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【発明の名称】 キャビン
【発明者】 【氏名】仲佐 陽一
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内

【要約】 【課題】コンバインに搭載されるキャビンの重量やコストを削減する。また、キャビンの左右幅を小さくしたり、左側面パネルを排出オーガに沿って傾斜させることなく、排出オーガとの干渉を回避する。

【解決手段】角部に立設される複数の支柱27〜29と、これらの支柱27〜29間に設けられる複数のパネル18、20とを備えるコンバイン用のキャビン8において、キャビン8の左後部に立設される左後部支柱28を、左側面パネル18の後端面が接続される第一直角面部28aと、背面パネル20の左端面が接続される第二直角面部28bと、直角面部28a、28b同士を連結する傾斜面部28cとで構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角部に立設される複数の支柱と、これらの支柱間に設けられる複数のパネルとを備えるコンバイン用のキャビンであって、該キャビンの左後部に立設される支柱は、左側面パネルの後端面が接続される第一の直角面部と、背面パネルの左端面が接続される第二の直角面部と、前記直角面部同士を連結する傾斜面部とを備えて構成されることを特徴とするキャビン。
【請求項2】
前記直角面部及び前記傾斜面部で囲まれる空間に、ホース類及び/又はコード類を収納したことを特徴とする請求項1記載のキャビン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに設けられるキャビンに関し、詳しくは、キャビンの左後部に立設される支柱の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンバインに設けられるキャビンは、角部に立設される複数の支柱と、これらの支柱間に設けられる複数のパネルとを備えて構成されており(例えば、特許文献1参照。)、その形状や構造は、重量、強度、コストなどを勘案しつつ、排出オーガの格納位置との兼ね合いで決められている。
【特許文献1】特開平9−150756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のキャビンでは、支柱としてパイプフレームを用いているため、重量の増加やコストアップを招来するだけでなく、左後部の支柱が左後方に突出して、排出オーガの格納位置に干渉する可能性がある。そのため、従来のキャビンでは、排出オーガとの干渉を避けるために、左右幅を小さくしたり、左側面パネルを排出オーガに沿って傾斜させる必要があり、その結果、キャビンの内部空間が狭くなるという問題がある。
また、キャビンには、空調装置などのホース類やコード類が引き込まれるが、従来では、ホース類やコード類をキャビンの外面部に露出状に配していたため、外観の低下を招くだけでなく、ホース類やコード類が障害物などに接触し、破損する可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであり、角部に立設される複数の支柱と、これらの支柱間に設けられる複数のパネルとを備えるコンバイン用のキャビンであって、該キャビンの左後部に立設される支柱は、左側面パネルの後端面が接続される第一の直角面部と、背面パネルの左端面が接続される第二の直角面部と、前記直角面部同士を連結する傾斜面部とを備えて構成されることを特徴とする。
また、前記直角面部及び前記傾斜面部で囲まれる空間に、ホース類及び/又はコード類を収納したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明によれば、キャビンの左後部に立設される支柱を、プレート部材の曲げ加工により形成することができるため、専用のパイプフレームに比べ、重量やコストを削減することができる。しかも、上記のように構成された支柱は、パイプフレームに比べて左後方への突出量が抑えられるため、キャビンの左右幅を小さくしたり、左側面パネルを排出オーガに沿って傾斜させることなく、排出オーガとの干渉を回避することができる。
また、請求項2の発明によれば、ホース類やコード類によってキャビンの外観が低下することを回避できるだけでなく、ホース類やコード類を支柱で保護し、その破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1はコンバインであって、該コンバイン1は、茎稈を刈り取る前処理部2と、刈り取った茎稈を脱穀し、穀粒を選別する脱穀部3と、選別した穀粒を貯溜する穀粒タンク4と、穀粒タンク4内の穀粒を機外に搬出する排出オーガ5と、脱穀済みの排稈を後処理する後処理部6と、運転席や操作具が設けられる操作部7と、操作部7を覆うキャビン8と、クローラ式の走行部9とを備えて構成されている。
【0007】
図2に示すように、コンバイン1の本機は、走行部9上に機体フレーム10を備え、その右側前部にキャビン8、右側後部に穀粒タンク4、左側に脱穀部3がそれぞれ搭載され、前処理部2は、機体フレーム10の左側前端部に連結されている。
尚、穀粒タンク4は、排出オーガ5の縦パイプ11を支点として回動自在に支持されており、この回動によって機体フレーム10上から退避可能となっている。穀粒タンク4を機体フレーム10上から機体外側方へ退避回動させると、機体フレーム10の右側後部が開放され、機体内部のメンテナンスが容易になる。
【0008】
排出オーガ5は、穀粒タンク4の後部に立設される縦パイプ11と、その上端部に連結される横パイプ12とを備えて構成される。縦パイプ11及び横パイプ12には、図示しない螺旋搬送体が組み込まれ、その搬送動作に応じて、穀粒タンク4内の穀粒が機外に搬出される。
縦パイプ11は、パイプ中心を支点として回転自在に設けられ、その回転動作に連動して横パイプ12が旋回動作される。また、縦パイプ11の上端部と横パイプ12の基端部との間には、油圧シリンダ13が介設され、その伸縮動作に応じて横パイプ12が昇降動作される。
【0009】
つまり、横パイプ12の旋回動作及び昇降動作により、横パイプ12の穀粒排出口12aを任意の位置に移動させることが可能であるが、非作業時には、横パイプ12が所定の格納位置に格納される。この格納位置は、通常、平面視において、コンバイン1の左前端部と右後端部を結ぶ対角線上に設定されており、格納された横パイプ12の中間部は、キャビン8の左後端部付近に位置することになる。
【0010】
キャビン8は、その骨格を形成するキャビンフレーム14と、該キャビンフレーム14の上部に設けられる屋根パネル15と、キャビンフレーム14の正面窓開口部16に嵌め込まれるフロントガラス17と、キャビン8の左側面を形成する左側面パネル18と、左側面パネル18の開口部18aに設けられる左サイドガラス19と、キャビン8の背面を形成する背面パネル20と、背面パネル20の開口部20aに設けられるリヤガラス21と、キャビン8の右側面後部を形成する右側面パネル22と、キャビンフレーム14の右側面前部に形成される乗降用開口部23に設けられるドア24とを備えて構成されている。
【0011】
キャビンフレーム14は、屋根枠25と、乗降用開口部23を囲むドア枠26と、キャビン8の左側前部に立設される左前部支柱27と、キャビン8の左後部に立設される左後部支柱28と、キャビン8の右後部に立設される右後部支柱29と、ドア枠26の前側中間部と左前部支柱27の下端部とを連結する横フレーム30とを備えて構成されている。
【0012】
支柱27〜29は、通常、4つの直角面部を有するパイプフレームを用いて構成されるが、本発明では、左後部支柱28において異なる構造を採用している。つまり、左後部支柱28は、左側面パネル18の後端面が接続される第一直角面部28aと、背面パネル20の左端面が接続される第二直角面部28bと、直角面部28a、28bの内側端部同士を一体的に連結する傾斜面部28cとを備えて構成されている。
【0013】
このように構成される左後部支柱28は、プレート部材の曲げ加工により容易に形成することができるので、パイプフレームに比べて重量やコストを削減することが可能になる。しかも、このように構成された左後部支柱28は、パイプフレームに比べて左後方への突出量が抑えられるため、キャビン8の左右幅を小さくしたり、左側面パネル18を排出オーガ5(横パイプ12)に沿って傾斜させることなく、排出オーガ5との干渉を回避することが可能になる。尚、左後部支柱28に対する左側面パネル18や背面パネル20の固定方法は任意であるが、最も容易なのはボルト固定である。また、図面において、31、32は、左後部支柱28の上端部や下端部に設けられる補強プレートである。
【0014】
また、上記の左後部支柱28には、直角面部28a、28b及び傾斜面部28cで囲まれる空間Sが形成される。本実施形態では、この空間Sをホース類33の配管やコード類34の配線に利用している。つまり、キャビン8には、空調装置などのホース類33やコード類34が引き込まれており、これらのホース類33やコード類34は、従来、キャビン8の外面部に露出状に配されていたため、外観の低下を招くだけでなく、ホース類33やコード類34が障害物などに接触し、破損する可能性があった。これに対して本実施形態では、直角面部28a、28b及び傾斜面部28cで囲まれる空間Sに、ホース類33やコード類34を収納しているので、キャビン8の外観が低下することを回避できるだけでなく、ホース類33やコード類34を左後部支柱28で保護し、その破損を防止することが可能になる。尚、図示は省略するが、左後部支柱28には、空間Sを塞ぐカバー部材を設けることが好ましい。このようなカバー部材を設けると、ホース類33やコード類34が完全に隠れ、キャビン8の外観を更に良好なものとできる。
【0015】
叙述の如く構成された本実施形態では、角部に立設される複数の支柱27〜29と、これらの支柱27〜29間に設けられる複数のパネル18、20とを備えるコンバイン用のキャビン8において、キャビンの左後部に立設される左後部支柱28を、左側面パネル18の後端面が接続される第一直角面部28aと、背面パネル20の左端面が接続される第二直角面部28bと、直角面部28a、28b同士を連結する傾斜面部28cとで構成したため、左後部支柱28を、プレート部材の曲げ加工により形成することが可能になる。これにより、パイプフレームで形成する場合に比べて、重量やコストを削減することができる。
【0016】
しかも、上記のように構成された左後部支柱28は、パイプフレームに比べて左後方への突出量が抑えられるため、キャビン8の左右幅を小さくしたり、左側面パネル18を排出オーガ5に沿って傾斜させることなく、排出オーガ5との干渉を回避することができる。
【0017】
また、直角面部28a、28b及び傾斜面部28cで囲まれる空間Sに、ホース類33やコード類34を収納したので、ホース類33やコード類34によってキャビン8の外観が低下することを回避できるだけでなく、ホース類33やコード類34を左後部支柱28で保護し、その破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】コンバインの平面図である。
【図2】穀粒タンクが開放されたコンバインの斜視図である。
【図3】キャビンを右後方から見た斜視図である。
【図4】キャビンを左後方から見た斜視図である。
【図5】キャビンを左前方から見た斜視図である。
【図6】キャビンフレームの平面図である。
【図7】キャビンフレーム及びパネルの斜視図である。
【図8】左後部支柱、左側面パネル及び背面パネルの分解斜視図である。
【図9】左後部支柱、左側面パネル及び背面パネルの組立て斜視図である。
【図10】左後部支柱、左側面パネル及び背面パネルの分解断面図である。
【図11】左後部支柱、左側面パネル及び背面パネルの組立て断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 コンバイン
4 穀粒タンク
5 排出オーガ
8 キャビン
11 縦パイプ
12 横パイプ
14 キャビンフレーム
15 屋根パネル
17 フロントガラス
18 左側面パネル
20 背面パネル
24 ドア
28 左後部支柱
28a 第一直角面部
28b 第二直角面部
28c 傾斜面部
33 ホース類
34 コード類
S 空間
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成15年8月18日(2003.8.18)
【代理人】 【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫

【公開番号】 特開2005−58128(P2005−58128A)
【公開日】 平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願番号】 特願2003−294426(P2003−294426)