| 【発明の名称】 |
乗用芝刈機 |
| 【発明者】 |
【氏名】辻 英和 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】岡元 傑 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】榎本 和加雄 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】左右の後輪の間に最大限の排草ガイドの断面を確保して草詰まりを防止し、効率よく芝刈りすることができる乗用芝刈機を提供する。
【解決手段】乗用芝刈機1は、前輪2,2と後輪3,3との間に懸装した芝刈用のモア装置5と、このモア装置5から機体中央を後方に延びる排草ガイド10と、同モア装置5の上方位置に装荷されて後輪動力を差動機構25によって差動出力する左右の差動軸26,26を備えた後輪伝動機8と、その差動軸26,26から動力を受けて対応側の後輪支軸3a,3aに伝動する左右の車輪伝動手段11,11とを備えて構成され、上記左右の車輪伝動手段11,11は、排草ガイド10の全幅を超える外側位置に同排草ガイド10の外側に沿って互いに平行に配置する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前輪2,2と後輪3,3との間に懸装した芝刈用のモア装置5と、このモア装置5から機体中央を後方に延びる排草ガイド10と、同モア装置5の上方位置に配置されて後輪動力を差動機構25によって差動出力する左右の差動軸26,26を備えた後輪伝動機8と、その差動軸26,26から動力を受けて対応側の後輪支軸3a,3aに伝動する左右の車輪伝動手段11,11とを備える乗用芝刈機において、 上記左右の車輪伝動手段11,11は、排草ガイド10の全幅を超える外側位置に同排草ガイド10の外側に沿って互いに平行に配置してなることを特徴とする乗用芝刈機。 【請求項2】 前記左右の車輪伝動手段11,11は、左右の差動軸26,26から動力を受けて対応側の後輪支軸3a,3aにそれぞれ伝動する左右のチェーン伝動機構によりなることを特徴とする請求項1記載の乗用芝刈機。 【請求項3】 前記左右のチェーン伝動機構11,11には、それぞれにチェーンケース12,12を設け、その後輪側の端部を互いに連結する接続部材13を備えることを特徴とする請求項2記載の乗用芝刈機。 【請求項4】 前記後輪伝動機8には、機体フレーム4に搭載したエンジン6の動力をポンプ部21aとモータ部21bとにより無段変速入力する静油圧式無段変速機21を備え、この静油圧式無段変速機21は、そのポンプ部21aとモータ部21bの回転軸線を並列して平置き姿勢に配置してなることを特徴とする請求項1記載の乗用芝刈機。 【請求項5】 前記後輪伝動機には、前記左右の差動軸26,26をそれぞれの側方に突出可能に軸支するとともに、差動機構25のデフケース32に伝動する中間ギヤ軸24をその側方に突出可能に軸支し、左右の差動軸26,26および中間ギヤ軸24から選択可能にその突出部にブレーキ装置31,35,35を装着したことを特徴とする請求項1記載の乗用芝刈機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、前輪と後輪との間の機体フレーム下に芝刈用のモア装置を懸装した乗用芝刈機に関し、特に、左右の後輪の間に最大限の排草ガイドの断面を確保して効率よく芝刈りすることができる乗用芝刈機に関する。 【0002】 【従来の技術】 前輪と後輪との間に芝刈用のモア装置を懸装した乗用芝刈機が知られている。その後輪伝動系は、たとえば、特許文献1の図4に記載のように、エンジンの動力を左右の差動軸に分ける差動機構と、この差動機構の左右の差動軸からベベルギヤ機構によって回転動力を受ける車輪伝動軸を後輪支軸との間に設けて構成される。この左右の車輪伝動軸は、機体中央の差動機構から機体側部の後輪に伝動するために、末広がりのハの字状に傾斜して配置される。 【特許文献1】特開2001−327211号公報 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記構成の乗用芝刈機は、モア装置からその後方に延出する排草ガイドが左右の後輪の間に配置されていることから、排草ガイドの断面形状は、上記ハの字状に傾斜する左右の車輪伝動軸によって必然的に通路断面積が制約を受けることとなり、この排草ガイド内を刈芝が送り出されることによって刈芝が詰まりを生じた場合は、詰まった刈芝を取り除くために芝刈作業を中断せざるを得ないので、予定していた芝刈スケジュールに支障を生じる事態を招くという問題があった。 【0004】 本発明の目的は、左右の後輪の間に最大限の排草ガイドの断面を確保して効率よく芝刈りすることができる乗用芝刈機を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、前輪と後輪との間に懸装した芝刈用のモア装置と、このモア装置から機体中央を後方に延びる排草ガイドと、同モア装置の上方位置に配置されて後輪動力を差動機構によって差動出力する左右の差動軸を備えた後輪伝動機と、その差動軸から動力を受けて対応側の後輪支軸に伝動する左右の車輪伝動手段とを備える乗用芝刈機において、上記左右の車輪伝動手段は排草ガイドの全幅を超える外側位置に同排草ガイドの外側に沿って互いに平行に配置してなることを特徴とする。 【0006】 上記構成の乗用芝刈機1は、機体フレームに装荷された後輪伝動機8の両側方で排草ガイド10の全幅を超える位置に左右の車輪伝動手段を配置したことから、後輪伝動機の下方に排草ガイドの全幅に亘る空間が確保され、また、左右の車輪伝動手段を排草ガイドの外側位置に平行配置したことから、排草ガイドの全幅に亘る空間を迂回するようにして最大限度の排草ガイドの断面形状を確保しつつ左右の車輪伝動手段によって差動軸から後輪支軸に動力が伝達される。 【0007】 請求項2に係る発明は、前記左右の車輪伝動手段は、左右の差動軸から動力を受けて対応側の後輪支軸にそれぞれ伝動する左右のチェーン伝動機構によりなることを特徴とする。上記車輪伝動手段をチェーン伝動機構によって構成することにより、幅方向寸法を抑えつつ、減速比を大きく設定することができるので、後輪伝動機の構成と両後輪の外側幅寸法をともに小さく構成することができる。 【0008】 請求項3に係る発明は、前記左右のチェーン伝動機構には、それぞれにチェーンケースを設け、その後輪側の端部を互いに連結する接続部材を備えることを特徴とする。上記左右の車輪伝動手段は、チェーンケースの端部が互いに接続部材によって連結補強されることにより、後輪支持剛性を向上することができる。 【0009】 請求項4に係る発明は、前記後輪伝動機には、機体フレームに搭載したエンジンの動力をポンプ部とモータ部とにより無段変速入力する静油圧式無段変速機を備え、この静油圧式無段変速機は、そのポンプ部とモータ部の回転軸線を並列して平置き姿勢に配置してなることを特徴とする。上記後輪伝動機は、静油圧式無段変速機によりエンジン動力を無段階に変速調節して受け、また、ポンプ部とモータ部の両軸線を並列して平置き姿勢とすることにより、高さ方向寸法が最小限度に抑えられる。 【0010】 請求項5に係る発明は、前記後輪伝動機には、前記左右の差動軸をそれぞれの側方に突出可能に軸支するとともに、差動機構のデフケースに伝動する中間ギヤ軸をその側方に突出可能に軸支し、左右の差動軸および中間ギヤ軸から選択可能にその突出部にブレーキ装置を装着したことを特徴とする。上記後輪伝動機は、中間ギヤ軸および左右の差動軸についてブレーキ装置の装着を選択することによって、差動機構の入力側または出力側を拘束する2種類のブレーキ方式の選択が可能となるので、主要部材を共通化しつつ幅広い仕様に対応することができる。 【0011】 【発明の効果】 本発明の乗用芝刈機は以下の効果を奏する。 上記構成の乗用芝刈機は、左右の後輪の伝動系が排草ガイドを迂回して最大限度の排草ガイドの断面形状を確保しつつ、車輪伝動手段によって左右の後輪に伝動することができることから、左右の後輪の間に最大限の排草ガイドの断面が確保されることにより、刈芝の詰まりが防止できるので効率よく芝刈りすることができる 【0012】 前記車輪伝動手段をチェーン伝動機構によって幅方向寸法を抑えつつ減速比を大きく設定できるように構成した場合は、後輪伝動機の構成と両後輪の外側幅寸法を小さく、かつ、小型の伝動機によりモア装置の昇降高さを大きく確保することができるので、移動走行性を向上することができる。 【0013】 前記左右の車輪伝動手段の間に接続部材を設けた場合は、後輪支持剛性を確保することにより、車輪伝動手段の構成を簡易化することができる。 【0014】 前記後輪伝動機の静油圧式無段変速機を平置き姿勢とした場合は、高さ方向寸法を最小限度に抑えることができるので、後輪伝動機下方のモア装置の昇降範囲を大きく確保して移動走行性を向上することができる。 【0015】 上記後輪伝動機の2種類のブレーキ方式の選択を可能とした場合は、主要部材を共通化しつつ幅広い仕様に対応することができる。 【0016】 【発明の実施の形態】 上記技術思想に基づき具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。 【0017】 乗用芝刈機1は、図1の全体側面図のように、前輪2,2と後輪3,3とによって機体フレーム4を支持し、前輪2,2と後輪3,3との間で機体フレーム4の下方にモア装置5を昇降可能に懸装して構成される。機体フレーム4には、前部にエンジン6とモア装置5用のPTO7、中間部に後輪伝動機8、後部に座席9と排草ガイド10を装荷する。芝刈稼動時は、さらに、排草ガイド10の後部に図示せぬコレクタを装着する。 【0018】 機体フレーム4は、機体の長手方向に並行する左右のサイドビーム4a,4aによって構成し、この左右のサイドビーム4a,4aの間には、モア装置5の昇降スペースを確保した高さ位置に後輪伝動機8を配置する。この後輪伝動機8と左右の後輪3,3との間には、左右のサイドビーム4a,4aの外側位置にファイナルギヤとしてのチェーン伝動機構(車輪伝動手段)11,11を介設して後輪伝動系を構成する。 【0019】 チェーン伝動機構11,11は、図2の後輪伝動系の拡大側面図、図3の後輪伝動系の拡大平面図に示すように、後輪伝動機8の両側部に取付けたチェーンケース12,12内に構成する。このチェーンケース12,12は、左右のサイドビーム4a,4aの外側に後ろ下がりに傾斜して固定し、その後端に各後輪3,3の支軸3a,3aを軸支するとともに、剛性補強のために左右間をシム調節可能に接続部材13で連結する。左右のサイドビーム4a,4aの内側には、矩形断面の排草ガイド10を機体の長手方向に取付ける。 【0020】 後輪伝動機8は、その拡大平面断面図を図4に示すように、エンジン動力を受けるHSTと通称する静油圧式無段変速機21を入力側に設け、その変速動力を出力する変速軸22に対してベベルギヤ機構23を介して直交噛合する車幅方向の中間ギヤ軸24、この中間ギヤ軸24から差動機構25を介して左右に出力する差動軸26,26をミッションケース27に軸支して構成する。 【0021】 静油圧式無段変速機21は、ポンプ部21aとモータ部21bとが回転軸線を並列配置して一体に構成され、図4のA矢視図を示す図5のように、その両回転軸線を水平に寝かせて平置き姿勢とし、その高さ方向寸法を小さく抑えて配置する。また、ポンプ部21aの軸線を機体の長手方向にエンジン6の出力軸線と合わせてユニバーサルジョイント等によりエンジン動力を受け、その伝動損失を最小限度に抑えるように可撓連結する。 【0022】 中間ギヤ軸24は、差動機構25に伝動するギヤ24aを備えるとともに、その一端をミッションケース27から突出し、必要によりブレーキ装置31を取付ける。ブレーキ装置31は、ミッションケース27の外側にボス31aを延出し、このボス31aに取付板31bを介して取付け、そのアーム31cの回動により内拡動作して中間ギヤ軸24を拘束することにより、差動機構25をその入力側で固定する。ブレーキ装置31を設けない場合は、軸端を覆うカバーを取付ける。 【0023】 差動機構25は、中間ギヤ軸24から動力を受けるデフケース32をミッションケース27に軸支する。このミッションケース27の両側部にアクスルケース33,33を突設し、その内部に左右の差動軸26,26をそれぞれ挿通軸支する。 【0024】 左右のアクスルケース33,33の側端には、排草ガイド10の全幅を超える位置にチェーンケース12,12を取付け、両差動軸26,26の端部にチェーン伝動機構11,11のスプロケットホイール34,34を連結する。このスプロケットホイール34,34を拘束するブレーキ装置35,35をチェーンケース12,12の外側に取付ける。各ブレーキ装置35は、アクスルケース33にスペーサ33aを介して収納ケース35aを取付け、この収納ケース35aを蓋35bで閉じてその内側に取付ける。それぞれのブレーキ装置35にはアーム35aを備えてその回動によって内拡動作し、そのスプロケットホイール34を介してそれぞれの後輪支軸3a,3aを個別に拘束固定する。この両ブレーキ装置35,35は、中間ギヤ軸24のブレーキ装置31と択一的に構成配置する。ブレーキ装置35を設けない場合は盲蓋で塞ぐ。 【0025】 上記構成の乗用芝刈機1は、機体後部に図示せぬコレクタを装着し、モア装置5を地面まで下降して芝刈稼動しつつ走行する。走行動力は、エンジン6から後輪伝動機8の差動軸26,26によって左右に分岐され、チェーン伝動機構11,11によって後輪3,3に伝動される。このチェーン伝動機構11,11は、機体フレーム4に装荷された後輪伝動機8の両側方で排草ガイド10の全幅を超える位置に配置したことから、後輪伝動機8の下方に排草ガイド10の全幅に亘る空間が確保される。また、左右のチェーン伝動機構11,11を排草ガイド10の外側位置に平行配置したことから、排草ガイド10の全幅に亘る空間を迂回するようにして左右のチェーン伝動機構11,11が左右の差動軸26,26から後輪支軸3a,3aに動力を伝達することができる。 【0026】 したがって、上記乗用芝刈機1は、左右の後輪3,3の伝動系が排草ガイド10を迂回して最大限度の断面形状を確保しつつ、チェーン伝動機構11,11によって左右の後輪に伝動することができる。その結果、左右の後輪の間に最大限の排草ガイド10の断面を確保して刈草の詰まりを防止することができ、効率よく芝刈りすることができる。 【0027】 上記チェーン伝動機構11,11は、幅方向寸法を抑えた車輪伝動手段により減速比の大きいファイナルギヤを構成することができるので、車幅方向寸法を抑えるとともに、後輪伝動機8の減速比の余裕によって差動機構25を小さく構成することができる。したがって、後輪伝動機8は、平置き姿勢の静油圧式無段変速機21を含め、上下方向寸法を小さく薄型に構成することができるので、この薄型化によってモア装置5の昇降高さを確保して移動走行性を向上することができる。 【0028】 上記後輪伝動機8の2系統のブレーキ装置は、中間ギヤ軸24を拘束する簡易な構成の標準仕様(デフ前ブレーキ仕様)と、左右の差動軸26,26を拘束する公的仕様(左右独立ブレーキ仕様)を共通のミッション構成について選択することができるので、主要部材を共通化しつつ幅広い仕様に対応することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の乗用芝刈機の全体側面図 【図2】後輪の伝動系の拡大側面図 【図3】後輪伝動系の拡大平面図 【図4】後輪伝動機の拡大平面断面図 【図5】図4のA矢視図 【符号の説明】 1 乗用芝刈機 2 前輪 3 後輪 3a,3a 支軸 4 機体フレーム 4a,4a サイドビーム 5 モア装置 6 エンジン 8 後輪伝動機 10 排草ガイド 11 チェーン伝動機構(車輪伝動手段) 12 チェーンケース 13 接続部材 21 静油圧式無段変速機 21a ポンプ部 21b モータ部 22 変速出力軸 24 中間ギヤ軸 25 差動機構 26 差動軸 27 ミッションケース 31 ブレーキ装置 35 ブレーキ装置
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成15年6月12日(2003.6.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077779 【弁理士】 【氏名又は名称】牧 哲郎
【識別番号】100078260 【弁理士】 【氏名又は名称】牧 レイ子
【識別番号】100086450 【弁理士】 【氏名又は名称】菊谷 公男
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| 【公開番号】 |
特開2005−87(P2005−87A) |
| 【公開日】 |
平成17年1月6日(2005.1.6) |
| 【出願番号】 |
特願2003−167628(P2003−167628) |
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