| 【発明の名称】 |
茎葉処理機 |
| 【発明者】 |
【氏名】桑原 穣 【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内
【氏名】渡部 和之 【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内
【氏名】福田 幸弘 【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内
【氏名】遠部 博史 【住所又は居所】岡山市江並428番地 セイレイ工業株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】マルチフィルムの左右端部が畝の土中に埋設されずに敷設された圃場において茎葉処理機を用いた茎葉の引抜作業を行う場合、従来の茎葉処理機ではマルチフィルムが機体前部の掻込手段や引抜手段に巻き込まれて作業に支障をきたす場合があった。
【解決手段】機体前部の掻込手段2により茎葉を引抜手段3に案内し、該引抜手段により茎葉を圃場から引き抜く茎葉処理機1の機体前部に、圃場に形成された畝に敷設された農業用マルチフィルム50の左右端部を押さえる端部押さえ手段10を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体前部の掻込手段により茎葉を引抜手段に案内し、該引抜手段により茎葉を圃場から引き抜く茎葉処理機において、 圃場に形成された畝に敷設された農業用マルチフィルムの左右端部を押さえる端部押さえ手段を設けたことを特徴とする茎葉処理機。 【請求項2】 前記端部押さえ手段は車輪を具備することを特徴とする請求項1に記載の茎葉処理機。 【請求項3】 前記車輪は走行輪を兼ねることを特徴とする請求項2に記載の茎葉処理機。 【請求項4】 前記端部押さえ手段の機体の上下高さおよび左右間隔を調整可能としたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の茎葉処理機。 【請求項5】 前記端部押さえ手段は付勢手段を具備することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の茎葉処理機。 【請求項6】 前記端部押さえ手段にウェイトを着脱可能に設けたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の茎葉処理機。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ジャガイモ等の茎葉を圃場から引き抜く茎葉処理機の技術に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、収穫前のジャガイモやサツマイモ等の茎葉を、機体前部に設けられた掻込手段により茎葉を引抜手段に案内し、該引抜手段により後方かつ上方に挟持しつつ搬送して引き抜く茎葉処理機の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。 このような茎葉処理機には引抜手段の前下部に押さえローラおよび押さえガイド棒が設けられ、茎葉が畝から突出している根元部分を押さえることにより、地上に露出している茎葉部分のみを引き抜き、ジャガイモやサツマイモ等が圃場表面に引き抜かれないようにしている。 また、圃場に形成された畝には農業用マルチフィルム(以下「マルチフィルム」と略記する)が敷設されており、押さえローラや押さえガイド棒は該マルチフィルムが引抜手段に巻き込まれるのを防止する機能を兼ねている。 【0003】 【特許文献1】特開2003−061430号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 マルチフィルムは通常、その左右端部(畝の一番低い部分に対応する端部であり、畝の長手方向に対して略垂直な方向の端部)が畝の両側で土により押さえられた状態で敷設されるが、圃場の生育条件や気候条件によっては、地温制御あるいは湿度制御のためにマルチフィルムの左右端部が畝の両側で押さえられずに(または、畝の長手方向に対して所定間隔毎にスポット状に埋設して)敷設される場合もある。 このような場合にはマルチフィルムを圃場に固定する力が弱く、従来の押さえローラや押さえガイド棒のみでは作業時にマルチフィルムが引抜手段に巻き込まれて作業に支障をきたす場合がある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。 【0006】 即ち、請求項1においては、機体前部の掻込手段により茎葉を引抜手段に案内し、該引抜手段により茎葉を圃場から引き抜く茎葉処理機において、圃場に形成された畝に敷設された農業用マルチフィルムの左右端部を押さえる端部押さえ手段を設けたものである。 【0007】 請求項2においては、前記端部押さえ手段は車輪を具備するものである。 【0008】 請求項3においては、前記車輪は走行輪を兼ねるものである。 【0009】 請求項4においては、前記端部押さえ手段の機体の上下高さおよび左右間隔を調整可能としたものである。 【0010】 請求項5においては、前記端部押さえ手段は付勢手段を具備するものである。 【0011】 請求項6においては、前記端部押さえ手段にウェイトを着脱可能に設けたものである。 【発明の効果】 【0012】 本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。 【0013】 請求項1においては、引抜作業時にマルチフィルムを茎葉処理機(より厳密には、掻込手段や引抜手段)に巻き込むことを防止することが可能である。特に、マルチフィルムの左右端部を畝に埋設しない場合に効果が大きい。 【0014】 請求項2においては、引抜作業時にマルチフィルムを茎葉処理機(より厳密には、掻込手段や引抜手段)に巻き込むことを防止することが可能である。特に、マルチフィルムの左右端部を畝に埋設しない場合に効果が大きい。 【0015】 請求項3においては、茎葉処理機を移動させる際の労力が小さく、作業性に優れる。 【0016】 請求項4においては、端部押え部材におけるマルチフィルムとの当接部位を畝の形状(畝の高さおよび左右の幅)に応じて位置調整し、マルチフィルムが掻込手段や引抜手段に巻き込まれることを防止する効果を畝の形状にかかわらず高く保持することが可能である。 【0017】 請求項5においては、引抜作業時に機体にかかる衝撃を吸収することが可能である。 【0018】 請求項6においては、端部押さえ手段にかかる荷重を所望の大きさに調整することが容易となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下では、図1を用いて本発明の茎葉処理機の実施の一形態である茎葉処理機1の全体構成について説明する。なお、以下の説明においては図1中の矢印Aの方向を茎葉処理機1の機体の前方とし、圃場に形成される畝の方向についても茎葉処理機1の前後左右に対応させて記述するものとする(従って、畝の長手方向は前後方向となる)。 また、本発明の茎葉処理機1はジャガイモ等の芋類の地上部分の茎葉を引き抜くためのものであるがこれに限定されず、圃場の地上部分に生えた茎葉を引き抜く用途に広く適用可能である。 【0020】 茎葉処理機1は圃場に形成された畝に跨る形で畝の長手方向に走行しつつ、畝の地上部分に植生した茎葉を引抜くものであり、主に掻込手段2、引抜手段3、メインフレーム4、ミッションケース5、駆動輪6・6、エンジン7、運転操作部8等で構成される。 【0021】 掻込手段2は畝の地上部分に育った茎葉を引抜手段3に案内するためのものであり、茎葉処理機1の機体前部に設けられる。掻込手段2は主に左右一対の筐体11・11、従動プーリ12・12、駆動プーリ13・13、掻込ベルト14・14等で構成される。 【0022】 左右一対の筐体11・11は正面視で左右中央に隙間を空け、後部が上方に傾斜した姿勢で配置される。筐体11は従動プーリ12、駆動プーリ13、掻込ベルト14を収容する。筐体11の前部には従動プーリ12が回転可能に軸支され、筐体11の後部には駆動プーリ13が回転可能に軸支される。掻込ベルト14は従動プーリ12、駆動プーリ13および図示せぬテンションプーリに巻回される。掻込ベルト14の外周面には突起14a・14a・・・が突設されている。 【0023】 左右一対の駆動プーリ13・13に駆動力が伝達されて掻込ベルト14が回転駆動されると、掻込ベルト14に突設された突起14a・14a・・・により、左右の筐体11・11の間において茎葉が引き起こされつつ後方に搬送され、掻込手段2の後方に配置された引抜手段3に案内される。 【0024】 引抜手段3は掻込手段2により受け渡された茎葉を畝から引き抜くためのものであり、掻込手段2の後方に設けられる。引抜手段3は左右一対の前部筐体15・15、後部筐体16・16、従動プーリ17・17、駆動プーリ18・18、チェーンケース19・19、挟持搬送ベルト20・20、駆動軸21・21、駆動力伝達部22等で構成される。 【0025】 左右一対の前部筐体15・15は正面視で左右中央に隙間を空け、後部が上方に傾斜した姿勢で配置される。前部筐体15は従動プーリ17、挟持搬送ベルト20の前半部を収容する。前部筐体15の前部には従動プーリ17が回転可能に軸支され、その他図示せぬテンションプーリ等も回転可能に軸支される。なお、従動プーリ17の回転軸は従動プーリ17に固設され、上方に延設されて前記掻込手段2の駆動プーリ13に固設されている。従って従動プーリ17が挟持搬送ベルト20により回転すると、その駆動力が掻込手段2に伝達される構成となっている。 また、前部筐体15の後部には駆動軸21の一端が回転可能に軸支されている。 【0026】 左右一対の後部筐体16・16は正面視で左右中央に隙間を空け、後部が上方に傾斜した姿勢で配置される。後部筐体16は駆動プーリ18、挟持搬送ベルト20の後半部を収容する。後部筐体16の前部は前記駆動軸21に回動可能に枢支されるとともに、後部筐体16の下面にはチェーンケース19が設けられる。 チェーンケース19は後部筐体16と同じく駆動軸21を中心として回動可能であり、その内部には図示せぬ一対のスプロケットと該スプロケットに巻回されたチェーンが収容される。該スプロケットの一方は駆動軸21の中途部に外嵌固定され、他方は後部筐体16の後部に回転可能に軸支された駆動プーリ18の回転軸の下端部に外嵌固定される。 【0027】 挟持搬送ベルト20は従動プーリ17、駆動プーリ18および図示せぬテンションプーリに巻回される。なお、左右一対の挟持搬送ベルト20・20は、機体の左右中央に位置する互いに対向する外周面において長尺にわたって当接し、該当接部が機体後方に移動する向きに回転する。 【0028】 駆動軸21・21はエンジン7から駆動力伝達部22に伝達された駆動力により回転し、引抜手段3(および掻込手段2)を駆動する。 【0029】 左右一対の駆動軸21・21が回転して挟持搬送ベルト20が回転駆動されると、掻込手段2により挟持搬送ベルト20・20の前端部に案内された茎葉が左右対向して配置された挟持搬送ベルト20・20の間に挟持され、後方に搬送される。そして、挟持搬送ベルト20・20は後部が上方に傾斜しているために茎葉は後方に行くほど上方に引き上げられる形となり、畝から引き抜かれる。 【0030】 後部筐体16・16の後方には茎葉収集板23が設けられ、茎葉収集板23の左右端部にはバケット23a・23aが機体の左右側方に回動可能に取り付けられる。また、茎葉収集板23の後端部には後部押さえ板23bが立設される。該バケット23a・23aを立てた状態で茎葉収集板23上に畝から引き抜かれた後の茎葉を収集し、一定量の茎葉を収集した時点で一方のバケット23aを機体の側方に回動させ、茎葉を回収する。あるいは、一方のバケット23aを機体の側方に回動させたままにしておき、引き抜いた後の茎葉を順次圃場に落下させる場合もある。 【0031】 メインフレーム4は茎葉処理機1の構造体を成す部材であり、その前端部には駆動力伝達部22および茎葉収集板23の前端部が固設され、後端部にはミッションケース5およびエンジン7が固設される。 【0032】 ミッションケース5はエンジン7から入力された駆動力を変速して、駆動輪6・6および駆動力伝達部22に分配して出力するものである。なお、ミッションケース5と駆動力伝達部22との間の駆動力の伝達方法は限定されず、シャフトでも、チェーン、ベルトを用いても良い。 【0033】 第一チェーンケース24・24の一端はミッションケース5に回動可能に枢着され、他端には第二チェーンケース25・25の一端が回動可能に枢着される。また、第二チェーンケース25・25の他端には駆動輪6・6が回転可能に軸支される。第一チェーンケース24および第二チェーンケース25はそれぞれその内部に一対のスプロケットとチェーンを収容し、ミッションケース5からの駆動力を駆動輪6・6に伝達し、駆動輪6・6を回転することが可能である。 また、第二チェーンケース25はメインフレーム4の前部から下方に突設された固定部材26に上下高さを調整可能に固定されている。従って、圃場(厳密には圃場に形成された畝の高さ)に応じて茎葉処理機1の車高を調整することが可能である。 【0034】 運転操作部8は作業者が茎葉処理機1の各種操作を行うためのものであり、主にハンドル27、駐車ブレーキレバー28、主クラッチレバー29、サイドクラッチレバー30等で構成される。 ハンドル27はメインフレーム4の中途部から後方に延設された平面視略「コ」字型の部材であり、該ハンドル27に駐車ブレーキレバー28、主クラッチレバー29、サイドクラッチレバー30等の操作レバー群が設けられる。 【0035】 以下では、図1から図4を用いて茎葉処理機1前部に設けられたマルチフィルムの端部押さえ手段10、および端部押さえ手段10の周囲の詳細構成について説明する。 【0036】 まず、端部押さえ手段10の周囲の詳細構成について説明する。 フロントフレーム31は平面視略「コ」字型に屈曲された筒状部材である。フロントフレーム31は、その左右端部の長手方向が機体の前方かつ下方を向くように、(引抜手段3の長手方向と略平行となるように)中途部において駆動力伝達部22の前端部に固設される。フロントフレーム31の左右端部の外周面にはブラケット31a・31aが固設され、該ブラケット31a・31aに前記引抜手段3の前部筐体15・15が固設される。また、ブラケット31a・31aには支持フレーム32・32の一端が固設され、支持フレーム32・32の他端(前上部)は前記掻込手段2が固設される。 【0037】 押さえガイド棒33は棒状(パイプ状)の部材を二箇所で屈曲させたものであり、該屈曲部位を境として基部33a、当接部33b、案内部33cからなる。 【0038】 左右対称に形成された一対の押さえガイド棒33・33はフロントフレーム31の前後中途部に設けられる。該押さえガイド棒33・33は、掻込手段2により引き起こされつつ後方に搬送されてきた茎葉を確実に引抜手段3に受け渡し、畝の土中に埋まっているジャガイモ等の収穫物が畝の表面に引き出されないように畝の頂部に当接して押さえ、畝の表面に敷設されたマルチフィルムが畝から浮いて引抜手段3に巻き込まれるのを防止するものである。 【0039】 基部33aは押さえガイド棒33の一端を成す部位であり、その長手方向が機体上下方向と略一致する向きに配置され、基部33aの長手方向に摺動可能にフロントフレーム31の中途部に取り付けられる。 当接部33bは押さえガイド棒33の中途部を成す部位であり、その長手方向が機体の前後方向と略一致する向きに配置され、畝の頂部に当接する。 案内部33cは押さえガイド棒33の他端を成す部位であり、その長手方向が機体の左右方向と略一致する向きに配置される。また、案内部33cは引抜手段3の挟持搬送ベルト20の下方やや後方に配置される。 【0040】 掻込手段2により引き起こされつつ後方に搬送された茎葉のうち、機体左右方向において機体中央からずれた位置にある茎葉は、案内部33a・33aに当接しつつ機体左右中央に案内され、一対の押さえガイド棒33・33の当接部33b・33bの隙間(挟持搬送ベルト20・20の当接部の下方)を通過する。このように構成することにより、茎葉が確実に引抜手段3の挟持搬送ベルト20・20に挟持され、畝から引き抜かれる。 【0041】 押さえローラ34・34はフロントフレーム31の中途部に上下方向に高さ調整可能かつ回転可能に設けられた左右一対のローラである。押さえローラ34・34は畝の頂部近傍に当接して、畝の土中に埋まっているジャガイモ等の収穫物が畝の表面に引き出されないように畝の頂部に当接して押さえ、畝の表面に敷設されたマルチフィルムが畝から浮いて引抜手段3に巻き込まれるのを防止するものである。 【0042】 続いて、端部押さえ手段10について詳細説明する。 端部押さえ手段10は畝の表面に敷設されるマルチフィルムの左右端部を押さえることにより、茎葉の引抜作業時に掻込手段2や引抜手段3にマルチフィルムが巻き込まれるのを防止するものである。 図3および図4に示す如く、本実施例の場合、端部押さえ手段10は主に左右一対の車輪35・35、車輪軸支部材36・36、摺動基部37・37、摺動筒38・38、支持部材39・39等で構成される。 なお、本実施例における端部押え部材10は左右一対に構成されていることから、以下の説明においては機体左側の端部押さえ手段10について行い、機体右側の端部押さえ手段10については説明を省略する。 【0043】 車輪35は茎葉処理機1の機体前部左側に配置され、詳しくは、作物を引き抜く始端位置の側方であって掻込手段2の側方に配置されて、スライドフレーム43よりも内側に配置して、畝に敷設されたマルチフィルム50の端部(機体左側の車輪35においてはマルチフィルム50の左端部)位置を踏むように、または、畝の麓部(畝両側の傾斜が最も小さい部分)に位置するようにしている。そして、車輪35の下端はスライドフレーム43よりも下方に位置するように配置し、作業時にマルチフィルム50端部を踏むことにより、マルチフィルム50を機体前部の荷重で畝に押さえつけながら外側方へ引っ張りマルチフィルム50に皺がよらないようにするものである。車輪35は車輪軸支部材36の一端に回転可能に軸支され、デバイダ44の後方に配置され、正面視でデバイダ44と重複するように配設される。本実施例においては、車輪35のトー角がトーインとなり、つまり、車輪35・35が平面視で「ハ」字状となるように前側が内方向を向くように配設し、前後方向に対して内側の傾斜角度を大きくするほど、マルチフィルム50を外方向へ引っ張る作用も大きくなる。そして、車輪35のキャンバー角がポジティブキャンバーとなるように軸支され、つまり、正面視車輪35の上側が外方向に開くように配設し、畝両側の傾斜面に対して略直角となるように配置している。 【0044】 このように構成することにより、走行作業(引抜作業)時の茎葉処理機1の直進性が向上するとともに、デバイダ44及び掻込手段2で茎葉を分けて車輪35で踏みつけないようにして、傾斜した畝に対して車輪35を極力垂直に近い角度で当接させることができ、同じ荷重でもマルチフィルム50を押さえる力を大きくすることが可能である。また、トー角がトーインとなっている左右の車輪35・35が走行時に回転することにより、マルチフィルム50の左右両端は、車輪35が踏みつけながら外方向へ回転することで、それぞれ外側に引っ張られる形となるため、マルチフィルム50をより畝に密着させることが可能となり、引抜き時に押さえローラ34で押さえるときに伸び量が少なくマルチフィルム50の持ち上がりも小さく押さえることができて引っ掛かりを殆どなくすことができるのである。なお、車輪35の外周はゴム等滑り難い材質で構成して、マルチフィルム50上で滑ることなく、マルチフィルム50をある程度摩擦抵抗で外方向へ引っ張ることができるようにする。 車輪軸支部材36は円筒部材を中途部で略直角に屈曲させた形状であり、車輪35が軸支されている部位はその長手方向の前端部で機体前後方向と略一致し、車輪35が軸支されていない部位はその長手方向が機体上下方向と略一致するように配置される。 車輪軸支部材36の車輪35が軸支されていない部位の外周面にはボルトが貫通する孔が複数箇所上下方向に所定間隔を空けて並んで穿設される。車輪軸支部材36の車輪35が軸支されていない部位は摺動基部37に摺動可能に貫装され、摺動基部37の外周面に穿設された螺孔に螺装されたボルト37aが前記車輪軸支部材36に複数箇所穿設された孔のいずれかに嵌合することにより、車輪35の機体に対する上下高さを調整可能に構成される。但し、車輪軸支部材36は摺動基部37に対して上下高さ及び左右回動角度(トーイン)を同時に調節可能に構成することもできる。 【0045】 摺動基部37は断面視六角形の筒状部材である摺動筒38に固設される。このとき、摺動筒38の長手方向と摺動基部37の長手方向とが略直交するように配置される。 【0046】 支持部材39は断面視六角形の筒状(または棒状)の部材であり、その長手方向が機体左右方向と略一致する向きに配置される。支持部材39の一端(機体内側の端部)はフロントフレーム31の先端部に固設される。 摺動筒38は支持部材39に摺動可能かつ相対回転不能に貫装される。また、摺動筒38の外周面に穿設された螺孔に螺装されたボルト38aにより、摺動筒38を支持部材39の任意の位置に固定可能である。 【0047】 このように構成することにより、端部押え部材10におけるマルチフィルムとの当接部位(本実施例においては、車輪35)を畝の形状(畝の高さおよび左右の幅)に応じて位置調整し、マルチフィルムが掻込手段2や引抜手段3に巻き込まれることを防止する効果を畝の形状にかかわらず高く保持することが可能である。 なお、マルチフィルムの左右端部を押さえることが可能であれば同様の効果を奏するので、端部押え部材10を構成する部材は左右一対の車輪35・35、車輪軸支部材36・36、摺動基部37・37、摺動筒38・38、支持部材39・39に限定されない。 【0048】 摺動筒38にはブラケット40が固設され、該ブラケット40には長孔40a・40bが穿設される。該長孔40a・40bの長手方向は機体左右方向と略一致している。また、筒状の部材である摺動基部41には板状のブラケット42が固設され、該ブラケット42にはボルト42a・42bが貫装される孔が穿設される。 ボルト42a・42bをそれぞれ長孔40a・40bに貫装してナットに締結することにより、ブラケット40に対してブラケット42を機体左右方向に摺動させ、所望の位置で固定することが可能である。 【0049】 摺動基部41にはスライドフレーム43の中途部より突設された摺動部43aが摺動可能に貫装され、摺動基部41の外周面に穿設された螺孔に螺装されたボルト41aにより、所望の位置で固定される。スライドフレーム43は畝の左右方向に拡がって伸びる茎葉を機体中央に寄せるためのデバイダ44を圃場と当接しない範囲で極力圃場に近い位置に支持する部材である。なお、圃場の凹凸等により機体が傾斜してスライドフレーム43が圃場と接触した場合でも破損したり走行を阻害することがないように橇状に形成される。 スライドフレーム43の前端部にはデバイダ44がスライドフレーム43に対して上下方向(より厳密には、機体の後方斜め上方)に摺動可能に取り付けられる。 このように構成することにより、端部押さえ手段10におけるマルチフィルムとの当接部位である車輪35とは独立して、圃場の状況に応じてスライドフレーム43の高さや左右スライドフレーム43・43の間隔、デバイダ44の高さ等を調整可能である。 【0050】 従来の茎葉処理機の場合、機体前部には車輪が無いために、平地(圃場でない場所)において茎葉処理機1を移動させる際には作業者が運転操作部のハンドルを持って下方に荷重をかけた状態(すなわち、機体前部を持ち上げた状態)とする必要があったが、本実施例の茎葉処理機1の場合は車輪35を機体に対して最も下方まで突出させると平地(圃場でない場所)において茎葉処理機1を移動させる際の前輪(走行輪)として用いることが可能である。言い換えれば、本実施例の茎葉処理機1における車輪35・35の下端は、機体前部のフレームを構成するスライドフレーム43やデバイダ44等の下端よりも低く配置して、引抜作業時においてマルチフィルムの端部を押さえる機能と、移動走行時における走行輪としての機能と、を兼ねるのである。 従って、茎葉処理機1を移動させる際の労力が小さく、作業性に優れる。 【0051】 以上の如く、圃場に形成された畝に敷設されたマルチフィルムの左右端部を押さえる端部押さえ手段10を設けることにより、引抜作業時にマルチフィルムを茎葉処理機に巻き込むことを防止することが可能である。特に、マルチフィルムの左右端部を畝に固定しない場合に効果が大きい。 【0052】 なお、本実施例では端部押さえ手段10のマルチフィルムとの当接部位は車輪35・35であったが、これに限定しない。ただし、マルチフィルムが破れたりすることを防止するという観点から見れば、橇体により構成することもできるが、車輪やローラ等の回転体や、クローラ(覆帯)が好ましい。 また端部押さえ手段10に設ける車輪の個数も本実施例の如く左右一個ずつに限定されず、複数個ずつ配置しても良い。 【0053】 これら端部押え手段10の形式(車輪、ローラ、覆帯、橇)については、引き抜かれる茎葉の種類(作物の種類)、茎葉処理機1の重量(および前後の重量バランス)、マルチフィルムの材質(強度)や表面性状、畝の形状(高さ、左右幅、傾斜面の傾斜角度)等の条件により適宜選択することが望ましい。 また、前記押さえローラ34・34や押さえガイド棒33・33と端部押さえ手段10との荷重の配分についても、引き抜かれる茎葉の種類(作物の種類)、茎葉処理機の重量(および前後の重量バランス)、マルチフィルムの材質(強度)や表面性状、畝の形状(高さ、左右幅、傾斜面の傾斜角度)等の条件により適宜選択することが望ましい。 さらに、端部押え手段10にかかる荷重に関連して、端部押さえ手段10がマルチフィルムを押さえる荷重が不足している場合には端部押さえ手段10に着脱可能なウェイト(錘)を設けてもよい(例えば、車輪35のホイールにウェイトを取り付けてもよい)。 このように構成することにより、端部押さえ手段10にかかる荷重を所望の大きさに調整することが容易となる。 【0054】 さらに、本実施例では車輪35は機体に対して固定された(車輪と機体との間で車輪に伝わる衝撃を吸収する手段を持たない)形であったが、巻きバネや板バネ、あるいはゴム等の弾性体の如き付勢手段を介装させることも可能である。このように構成することにより、引抜作業時に機体にかかる衝撃を吸収することが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0055】 【図1】茎葉処理機の左側面図。 【図2】茎葉処理機の要部平面図。 【図3】機体左側の端部押さえ手段の斜視図。 【図4】別角度から見た機体左側の端部押さえ手段の斜視図。 【符号の説明】 【0056】 1 茎葉処理機 2 掻込手段 3 引抜手段 10 端部押え部材 35 車輪
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005164 【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社 【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
|
| 【出願日】 |
平成15年8月26日(2003.8.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
|
| 【公開番号】 |
特開2005−65621(P2005−65621A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月17日(2005.3.17) |
| 【出願番号】 |
特願2003−301624(P2003−301624) |
|