| 【発明の名称】 |
移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】野坂 晃 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】植付作業機の前方に整地ロータを設け、整地ロータを圃場面に接地する作用位置と圃場面から離間した収納位置に変更可能になした移植機において、整地ロータの駆動を停止して圃場に接地させた状態で走行しても圃場面を荒らさない移植機を得る。
【解決手段】整地ロータ12の駆動系における動力の断続手段の伝動下手側に、整地ロータ12の順方向回転を許容する自由回転手段を介装した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植付作業機の前方に整地ロータを設け、当該整地ロータを圃場面に接地する作用位置と圃場面から離間した収納位置に変更可能になした移植機において、 前記整地ロータの駆動系における動力の断続手段の伝動下手側に、整地ロータの順回転を許容する自由回転手段を介装したことを特徴とする移植機。 【請求項2】 前記自由回転手段を一方向クラッチとしたことを特徴とする請求項1に記載の移植機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、植付作業機の前方に駆動回転することによって圃場を整地する整地ロータを備えた移植機に関する。 【背景技術】 【0002】 植付作業機の前方に整地ロータを設け、当該整地ロータを圃場面に接地する作用位置と圃場面から離間した収納位置に変更可能になした移植機は既に知られている(特許文献1参照。)。 【0003】 【特許文献1】特開2004−65112号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、従来公知の特許文献1に記載のものは、植付位置の前方の圃場面を整地しながら植付装置によって苗を植え付ける際には整地ロータを接地させ、且つ整地ロータを駆動回転して植付走行を行い、また上記整地を行わずに苗を植え付ける際には整地ロータの駆動を停止し、且つ整地ロータを圃場面に接地しないように収納位置に上昇させて植付走行を行うものであるが、ここで整地ロータへの駆動力の伝達を断ち、整地ロータを接地させた状態で植付走行を行うと整地ロータの駆動系の抵抗によって整地ロータの自由回転が阻害されて、整地ロータによる泥押しが発生し、かえって圃場面を荒らしたり、隣接する既植条側に泥土を押しやり既植苗を倒してしまうおそれがあった。 本発明の目的は、上記従来の不具合を改善する点にある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明は、植付作業機の前方に整地ロータを設け、当該整地ロータを圃場面に接地する作用位置と圃場面から離間した収納位置に変更可能になした移植機において、前記整地ロータの駆動系における動力の断続手段の伝動下手側に、整地ロータの順回転を許容する自由回転手段を介装したことを第1の特徴とする。 また、前記自由回転手段を一方向クラッチとしたことを第2の特徴とする。 【発明の効果】 【0006】 本発明の移植機は、整地ロータの駆動系における動力の断続手段の伝動下手側に、整地ロータの順回転を許容する自由回転手段を介装したので、整地ロータへの駆動力の伝達を断った状態において、整地ロータが圃場面から受ける後方への走行抵抗によって順方向に自由回転し、それにより、枕地等の荒れた圃場面での植付作業から、整地を必要としない圃場面での作業に移行する場合に、整地ロータを接地させた状態で、且つ駆動回転させないで仮に走行した際にも、移植機の走行に伴って圃場面から受ける走行抵抗によって整地ロータが自由回転するため、整地ロータの引きずりによる泥押しの発生を抑え、圃場面の荒れを抑えることができる。 また、自由回転手段を一方向クラッチとしたので、簡単な構成で自由回転手段を構成することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。 【0008】 図1において、本発明の移植機の一例である乗用型田植機1は、走行機体2の後部に植付作業機3を油圧リンク機構4を介して昇降可能に設けており、走行機体2の下部には夫々左右一対の前輪5a,5a、と後輪5b,5bを備えている。 また、機体の前部には図示しないエンジン、油圧式無段変速装置、及びトランスミッションケースを設けており、エンジンから取り出された動力は、油圧式無段変速装置を介してトランスミッションケース内の動力伝達装置によって走行動力と、植付動力に分配され、前記前輪5a,5a、後輪5b,5b、及び植付作業機3に伝達される。 【0009】 前記植付作業機3について詳述すると、油圧リンク機構4の後端部にはローリング軸を介して植付横フレーム6が横設されており、該植付横フレーム6から上方に苗載台支持フレーム7が立設されて、苗載台8の上部を左右摺動自在に支持している。 また植付横フレーム6の後下部には複数のプランターケース9が取り付けられており、該プランターケース9に苗の植付け用のビーク10が設けられている。 また、プランターケース9の下方には、複数のフロート11が左右方向に隣接して設けられており、本乗用型田植機1は、フロート11が圃場面に接地するように植付作業機3を下降させ、走行機体2を走行させながらビーク10を駆動することによって、ビーク10が苗載台8上の苗を掻きとって圃場に植え付ける構造となっている。 さらに、図1、及び図2に示すように、植付作業機3側には、フロート11の前方且つ後輪5b,5bの後方に、複数の整地ロータ12が植付作業機3の略全幅にわたってロータ軸13(回転軸)に軸支されて設けられており、該整地ロータ12を圃場面に接地させて駆動回転させることによって枕地等の荒れた圃場面の整地を行い、整地後の圃場面に苗を植付けることが可能となっている。 【0010】 次に、図2、図3、及び図4に基いて上記整地ロータ12の支持構造について説明すると、上記両苗載台支持フレーム7に亘って左右方向の操作軸14が回動自在に支持されており、該操作軸14にはコ字形ブラケット15が固設されており、該コ字形ブラケット15内に昇降レバー16が左右回動自在に軸支されている。 また、前記操作軸14の両端部にはアーム17が突設されている。そして、該アーム17の先端部には縦アーム18が連結されており、該縦アーム18の下端部にはシャフト19が支持されている。 そして、該シャフト19は植付横フレーム6の上面に設けたアーム20の筒部20aに挿通されており、シャフト19の下端部には前記ロータ軸13が軸支されている。 また、該ロータ軸13に複数の前記整地ロータ12が支持されている。 【0011】 一方、苗載台支持フレーム7にはレバーガイド21が設けられており、該レバーガイド21には、前記昇降レバー16を係止して整地ロータ12を、図3に示すような圃場面から離間した収納位置と、図4に示すような圃場に接地した複数段の作用位置とに調節する係止溝22が設けられている。 【0012】 そして、昇降レバー16を上下方向に回動操作することで操作軸14が回動し、アーム17、縦アーム18、及びシャフト19を介して整地ロータ12は前記アーム20の筒部20aに沿って昇降操作され、昇降レバー16をブラケット15に対して左右方向に操作して上記係止溝22に係止することによって位置を固定するように構成され、図4に示すような作用位置においては、整地ロータ12はフロート11の下面からの突出量が10〜40mmの範囲で調節が可能であり、植付作業時の植付深さより浅い表層部分Hの整地を行うように高さ調節可能となっている。 【0013】 また、図6に示すように、整地ロータ12は全体として側面視で正6角形となる篭型をなしており、周面には回転に伴って圃場面を掻き均して均平する複数の板状の整地部材12aと該整地部材12aと連結部材12bとが樹脂によって形成されている。 尚、本実施の形態の乗用型田植機は、機体左右中央側に装着した整地ロータは6枚の整地部材12aを備えているが、左右両端部に装着した整地ロータ12の整地部材12aを3枚として整地ロータ12の前方から後方への泥土の抜けを良くしている。 よって、横一連に設けた整地ロータ12群の両端部の整地ロータにおける泥流の後方への抜けを良好にすることによって、植付作業機3の両側方への泥流の広がりを抑制し、泥流による隣接既植苗の倒れの発生を抑えることができる。 【0014】 一方、前記整地ロータ12の駆動系について説明すると、走行機体2のリヤアクスルケース23の前部には、エンジンからリヤアクスルケース23内の伝動機構に伝達される動力を後輪駆動力と前記整地ロータ12の駆動力に分配する伝動機構、及び整地ロータ12への伝動を断接するクラッチ機構を備えた分配ケース24が装着されており、該分配ケース24内の伝動機構によって分岐された動力は整地ロータ12の駆動ケース25内の伝動機構に伝動軸26を介して伝達される。 そして、図2(b)は駆動ケース25の断面図であるが、入力軸27から入力された動力はベベルギヤ28,29を介してロータ軸13に伝達され、整地ロータ12は走行速度の増減に連動して前進走行方向(図4、図5、及び図6におけるA方向)に対して順回転(図4、図5、及び図6におけるB方向への回転=ダウンカット)方向に駆動回転する。 また、座席37横にはクラッチレバー38が設けられており、該クラッチレバー38で前記クラッチ機構を入り操作することによって整地ロータ12は走行機体2の車速に対して1.5〜2.5倍の周速度で回転し、前記クラッチ機構を切り操作することで整地ロータ12への伝動が断たれるように構成されている。 【0015】 次に、自由回転手段の一例である一方向クラッチの第1実施例について説明すると、図5に示すように、ロータ軸13側のベベルギヤ29の内周には傾斜カム面29aが設けられており、ロータ軸13の外周面13aと傾斜カム面29aとでくさび形の空所30が形成される。 該空所30にはローラ31が挿入され該ローラ31とくさび形空所30の広幅側の端面との間に圧縮スプリング32が挿入されている。 この構成により、ベベルギヤ29とロータ軸13との間に一方向クラッチが形成され、ベベルギヤ29がロータ軸13に対して図5のB方向に回転しようとすると、圧縮スプリング32の押圧力でローラ31は傾斜カム面29aに沿ってロータ軸13側に押接され、くさび作用でロータ軸13はベベルギヤ29と共に回転する。 また、ロータ軸13がベベルギヤ29に対してB方向に回転しようとすると、ローラ31はくさび形空所30の広幅方向に移動するためロータ軸13の外周面13aから離れロータ軸13はベベルギヤ29に対して空転する。 【0016】 また、図6は第2実施例であって、ロータ軸13と整地ロータ12との間に一方向クラッチを設けたものである。 詳述すると、整地ロータ12の内周面に整地ロータ12の順回転方向に向けて広くなるカム面33が180度位相で2箇所設けられている。 一方、ロータ軸13には正面視で整地ロータ12のカム面33に対抗した位置に穴34がロータ軸心に向けて180度間隔で2箇所穿設され、該穴には圧縮スプリング35、及びピン36が挿入されており、これらの構成によりロータ軸13と整地ロータ12との間に一方向クラッチを形成している。 この構成によりロータ軸13が整地ロータ12に対してB方向に回転しようとすると、ピン36の側面が前記カム面33の広幅側の端面33aと接当し、整地ロータ12をロータ軸13と一体的にB方向に回転させる。 また、整地ロータ12がロータ軸13に対してB方向に回転しようとすると、ピンは圧縮スプリング35の押圧力に抗してカム面33に沿ってロータ軸心に向けて退動するため整地ロータ12のロータ軸13に対するB方向への回転を許容する。 以上の構成により、整地ロータは順回転方向に駆動回転することにより、圃場を整地し、駆動を断った 【0017】 ついで、本実施の形態の作用について説明する。 【0018】 本発明の乗用型田植機1を用いて植付け作業を行うにあたり、整地ロータ12によって枕地等の荒れた圃場面に苗を植え付ける際には、昇降レバー16を操作して整地ロータ12がフロート11の下面よりも下方で圃場に接地する作用位置に位置調節を行い、クラッチレバー38を入り操作して整地ロータ12へ伝動される状態とする。 そして、植付作業機3を下降させてフロート11を接地させた状態で植付クラッチを入り操作すると共に、移植機1の走行を開始させる。 すると、移植機1の走行に伴い整地ロータ12が駆動回転して、荒れた圃場面を掻き均して整地し、ビーク10が苗を苗載台8から掻きとって整地ロータ12によって整地された圃場面に苗を植え付ける。 【0019】 そして、枕地等の荒れた圃場面への植付作業を終了し、既に整地済の圃場面に苗を植え付る際には、クラッチレバー28を切り操作して整地ロータ12への伝動を断つと共に、昇降操作レバー16を操作して整地ロータ12を収納位置に変更するのが通常であるが、クラッチレバー28を切り操作したのみで整地ロータ12を収納位置に位置変更させるのを忘れる場合がある。 その場合、整地ロータ12は圃場面に接地した状態のままであるが、整地ロータ12への伝動機構は停止している状態であり、従来では、この状態で乗用型田植機1の植付走行を開始すると、整地ロータの駆動抵抗によって整地ロータの自由回転が阻害され、図7に示すように整地ロータ12の前面で泥押しが発生する。しかし、本発明のものは、一方向クラッチの作用により、整地ロータ12は停止している伝動機構に対して機体進行方向(A方向)に対して順回転(B方向への回転)可能となっているため、機体の走行に伴って圃場面から受ける後方への走行抵抗により、機体の走行速度と同等の周速度で回転する。 以上のように、整地ロータは12は伝動状態では順回転方向に走行速度よりも速い周速で駆動回転して圃場を整地し、伝動が断たれた状態では圃場から受ける走行抵抗によって一方向クラッチを介して順回転方向への自由回転が許容されるため、整地ロータ12による泥押しが抑制され、整地ロータ12による圃場の荒れを抑えることができる。 【0020】 そして、第1実施例のようにロータ駆動軸13とその直前の伝動機構との間に一方向クラッチを設けた場合には、一つの一方向クラッチを設けるのみの小さなコストで整地ロータ12の自由回転を現出することができると共に、ロータ軸13と整地ロータ12のみを自由回転させる程度の小さな走行抵抗で整地ロータ12を自由回転させることができるので、一方向クラッチを伝動機構中のより上流側に設けたものと比較して、軟らかい圃場面であっても整地ロータ12の引きずりが生じることが少ない。 【0021】 また、第2実施例のようにロータ軸13と整地ロータ12との間に一方向クラッチを設けたものにおいては、より小さい走行抵抗で各整地ロータ12のみを自由回転させることができ、整地ロータの引きずりが生じることがさらに少なくなる。 さらに、複数の整地ロータ12の夫々とロータ軸との間に一方向クラッチを備えたものにおいては、夫々の一方向クラッチにかかる駆動反力が少なくなり、一方向クラッチ自体を安価な構成で備えることができる。 【図面の簡単な説明】 【0022】 【図1】本発明の移植機の一例である乗用型田植機の側面図である。 【図2】(a)は整地ロータの支持構造を示すの背面図。(b)はロータ駆動ケースの断面図である。 【図3】整地ロータの収納時における乗用型田植機の後部側面図である。 【図4】整地ロータを作用位置に位置させた際の同上後部側面図である。 【図5】自由回転手段の第1実施例を示す側面図である。 【図6】同上第2実施例を示す(a)は側面図であり、(b)は正面図である。 【図7】従来の移植機を示す後部側面図である。 【符号の説明】 【0023】 2 走行機体 3 植付作業機 12 整地ロータ 29a 傾斜カム面 30 空所 31 ローラ 32 圧縮スプリング 33 カム面 34 穴 35 圧縮スプリング 36 ピン
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
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| 【出願日】 |
平成16年6月8日(2004.6.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−348603(P2005−348603A) |
| 【公開日】 |
平成17年12月22日(2005.12.22) |
| 【出願番号】 |
特願2004−169368(P2004−169368) |
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