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【発明の名称】 掘取機
【発明者】 【氏名】遠山 信一
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】山浦 淳一
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社内

【氏名】宮本 敏明
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地 松山株式会社

【要約】 【課題】収穫物と茎葉を確実に分離できる掘取機を提供する。

【解決手段】掘取体3と、無端搬送体4を有するコンベヤ5と、搬送する収穫物を一時的に滞留する一時滞留手段71と、搬出される収穫物の茎葉を引き込む雑物引込ローラ39とを具備する。一時滞留手段71は引込み凹部70に対向した位置に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫物を掘り取る掘取体と、この掘取体にて掘り取られた収穫物を土をふるい落としながら搬送する無端搬送体を有するコンベヤと、このコンベヤの無端搬送体の搬送面から搬出される収穫物を一時的に滞留させる一時滞留手段と、この一時滞留手段上に搬出された収穫物の茎葉を引き込み、収穫物から分離させる雑物引込ローラとを具備し、前記一時滞留手段は、前記無端搬送体の搬送面の搬出側折返し部とこの搬出側折返し部に対向して回転自在に設けられた前記雑物引込ローラとで形成された引込み凹部に対向するように設けたことを特徴とする掘取機。
【請求項2】
一時滞留手段は、引込み凹部に対して高さ調節可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の掘取機。
【請求項3】
一時滞留手段は、土をふるい落とす間隔をおいて並設された案内杆にて構成したことを特徴とする請求項1ないし2記載の掘取機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、甘藷、馬鈴薯、球根等の地下塊茎類の収穫物を収穫する掘取機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば掘取刃の後方に、上方送りコンベヤと、その後方に後方送りコンベヤとを連接し、上記上方コンベヤの後端と後方送りコンベヤの前端との間に、茎葉、根除去装置として一対のローラーを設置した掘取機が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平6−169619号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の掘取機では、茎葉付の収穫物を掘取り、搬送途中で茎葉、根除去装置としての一対のローラーによって、収穫物の茎葉等の茎葉を引き込み除去する構成であるが、上方送りコンベヤから後方送りコンベヤに乗り移るときに、この一対のローラーに茎葉が引き込まれずに搬送され、茎葉と収穫物が分離されずに地面に落下するという問題がある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、収穫物と茎葉を確実に分離することができる掘取機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の掘取機は、収穫物を掘り取る掘取体と、この掘取体にて掘り取られた収穫物を土をふるい落としながら搬送する無端搬送体を有するコンベヤと、このコンベヤの無端搬送体の搬送面から搬出される収穫物を一時的に滞留させる一時滞留手段と、この一時滞留手段上に搬出された収穫物の茎葉を引き込み、収穫物から分離させる雑物引込ローラとを具備し、前記一時滞留手段は、前記無端搬送体の搬送面の搬出側折返し部とこの搬出側折返し部に対向して回転自在に設けられた前記雑物引込ローラとで形成された引込み凹部に対向するように設けたものである。
【0006】
そして、一時滞留手段を引込み凹部に対向するように設けたので、搬送面から搬送される収穫物が一時滞留手段によって滞留し、そして、収穫物の茎葉等の雑物が雑物引込ローラに引込まれて収穫物から確実に分離される。
【0007】
そして、分離された雑物が地面に落下し、その上に分離された収穫物が落下するので、茎葉がクッションになり収穫物に傷がつくことを防止できる。
【0008】
請求項2記載の掘取機は、請求項1記載の掘取機において、一時滞留手段は、引込み凹部に対して高さ調節可能に設けたものである。
【0009】
そして、この高さ調節によって収穫物の大きさや茎葉等の成長度合いに対応した高さに一時滞留手段を設定することができる。
【0010】
請求項3記載の掘取機は、請求項1記載の掘取機において、一時滞留手段は、土をふるい落とす間隔をおいて並設された案内杆にて構成されている。
【0011】
そして、この案内杆がシュートになり、収穫物と茎葉等の雑物とが分離された収穫物が地面上の分離された雑物上に確実に搬出される。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、一時滞留手段を設けたことにより、無端搬送帯から搬出される収穫物が一時滞留手段によって滞留するので、収穫物の茎葉等の雑物が雑物引込ローラに引込まれ確実に収穫物と雑物とが分離され地面に落下でき、収穫物を地面に落下された雑物上に確実に搬出でき、この雑物上で収穫物を充分に地干しでき、この地干し後の収穫物の拾い集め作業が容易になる。
【0013】
請求項2の発明によれば、一時滞留手段を引込み凹部に対して高さ調節可能にしたので、各種の収穫物の大きさや茎葉等の雑物量に対応して、茎葉等を引込む適正な高さに設定できるので、収穫物から確実に茎葉を分離できる。
【0014】
請求項3の発明によれば、一時滞留手段を土をふるい落とす間隔をおいて並設された案内杆にて構成したので、この案内杆にて構成されたシュート上に搬出された収穫物に付着した土を確実にふるい落とすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の掘取機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0016】
図1及び図2において、1は堀取機で、この堀取機1は、機体2と、収穫物を掘り取る堀取体3と、この堀取体3にて掘り取られた収穫物を土をふるい落としながら搬送する無端搬送体4を有するコンベヤ5とを具備し、この無端搬送体4は複数の搬送杆31を有している。
【0017】
そして、前記機体2は、主フレーム9と、ミッション装置10と、連結機枠11と、板状側枠12とを有し、前記主フレーム9は前記堀取機1の進行方向Yに対して左右方向を長手方向とした中空筒状部材にて形成されている。
【0018】
また、前記ミッション装置10は、前記主フレーム9の中間部に固定されたミッションケース13に入力軸14が回転自在に軸支され、この入力軸14にて回転される出力軸15が前記ミッションケース13及びこのミッションケース13の一側部から前記主フレーム9内に回転自在に軸支され、前記ミッションケース13内において前記入力軸14に固定されたベベルギア16に前記出力軸15に固定されたベベルギア17が噛合されている。
【0019】
また、前記連結機枠11には、トラクタ(図示せず)に連結する3点連結部20が設けられている。
【0020】
さらに、前記板状側枠12は、前記主フレーム9の両端部に相対してそれぞれ固定され、これら板状側枠12の前側下端部に前方に向かって突出した取付板23が相対してそれぞれ固定されている。
【0021】
つぎに、前記堀取体3は、前記相対する取付板23間に前下方に向って傾斜して突出した状態で固定され、この堀取体3は先端を山形状に形成した先金板にて形成されている。
【0022】
つぎに、前記コンベヤ5は、従動輪24と、駆動輪25と、この従動輪24と駆動輪25との間に掛け回された前記無端搬送体4とを有し、前記従動輪24は、前記堀取体3の後方に位置して前記相対する取付板23及び板状側枠12からそれぞれ内側に向って対向して突出された支軸27にて回転自在に軸支されている。
【0023】
また、前記駆動輪25は、前記堀取機1の進行方向に対して左右方向を軸方向とした駆動軸28の両端近傍部にそれぞれ固定され、この駆動軸28の周囲に無端搬送体4の搬送杆31の間に挟まった収穫物を搬送杆31の間から押し出す収穫物押出体59を設けている。
【0024】
また、この収穫物押出体59は、無端搬送体4の各搬送杆31が周面に沿って移動する円筒状の押出部材60にて形成している。
【0025】
そして、このように構成することにより、無端搬送体4の搬送面6の搬出側折返し部38に無端搬送体4の搬送杆31の間に収穫物Aが挟まった状態で搬送されると、収穫物押出体59の周面にて搬送杆31の間から収穫物Aが押し出され、これら収穫物Aが搬送杆31の間に挟まった状態のままで搬出側折返し部38にて折返し移動する搬送面6と雑物引込ローラ39との間に収穫物Aが引き込まれることを防止できる。
【0026】
このため、甘藷はもちろんのこと、偏平状の馬鈴薯や球根等の非球形状の収穫物を搬送するときに、これら非球形状の収穫物が折返し移動する搬送面6と雑物引込ローラ39との間に引き込まれることを確実に防止できる。
【0027】
なお、この駆動軸28は前記支軸27より後側上方に位置して前記相対する板状側枠12の後端部間に回転自在に軸支されている。
【0028】
また、前記搬出側折返し部38の収穫物押出体59の上方には、前記板状側枠12間に軸45が横架され、この軸45には揺動杆47の一端部が固着された回動体46が複数組回動自在に並設軸支されている。
【0029】
そして、この前記回動体46に固着された前記揺動杆47の他端部である下方湾曲部は、この各々の前記回動体46の外周部にそれぞれ設けられたねじりバネ48にて前記搬送杆31に接触させる方向にそれぞれ附勢されている。
【0030】
つぎに、前記コンベヤ5の駆動軸28の一端部にプーリ32が固定され、前記主フレーム9から突出された前記出力軸15の一端部にプーリ33が固定され、前記駆動軸28の一端部のプーリ32と前記出力軸15の一端部のプーリ33との間に無端ベルト34が掛け回されている。
【0031】
そして、前記出力軸15からの出力によりプーリ32,33及び無端ベルト34を介して前記駆動軸28が回転され、この駆動軸28の両端近傍部に固定した駆動輪25にて前記無端搬送体4が駆動され、この無端搬送体4の搬送面6が後上方に向かって移動されるようになっている。
【0032】
つぎに、図1及び図3に示すように、支軸44を中心にして上下方向に回動可能に設けられた左右の回動アーム37と、前記無端搬送体4の搬送面6の搬出側折返し部38に対向して前記左右の回動アーム37に回転自在に架け渡れた雑物引込ローラ39とが設けられている。
【0033】
そして、前記雑物引込ローラ39は、前記堀取機1の進行方向に対して左右方向を軸方向とした円筒状のローラ本体52と、このローラ本体52の両端部に回転自在に軸支されたローラ支軸54とを有し、前記無端搬送体4の搬送杆31と接触することによって時計回りに回転するようになっている。
【0034】
また、ローラ本体52はゴムあるいはスポンジ等の弾性部材53で被覆されている。
【0035】
また、前記雑物引込ローラ39には常に搬送杆31に接触させる方向に付勢するバネ41が設けられている。
【0036】
つぎに、図3に示すように、前記無端搬送体4の搬送面6の搬出側折返し部38とこの搬出側折返し部38に対向した位置に設けられた前記雑物引込ローラ39とで形成された引込み凹部70に対向する位置に一時滞留手段71が設けられている。
【0037】
そして、前記一時滞留手段71は、土をふるい落とす間隔をおいて並設された案内杆を有するシュート75である。
【0038】
そして、搬送面6から搬送された収穫物が前記一時滞留手段71上に滞留することによって、収穫物の茎葉等の雑物が雑物引込ローラ39に引込まれて、収穫物から茎葉は分離されてそのまま地面に落とされ、収穫物はシュート75によって前方に落とされた雑物上に落下する。
【0039】
なお、前記一時滞留手段71はピンの抜き差しにより、高さ調節自在であり、さらに、使用しない場合には、図1のニ点鎖線で示すような上方への格納が可能になっている。
【0040】
また、図中58は前記相対する板状側枠12に上下方向に位置調節可能に取り付けられた接地体で、これら接地体58は地面に接地して地面を滑動するそり体にて形成されている。
【0041】
つぎに、前記実施の形態の作用を説明する。
【0042】
トラクタにクイックカプラ(図示せず)を介して、堀取機1の3点連結部20を連結し、さらに、トラクタのPTO軸に堀取機1に設けたミッション装置10の入力軸14をジョイント(図示せず)を介して連結する。
【0043】
また、各種の収穫物の径または各種の収穫物の茎葉等の雑物量に対応して、一時滞留手段71の高さを調節することにより、引込み凹部70との間の間隔が収穫物の茎葉等の雑物を引き込む適正な間隔に設定される。
【0044】
そして、トラクタにて堀取機1が牽引され、トラクタのPTO軸からの出力によりミッション装置10の入力軸14が回転されるとともに、この入力軸14にて出力軸15が回転され、この出力軸15からの出力により無端ベルト34を介してコンベヤ5の駆動軸28が回転され、この駆動軸28にて駆動輪25がそれぞれ回転駆動され、この駆動輪25にてコンベヤ5の無端搬送体4の搬送面6が進行方向後方側に向かって移動される。
【0045】
そして、この状態で、堀取体3が土を掘り起こしながら進行することにより、この堀取体3にて土中から収穫物が順次掘り出される。
【0046】
また、堀取体3にて掘り出された収穫物及び茎葉等の雑物が堀取体3からコンベヤ5の無端搬送体4の搬送面6に順次搬入され、この収穫物及び茎葉等の雑物が無端搬送体4の搬送面6にて土をふるい落としながら搬送される。そして、引き続き搬送される収穫物及び茎葉等の雑物は、揺動杆47の作用により搬出側折返し部38からシュート75外に飛び出すことなく無端搬送体4の搬出側折返し部38に沿って、この引込み凹部70及び一時滞留手段71に向かって搬出される。
【0047】
この際、周面に刃等を有しない雑物引込ローラ39が回転自在に軸支されているため、この雑物引込ローラ39部に収穫物が搬送されても、この雑物引込ローラ39の周面で収穫物が損傷したり、収穫物が削られて傷が付くことが防止される。
【0048】
また、引込み凹部70上に収穫物及び茎葉等の雑物が搬出されると雑物引込ローラ39にて茎葉等の雑物が無端搬送体4の搬出側折返し部38の下方に向かって押し付けられるとともに、この搬出側折返し部38と雑物引込ローラ39との間に茎葉等の雑物が挟持される。
【0049】
そして、この無端搬送体4の搬出側折返し部38での折返し移動により、この折返し移動する無端搬送体4と雑物引込ローラ39との間に挟持された茎葉等の雑物で雑物引込ローラ39が回転され、この折返し移動する無端搬送体4と雑物引込ローラ39とにより茎葉等の雑物が引込まれて確実に地面に落下される。
【0050】
また、この折返し移動する無端搬送体4と雑物引込ローラ39との間の間隔が収穫物の径より小さく、雑物引込ローラ39が駆動回転されていないため、この折返し移動する無端搬送体4と雑物引込ローラ39との間に収穫物が引き込まれることがない。
【0051】
なお、引込み凹部70に対向するように位置する一時滞留手段71上に搬出された収穫物はすぐには搬出されず、一旦その一時滞留手段71上に留まることで収穫物の茎葉等の雑物が確実に雑物引込ローラ39にて引込まれ、そして収穫物から確実に分離される。したがって従来に比べ格段に処理性能が向上している。
【0052】
さらに、一時滞留手段としてのシュート75に搬出された収穫物に付着した土が収穫物から落とされ、これら土がシュート75の各案内杆56の間からふるい落とされる。
【0053】
そして、このシュート75上に搬出された収穫物がシュート75の各案内杆56に案内され、このシュート75から収穫物があらかじめ地面に落下された雑物上に順次搬出され、この雑物上で収穫物が十分に地干しされる。そして、雑物上で収穫物が地干しされることにより、この地干し後の収穫物を拾い集めるとき、収穫物を探す手間が省け、収穫物の拾い集め作業が容易で、作業能率を向上できる。
【0054】
また、回動アーム37に雑物引込ローラ39が回転自在に軸支され、この雑物引込ローラ39が搬出側折返し部38にて折返し移動する搬送面6にて収穫物の茎葉等の雑物を介して回転されることにより、この搬送面6の折返し移動する速度に合わせて雑物引込ローラ39を回転駆動する構成の必要がない。
【0055】
なお、揺動杆47の他端部である下方湾曲部は、無端搬送体4の搬送杆31に接触する状態で設けたものには限定されず、無端搬送体4の搬出側折返し部38との間に収穫物の径より小さい間隔をおいて搬出側折返し部38に対向して軸45に回動自在に設けるようにしてもよい。
【0056】
また、雑物引込ローラ39についても、無端搬送体4の搬送杆31に周面が接触する状態で回動アーム37に回転自在に設けたものには限定されず、無端搬送体4の搬出側折返し部38との間に収穫物の径より小さい間隔をおいて前記搬出側折返し部38に対向して回動アーム37に回転自在に設けるようにしてもよい。
【0057】
さらに、雑物引込ローラ39は、無端搬送体4の搬送杆31と収穫物の茎葉等の雑物を介して接触することによって回転するものには限定されず、コンベヤ5を回転させている駆動部からの動力により、回転させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施の形態を示す掘取機の側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】同上搬出側折返し部の一部拡大側面図である。
【符号の説明】
【0059】
4 無端搬送体
5 コンベヤ
6 搬送面
38 搬出側折返し部
雑物引込ローラ
70 引込み凹部
一時滞留手段
75 シュート
【出願人】 【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
【住所又は居所】長野県小県郡丸子町大字塩川5155番地
【出願日】 平成15年9月4日(2003.9.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−73675(P2005−73675A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−312060(P2003−312060)