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【発明の名称】 田植機
【発明者】 【氏名】加藤 祐一
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマー農機株式会社内

【要約】 【課題】苗載台の側端部を左側方ないしは右側方に偏倚させることなく配置すること。

【解決手段】苗マットが載置された苗載台を、横送り機構により左右方向に一定幅だけ横送りしながら、苗マットから苗を植付爪により切削して圃場に植え付け可能とすると共に、上記苗載台の一部を折り畳んで左右幅を短幅化可能となした田植機において、苗載台と横送り機構との連結を解除して、横送り機構により最大限に横送りされた苗載台を、さらに同一方向に横移動可能となした。このようにして、短幅化した苗載台の左右仮想中心線を機体の左右仮想中心線の近傍に位置させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗マットが載置された苗載台を、横送り機構により左右方向に一定幅だけ横送りしながら、苗マットから苗を植付爪により切削して圃場に植え付け可能とすると共に、上記苗載台の一部を折り畳んで左右幅を短幅化可能となした田植機において、
苗載台と横送り機構との連結を解除して、横送り機構により最大限に横送りされた苗載台を、さらに同一方向に横移動可能となしたことを特徴とする田植機。
【請求項2】
横送り機構は、左右方向に軸線を向けた横送りネジ軸を設け、同横送りネジ軸の外周面に形成した横送り溝に滑り子を係合させて、同滑り子を横送りネジ軸の回動に連動させて横移動可能となし、
同滑り子に連動連結片を介して苗載台を連動連結すると共に、同連動連結片は、苗載台に着脱自在に取り付けて、同連動連結片の取り外しにより苗載台と横送り機構との連結を解除可能となしたことを特徴とする請求項1記載の田植機。
【請求項3】
横送り機構との連結を解除された苗載台は、横移動規制片により横移動を規制するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の田植機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、田植機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、田植機の一形態として、苗マットが載置された苗載台を、横送り機構により左右方向に一定幅だけ横送りしながら、苗マットから苗を植付爪により切削して圃場に植え付け可能とすると共に、上記苗載台の一部を折り畳んで左右幅を短幅化可能となしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、上記田植機では、八条用の苗載台を、左側六条分の固定側苗載台形成体と、右側二条分の可動側苗載台形成体とから形成しており、可動側苗載台形成体を、固定側苗載台形成体の右側方位置に連続状態に配置した使用姿勢と、固定側苗載台形成体の直上方位置に重合状態に配置した折り畳み姿勢とに姿勢変更自在としている。
【0004】
そして、折り畳み姿勢では、固定側苗載台形成体が、機体の左右仮想中心線に対して左側方に偏倚しているため、同固定側苗載台形成体を横送り機構により右側方へ移動させて、同固定側苗載台形成体の左右仮想中心線を機体の左右仮想中心線に整合させるようにしている。
【0005】
このようにして、かかる田植機では、苗載台を折り畳み姿勢となすと共に、その左右仮想中心線を機体の左右仮想中心線の近傍に位置させることにより、運搬車の荷台に機体を載せて搬送する際に、苗載台が支障とならないようにしている。
【特許文献1】特開2000−295910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、苗載台を苗マット一枚分の各条毎に仕切る仕切用リブの中心線の間隔が33cmの仕様(以下「33仕様」という)では、苗載台の一部を折り畳んだだけでは、運搬車の荷台に載せられないという不具合がある。
【0007】
すなわち、通常は、苗載台を苗マット一枚分の各条毎に仕切る仕切用リブの中心線の間隔が30cmの仕様(以下「標準仕様」という)であり、例えば、標準仕様の八条用の苗載台の左右幅は、30cm×8=240cmとなるが、33仕様の八条用の苗載台の左右幅は、33cm×8=264cmとなり、両者の差が24cmとなる。
【0008】
そして、折り畳み姿勢においても、前者は、30cm×6=180cmとなるが、後者は、33cm×6=198cm、となり、両者の差が18cmとなる。
【0009】
そのため、33仕様では、折り畳み姿勢において、固定側苗載台形成体が左側方に大きく偏倚した状態にあり、横送り機構により右側方へ移動させて、同固定側苗載台形成体の左右仮想中心線を機体の左右仮想中心線の近傍に位置させようとしても、横送り機構による横送り幅は、通常、苗マットの半分であるため、固定側苗載台形成体をそれ以上に右側方へ移動させることができない。
【0010】
その結果、33仕様では、折り畳み姿勢の固定側苗載台形成体が、機体の左右仮想中心線に対して、左側方に偏倚した状態となっているため、運搬車の荷台に機体を載せる際に、固定側苗載台形成体の左側端部が荷台の側壁等に干渉するという不具合がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明では、苗マットが載置された苗載台を、横送り機構により左右方向に一定幅だけ横送りしながら、苗マットから苗を植付爪により切削して圃場に植え付け可能とすると共に、上記苗載台の一部を折り畳んで左右幅を短幅化可能となした田植機において、苗載台と横送り機構との連結を解除して、横送り機構により最大限に横送りされた苗載台を、さらに同一方向に横移動可能となしたことを特徴とする田植機を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、下記の構成にも特徴を有する。
【0013】
(1)横送り機構は、左右方向に軸線を向けた横送りネジ軸を設け、同横送りネジ軸の外周面に形成した横送り溝に滑り子を係合させて、同滑り子を横送りネジ軸の回動に連動させて横移動可能となし、同滑り子に連動連結片を介して苗載台を連動連結すると共に、同連動連結片は、苗載台に着脱自在に取り付けて、同連動連結片の取り外しにより苗載台と横送り機構との連結を解除可能となしたこと。
【0014】
(2)横送り機構との連結を解除された苗載台は、横移動規制片により横移動を規制するようにしたこと。
【発明の効果】
【0015】
(1)請求項1記載の本発明では、苗マットが載置された苗載台を、横送り機構により左右方向に一定幅だけ横送りしながら、苗マットから苗を植付爪により切削して圃場に植え付け可能とすると共に、上記苗載台の一部を折り畳んで左右幅を短幅化可能となした田植機において、苗載台と横送り機構との連結を解除して、横送り機構により最大限に横送りされた苗載台を、さらに同一方向に横移動可能となしている。
【0016】
このようにして、横送り機構により苗載台を最大限に横送りし、その後に、苗載台の一部を折り畳んで左右幅を短幅化した状態において、短幅化した苗載台の左右仮想中心線が機体の左右仮想中心線の近傍に位置せず、左右いずれか一方に偏倚した状態となっている場合には、苗載台と横送り機構との連結を解除して、横送り機構により最大限に横送りされた苗載台を、さらに同一方向に横移動することにより、短幅化した苗載台の左右仮想中心線を機体の左右仮想中心線の近傍に位置させることができる。
【0017】
従って、苗載台が広幅の33仕様においても、同苗載台の側端部を左側方ないしは右側方に偏倚させることなく配置することができて、運搬車の荷台等に機体を楽にかつ確実に積載することができる。
【0018】
(2)請求項2記載の本発明では、横送り機構は、左右方向に軸線を向けた横送りネジ軸を設け、同横送りネジ軸の外周面に形成した横送り溝に滑り子を係合させて、同滑り子を横送りネジ軸の回動に連動させて横移動可能となし、同滑り子に連動連結片を介して苗載台を連動連結すると共に、同連動連結片は、苗載台に着脱自在に取り付けて、同連動連結片の取り外しにより苗載台と横送り機構との連結を解除可能となしている。
【0019】
このようにして、連動連結片の取り外しにより苗載台と横送り機構との連結を解除することができるため、苗載台が広幅の33仕様においても、同苗載台の側端部を左側方ないしは右側方に偏倚させることなく配置することができる。
【0020】
しかも、連動連結片の取り外しによる苗載台と横送り機構との連結解除作業、及び、連動連結片の取り付けによる苗載台と横送り機構との連結作業を楽に行うことができる。
【0021】
(3)請求項3記載の本発明では、横送り機構との連結を解除された苗載台は、横移動規制片により横移動を規制するようにしている。
【0022】
このようにして、苗載台を横移動規制片により規制することにより、本機を運搬車の荷台に載せて運搬する際に、苗載台がガタついて騒音等を発するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1〜図3に示すAは、本発明に係る田植機であり、同田植機Aは、走行部1の後方に昇降リンク機構2を介して植付部3を昇降自在に連結すると共に、走行部1の後部に施肥部4を載設している。
【0024】
このようにして、本実施例では、植付部3により圃場に八条の苗を植え付けると共に、施肥部4により植え付けた各苗の側方に施肥を行うことができるようにしている。
【0025】
そして、走行部1は、図4及び図5に示すように、機体フレーム5上において、前部にエンジンEを設け、同エンジンEの後方位置に運転部6を設け、また、機体フレーム5の下方において、中途部にミッションケース7を設け、同ミッションケース7の左右側部に左右一対のフロントアクスルケース8,8を連動連設し、各フロントアクスルケース8,8の下端部に前車軸9a,9aを介して前車輪9,9を連動連結する一方、上記ミッションケース7の後部に前後伸延支持ケース10の前端部を連結し、同前後伸延支持ケース10の後端部にリヤアクスルケース12を連動連設し、同リヤアクスルケース12の左右側下端部に後車軸13a,13aを介して後車輪13,13を連動連結している。
【0026】
また、ミッションケース7の右側前部には、油圧式無段変速装置からなる変速ケース14を連動連設し、同変速ケース14より前方へ突設した入力軸15と、エンジンEより前方へ突設した出力軸16との間に伝動機構17を介設し、ミッションケース7より後方へ突設した走行出力軸18と、リヤアクスルケース12より前方へ突設した走行入力軸19との間に、前後方向に伸延する走行伝動シャフト20を介設している。21はPTO出力軸、22はPTO伝動シャフト、23はPTO軸、24は軸受体、25はパワーステアリングケース、26は防振ゴム、27は燃料タンク、28はボンネット、29は、昇降リンク機構2の一部を形成する昇降用油圧シリンダである。
【0027】
運転部6は、ボンネット28と協働してエンジンEを被覆するステアリングコラム30の上端部にステアリング支軸31を介してステアリングホイール32を取り付け、同ステアリングホイール32の後方位置に運転席33を配置している。34は、機体フレーム5の上方を被覆するケーシング体であり、同ケーシング体34は運転部6のステップ部等を形成している。35は運転席支持体、36は主変速レバー、37は、植付部3の昇降・植付クラッチの入切・マーカ操作を行う植付操作レバー、38は変速ベダル、39はアクセルレバー、40はユニットクラッチレバー、41は予備苗載台である。
【0028】
昇降リンク機構2は、図1及び図6に示すように、リヤアクスルケース12上に立設した後部フレーム45と、後述する植付部3の植付ミッションケース46に立設したヒッチ体47との間に、トップリンク48aとロワリンク48b,48bとを具備する昇降リンク体48を介設し、同昇降リンク体48と前後伸延支持ケース10との間に、前記昇降油圧シリンダ29を介設して、同昇降油圧シリンダ29を伸縮作動させることにより、植付部3を昇降させることができるようにしている。
【0029】
植付部3は、図6〜図9に示すように、植付ミッションケース46より左右側方へそれぞれ伝動ケース50,50を延設し、各伝動ケース50,50に前後方向に伸延する四個の植付ケース51,51,51,51の前端部を連動連結し、各植付ケース51の左右側後端部にそれぞれロータリケース52,52を介して植付爪53,53,53,53を連動連結して、二条分の植付ユニット機構54,54,54,54を四組構成している。
【0030】
そして、植付ミッションケース46の直下方位置に中央二条均平用センターフロート55を配置し、左右側の植付ケース51,51,51,51の間に左右二条均平用サイドフロート56,56を配置し、左右最外側の植付ケース51,51の直下方位置に左右最外側一条均平用補助フロート57,57を配置しており、これらのフロート55,56,56,57,57は、伝動ケース50,50に取り付けている。58はサイドバンパである。
【0031】
また、左右最外側一条均平用補助フロート57,57とサイドバンパ58,58は、伝動ケース50,50に着脱自在に取り付けている。
【0032】
このようにして、後述する本発明の特徴である苗載台61のコンパクトセッティングを行う際には、左右最外側一条均平用補助フロート57,57とサイドバンパ58,58を伝動ケース50,50から取り外すようにしている。
【0033】
また、前記した植付ケース51,51,51,51上には苗載台支持枠体60を介して苗載台61を前傾姿勢にて左右方向に往復摺動自在に載置しており、同苗載台61は、左右方向に横長四角形に形成した苗載台本体62に、前後方向に伸延する九個の仕切用リブ63を左右方向に一定の間隔を開けて配置して、隣接する仕切用リブ63,63間にそれぞれ苗マットを載置可能として、八条分の苗マットを載置するようにしている。64は苗載台本体62に設けた縦送りベルトである。
【0034】
ここで、本実施の形態に係る苗載台本体62は、図7及び図16に示すように、苗マット六条分である固定側本体形成片135と、右側部の苗マット二条分である可動側本体形成片136とから形成して、苗載台支持枠体60に固定した固定側本体形成片135の右側端縁部に、可動側本体形成片136の左側端縁部を着脱自在に取り付けると共に、取り外した可動側本体形成片136を固定側本体形成片135の右側半部上に重合状態に載置して収納することができるようにしている。
【0035】
このようにして、苗載台本体62の左右幅をコンパクト化することができると共に、後述する本発明の特徴である苗載台61のコンパクトセッティングが行えるようにしている。
【0036】
苗載台支持枠体60は、上下方向に伸延する左右一対の縦支持枠形成片65,65の上部間に、左右方向に伸延する横支持枠形成片66を横架し、ヒッチ体47の上端部にスプリング連結片67を上方へ向けて突設すると共に、同横支持枠形成片66の左右側部に上部シュー支持片68,68を上方へ向けて突設している。
【0037】
そして、縦支持枠形成片65,65と上部シュー支持片68,68の各上端部に上部シュー69,69,69,69を同一地上高に整列させて取り付けている。
【0038】
また、前記した植付ケース51,51,51,51上には、左右方向に伸延する苗取出体70を載置し、同苗取出体70に複数(本実施の形態では八個)の下部シュー71を取り付けている。
【0039】
ここで、本実施の形態に係る苗取出体70は、図16に示すように、苗マット六条分よりもやや短幅に形成した固定側苗取出体形成片70aと、同固定側苗取出体形成片70aの左右側端部に着脱自在に取り付けた可動側苗取出体形成片70b,70bとから形成している。
【0040】
このようにして、後述する本発明の特徴である苗載台61のコンパクトセッティングが行えるようにしている。
【0041】
前記した苗載台本体62には、前面上部に左右方向に伸延する上部スライドレール72を取り付けると共に、前面下端部に左右方向に伸延する下部スライドレール73を取り付けて、上部スライドレール72を上部シュー69,69,69,69に係合させる一方、下部スライドレール73を下部シュー71に係合させて、苗載台本体62を左右方向に円滑にスライド自在となしている。
【0042】
そして、上部スライドレール72の左右側部には、図15に示すように、左右一対の横移動規制片140,140を取付ボルト141,141により着脱自在に取り付けて、左側方の横移動規制片140が左側方の上部シュー69に当接して、右側方への苗載台本体62の横移動を規制する一方、右側方の横移動規制片140が右側方の上部シュー69に当接して、左側方への苗載台本体62の横移動が規制されるようにしている。142は取付ボルト孔である。
【0043】
このようにして、後述する本発明の特徴である苗載台61のコンパクトセッティングを行った状態でも、苗載台本体62の横移動を規制することができるようにしている。
【0044】
ここで、植付ミッションケース46には、図8に示すように、軸取付体137を介して前後方向に軸線を向けたローリング支点軸138を突設する一方、ヒッチ体47に前後方向に軸線を向けたローリングボス部139を取り付けて、同ローリングボス部139中に上記ローリング支点軸138を挿通すると共に、その軸線廻りに揺動(ローリング)自在に連結しており、ヒッチ体47の上端部には左右方向に伸縮作動する油圧式或いは電動式のローリングシリンダ74を設け、同ローリングシリンダ74の先端部を、連結ブラケット75を介して横支持枠形成片66に連結している。76は支持アーム、145は斜め補強部材である。
【0045】
このようにして、ローリングシリンダ74を伸縮作動させることにより、ローリング支点軸138を中心に植付部3を左右方向に揺動(ローリング)させて、同植付部3を水平に保持させることができるようにしている。
【0046】
また、図15に示すように、ローリング支点軸138の揺動中心線上に前記スプリング連結片67を配置すると共に、同スプリング連結片67の上端部と苗載台本体62との間にローリング補正用の左右一対の引張スプリング146,146を左右対称の位置にそれぞれ介設している。
【0047】
そして、各引張スプリング146,146の内側端部は、スプリング連結片67の上端部に着脱用連結片147を介して連結ボルト148により着脱自在に連結して、同着脱用連結片147を介してスプリング連結片67から引張スプリング146,146の内側端部を一体的に取り外すことができるようにしている。
【0048】
従って、引張スプリング146,146を介したヒッチ体47と苗載台61との連結解除作業を容易に行うことができる。
【0049】
植付ミッションケース46は、図5及び図6に示すように、ケース本体77の前壁より植付入力軸78を前方へ突出させており、同植付入力軸78は、前後方向に伸延する植付伝動シャフト79を介して走行部1に設けたPTO軸23に連動連結している。
【0050】
そして、図10及び図11に示すように、ケース本体77内において、植付入力軸78に一対のベベルギヤ80を介して左右方向に軸線を向けた植付伝動軸81を連動連結する一方、伝動ケース50,50中に植付駆動軸82を挿通し、同植付駆動軸82と上記植付伝動軸81とを伝動チェン83を介して連動連結している。
【0051】
また、ケース本体77内には、図11に示すように、変速機構84を設けており、同変速機構84は、前記植付伝動軸81に入・出力ギヤ85,86を介して連動連結する一方、苗載台61を左右方向に横送りする横送り機構87と、同苗載台61上の苗マットを縦送りする縦送り機構88とに連動連結している。
【0052】
すなわち、変速機構84は、ケース本体77内において、前記植付伝動軸81と平行させて左右方向に軸線を向けた変速軸89と送り伝動軸90とを横架し、同変速軸89と植付伝動軸81とを前記入・出力ギヤ85,86を介して連動連結すると共に、同変速軸89と送り伝動軸90とを四組の第1・第2・第3・第4変速ギヤ組91,92,93,94を介して連動連結して、これら第1・第2・第3・第4変速ギヤ組91,92,93,94により送り伝動軸90による送り速度を四段に変速可能としている。
【0053】
そして、ケース本体77内において、前記送り伝動軸90と平行させて左右方向に軸線を向けた縦送り伝動軸120を横架し、同縦送り伝動軸120と上記送り伝動軸90との間に入・出力側スプロケット121,122を介して伝動チェン123を巻回している。
【0054】
また、図11中、130はシフトリング、131はシフター、132は変速切替軸であり、同変速切替軸132を介して上記変速機構84の四段変速操作が行えるようにしている。133は伝動ケース50内に挿通した植付伝動シャフト、134は、同植付伝動シャフト133と植付伝動軸81との間に巻回した植付伝動チェンである。
【0055】
横送り機構87は、前記伝動軸90の右側端部90aと、苗載台支持枠体60の一部を形成する右側の縦支持枠形成片65に連設した軸受体95との間に、左右方向に軸線を向けた横送りネジ軸96を横架し、同横送りネジ軸96の外周面に形成した横送り溝97に滑り子98を係合させて、同滑り子98を横送りネジ軸96の回動に連動させて左右方向に往復横移動可能となし、同滑り子98に連動連結片99を介して苗載台61を連動連結している。
【0056】
ここで、連動連結片99は、図12〜図14に示すように、苗載台61に着脱自在に取り付けて、同連動連結片99の取り外しにより苗載台61と横送り機構87との連結を解除可能となしている。
【0057】
すなわち、連動連結片99は、上下方向に軸線を向けた上・下端部99a,99bと、両上・下端部99a,99b間にて前方へ膨出させてコ字状に形成した中途部99cとを、線材を屈曲させることにより形成しており、上・下端部99a,99bは、苗載台本体62の前面の中央下部に取り付けた取付体100にそれぞれ上・下部係止ピン101,102を介して着脱自在に取り付けている。
【0058】
そして、連動連結片99の上・下端部99a,99bには、それぞれピン挿通孔116,117を形成して、各ピン挿通孔116,117中に上・下部係止ピン101,102をそれぞれ横断状態に貫通するようにしている。
【0059】
取付体100は、苗載台本体62に固定する固定体103と、同固定体103に連結した取付本体104とから形成しており、同取付本体104は、左右一対の側壁形成片105,105と、両側壁形成片105,105の上・下部間に架設した上・下連結部形成片106,107と、両側壁形成片105,105の後部間に架設すると共に、下端縁部を下連結部形成片107の前端縁部と連結した後壁形成片108とを具備している。
【0060】
そして、上・下連結部形成片106,107にそれぞれ連動連結片99の上・下端部99a,99bを挿通・係止するための上・下部挿通孔109,110を形成し、後壁形成片108の下部に連動連結片99の下端部99bと中途部99cの一部を挿通するための挿通用長孔111を上下方向に伸延させて形成している。
【0061】
また、滑り子98の上端部には、左右方向に軸線を向けて伸縮調整片112を設けており、同伸縮調整片112は、軸線方向に伸縮調整自在の伸縮調整本片113と、同伸縮調整本片113の左右側端部に取り付けた当接片114,115とから形成している。
【0062】
このようにして、滑り子98を苗載台61に連動連結する際には、図12〜図14に示すように、滑り子98の上端部に設けた伸縮調整片112を、あらかじめ取付本体104の左右側壁形成片105,105の間隔に近い寸法まで伸長させて、上記左右側壁形成片105,105間に、当接片114,115の端面と上記左右側壁形成片105,105との間に若干の間隙が形成される状態にて、上記伸長調整片112を配置する。
【0063】
続いて、伸縮調整片112の前方より連動連結片99の中途部99cを伸縮調整本片113の中途部に係合させると共に、同連動連結片99の下端部99bを挿通用長孔111と下部挿通孔110とに上方より挿通して、同下端部99bに形成したピン挿通孔117に下部係止ピン102を横断状態に貫通させ、かつ、同連動連結片99の上端部99aを上部挿通孔109に下方より挿通して、同上端部99aに形成したピン挿通孔116に上部係止ピン101を横断状態に貫通させる。
【0064】
このようにして、取付本体104に連動連結片99を連結することにより、滑り子98の上端部に設けた伸縮調整片112が前方へ離脱するのを規制することができる。
【0065】
また、滑り子98を苗載台61から連結解除する際には、上記した手順を逆にたどることにより、容易に連結解除することができる。
【0066】
縦送り機構88は、縦送り伝動軸120の右側端部124と前記軸受体95との間に、左右方向に軸線を向けた縦送り軸125を横架し、同縦送り軸125に左右一対の縦送りカム126,126を突設して、図10にも示すように、苗載台61が左右いずれかの移動端まで移動したところで、縦送りベルトを回転させる従動カム127に縦送りカム126を当接させて、苗一株分を苗載台61の下端方向に移動させる(縦送りする)ようにしている。
【0067】
また、縦送り軸125の左側端部には筒状嵌合部128を設ける一方、縦送り伝動軸120の右側端部124は段付き小径に形成して、同右側端部124に上記筒状嵌合部128を着脱自在に嵌合させている。
【0068】
次に、本発明の特徴である苗載台61のコンパクトセッティングについて、図16を参照しながら説明する。
【0069】
ここで、苗載台61のコンパクトセッティングは、植付部3、特に、苗載台61を、所定の左右幅Ws(例えば、田植機運搬用の運搬車の荷台左右幅)内に配置することである。
【0070】
(1)図16(a)に示すように、苗載台本体61の左右仮想中心線C2を走行部1の左右仮想中心線C1に整合させた状態から、図16(b)に示すように、苗載台本体62を横送り機構87により右側方へ最大限に横送りする。W1は苗載台本体61の左右幅、W2は苗載台本体62の苗マット一条分の左右幅、W3は可動側本体形成片136の左右幅、W4は苗載台本体61の左右仮想中心線C2と走行部1の左右仮想中心線C1とのずれ幅である。
【0071】
(2)図16(c)に示すように、苗載台支持枠体60に固定した固定側本体形成片135から可動側本体形成片136を取り外して、同可動側本体形成片136を固定側本体形成片135の右側半部上に重合状態に載置して収納する。W5は、固定側本体形成片135の所定の左右幅Wsからの突出幅である。
【0072】
そして、固定側苗取出体形成片70aの右側端部から右側の可動側苗取出体形成片70bを取り外す。
【0073】
(3)図16(d)に示すように、固定側本体形成片135を右側方へ移動させて、同固定側本体形成片135の左右仮想中心線C3を走行部1の左右仮想中心線C1の近傍に位置させる(本実施の形態では両左右仮想中心線C1,C3を整合させている)。W6は固定側本体形成片135の左側端部の移動幅、W7は固定側苗取出体形成片70aの左右幅、W8は可動側苗取出体形成片70bの左右幅である。
【0074】
この際、図13及び図14に示すように、苗載台本体62の固定側本体形成片135に着脱自在に取り付けた連動連結片99を取り外すことにより、あらかじめ固定側本体形成片135と横送り機構87との連結を解除する。
【0075】
続いて、スプリング連結片67から着脱用連結片147を介して引張スプリング146,146の内側端部を一体的に取り外して、あらかじめ引張スプリング146,146を介したヒッチ体47と苗載台61の固定側本体形成片135との連結を解除する。
【0076】
かかる連結解除状態にて、固定側本体形成片135を右側方へ移動させることができる。
【0077】
そして、コンパクトセッティングした後は、横移動規制片140,140を左右一対の付替用ボルト孔142,142に取付ボルト141,141により付け替えて、両横移動規制片140,140により固定側本体形成片135の横移動を規制することにより、田植機Aを田植機運搬車の荷台に載せて運搬する際に、苗載台本体62がガタついて騒音等を発するのを防止することができる。
【0078】
また、固定側苗取出体形成片70aの左側端部から左側の可動側苗取出体形成片70bを取り外し、さらに、左右最外側一条均平用補助フロート57,57とサイドバンパ58,58を伝動ケース50,50から取り外す。
【0079】
このようにして、植付部3を所定の左右幅Ws内に配置したコンパクトセッティング状態となすことにより、田植機Aの構成部材を田植機運搬車の荷台側壁等に干渉させることなくスムーズに積み込むことができる。
【0080】
なお、上記した植付部3のコンパクトセッティングは、33仕様の苗載台61に特に有効なものである。
【0081】
施肥部4は、図1〜図3に示すように、機体フレーム5の後部に施肥ホッパー143を載置し、同施肥ホッパー143内に収容した肥料を送風機144により送風して、各フロート55,56,56,57,57の側条作溝器(図示せず)により圃場に成形され条溝中に放出するようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る田植機の側面図。
【図2】同田植機の平面図。
【図3】同田植機の正面図。
【図4】機体の側面図。
【図5】同機体の平面図。
【図6】植付部の側面図。
【図7】同植付部の正面図。
【図8】同植付部の斜視図。
【図9】フロートの平面図。
【図10】植付ミッションケースの側面図。
【図11】同植付ミッションケースの断面平面説明図。
【図12】連動連結体の正面図。
【図13】同連動連結体の断面側面図。
【図14】同連動連結体の断面側面説明図。
【図15】ローリング補正用の引張スプリングの正面説明図。
【図16】苗載台のコンパクトセッティングの説明図。
【符号の説明】
【0083】
A 田植機
1 走行部
2 昇降リンク機構
3 植付部
4 施肥部
5 機体フレーム
6 運転部
【出願人】 【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマー株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町1番32号
【出願日】 平成16年3月26日(2004.3.26)
【代理人】 【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎

【公開番号】 特開2005−278421(P2005−278421A)
【公開日】 平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願番号】 特願2004−93787(P2004−93787)