| 【発明の名称】 |
芝刈機 |
| 【発明者】 |
【氏名】栖原 康行 【住所又は居所】大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】走行機体の下面に昇降動可能に装着したモア装置20のメンテナンスや修理に際して、着脱の手間を軽減する。
【解決手段】前リンク杆をモア装置20に着脱可能に連結する。昇降機構17に連結する後リンク杆72とモア装置20とを、連結体78を介して回動可能でかつ着脱可能に連結する。連結体78には、モア装置20に立設した支持部材60及び後リンク杆72に抜き差し可能に貫通する支軸部91と、この支軸部91から半径外向きに突出するラッチ部としてのアーム部93とを備える。支軸部91を支持部材60及び後リンク杆72に貫通させた状態でその軸線回りに回動させた場合は、アーム部93が支持部材60に設けられた係止部89に係脱するように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の下面に、ロータリ刈刃を有するモア装置を、前後一対のリンク杆を介して昇降動可能に装着し、 前記一方のリンク杆を、前記走行機体または前記モア装置に対して着脱可能に連結する一方、 前記走行機体に配置した操作手段の操作量に応じて前記モア装置を昇降動させる昇降機構を、前記他方のリンク杆に連結し、前記モア装置と前記他方のリンク杆とを、連結体を介して回動可能でかつ着脱可能に連結したことを特徴とする芝刈機。 【請求項2】 前記モア装置には、後方に向けて延びる上向き開口部を有するダクト部と、当該ダクト部の上向き開口部を覆う上カバーとを備え、この上カバーの前端部を前記モア装置に対して上下回動可能でかつ着脱可能に連結し、前記上カバーの後端部を前記走行機体に対して取付ける一方、 前記後リンク杆と前記上カバーとの間には、前記上カバーの前寄り部位を支持する吊支手段を設け、 前記モア装置を前記走行機体から取外した状態で前記操作手段を昇降操作する場合に、前記上カバーにおける前方斜め下向きの傾斜姿勢を前記操作手段の操作量に応じて変更調節可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載した芝刈機。 【請求項3】 前記連結体には、前記モア装置に設けた支持部材及び前記リンク杆に抜き差し可能に貫通する支軸部と、この支軸部から半径外向きに突出するラッチ部とを備え、 前記支持部材及び前記リンク杆に前記支軸部を貫通させた状態でその軸線回りに回動させることにより、前記ラッチ部が前記支持部材に設けられた係止部に係脱するように構成したことを特徴とする請求項1または2に記載した芝刈機。 【請求項4】 前記ラッチ部を、付勢手段により前記支持部材の係止部に係合する方向に付勢するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記載した芝刈機。 【請求項5】 前記付勢手段は、前記ラッチ部のうち前記支軸部から遠い方の端部と前記走行機体との間に装架した引張りばねであることを特徴とする請求項4に記載した芝刈機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、圃場面等の地面に植立した芝草を刈取るための芝刈機の構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、芝刈機においては、走行機体の下面に、ロータリ刈刃を有するモア装置が前後一対のリンク杆を介して昇降動可能でかつ着脱可能に装着されている。このモア装置の後部に上下回動可能に設けた筒状のダクト体は、中継ダクトを介して前記走行機体の後部に設けたキャッチャーボックスに連通している。 【0003】 この種の芝刈機では、モア装置を圃場面に這うように下降させた状態でロータリ刈刃を回転させることにより、圃場面に植立した芝草を適宜高さに刈取る。刈取られた芝草は、モア装置のダクト体から中継ダクトを経てキャッチャーボックスに搬送・収容される(例えば特許文献1参照)。 【0004】 【特許文献1】 特開2000−287520号公報 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、モア装置の内部には、刈取った芝草や泥土等が付着したり堆積したりすることがあるため、モア装置を走行機体から取外して清掃する等のメンテナンス作業は定期的に行う必要がある。前記従来の芝刈機では、モア装置を走行機体から取外し可能にする構成、すなわちモア装置と前後のリンク杆とを着脱可能に連結する構成として、主に2つのものが採用されていた。 【0006】 第1の構成は次のようなものである。すなわち、例えば頭部付きの枢支ピンの先端部に、この枢支ピンの長手方向に対して交差する方向に貫通するピン穴を穿設する。そして、モア装置の前(後)ブラケット及び前(後)リンク杆の先端部に、枢支ピンを抜き差し可能に貫通させた状態で、枢支ピンのピン穴に抜け止め用のピンを差し込み固定するのである。 【0007】 第2の構成は次のようなものである。すなわち、例えば頭部付きの枢支ピンの先端部外周に雄ねじ部を形成する。そして、モア装置の前(後)ブラケット及び前(後)リンク杆の先端部に枢支ピンを抜き差し可能に貫通させた状態で、この枢支ピンの雄ねじ部に、抜け止め用のナットをねじ込むのである。 【0008】 しかし、前記第1の構成では、モア装置と前後のリンク杆との連結を解除するにあたって、抜け止め用のピンを引き抜いたのち、枢支ピンを抜き取るという手順を踏まなければならない。また、前記第2の構成では、抜け止め用のナットを緩めて外したのち、枢支ピンを抜き取るという手順を踏まなければならない。 【0009】 このように前記第1及び第2の構成では、モア装置の取付け・取外し作業に手数がかかるため、メンテナンス時の作業性が低下するという問題があった。 【0010】 また、抜け止め用のピンまたはナットや枢支ピンは小さな部品であるため、モア装置の着脱を繰り返すうちに、これらの部品を紛失してしまうおそれがあるという問題もあった。 【0011】 そこで本発明は、以上のような問題を解消した芝刈機を提供することを技術的課題とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】 この技術的課題を解決するため、請求項1の発明に係る芝刈機は、走行機体の下面に、ロータリ刈刃を有するモア装置を、前後一対のリンク杆を介して昇降動可能に装着し、前記一方のリンク杆を、前記走行機体またはモア装置に対して着脱可能に連結する一方、前記走行機体に配置した操作手段の操作量に応じて前記モア装置を昇降動させる昇降機構を、前記他方のリンク杆に連結し、前記モア装置と前記他方のリンク杆とを、連結体を介して回動可能でかつ着脱可能に連結したというものである。 【0013】 請求項2の発明は、請求項1に記載した芝刈機において、前記モア装置には、後方に向けて延びる上向き開口部を有するダクト部と、当該ダクト部の上向き開口部を覆う上カバーとを備え、この上カバーの前端部を前記モア装置に対して上下回動可能でかつ着脱可能に連結し、前記上カバーの後端部を前記走行機体に対して取付ける一方、前記後リンク杆と前記上カバーとの間には、前記上カバーの前寄り部位を支持する吊支手段を設け、前記モア装置を前記走行機体から取外した状態で前記操作手段を昇降操作する場合に、前記上カバーにおける前方斜め下向きの傾斜姿勢を前記操作手段の操作量に応じて変更調節可能に構成したというものである。 【0014】 請求項3の発明は、請求項1または2に記載した芝刈機において、前記連結体には、前記モア装置に設けた支持部材及び前記リンク杆に抜き差し可能に貫通する支軸部と、この支軸部から半径外向きに突出するラッチ部とを備え、前記支持部材及び前記リンク杆に前記支軸部を貫通させた状態でその軸線回りに回動させることにより、前記ラッチ部が前記支持部材に設けられた係止部に係脱するように構成したというものである。 【0015】 請求項4の発明は、請求項1〜3のうちいずれかに記載した芝刈機において、前記ラッチ部を、付勢手段により前記支持部材の係止部に係合する方向に付勢するように構成したというものである。 【0016】 請求項5の発明は、請求項4に記載した芝刈機において、前記付勢手段は、前記ラッチ部のうち前記支軸部から遠い方の端部と前記走行機体との間に装架した引張りばねであるというものである。 【0017】 【発明の実施の形態】 次に、図面(図1〜図10)を参照しながら、本発明を具体化した実施形態について説明する。はじめに、主として図1及び図2を参照しながら、芝刈機の概要を説明する。図1は芝刈機の側面図、図2は芝刈機の動力伝達系統を示す平面図である。 【0018】 図1及び図2に示すように、この実施形態の芝刈機においては、平面視略門型の機体フレーム2を有する走行機体1がその左右両側の前後に配置した前後四輪3,3,4,4で支持されている。走行機体1の上面前部を覆うフロントカウル5内には、動力源としてのエンジン7が搭載されている。走行機体1の上面後部を覆うリヤカウル6内には、エンジン7からの出力を適宜変速して左右両後輪4,4に伝達するミッション機構8が配置されている。 【0019】 リヤカウル6上には運転座席9が設けられている。この運転座席9に座ったオペレータがフロントカウル5の後部に立設した操向丸ハンドル10を回動操作することにより、その操作量(回動量)に応じて左右両前輪3,3のかじ取り角(操向角度)を変えるように構成されている。運転座席10の左側には、後述するモア装置20を昇降操作する操作手段としてのモア昇降操作レバー11が前後回動可能に設けられている。 【0020】 なお、フロントカウル5の裏面(後面)側には、車速を適宜調節するための変速ペダル12と、走行機体1を制動操作するためのブレーキペダル13とが設けられている。 【0021】 走行機体1の下面のうち左右両前輪3,3と左右両後輪4,4との間には、芝刈り用のモア装置20が前後一対のリンク杆71,72を介して昇降動可能に装着されている。モア装置20は、下向き開口椀状のモアケース21内に、水平回転可能な左右一対のロータリ刈刃22,22を備えている。 【0022】 また、モアケース21の左右両側の前後には、下降時にモア装置20の高さを調節可能な4つのゲージ車輪23,23,24,24が取付けられている。モアケース21には、後向きに延びかつ上方及び後方に開放した上向き開口部25aを有するダクト部25が一体的に形成されている(図7及び図8参照)。この上向き開口部25aは断面下向きコ字状の上カバー26で覆われている(図3及び図4参照)。 【0023】 モアケース21のダクト部25と上カバー26とで囲まれた空間は、各ロータリ刈刃22で刈取った芝草をモアケース21外へ搬送する搬送通路27となっている。この搬送通路27が、走行機体1の下面のうち左右両後輪4,4の間に配置した中継ダクト14を介して、走行機体1の後部に着脱可能に設けたキャッチャーボックス15に連通している。 【0024】 従って、このモア装置20を圃場面Tに這うように下降させた状態で各ロータリ刈刃22を回転させることにより、圃場面Tに植立した芝草が適宜高さに刈取られる。各ロータリ刈刃22で刈取った芝草は、モア装置20から中継ダクト14を経てキャッチャーボックス15に搬送・収容される。 【0025】 次に、主として図1及び図2を参照しながら、芝刈機の動力伝達系統を説明する。この実施形態の芝刈機では、エンジン7の回転動力の一部を左右両後輪4,4に配分する二輪駆動方式が採用されている。 【0026】 すなわち、エンジン7の回転動力の一部は、当該エンジン7から前後外向きに突出する出力軸31の後端部から、前後両端に自在継手33,33を備えた推進軸32、リアカウル6内のうちミッション機構8よりも前方の部位に配置した走行用ギヤボックス34及び無端ベルト35を介して、ミッション機構8に伝達される。そして、このミッション機構8に左右外向きに突設した水平軸36から無端チェーン37を介して走行機体1の後ろ寄り部位に設けた左右長手の後輪駆動軸38に伝達される。その結果、後輪駆動軸38の左右両端に取付けた後輪4,4が回転駆動する。 【0027】 走行用ギヤボックス34には、前向きに突出する水平中継軸39と上向きに突出する縦中継軸40とが回転可能に軸支されている。水平中継軸39は推進軸32の後端側の自在継手33に連動連結されている。縦中継軸40は傘歯車(図示せず)を介して水平中継軸39に連動して回転するように構成されている。無端ベルト35は、縦中継軸40とミッション機構8から上向きに突出する縦軸41との間に巻き掛けられている。 【0028】 他方、エンジン7の他の回転動力は、出力軸31の前端部から、動力伝達用のベルト等の無端帯48を介して、機体フレーム2の前部に軸支したPTO軸42に伝達される。次いで、このPTO軸42から、前後両端に自在継手44,44を備えた中間軸43、モアケース21の上面のうち機体フレーム2よりも右側の部位に配置したモア用ギヤボックス45及び無端ベルト46を介して、モアケース21のうち平面視で機体フレーム2を挟んだ両側に回転可能に軸支した縦長のロータリ軸47,47に動力伝達される。その結果、各ロータリ軸47に取付けたロータリ刈刃22が回転駆動する。 【0029】 モア用ギヤボックス45には、前向きに突出する水平中継軸49と上向きに突出する縦中継軸50とが回転可能に軸支されている。水平中継軸49は中間軸43の後端側の自在継手44に連動連結されている。縦中継軸50は傘歯車(図示せず)を介して水平中継軸49に連動して回転するように構成されている。無端ベルト46は、左ロータリ軸47が平面視で時計方向(図2の矢印A方向)に回転し右ロータリ軸47が平面視で反時計方向(図2の矢印B方向)に回転するように、縦中継軸50と両ロータリ軸47,47との間に巻き掛けられている。 【0030】 従って、左ロータリ刈刃22は平面視で時計方向に回転駆動する。右ロータリ刈刃22は平面視で反時計方向に回転駆動する。これら両ロータリ刈刃22,22の回転により、搬送通路27からキャッチャーボックス15に向かって流れる搬送風が形成される。この搬送風が各ロータリ刈刃22で刈取った芝草をキャッチャーボックス15までスムーズに搬送する。 【0031】 なお、圃場にこぼれ落ちた刈取り後の芝草やほこり等がモアケース21上のモア用ギヤボックス45や無端ベルト46等に付着(堆積)することを防止するために、モア用ギヤボックス45や無端ベルト46等はカバー体28で覆われている(図1及び図4参照)。 【0032】 次に、図3、図4及び図7〜図9を参照しながら、上カバー26とモア装置20及び走行機体1との連結構造を説明する。図3はモア装置を取付けた状態での前後両リンク杆と昇降機構とモア昇降操作レバーとの連動関係を示す概略側断面図、図4は後リンク杆と昇降機構とモア昇降操作レバーとの位置関係を示す概略斜視図、図7は上カバーの概略斜視図、図8は図2のVIII−VIII視側断面図、図9は図8のIX−IX視断面図である。 【0033】 図3、図4及び図7に示すように、モアケース21のダクト部25には、上カバー26における左右両側板26a,26aの前端部が略L字状の連結ピン51,51を介して上下回動可能でかつ着脱可能に連結されている。 【0034】 この場合、上カバー26の左右側板26aとモアケース21のダクト部25とには、各連結ピン51の一端部が抜き差し可能に貫通している。上カバー26の左右側板26aの外面に固定した断面略Ω字状の係合部材53には、連結ピン51の他端部が係合部材53の弾性に抗して嵌め込まれている。従って、上カバー26の前端部は左右両連結ピン51,51を介してモアケース21に支持されている。 【0035】 他方、中継ダクト14の左右両側板14a,14aの内面には、上カバー26の左右両側板26a,26aの後端部が、左右一対の案内支持手段52,52を介して、モア装置20の昇降動に伴う上カバー26の前後動を許容した状態で支持されている。 【0036】 案内支持手段52は、上カバー26の左右側板26aに固定した前後長手で断面略L字状の案内レール55と、中継ダクト14の左右側板14aの内面に内向き突設した転動コロ56とで構成されている。案内レール55のうち左右外向きに張り出した当接板部55aが中継ダクト14の転動コロ56上を摺動することにより、上カバー26の後端部は、前後動可能な状態で中継ダクト14(ひいては走行機体1)に支持されている。 【0037】 なお、上カバー26の前端部には、上カバー26の取付け時に当該前端部がモアケース21のダクト部25に引っ掛からないように、前向きに突出する規制板54が取付けられている。 【0038】 モア装置20の後方に位置する中継ダクト14は断面下向きコ字状に形成されている(図8参照)。この中継ダクト14内の底部には、断面上向きコ字状の底カバー57が取付けられている。この底カバー57の後端部は、中継ダクト14を支持する機体フレーム2の下部フレームに、枢着ピン58,58を介して回動可能に枢着されている。底カバー57の前端部は、モア装置20の昇降動に連動して底カバー57が上下回動するように、左右一対の連杆59,59を介して、モアケース21の上面後部に立設した左右一対の支持部材60,60に連結されている(図1、図3及び図4参照)。底カバー57の左右巾寸法は、上カバー26の左右巾寸法よりも大きく、かつ中継ダクト14の左右巾寸法よりも小さくなるように設定されている。 【0039】 中継ダクト14の前端部には、その左右両側板14a,14aと上カバー26の左右両側板26a,26aとの隙間を塞ぐ軟質弾性体製のシール板61,61が設けられている。底カバー57の前端部にも、その左右両側板57a,57aとダクト部25の左右両側板との隙間を塞ぐ軟質弾性体製のシール板62,62が設けられている。中継ダクト14の各シール板61は、底カバー57の各シール板62の前面に当接している。 【0040】 次に、図3、図4及び図10を参照しながら、モア装置20を走行機体1から取外した状態で上カバー26の前端部を支持する吊支手段101の構造について説明する。図10はモア装置を取外した状態での前後両リンク杆と昇降機構とモア昇降操作レバーとの連動関係を示す概略側断面図である。 【0041】 上カバー26と後リンク杆72との間に設けた吊支手段101は、後リンク杆72の長手中途部の支持ブラケット102に形成した側面視略楕円形状の遊嵌穴103に、上カバーの左右側板から左右外向きに突出する吊支ピン体104を遊嵌した構成となっている。 【0042】 この場合、上カバー26側の吊支ピン体104と後リンク杆72側の遊嵌穴103との間では、後リンク杆72の一端部の枢着ピン77を中心とした回動方向に遊び隙間が空くように、吊支ピン体104の外径寸法と遊嵌穴103の穴径寸法との関係が設定されている。そして、走行機体1の下面にモア装置20を取付けた状態では、モア装置20の昇降動の有無に拘らず、吊支ピン体104が常時遊嵌穴103内で遊んだ状態となるように構成されている。 【0043】 従って、モア装置20の昇降動時に、吊支ピン体104が遊嵌穴103に引っ掛かることはない。換言すると、モア装置20の昇降動に伴う上カバー26の傾斜姿勢の変更が吊支ピン体104の存在により妨げられることはない。 【0044】 実施形態では、モア装置20を走行機体1から取外した状態で、左右両吊支ピン体104,104を回動中心として、上カバー26の後端部が自重により上向き回動しないようにするために、上カバー26の左右側板26aに対する左右両吊支ピン体104,104の取付け位置は、これら両者104,104を結ぶ軸線が上カバー26の重心位置より前方となるように設定されている。 【0045】 なお、例えば遊嵌穴103に貫通した吊支ピン体104の先端部に遊嵌穴103よりも大径のナットをねじ込む等することにより、吊支ピン体104は遊嵌穴103から抜け不能に構成するのが好ましい。 【0046】 次に、図1及び図3〜図6を参照しながら、モア昇降操作レバー11の操作量に応じてモア装置20を昇降動させる昇降機構17、モア装置20を昇降動可能に吊支する前後一対のリンク杆71,72、及び後リンク杆72と昇降機構17とモア装置20との連結構造について説明する。図5は後リンク杆と昇降機構とモア装置との連結構造を示す概略斜視図、図6は前リンク杆と走行機体との連結構造を示す概略斜視図である。 【0047】 図3及び図4に示すように、左右2本の後リンク杆72,72とモア昇降操作レバー11とを連結する昇降機構17は、機体フレーム2の前後中途部に回動可能に軸支された左右長手の昇降操作軸81と、モア昇降操作レバー11の長手中途部と昇降操作軸81の左先端部に固着した第1アーム82とを連結するための中間ロッド83と、昇降操作軸81の左右両端部に固着した第2アーム84,84に回動可能に枢着した昇降ロッド85,85とを備えている。 【0048】 一方、モア装置20の前部を吊支する左右2本の前リンク杆71,71の先端部は、モアケース21の前端部に固着した前ブラケット75に枢支ピン76を介して回動可能に連結されている(図1及び図3参照)。左右両前リンク杆71,71の基端部は走行機体1に対して着脱可能に連結されている。 【0049】 この場合、図6に詳細に示すように、機体フレーム2の下面前部に、平面視で前向き開口コ字状の固定ブラケット73が固着されている。この固定ブラケット73の左右両側板79,79には、前方斜め下向きに開口する支持溝80,80が形成されている。 【0050】 固定ブラケット73の左右両側板79,79を跨ぐように延びる連結軸69の両端寄り部位には、側面視略矩形状の一対の支持板70,70が固着されている。これら各支持板70には、相対向するように突出する水平ピン71aが固着されている。この水平ピン71aが前リンク杆71の基端部に回動可能に枢着されている。 【0051】 実施形態では、各支持板70がこれに対応する側板79の外面側に位置するようにして左右両支持溝80,80の下コーナ部80a,80aに引っ掛けている連結軸69を、矢印E方向(図6では時計方向)に回動させたときに、各水平ピン71aがこれに対応する支持溝80の上コーナ部80bに嵌り込むように、各支持板70に対する連結軸69と水平ピン71aとの取付け位置関係が設定されている。 【0052】 また、前述した各支持板70には、水平ピン71aを支持溝80の上コーナ部80bに嵌め込んだ状態で側板79に穿設した軸穴(図示せず)に合致する位置に、挿通穴70aが穿設されている。この状態(水平ピン71aを支持溝80の上コーナ部80bに嵌め込んだ状態)で、挿通穴70aと固定ブラケット73側の軸穴(図示せず)には、係合ピン74の短軸部(係合軸部)74aが抜き差し可能に差し込まれている。 【0053】 係合ピン74は、固定ブラケット73の側板79に支持板70を着脱可能に固定するためのものである。係合ピン74は、前述した短軸部74aと、これに略平行状に延びる長軸部74bと、これら両者をつなぐ湾曲部74cとで略J字状に形成されている。 【0054】 係合ピン74の短軸部74aを支持板70の挿通穴70aと固定ブラケット73の側板79の軸穴とに差し込んだ状態では、長軸部74bは、固定ブラケット73の側板79のみに左右摺動可能に貫通している。長軸部74bのうちその先端と側板79との間の外周部位には、圧縮ばね66が被嵌されている。また、長軸部74bの先端箇所には、圧縮ばね66の抜け出しを規制する規制部材67が取付けられている。 【0055】 圧縮ばね66で係合ピン74を常時差し込み方向(実施形態では左右中央方向)に弾力付勢することにより、係合ピン74の短軸部(係合軸部)74aは、固定ブラケット73の側板79及び支持板70から抜け不能に保持されている。 【0056】 モア装置20の後部を吊支する左右両後リンク杆72,72の一端部は、それぞれ機体フレーム2のうち左右フレーム部の前後中途部位に枢着ピン77で上下回動可能に枢着されている。左右の後リンク杆72の他端部は、これに対応するモアケース21上の支持部材60に、略H字またはh字レバー型の連結体78を介して回動可能でかつ着脱可能に連結されている(図1、図3及び図4参照)。ここで、左右両後リンク杆72,72と左右両昇降ロッド85,85と左右両支持部材60,60とは、いずれも走行機体1に対して左右対称状に配置されているので、走行機体1の進行方向左側に位置する左後リンク杆72と左昇降ロッド85と左支持部材60との連結構造を例として、以下、詳細に説明する。 【0057】 図5に詳細に示すように、左後リンク杆72の他端部と、左昇降ロッド85の下端部と、底カバー57に連結した左連杆59の前端部とは、これらを貫通する略筒状のボス部材86に対して回動可能に被嵌されている。また、モアケース21上の左支持部材60は、左右方向に適宜間隔を空けて立設した断面コ字状等の一対のブラケット片87,87で構成されている。これら両ブラケット片87,87の間に、左後リンク杆72と左昇降ロッド85と左連杆59との枢支部、すなわちボス部材86の箇所を介挿した状態で、連結体78の支軸部91を、左側(外側)のブラケット片87からボス部材86を経て右側(内側)のブラケット片87にまで抜き差し可能に貫通させている。 【0058】 連結体78は、前述した支軸部91と、この支軸部91に対して略平行状に延びる把手部92と、支軸部91の基端寄り部位と把手部92の長手中途部とをつなぐアーム部93とで略H字またはh字状に形成されている。連結体78の把手部92と昇降操作軸81との間には、付勢手段としての引張りばね94が装架されている。この引張りばね94により、連結体78の支軸部91が一対のブラケット片87,87及びボス部材86に貫通した状態で、連結体78のアーム部93は、左側(外側)のブラケット片87に設けられた係止部89に対して係止する(引っ掛かる)ように付勢される。このアーム部93が請求項に記載したラッチ部に相当する。 【0059】 図5に示すように、支軸部91の長さL1(先端からアーム部93との付け根部までの長さ)は、左ブラケット片87における外向きの突出先端面87a,87aから右ブラケット片87の支持板部87bまでの距離dよりも長くなっている。なお、把手部92における掴み部分の長さL2は、作業者が掴み易いように40mm以上に設定されている。 【0060】 以上の構成において、モア装置20を取付けた状態でモア昇降操作レバー11を前方に傾動操作させた場合は、中間ロッド83が第1アーム82を昇降操作軸81の回りに矢印D方向(図3及び図4では時計方向)に回動させることにより、昇降操作軸81と左右両第2アーム84,84とを一体的に矢印D方向に回動させる。これら第2アーム84,84が左右両昇降ロッド85,85を押し下げることにより、モア装置20が下降動する(図3の一点鎖線状態参照)。 【0061】 モア装置20を取付けた状態でモア昇降操作レバー11を後方に傾動させた場合は、中間ロッド83が第1アーム82を昇降操作軸81回りに矢印U方向(図3及び図4では反時計方向)に回動させることにより、昇降操作軸81と左右両第2アーム84,84とを一体的に矢印B方向に回動させる。これら第2アーム84,84が左右両昇降ロッド85,85を引き上げることにより、モア装置20が上昇動する(図3の実線状態参照)。 【0062】 このとき、上カバー26の前端部は左右両連結ピン51,51を介してモアケース21に連結されている。一方、上カバー26の後端部は、左右一対の案内支持手段52,52を介して、中継ダクト14の左右両側板14a,14aの内面に、モア装置20の昇降動に伴う上カバー26の前後動を許容した状態で支持されている。これにより、上カバー26の傾斜姿勢は、モア装置20が下降動するにつれて前方斜め下向きの傾斜が大きい姿勢とし(図7の実線状態参照)、モア装置20が上昇動するにつれて前方斜め下向きの傾斜が小さい姿勢とするように(図7の二点鎖線状態参照)、スムーズに変更される。 【0063】 従って、モア装置20を下降させた場合は、上カバー26が前方斜め下向きに傾斜することにより、搬送通路27の出口を大きく開口させることができるので、搬送通路27から中継ダクト14への芝草の排出効率を向上させることができる。 【0064】 実施形態では、中継ダクト14における底カバー57の後端部は、中継ダクト14を支持する機体フレーム2の下部フレームに対して、枢着ピン58,58を介して回動可能に枢着され、かつ底カバー57の前端部は、左右一対の連杆59,59を介して、モアケース21上の左右一対の支持部材60,60に連結されている。これにより、底カバー57がモア装置20の下降動に連動して前方斜め下向きに傾斜するので、中継ダクト14の入口も、搬送経路27の出口と一緒に大きく開口する。 【0065】 従って、搬送経路27を通過した芝草は、中継ダクト14内のうち底カバー57よりも高い高さ位置に導かれたのち、キャッチャーボックス15に放出されることになるので、中継ダクト14内に芝草が堆積しにくく、中継ダクト14内で芝草が詰まるおそれを確実に低減することができる。 【0066】 また、左右の案内支持手段52を、上カバー26の左右側板26aに固定した前後長手で断面略L字状の案内レール55と、中継ダクト14の左右側板14aの内面に内向き突設した転動コロ56とで構成したから、上カバー26の後端部を、モア装置20の昇降動に伴う上カバー26の前後動を許容した状態で支持することが簡単に行えるものでありながら、部品点数が少なくて済み、故障しにくいのである。また、製造コストも安価で済む。 【0067】 さらに、これら各案内支持手段52を上カバー26よりも左右外側、すなわち搬送通路27よりも外側に配置しているので、モア装置20で刈取った芝草が案内レール55と転動コロ56との間に挟まるおそれは少ない。従って、モア装置20の昇降動に連動して、上カバー26の傾斜姿勢を常時スムーズに変更することができる。 【0068】 なお、実施形態の芝刈機では、モア装置20に対するゲージ車輪23,24の高さ位置を変更調節することにより、ゲージ車輪を圃場面Tに接地させた状態でのモア装置20の刈高さ(対地高さ)を調節することができる。また、ゲージ車輪23,24の高さ位置をモア装置20の下面よりも高く設定しておき(ゲージ車輪23,24を圃場面Tに接地させない)、モア昇降操作レバー11だけでモア装置20の刈高さを調節することもできる。 【0069】 次に、走行機体1からモア装置20を取外す態様の一例について説明する。 【0070】 まず、モア昇降操作レバー11を前方に傾動させることにより、モア装置20を圃場面Tを這うように下降させる。そして、前後4つのゲージ車輪23,23,24,24を圃場面Tに接地させる(図3の一点鎖線状態参照)。 【0071】 次いで、機体フレーム2の前部に軸支したPTO軸42と、中間軸43の前端側の自在継手44との連結を解除することにより、エンジン7からモア装置20へ向かう動力伝達系統を切り離す。また、機体フレーム2側のブラケット73と各前リンク杆71とを連結する係合ピン74の短軸部74aを、圧縮ばね66の弾性に抗して左右外向きに引き抜いた状態で、連結軸69の一端部(図6では左端部)に設けたハンドル69aを矢印F方向(図6では反時計方向)に回動させることにより、走行機体1と前リンク杆71,71との連結を解除する。 【0072】 次いで、上カバー26の左右側板26aに固定した係合部材53の弾性に抗して、左右の連結ピン51をその一端部回りに矢印R1方向に(図7参照)に回動操作することにより、その他端部を係合部材53から取外したのち、前記一端部を左右外向きに引き抜くことにより、モアケース21のダクト部25と上カバー26との連結を解除する。 【0073】 また、連結体78の把手部92と昇降操作軸81との間の引張りばね94の付勢力に抗して、把手部92を支軸部91回りに矢印R2方向(図5参照)に回動操作することにより、モアケース21上の各支持部材60の係止部89と連結体78のアーム部(ラッチ部)93との係合を解除したのち、各支持部材60から連結体78の支軸部91を左右外向きに引き抜くことにより、モアケース21上の各支持部材60と、後リンク杆72、昇降ロッド85及び連杆59の枢支部であるボス部材86との連結を解除する。その後、走行機体1の下方からモア装置20を引出すのである。 【0074】 そうすると、モアケース21のダクト部25との連結が解除された上カバー26の前端部は前方斜め下向きに傾き、左右の吊支ピン体104がこれに対応する遊嵌穴103の下端に引っ掛かる。これにより、従前までモアケース21で支持されていた上カバー26の前端部は、左右両吊支手段101,101を介して左右両後リンク杆72,72で支持される(図10の一点鎖線状態参照)。このとき、上カバー26の後端部は、モア装置20を取付けた状態と同様に、左右一対の案内支持手段52,52を介して、中継ダクト14の左右両側板14a,14aの内面に支持されている。このように上カバー26は、後リンク杆72,72と案内支持手段52,52との左右2箇所ずつ(計4箇所)で吊支されることになる。 【0075】 従って、本発明に係る芝刈機によると、走行機体1側に上カバー26を残したままで、モア装置20を簡単に取外すことができるから、モア装置20のメンテナンス時の作業効率が向上するのである。また、上カバー26がない分だけモア装置20の重量は軽くなるので、走行機体1の下方からモア装置20を引出すに際して、作業者の負担を軽減することができる。 【0076】 実施形態では、左右の連結ピン51の他端部を係合部材53から取外したのち、一端部を左右外向きに引き抜くという簡単な操作により、当該連結ピン51は迅速に取外すことができるから、モアケース21に対する上カバー26の取外しをワンタッチ的に行うことができる。前記とは逆の手順を踏めば、モアケース21と上カバー26との連結も、抜け止め用のピンやナット等を用いることなく、ワンタッチ的に行える。連結ピン51の他端部は、係合部材53から弾性に抗して取外さなければならないから、上カバー26とモアケース21との連結が不用意に外れるおそれは少ない。 【0077】 アーム部(ラッチ部)93と支持部材60の係止部89との係合を解除したのち、支軸部91を左右外向きに引き抜くという簡単な操作により、左右の連結体78は迅速に取外すことができるから、後リンク杆72に対する支持部材60の取外しをワンタッチ的に行うことができる。 【0078】 実施形態では、後リンク杆72と昇降ロッド85と連杆59との枢支部(ボス部材86の箇所)を、支持部材60に連結体78を介して着脱可能に連結しているから、前述した3つの杆72,85,59に対する支持部材60の取外しを一遍に行うことができる。もちろん、前記とは逆の手順を踏めば、後リンク杆72と支持部材60との連結も、抜け止め用のピンやナット等を用いることなく、ワンタッチ的に行えることはいうまでもない。 【0079】 実施形態では、支軸部91の長さL1(図5参照)が、左ブラケット片87における外向きの突出先端面87a,87aから右ブラケット片87の支持板部87bまでの距離dよりも長くなっているので、左ブラケット片87の係止部89にアーム部93を係止させる前に、支軸部91の先端を右ブラケット片87の支持板部87bに貫通させることができる。これにより、モアケース21上の支持部材60と後リンク杆72とを確実に連結することができる。 【0080】 連結体78の把手部92と昇降操作軸81との間には、付勢手段として引張りばね94を装架しているから、連結体78の支軸部91が支持部材60及びボス部材86を貫通した状態で、連結体78のアーム部93を、引張りばね94の付勢力により、支持部材60の係止部89に常時係止することができる。従って、連結体78の支軸部91を、支持部材60及びボス部材86から抜け不能に保持することができる。換言すると、支持部材60及びボス部材86に対する支軸部91の連結が不用意に外れるおそれは少ないのである。 【0081】 また、この引張りばね94により、連結体78と昇降操作軸81とをつないでいるから、モア装置20の着脱を繰り返すうちに連結体78を紛失するというおそれもない。しかも、把手部92と昇降操作軸81との間に引張りばね94を装架しておけば、簡単な構造となり、製造コストが嵩むこともない。 【0082】 実施形態では、アーム部93のうち支軸部91から遠い方の端部に、支軸部91に対して略平行状に延びる把手部92を形成しているから、連結体78を支軸部91回りに回動させるに際して、この把手部92を掴めば回動操作し易い。これにより、アーム部93を支持部材60の係止部89に対して簡単に係脱させることができる。 【0083】 走行機体1と左右両前リンク杆71,71とを連結する構成において、係合ピン74の長軸部74bのうちその先端と側板79との間の外周部位には圧縮ばね66を被嵌しているから、係合ピン74の短軸部74aを、圧縮ばね66の付勢力により、支持板70の挿通穴70a及び固定ブラケット73における側板79の軸穴に常時差し込み固定することができる。従って、支持板70及び側板79に対する短軸部74aの嵌合が不用意に外れるおそれは少ない。 【0084】 また、この圧縮ばね66により、係合ピン74は固定ブラケット73の側板79に抜け不能に保持されるから、モア装置20の着脱を繰り返すうちに係合ピン74を紛失するというおそれもないのである。 【0085】 一方、後リンク杆72と昇降ロッド85と連杆59とはボス部材86を介して一体的に回動可能に枢支されているから、モア昇降操作レバー11を後傾動させれば、中間ロッド83を介して第1アーム82と昇降操作軸81と左右両第2アーム84,84とが一体的に矢印U方向(図10では反時計方向)に回動する。そして、これら第2アーム84,84が左右両昇降ロッド85,85を引き上げることにより、中継ダクト14の底カバー57とともに上カバー26を上昇させることができる(図10の実線状態参照)。 【0086】 従って、モア装置20の取付け時には、モア装置20との位置合わせのために作業者が上カバー26を手で抱え上げたりする必要がなく、作業者の負担を著しく低減することができる。 【0087】 さらに、モア昇降操作レバー11の後傾動操作をすることにより上カバー26を上昇位置に保持しておけば、走行機体1の下方にモア装置20を配置するスペースを大きく確保することができるから、モア装置20の取付け時に上カバー26の存在が邪魔にならない。従って、取付け作業の作業効率の向上に寄与することができる。 【0088】 上カバー26の下方にモア装置20を配置したのち、モア昇降操作レバー11の前傾動操作をすることにより、上カバー26をその内径側にモアケース21のダクト部25が嵌るように下降させれば、モア装置20と上カバー26との位置決めも簡単に行える。これにより、モア装置20を効率よく短時間で取付けることができるのである。 【0089】 なお、上カバー26を上昇位置に保持しておけば、モア装置20を取外したままであっても、走行機体1を安全に走行させることができる。 【0090】 実施形態で採用した吊支手段101は、後リンク杆72の支持ブラケット102に形成した遊嵌穴103に、上カバー26の左右側板26aに突設した吊支ピン体104を遊嵌するという簡単な構成であるから、走行機体1からモア装置20を取外した状態で、モア昇降操作レバー11の前後傾動操作により上カバー26を昇降動させることが簡単に行えるものでありながら、部品点数が少なくて済み、故障しにくい。また、製造コストも安価で済む。 【0091】 しかも、各吊支手段101は、前述した案内支持手段52と同様に、上カバー26よりも左右外側、すなわち搬送通路27よりも外側に配置されているので、モア装置20で刈取った芝草が遊嵌穴103内に詰まったり吊支ピン体104に引っ掛かるおそれは少ない。従って、モア装置20を取付けた状態で、モア装置20の昇降動に伴う上カバー26の傾斜姿勢の変更が妨げられるおそれを著しく低減することができる。 【0092】 本発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えばモア装置20の前部と前リンク杆71とを連結体78を介して着脱可能に連結する構成としてもよい。この場合、モア装置20の前ブラケット75が請求項に記載した支持部材に相当する。もちろん、前後両方のリンク杆とモア装置とを連結体を介して着脱可能に連結する構成としてもよい。 【0093】 本発明に係る連結体は、前述の実施形態のものに限らず、例えば支持部材及びリンク杆に抜き差し可能に貫通する支軸部に、板ばね等の弾性板からなるラッチ爪体を取付けたものであってもよい。この場合、ラッチ爪体が請求項に記載したラッチ部に相当する。前記支持部材に設けられた係止部としての係止穴に、前記ラッチ爪体を弾性に抗して係脱するように構成すれば、前記リンク杆に対する前記支持部材の取外しをワンタッチ的に行うことができる。 【0094】 本発明に係る付勢手段は、例えばラッチ部に取付けた板ばねでもよい。この場合、前記板ばねをモア装置の上面に当接させることにより、前記ラッチ部を支持部材の係止部に係合する方向に付勢する構成とすれば、リンク杆に対する支持部材の取外しをワンタッチ的に行うことができる。支持部材の形状が図示のものに限定されないのはいうまでもない。 【0095】 請求項に記載した「ラッチ部のうち支軸部から遠い方の端部」とは、実施形態における把手部92をも含む意である。本発明に係る連結体の把手部は、支軸部の一端から半径外向きに突設しても差し支えない。この場合も、前記連結体を前記支軸部回りに回動させるに際して、前記把手部を掴めば回動操作しやすい。 【0096】 上カバー26の走行機体1に対する取付け態様は、前述のような案内支持手段を用いることに限らず、上カバー26の後端部を中継ダクト14に嵌め込む構成であってもよい。この場合、上カバー26の後端部を、例えば各連結ピン51に被嵌したねじりばねの付勢力により、常時中継ダクト14内の前端上部に位置するように構成すればよい。 【0097】 案内支持手段は、上カバー26の左右両側板26a,26aの外面に左右外向きに突設した転動コロと、中継ダクト14の左右両側板14a,14aの内面に設けた断面略L字状の案内レールとで構成してもよい。この場合は、各案内レール上に転動コロが配置されることになる。この構成でも、前述の実施形態と同様に、上カバー26の傾斜姿勢を、モア装置20が下降動するにつれて前方斜め下向きの傾斜が大きい姿勢とし、モア装置20が上昇動するにつれて前方斜め下向きの傾斜が小さい姿勢とするように、スムーズに変更することができる。 【0098】 この場合、転動コロが転がり得る案内レール上に、ほこり等が付着(堆積)すると、転動コロが案内レール上をスムーズに転動しなくなるおそれがあるので、前述の実施形態の構成、すなわち案内レールを上カバー側に、転動コロを走行機体側に設けるという構成の方がより好ましい。 【0099】 また、上カバー26(または走行機体1)側に設けた左右外向き(内向き)開口コ字状の案内レール内に、走行機体1(上カバー26)側に設けた転動コロを嵌め込むように構成しても差し支えない。 【0100】 また、前述した案内レール及び転動コロに代えて、上カバー26(または走行機体1)側に設けた摺動軸と、この摺動軸が摺動可能に嵌るように走行機体1(または上カバー26)側に形成した摺動溝とにより、案内支持手段を構成した場合も、上カバー26の傾斜姿勢をスムーズに変更するという機能を発揮することが可能である。 【0101】 吊支手段101は、上カバーの左右側板に形成した遊嵌穴に、左右の後リンク杆72,72から左右内向きに突出する吊支ピン体を遊嵌した構成でもよい。 【0102】 【発明の効果】 請求項1の発明によると、前後一対のリンク杆のうち一方のリンク杆は、走行機体またはモア装置に対して着脱可能に連結されている。また、昇降機構に連結する他方のリンク杆と前記モア装置とは、連結体を介して回動可能でかつ着脱可能に連結されている。これにより、芝刈機におけるモア装置の着脱作業を簡単に実行でき、前記モア装置のメンテナンス時の作業効率が向上するという効果を奏する。 【0103】 特に、前記他方のリンク杆と前記モア装置とは、連結体を介して着脱可能となっているから、抜け止め用のピンやナット等を用いなくても、前記他方のリンク杆と前記モア装置との取付け・取外しを簡単に行えるという効果を奏する。 【0104】 請求項2の発明においては、前記モア装置には、後方に向けて延びる上向き開口部を有するダクト部と、当該ダクト部の上向き開口部を覆う上カバーとを備えている。この上カバーの前端部は前記モア装置に対して上下回動可能でかつ着脱可能に連結されている。前記上カバーの後端部は前記走行機体に対して取付けられている。一方、前記後リンク杆と前記上カバーとの間には、前記上カバーの前寄り部位を支持する吊支手段を設けている。このように構成すると、前記走行機体の方に前記上カバーを残したままで、前記モア装置を前記走行機体から簡単に取外すことができるから、前記モア装置のメンテナンス時の作業効率がより向上するという効果を奏する。 【0105】 また、前記モア装置を前記走行機体から取外した状態で前記操作手段を昇降操作する場合に、前記上カバーにおける前方斜め下向きの傾斜姿勢を前記操作手段の操作量に応じて変更調節可能に構成しているから、前記モア装置の取付け時には、前記モア装置との位置合わせのために作業者が前記上カバーを手で抱え上げたりする必要がない。従って、作業者の負担を著しく低減することができるという効果を奏する。 【0106】 請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係る連結体の構成を具体化したものである。この構成においては、前記連結体には、前記モア装置に設けた支持部材及び前記リンク杆に抜き差し可能に貫通する支軸部と、この支軸部から半径外向きに突出するラッチ部とを備えている。前記支持部材及び前記リンク杆に前記支軸部を貫通させた状態でその軸線回りに回動させた場合は、前記ラッチ部は前記支持部材に設けられた係止部に係脱するように構成されている。 【0107】 従って、前記連結体のラッチ部と前記支持部材の係止部との係合を解除したのち、前記連結体の支軸部を左右外向きに引き抜くという簡単な操作で、前記連結体を迅速に取外すことができるから、前記リンク杆に対する前記支持部材の取外しをワンタッチ的に行えるという効果を奏する。また、前記とは逆の手順を踏めば、前記リンク杆と前記支持部材との連結も、抜け止め用のピンやナット等を用いることなく、ワンタッチ的に行えるという効果を奏する。 【0108】 請求項4の発明によると、前記連結体のラッチ部は、前記支軸部を前記支持部材及び前記リンク杆に抜き差し可能に貫通させた状態で、付勢手段により前記支持部材の係止部に係合する方向に付勢されるから、前記付勢手段の付勢力で、前記ラッチ部を前記支持部材の係止部に常時係止することができる。これにより、前記連結体の支軸部を、前記支持部材及び前記リンク杆から抜け不能に保持することができるという効果を奏する。 【0109】 請求項5の発明は請求項4の発明を具体化したものである。より詳しくは、前記付勢手段として、前記ラッチ部のうち前記支軸部から遠い方の端部と前記走行機体との間に引張りばねを装架したというものである。 【0110】 このように構成すると、前記引張りばねにより、前記連結体と前記走行機体とをつないでいるから、請求項4の発明による効果に加えて、前記モア装置の着脱を繰り返すうちに前記連結体を紛失するおそれがないという効果を奏する。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る芝刈機の側面図である。 【図2】芝刈機の動力伝達系統を示す平面図である。 【図3】モア装置を取付けた状態での前後両リンク杆と昇降機構とモア昇降操作レバーとの連動関係を示す概略側断面図である。 【図4】後リンク杆と昇降機構とモア昇降操作レバーとの位置関係を示す概略斜視図である。 【図5】後リンク杆と昇降機構とモア装置との連結構造を示す概略斜視図である。 【図6】前リンク杆と走行機体との連結構造を示す概略斜視図である。 【図7】上カバーの概略斜視図である。 【図8】図2のVIII−VIII視側断面図である。 【図9】図8のIX−IX視断面図である。 【図10】モア装置を取外した状態での前後両リンク杆と昇降機構とモア昇降操作レバーとの連動関係を示す概略側断面図である。 【符号の説明】 1 走行機体 11 操作手段としてのモア昇降操作レバー 14 中継ダクト 17 昇降機構 20 モア装置 21 モアケース 25 ダクト部 26 上カバー 51 連結ピン 52 案内支持手段 55 案内レール 56 転動コロ 60 支持部材 71 前リンク杆 72 後リンク杆 76 枢支ピン 78 連結体 81 昇降操作軸 82 第1アーム 83 中間ロッド 84 第2アーム 85 昇降ロッド 86 ボス部材 87 ブラケット片 89 係止部 91 支軸部 92 把手部 93 アーム部 94 付勢手段としての引張りばね 101 吊支手段 103 遊嵌穴 104 吊支ピン体
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006781 【氏名又は名称】ヤンマー株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
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| 【出願日】 |
平成15年6月13日(2003.6.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079131 【弁理士】 【氏名又は名称】石井 暁夫
【識別番号】100096747 【弁理士】 【氏名又は名称】東野 正
【識別番号】100099966 【弁理士】 【氏名又は名称】西 博幸
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| 【公開番号】 |
特開2005−107(P2005−107A) |
| 【公開日】 |
平成17年1月6日(2005.1.6) |
| 【出願番号】 |
特願2003−168778(P2003−168778) |
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