| 【発明の名称】 |
作業用走行車体の操作装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】神谷 寿 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】玉井 利男 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
|
| 【要約】 |
【課題】従来の苗植付作業車体は、左右の足でブレーキぺダルや、主クラッチぺダルや、デフロックぺダルを操作しなければならず、その踏み分け操作が煩わいという不具合があった。
【解決手段】左右の車輪7,7、後輪8,8の制動、前後進切替装置であるHSTの中立位置への復帰、及び、エンジンの回転数の減速調節まとめて行なうことのできるブレーキぺダル58を、座席22の右側前部に設け、座席22の右側で且つ前記ブレーキぺダル58の後方に左右の前輪7,7の差動を制限するデフロックぺダル60を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右車輪の制動、前後進切替装置の中立位置への復帰及びエンジン回転数の減速調節をまとめて行なうことのできるブレーキぺダル58を座席22の右側前部に設け、座席22の右側で且つ前記ブレーキぺダル58の後方に左右車輪の差動を制限するデフロックぺダル60を設けたことを特徴とする作業用走行車体の操作装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、苗植付作業等を行なう走行車体の操作装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 苗植付用の走行車両において、座席の右側前部に左右のブレーキぺダルを設け、座席の左側前部に主クラッチぺダルを設け、主クラッチぺダルの後方中央寄りに左右前輪の差動を制限するデフロックぺダルを設けたものは公知である(特許文献1)。 【特許文献1】特開2001−301480号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 従来技術のものは、座席の右側前部に左右のブレーキぺダルを、座席の左側前部に主クラッチぺダルを設け、主クラッチぺダルの後方中央寄りにデフロックぺダルを設ける構成であるので、左右の足でブレーキぺダルや、主クラッチぺダルや、デフロックぺダルを操作しなければならず、その踏み分け操作が煩わいという不具合があった。 【0004】 そこで、この発明は、一つのぺダル操作でブレーキや、主クラッチの複合操作を可能にすると共に、ぺダルの左右配置を整理合理化し、操作の容易化を図ろうとするものである。 【課題を解決するための手段】 【0005】 前記問題点を解決するために、この発明は次のような技術的手段を講じた。 【0006】 請求項1の発明は、左右車輪の制動、前後進切替装置の中立位置への復帰及びエンジン回転数の減速調節をまとめて行なうことのできるブレーキぺダル58を座席22の右側前部に設け、座席22の右側で且つ前記ブレーキぺダル58の後方に左右車輪の差動を制限するデフロックぺダル60を設けたことを特徴とする作業用走行車体の操作装置とする。 【0007】 前記構成によると、オペレータが右足でブレーキぺダル58を踏み込むと、左右車輪の制動、前後進を切り替える。例えばHST29の中立位置への復帰、及び、エンジン20の回転数の減速調節がまとめてなされ、また、デフロックぺダル60の後方に位置しているデフロックぺダル60を右足で踏み込むと、左右車輪の差動が制限されて左右車輪が等速で駆動される。 【発明の効果】 【0008】 請求項1の発明は、ブレーキぺダル58及びデフロックぺダル60を機体右側の前後に配置したので、右足を前後に移動させるだけで両ぺダル58,60の操作ができ、複数の操作を簡単化すると共に操作が容易となり、また、これら両ぺダル58,60を右足で操作するので操作時の迷いがなくなり、これら両ぺダル58,60を同時に操作することもなく無駄なく操作することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 (実施例) 【0010】 以下、図面に示すこの発明の実施例の形態について説明する。 【0011】 図1及び図2には本発明に係わる走行車体を備えた施肥田植機の全体側面図及び平面図が図示されている。 【0012】 この施肥田植機1は、走行車体2の後方に昇降リンク装置3を介して例えば6条植えの苗植付部4が昇降可能に設けられ、更に、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部が設けられている。また、走行車体2の前部左右両側には、左右各3段づつの予備苗枠6,…が設けられている。苗植付部4及び施肥装置5は公知の構成であるのでその説明を省略する。 【0013】 走行車体2は、走行推進体である左右の前輪7,7及び後輪8,8を備えた四輪駆動車体であって、図3に示すように、車体の前部に配設されたミッションケース10の左右両側部から前輪アクスルケース11,11が左右側方に延設され、その先端部に変向可能に設けた前輪ファイナルケース12,12に前輪7,7が回転自在に支承されている。また、ミッションケース10の背面部には左右一対のメインフレーム13,13が後方に向けて延出され、このメインフレーム13,13の後端部に左右両側に延びるようにリヤーフレーム14を取り付け、このリヤーフレーム14の左右端部に固定して設けた後輪ファイナルケース15,15に後輪8,8が回転自在に支承されている。 【0014】 メインフレーム13,13の前後方向中間部上方にエンジン20が搭載され、このエンジン20の上側をエンジンカバー21で覆い、エンジンカバー21の上方に座席22が設置されている。座席22の前方にはハンドルポスト16を設け、ハンドルポスト16の上部にはステアリングハンドル24を設け、ハンドルポスト16の周囲には各種操作機構や電装品を配置し、ハンドルポスト16及び前記各種操作機構や電装品を覆うように開閉自在のフード23が設けられている。エンジンカバー21及びフード23の周囲には、人が移動したり作業をするためのステップ25が設けられている。 【0015】 次ぎに、走行車体2の動力伝達機構について説明する。 【0016】 エンジン20の左側面部にエンジン出力軸20aが突出していて、そのエンジン出力軸20aの回転動力が主クラッチ27付きのベルト式伝動装置26を経由して、ミッションケース10の左側面部に設けたHST(油圧無段変速装置)29のHST入力軸30へ伝達される。 【0017】 図5はミッションケース10及びHST29の内部構造を示す伝動展開図である。HST入力軸30に入力された動力により可変容量型の油圧ポンプ29aが駆動され、油圧ポンプ29aから吐出した油圧は循環回路を経て油圧モータ29bに送られて駆動され、油圧モータ29bのHST出力軸31からミッションケース10の入力軸32に動力が伝達されるように構成している。 【0018】 ミッションケース10の入力部には、HST29から動力の伝達される入力軸32、中間軸33及び切替軸34が軸架されている。ミッションケース10の走行伝動部には、左右の差動出力軸35,35、左右の連動出力軸36,36が軸架されており、また、入力部から動力の伝達される作業機伝動部には、減速軸37、張出し軸38、作業機出力軸39等を設けている。 【0019】 HST29を側面視においてミッションケース10の上下方向及び前後方向の長さ寸法内に配置して低重心化及び構成のコンパクト化を図り、HST入力軸30に受けたエンジン動力はHST29で正逆の切替及び無段変速されて入力軸32に伝達される。入力軸32の回転動力はギヤ40、中間軸33の中間ギヤ41等の減速歯車群を経て切替軸34に伝達され、切替軸34には切替ギヤ42とその切替位置を選択するシフタ43を設けている。 【0020】 この切替ギヤ42には、図7に示すように、後進用の大径ギヤ42a、作業前進用の小径ギヤ42b、PTO作業用の小径ギヤ42c、移動走行用の小径ギヤ42dを備え、切替ギヤ42の切替を4切替位置、即ち、作業時後進位置(A)、作業時前進位置(B)、PTO作業位置(C)、移動走行位置(D)の順に左右にずらして設定している。そして、これらの四切替位置でのHST29の回転方向は、作業時後進位置(A)を後進側、作業時前進位置(B)、PTO作業位置(C)、移動走行位置(D)を前進側にし、後述の変速レバー65の切替位置への移動に関連してHST29の前後進の切り替えがなされる構成である。 【0021】 切替軸34の一端にブレーキ装置44を備えて、切替軸34はブレーキ装置44により走行伝動部の入力側の回転を拘束することができる。 【0022】 左右の差動出力軸35,35の間には切替軸34からデフケース45に動力の伝達される差動機構46を設けることにより、デフケース45に伝達された動力が差動出力され、左右の前輪7,7を駆動する。デフケース45の両側には左右のスリーブ軸47,47を延出するように取り付け、このスリーブ軸47,47と連動出力軸36,36との間にベベルギヤ等の傾斜軸間伝動用のギヤからなる伝動機構48,48を設け、スリーブ軸47,47から連動出力軸36,36に直接的に動力を伝達している。この連動出力軸36,36は、左右の差動出力軸35,35と直交するように配置し、夫れ夫れの速度調節用のクラッチ49,49を介装してミッションケース10の後端部から後側に突出するように配置し、連動出力軸36,36から左右の後輪8,8に動力が伝達される。 【0023】 しかして、差動機構46のデフケース45に伝達された動力は、左右のスリーブ軸47,47、伝動機構48,48を介して左右の連動出力軸36,36に直接伝達され、この連動出力軸36,36を介してミッションケース10の後部から左右等速の後輪8,8の駆動力が出力される。 【0024】 作業伝動部は、減速軸37には減速用の大径ギヤ50及び小径ギヤ51を備え、中間軸33側のギヤ52から大径ギヤ50に動力が伝達されて、小径ギヤ51から張出し軸38のギヤ53に減速動力が出力され、張出し軸38からベベルギヤ54,55を介して作業機出力軸39に動力が伝達され、中継軸等を経て後部の苗植付部4に動力が伝達される。 【0025】 また、前記差動機構46を構成するにあたり、図6に示すように、切替軸34から動力の伝達されるギヤ56と、鉄板をプレス加工により製作した凹状部57とをボルト・ナットで締め付けて一体構成し、凹状部57の端部にスリーブ軸47を溶接するように構成すると、製作が容易となりコストの低減を図ることができる。 【0026】 また、図5に示すように、ミッションケース10を縦方向の面10cで左右のミッションケース10a,10bに分割構成し、左ミッションケース10aに左差動出力軸35、差動機構46、左側の伝動機構48、左側の連動出力軸36を設け、右ミッションケース10bに右差動出力軸35、右側の伝動機構48、右側の連動出力軸36を設け、内側の左右の伝動機構48,48から外側の左右の連動出力軸36,36に動力を伝達するように構成してもよい。このように構成することにより、左右のミッションケース10a,10bに左右の前後輪への伝動装置を夫れ夫れサブ組立てすることができて、組み付け・取外し作業を容易なものとすることができる。 【0027】 また、切替軸34に切替ギヤ42を設けるにあたり、図7に示すように構成してもよい。即ち、切替ギヤ42の後進用の大径ギヤ42aと作業前進用の小径ギヤ42bを一体的に構成し、これらギヤ42a,42bの内部にシフタ43との係合部を両ギヤ42a,42bにまたがるようにしてに構成する。しかして、大径ギヤ42aと小径ギヤ42bを一体構成としたので、構成を簡単化すると共に、切替作動を容易にすることができる。 【0028】 また、入力軸32に伝動された動力を中間軸33の中間ギヤ41を介して切替軸34の移動走行用の小径ギヤ42dに伝達するようにしたので、変速伝動構成を簡素化することができる。 【0029】 次に、図8〜図11に基づき変速レバーやスイッチ類の配置構成について説明する。 【0030】 機体の前側部には、ハンドルポスト16及び各種操作機構を覆うようにフード23を設け、ハンドルポスト16の上部には操向輪である前輪7,7を操作するステアリングハンドル24を設け、ハンドルポスト16の上部に操作パネル61を設けている。 【0031】 操作パネル61の左パネル61aには、各種スイッチを配置するスイッチ配置部に構成し、例えば、車体旋回時の遅速調節用の旋回調節スイッチ62、苗植付部4の昇降感度調節用の油圧感度調節スイッチ63、操舵方向指示器である左右の前照灯入切用の前照灯スイッチ64を設けている。 【0032】 また、操作パネル61の右パネル61bには、変速レバー65操作用の操作溝66を構成して、変速レバー65を後進位置66a、植付作業前進位置66b、PTO作業前進位置66c、路上走行時の移動前進位置66dに操作できるように構成している。 【0033】 また、操作パネル61の中心パネル61cを運転状態表示部とし、ハンドルポスト16の右側方には特に使用頻度の高いエンジン始動用のキースイッチ67を設けている。 【0034】 前記のように、変速レバー65及びスイッチ類の配置をハンドルポスト16の左右に区分して配置したので、操作性を向上し、また、変速レバー65に連結するロッドやケーブル等のメカ部品を右側にまとめ、また、スイッチ類に連結するヒューズボックス等の電装品を左側にまとめて配置できて、メカ部品と電装品の干渉を回避することができる。 【0035】 また、四輪ブレーキぺダル58は、図4に示すように、連動ワイヤ59aを介してHST29作動用のトラニオンアーム59に連係し、また、主クラッチ連動ワイヤ27aを介してベルト式伝動装置26の主クラッチ27に連係し、また、ブレーキ連動ワイヤ44aを介して四輪を制動するブレーキ装置44に連係して、四輪ブレーキぺダル58を踏み込むと、四輪のブレーキ機能、HST29の中立保持機能、エンジン20のアイドリング保持機能をはたすように関連構成している。そして、この四輪ブレーキぺダル58を図2に示すように機体の右側前方に配置して、右足で操作できるように構成している。また、四輪ブレーキぺダル58の後方の前後方向略同一線上に、左右前輪7,7の差動を制限する前輪デフロックぺダル60を設け、前輪デフロックぺダル60を右足で操作できるように構成している。 【0036】 このように四輪ブレーキぺダル58及び前輪デフロックぺダル60を機体右側の前後に配置したので、右足を前後に移動させるだけで両ぺダル58,60を容易に操作することができ、また、これら両ぺダル58,60を右足で操作するので操作時の迷いがなくなり、また、これら両ぺダル58,60を同時に操作するようなこともなく無駄なく操作できる。 【0037】 また、変速レバー65をハンドルポスト16の右側に配置すると共に、前記右パネル61bの後進位置66a、植付作業前進位置66b、PTO作業前進位置66c、路上走行時の移動前進位置66dに移動操作できるように構成している。そして、変速レバー65を変速連動機構65aを介して切替ギヤ42作動用のシフタ43に連係すると共に、HST連動機構65bを介してHST29作動用のトラニオンアーム59に連係している。しかして、変速レバー65を前後方向に操作して後進位置66a、植付作業前進位置66bへの移動に関連してHST29の前後進が関連的に切り替えられ、また、操作レバー65の左右方向への操作により、切替ギヤ42が切り替えられて変速される。 【0038】 また、ハンドルポスト16の上部にフード23の後側上部を横軸68回りに上下に回動自在に支持している。そして、フード23の上部内側にはコントローラ69や電装品70が内装されていている。そして、フード23を上方に回動しオープンすると、これらのコントローラ69、電装品70も同時に回動し開放状態とすることができる。 【0039】 しかして、フード23をオープンすると、コントローラ69や電装品70も周囲が開かれた状態で開放され、点検作業を容易にすることができる。また、電装品70をフード23の上部内側に配置したので泥水がかかりにくく耐久性を向上させることができる。 【図面の簡単な説明】 【0040】 【図1】全体の側面図。 【図2】全体の平面図。 【図3】要部の平面図。 【図4】要部の側面図。 【図5】伝動展開図。 【図6】要部の断面図。 【図7】要部の断面図。 【図8】要部の側面図。 【図9】要部の正面図。 【図10】要部の平面図。 【図11】要部の側面図。 【符号の説明】 【0041】 1 施肥田植機 2 走行車体 7 左右の前輪 8 左右の後輪 20 エンジン 22 座席 29 HST 46 差動機構 58 ブレーキぺダル 60 デフロックぺダル
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
|
| 【出願日】 |
平成16年4月28日(2004.4.28) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2005−312340(P2005−312340A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月10日(2005.11.10) |
| 【出願番号】 |
特願2004−133010(P2004−133010) |
|