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【発明の名称】 水田作業機の土壌均平防波装置
【発明者】 【氏名】加藤 哲
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】田村 由一
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】野村 仁志
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】長井 博
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】岡田 卓也
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】苗植装置のサイドフロートの外側に設けられる防波板は、下端縁部を土壌面に接近、乃至切り込ませた状態にして推進するものであるから、苗植進行が蛇行すると、防波板が横側へ振られて泥土を横側へ押出すようになり、泥押しを増大させることがある。

【解決手段】土壌面を滑走して均平するサイドフロート2の外側方部に、このサイドフロート2で押される外側方への泥水流を制止する防波板3を、進行方向に対して左右に揺動自在に設けたことを特徴とする苗植機の土壌均平防波装置の構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌面を滑走して均平するサイドフロート2の外側方部に、このサイドフロート2で押される外側方への泥水流を制止する防波板3を、進行方向に対して左右に揺動自在に設けたことを特徴とする水田作業機の土壌均平防波装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、水田作業装置のサイドフロートで均平される土壌面の泥水流が隣接の既作業域側へ移動するのを防止するもので、泥押抵抗の少い防波板を設ける水田作業機の土壌均平防波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サイドフロートの外側に、代掻ロータで発生する泥波を制止して隣接植付苗を押し倒さないようにする防波板を設ける技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【特許文献1】特開平8ー23731号公報(第3頁、図2)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
水田作業装置のサイドフロートの外側に設けられる防波板は、下端縁部を土壌面に接近、乃至切り込ませた状態にして推進するものであるから、機体の進行が蛇行すると、防波板が横側へ振られて泥土を横側へ押出すようになり、泥押しを増大させることがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、土壌面を滑走して均平するサイドフロート2の外側方部に、このサイドフロート2で押される外側方への泥水流を制止する防波板3を、進行方向に対して左右に揺動自在に設けたことを特徴とする水田作業機の土壌均平防波装置の構成とする。水田作業装置は車体に装着されて推進されることにより、下部のセンタフロート1やこの左右両側部のサイドフロート2が土壌面に接地滑走されて均平にしながら、この均平面に水田作業装置による水田作業が行われる。この水田作業において、サイドフロート2の外側方部の土壌面には防波板3の下縁が接近、乃至切り込まれて推進される。センタフロート1やサイドフロート2の滑走によって土壌面に泥水が前側に押し寄せられて盛り上がって左右両側へ流動しようとするが、この防波板3によって制止されて、この防波板3とサイドフロート2との間隔部を後方へ流れて抜けるようになり、横側の既作業域への直接の泥土押出が防止される。水田作業装置の推進が左右に曲進するときは、この防波板3の土壌面に対する切込抵抗によって、この車体に対して左右に揺動自在の防波板3は前側へ引っ張られて近回りするようにして推進され、外側への強制揺動が抑制されて、泥土の押出を少くする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明は、防波板3は車体に対して左右に揺動自在の形態でサイドフロート2の外側部の土壌面に切り込まれるため、車体が左右に曲進されても防波板3は、この車体と一体的には左右に強制的揺動されることがなく、防波板3による横外側への泥押を少なくすることができる。しかも、この防波板3の切込推進抵抗を少くして、円滑な機体の推進と操向性を有し、的確な防波効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図面に基づいて、水田作業装置となる苗植装置4は、センタフロート1とこの左右のサイドフロート2を配置した苗植フレーム5に、後傾斜の苗タンク6、及びこの後下端部で苗を分離挿植する苗植爪7等を配置して、多条植形態に構成したものである。この苗植フレーム5前部のローリング軸部を、四輪駆動走行形態のトラクタ車体10後端のリフトリンク11に装着する。車体10の前部にはステアリングハンドル12によって操向される前車輪13を車軸14に軸装し、後部には後車輪15を車軸16に軸装する。車体10上のステップフロア17上には、シートカバー18上に運転席19を搭載し、このシートカバー18下にエンジン20や燃料タンク21等を設ける。車体10の前端部にはミッションケース22を設けて、該エンジン20からベルト伝動されて、変速伝動機構により前、後車輪13、15を伝動すると共に、PTO軸23を伝動することができる。ステアリングポスト24部の左右両側部は、補助苗受枠25を設ける。又、車体10の後端部リヤフレーム26には、平行リンク形態のリフトリンク11が上下回動自在に連結され、車体10との間のリフトシリンダ27の伸縮によって昇降される。このリフトリンク11の後端のヒッチリンク28部に、前記苗植フレーム5のローリング軸部がローリング自在にして連結される。リヤフレーム26の上部には、施肥ホッパー29や、繰出装置30等からなる施肥装置が設けられて、施肥ホース30を介して各フロート1、2の苗植付位置部に施肥案内する。32は変速レバーで、ステアリングポスト24の左側に設けられ、エンジン20からミッションケース22の入力軸へのベルト伝動機を無段変速する。33は植付昇降レバーで、ステアリングポスト24の右側に設けられ、前記リフトシリンダ27の油圧昇降弁や、PTO軸23からの苗植装置4を伝動する伝動機構の植付クラッチを操作するものである。
【0007】
前記苗植装置4の苗植フレーム5は、左右方向に幅広い伝動ケース形態に形成され、後部を左右に分岐させて各センタフロート1、及びサイドフロート2の上部に沿って後方へ突出するようにフォーク状形態に分岐部を形成している。この各分岐部の後端部に苗植ケース36が植付軸37の周りに回転駆動されて、この苗植ケース36の両端部に有する苗植爪7を、上部の苗タンク6の苗取口38から下部の土壌面に向けて下動して苗植付作用を行うようにロータリ形態に構成される。この苗植爪7は横方向に一定間隔にして5条植付形態に配置される。
【0008】
前記センタフロート1とサイドフロート2は、後部をフロートアーム39の後端にフロート軸40の周りに回動自在に支持し、このフロートアーム39は苗植フレーム5に対して上下回動可能にしてフロート軸40の高さを調節できる構成としている。センタフロート1の上下揺動によってリフトシリンダ27の昇降制御弁を切替えるように連動して、このセンタフロート1が下動して土壌面が浅くなるとリフトリンク11が下動されて、苗植装置4を下降し、センタフロート1が下動して土壌面が深くなると逆に苗植装置4を上動して、土壌面に対する苗植付深さを一定に維持するように昇降制御するものである。このセンタフロート1の後部には苗植爪7の作用する切欠部を形成して、このセンタフロート1による均平面に苗植付を行わせることができる。又、この左右両側のサイドフロート2は、前端部の幅を広くして均平部を張出すT字形態に形成されて、この均平部の後側に苗植爪7が植付作動する。
【0009】
これら多条植形態の各苗植爪7の作動軌跡上死点部に苗取口38をのぞませるタンクガイド41が、苗植フレーム5を横方向にわたるように設けられて、苗タンク6の下端縁を横方向へ往復移動自在に案内する。各苗タンク6は方形状のマット苗を収容して繰出すもので、後下りの傾斜に構成されて、下端底部には繰出ベルト42を設け、この繰出ベルト42の間歇的駆動によって苗を一定量毎繰出すものである。この各苗タンク6の上側には繰出方向に沿って細棒状の苗押え杆43が設けられる。又、この苗タンク6の上端部には延長苗タンク44が、タンク軸45の周りに前後に折畳回動可能に設けられ、苗植装置4を下降するとき、この延長苗タンク44が前記施肥ホッパー29に当ると、この施肥ホッパー29に押されてタンク軸45の周りに後側へ回動されて、苗タンク6上面に折畳まれるように構成している。この延長苗タンク44は、下面側にも苗を載せることができ、苗タンク6に延長された状態でも、又、苗タンク6上に折畳重合された状態でも、マット状の苗を上面に載せて苗タンク6へ移動供給することができる。
【0010】
前記後車輪15の車軸16を外方に延出させて、この先端部に回転自在の車軸ボス48を設け、この車軸ボス48に防波板3の防波板アーム46をアームピン47で左右方向へ揺動自在にして支持する。円盤状の防波板3はこのアーム46の後端に防波板軸49周りに回転自在に設けられる。この防波板3がサイドフロート2の均平部の外側に位置させて、左右方向、及び上下方向に揺動自在に設けられる。このアーム46は、リフトリンク11後端のヒッチリンク28に対して吊下リンク機構や吊下チエン機構等を介して下動位置を制限させ、左右揺動域を制限するように構成して、苗植装置4を苗植姿勢に下降させたときは、防波板3が苗植土壌面に切込まれて左右揺動自在となり、苗植装置4を非植付位置に上昇した姿勢では、この防波板3をも一体的に上昇させるように構成することもできる。又、この防波板3は中空形態のドラム50を形成して、土壌面に接地した状態で一定深さに切込深さを制限するように構成している。前記左右の後車輪15の踏跡部には、ヒッチリンク28に一体の取付部材に装着のレーキ51が設けられて、踏跡土壌面を代掻きして均平化する。
【0011】
後車輪13、15の回転駆動して操向しながら植付昇降レバー33の操作で苗植装置4を下降させて、フロート1、2を接地状態にして苗植を行うことができる。苗タンク6に供給している苗がタンクガイド41部に繰出されると、苗取口38に作動する苗植爪7によって苗分離されて各フロート1、2で均平される土壌面Aに植付けられる。このときフロート1、2の滑走によって走行土壌面が均平されるが、サイドフロート2の均平によって泥土波の一部Bが前側に押し寄せられて、左右に押し分けられるようにして、外側部とセンタフロート1の側に分流される。このとき、防波板3が土壌面上に接近、乃至切込まれていて、サイドフロート2の前進と共に推進されて、該外側部へ流動される泥土Bを制止して、これより外側へは直接流れないようにして、この防波板3とサイドフロート2との間を後方へ抜けるように案内する。このように防波板3の内側に案内されて後方に抜ける泥土A流は、苗植付部の後側部で左右に広くなって拡散されて、防波板3の外側に植付けられている既植付苗C側へ向けての直接集中流動はなく、苗押倒し等を少くすることができる。
【0012】
又、この防波板3は土壌面に切込まれた状態で車体の直進走行方向と平行状を維持して推進されるが、車体の走行方向が曲進状態となるとこの防波板3の土壌面との抵抗によって、近回りするように、車体10の進行方向に対して車軸16上のアームピン47の周りに左側、又は右側に相対揺動して、サイドフロート2に対する間隔位置を大きく外側へ押し開かれないように維持する。このため、とくに、車体10の旋回方向の外側部の防波板3の外方への強制揺動押出をなくして、泥土Bの押出を少くすることができる。しかも、このような泥土B押しを少くして車体10前進の抵抗を小さくし、円滑な苗植走行を行わせる。この防波板3は円盤形態で、軸49周りに回転自在であり、土壌面に対する切込み抵抗によって回転されながら防波作用を行う。このアーム46の前端は、車軸16の周りに回動自在に嵌合された車軸ボス48と共に上下揺動されると共に、この車軸ボス48のアームピン47の周りに左右へ揺動される。防波板3には中空状のドラム50が形成されるため、このドラム50の回転面が泥土面に接して、防波板3の沈下を阻止すると共に、泥土面への切込深さを一定に維持案内させる。
【0013】
前記防波板3は、回転自在であるが、図4のように車軸16からチエン52を介して車速と連動して駆動回転する構成とすることもできる。53はチエンケースであり、このチエン52、及びチエンケース53が車軸16に対して左右へ揺動する構成としている。このようにすれば、防波板3及びその軸49に圃場の夾雑物がひっかかりにくくなる。
【0014】
次に、主として図5のものは、前記車輪跡を掻き均すレーキ51の土壌面Aに対するレーキ角度Dを車速によって緩、急に調整制御するように構成している。車速が高速になるに従ってレーキ角Dを緩くして、泥水の排流を行い易くする。レーキ51のレーキ角が大きいと泥土からの排水が悪くなり、泥土押しが著しく、均平性が低下し、掻き均し抵抗が大きくなるが、このレーキ角を緩く調整することによって土壌条件に応じて掻き均し効果を良好に維持できる。このレーキ角は、車速によって駆動制御されるギヤドモータ56により、レーキ51をレーキ軸57の周りに前後に回動させる構成としている。又、このレーキ51をスプリング58、及びワイヤー59等の機械的連動機構を介して、前記車速を制御する変速レバー32や、HST付き伝動装置を有する形態では、この無段変速を行うHST制御レバー等に連結して、車速変速に応じてレバー角Dを変更するように連動構成することもできる。
【0015】
次に、主として図6、図7は、前記苗植装置4を装着するリフトリンク11に昇降制御可能の整地装置62を設けて、枕地旋回時に後車輪15による車輪跡を整地するように構成したものである。この整地装置62は、小形ロータリ耕耘爪からなり、PTO軸23側から分岐される整地用PTO軸63から連動回転されて、車輪跡土壌面を耕耘できる。この整地装置62は左右の後車輪15間の車幅よりも適宜広く構成されて、上下のリフトリンク11間にわたって取付けられた昇降シリンダ64によって昇降される。この整地装置62は枕地の旋回時にのみ下降して整地するもので、苗植装置4を上昇してステアリングハンドル12を旋回角に操作した後ちに、車体が前進を始めてから整地装置62が下降される。又、ハンドル12を切り戻して直進状態になったときに整地装置62が自動上昇されるように制御構成している。又、このロータリ耕耘爪は下降時のみ自動的に回転される。枕地は車体の旋回によって荒されるが、苗植作用の行われない車体の旋回行程を利用して耕耘することにより、枕地を有効に整地することができる。
【0016】
このような整地制御にために、コントローラ65の入力側には、ステアリングハンドル12の切り角を検出するハンドル切れ角センサ66や、リフトリンク11の昇降角を検出する昇降リンクセンサ67を設け、出力側には、前記昇降シリンダ64の油圧回路に設けられる昇降用電磁バルブ68、及び前記整地用PTO軸63の伝動クラッチを入り切りする電磁ソレノイド69等を有する。これによって、前記枕地整地制御が図7のフローチャートに従って行われる。70はロータリディスク形態の線引マーカで、苗植フレーム5の左右横方に昇降切替可能に設けられ、次回苗植付条行程の土壌面に回転跡を付けて線引きするものである。
【0017】
次に、主として図8〜図10に基づいて、前記苗押え杆43の起伏構成について、適宜起立位置に停止できるようにストッパー71を設けたものである。苗タンク6の上方部でタンク間の仕切部72にブラケット73を設け、左右のブラケット73間にわたって苗押え杆43の支持軸74を回動可能に支持し、スプリング75で苗タンク6面側へ倒伏するように付勢している。ストッパー71はこのブラケット73上に設けている。この支持軸74の軸支部は起立位置で摩擦制動されて、スプリング75の弾発力に抗して回動制止される。この苗押え杆43を倒伏させるときは、作業者が手で操作して制動力に抗して回動させて苗押え域へ回動させる。この苗押え域ではスプリング75の弾発力で苗マット上面に押圧される。
【0018】
この苗押え杆43は、適宜の起立位置で制止できると共に、最上限位置はストッパー71で係止されるため、この先端部が前側の施肥ホッパー29に当らない領域位置に回動操作することができる。苗植装置4を苗植姿勢に下降するときには、この苗押え杆43が施肥ホッパー29に係合しないため破損するのを防止できる。76は表示ランプで、苗タンク4の横端部に設けられる。
【0019】
次に、主として図11に基づいて、前記燃料タンク21の取付構成は、エンジンルーム内において横側の支持軸78の周りに回動揺動自在に設けられて、この燃料タンク21内の燃料量が減少すると、エンジン20への供給口79が下動する方向へ自重で回動傾斜されて、燃料供給の残量を少くすると共に、このタンク傾斜をスイッチによる傾斜センサ80で検出して燃料がなくなったことを知らせるものである。81は給油キャップである。82は供給口79とエンジン20のキャブレターとの間を連結する燃料パイプである。燃料タンク21の支持軸78位置は重心位置よりも後位の供給口79側に偏位して設定されて、供給口79部は燃料容量を多くするように膨出部83が形成されている。燃料の多いときは前側部の重量が大きくなり、燃料が少くなると後側部の重量が大きくなるように形成している。
【0020】
ところで、図12に示すサイドクラッチ操作機構は、ステアリングハンドル12により操作されるピットマンア−ム175の回動角を検出して前車輪13の切れ角を検出する前車輪切れ角度センサ(ポテンショメ−タ)178aを設け、後車輪15への伝動を断つ左右各々のサイドクラッチをミッションケース22内に設け、該サイドクラッチを操作する左右各々のサイドクラッチア−ム86Iにロッド180を連結し、この左右のロッド180を共通の作動ア−ム179に連結している。尚、前記左右のロッド180は、作動ア−ム179の回動軸179aに対して互いに対称な位置で前記作動ア−ム179に連結されている。そして、作動ア−ム179のラック部179bに正逆転可能なサイドクラッチモ−タ183のピニオン181が噛み合っており、サイドクラッチモ−タ183が駆動することにより作動ア−ム179を回動させる構成となっている。尚、作動ア−ム179の回動角を検出する作動ア−ムセンサ182aを設けている。従って、前車輪切れ角が所定角度以上になったことを前記前車輪切れ角度センサ178aが検出して制御部100に入力すると、制御部100からの出力信号により作動ア−ムセンサ182aからの入力信号が所望の値になるようにサイドクラッチモ−タ183を駆動させて作動ア−ム179を回動させ、旋回内側となるサイドクラッチを断つべくこのサイドクラッチ側のロッド180を前側に引くようになっている。
【0021】
前記サイドクラッチモ−タ183又は作動ア−ムセンサ182aは、電気的に作動する構成であるので、機械的機構と比較して故障が発生しやすい。従って、サイドクラッチモ−タ183が不適正に作動して、旋回時に旋回内側の後車輪15の駆動が断たれなかったり逆に旋回外側の後車輪15の駆動が断たれて機体が左右反対側に旋回したり、あるいは直進時に左右一方の後車輪15の駆動が断たれたりして、機体の進行方向がオペレ−タの意図に反して相違したり、機体がスム−ズに走行せずに転倒の危険にさらされるおそれがある。そこで、図13のブロック図に示すように、制御部100からサイドクラッチモ−タ183へ信号が出力されてから所定時間内に作動ア−ムセンサ182aの検出値が所望の値にならないとき、変速操作シリンダ101により変速レバ−32を低速側へ作動させて走行速度を減速させると共に警報ブザ−102を発してオペレ−タに注意を喚起することができる。これにより、低速走行で安全性を図ることができると共に、オペレ−タは、適宜走行を停止させて、サイドクラッチモ−タ183又は作動ア−ムセンサ182aを含む電装機器を修理したり、ロッド180の連結を外して常時左右のサイドクラッチが伝動状態となるよう切り換えたりして、電装機器の故障に対応することができる。よって、機体の進行方向が不適正になったり機体が転倒したりする危険を回避することができる。
【0022】
機体前端部には、機体の前進に伴って圃場の夾雑物を前方へ押し寄せる鋤状の押し寄せ具103を設けている。この押し寄せ具103は、図14に示すように、左右両端部が左右中央部に対して若干前側に位置しており、前側で収集した夾雑物が左右端部から後方に洩れないようにしている。該押し寄せ具103により、防波板3又はセンタフロート1あるいはサイドフロート2付近へ夾雑物が供給されないようにして、防波板3及びその軸49又はセンタフロート1あるいはサイドフロート2に圃場の夾雑物がひっかかりにくくすることができる。押し寄せ具103は、苗植装置4のリフトシリンダ27から連動ワイヤ104を介して作動する上下動リンク105により、苗植装置4の上下動に連動して上下動する構成となっており、圃場面に追従して適確に夾雑物を収集することができる。また、畦際で機体を旋回させるときや畦際いっぱいまで機体を前進させてから後進するとき等、苗植装置4を地面から浮上させるべく上昇するのに連動して押し寄せ具103が上昇するので、押し寄せられた夾雑物が押し寄せ具103から離れて畦際へ堆積させられ、逆に押し寄せ具103で夾雑物を圃場内に散乱させないようにできる。また、上述のような押し寄せ具を車体と苗植装置との間に配置すると、前記押し寄せ具のスペ−ス分、機体の前後長が長くなってしまうが、元々空間のある機体前端部に押し寄せ具103を配置しているので、機体の前後長をあまり長くすることなく押し寄せ具103を構成できる。また、機体前端部に押し寄せ具103を配置しているので、畦際ぎりぎりまで夾雑物を押し寄せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】苗植機の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】その防波板部の正面図。
【図4】その一部別実施例を示す側面図。
【図5】そのレーキ部の制御例を示す側面図。
【図6】一部別実施例を示す整地装置部の側面図。
【図7】その枕地整地制御のブロック図と、そのフローチャート。
【図8】一部別実施例を示す苗押え杆部の作動状態を示す側面図。
【図9】その平面図。
【図10】その一部の拡大側面図。
【図11】一部別実施例を示す燃料タンク部の側面図。
【図12】サイドクラッチ操作機構を示す平面図
【図13】減速制御を示すブロック図
【図14】押し寄せ具を示す平面図
【符号の説明】
【0024】
1 センタフロート
2 サイドフロート
3 防波板
4 苗植装置
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成16年3月29日(2004.3.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−278456(P2005−278456A)
【公開日】 平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願番号】 特願2004−95280(P2004−95280)