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【発明の名称】 刈払機用伝動軸およびその製造方法
【発明者】 【氏名】今泉 敏明
【住所又は居所】横浜市港北区新横浜3丁目7番地19 鈴喜ビル9階 株式会社ファインスティールエンジニアリング内

【要約】 【課題】刈払機の伝動軸本体の端部に、連結部を、簡単、短時間、安価に、しかも容易に中心軸を一致させで製造可能とする。

【解決手段】他部材に連結するための連結部22と、伝動軸本体のパイプ状端部20a内に嵌入される嵌入部23とを有し、嵌入部23にはローレット部24とローレット部24よりも小径の係止部25を有する継手体21を用意し、ローレット部23を伝動軸本体のパイプ状端部20a内に圧入し、その後、伝動軸本体20の外径と同寸法の内径を有するダイスを用いた引抜加工により、圧入により拡がったパイプ状端部20aをしごき、該パイプ状端部20aの外径を電動軸本体20の中間部と同一外径にすると共にパイプ状端部20aを係止部25に向けて突出させて入り込ませる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプ状端部を有する伝動軸本体と、一端側に他部材に連結するための連結部を、他端側に前記パイプ状端部内に嵌入される嵌入部を備え、該嵌入部には、断面が非円形状の回転伝達部および嵌入方向前方に位置する部分よりも小径の係止部が形成されている継手体とを備え、
該継手体の嵌入部が前記伝動軸本体のパイプ状端部内に嵌入され、前記回転伝達部が前記パイプ状端部の内面に相対回転不可能に密着すると共に該パイプ状端部の前記係止部に対向する部分が該係止部側に向けて突出していることを特徴とする刈払機の伝動軸。
【請求項2】
前記回転伝達部の外径が前記パイプ状端部の内径より大きく、該回転伝達部が該パイプ状端部内に圧入されていることを特徴とする請求項1記載の刈払機の伝動軸。
【請求項3】
前記回転伝達部の外径が前記パイプ状端部の内径以下であり、該回転伝達部が該パイプ状端部内に嵌入され、該パイプ状端部が半径方向内方に向けて押圧変形せしめられて前記回転伝達部に相対回転不可能に密着していることを特徴とする請求項1記載の刈払機の伝動軸。
【請求項4】
前記パイプ状端部の前記回転伝達部が圧入されて半径方向外方に拡がった拡開部が縮径加工されてその外径が伝動軸本体の中間部の外径以下になっていることを特徴とする請求項2記載の刈払機の伝動軸。
【請求項5】
パイプ状端部を有する伝動軸本体と、一端側に他部材に連結するための連結部を、他端側に前記パイプ状端部内に嵌入される嵌入部を備え、該嵌入部には、断面が非円形状の回転伝達部および嵌入方向前方に位置する部分よりも小径の係止部が形成されている継手体とを用い、
該継手体の回転伝達部を前記伝動軸本体のパイプ状端部内に嵌入して該パイプ状端部の内面に相対回転不可能に密着させ、
前記パイプ状端部の前記係止部に対向する部分を該係止部側に向けて突出させることを特徴とする刈払機の伝動軸の製造方法。
【請求項6】
前記回転伝達部の外径が前記パイプ状端部の内径より大きく、該回転伝達部を該パイプ状端部内に圧入することを特徴とする請求項5記載の刈払機の伝動軸の製造方法。
【請求項7】
前記回転伝達部の外径が前記パイプ状端部の内径以下であり、該回転伝達部を該パイプ状端部内に嵌入し、該パイプ状端部を半径方向内方に向けて押圧変形させて前記回転伝達部に相対回転不可能に密着させることを特徴とする請求項5記載の刈払機の伝動軸の製造方法。
【請求項8】
前記パイプ状端部の前記回転伝達部が圧入されて半径方向外方に拡がった拡開部を縮径加工してその外径を伝動軸本体の中間部の外径以下にすることを特徴とする請求項6記載の刈払機の伝動軸の製造方法。
【請求項9】
前記伝動軸本体の中間部の外径と略同一の内径を有するダイスを用いて、前記パイプ状端部の前記拡開部を前記ダイス内を通過させることにより、該拡開部の外径を前記伝動軸本体の中間部の外径と略同一にすると共に前記パイプ状端部の前記係止部に対向する部分を該係止部側に向けて突出させることを特徴とする請求項8記載の刈払機の伝動軸の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、2サイクルエンジン等の原動機の動力で刈刃を回転させて雑草等を刈る刈払機における、その原動機の動力を苅刃に伝達する伝動軸に関する。
【背景技術】
【0002】
刈払機においては、原動機を伝動軸を介して刈刃に連結し、原動機により発生した動力を伝動軸を介して刈刃に伝達して該刈刃を回転させるように構成されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
かかる刈払機の伝動軸は、伝動軸本体と該伝動軸本体の端部に設けられた伝動軸を他部材に連結するためのスプライン軸等からなる連結部とを備えている。伝動軸本体は、この連結部により原動機に直接もしくは中間部材を介して連結され、あるいは、この連結部により刈刃に直接もしくは中間部材を介して連結される。
【0004】
従来のそのような刈払機の伝動軸は、例えば中実の細長いロッド状の伝動軸本体の端部に、別部品として構成されている上記連結部を溶接により接合したり、あるいは中実の細長いロッド状の伝動軸本体の端部を直接機械加工してそこに連結部を形成したりしていた。
【特許文献1】実開平7−5322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記別部品の連結部を伝動軸本体に溶接する方法は、溶接の作業が面倒であること、伝動軸に大きなトルクが作用した際溶接部の強度不足により溶接部が破壊して連結部が離脱する恐れがあること、あるいは伝動軸本体と連結部の中心軸を一致させて溶接することが困難であり、軸ズレが生じやすい等の問題がある。
【0006】
また、上記伝動軸本体の端部を機械加工してそこに直接連結部を形成する方法は、その加工が面倒であると共に加工に時間がかかるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、伝動軸本体の端部に、簡単かつ短時間に、しかも高精度で中心軸を一致させて連結部を設けることのできる刈払機の伝動軸およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る刈払機の伝動軸は、上記目的を達成するため、
パイプ状端部を有する伝動軸本体と、一端側に他部材に連結するための連結部を、他端側に前記パイプ状端部内に嵌入される嵌入部を備え、該嵌入部には、断面が非円形状の回転伝達部および嵌入方向前方に位置する部分よりも小径の係止部が形成されている継手体とを備え、
該継手体の嵌入部が前記伝動軸本体のパイプ状端部内に嵌入され、前記回転伝達部が前記パイプ状端部の内面に相対回転不可能に密着すると共に該パイプ状端部の前記係止部に対向する部分が該係止部側に向けて突出していることを特徴とする。
【0009】
前記回転伝達部は、その外径が前記パイプ状端部の内径より大きく、該回転伝達部が該パイプ状端部内に圧入されていても良いし、外径が前記パイプ状端部の内径以下であり、該回転伝達部が該パイプ状端部内に嵌入され、該パイプ状端部が半径方向内方に向けて押圧変形せしめられて前記回転伝達部に相対回転不可能に密着していても良い。
【0010】
前記パイプ状端部の前記回転伝達部が圧入されて半径方向外方に拡がった拡開部が縮径加工されてその外径が伝動軸本体の中間部の外径以下になっていても良い。
【0011】
本発明に係る刈払機の伝動軸の製造方法は、上記目的を達成するため、
パイプ状端部を有する伝動軸本体と、一端側に他部材に連結するための連結部を、他端側に前記パイプ状端部内に嵌入される嵌入部を備え、該嵌入部には、断面が非円形状の回転伝達部および嵌入方向前方に位置する部分よりも小径の係止部が形成されている継手体とを用い、
該継手体の回転伝達部を前記伝動軸本体のパイプ状端部内に嵌入して該パイプ状端部の内面に相対回転不可能に密着させ、
前記パイプ状端部の前記係止部に対向する部分を該係止部側に向けて突出させることを特徴とする。
【0012】
前記回転伝達部は、その外径が前記パイプ状端部の内径より大きく、該回転伝達部を該パイプ状端部内に圧入しても良いし、外径が前記パイプ状端部の内径以下であり、該回転伝達部を該パイプ状端部内に嵌入し、該パイプ状端部を半径方向内方に向けて押圧変形させて前記回転伝達部に相対回転不可能に密着させても良い。
【0013】
前記パイプ状端部の前記回転伝達部が圧入されて半径方向外方に拡がった拡開部を縮径加工してその外径を伝動軸本体の中間部の外径以下にしても良い。
【0014】
さらに、前記伝動軸本体の中間部の外径と略同一の内径を有するダイスを用いて、前記パイプ状端部の前記拡開部を前記ダイス内を通過させることにより、該拡開部の外径を前記伝動軸本体の中間部の外径と略同一にすると共に前記パイプ状端部の前記係止部に対向する部分を該係止部側に向けて突出させても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る刈払機の伝動軸およびその製造方法によれば、上述のように、パイプ状端部を有する伝動軸本体と、一端側に他部材に連結するための連結部を、他端側にパイプ状端部内に嵌入される嵌入部を有し、該嵌入部が断面非円形状の回転伝達部および嵌入方向前方に位置する部分よりも小径の係止部を有する継手体とを用いて、伝動軸本体のパイプ状端部内に前記回転伝達部を嵌入してパイプ状端部の内面に相対回転不可能に密着させると共に該パイプ状端部の前記係止部に対向する部分を該係止部側に向けて突出させてなるので、その製造に際しては、用意した継手体を、その嵌入部をパイプ状端部内に嵌入し、回転伝達部の嵌入が圧入である場合にはその後単にパイプ状端部の係止部に対向する部分を係止部に向けて突出させるだけで、あるいは単純嵌入(回転伝達部の外径の方がパイプ状端部の内径以下であって嵌入に大きな圧力を要しない嵌入)の場合には、嵌入後パイプ状端部をスウェージング加工等により縮径加工して回転伝達部に密着させると共に係止部に対向する部分を係止部に向けて突出させるだけで良く、従来の伝動軸本体の端部に直接機械加工により連結部を形成したりあるいは別部品の連結部を伝動軸本体の端部に溶接等で接合する場合に比して、極めて簡単に短時間でかつ安価に製造することができると共に、回転伝達部をパイプ状端部内に嵌入して取り付けるので、容易にかつ高精度で両者の中心軸を一致させることができる。
【0016】
特に、回転伝達部をパイプ状端部に圧入し、ダイスを用いた縮径加工により圧入で拡開したパイプ状端部の外径を伝動軸本体の中間部の外径と同一になるようにすれば、そのダイスを用いた縮径加工のみによって極めて簡単に伝動軸本体の外径の均一化とパイプ状端部の係止部への突出による連結部の抜け防止との双方を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の伝動軸の一実施形態を備えた可搬式の刈払機の要部を示す断面概念図である。図示の刈払機は、操作杆1と、想像線で示す原動機ユニット2と、刈刃ユニット3とで構成されている。
【0019】
操作杆1は、パイプ状の操作杆本体4と、該操作杆本体4の内部に軸受5を介して回転可能に支持された伝動軸6とで構成されている。操作杆2の先端部(刈刃ユニット3側)には、伝動軸6に連結された傘歯車7が回転可能に支持されており、基端部(原動機ユニット2側)には遠心クラッチ部8が形成されている。
【0020】
操作杆1の基端側には遠心クラッチ部8を介して上記原動機ユニット2が取り付けられている。原動機ユニット2には、例えば2サイクルエンジン等の回転力を発生させる原動機(不図示)が収容されている。
【0021】
操作杆1の先端側には上記刈刃ユニット3が取り付けられている。刈刃ユニット3は、ケース9と、該ケース9内に回転可能に支持された刈刃支持軸10と、この刈刃支持軸10の基端側に固着された傘歯車11と、先端側に固着された刈刃12とを備えており、上記傘歯車11は上記伝動軸に連結された傘歯車7と噛合している。
【0022】
次ぎに、上記伝動軸6について更に詳細に説明する。伝動軸6は、内径および外径が軸方向に一様な1.5mの細長いパイプからなる伝動軸本体20と、該伝動軸本体20の両端に取り付けられた継手体21とで構成されている。伝動軸本体20の両端に取り付けられた継手体21およびその取付態様は同じであるので、以下、伝動軸本体2の刈刃ユニット3側の継手体21とその取付について説明する。
【0023】
図2(a)は伝動軸本体20の刈刃ユニット3側の端部20aと継手体21を示す図、図2(b)は図2(a)における嵌入部23の右側面図である。図示のように、伝動軸本体20は外径が8mm、内径が6mmの軸方向に一様な断面形状を有する金属製のパイプからなり、端部20aは当然パイプ状をなしている。一方、継手体21は、伝動軸本体20を他部材である傘歯車7に連結するための連結部22と、伝動軸本体のパイプ状端部20a内に嵌入して該パイプ状端部20aに固着される嵌入部23とで構成されている。嵌入部23には、断面が非円形状の回転伝達部24と、回転伝達部24の連結部22側に位置する回転伝達部24の外径よりも小径の係止部25と、回転伝達部24の先端側(連結部22とは反対の側)に位置する先端ガイド部26とが形成されている。
【0024】
なお、上記伝動軸本体20を構成する金属製のパイプとしては、鋼製のパイプを、さらには機械構造用炭素鋼製のパイプを好適に使用することができる。また、継手体21も、金属製のものを、さらには合金鋼製のものを好適に使用することができる。また、継手体の回転伝達部24においては表面に浸炭焼入処理を施すことが望ましい。
【0025】
連結部22は、傘歯車7の軸に形成された雌スプラインに嵌合して該傘歯車7に回転を伝える雄スプラインが形成されたスプライン軸により構成され、回転伝達部24は、周面に形成された互いに平行に軸方向に延びる多数の突条を有する平行ローレットを備えたローレット部により構成されている。
【0026】
連結部(雄スプライン軸)22の外径は7.9mmである。回転伝達部(ローレット部)24は、伝動軸本体のパイプ状端部20a内に圧入されるものであり、その外径はパイプ状端部20aの内径6mmよりも大きい6.3〜6.4mmであり、係止部24の外径は回転伝達部24の外径よりも小さい5.5mmであり、先端ガイド部25の外径はパイプ状端部20aの内径と同一の6mmである。
【0027】
次ぎに、継手体21を伝動軸本体のパイプ状端部20aに固着して伝動軸本体20の端部に連結部22を設ける方法について説明する。
【0028】
先ず、継手体21の回転伝達部であるローレット部24を伝動軸本体のパイプ状端部20a内に圧入する。その際、係止部25もパイプ状端部20a内に位置するように圧入する。この圧入はパイプ状端部20aの内径と同一の外径を有する先端ガイド部26を先ずパイプ状端部20a内に嵌入し、これによりパイプ状端部20a即ち伝動軸本体20とローレット部24との中心軸を一致させておき、この状態からローレット部24を圧入するので、圧入後における両者の中心軸は高精度で一致する。圧入によりローレット部24はパイプ状端部20aの内面と密着し両者は中心軸回りに相対回転不可能になる。
【0029】
上述のようにして圧入すると、ローレット部24の外径はパイプ状端部20aの内径よりも大きく、かつローレット部24の表面は浸炭焼入れされていてパイプ状端部20aよりも硬度が高いので、圧入した状態を示す図3に示されているように、パイプ状端部20aのローレット部24が圧入された部分は半径方向外方に拡がり、その部分の外径は8.2〜8.3mmになる。
【0030】
ところで、伝動軸本体20の両端に連結部22を取り付けて伝動軸6を完成した後、その伝動軸6は操作杆本体4の内部に設けた軸受5内に挿通して操作杆本体4内に配置される。また、伝動軸本体20は外径が8mmで長さが1.5mと非常に細長くしかも8000〜12000rpmという高速で回転するから回転時の振動やブレが大きく、そのため軸受5の内径は伝動軸本体20の外径とほぼ等しい内径とし殆ど隙間のない状態で軸受けするように設計されている。従って、上述のようにパイプ状端部20aが半径方向外方に拡がっていると、完成した伝動軸6を軸受5内に挿通することができなくなる。
【0031】
そこで、ローレット部24の圧入後、図3に示すように、内径8mmのダイス27を用い、このダイス27内を拡開したパイプ状端部20aを引抜きあるいは押出しにより矢印A方向に通過させ、パイプ状端部20aの圧入により拡開した部分をしごいて縮径加工し、その部分の外径も伝動軸本体20の中間部(パイプ状端部を除く部分)の外径と同じ8mmにすると共に、そのダイス27を通過させる縮径加工により、縮径と同時に、パイプ状端部20aの係止部25に対向する部分、即ち係止部25の外側に位置している部分を係止部25に向けて半径方向内方に突出させて係止部25に入り込ませる。この状態を図4に示す。
【0032】
上記のようにして製造した伝動軸6は、ローレット部24がパイプ状端部20a内に圧入されしかもその後縮径加工により外側から押し付けられているので、ローレット部24とパイプ状端部20aの内面との密着食込みが確実に行われ、大きな回転トルクにも耐えることができると共に、ローレット部24の隣にはローレット部24よりも小径の係止部25が形成され、その係止部25にパイプ状端部20aが突出して入り込んでいるので、軸方向の引張力による継手体21の抜けに対する強度も十分確保される。即ち回転に対しても抜けに対しても十分な強度を有している。しかも、製造に際しては、単に継手体21の嵌入部23をパイプ状端部20a内に圧入し、その後ダイス27内を通過させるだけで良く、極めて簡単に、短時間で、しかも安価に製造することができると共に、圧入によって両者を組み付けるので容易に両者の中心軸を高精度で一致させることができる。特に、このダイス27を用いる方法は、ダイス27を通過させるだけで縮径と抜け防止を同時に行うと共に相対回転防止の確実化を図ることができるので、極めて好都合である。
【0033】
なお、上記実施形態では、ダイス27を通過させることにより縮径と係止部25への突出とを行っているが、この縮径と係止部25への突出はこれに限らず、種々の方法により行うことができる。例えばパイプ状端部20aの拡がった拡開部をスウェージング法により半径方向外方から叩くことにより、該拡開部全体を縮径すると共に係止部25に対向するする部分を係止部25内に突出させて入り込ませるようにしても良い。
【0034】
上記圧入により拡がった拡開部を縮径するに際しては、伝動軸本体20の中間部の外径と同一の径か、もしくはそれより小さい径にまで縮径することができ、この場合の同一の径とは、厳密に同一の径に限らず、実質的に同一の径とみなし得る程度のものを含む意味である。
【0035】
次ぎに、他の実施形態について説明する。上述の方法は、継手体の回転伝達部であるローレット部24をパイプ状端部20a内に嵌入するに際し、ローレット部24の外径をパイプ状端部20aの内径よりも大きくして圧入するものであったが、この嵌入は、必ずしも圧入に限らず、ローレット部24の外径をパイプ状端部20aの内径と等しいかそれより小とし、特に圧力を付与することなく嵌入する単純嵌入によって行うこともできる。
【0036】
この場合は、例えば図5に示すように、周面に平行ローレットが形成されているローレット部24の外径をパイプ状端部20aの内径と同一の6mmとし、係止部25の外径をローレット部24の外径よりも小さい5.5mmとし、先端ガイド部26の外径を5.7mmとし、それ以外は上述の継手体21と同様の構成を有する継手体21を用いる。この様な寸法に形成されたローレット部24をパイプ状端部20a内に単純嵌入し、次いで、パイプ状端部20aの内側にローレット部24と係止部25が位置している部分をスウェージング法で外側から叩くことにより、パイプ状端部20aの内面をローレット部24に確実に密着させて食い込ませ、両者を中心軸回りに相対回転不可能にすると共に、係止部25に対向する部分を係止部25内に突出させて入り込ませる。これにより、上述の圧入の場合と同様に、確実な相対回転防止と抜け止めを図ることができる。但し、スウェージングによってパイプ状端部20aの外径は8mmより少し小さくなるが、8mm以下であればその後の操作杆の軸受5への挿通も支障無く行え、問題はない。
【0037】
なお、本実施形態では、連結部22を雄スプライン軸により構成しているが、この連結部22は他部材に回転を伝達可能に連結し得るものであればどの様なものでも良く、例えばスプライン軸の一種であるセレーション軸であっても良いし、あるいは断面四角形の角柱軸もしくはネジ部材等であっても良い。
【0038】
また、本実施形態では、回転伝達部24を平行ローレット部により構成しているが、この回転伝達部24は、断面が非円形状であり伝動軸本体のパイプ状端部20a内に嵌入(圧入もしくは単純嵌入)し該パイプ状端部20aの内面に密着することにより両者が中心軸回りに相対回転不可能となる形状のものであればどの様な形状のものでも良い。
【0039】
また、本実施形態では、小径の係止部25をローレット部24の連結部22側に形成しているが、必ずしもその必要はなく、例えばローレット部の中央に形成しても良い。さらには、この係止部25は、パイプ状端部20a内に嵌入される嵌入部において係止部25よりも嵌入方向前方(図2において図中右側)に位置する部分の外径よりも小径となるように形成されたものであればどの様なものでも良い。
【0040】
また、上記実施形態では、伝動軸本体20としてパイプを用いているが、伝動軸本体20は少なくとも端部がパイプ状であれば良く、例えば中実のロッドの端部のみパイプ状に形成されているものを使用することも可能である。
【0041】
また、上記実施形態では、刈刃として円盤状の丸刃を用いているが、刈刃は回転することによって雑草等を刈ることのできるものであればどの様なものでも良く、例えば刈刃支持軸10の先端に一端が連結された1本もしくは2本の紐状のナイロンコードから成るものであっても良い。
【0042】
なお、本発明は、嵌入部23に小径の係止部25を備え、この係止部25へのパイプ状端部20aの突出入り込みにより抜け防止を図るものであったが、例えばそのような小径の係止部25を使用せず、ローレット部24を図6に示すように周面に軸方向に対して斜めに延びる2種類の突条を交差させて形成したあや目ローレットととし、かつこのローレット部24の外径をパイプ状端部20aの内径と同一かもしくはそれより小とし、このローレット部24をパイプ状端部20a内に単純嵌入し、その後パイプ状端部20aをスウェージング等により半径方向外方から内方に向けて叩き、パイプ状端部20aの内面をあや目ローレットに密着させて食い込ませる方法を採用することができる。これにより、相対回転防止と抜け止めを同時に達成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】刈払機の一例を示す断面概略図
【図2】(a)は本発明の伝動軸の一実施形態における伝動軸本体を継手体とを分離して示す図、(b)は(a)における継手体の嵌入部の右側面図
【図3】伝動軸本体の端部に継手体の嵌入部を圧入した状態を示す図
【図4】嵌入部の圧入により拡がった伝動軸本体の端部を縮径加工した状態を示す図
【図5】本発明の他の実施形態における伝動軸本体と継手体とを分離して示す図
【図6】嵌入部としてあや目ローレットを形成した継手体を示す図
【符号の説明】
【0044】
1 操作杆
2 原動機ユニット
3 刈刃ユニット
5 軸受
6 伝動軸
7 別部材(傘歯車)
12 刈刃
20 伝動軸本体
20a パイプ状端部
21 継手体
22 連結部
23 嵌入部
24 回転伝達部
25 係止部
27 ダイス
【出願人】 【識別番号】503174420
【氏名又は名称】株式会社ファインスティールエンジニアリング
【住所又は居所】神奈川県横浜市港北区新横浜3丁目7番19号 鈴喜ビル9F
【出願日】 平成15年9月3日(2003.9.3)
【代理人】 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史

【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛

【公開番号】 特開2005−73666(P2005−73666A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−311432(P2003−311432)