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【発明の名称】 作物収穫機
【発明者】 【氏名】久保 隆男
【住所又は居所】福井県敦賀市大蔵1号3番地の2 双和技研有限会社内

【要約】 【課題】地面に落ちている作物を傷付けることなく確実に回収する。

【解決手段】車輪12を設けた機体11と、機体11の前方に配置され回転主軸24の外周に間隔をあけて複数の羽根25を突設した掻き込み手段14と、掻き込み手段14の下前方に余長をもたせて横断された地引用線状体15と、掻き込み手段14の下後方に位置する羽根25の先端に沿って配置された円弧状のガイド部材16と、ガイド部材16の後方側で傾斜配置され回転ベルト29の表面に間隔をあけて横断方向に突設した複数の突出片30を有する上昇コンベヤ17と、上昇コンベヤ17の上端の下方位置に配置された収容カゴ18とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を設けた機体と、
上記機体の前方に配置され、回転主軸の外周に間隔をあけて複数の羽根を突設した掻き込み手段と、
上記掻き込み手段の下前方に余長をもたせて横断された地引用線状体と、
上記掻き込み手段の下後方に位置する上記羽根の先端に沿って配置された略円弧状のガイド部材と、
上記ガイド部材の後部で上後方に向けて傾斜配置され、回転ベルトの表面に間隔をあけて横断方向に突設した複数の突出片を有する上昇コンベヤと、
上記上昇コンベヤの上端の下方位置に配置された収容カゴとを備えており、
地面に転がっている作物を上記地引用線状体で中心側に誘導し、上記掻き込み手段の回転する羽根により上記地引用線状体を乗り越えさせると共に、上記ガイド部材の表面に沿って搬送する作物を上記上昇コンベヤの突出片の上面に移送し、上記上昇コンベヤで上端まで搬送された作物が落下して上記収容カゴに回収されることを特徴とする作物収穫機。
【請求項2】
上記掻き込み手段の上記羽根は可撓性を有し、かつ、上記羽根の先端から回転主軸側に向けて複数のスリットを切り欠いている構成としている請求項1に記載の作物収穫機。
【請求項3】
上記地引用線状体は、複数の球状体を連結した数珠状体あるいは鎖状体としている請求項1または請求項2に記載の作物収穫機。
【請求項4】
上記機体の走行時には、上記地引用線状体は余長をもたせることで引きずられた後端部が上記掻き込み手段の下端に位置するようにしている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の作物収穫機。
【請求項5】
上記掻き込み手段の各羽根の上記作物との接触面は非滑面としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の作物収穫機。
【請求項6】
上記略円弧状のガイド部材の前方下端縁は曲面としている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の作物収穫機。
【請求項7】
上記ガイド部材の後方上端縁には、上記上昇コンベヤに作物を導く弾性片が取り付けられており、かつ、上記弾性片の先端と上記上昇コンベヤの突出片の先端とは、近接あるいは当接するようにしている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の作物収穫機。
【請求項8】
上記機体前方の両側には作物を機体中心側後方にガイドする作物ガイド壁をそれぞれ設け、該左右配置された作物ガイド壁の間に上記地引用線状体を架け渡しており、
上記作物ガイド壁と上記機体との間にサスペンション部を介設しており、地面が非平坦面である場合にも上記作物ガイド壁を常に接地可能としている請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の作物収穫機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、作物収穫機に関し、詳しくは、木から自然に落下した梅、杏、銀杏、栗等の地面に落ちている作物を傷付けることなく自動的に回収する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
梅などの作物が木から自然落下した場合、その梅は完熟しておりその日のうちに収穫しなければ品質が劣化するため急いで回収する必要がある。しかし、現在は人手によって拾い集めているため骨が折れる作業を強いられることとなり、特に高齢者等にとっては労働負担が非常に大きくなる問題があった。
特開平2−23808号公報では、玉葱や里芋や馬鈴薯等の作物を掘り出して敷設されたシートの上で地干しを行い、それら作物を圃場から自動的に拾い集めて収穫する作物収穫装置が提案されている。詳しくは、図10に示すように、牽引用のトラクタTと、作物aを載置したシートSを作物aと共に後上方に誘導する誘導体2と、後方に案内されるシートSを回収するシート回収体3と、案内された作物aを選別する選別コンベヤ7と、作物aを収容するコンテナ4とを備えており、誘導体2は、シート誘導コンベヤ5と作物押えコンベヤ6とで作物aを挟持しながら後上方に搬送するようにしている。
【0003】
しかしながら、上記作物収穫装置では、シートSを回収することで作物aを誘導しているため、予めシートS上に作物を載置する作業が必要となり、梅などの木からの落下物を即座に拾集する作業には適さないと共に、通常は木と木の間にはトラクタTを走行させるスペースがあるとは限らないため現実には使用困難である。また、シートSを引っ張って誘導体2まで導いている間に、シートSの振動により作物aがシートSからこぼれ落ちてしまい確実に回収できなくなる問題もある。さらに、誘導体2は、シート誘導コンベヤ5と作物押えコンベヤ6とで作物aを挟んで搬送するため、梅などのデリケートな作物を扱う場合には変形する等の品質劣化を引き起こす恐れもある。
【特許文献1】特開平2−23808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、地面に落ちている作物を傷付けることなく確実に回収することのできる装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、車輪を設けた機体と、
上記機体の前方に配置され、回転主軸の外周に間隔をあけて複数の羽根を突設した掻き込み手段と、
上記掻き込み手段の下前方に余長をもたせて横断された地引用線状体と、
上記掻き込み手段の下後方に位置する上記羽根の先端に沿って配置された略円弧状のガイド部材と、
上記ガイド部材の後部で上後方に向けて傾斜配置され、回転ベルトの表面に間隔をあけて横断方向に突設した複数の突出片を有する上昇コンベヤと、
上記上昇コンベヤの上端の下方位置に配置された収容カゴとを備えており、
地面に転がっている作物を上記地引用線状体で中心側に誘導し、上記掻き込み手段の回転する羽根により上記地引用線状体を乗り越えさせると共に、上記ガイド部材の表面に沿って搬送する作物を上記上昇コンベヤの突出片の上面に移送し、上記上昇コンベヤで上端まで搬送された作物が落下して上記収容カゴに回収されることを特徴とする作物収穫機を提供している。
【0006】
上記構成とすると、上記機体の走行時に、余長を持たせている地引用線状体が略U字状に地面に引きずられることで、地面に落ちている作物を地引用線状体に沿って中心方向へ集めて作物を広角に収集することができると共に、作物を地引用線状体を乗り越えさせながら上記掻き込み手段の羽根で後方に掻き込んでいるので、地面に凹部が存在する場合でも地引用線状体により凹部がカバーされて、作物が凹部に入って取り残されることがなく上記ガイド部材へと確実に導くことができる。
そして、円弧状のガイド部材へ導かれた作物は、掻き込み手段の回転する羽根の掻き込み力により上昇コンベヤの突出片の上面に移送され、回転ベルトの回転により上昇コンベヤの上端まで搬送された作物がそのまま落下することで自動的に収容カゴに回収できる。
【0007】
上記掻き込み手段の上記羽根は可撓性を有し、かつ、上記羽根の先端から回転主軸側に向けて複数のスリットを切り欠いている構成としている。
【0008】
上記構成とすると、可撓性を有する羽根がスリットにより複数に分割されているので、羽根は材料的かつ機構的に弾力を有して作物との接触圧を吸収することができ、梅や杏などのデリケートな作物を扱う場合でも、作物が傷付けられるのを防止することが可能となる。
【0009】
上記地引用線状体は、複数の球状体を連結した数珠状体あるいは鎖状体としている。
【0010】
上記構成とすると、上記数珠状体および上記鎖状体ともに高さに凹凸のある形状となるため、上記掻き込み手段の羽根と地引用線状体との間での作物に対する接触圧が強い場合には、作物は地引用線状体の凹部分に逃げながら乗り越えることができるので、作物と羽根との接触を確実に図りながらも作物に対して強い負荷が掛かるのを防止することができる。よって、実り具合により個々の大きさが異なる作物に対してもフレキシブルに対応した回収作業が可能となる。なお、上記球状体は真円状でも楕円状でもよい。
【0011】
上記機体の走行時には、上記地引用線状体は余長をもたせることで引きずられた後端部が上記掻き込み手段の下端に位置するようにしている。
【0012】
上記構成とすると、上記機体の走行時に、地引用線状体が略U字状に地面に引きずられた中心側の後端部分が上記掻き込み手段の直下に位置するように配置することで、地引用線状体に沿って導かれて中心側に集められた作物を上記羽根でガイド部材に向けて確実に掻き込むことができる。
【0013】
上記掻き込み手段の各羽根の上記作物との接触面は非滑面としている。
【0014】
上記構成とすると、上記羽根は、作物をガイド部材側へ掻き込むために作物と接触する側の面を摩擦抵抗の大きい非滑面としているので、上記掻き込み時に作物をしっかりホールドすることができ、例えば、雨天時での作業であっても作物を確実にガイド部材側へと運ぶことができる。
【0015】
上記略円弧状のガイド部材の前方下端縁は曲面としている。
【0016】
上記構成とすると、上記掻き込み手段の羽根で作物を掻き込んだ際に、作物がガイド部材と始めに接触する部位である前方下端縁を曲面とすることで、作物をスムーズにガイド部材の表面に導くことができると共に、作物の損傷を防止することが可能となる。
【0017】
上記ガイド部材の後方上端縁には、上記上昇コンベヤに作物を導く弾性片が取り付けられており、かつ、上記弾性片の先端と上記上昇コンベヤの突出片の先端とは、近接あるいは当接するようにしている。
【0018】
上記構成とすると、掻き込み手段の回転によりガイド部材の上端縁から上昇コンベヤへと飛び出す作物は、上記弾性片で作物の落下速度を吸収しながら上昇コンベヤへと移送されるので、作物の損傷を防止することができる。かつ、弾性片の先端と上昇コンベヤの突出片の先端とは、対象とする作物の直径未満の距離に近接し、あるいは、当接するようにしているので、上昇コンベヤとガイド部材との間の隙間に作物が落下するのを確実に防止することができる。
【0019】
上記機体前方の両側には作物を機体中心側後方にガイドする作物ガイド壁をそれぞれ設け、該左右配置された作物ガイド壁の間に上記地引用線状体を架け渡しており、
上記作物ガイド壁と上記機体との間にサスペンション部を介設しており、地面が非平坦面である場合にも上記作物ガイド壁を常に接地可能としている。
【0020】
上記構成とすると、前方の地面に広角に落ちている作物が、作物ガイド壁により機体中心側後方に導かれることで、車輪による踏み付けを防止すると同時に上記掻き込み手段へとガイドして機体両側に存在する作物も拾集することができる。また、機体が非平坦面を走行する場合であっても、上記作物ガイド壁が地面から受ける圧力をサスペンション部で吸収するようにしているので、作物ガイド壁が常に地面に当接されて作物ガイド壁の下の隙間を作物が潜り抜けるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、地面に引きずられる地引用線状体に沿って作物が機体中心方向へ集められると共に、上記掻き込み手段の羽根で後方に掻き込む際に作物が地引用線状体を乗り越えることとなるので、地面に凹部が存在する場合でも地引用線状体により凹部がカバーされて、作物が凹部に取り残されるのを防止することが可能となる。また、可撓性を有する羽根にスリットを設けたり、上記円弧状のガイド部材の前方下端縁を曲面としたり、ガイド部材の後方上端縁に弾性片を取り付けたりすることで、梅などのデリケートな作物を扱う場合でも作物の損傷を防止することができる。さらに、弾性片の先端と上昇コンベヤの突出片の先端とを近接あるいは当接させたり、作物ガイド壁にサスペンション部を設けたりすることで、作物の回収ミスを無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7は第1実施形態を示す。
本実施形態の作物収穫機10は、木から落下して地面Gに転がっている梅Uを回収するものであって、一対の前輪13および後輪12を有する機体11と、機体11の前方に配置された掻き込み手段14と、前輪13の前方に配置された逆U形状の作物ガイド壁21と、一対の作物ガイド壁21の間に余長をもたせて架け渡された数珠状の地引用線状体15と、掻き込み手段14の下後方に配置された円弧状のガイド部材16と、ガイド部材16の後部で上後方に向けて傾斜配置された上昇コンベヤ17と、上昇コンベヤ17の上端の下方位置に配置された収容カゴ18と、機体11後部に搭載された原動機19と、機体11後部に設けられたハンドル20とを備えている。
【0023】
掻き込み手段14は、図2および図3に示すように、回転主軸24の外周面に間隔をあけて10〜18枚(本実施形態では12枚)の羽根25を突設し、回転主軸24を機体11の一部に回転自在に取り付けている。羽根25は、厚さが1〜3mmで突出長さが100〜250mmのウレタン樹脂板を用いており、羽根25の先端から回転主軸24側に向けて複数のスリット25aを切り欠いている。また、羽根25の梅Uとの接触面25bは非滑面としている。なお、羽根25の材料はウレタン樹脂に限定されるものではなく、可撓性と剛性とを兼ね備えた板状体であればよく、ゴム板や他の合成樹脂板などでも構わない。
【0024】
作物ガイド壁21は逆U字状で、前輪13の前方を遮るように配置され、機体中心後方へと傾斜した内壁部21aと、機体側方へと傾斜した外壁部21bとを備えており、内壁部21aの延長端を機体11に固定している。また、作物ガイド壁21の前端より突出した延出棒22の上部に、後述する地引用線状体15の取付部となる突出軸23が設けられている。なお、作物ガイド壁21は、拾集作業中は地面に当接する位置に設置されている。
【0025】
地引用線状体15は、図1および図4(A)に示すように、ステンレスまたは鉄からなる楕円状の球状体27の貫通穴27aにワイヤ26を通して数珠状体を形成している。そして、ワイヤ26の両端のリング部26aを突出軸23に引っ掛けることで、機体11前方にて地引用線状体15を左右に架け渡している。地引用線状体15の長さは左右の突出軸23の間の距離に比べて余長を持たせており、図5に示すように、機体11の走行時に引きずられた後端部15aが掻き込み手段14の下端に位置するように設定している。また、図4(B)に示すように、球状体27の高さ方向(短辺)の径L1は10〜25mmとし、幅方向(長辺)の径L2は15〜35mmとしている。なお、地引用線状体15として、数珠状体を用いる代わりに、図9に示すようなリング60を多数連結した鎖状体15’などを用いても構わない。また、球状体27およびリング60の材料は、ステンレス等の剛体に限定されるものではなく、樹脂やゴム等を用いてもよい。
【0026】
ガイド部材16はステンレス製からなり、図2に示すように、掻き込み手段14の後下方の羽根25の先端に沿った略円弧形状として機体11に固定されている。ガイド部材16の前方下端縁は、下後方に向けて緩やかに折り曲げた折返部16bを設けることで曲面部16aを形成している。ガイド部材16の上方側は傾斜が緩やかな直線部16dとして梅Uを跳ね上げないようにしている。ガイド部材16の後方上端縁16cには、ゴム製の弾性片28が上昇コンベヤ17側に傾斜して取り付けられている。
【0027】
上昇コンベヤ17は、機体11に固定された傾斜フレーム34の上下側で左右に横断する上回転軸33および下回転軸32の回りに回転ベルト29を回設しており、回転ベルト29の表面には間隔をあけて横断方向に突設した複数の突出片30を備えていると共に、突出片30の突出長さは梅Uの直径よりも大きくなるようにしている。なお、回転ベルト29は上回転軸33により駆動されており下回転軸32には駆動されていない。また、上昇コンベヤ17の突出片30の先端と弾性片28の先端とは、回転ベルト29の回転時に接触するようにして梅Uが隙間に落下しないようにしている。さらに、傾斜フレーム34の上端には収容カゴ19の外に梅Uが落下しないようにガイド部49を下方に向けて突設している。なお、弾性片28の先端と突出片30の先端とは、梅Uの直径未満の距離に近接させて接触しないようにしても構わない。
【0028】
後輪12の前方位置には、機体側方へと傾斜した作物除け板31が機体11に連結されている。前輪13は、取付片35を介して機体11にボルト締め固定されており、溝部36aが切り欠かれたスライド取付片36の一端を取付片35の中間部位にボルト締め固定する一方、スライド取付片36の溝36aと機体11側面のスライド溝37とを調整ボルト38で貫通締結している。つまり、調整ボルト38の締付位置をスライド溝37および溝部36aに対して変化させることで、取付片35の傾斜角度を調整して前輪13の高さを調節可能としている。なお、梅Uの拾集作業中は前輪13を浮かして使用せず、作物ガイド壁21を地面Gに敷設したネット(図示せず)に摺接させながら走行する。そして、拾集作業でない単なる移動時において路面状況に応じて前輪13を使用することとしている。
【0029】
図7は動力伝達機構を示している。原動機19の原動軸46と中継軸45との間に第1伝達ベルト43を張り架けており、中継軸45と後輪12の回転軸44との間にはゆとりを持たせた状態で第2伝達ベルト42を架け渡している。第2伝達ベルト42の外面側には押当/離反可能なクラッチ部47を設けており、クラッチ部47を第2伝達ベルト42に押し当てることで第2伝達ベルト42にテンションを付与して動力伝達のON/OFFを図っている。また、後輪12の回転軸44と上昇コンベヤ17の下回転軸32との間には第3伝達ベルト41を張り架けており、上昇コンベヤ17の回転軸32と掻き込み手段14の回転主軸24との間にはチェーン40を架け渡している。さらに、上昇コンベヤ17の下回転軸32と上回転軸33との間にはVベルト48を交差状に張り架けており、上回転軸33により回転ベルト29を図中矢印方向に回転駆動している。
よって、クラッチ部47を第2伝達ベルト42に押し当てることで、原動機19の回転動力を回転ベルト29の回転力および掻き込み手段14の回転力へと変換することができる。なお、掻き込み手段14の回転数は、掻き込まれた梅Uが躍らないように30〜60回転/minとしている。
【0030】
次に、作物収穫機10の動作について説明する。
先ず、作業者が原動機19を駆動させると共にクラッチ操作することでクラッチ部47を第2伝達ベルト42に押圧してニュートラルを解除する。それにより、後輪12が回転駆動されると共に上昇コンベヤ17および掻き込み手段14が回転される。そして、作業者がハンドル20を把持して梅Uが落ちている地面Gを走行すると、図5に示すように、地面Gに転がっている梅Uが地引用線状体15により中心側の後端部15aへと導かれる。この時、地引用線状体15の両側の地面Gより浮いた位置を梅Uが潜り抜けてしまったとしても、作物ガイド壁21の内壁部21aにより掻き込み手段14へと導くことができ、広角に落ちている梅Uを集めることができる。なお、この時、地面Gにはネット(図示せず)を予め敷設しておき、該ネット上に落ちている梅Uを回収することとすると好ましい。
【0031】
そして、掻き込み手段14の回転により羽根25が梅Uを後方に向けて掻き込み、梅Uが地引用線状体15を乗り越えることで梅Uが羽根25に確実に当接されて空振りが防止され、ガイド部材16の上へと導かれる。ここで、図6に示すように、地面Gに凹部Gaが存在する場合があるが、地引用線状体15が凹部Gaに入り込んでカバーするため、梅Uが凹部Gaに取り残されるのを防止することができる。また、羽根25にはスリット25aが設けられて弾性を有しているので掻き込み時に梅Uを傷付けることもない。
【0032】
また、地引用線状体15は、図4(A)に示すように、球状体27がワイヤ26に対してスライド可能となる数珠状としているので、梅Uと球状体27との接触圧が大きい場合には、球状体27がスライド移動して梅Uを隣接する球状体27の隙間である凹部分に逃がしながら乗り越えさせることができる。
さらに、羽根25の接触面25bは非滑面としているので雨天時でも滑ることなく梅Uを掻き込むことができる。また、図2に示すように、ガイド部材16の前方下端縁は曲面部16aとしているので、梅Uがスムーズにガイド部材16上に移送され、梅Uの損傷も防止される。
【0033】
ガイド部材16上の梅Uは羽根25で掻き上げられて、傾斜の緩くなる直線部16dを通過することで梅Uを跳ね上げないようにして弾性片28上へと導いている。そして、梅Uは、弾性片28の撓みにより落下速度を吸収されながら上昇コンベヤ17の突出片30の上面側に移送され、回転ベルト29の回転により上昇コンベヤ17の上端まで搬送されて自重により収容カゴ18に回収される。
【0034】
図8は第2実施形態を示す。
第1実施形態との相違点は、作物ガイド壁21にサスペンション部50、51を設けている点である。
即ち、左右の作物ガイド壁21と機体11との間にスプリングを備えたサスペンション部50、51を介設している。
上記構成とすると、傾斜部Gbを有する非平坦な地面Gを走行する場合でも、低地側に存在する作物ガイド壁21はサスペンション部50により地面Gとの接触が確保され、作物ガイド壁21を地面Gと常に接触させることができ、作物ガイド壁21の下の隙間を梅Uが潜り抜けるのを防止することが可能となる。なお、他の構成は第1実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態に係る作物収穫機の斜視図である。
【図2】収集原理を示す概略側面図である。
【図3】掻き込み手段の概略上面図である。
【図4】地引用線状体の要部斜視図である。
【図5】地引用線状体の作用を説明する上面図である。
【図6】地引用線状体の作用を説明する前面図である。
【図7】駆動機構を説明する概略側面図である。
【図8】第2実施形態の作物収穫機の前面図である。
【図9】地引用線状体の変形例を示す要部斜視図である。
【図10】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
【0036】
10 作物収穫機
11 機体
12 後輪
13 前輪
14 掻き込み手段
15 地引用線状体
16 ガイド部材
16a 曲面部
17 上昇コンベヤ
18 収容カゴ
19 原動機
20 ハンドル
21 作物ガイド壁
24 回転主軸
25 羽根
25a スリット
26 ワイヤ
27 球状体
28 弾性片
29 回転ベルト
30 突出片
31 作物除け板
46 原動軸
47 クラッチ部
50、51 サスペンション部
G 地面
Ga 凹部
Gb 傾斜部
U 梅(作物)
【出願人】 【識別番号】503315609
【氏名又は名称】久保 隆男
【住所又は居所】福井県敦賀市大蔵1号3番地の2 双和技研有限会社内
【出願日】 平成15年8月29日(2003.8.29)
【代理人】 【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美

【公開番号】 特開2005−73552(P2005−73552A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−306905(P2003−306905)