| 【発明の名称】 |
動力車両 |
| 【発明者】 |
【氏名】神谷 寿 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】玉井 利男 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】玉井 康史 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】十亀 治光 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
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| 【要約】 |
【課題】施肥装置の他にブロアや発電機などの機器のエンジンとの関連で合理的にコンパクトにレイアウトした動力車両を提供すること。
【解決手段】車体のカバーの前隆起部の上に機体走行ハンドル34を設け、後隆起部の上に座席31を設け、後隆起部より後側にホッパ60及び肥料繰出部61を備える粉粒体繰出装置(施肥装置)5を設ける。そして、一方の隆起部の内部に車体駆動用のエンジン20と発電機17と共に粉粒体繰出装置5へ加圧空気を供給する肥料乾燥用のブロア69とを設けて発電機17とブロア69をエンジン20の動力で駆動する構成とし、ブロア69は車体の前後方向で発電機17と同一位置又は発電機17より後方の位置に配置する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体のカバーの前後に隆起部を設け、前隆起部の上に機体走行ハンドル34と後隆起部の上に座席31をそれぞれ設け、 前記両隆起部より後側にホッパ60及び繰出部61を備えた粉粒体繰出装置5を設け、 前記両隆起部のうちの一方の隆起部に、車体駆動用のエンジン20と発電機17と共に前記粉粒体繰出装置5へ加圧空気を供給するブロア69とを設け、 発電機17とブロア69をエンジン20の動力で駆動する構成とし、ブロア69は車体の前後方向で発電機17と同一位置又は発電機17より後方の位置に配置する ことを特徴とする動力車両。 【請求項2】 発電機17とブロア69とはエンジン20の出力軸20aから巻き掛ける同一の伝動ベルト24で駆動することを特徴とする請求項1記載の動力車両。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、施肥装置や薬剤散布装置等の粉粒体繰出し装置を備えた動力車両に関し、特に粉粒体繰出し装置と当該装置と車両の動力源である原動機などのレイアウトに関する。 【背景技術】 【0002】 施肥装置や薬剤散布装置等の粉粒体繰出し装置を備えた動力車両があり、例えば施肥装置を備えた田植機が知られている。 前記粉粒体繰出し装置は、粉粒体ホッパ内の粉粒体をその下側に設けた繰出部によって繰り出し、繰り出された粉粒体をエアチャンバから供給される加圧空気によって圃場まで搬送するようにした粉粒体繰出し装置である。前記加圧空気発生用のブロアはエンジン動力を用いている。 【0003】 上記田植機のような動力車両はエンジンと前記粉粒体繰出し装置およびそれに関連する前記ブロアなどの周辺機器を搭載しているので、これらの装置のレイアウトを工夫する必要がある。 【0004】 特開平9−300983号公報にはエンジンとその周辺機器とをコンパクトに配置してエンジンなどの配置位置をできるだけ低位にする田植機の構成が開示されている。また、特開2003−52207号公報には施肥装置のレイアウトを工夫した田植機の構成が開示されている。 【0005】 なお、本明細書では施肥装置や薬剤散布装置を備えた動力車両の前進方向を前側、後退方向を後側といい、前進方向に向いて左右方向をそれぞれ左側、右側ということにする。 【特許文献1】特開平9−300983号公報 【特許文献2】特開2003−52207号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 上記特許文献に開示された田植機は、粉粒体繰出し装置の加圧空気発生用のブロアをエンジンからの動力により駆動する構成としているが、エンジンが収容されるエンジンルーム内の容積は限られているので、このエンジンルーム内にエンジンから伝動される走行用の主たる動力伝達機構や発電機等の構造物と共にブロアを収容する場合は、エンジンルーム内におけるブロアからの加圧空気の供給路が他の構造物による制限を受けずに粉粒体繰出し装置へ円滑に加圧空気を供給できるように考慮する必要があり、そのためにはエンジンルーム内のレイアウトが重要になる。 【0007】 本発明の課題は、施肥装置の他にブロアや発電機などの機器のエンジンとの関連で合理的にコンパクトにレイアウトした動力車両を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明の上記課題は、次の解決手段で解決される。 請求項1記載の発明は、車体のカバーの前後に隆起部を設け、前隆起部の上に機体走行ハンドル34と後隆起部の上に座席31を設け、前記両隆起部より後側にホッパ60及び繰出部61を備えた粉粒体繰出装置5を設け、前記両隆起部のうちの一方の隆起部に、車体駆動用のエンジン20と発電機17と共に前記粉粒体繰出装置5へ加圧空気を供給するブロア69とを設け、発電機17とブロア69をエンジン20の動力で駆動する構成とし、ブロア69は車体の前後方向で発電機17と同一位置又は発電機17より後方の位置に配置する動力車両である。 【0009】 請求項2記載の発明は、発電機17とブロア69とはエンジン20の出力軸20aから巻き掛ける同一の伝動ベルト24で駆動する請求項1記載の動力車両である。 【発明の効果】 【0010】 請求項1記載の発明によれば、ブロア69から粉粒体繰出装置5への加圧空気の供給路が発電機17が邪魔にならずに合理的に構成でき、車体のカバーの前後の隆起部内にエンジン20、発電機17及びブロア69をコンパクトに配置できる。 【0011】 請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の効果に加えてエンジン20からの動力伝動のための構成が簡単となり、前記隆起部内の構造物をコンパクトにできる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。 図1及び図2は本発明を用いた一実施例である粉粒体繰出し装置として施肥装置を装着した施肥装置付き乗用型田植機の側面図と平面図である。この施肥装置付き乗用型田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。 【0013】 走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10、10及び左右一対の後輪11、11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13、13が設けられ、該左右前輪ファイナルケース13、13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪10、10が各々取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース18、18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18、18から外向きに突出する後輪車軸に後輪11、11が取り付けられている。 【0014】 エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、ベルト伝動装置21及びHST23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13、13に伝達されて前輪10、10を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18、18に伝達されて後輪11、11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝動されるとともに、施肥伝動機構27によって施肥装置5へ伝動される。 【0015】 エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10、10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35は一部格子状になっており(図2参照)、該ステップ35を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下するようになっている。フロアステップ35上の後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップ36となっている。 【0016】 また、走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38、38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。 【0017】 昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41、41を備えている。これらリンク40、41、41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム45の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。 【0018】 苗植付部4は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース50、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ各条の苗取出口51a、…に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口51a、…に供給すると苗送りベルト51b、…により苗を下方に移送する苗載台51、苗取出口51a、…に供給された苗を苗植付具52aで圃場に植付ける苗植付装置52、…、次行程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ53、53等を備えている。苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にサイドフロート56、56がそれぞれ設けられている。これらフロート55、56、56を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロート55、56、56が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置52、…により苗が植付けられる。各フロート55、56、56は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が上下動検出機構57により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。 【0019】 施肥装置5は、肥料ホッパ60に貯留されている粒状の肥料を繰出部61、…によって一定量づつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62、…でフロート55、56、56の左右両側に取り付けた施肥ガイド63、…まで導き、施肥ガイド63、…の前側に設けた作溝体64、…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。電動モータ66で駆動するブロア67で発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバ68を経由して施肥ホース62、…に吹き込まれ、施肥ホース62、…内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。 【0020】 以下、図3〜図8に示す施肥装置本体部の各部の構成について説明する。 肥料ホッパ60は各条共用で、上部に開閉可能な蓋60aが取り付けられている。肥料ホッパ60の下部は施肥条数分に分岐して漏斗状になっており、その下部が繰出部61、…の上端に接続されている。肥料ホッパ60は、左右方向に長い施肥フレーム70に支持された左右2箇所の回動アーム71に取り付けられていて、この回動アーム71の下端部を支点に後方に回動させて繰出部61、…から分離させられるようになっている。回動アーム71は外側から1条目の繰出部と2条目の繰出部との間に配置されている(左右対称位置に2つ設けられている)。肥料ホッパ60の下部を肥料繰出部61、…の上端に接続した通常位置では、係止具72により肥料ホッパ60を固定しておく。 【0021】 繰出部61は、肥料ホッパ60内の肥料を下方に繰り出す2個の繰出ロール73A、73Bを内蔵している。これらの繰出ロール73A、73Bは、外周部に溝状の凹部74、…が形成された回転体で、左右方向に設けた共通の繰出軸75の角軸部75a(図示例は四角軸)にそれぞれ一体回転するように嵌合している。繰出ロール73A、73Bが図6の矢印方向に回転することにより、肥料ホッパ60から落下供給される肥料が凹部74に収容されて下方に繰り出される。両繰出ロール73A、73Bにより繰り出された肥料は、下端の吐出口61aから吐出される。 【0022】 図示例の繰出ロール73A、73Bの凹部の数は6個であり、両者の凹部の位相が異ならせてある。このため、両繰出ロール73A、73Bの凹部が交互に肥料を繰り出すこととなり、吐出口61aから吐出される肥料の量が時間的に均等化されている。いずれかの繰出ロール73A又は73Bを繰出軸75から外して位相を適当に変更して付け直すことにより、両繰出ロール73A、73Bの凹部の位相を等しくすることもできる。これで、圃場に点状に肥料を散布する場合に適用可能となる。 【0023】 また、繰出部61の内部には、凹部74が下方に移動する側(前側)の繰出ロール73の外周面に摺接するブラシ76が着脱自在に設けられている。このブラシ76によって繰出ロール73A、73Bの凹部74に肥料が摺り切り状態で収容され、繰出ロール73A、73Bによる肥料繰出量が一定に保たれる。 【0024】 さらに、ブラシ76の上側には、繰出ロール73A、73Bの上方に突出して肥料ホッパ60から繰出部61に肥料が落下供給されないようにする繰出停止シャッタ77A、77B(図7)が設けられている。繰出停止シャッタ77A、77Bは、繰出部ケース78のスライド支持部79(図6)にスライド自在に支持されていて、ケース外の前端部に形成された把手77aをつかんでスライドさせるようになっている。 【0025】 繰出部61の吐出口61aには、前後方向に連通する接続管80(図3)が接続されている。そして、この接続管80の後端部に施肥ホース62(図5)が接続されている。施肥ホース62の外周螺旋溝に施肥フレーム70の下端部が係合しているので、施肥ホース62が接続管80から抜けにくい。一方、各条の接続管80の前端部はエアチャンバ68(図4、図5)の背面部に挿入連結されている。エアチャンバ68の左端部はエア切替管81を介してブロア67(図3、図4)に接続されており、該ブロア67からのエアがエアチャンバ68を経由し接続管80から施肥ホース62に吹き込まれるようになっている。尚、ブロア67は、図3、図4に仮想線で示すように、そのエア吐出口67aをエア切替管81から外して機体内方に回動収納できる構成としている。 【0026】 エアチャンバ68は、接続管80が取り付けられたゴム管68aと、中間部分の樹脂管68bとを交互に繋ぎ合わせて構成されている。この構成とすると、エアチャンバ68を簡単に分解、組み立てできるので、繰出部61を一体的に取り外してのメンテナンスが容易である。ゴム管68aの長さを一対の繰出部の間隔よりも長くしておくと、樹脂管68bからゴム管68aを抜きやすい。 【0027】 また、繰出部ケース78の背面部には、肥料ホッパ内の肥料を取り出すための肥料排出口83(図6)が形成されている。この肥料排出口83には、上端側を支点にして開閉自在な排出シャッタ84が取り付けられている。各繰出部の肥料排出口83は、繰出部61の後方に設けた左右方向に長い肥料回収管85に接続されている。肥料回収管85の左端部は、前記エア切替管81を介してブロア67に接続されている。エア切替管81は二股状の管であって、一方にエアチャンバ68が接続され、他方に肥料回収管85が接続されている。エア切替管81にはエア切替部としてのエア切替シャッタ86が設けられ、ブロア67から吹き出されるエアをエアチャンバ68側に供給する状態と肥料回収管85側に供給する状態とに切り替えられようになっている。エア切替シャッタ86はエアチャンバ68と肥料回収管85の間の前後中央部にあるので、両者へのエア供給が安定している。肥料回収管85の右端部は肥料回収口87になっている。 【0028】 図8は上記各シャッタ84、…、86の開閉機構を示す図である。肥料回収口87の近傍に肥料回収レバー90が回動自在に設けられている。この肥料回収レバー90の回動支点軸90aと同軸上に、繰出部61の前側に配置された左右方向に長いシャッタ開閉伝達軸91(図6)が設けられている。シャッタ開閉伝達軸91には扇形プレート92が取り付けられており、この扇形プレート92に形成された円弧状の長穴92aに、肥料回収レバー90に固着されたピン90bが遊嵌している。シャッタ開閉伝達軸91には各繰出部ごとに開閉ギヤ93が取り付けられ、該ギヤ93が排出シャッタ84の回動軸84aに取り付けた半円形ギヤ94と噛み合っている。なお、半円形ギヤ94の端部には当該ギヤ94の歯よりも径の大きいストッパ部94aが形成されているので、両ギヤ93、94の噛み合いが外れることはない。また、肥料回収レバー90には、エア切替ワイヤ95の一端が繋がれている。エア切替ワイヤ95の他端は、エア切替シャッタ86の回動軸86aに取り付けたアーム96に付勢手段である引張りスプリング97を介して繋がれている。 【0029】 肥料回収レバー90を回動操作すると、エア切替ワイヤ95が引かれてエア切替シャッタ86を切り替え、ブロア67から引き出されるエアが肥料回収管85に供給されるようになる。肥料回収レバー90の回動操作量が少ないうちは、ピン90bが長穴92aの中を移動するだけにすぎないので、シャッタ開閉伝達軸91は回動しない。しかしながら、肥料回収レバー90を一定量以上回動操作すると、ピン90bが扇形プレート92に係合し、シャッタ開閉伝達軸91が回動する。これにより、排出シャッタ84、…が開き、肥料ホッパ60内の肥料が肥料回収管85に排出される。つまり、1本のレバー90の操作だけでエア切替シャッタ86及び排出シャッタ84、…を操作することができる。しかも、必然的に、始めにエアが肥料回収管85に供給され、その後で肥料が肥料回収管85に排出されるのである。このため、肥料回収管85での肥料の搬送が円滑に行われ、肥料回収管85での肥料詰まりが生じない。また、肥料回収レバー90が肥料回収口87の近傍に設けられているので、肥料回収容器等を肥料回収口87の下側に容易に確保でき、さらに肥料回収の状況を確認しながら作業を行え好都合である。 【0030】 肥料回収レバー90はレバーガイド98に沿って回動操作するようになっている。このレバーガイド98にはガイド穴98a、98bが形成されており、肥料回収レバー90の撓みを利用して肥料回収レバー90の係合部(図示せず)をガイド穴98a、98bに係合させることにより、肥料回収レバー90をエア切替シャッタ86だけが切り替えられる位置P1(図8)と、エア切替シャッタ86及び排出シャッタ84、…の両方が切り替えられる位置P2とに固定することができるようになっている。肥料回収レバー90を上記以外の位置にも停止させられるようにし、排出シャッタ84の開度を無段階又は段階的に調節できるようにしてもよい。 従って、肥料回収時にはブロア67より気流搬送される肥料は肥料回収管85を流れ、排出口87からスムーズに肥料が排出される。 【0031】 なお、エア切替シャッタ86は上下方向を向く回動軸86aを中心に回動するので、エア切替シャッタ86の開閉操作時の抵抗が変動しない。また、肥料回収時には引張りスプリング97の張力に抗して強制的にエア切替シャッタ86を切り替えるようにしているので、肥料回収時におけるエア切替シャッタ86の気密性が良好である。 【0032】 図4に示す開閉ギヤ93と半円形ギヤ94との噛み合いに予め融通性を持たせておくと、各条のギヤの組み付けに多少の誤差があっても、各条の排出シャッタ84の動作タイミングに狂いが出ず、確実に排出シャッタ84が閉じるようにすることができる。 【0033】 一方、肥料回収レバー90を図8に示す施肥作業位置にすると「ON」になるスイッチを設けると共に、各畦クラッチレバー110L、110C、110R(図4)をクラッチ入り位置にすると「ON」になるスイッチを各々設けて、これらスイッチの検出により、肥料回収レバー90が肥料排出位置(肥料回収レバー90が施肥作業位置でない時)で全ての畦クラッチレバー110L、110C、110Rがクラッチ入りの時(施肥作業時)に、肥料回収レバー90が施肥作業位置でないことを警報するハンドル34下方のモニター部に設けたランプを点灯するか若しくはブザーを鳴らすように制御装置で制御している。これは、肥料回収レバー90を図8のP2位置にして肥料回収作業をした後、肥料回収レバー90をP2位置にしたまま、メインスイッチを切って作業を中断し、後に(後日)、施肥・植付け作業を行なう時に肥料回収レバー90をP2位置にしたまま施肥・植付け作業をすると施肥作業が行なえないまま植付け作業をしてしまう不具合を防止するためで、肥料回収レバー90をP2位置にしたままでメインスイッチを入れるとランプが点灯するか若しくはブザーが鳴って作業者に肥料回収レバー90が施肥作業位置になっていないことを知らせ、即座に作業者は肥料回収レバー90を施肥作業位置に操作して前記のような不具合を未然に防止でき作業性が良い。 【0034】 繰出部ケース78は、側面視で前下がりに傾斜した分割面F−F(図5)で、下側の固定部分78aと上側の離脱部分78bとに分割されている。繰出ロール73A、73B及び排出シャッタ84(肥料排出口83)は固定部分78aに設けられている。一方、ブラシ76及び繰出停止シャッタ77は離脱部分78bに設けられている。肥料ホッパ60が接続される上部開口部及び吐出口61aは分割されていないので、両者の気密性が良好に保たれる。 【0035】 肥料ホッパ60を最も後方に回動させると、側面視で前記離脱部分78bを離脱させる方向に投影した区域外に肥料ホッパが位置するようになっている。このため、離脱部分78bを無理なく離脱させられる。また、分割面F−F(図5)の延長先はエアチャンバ68の上端よりも下側に位置するとともに、側面視で離脱部分78bを離脱させる方向に投影した区域外にエアチャンバ68が位置している。このため、離脱部分78bを取り外した状態で、走行車体2上から繰出ロール73A、73Bのメンテナンスを行いやすい。 【0036】 図9(a)は本発明の実施例のエンジン部分の平面図、図9(b)はエンジン部分の側面図を示す。本実施例では肥料搬送ブロア67の他に肥料乾燥用ブロア69を設ける。図9に示すように発電機17と肥料乾燥用ブロア69とはエンジン20の動力で駆動する構成とし、肥料乾燥用ブロア69は車体の前後方向で発電機17と同一位置に配置するか又は図示のように発電機17より車体前後方向の後方位置に配置する。 【0037】 上記レイアウトにより肥料乾燥用ブロア69から粉粒体繰出装置(施肥装置)5への粉粒体の乾燥用加圧空気の供給路が発電機17が邪魔にならないように合理的に配置でき、フロアステップ35の隆起部内にエンジン20、発電機17及び肥料乾燥用ブロア69をコンパクトに配置できる。 【0038】 また、発電機17と肥料乾燥用ブロア69とはエンジン出力軸20aのプーリー20bに巻き掛ける同一の伝動ベルト24でそれぞれのプーリ17a、69aで駆動されるので発電機17の駆動と肥料乾燥用ブロア69へのエンジン動力伝動機構の構成が簡単となる。またこのような動力伝動機構により、エンジンカバー30内で車体左右方向の幅を増すことなく発電機17と肥料乾燥用ブロア69を配置でき、発電機17と肥料乾燥用ブロア69の駆動を1本のベルト24で行うことができる。 【0039】 図10に示す実施例は車体左右方向で、肥料搬送用ブロワ67を肥料乾燥用ブロア69の反対側に設けたものである。肥料搬送用ブロワ67と肥料乾燥用ブロア69の配置は図10に示す場合とは反対側にしてもよい。 図10に示す構成により、左右に略対象位置にブロワ67,69がそれぞれ配置されることで、機体のバランスが良くなる。 【0040】 図11に示す実施例は肥料乾燥用ブロア69を機体左右方向の中央に配置し、肥料搬送用ブロワ67を機体左右方向のいずれかの端部に配置した例である。この場合には、肥料乾燥用ブロア69を機体左右方向の中央近傍に配置することにより左右各両端条まで均一に肥料を除湿乾燥させることができる。 【0041】 また、逆に肥料搬送用ブロア67を機体左右方向の中央に配置し、肥料乾燥用ブロワ69を機体左右方向のいずれかの端部に配置してもよい。この場合には、肥料の除湿乾燥の左右均一性は犠牲にしても、肥料の搬送を左右各両端条まで均一にできる利点がある。 【0042】 図12に示す実施例は肥料乾燥用ブロア67と肥料搬送用ブロワ69を共に機体左右方向の中央付近に配置した例である。この場合には、前述のようにブロア67,69が肥料ホッパ60の左右方向外側に突出しないので、施肥装置全幅の短縮化が図れ、ひいては田植機全幅(左右方向幅)の短縮化ができる。 また、この場合には全ての苗植付条に対して均一に肥料搬送と肥料の除湿乾燥ができるメリットがある。 【0043】 図13に示す実施例は図10に示す肥料乾燥用ブロア69をフロアステップ35の後部隆起部(エンジンカバー30)内に設けた構成において、肥料乾燥用ブロア69と発電機17を一体化した例である。図13(a)には要部側面図を示し、図13(b)には要部平面図を示す。発電機17はエンジン20の出力軸20aからベルト24を介して動力が伝達される。前期発電機17と同軸上に肥料乾燥用ブロア69の回転軸を設けているので動力伝達機構がシンプルになるだけでなく全体にコストダウンになる。 【0044】 また、肥料乾燥用ブロア69をエンジン20の冷却風の排出側、すなわちエンジン20で熱せられた熱気が流れる側に配置するので肥料乾燥用の熱気としてエンジン熱風を吸入して利用することができる。 【0045】 図14に示す実施例は、図示しないクラッチペダルやブレーキペダルなどの踏込みでトランスミッションのメインクラッチを切ると同時に発電機17の駆動も停止させる構成とした例である。 【0046】 すなわち、クラッチペダルやブレーキペダルなどを踏込むと、HST入力軸58aとエンジン20の出力軸20aとの間に設けた動力伝達用ベルト47にテンションを掛けるテンションアーム48が作動して、前記ベルト47のテンションを緩めるので、HST入力軸58aからベルト49で動力伝達される発電機17の駆動軸に設けたプーリ17aも回転停止するので、発電機17が作動停止する。 【0047】 こうして、発電機17を作動停止させておけば、発電機17の駆動負荷抵抗がエンジン出力軸20aにかからないので、メインクラッチを切ってエンジン20を始動する際の負荷抵抗が小さくなる。 【0048】 図示していないが、仮にブロア67,69を電動式とした場合に、施肥の搬送用ブロア67及び/又は乾燥用ブロア69の作動用のスイッチの他に、クラッチペダルやブレーキペダルなどの踏込みで、トランスミッションのメインクラッチが切れると施肥用ブロア67及び/又は乾燥用ブロア69の作動が停止する制御装置を設けておくと、たとえ施肥用ブロア67及び/又は乾燥用ブロア69の作動中であっても、クラッチペダルやブレーキペダルなどの踏込みがあると施肥用ブロア67,69がオフとなるので、施肥搬送用ブロワ67及び/又は乾燥用ブロア69の駆動(送風)も停止され、発電機17の作動ではあまり動力を消費しないため、エンジン20の駆動負荷が低減されると共に、メインクラッチを切ってエンジン20を始動する際、セルモータ(図示せず)へ十分な電力を供給することができ、エンジン20の始動性が向上する。 【0049】 図示はしていないが従来から用いられているエンジン排ガスの熱気を利用して肥料乾燥用ブロア69を作動させる構成に加えてエンジン冷却用のラジエターファンからの熱気も肥料乾燥用ブロア69の吸い込みに利用することもできる。 【0050】 図15の内部構造図に示すような構造の施肥乾燥用ブロア169を用いることもできる。すなわち、送風フィン88の回転によって発熱する電磁誘導加熱機構82を設け、回転する送風フィン88に変動磁界を生じさせ、フィン88自体を自己発熱させ、これを熱源として温風を送る装置である。送風フィン88は導電性金属又は導電性耐熱樹脂を用い、送風フィン88の中心部にマグネット部89を設けると送風フィン88の回転によって電磁誘導により発熱する。 【0051】 いままで説明した施肥乾燥用ブロア69は、温風をエンジン20の排気部から得ているため、排ガス中の水分を多く含み詰まりの要因ともなり得るが、本実施例により回転する送風フィン88に変動磁界を与え、送風フィン88自体を発熱させ、これを熱源として温風を送るため、温風中の水分は少なくなる。また、駆動力をエンジンから得ると、ブロアモータが不要となり、低コスト化を図ることができる。 【0052】 また、ブロアケース99の空気吸引側と該ケース空気吸引側に対向する送風フィン側に多孔99a、99bをそれぞれ設け、この多孔99a、99bを流れる空気によりマグネット部89を冷却する構造とすると、マグネット部89の冷却ができ、減磁による発熱量の低下を軽減できる。 【産業上の利用可能性】 【0053】 本発明は田植機の施肥装置のみならず、走行車体上に粉粒体の供給装置を備えた機器に利用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0054】 【図1】本発明の実施例の施肥装置付き乗用型田植機の側面図である。 【図2】図1の施肥装置付き乗用型田植機の平面図である。 【図3】図1の施肥装置の肥料回収管部分を省略した背面図(図3(a)及び伝動関係を省略した背面図(図3(b))である。 【図4】図1の施肥装置の平面図である。 【図5】図1の施肥装置の一断面の側面断面図である。 【図6】図1の施肥装置の粉粒体繰出部の側面断面図である。 【図7】図6のS−S断面図である。 【図8】図1の施肥装置の肥料回収レバー及びその関連部材の側面図である。 【図9】図1のエンジン回りの平面図(図9(a))と側面図(図9(b))である。 【図10】他の実施例の施肥装置付き乗用型田植機の平面図である。 【図11】他の実施例の施肥装置付き乗用型田植機の平面図である。 【図12】他の実施例の施肥装置付き乗用型田植機の平面図である。 【図13】他の実施例のエンジン回りの側面図(図13(a))と平面図(図13(b))である。 【図14】他の実施例のエンジン回りの側面図である。 【図15】他の実施例の施肥乾燥用ブロアの内部構造図である。 【符号の説明】 【0055】 1 施肥装置付き乗用型田植機 2 走行車体 3 昇降リンク装置 4 苗植付部 5 粉粒体繰出し装置(施肥装置) 10 前輪 11 後輪 12 ミッションケース 13 前輪ファイナルケース 15 メインフレーム 17 発電機 17a プーリ 18 後輪ギヤケース 20 エンジン 20a エンジン出力軸 20b プーリー 21 ベルト伝動装置 23 HST 24 ベルト 25 植付クラッチケース 26 植付伝動軸 27 施肥伝動機構 30 エンジンカバー 31 座席 32 フロントカバー 34 ハンドル 35 フロアステップ 36 リヤステップ 38 予備苗載台 40 上リンク 41 下リンク 42 リンクベースフレーム 43 縦リンク 44 連結軸 45 スイングアーム 46 昇降油圧シリンダ 47、49 ベルト 48 テンションアーム 50 伝動ケース 51 苗載台 51a 苗取出口 51b 苗送りベルト 52 苗植付装置 52a 苗植付具 53 線引きマーカ 55 センターフロート 56 サイドフロート 57 上下動検出機構 58a HST入力軸 60 ホッパ(肥料ホッパ) 60a 蓋 60b 乾燥用空気供給口 60c 乾燥用空気排出口 60d 網 61 繰出部 61a 吐出口 62 施肥ホース 63 施肥ガイド 64 作溝体 66 電動モータ 67 肥料搬送用ブロア 67a エア吐出口 68 エアチャンバ 68a ゴム管 68b 樹脂管 69 肥料乾燥用ブロア 69a プーリ 70 施肥フレーム 71 回動アーム 72 係止具 73A、73B 繰出ロール 74 凹部 75 繰出軸 75a 角軸部 76 ブラシ 77 繰出停止シャッタ 77a 把手 78 繰出部ケース 78a 固定部分 78b 離脱部分 79 スライド支持部 80 接続管 81 エア切替管 82 電磁誘導加熱機構 83 肥料排出口 84 回収シャッタ 84a 回動軸 85 肥料回収管 86 エア切替シャッタ 86a 回動軸 87 肥料回収口 88 送風フィン 89 マグネット部 90 肥料回収レバー 90a 回動支点軸 90b ピン 91 シャッタ開閉伝達軸 92 扇型プレート 92a 長穴 93 開閉ギヤ 94 半円形ギヤ 94a ストッパ部 95 エア切替ワイヤ 96 アーム 97 引張りスプリング 98 レバーガイド 98a、98b ガイド穴 99 ブロアケース 99a、99b 多孔 101 繰出伝動ケース 110L、110C、110R クラッチレバー 169 肥料乾燥用ブロア
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
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| 【出願日】 |
平成16年4月27日(2004.4.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096541 【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開2005−312311(P2005−312311A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月10日(2005.11.10) |
| 【出願番号】 |
特願2004−130835(P2004−130835) |
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