| 【発明の名称】 |
苗移植機 |
| 【発明者】 |
【氏名】神谷 寿 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】岡田 卓也 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
【氏名】福井 享 【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内
|
| 【要約】 |
【課題】エンジンの排気口の配置を工夫して苗植付部にエンジン排ガスによる悪影響を無くした苗移植機を提供すること。
【解決手段】走行車体2の後側に苗載台51を有する苗植付部4を備え、走行車体2の車体カバー(フロアステップ)35を、後輪11に沿わせて後部が高くしてエンジン20の排ガスのマフラーからの排気口37aを車体カバー(フロアステップ)35の下端より上で機体側面視で車体カバー(フロアステップ)35の後輪11に沿う部分と後輪11との間に、車体2の側方へ向けて設けたので、エンジン排ガスは車体後側でなく車体2の側方へ向けて排気するので、苗戴台51が汚れず排熱もスムーズに行える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車体2の後側に苗載台51を有する苗植付部4を備え、 走行車体2の車体カバー35を、後輪11に沿わせて後部が高くなるように構成し、 エンジン20からの排ガスの排気口37aを車体カバー35の下端より上で機体側面視で車体カバー35の後輪11に沿う部分と後輪11との間に車体2の側方へ向けて設けた ことを特徴とする苗移植機。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はエンジン搭載の走行車体を用いる苗移植機に関し、特にそのエンジンの排気口の配置に関する。 【背景技術】 【0002】 複数条の苗を圃場に植え付ける苗植付部を備えた苗移植機が知られているが、当該苗移植機はエンジンで走行駆動力と苗植付部の苗植付駆動力を得る構成である。 【0003】 前記エンジンは、下記の特許公報に開示されているように、一般的に車体後方に、その排気ガスの排気口を向けて配置している。 【特許文献1】特開平9−300983号公報 【特許文献2】特開2002−10406号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上記特許文献記載の苗移植機のエンジンの排気口は、後側に向けて排ガスを排出する構成である。そのために苗植付部に排ガスが当たり、苗載台が汚れ易く、また苗載台にある苗が排ガスの熱で悪影響を受けるおそれがある。 【0005】 そこで本発明の課題はエンジンの排気口の配置を工夫して苗植付部にエンジン排ガスが当たることによる悪影響を無くした苗移植機を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の上記課題は次の解決手段により解決される。 請求項1記載の発明は、走行車体2の後側に苗載台51を有する苗植付部4を備え、走行車体2の車体カバー(フロアステップ)35を、後輪11に沿わせて後部が高くなるように構成し、エンジン20からの排ガスの排気口37aを車体カバー(フロアステップ)35の下端より上で機体側面視で車体カバー(フロアステップ)35の後輪11に沿う部分と後輪11との間に、車体2の側方へ向けて設けた苗移植機である。 【発明の効果】 【0007】 請求項1記載の発明によれば、排気口37aからのエンジン排ガスを車体後側へ向けて排気するのではなく、車体2の側方へ向けて排気するので、苗戴台51が汚れない。また、排気口37aからの排気が下方へ向けて排気されるのではなく、また車体カバー(フロアステップ)35の下端より上に排気口37aが設けられるので、排気口37aに泥が詰まることも防止できる。さらに、排気口37aが車体カバー(フロアステップ)35の後輪11に沿う部分と後輪11との間に設けられるので、障害物がなくスムーズに機体側方にエンジン排ガスが排気され、排熱(排気)が良好である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。 図1及び図2は本発明を用いた一実施例である粉粒体繰出し装置として施肥装置を装着した施肥装置付き乗用型田植機を表している。この施肥装置付き乗用型田植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。 【0009】 走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10、10及び左右一対の後輪11、11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13、13が設けられ、該左右前輪ファイナルケースの変向可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪10、10が各々取り付けられている。また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース18、18がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース18、18から外向きに突出する後輪車軸に後輪11、11が取り付けられている。 【0010】 エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジンの回転動力が、第一ベルト伝動装置21及びHST23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ケース内のトランスミッションにて変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13、13に伝達されて前輪10、1Oを駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18、18に伝達されて後輪11、11を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付部4へ伝動されるとともに、施肥伝動機構27によって施肥装置5へ伝動される。 【0011】 エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10、10を操向操作するハンドル34が設けられている。エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になっている。フロアステップ35の後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップ36となっている。また、走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく予備苗載台38、38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられている。 【0012】 昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41、41を備えている。これらリンク40、41、41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付部4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアーム45の先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該シリンダを油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。 【0013】 苗植付部4は6条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース50、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ各条の苗取出口51a、…に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口51a、…に供給すると苗送りベルト51b、…により苗を下方に移送する苗載台51、苗取出口51a、…に供給された苗を苗植付具52aで圃場に植付ける苗植付装置52、…、次行程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ53、53等を備えている。苗植付部4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にサイドフロート56、56がそれぞれ設けられている。これらフロートを圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロートが泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置52、…により苗が植付けられる。各フロート55、56、56は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が上下動検出機構57により検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。 【0014】 施肥装置5は、肥料ホッパ60に貯留されている粒状の肥料を繰出部61、…によって一定量づつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62、…でフロート55、56、56の左右両側に取り付けた施肥ガイド63、…まで導き、施肥ガイド63、…の前側に設けた作溝体64、…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。電動モータ66で駆動のブロア67で発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバ68を経由して施肥ホース62、…に吹き込まれ、施肥ホース62、…内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。 【0015】 エンジン20とその排気部の左側面図を図3(a)に示し、平面図を図3(b)に示す。走行車体のフロアステップ35と兼用の後輪カバーを、後輪11に沿わせて後部が高くなるように構成し、マフラー37に設けたエンジン排ガスの排気口37aを後輪カバー35の下端より上で機体側面視で後輪カバー35の後輪11に沿う部分と後輪11との間に、機体側方へ排ガス排出方向を向けて設ける。 【0016】 なおエンジン20とその排ガスの排気口37aとの間には排気ガス用パイプ20a、20bとマフラー37とがあり。また施肥装置5内の肥料乾燥用のブロア69がエンジン20の側面に設けられている。 【0017】 エンジン排気口37aからの排ガスを車体の後側へ向けて排気しないので、苗戴台51が排ガスで汚れず、排熱で苗戴台51が加熱されることもない。 【0018】 また、エンジン排気口37aから排ガスを下方へ向けて排気せずに、また後輪カバー35の下端より上に排気口37aが設けられるので、排気口37aに泥がつまることも防止でき、排気がスムーズに行える。さらに、排気ガス用パイプ20a、20bが施肥装置5内の肥料乾燥用のブロア69の横にあるので、例えばパイプ20aの周囲にカバー19を設けて、施肥装置5内の肥料乾燥用のブロア69に排気ガス用パイプ近傍の温風を吸入させて、施肥装置5の乾燥に利用することができる。 【0019】 エンジン20の周りの温められた空気が肥料乾燥用のブロア69に有効に吸い込まれるように、エンジン20の両側に設ける遮音板59で空気を集めることが望ましい。また遮音板59は車体(フロアステップ35の裏面)に着脱自在に設けることで、エンジン20及びその周囲の部品のメンテナンスが比較的楽に行える。 【0020】 これは排気ガス用パイプ20a,20bはエンジン20の中で1番温度が高く、又前記エンジン排気ガス用パイプ20a,20bの外周のカバーより直接空気を吸うことでかなりの高温な空気を吸い込むことが可能になるためである。 【0021】 また施肥装置5に供給する温風用のブロア69はエンジン20で温められた空気のみを吸入する構成として、マフラ37からの排ガスは吸わないようにしている。これはエンジン排ガスの湿度が肥料の乾燥には高過ぎるからである。 【0022】 本発明の他の実施例のエンジン周りの概略構成の側面図を図4(a)に示し、平面図を図4(b)に示す。車体の中央部にエンジン20を搭載し、その右側に苗植付部4の駆動用クラッチケース(株間変速ケース)25を設け、左側にマフラー37を配置し、そして駆動用クラッチケース25とマフラー37を共に機体平面視で左右のアッパフレーム6間に配置した構成にしても良い。従来の田植機ではマフラー37はエンジン左側のアッパフレーム6の外側に配置していたが、本実施例ではアッパフレーム6の内側にあるため、その外側のシースルーステップが有効に利用できる。 【産業上の利用可能性】 【0023】 本発明は苗植付部などの作業装置をエンジンの後方に設けた苗移植機として利用できる。 【図面の簡単な説明】 【0024】 【図1】本発明の一実施例の施肥装置付き乗用型田植機の側面図である。 【図2】図1の施肥装置付き乗用型田植機の平面図である。 【図3】図1のエンジン周りの概略構成の側面図(図3(a))と平面図(図3(b))である。 【図4】本発明の他の実施例のエンジン周りの概略構成の側面図(図4(a))と平面図(図4(b))である。 【符号の説明】 【0025】 1 施肥装置付き乗用型田植機 2 走行車体 3 昇降リンク装置 4 苗植付部 5 粉粒体繰出し装置(施肥装置) 6 アッパフレーム 10 前輪 11 後輪 12 ミッションケース 13 前輪ファイナルケース 15 メインフレーム 18 後輪ギヤケース 19 カバー 20 エンジン 20a、20b 排気ガス用パイプ 21 第一ベルト伝動装置 23 HST 25 植付クラッチケース 26 植付伝動軸 27 施肥伝動機構 30 エンジンカバー 31 座席 32 フロントカバー 34 ハンドル 35 フロアステップ 36 リヤステップ 37 マフラー 37a エンジン排ガスの排気口 38 予備苗載台 40 上リンク 41 下リンク 42 リンクベースフレーム 43 縦リンク 44 連結軸 45 スイングアーム 46 昇降油圧シリンダ 50 伝動ケース 51 苗載台 51a 苗取出口 51b 苗送りベルト 52 苗植付装置 52a 苗植付具 53 線引きマーカ 55 センタープレート 56 サイドプレート 57 上下動検出機構 59 遮音板 60 ホッパ(肥料ホッパ) 60a 蓋 61 繰出部 61a 吐出口 62 施肥ホース 63 施肥ガイド 64 作溝体 66 電動モータ 67 肥料搬送用ブロア 68 エアチャンバ 69 肥料乾燥用ブロア
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社 【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
|
| 【出願日】 |
平成16年4月26日(2004.4.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096541 【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
|
| 【公開番号】 |
特開2005−304447(P2005−304447A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月4日(2005.11.4) |
| 【出願番号】 |
特願2004−130169(P2004−130169) |
|