支持部に対する上下揺動を許容する作用解除状態とに切り換え自在なセンサ持上げ保持手段を備え、
前記制御手段を、前記操向検出手段が検出状態になると、前記操向検出手段による検出情報を基に、前記センサ持上げ保持手段を前記作用解除状態から前記作用状態に切り換え操作するセンサ持上げ制御を実行するように構成してある収穫機。
【請求項3】
前記センサ持上げ保持手段が電磁石である請求項2記載の収穫機。
【請求項4】
前記前処理部が備える分草装置の接地を検出する分草接地検出手段、前記前処理部の前記走行機体に対する取付け高さを検出する取付け高さセンサを備え、
前記制御手段を、前記分草接地検出手段が検出状態になったときの前記取付け高さセンサによる検出高さを設定制御目標下限高さとして設定し、前記分草接地検出手段が検出状態になったときの前記取付け高さセンサによる検出高さを設定制御目標下限高さとして設定し、前記取付け高さセンサによる検出高さが前記設定制御目標下限高さ以上になることを優先した状態で、前記対地高さ検出手段による検出高さが設定対地高さになるように、前記対地高さ検出手段及び前記取付け高さセンサによる検出結果に基いて前記昇降駆動機構を自動的に操作するように構成してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の収穫機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、前処理部を走行機体に対して昇降操作する昇降駆動機構、前記前処理部の支持部に上下揺動自在に支持される接地センサの前記支持部に対する上下揺動角に基いて前記前処理部の対地高さを検出する対地高さ検出手段、この対地高さ検出手段による検出結果に基いて前記昇降駆動機構を自動的に操作する制御手段を備えてある収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記収穫機は、対地高さ検出手段による検出高さが設定高さ以下になれば、制御手段によって昇降駆動機構が前処理部上昇側に操作されるように構成して、走行機体が前後に傾斜しても、前処理部が地面に突っ込むことを回避しながら作業することを可能にされたものである。また、制御手段によって対地高さ検出手段による検出高さが設定範囲になるように昇降駆動機構が操作されるように構成して、走行機体が前後に傾斜しても、前処理部の対地高さを設定高さに維持しながら作業することを可能にされたものである。
【0003】
この種の収穫機として、従来、たとえば特許文献1に示されるものがあった。
すなわち、刈取り部B(前処理部に相当)を昇降操作する油圧シリンダ14(昇降駆動機構に相当)、分草支持杆9(支持部に相当)に上下揺動自在に支持される橇状の対地接触部材10(接地センサに相当)が下方に一定以上揺動したことを検出するスイッチSW1(対地高さ検出手段に相当)、対地接触部材10が上方に一定以上揺動したことを検出するスイッチSW2(対地高さ検出手段に相当)、両スイッチSW1,SW2によって油圧シリンダ14の制御バルブ15を切り換え操作するように両スイッチSW1,SW2を制御バルブ15のソレノイド15A,15Bに電気接続している回路(制御手段に相当)を備えたものがあった。
【0004】
【特許文献1】実公昭60−5778号公報 ( 第2頁、第2−3図 )
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の収穫機にあっては、収穫対象とする作物の列が曲がっていてそれに機体を沿わせるなど、機体の操向操作が行なわれた場合、前処理部が地面に対して横方向に振れ動くことになる。このため、上記した従来の収穫機にあっては、機体の操向操作が行なわれると、接地センサが接地作用する状態のままで地面上を横滑り移動して地面上の隆起部や土塊などに強く引っ掛かり、接地センサに強い曲げ力などが掛かる場合があった。また、センサの支持部や検出手段にも無理な力が掛かりやすくなっていた。さらに、横滑りする接地センサによってワラ屑などが掻き集められ、その塵埃に前処理部の刈取装置などの前処理装置部が突入して移動していく事態が発生する場合もあった。
【0006】
本発明の目的は、接地センサに曲げ力が掛かるなど、上記したトラブルを発生しにくくしながら機体を操向操作できる収穫機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明にあっては、前処理部を走行機体に対して昇降操作する昇降駆動機構、前記前処理部の支持部に上下揺動自在に支持される接地センサの前記支持部に対する上下揺動角に基いて前記前処理部の対地高さを検出する対地高さ検出手段、この対地高さ検出手段による検出結果に基いて前記昇降駆動機構を自動的に操作する制御手段を備えてある収穫機において、
前記走行機体の操向操作が行なわれたことを検出する操向検出手段を備え、前記制御手段を、前記操向検出手段が検出状態になると、前記接地センサが接地状態にあれば、前記操向検出手段による検出情報を基に、前記対地高さ検出手段による検出情報に優先して前処理部が設定高さに上昇するように前記昇降駆動機構を自動的に操作する前処理部持上げ制御を実行するように構成してある。
【0008】
すなわち、走行機体の操向操作を行なうと、操向検出手段によって検出され、このとき接地センサが接地状態になっておれば、制御手段が前処理部持ち上げ制御を実行し、昇降駆動機構が対地高さ検出手段による検出結果に優先して上昇側に操作されて前処理部を設定高さに上昇操作する。これにより、この前処理部の設定高さとして、接地センサが地面上から浮上する高さを設定したり、地面上から浮上しなくても支持部に対して下降限界まで下降する高さを設定しておけば、走行機体の操向操作のために前処理部が横振れしても、接地センサが地面上を横滑りしなくなったり、障害物に当たっても、当接反力によって容易に上昇揺動して障害物を乗り越え移動しやすくなる。
【0009】
従って、本第1発明によれば、機体の操向操作を行なったときの前処理部持上げ制御のために接地センサが地面上を横滑りしないようにしながら、あるいは、接地センサが障害物を容易に乗り越えていくようにしながら機体の走行向きを変更し、接地センサに強い曲げ力が掛かって接地センサやその支持部などに変形や破損が発生したり、ワラ屑などが接地センサによって掻き寄せられて作業障害が発生したりすることを回避することができる。
【0010】
本第2発明にあっては、前処理部を走行機体に対して昇降操作する昇降駆動機構、前記前処理部の支持部に上下揺動自在に支持される接地センサの前記支持部に対する上下揺動角に基いて前記前処理部の対地高さを検出する対地高さ検出手段、この対地高さ検出手段による検出結果に基いて前記昇降駆動機構を自動的に操作する制御手段を備えてある収穫機において、
前記走行機体の操向操作が行なわれたことを検出する操向検出手段を備え、前記接地センサを前記支持部に対して設定上昇取付け高さに上昇揺動させて保持する作用状態と、前記接地センサの支持部に対する上下揺動を許容する作用解除状態とに切り換え自在なセンサ持上げ保持手段を備え、前記制御手段を、前記操向検出手段が検出状態になると、前記操向検出手段による検出情報を基に、前記センサ持上げ保持手段を前記作用解除状態から前記作用状態に切り換え操作するセンサ持上げ制御を実行するように構成してある。
【0011】
すなわち、走行機体の操向操作を行なうと、操向検出手段によって検出されて制御手段がセンサ持上げ制御を実行し、センサ持上げ保持手段が作用状態に切り換えられて接地センサを設定上昇取付け高さに上昇させて保持する。これにより、この接地センサの設定上昇取付け高さとして、接地センサが地面上から浮上する高さを設定しておけば、走行機体の操向操作のために前処理部が横振れしても、接地センサが地面上から浮上して地面上を横滑りしなくなる。
【0012】
従って、本第2発明によれば、機体の操向操作を行なったときのセンサ持上げ制御のために接地センサが地面上を横滑りしないようにしながら機体の走行向きを変更し、接地センサに曲げ力が掛かって接地センサやその支持部などに変形や破損が発生したり、ワラ屑などが接地センサによって掻き寄せられて作業障害が発生したりすることを回避しながら作業できる。
【0013】
本第3発明にあっては、本第2発明の構成において、前記センサ持上げ保持手段が電磁石である。
【0014】
すなわち、センサ持上げ手段が電磁石であり、電源がオンされることにより、磁力を発生してこの磁力によって接地センサを設定上昇取付け高さに上昇揺動させて保持するように作用状態になり、電源がオフされることにより、磁力の発生を解除して接地センサの上下揺動を許容するように作用解除状態になるものである。
【0015】
従って、本第3発明によれば、電磁石を設けるとともに電源をオン・オフするだけの簡単な構造で接地センサの持上げ保持やそれの解除を行なうことができ、コンパクトかつ安価に得られる。
【0016】
本第4発明にあっては、本第1〜第3発明のいずれか一つの構成において、前記前処理部が備える分草装置の接地を検出する分草接地検出手段、前記前処理部の前記走行機体に対する取付け高さを検出する取付け高さセンサを備え、前記制御手段を、前記分草接地検出手段が検出状態になったときの前記取付け高さセンサによる検出高さを設定制御目標下限高さとして設定し、前記取付け高さセンサによる検出高さが前記設定制御目標下限高さ以上になることを優先した状態で、前記対地高さ検出手段による検出高さが設定対地高さになるように、前記対地高さ検出手段及び前記取付け高さセンサによる検出結果に基いて前記昇降駆動機構を自動的に操作するように構成してある。
【0017】
すなわち、分草装置が接地して分草接地検出手段によって検出されると、この場合、分草装置が接地したときの取付け高さセンサによる検出高さが設定制御目標下限高さとして設定され、対地高さ検出手段による検出高さが設定高さになるように昇降駆動機構を操作する前処理部昇降制御が実行されるのに、対地高さ検出手段による検出情報のみならず、取付け高さセンサによる検出情報をも基に、取付け高さセンサによる検出高さが設定制御目標下限高さ以上になっても、設定制御目標下限高さより小にならないようにして実行される。
すなわち、分草装置が接地してしまう事態が発生した後は、接地センサが地面の凹部に入り込み、対地高さ検出手段による検出結果を基に前処理部を下降操作する制御が実行されることになっても、前処理部の走行機体に対する取付け高さが、設定制御目標下限高さとして設定された取付け高さを越えて低くならないようにしながら前処理部を下降操作する制御が実行される。これにより、前処理部が下降操作されるに伴って設定制御目標下限高さに至ると、対地高さ検出手段による検出結果が前処理部を下降させるべきものであっても、この検出結果に優先して前処理部の下降操作が停止される。
【0018】
従って、本第4発明によれば、走行機体が前後方向に傾斜しても前処理部の対地高さが設定高さに維持されて、たとえば刈高さをほぼ一定に維持しながら作業することができ、さらに、接地センサが凹部に入り込んでも、前処理部が設定制御目標下限高さまでしか下降操作されず、それよりもさらに下降操作されて接地してしまうことを回避しながら作業することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
〔第1実施例〕
図1に示すように、左右一対のクローラ走行装置1によって自走するように構成し、かつ、運転座席2aが付いている搭乗型の運転部2などを備えた自走機体の機体フレーム3の前部に前処理部10を連結し、前記機体フレーム3の上に脱穀装置4、穀粒タンク5を設けて、コンバインを構成してある。
【0020】
このコンバインは、稲や麦などの穀粒を収穫するものであり、前処理部10のフレーム11に連結している油圧シリンダで成るリフトシリンダ6を操作すると、このリフトシリンダ6が前記前処理部フレーム11を機体フレーム3に対して上下に揺動操作することにより、前処理部10を自走機体に対して昇降操作して、前処理部10の前端部に位置する分草具12などが地面上近くに位置した下降作業状態にしたり、分草具12などが地面上から高く浮上した上昇非作業状態にする。前処理部10を下降作業状態にして自走機体を走行させると、前処理部10が複数の穀稈列の植立穀稈を機体横方向に並ぶ複数の前記分草具12及び引起し装置13のうちの対応するものによって分草するとともに引起し処理し、各引起し装置13によって引起し処理される植立穀稈を一つのバリカン型の刈取装置14によって刈取り処理し、刈取穀稈を搬送装置15によって機体後方向きに搬送する。脱穀装置4が前記搬送装置15からの刈取穀稈を脱穀フィードチェーン4aによって受け継いで機体後方向きに搬送し、この刈取穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク5が脱穀装置4からの脱穀粒を回収して貯留していく。
【0021】
図1,2に示すように、前処理部10の前端部付近に対地高さ検出機構20及び分草接地検出機構30を設け、前記前処理部フレーム11の基端部に取付け高さセンサ40を設け、図7に示すように、前記対地高さ検出機構20の対地高さ検出手段21、前記分草接地検出機構30の分草接地検出手段31、前記取付け高さセンサ40を制御手段41に連係させるとともに、この制御手段41を、前記リフトシリンダ6の制御弁42の電磁操作部42aに連係させてある。制御手段41には、前記運転部に設けた刈高さ設定手段43及び操向検出手段44も連係させてある。
【0022】
図2,3などに示すように、前記対地高さ検出機構20は、前記分草具12や引起し装置13を支持するように前処理部10に機体横方向に並んで位置する複数本の分草フレーム16のうちの一つの前記分草具12の後側近くに固定した支持部に兼用のギヤケース22、このギヤケース22の下端側に前端側を支持させた機体前後方向に沿う帯板バネで成るとともに機体側面視で中間部が下向きに突出した円弧形の接地センサ23、前記ギヤケース22の上側に設けたポテンショメータで成る前記対地高さ検出手段21を備えて構成してある。
【0023】
図5,6に示すように、接地センサ23の前端側をギヤケース22の入力軸24に一体回動自在に連結してあり、接地センサ23は、前記入力軸24の機体横向きの軸芯24aまわりでギヤケース22に対して上下に揺動するようになっている。ギヤケース22の内部に設けたスプリング25による入力軸24の回動付勢と、接地センサ23の重量とにより、接地センサ23をこれの前後方向での中間部に位置する接地作用部23aが接地するように下降付勢してある。図3(ロ)に示すように、接地センサ23の後端側の折り曲げ端部23bが、分草フレーム16に折り曲げ線材を付設して設けたセンサホルダーに兼用のストッパー17に係止して受け止め支持されることとなる下降限界まで下降付勢してある。ギヤケース22の内部に設けたギヤ利用の連動機構26により、前記入力軸24の回転を増速して対地高さ検出手段21の操作軸21aに伝達するように入力軸24と対地高さ検出手段21を連動させてある。
【0024】
これにより、前処理部10が対地上昇していくと、これに伴って接地センサ23が前記軸芯24aまわりでギヤケース22に対して下降揺動していき、前処理部10が対地下降していくと、これに伴って接地センサ23が前記軸芯24aまわりでギヤケース22に対して上昇揺動していき、いずれの場合も、接地センサ23の上下揺動に連動して対地高さ検出手段21の操作軸21aが回動するのであり、対地高さ検出機構20は、対地高さ検出手段21によって接地センサ23のギヤケース22に対する上下揺動角に基いて前処理部10の対地高さを検出し、この検出結果を対地高さ検出手段21によって電気信号にして制御手段41に出力する。
【0025】
刈高さ設定手段43は、回転操作自在なポテンショメータ又は液晶利用のタッチパネルで成り、操作部(図示せず)を人為操作することにより、前処理部10の昇降制御によって維持させるべき刈高さを前処理部10の対地高さとして設定し、この設定対地高さを電気信号にして制御手段41に出力する。
【0026】
操向検出手段44は、操向レバー45の操作位置を検出する左操向検出スイッチ44a及び右操向検出スイッチ44bによって構成してある。
操向レバー45を左右のクローラ走行装置1,1の駆動速度が同一になって走行機体が直進走行するように操向装置(図示せず)を操作する直進位置Sに操作すると、操向レバー45のスイッチ操作部45aが両検出スイッチ44a,44bに作用しなくて左操向検出スイッチ44aも右操向検出スイッチ44bもオフになる。操向レバー45を左右のクローラ走行装置1,1の駆動速度が相違して走行機体が左向きに走行するように操向装置を操作する左向き操向位置Lに操作すると、操向レバー45のスイッチ操作部45aが左操向検出スイッチ44aのみに作用して、左操向検出スイッチ44aがオンに、右操向検出スイッチ44bがオフにそれぞれなる。操向レバー45を左右のクローラ走行装置1,1の駆動速度が相違して走行機体が右向きに走行するように操向装置を操作する右向き操向位置Rに操作すると、操向レバー45のスイッチ操作部45aが右操向検出スイッチ44bのみに作用して、右操向検出スイッチ44bがオンに、左操向検出スイッチ44aがオフにそれぞれなる。
【0027】
これにより、操向検出手段44は、両検出スイッチ44a,44bがオフになっている状態から、左操向検出スイッチ44aまたは右操向検出スイッチ44bがオンに切り換わることにより、走行機体の走行向きを左向きや右向きに変更する走行機体の操向操作が行なわれたと検出し、この検出結果を両検出スイッチ44a,44bによって電気信号にして制御手段41に出力する。
【0028】
図4に示すように、分草接地検出機構30は、前処理部10の機体横方向に並ぶ複数の前記分草具12のうちの一つにおいて、この分草具12の取付け板部12aを、前記分草フレーム16の先端に支持体37を連結して設けた支持板部37aに対して連結軸32によって回動自在に連結するとともに、分草フレーム16に立設の前後一対の支持体33に機体前後方向に摺動自在に取り付けたスイッチ操作ロッド34、前記前後一対の支持体33,33の間で前記スイッチ操作ロッド34に装着したスプリング35、前記一対の支持体33,33が有するスイッチ支持体36に取り付けた検出スイッチで成る前記分草接地検出手段31を備えて構成してある。
【0029】
すなわち、分草具12が前記連結軸32の機体横向きの軸芯まわりで支持板部37aに対して揺動して、分草具12の先端側が連結軸32の軸芯まわりで上下揺動するようになっている。前記スプリング35は、スイッチ操作ロッド34を機体前方側に摺動付勢してスイッチ操作ロッド34の前端側を前記取り付け板部12aに当て付け付勢することにより、取付け板部12aが長孔39の上端側で位置決めピン38に当接した下降エンドに分草具12を揺動付勢するようになっている。分草具12が下降エンドに位置していると、スイッチ操作ロッド34は、スプリング35のために分草接地検出手段31の操作部31aから前方に離れていてこの操作部31aに対する押圧操作を解除しており、分草接地検出手段31はオフになっている。分草具12の先端側が接地して接地反力が作用すると、分草具12は先端側が上昇する側にスプリング35に抗して揺動する。このとき、分草具12の取付け板部12aがスイッチ操作ロッド34を後方向きに摺動操作してスイッチ操作ロッド34の後端側が分草接地検出手段31の操作部31aを押圧操作し、分草接地検出手段31がオンに切り換わるようになっている。
【0030】
これにより、分草接地検出機構30は、分草具12が接地すると、分草具12の上昇揺動によってオフからオンに切り換わった分草接地検出手段31によって検出し、この検出結果を分草接地検出手段31によって電気信号にして制御手段41に出力する。
【0031】
前記取付け高さセンサ40は、前処理部フレーム11が走行機体の機体フレーム3に対して上下揺動すると、これに連動して操作されるように前処理フレーム11の基部に操作部を連動させたポテンショメータで成り、前処理部フレーム11の走行機体に対する揺動角に基いて前処理部10の走行機体に対する取付け高さを検出し、この検出結果を電気信号にして制御手段41に出力する。
【0032】
制御手段41は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、各検出手段21,44,31、刈高さ設定手段43、取付け高さセンサ40の情報に基いて図8,9に示す如く作動する。
すなわち、図8において、ステップ1に示すように、操向検出手段44からの検出情報に基いて走行機体の操向操作が行なわれた否かを判断し、操向操作が行なわれたと判断した場合、ステップ2,3に示すように、対地高さ検出手段21による検出情報に基いて接地センサ23が下降限界になっているか否かを検出し、下降限界になっていないと検出した場合には接地センサ23が接地状態にあると判断し、下降限界になっていると検出した場合には接地センサ23が接地状態にないと判断し、接地センサ23が接地状態にあると判断した場合、接地センサ23が下降限界になるまで、制御弁42に所定の操作信号を出力することによってリフトシリンダ6を前処理部10の上昇側に操作する。リフトシリンダ6の上昇側への操作は、操向検出手段44が非検出状態に戻るまで行なう。
【0033】
ステップ1にて操向操作が行なわれていないと判断した場合、刈高さ制御を実行する。
すなわち、図9において、ステップ11,12,13に示すように、分草接地検出手段31が検出状態になったか否かを判断し、検出状態になったと判断した場合、取付け高さセンサ40による検出高さを入力し、分草接地検出手段31が検出状態になったときの取付け高さセンサ40による検出高さを、設定制御目標下限高さとして設定し、マイクロコンピュータの記憶部で成る下限設定手段46に記憶処理する。分草接地検出手段31が検出状態から非検出状態に切り換わった後、再度検出状態になった場合、この場合の取付け高さセンサ40による検出高さを、新たな設定制御目標下限高さとして設定し、この新たな設定制御目標下限高さを、先に記憶処理した設定制御目標下限高さに替えて記憶処理する。すなわち、分草接地検出手段31が非検出状態から検出状態に切り換わる毎に、設定制御目標下限高さを更新していく。
ステップ11にて分草接地検出手段31が検出状態になったと判断した場合も、検出状態になっていないと判断した場合も、ステップ14,15,16に示すように、対地高さ検出手段21による検出高さと、刈高さ設定手段43による設定対地高さを比較し、検出高さが設定対地高さより大でない(小である)と判断した場合、対地高さ検出手段21による検出高さが刈高さ設定手段43による設定対地高さに等しくなるまで、制御弁42に所定の操作信号を出力することによってリフトシリンダ6を前処理部10の上昇側に操作する。
ステップ15にて検出高さが設定対地高さより大であると判断した場合、ステップ17,18に示すように、設定制御目標下限高さが設定されていない場合には、検出高さが設定対地高さに等しくなるまで、リフトシリンダ6を前処理部10の下降側に操作する。
ステップ15にて対地高さ検出手段21による検出高さが刈高さ設定手段43による設定対地高さより大であると判断し、ステップ17にて設定制御目標下限高さが設定されていると判断した場合、ステップ19,20に示すように、取付け高さセンサ40による検出取付け高さと、下限設定手段46によって記憶されている設定制御目標下限高さを比較して、検出取付け高さが設定制御目標下限高さに等しいか、検出取付け高さが設定制御目標下限高さより大であるか、検出取付け高さが設定制御目標下限高さより小であるかを判断し、検出高さが設定制御目標下限高さより大であると判断した場合、対地高さ検出手段21による検出対地高さが刈高さ設定手段43による設定対地高さに等しくなるか、あるいは、取付け高さセンサ40による検出取付け高さが下限設定手段46によって記憶されている設定制御目標下限高さに等しくなるまでリフトシリンダ6を前処理部10の下降側に操作し、検出取付け高さが設定制御目標下限高さより小であると判断した場合、取付け高さセンサ40による検出取付け高さが下限設定手段46によって記憶されている設定制御目標下限高さに等しくなるまでリフトシリンダ6を前処理部10の上昇側に操作する。すなわち、取付け高さセンサ40による検出高さが設定制御目標下限高さ以上にあれば、対地高さ検出手段21による検出高さが設定対地高さになるようにリフトシリンダ6を操作し、対地高さ選出手段21による検出高さが設定対地高さになるようにリフトシリンダ6を下降側に操作しても、これに伴って操取付け高さセンサ40による検出高さが設定制御目標下限高さになれば、リフトシリンダ6の下降操作を停止する。すなわち、対地高さ検出手段21による検出高さが設定対地高さより大になっていても、取付け高さセンサ40による検出高さが設定制御目標下限高さになればそれよりも前処理部10を下降操作しないように、取付け高さセンサ40による検出高さが設定制御目標下限高さ以上になることを優先した状態で、対地高さ検出手段21による検出高さが設定対地高さになるようにリフトシリンダ6を操作する。
【0034】
〔第2実施例〕
次に別の実施形態を備えたコンバインについて説明する。
このコンバインにおいても、第1実施例のコンバインのものと同様に構成した走行機体、前処理部・を備えて構成するとともに、第1実施例のコンバインのものと同様に構成したリフトシリンダ6、対地高さ検出機構20、刈高さ設定手段43、操向検出手段44、取付け高さ検出手段40、分草接地検出機構30を備えてある。
【0035】
図11に示すように、この第2実施例のコンバインにおいても、対地高さ検出機構20の対地高さ検出手段21、刈高さ設定手段43、操向検出手段44、取付け高さセンサ40、分草接地検出手段31を制御手段41に連係させ、この制御手段41をリフトシリンダ6の制御弁42の電磁操作部42aに連係させてある。この第2実施例のコンバインにあっては、前処理部10に、電磁石50を分草フレーム16によって支持されるようにして設け、この電磁石50の駆動回路51も制御手段41に連係させてある。
図10(ロ)に示すように、電磁石50は、駆動回路51によって通電状態に操作されることにより、磁力を発生して接地センサ23の後端側を引き付けることにより、接地センサ23を入力軸24aの軸芯まわりで上昇揺動させて後端側が磁石50に付いた設定上昇取付け高さに操作するとともに保持するように作用状態になり、図10(イ)に示すように、駆動回路51によって通電解除状態に操作されることにより、磁力を解除して、接地センサ23が入力軸24の軸芯24aまわりで上下揺動することを許容するように作用解除状態になる。接地センサ23の前記設定上昇取付け高さとして、前処理部10が下降作業状態にあっても接地センサ23が地面上から浮上する高さを設定してある。
【0036】
制御手段41は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、各検出手段21,44,31、刈高さ設定手段43、取付け高さセンサ40の情報に基いて図9,12に示す如く作動する。
すなわち、図12において、ステップ31に示すように、操向検出手段44からの検出情報に基いて走行機体の操向操作が行なわれた否かを判断し、操向操作が行なわれたと判断した場合、ステップ32に示すように、駆動回路51にオン操作信号を付与し、操向検出手段44が非検出状態になるまで電磁石50を作用状態に切り換え操作する。
【0037】
ステップ31にて操向操作が行なわれていないと判断した場合、ステップ33に示すように刈高さ制御を実行する。すなわち、第1実施例のコンバインの制御手段41と同様に図9に示す如く実行する。
【0038】
つまり、第1実施例のコンバインにおいても、第2実施例のコンバインにおいても、制御手段41の電源をオンにして作業すれば、走行機体が前後に傾斜するなどして接地センサ23が揺動昇降すると、制御手段41が対地高さ検出手段21による検出情報を基に、対地高さ検出手段21による検出高さが刈高さ設定手段43による設定対地高さになるようにリフトシリンダ6を操作する刈高さ制御を実行する。これにより、走行機体が前後に傾斜しても、前処理部10の対地高さが刈高さ設定手段43による設定対地高さに維持され、刈取装置14による刈高さが刈高さ設定手段43によって設定した刈高さになるようにしながら作業できる。このとき、接地センサ23が凹部に入り込むなどして分草具12が接地することがあれば、分草接地検出手段31によって検出され、このときの前処理部10の走行機体に対する取付け高さが取付け高さセンサ40によって検出されてこの検出取付け高さが設定制御目標下限高さとして設定して制御手段41の記憶部で成る下限設定手段46に記憶され、この後は、接地センサ23が凹部に入り込むことがあり、制御手段41が対地高さ検出手段21による検出結果に基いて前処理部10を下降させる制御を実行しても、前処理部10が設定制御目標下限高さより低下することがないように制御され、分草具12などが接地することを回避しながら作業できる。
【0039】
さらに、操向レバー45を左操向位置Lや右操向位置Rに操作して走行機体を左向きや右向きに操向操作すると、前処理部10は地面に対して横振れする状態になるが、このとき、第1実施例のコンバインにあっては、操向操作されたことが操向検出手段44によって検出され、制御手段41が操向検出手段44による検出結果を基に、リフトシリンダ6を上昇操作する前処理部持ち上げ制御を実行して、接地センサ23が下降揺動して下降限界の取り付け状態になる。第2実施例のコンバインにあっては、制御手段41が操向検出手段44による検出結果を基に、電磁石50を作用状態に切り換え操作するセンサ持ち上げ制御を実行して、接地センサ23が設定上昇取付け高さに保持された状態になる。これにより、第1及び第2実施例いずれのコンバインにおいても、接地センサ23が地面上の隆起部に当たっても当接反力によって容易に上昇揺動して隆起部を容易に乗り越えて移動するようになったり、ワラ屑などを掻き寄せにくくなる。
【0040】
〔別実施例〕
前記電磁石50に替えて、接地センサ23の後端側に対するホルダー、及び、このホルダーを分草フレーム16に対して昇降操作する駆動機構を備え、駆動機構がホルダーを上昇操作することにより、ホルダーが接地センサ23の後端側を引き上げ操作して接地センサ23を設定上昇取付け高さに上昇揺動させて保持するように構成し、かつ、駆動機構がホルダーを下降操作することにより、ホルダーが接地センサ23の上下揺動を許容するように構成したホルダー式持ち上げ手段など、各種の持ち上げ手段を採用して実施しても本発明の目的を達成できる。従って、電磁石50、ホルダー式持ち上げ手段などを総称してセンサ持ち上げ保持手段50と呼称する。
【0041】
前記リフトシリンダ6に替えて、リフト装置と電動モータを組み合わせたものなど、各種の昇降駆動手段を採用して構成しても本発明の目的は達成できる。従って、これらリフトシリンダ6や昇降駆動手段を総称して昇降駆動機構6と呼称する。
【0042】
分草具12のみで分草処理するように構成して実施する他、上昇移動する分草爪によって分草処理する強制分草装置を採用して構成する場合にも、また、分草具12と強制分草装置の両方を採用して構成する場合にも、本発明は適用できる。従って、分草具12と強制分草装置の一方だけで成るもの、両方で成るものを総称して分草装置12と呼称する。
【0043】
本発明は、コンバインの他、玉ねぎ、人参などを各種の作物を収穫対象とする作業車にも適用できるのであり、これらの作業車やコンバインなどを総称して収穫機と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】コンバイン前部の側面図
【図2】対地高さ検出機構及び分草接地検出機構の斜視図
【図3】(イ)は、接地センサの検出作用状態を示す側面図、(ロ)は、接地センサの持ち上げ状態を示す側面図
【図4】分草接地検出機構の側面図
【図5】ギヤケースの縦断側面図
【図6】ギヤケースの縦断正面図
【図7】ブロック図
【図8】フロー図
【図9】フロー図
【図10】第2実施形態の対地高さ検出機構の側面図、(イ)は、接地センサの検出作用状態での側面図、(ロ)は、接地センサの持ち上げ状態での側面図
【図11】第2実施形態のブロック図
【図12】第2実施形態のフロー図
【符号の説明】
【0045】
6 昇降駆動機構
10 前処理部
12 分草装置
21 対地高さ検出手段
22 支持部
23 接地センサ
31 分草接地検出手段
40 取付け高さセンサ
41 制御手段
44 操向検出手段
50 電磁石
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成15年9月10日(2003.9.10)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2005−80610(P2005−80610A)
【公開日】 平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願番号】 特願2003−318603(P2003−318603)