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【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】野坂 健吉
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】溝口 隆雄
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】安松 守
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】苗搬送ベルトから植付カップに苗を受け渡す際に、根部を崩すことがないように、水平姿勢から根部が下向きとなる垂直姿勢にスムーズに姿勢変更しながら植付カップに苗を受け渡せるようにする。

【解決手段】苗搬送ベルトにより水平姿勢で搬送した苗を、根部が下向きとなる垂直姿勢に姿勢変更して植え付けるようにした移植機において、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗搬送ベルト(45)により水平姿勢で搬送した苗(N)を、根部(Na)が下向きとなる垂直姿勢に姿勢変更して植え付けるようにした移植機において、
苗搬送ベルト(45)の終端下方に、苗(N)を水平姿勢から根部(Na)が下向きとなる垂直姿勢に姿勢変更させながら苗(N)の茎葉部(Nb)を挟持する一対の苗挟持ローラ(59)が設けられ、前記一対の苗挟持ローラ(59)の上方に、苗(N)の茎葉部(Nb)先端側を受ける受け部材(67)が設けられ、この受け部材(67)に、苗(N)の茎葉部(Nb)を根部(Na)側に向かうに従って徐々に大きく下降する傾斜状態で受ける傾斜ガイド部(68)が、設けられていることを特徴とする移植機。
【請求項2】
前記受け部材(67)の傾斜ガイド部(68)の下降側の先端が、一対の苗挟持ローラ(59)の軸方向の中央部に近接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移植機には、苗搬送ベルトにより水平姿勢で搬送した野菜等の苗を、根部が下向きとなる垂直姿勢に姿勢変更して植え付けるようにしたものがあり、この種の従来の移植機は、苗搬送ベルトの終端下方に、一対の下降ベルトと、一対の円板状の植付ディスクと、溝堀器とを設け、溝堀器で地面に植え付け溝を形成し、苗搬送ベルトの終端から落下する苗を、一対の下降ベルト間で挟持して下方に送り、一対の植付ディスクを下降ベルトに連動して回転させて、下降ベルトから供給された苗を、一対の植付ディスクで挟んで略90度回転させながら、前記植え付け溝に供給して、苗を植え付けるようにしていた(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【特許文献1】特開2000−342019号公報
【特許文献2】特開2000−236710号公報
【特許文献3】特開平10−94306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、従来では、圃場に溝切り器で植え付け溝を形成するため、マルチ栽培を行う場合には、溝切り器でマルチフィルムを切断してしまうこととなるため、従来のような植付ディスクによる苗の植え付けをすることができなかった。
そこで、マルチ栽培にも適用できるようにするため、上下移動する植付カップを使用して、植え付けるようにすることが考えられる。しかし、この場合、苗搬送ベルトにより水平姿勢で搬送した苗を、根部が下向きとなる垂直姿勢にスムーズに姿勢変更して植付カップに供給する必要がある。
【0004】
例えば、植え付ける苗がポット苗であれば、苗の一端には根部(根鉢)が付いており、 これが植付カップへの受け渡し時に崩れると、植え付け時に、植付カップで土中に孔をあけて植付カップが開き、その後植付カップが上がるとき、苗の重さが足りないために、苗の葉の抵抗で植付カップと共に苗が持ち上がり、良好な植え付けが困難になった。
本発明は、上記問題点に鑑み、苗搬送ベルトから植付カップに苗を受け渡す際に、根部を崩すことがないように、水平姿勢から根部が下向きとなる垂直姿勢にスムーズに姿勢変更しながら植付カップに苗を受け渡せるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、苗搬送ベルトにより水平姿勢で搬送した苗を、根部が下向きとなる垂直姿勢に姿勢変更して植え付けるようにした移植機において、
苗搬送ベルトの終端下方に、苗を水平姿勢から根部が下向きとなる垂直姿勢に姿勢変更させながら苗の茎葉部を挟持する一対の苗挟持ローラが設けられ、前記一対の苗挟持ローラの上方に、苗の茎葉部先端側を受ける受け部材が設けられ、この受け部材に、苗の茎葉部を根部側に向かうに従って徐々に大きく下降する傾斜状態で受ける傾斜ガイド部が、設けられている点にある。
【0006】
また、本発明の他の技術的手段は、前記受け部材の傾斜ガイド部の下降側の先端が、一対の苗挟持ローラの軸方向の中央部に近接するように配置されている点にある。
【発明の効果】
【0007】
苗搬送ベルトから植付カップに苗を受け渡す際に、根部を崩すことがないように、水平姿勢から根部が下向きとなる垂直姿勢にスムーズに姿勢変更しながら植付カップに苗を受け渡すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1において、1は玉葱等の野菜の苗Nを圃場に植え付ける移植機であり、本実施の形態では、前部に走行体2を、後部に移植装置3及びハンドル4を備えた歩行型の移植機1を例示している。
走行体2は、エンジン(動力源)6、ミッションケース7、左右一対の前輪(車輪)8及び左右一対の後輪(車輪、駆動輪)9を備えており、エンジン6の回転動力がミッションケース7内の走行系動力伝達機構を介して後輪9に伝達され、該後輪9が回転駆動されることにより走行体2が走行可能とされている。
【0009】
この走行体2の機体は、エンジン6、ミッションケース7及び架台10等から構成され、架台10はミッションケース7の前後方向中途部下部から前方突出状に設けられ、この架台7上にエンジン6が搭載され、エンジン6の後部にミッションケース7の前端側が連結されている。
架台10の前部には、左右方向の前輪支軸11が左右方向の軸心廻りに回動自在に支持され、この前輪支軸11の左右両側に、それぞれ前輪支持アーム13が前輪支軸11と一体回転自在で且つ前輪支軸11に対して左右方向位置調整自在に取り付けられており、左右各前輪支持アーム13の下端側にそれぞれ前輪8が回転自在に取り付けられており、前輪支持アーム13が前輪支軸11と一体回動することにより前輪8が走行体2の機体に対して相対的に昇降自在とされている。
【0010】
ミッションケース7の左右両側には、走行伝動ケース15の上部側が左右方向の軸心廻りに回動自在に取り付けられていて走行伝動ケース15が上下に揺動自在とされ、左右各走行伝動ケース15の下部にそれぞれ後輪9が回転自在で且つ左右方向位置調整自在に取り付けられており、走行伝動ケース15が上下に揺動することにより後輪9が走行体2の機体に対して相対的に昇降自在とされている。
また、前輪支軸11と左右の走行伝動ケース15とは連動部材16を介して連動連結されていて、左右一対の前後輪8,9が、4輪同時に昇降自在とされている。
【0011】
また、架台10には、油圧シリンダ等からなる昇降シリンダ17が設けられ、この昇降シリンダ17のピストンロッドは前輪支軸11に連動連結されていて、昇降シリンダ17のピストンロッドを出退させることにより、前輪支軸11が軸心廻りに回動して走行体2の機体に対して相対的に前後輪8,9が昇降し、前後輪8,9が昇降することにより走行体2の機体及び移植装置3が地面に対して昇降自在とされている。
次に移植装置3について説明する。移植装置3は、苗Nを圃場に植え付ける植付カップ(植付カップ)19を備えた植付装置20と、前記植付カップ19に苗Nを供給する苗供給装置21と、植付装置20及び苗供給装置21への動力伝達を一旦停止させると共に該停止時間を調整することにより株間を変更する株間変更装置22と、圃場に植え付けられた苗Nの左右両側の土を押圧する覆土輪23を備えた覆土装置24等とを備えている。
【0012】
以下、移植装置3の各装置を詳細に説明する。
まず、植付装置20について説明する。
図4に示すように、植付装置20は、苗供給装置21から供給される苗Nを畝に所定間隔で植付けるべく畝に対して突き刺し運動される植付カップ19と、この植付カップ19を上下運動させる植付カップ駆動機構27とを備える。植付装置20は、2条植用であって、植付カップ19及び植付カップ駆動機構27はそれぞれ左右一対設けられている。
各植付カップ駆動機構27は、後述する苗搬送装置37の下側に配置されていて、移植装置3のフレーム側に回転自在に支持された第1回転ケース(第1回転体)29と、第1回転ケース29の遊端側に、回転自在に支持された第2回転ケース(第2回転体)30とを備え、第2回転ケース30側に支持部材等を介して植付カップ19が支持され、第1回転ケース29の回転に連動して、第2回転ケース30を第1回転ケース29とは逆方向に回転させて、植付カップ19を、下降時に前側に変位する共に上昇時に後側に変位した前後に膨らみのある上下運動をさせるようになっている。
【0013】
次に苗供給装置21について説明する。
図2〜図5に示すように、苗供給装置21は、移植機1の後部上側に配置されていてフレーム等に取り付けられた苗載台33と、この苗載台33に搭載された苗箱(苗トレイ)35から苗Nを取り出す苗取出し装置36と、この苗取出し装置36で取り出された苗Nを植付カップ19上方に搬送する苗搬送装置37と、この苗搬送装置37で植付カップ19上方に送られた横向きの苗Nを縦向きに姿勢変更して植付カップ19に供給する苗姿勢変更装置39とを有し、各装置は植付伝動ケース40から出力される動力によって駆動される。
【0014】
苗箱35は樹脂製で可撓性を有していて弾性的に湾曲自在であり、多数のポット苗室P(ポット部)が縦横に基盤目状に形成されており、このポット苗室Pに充填された床土に播種して、野菜(玉葱)の苗Nが育苗されている。
また、苗箱35は、ポット苗室Pの開口が前方を向くように(苗Nの茎葉部Nbが前方を向くように)苗載台33に上方からセットされる。
苗取出し装置36は、苗搬送装置37の上方に配置され、ポット苗室Pから苗Nを押し出す押出杆43と、この押出杆43で押し出された苗Nを受持すると共に苗搬送装置37へと渡す苗受渡し機構44とを有する。
【0015】
押出杆43は、苗箱35の横一列の苗Nに対応する数設けられ、苗載台33の後方側に前後方向移動自在に備えられ、前方移動してポット苗室P内にその底部(後方)から挿入されて横一列の苗Nを前方に押し出し、その後、後退する。
なお、苗Nが押し出された後、苗箱35は苗Nの横一列分下方に縦送りされ、押出杆43は、搬送ベルト45上の苗Nがなくなるまで(または、大部分がなくなるまで)待機する。
また、苗箱35は苗載台33の下部側で湾曲されて、後方側に取り出される。
【0016】
ポット苗室Pから押し出された横一列の苗Nは、その根部(根鉢、床土)Naが苗受渡し機構44の苗受けアーム47の苗受け溝47a内に押し込まれる。
苗受けアーム47は、植付伝動ケース40内の動力伝達機構によって回転駆動されるクランク49に連動部材50を介して連動連結されており、クランク49の回転によって、図2に実線で示す苗受取り位置と、仮想線で示す苗渡し位置とに位置変更自在とされていて、苗受取り位置でポット苗室Pから押し出された苗Nを受持し、その後、苗Nを逆方向に反転させながら下方に回動し、苗渡し位置に至る際に、苗受け溝47aが苗Nの根部Naを先にして跳ね出し部材51の位置を通過し、これにより苗Nが苗受け溝47aから押し出され、跳ね出し部材51は苗Nが苗受け溝47aから抜け切ると同時に、下方(矢印a1方向)に回動し、苗Nを、その茎葉部Nbが後方を向いた横向き姿勢で下方の苗搬送装置37上に落下させるように構成されている。
【0017】
苗搬送装置37は、苗載台33の前方で且つ下方側に配置され、左右の植付カップ19に対応して左右一対設けられ、且つ移植装置3の左右方向のセンターCLを境に左右に振り分け配置されており、フレーム53に取付支持されている。
各苗搬送装置37は、左右一対のプーリ55と、この左右プーリ55に掛装されたエンドレスの搬送ベルト45とを有し、一方のプーリ55は、植付伝動ケース40内の動力伝達機構から伝達される動力によって回転駆動する回転軸56によって駆動され、搬送ベルト45は、プーリ55の回転駆動によって、その上部側が、移植装置3の左右方向中央側から左右方向外方側に向けて移動されるように構成されており、搬送ベルト45上の苗Nを左右方向外方に移送し、それぞれの左右方向外端部(終端部)において下方側に位置する植付カップ19に落下させる。
【0018】
また、搬送ベルト45の表面の前端部側(苗Nの根部Na側)には、ベルト幅方向に複数の位置決め用突起57が搬送方向に等間隔をおいて設けられ、搬送方向に隣り合う位置決め用突起57間に苗Nが1つずつ位置決めされるようになっている。
図3〜図9において、姿勢変更装置39は、植付カップ19に対応して左右一対設けられており、搬送ベルト45の終端(外側端)下方で且つ植付カップ19の上方に設けられた左右一対の苗挟持ローラ59と、この一対の苗挟持ローラ59の上方に配置されたシャッター60と、苗Nの根部Nbを押し下げる押下げ手段62とを備えている。
【0019】
一対の苗挟持ローラ59は、搬送ベルト45終端の苗Nの茎葉部Nbに対応して配置され、苗Nを水平姿勢(横向き姿勢)から根部Naが下向きとなる垂直姿勢(縦向き姿勢)に姿勢変更させながら苗Nの茎葉部Nbを挟持する。
また、一方の苗挟持ローラ59は、植付伝動ケース40から後方に突出する回転軸63によって前後軸廻りに回転駆動されると共に、他方の苗挟持ローラ59は、前記回転軸63からギヤ伝動機構64によって動力伝達されて回転する回転軸65によって前後軸廻りに回転駆動されていて、左右の苗挟持ローラ59は、対向内側で下側に向けて回転するように互いに逆向きに回転駆動され、苗Nの茎葉部Nbを挟持した一対の挟持ローラ59の回転に伴って苗Nを根部Naが下向きとなる垂直姿勢で下方移動させるように構成されている。
【0020】
シャッター60は、下部側が搬送ベルト45に向けて接離移動するように、前後方向の軸心を有する横軸61廻りに揺動自在に支持されており、この横軸60にはバネ58が巻回され、このバネ58は、シャッター60の下部側を搬送ベルト45側に向けて付勢している。
また、シャッター60の後側にはシャッターストッパー66が設けられ、このシャッターストッパー66は、シャッター60が下方に行くに従って搬送ベルト45側に移行する傾斜状態で、シャッター60の搬送ベルト45側への揺動を規制し、図7に示す如くシャッター60はこの傾斜した位置で、搬送ベルト45終端との間で苗Nを落下しないように1つずつ保持する。
【0021】
搬送ベルト45の終端に、苗Nが一対の苗挟持ローラ59に達する前に、苗Nの茎葉部Nb先端側を受ける板状の受け部材67が設けられている。この受け部材67は、搬送ベルト45の終端の外方(外側方)であって、一対の苗挟持ローラ59よりやや上方に配置されると共に、一対の苗挟持ローラ59に対し、後部側(苗Nの茎葉部Nb先端側)に向けてずれた位置に配置されている。また、受け部材67は、搬送ベルト45の上面と略同一高さ位置に配置されており、受け部材67は、苗Nが一対の苗挟持ローラ59に達する前に、ポット苗Nの茎葉部Nb先端側を受けるようになっている。
【0022】
前記受け部材67に、苗Nの根部Na側に向かう従って徐々に大きく下降する傾斜ガイド部68が設けられ、この傾斜ガイド部68により、苗Nの茎葉部Nbを、根部Na側に向かうに従って徐々に大きく下降する傾斜状態で受けるようになっている。受け部材67の傾斜ガイド部68の下降側の先端が、一対の苗挟持ローラ59の軸方向の中央部に近接するように配置されている。
図7及び図8に示すように、受け部材67に、弾性を有する合成樹脂等により構成した閉塞シート71が突設されている。この閉塞シート71は、一端部が受け部材67の下面に接着等により固定され、閉塞シート71の他端側が上側に弾性変形されて、その弾性変形の復元力によって、苗搬送ベルト45の終端側の上面に押圧接当され、閉塞シート71は、受け部材67と搬送ベルト45の終端部との間を塞いでいる。閉塞シート71は、受け部材67の後部側(水平部分)と前部側(傾斜ガイド部68側)とに2個設けられていて、これら閉塞シート71は、受け部材67の前後方向の略全長に亘っている。
【0023】
前記一対の苗挟持ローラ59の下方に、案内筒73が移植機1の機体側のフレーム等に固定して設けられている。この案内筒73は、下方側が徐々に細くなった先窄まりの角筒状に形成されている。一対の苗挟持ローラ59間から落下する苗Nを、案内筒73の筒体内を通過させて下方の植付カップ19に導くようになっている。この案内筒73は、一対の苗挟持ローラ59と植付カップ19との間に配置され、苗挟持ローラ59から落下した苗Nが、案内筒73の筒体内を通して、植付カップ19に受け渡されるタイミング(位置)が、植付カップ19が上下動の上死点を越えて下降動作するとき(位置)に設定されている。
【0024】
図3、図6、図7に示すように、押下げ手段62は、植付伝動ケース40の側方に設けられており、シャッター60の前端部(苗Nの根部Na側)に対応して配置された根部押し棒75と、根部押し棒75を取り付ける支持アーム76とを備え、根部押し棒75は支持アーム76の後端側に取り付けられている。
支持アーム76は、その前端側が移植装置3のフレームに左右方向の支軸77廻りに回動自在に支持されていて上下揺動自在とされており、また、前後方向中途部がリンク78の一端側に左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結されており、このリンク78の他端側は、植付伝動ケース40の前部側の側面上部に設けられた左右方向の出力軸79によって回転駆動される回転体80の回転中心から外れた位置に左右方向のピン81を介して枢支連結されており、回転体80の回転により、支持アーム76が上下に揺動して、根押し棒75が上下動する(根部押し棒75が、上下方向に間欠的に往復移動する)ように構成されている。
【0025】
根部押し棒75は、下方移動によって、シャッター60と搬送ベルト45の終端側との間に保持された苗Nの根部Naを、下方に押圧してシャッター60を開きながら一対の苗挟持ローラ59よりも下方に移動させる。
前記実施の形態によれば、搬送ベルト45によって、苗Nが終端側に向けて順次間欠的に搬送されて、搬送ベルト45に向けて前下がりに傾斜したシャッター60と、搬送ベルト45終端との間で、苗Nが順次1つずつ保持される。このとき、図9に鎖線Aで示すように、苗Nの茎葉部Nbの先端側が受け部材67上に載り、苗Nは、根部(Na)側が下降する傾斜状態で保持される。
【0026】
シャッター60と搬送ベルト45との間に保持された苗Nの根部Naは、根部押し棒75により下方に押圧されて一対の苗挟持ローラ59よりも下方に移動し、このとき、シャッター60が開くことにより、苗Nがシャッター60から落下して、図9に鎖線Bで示すように、苗Nの茎葉部Naの先端側が受け部材67の傾斜ガイド部68上に傾斜状態で載ると共に、茎葉部Nbの基端側が、一対の苗挟持ローラ59間に入り込んで、一対の苗挟持ローラ59間に挟持され、苗Nは、水平姿勢から根部Naが下向きとなる垂直姿勢に姿勢変更しながら苗Nの茎葉部Nbが挟持され、一対の苗挟持ローラ59の回転に伴って苗Nを根部Naが下向きとなる垂直姿勢で下方移動させて、上方移動している植付カップ19内に落下し、これにより、植付カップ19は、その移動域の上側で一対の苗挟持ローラ59から苗Nを受け取る。
【0027】
苗Nを受け取った植付カップ19は下降動作して畝に差し込まれると共に、その移動域の下側で開き苗Nを落下放出する、これにより、圃場に植え穴を開けながら、移動域の上側で受け取った苗Nを移動域の下側で圃場に植え付ける。
その後、植付カップ19が上昇動作し、この上昇動作に連動して植付カップ19が閉じる。
この間に、次の苗Nが、シャッター60と搬送ベルト45との間に保持されて、苗Nは、水平姿勢から根部Naが下向きとなる垂直姿勢に姿勢変更しがら苗Nの茎葉部Nbが挟持され、一対の苗挟持ローラ59の回転に伴って苗Nを根部Naが下向きとなる垂直姿勢で下方移動させて、上方移動した植付カップ19内に再び落下させ、植付カップ19は、上側で一対の苗挟持ローラ59から苗Nを受け取る。
【0028】
以後、同様の動作を間欠的に繰り返す。
従って、前記構成の苗供給装置21にあっては、搬送ベルト45から植付カップ19に苗Nを受け渡す際に、根部押し棒75により苗Nの根部Naを強制的に押して、一対の苗挟持ローラ59間に苗Nの茎葉部Nbを食い込ませることができて、苗Nをミスなく植付カップ19に供給できると共に、根部Naを崩すことがないように、水平姿勢から根部Naが下向きとなる垂直姿勢にスムーズに姿勢変更しながら植付カップ19に苗Nを受け渡すことができる。
【0029】
また、閉塞シート71によって、搬送ベルト45と受け部材67との間を略全長亘って塞いでいるため、搬送ベルト45と受け部材67との間に、苗Nの枯葉を挟み込むのを防ぐことができ、枯葉等の挟み込みによる植付カップ19への苗Nの受け渡しミスを未然に防止することができる。
また、苗Nが細くて茎葉部Nbが曲がり易い場合には、水平姿勢から垂直姿勢に姿勢変更する際に、茎葉部Nbが大きく屈曲してスムーズな姿勢変更ができなくなるおそれがあるが、苗Nが一対の苗挟持ローラ59に達する前に、受け部材67の傾斜ガイド部68で苗Nの茎葉部Nb先端側を受けるため、苗Nが細くてその茎葉部Nbが曲がり易い場合でも、傾斜ガイド部68により、苗Nの茎葉部Nbを、根部Na側に向かうに従って徐々に大きく下降する傾斜状態で安定に受けることができるし、また、シャッター60と搬送ベルト45の終端側との間に保持された待機状態のときにも、根部Na側に向かうに従って徐々に大きく下降する傾斜状態で待機させることもでき、水平姿勢で搬送した苗Nを、根部Naが下向きとなる垂直姿勢にスムーズに姿勢変更することができ、苗Nの植付カップ19への受け渡し精度の向上を図ることができる。しかも、受け部材67の傾斜ガイド部68の下降側の先端が、一対の苗挟持ローラ59の軸方向の中央部に近接するように配置されているため、苗Nが苗挟持ローラ59に対して前後方向に相当大きくずれていても、苗Nの茎葉部Nbを苗挟持ローラ59間に確実に挟持させて、苗Nを、垂直姿勢に姿勢変更させて、スムーズに植付カップ19側に受け渡すことができる。
【0030】
また、一対の苗挟持ローラ59を高速回転することにより、植え付け速度を十分に高速になし得、搬送ベルト45により水平姿勢で搬送した苗Nを、根部Naが下向きとなる垂直姿勢にスムーズに姿勢変更して良好な植え付けを高速でなすことができる。
また、仮に、案内筒73を植付カップ19と一体に上下運動させるようにすると、案内筒73が上昇する際に苗挟持ローラ59から案内筒73に向けて苗Nが落下し、苗Nの根部Naが案内筒73の内壁面(例えば前側内面)に衝当し、これによって、タイミング遅れが生じて植付カップ19の先端部(下端開口部)に苗Nを確実に保持することができずに、苗Nが少し遅れて植付カップ19の先端に供給されるようになるという問題を生じる。しかし、本実施の形態の場合、案内筒73を移植機1の機体側のフレーム等に固定しているため、案内筒73を一対の苗挟持ローラ59の下方に正確に対応させることができるし、落下する苗Nが案内筒73の内面に強く衝当することもなくなり、苗Nをスムーズに植付カップ19に供給でき、苗Nの高速植え付けに適応させることができるようになる。
【0031】
しかも、上下動する植付カップ19を使用して苗Nを植え付けるため、畝にマルチフィルムを敷設する場合でも、マルチフィルムを切断するようなことがなく、マルチ栽培にも適合したものとなる。
なお、本実施の形態では、ポット苗Nを植え付けるようにしているが、植え付ける苗は、ポット苗Nに限定されず、根洗い苗その他の苗であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、玉葱等の野菜の苗を植え付けるための移植機に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態を示す移植機の側面図である。
【図2】同苗供給装置の側面図である。
【図3】同苗供給装置の側面図である。
【図4】同苗搬送ベルトと植付装置との関係を示す背面図である。
【図5】同姿勢変更装置等の平面図である。
【図6】同搬送ベルト及び植付装置部分の斜視図である。
【図7】同搬送ベルト及び植付装置部分の背面図である。
【図8】同搬送ベルト及び植付装置部分の斜視図である。
【図9】同苗姿勢変更装置部分の側面断面図である。
【符号の説明】
【0034】
19 植付カップ
45 搬送ベルト
59 苗挟持ローラ
67 受け部材
68 傾斜ガイド部
71 閉塞シート
73 案内筒
N 苗
Na 根部
Nb 茎葉部
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成16年3月26日(2004.3.26)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄

【公開番号】 特開2005−278412(P2005−278412A)
【公開日】 平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願番号】 特願2004−93295(P2004−93295)