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【発明の名称】 移植機
【発明者】 【氏名】福本 仁志
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】苗取出爪によって苗を傷つけたり、取り出す苗とは別の苗をひっかっけて取り出してしなう等の苗取出の不具合を防止するようにした移植機であって、苗の取り出しを良好に行えるように考慮した移植機を提供する。

【解決手段】上面側に開口する多数のポット部Pが縦横に形成され且つ各ポット部P内の床土に苗Sが育苗された苗トレイTに対して、該苗トレイTの上面側から進出してポット部P内の床土Bを突き刺さして後退することによりポット部Pから苗Sを取り出す苗取出爪23を備え、前記苗トレイTを横送りすることで苗Sを順次苗取出位置に送り、横一列の苗Sを取り出した後に、苗トレイTをポット部Pの一ピッチ分縦送りするようにした移植機において、 苗トレイTの上面側に配置されていて、苗Sの葉Lが苗取出爪23と干渉しないように該苗Sの葉を保持するためのローラ40を、苗トレイTの横方向の軸心廻りに回転自在に設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面側に開口する多数のポット部(P)が縦横に形成され且つ各ポット部(P)内の床土に苗(S)が育苗された苗トレイ(T)に対して、該苗トレイ(T)の上面側から進出してポット部(P)内の床土(B)を突き刺さして後退することによりポット部(P)から苗(S)を取り出す苗取出爪(23)を備え、前記苗トレイ(T)を横送りすることで苗(S)を順次苗取出位置に送り、横一列の苗(S)を取り出した後に、苗トレイ(T)をポット部(P)の一ピッチ分縦送りするようにした移植機において、
苗トレイ(T)の上面側に配置されていて、苗(S)の葉(L)が苗取出爪(23)と干渉しないように該苗(S)の葉を保持するためのローラ(40)を、苗トレイ(T)の横方向の軸心廻りに回転自在に設けたことを特徴とする移植機。
【請求項2】
ローラ(40)は苗トレイ(T)の横一列の苗(S)の1つずつに対応して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【請求項3】
各ローラ(40)が苗トレイ(T)の横方向に間隔をおいて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の移植機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ、野菜等の植物の苗を植え付ける移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行体に、苗を植え付ける植付体と、この植付体に苗を供給する苗供給装置とを設け、走行しながら圃場に苗を植え付けるようにした移植機がある。
前記苗供給装置は、苗トレイを載置する苗載せ台と、この苗載せ台上の苗トレイから苗を取り出す苗取出爪とを備えている。
苗トレイは、上面側に開口する多数のポット部が縦横に形成されており、各ポット部内の床土に苗が育苗されている。
苗載せ台は、苗トレイを載置して横方向に移動自在とされていると共に、苗トレイを縦方向に移送する縦送り機構を備えている。
【0003】
苗取出爪は苗トレイに対して、該苗トレイの上面側から進出してポット部内の床土を突き刺さして後退することによりポット部から苗を取り出すように構成されており、苗載せ台を横方向に間欠移動させて苗トレイを横送りすることで苗を順次苗取出位置に送り、横一列の苗を取り出した後に、苗トレイを縦送り機構によってポット部の縦方向の一ピッチ分縦送りするようにしている。
ところで、葉長の大きな苗を育苗した苗トレイを苗載せ台にセットした場合、苗取出爪によって苗を取り出す際に苗取出爪で葉を傷つけたり、苗取出位置の苗の葉の上に他の苗の葉が被さり、苗取出爪で苗を取り出す際に葉を引っかけて2本の苗を引き抜いたりするなど、抜き取り不良を生じる場合がある。
【0004】
そこで、シート状の規制部材によって苗の葉が苗取出爪の苗突き刺し経路に侵入しないように苗の葉を保持する(支える)ように構成した移植機がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−335715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の移植機にあっては、苗の葉が苗取出爪の苗突き刺し経路に侵入しないように苗の葉を保持する規制部材はシート状の部材によって形成されているので、苗取出爪によって苗をポット部から取り出す際において、苗の葉の規制部材に対する接触抵抗が比較的大きく、苗が規制部材にひかかって苗の取り出し不良が生じる惧れがある。
特に、タバコの苗にあっては、葉の表面に少し粘着性があり、規制部材との接触抵抗が大きい。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、苗取出爪による苗の取り出しを良好に行えるようにした移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が前記目的を達成するために講じた技術的手段は、上面側に開口するポット部が縦横に多数形成され且つ各ポット部内の床土に苗が育苗された苗トレイに対して、該苗トレイの上面側から進出してポット部内の床土を突き刺さして後退することによりポット部から苗を取り出す苗取出爪を備え、前記苗トレイを横送りすることで苗を順次苗取出位置に送り、横一列の苗を取り出した後に、苗トレイをポット部の一ピッチ分縦送りするようにした移植機において、
苗トレイの上面側に配置されていて、苗の葉が苗取出爪と干渉しないように該苗の葉を保持するためのローラを、苗トレイの横方向の軸心廻りに回転自在に設けたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、苗を取り出す際に苗の葉を保持するローラが回転し、苗抜き取り時の苗のひっかかりを防止することができる。
また、ローラは苗トレイの横一列の苗の1本ずつに対応して設けられているのがよい。
ローラが横一列の苗にわたる長さに形成されていると、取り出される苗とは別の苗がローラにからんでローラがスムーズに回転しない場合があるが、ローラが苗1本、1本に対して独立して設けられることにより、取り出される苗とは別の苗の葉が取り出される苗に対応するローラにからむのを防止して、取り出される苗に対応するローラをスムーズに回転させることができる。
【0008】
また、各ローラが苗トレイの横方向に間隔をおいて配置されているのがよい。
これにより、取り出される苗に隣接する苗の葉が取り出される苗に対応するローラにからむのを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、苗の葉が苗取出爪と干渉しないように該苗の葉をローラが保持するので、苗取出爪によって苗の葉を傷つけたり、2本の苗を抜いたりする等の苗の取り出し不良が防止されると共に、苗取出爪が苗をポット部から抜き出す際にローラが回転して苗の葉のひっかかりが防止され、良好に苗を取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1は主としてタバコの苗Sの移植に使用される移植機であり、走行体2と、該走行体2に設けられた移植装置3とにより構成されており、畝Rの長手方向に移動しながら、例えばマルチフィルムMが敷設された畝Rに苗Sを自動的に植え付けていくものである(畝RにマルチフィルムMが敷設されていなくてもよい)。
走行体2は、エンジン(図示省略)、ミッションケース10等を備えた機体4を有し、エンジン等はボンネット5で覆われており、機体4は左右の前後輪6,7によって走行可能に支持されている。
【0011】
機体4の前部には、左右一対の前輪支軸8が左右方向に張出状に設けられ、この左右の前輪支軸8はそれぞれ機体4に左右方向の軸心回りに回動自在に支持されており、左右各前輪支軸8に前輪アーム9の上端側が固定され、該前輪アーム9は後方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に設けられ、この前輪アーム9の先端側(後端側)に前輪6が回転自在に支持されている。
ミッションケース10の左右両側には、該ミッションケース10から左右方向張出状に後輪支軸11が設けられ、この左右の後輪支軸11はそれぞれミッションケース10に左右方向の軸心回りに回動自在に支持されており、この後輪支軸11に伝動ケース12の上端側が固定され、該伝動ケース12は後方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に設けられ、この伝動ケース12の先端側(後端側)に後輪7が回転自在に支持されている。
【0012】
前記後輪支軸11の軸心部には走行系動力伝動軸が挿通され、ミッションケース10から出力されるエンジンからの動力が該伝動軸から伝動ケース12内の動力伝達機構を経由して後輪7に伝達されて該後輪7が回転駆動されるよう構成されている。
前記左右の伝動ケース12は昇降シリンダ13の伸縮動作により後輪支軸11回り(左右軸廻り)に上下方向揺動自在とされており、この昇降シリンダ13の動きは、連動リンク14を介して左右の前輪支軸8に伝達されて、左右の前輪アーム9も前輪支軸8回り(左右軸廻り)に上下方向揺動するように構成されており、したがって、前記昇降シリンダ13の伸縮動作によって左右の前後輪6,7が機体4に対して4輪同時に相対的に上下動し、これによって機体4の高さが調整自在とされている。
【0013】
また、左右の伝動ケース12は、ローリングシリンダ15の伸縮動作によって、互いに逆方向に上下揺動自在とされ、この伝動ケース12の上下揺動によって連動リンク14を介して左右の前輪アーム9が上下に揺動されるので、前輪アーム9も互いに逆方向に上下揺動するように構成されており、したがって、前記ローリングシリンダ15の伸縮動作によって、左右一方の前後輪6,7と他方の前後輪6,7とが逆方向に上下動して、機体4の左右方向に関する傾きが調整可能とされている。
前記昇降シリンダ13及びローリングシリンダ15は油圧シリンダから構成されている。
【0014】
機体4には、ミッションケース10から後方に延出するフレーム16が固定されており、このフレーム16の後端側にハンドル19が取り付けられていると共に、該フレーム16に移植装置3が支持されている。
フレーム16は、ミッションケース10上部から後方に延出された左右一対のメインフレーム17と、この左右各メインフレーム17の下方側に位置し且つ前端側がミッションケース10に連結され後端側がメインフレーム17の後端側に連結された左右一対のサブフレーム18とを備えて主構成されており、左右のメインフレーム17及び左右のサブフレーム18は後端部で相互に連結されており、メインフレーム17の後端側から後上方に延出されたハンドルポスト20の後端側にハンドル19が設けられている。
【0015】
前記移植装置3は、前記メインフレーム17の後部とハンドルポスト20の後端部にわたって設けられた支持フレーム21上に支持された苗載せ台22と、該苗載せ台22の前方側に配置された苗取出爪23と、該苗取出爪23の下方でサブフレーム18等に昇降自在に設けられた植付体24とを備えている。
植付体24は、上端側が開口状で且つ下部側が前後に開閉自在とされていると共に下方に向かうに従って先窄まり状に形成されており、該植付体24にその移動域の上死点側で苗Sが供給され、該移動域の下死点側で植付体24が畝Rに突入して前後に開くことにより、畝Rに植え穴が形成されると共に該植え穴に苗Sが放出されて該苗Sが植え付けられる。
【0016】
なお、この植付体24にはマルチフィルムMに切れ目を入れるカッターが設けられており、植付体24が畝Rに突入する際にマルチフィルムMに切れ目を入れながら畝Rに突入する。また、苗植付位置に穴が形成されているマルチフィルムを使用したり、マルチフィルムの苗植付位置に穴を形成する穿孔装置を植付体24の前方側に昇降自在に設けてもよい。
苗載せ台22は、図3及び図4に示すように、前方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に配置されて支持フレーム21に支持されており、該苗載せ台22は、前方に向かうに従って下方に移行する傾斜状の載置壁26を有し、該載置壁26上面に苗トレイTが載置される。
【0017】
この苗トレイTは、プラスチック製で、薄肉に形成されて可撓性を有し、縦横に所定ピッチで碁盤目状に配設された多数のポット部Pを備えている(図1及び図4参照)。
また、ポット部Pは苗トレイTの上面側に開口し且つ苗トレイTの上壁Ta下面から下方側に突出するように形成されされており、換言すると、苗トレイTはポット部Pの開口縁部が苗トレイの上壁Taによって相互に平面状に連結されて構成されている。
この苗トレイTのポット部Pに床土を充填し、そこへ播種し育苗することでタバコ等の苗S(ソイルブロック苗)が育成されている。
【0018】
また、この苗トレイTは、縦方向のポット部Pの列が載置壁26の傾斜方向に沿うように且つポット部Pの開口部が上側を向くようにポット部Pの底部が苗載せ台22の載置壁26上に載置される(したがって、ポット部Pの横方向の列が左右方向に一致し、苗トレイTは前方に向かうに従って下方に移行する傾斜状に配置されている)。
苗取出爪23は、前記苗トレイTから苗Sを一つずつ取り出して、植付体24に供給するものであり、先端が尖った丸棒材で構成され、左右一対設けられると共に、先端側に移行するにしたがって相互に近接するように並設されており、爪動作機構によって苗トレイTと上死点側に位置する植付体24との間を往復移動自在に支持されている。
【0019】
すなわち、この苗取出爪23は、苗トレイTの上面側で且つ前方側から苗トレイTに対して進出して(本実施の形態では後方側に移動して)ポット部P内の床土Bを突き刺して後退(苗トレイTから離反する方向に移動、本実施の形態では前方側に移動)することにより、ポット部から苗Sを取り出し、その後、取り出した苗Sを床土Bが下側で葉が上側となる上向き姿勢に姿勢変更しながら上死点側に位置する植付体24の上方側に苗Sを移送して該植付体24に対して苗Sを放出するように構成されている。
その後、苗取出爪23は、元の位置にもどって前記動作を繰り返す。
【0020】
苗載せ台22は左右一対の側板27間に前記載置壁26を備えており、支持フレーム21に設けられた上下一対のガイドレールに左右方向移動自在に支持されていて、左右方向に間欠移動可能とされていると共に、苗トレイTを縦方向下方側(図4の矢示A方向)に縦送りする縦送り機構が設けられている。
また、載置壁26の上面の左右方向中央部には、ポット部P間に挿入状とされて、苗トレイTの左右方向の移動を規制しながらトレイ縦送り方向Aに苗トレイTを案内するガイド板28が設けられている。
【0021】
また、載置壁26の後上部は左右の側板27間から後上方に突出しており、苗トレイTはこの載置壁26の上部側から載置壁26上に載置され、縦送り機構によって、苗トレイTの縦送り方向A最前列(下端側の横一列)のポット部Pが苗取出位置に位置するように縦送りされて苗トレイTがセットされる。
この移植装置3にあっては、苗載せ台22を苗トレイTが載置壁26上に載置されたまま左右方向に間欠移動させることにより、苗トレイTが左右方向に間欠的に横送りさせることができ、苗トレイTを横送りすることにより、苗S(ポット部P)を順次苗取出位置に送ることができ、横送りが停止している状態で横方向一端側のポット部Pから苗Sが順次取り出され、横一列の苗Sが取り出されると、縦送り機構によって縦方向のポット部Pの1ピッチ分、苗トレイTが下方側に縦送りされて、その後、前記とは逆の方向に横送りされて苗Sが取り出される。この動作を繰り返すことにより、苗トレイTから苗Sがすべて取り出されるようになっている。
【0022】
縦送り機構は、苗載せ台22のトレイ縦送り方向Aの下部側で且つ載置壁26の下側において左右側板27間に亘って設けられた縦送り駆動軸29と、苗載せ台22のトレイ縦送り方向Aの上部側で且つ載置壁26の下側において左右側板27間に亘って設けられた縦送り従動軸30と、左右側板27の内側に位置していて縦送り駆動軸29と一体回転する左右一対の駆動スプロケット31と、左右側板27の内側に位置していて縦送り従動軸30と一体回転する左右一対の従動スプロケット32と、左右の駆動スプロケット31と左右の従動スプロケット32とに亘って掛装されたエンドレスのチェーン33と、このチェーン33に長さ方向に所定間隔をおいて且つ左右方向内方突出状に取り付けられていて苗トレイTの縦配列方向のポット部P間の間隙に挿入状に係合する縦送りピン34とを備えており、縦送り駆動軸29を、図4に矢示Eで示す方向に左右軸廻りに回転させることによって、苗トレイTが縦送りピン34によって押動されてトレイ縦送り方向Aに移送可能とされている。
【0023】
なお、縦送り従動軸30には、手動ハンドル35が設けられており、この手動ハンドル35を回動操作することによって、チェーン33を手動で循環回走できるように構成されている。
前記苗載せ台22には、苗取出位置にある苗Sの葉Lが苗取出爪23と干渉しないように(苗取出爪23の苗Sの突き刺し経路に侵入しないように)苗Sの葉Lを保持する(支える)垂れ下がり防止装置36が設けられている。
この垂れ下がり防止装置36は、図5及び図6に示すように、苗Sに、トレイ縦送り方向A前方側(下側)から接触して苗Sの垂れ下がりを防止するローラ40と、このローラ40を回転自在に支持する支軸41と、この支軸41を支持するステー42L,42Rとを備えている。
【0024】
前記ローラ40は、本実施の形態では発泡スチロール等の軽い材料によって円柱状に形成され、中心部には軸心方向に貫通する挿通孔43が形成されていると共に、外面は平滑面(平らな面、でこぼこがない面)に形成されている。
また、ローラ40は横方向の苗Sの1つ1つに対応して複数個設けられている。
本実施の形態では、横方向に6列のポット部Pが形成され且つ縦一列に12個のポット部Pが形成された72穴の苗トレイTが使用されるので、前記ローラ40は横方向の苗Sの1つ1つに対応して6個設けられている。
【0025】
ステー42L,42Rは左右一対設けられていて、苗載せ台22のトレイ縦送り方向A下部側の左右両側に配置されており、一方(右側)のステー42Rの下部側は苗載せ台22の左側の側板27の外面等にボルト等によって取付固定されており、他方の(左側)のステー42Lの下端側は苗載せ台22に備えられたカバー44上面等にボルト等によって取付固定されていて、左右のステー42L,42Rは苗トレイTの上面側よりも上方に突出状とされている。
また、左右のステー42L,42Rは、その上部側が左右方向において対向状に配置されており、この左右ステー42L,42Rの上部間に前記6つのローラ40がその軸心が左右方向に一致するように且つ左右方向に間隔をおいて配置されていると共に各ローラ40の挿通孔43に支軸41が挿通されており、この支軸41の両側はステー42L,42Rに支持されており、該支軸41により、各ローラ40が支軸41の軸心廻り(左右方向の軸心廻り)に回転自在に支持されている。
【0026】
また、各ステー42L,42Rの上部には、上下方向に間隔をおいて複数(図例では3つ)の軸挿通孔46が形成され、この軸挿通孔46に支軸41の端部側が挿通されて抜け止めピン47で抜け止めされることにより、支軸41が取り付けられており、支軸41を異なる軸挿通孔46に挿通することにより、支軸41、すなわちローラ40の上下位置が調整自在とされている。
また、各ローラ40間及びローラ40とステー42L,42Rとの間には、筒体からなるスペーサ45が支軸41に軸心廻りに回転自在に外嵌されて設けられていて、各ローラ40間、ローラ40とステー42L,42R間の間隔が保持されている。
【0027】
ローラ40は、苗トレイTの上面側で且つ苗取出爪23に対してトレイ縦送り方向A後方側(上側)に位置しており、苗トレイTを載置壁26の上部側から苗トレイT下端側のポット部Pが苗S取出位置にくるように縦送りすると、トレイ縦送り方向A最前列の苗Sの葉Lがローラ40に接触し(ローラ40が葉Lをかき上げ)、該ローラ40によって苗Sの葉Lが垂れ下がらないように該葉Lが保持される(支えられる)。
なお、図例では、次の(上側の)横一列の苗Sの葉L等も一緒に支えられるように構成されている。
【0028】
したがって、ローラ40によって苗Sの葉Lが垂れ下がらないように支えられるので、苗取出位置にある苗Sの葉Lが苗取出爪23の突き刺し経路に侵入するのが防止されて、該葉Lが苗取出爪23の突き刺し動作時に苗取出爪23と干渉するのが防止され、これによって、苗取出爪23の床土突き刺し時において、該苗取出爪23で苗Sの葉Lが傷つけられたり、苗取出爪23で複数の苗Sの葉Lをひっかけて複数の苗Sを抜いたりするのを防止できる。
また、ローラ40は回転自在であるので、苗Sを取り出す際に、ローラ40が回転して苗Sの葉Lがローラ40にひっかかるのが防止される。
【0029】
また、ローラ40が横一列の苗Sの1つ1つに対応して独立して設けられているので、取り出される苗Sに接触するローラ40だけが回転し、苗Sをスムーズに取り出すことができる。
また、各ローラ40が左右方向に相互に間隔をおいて設けられているので、取り出される苗Sに隣接する苗Sの葉Lが取り出される苗Sに対応するローラ40にからむのを確実に防止することができる。
なお、ローラ40は横一列のポット部に亘る長さに形成されていてもよいが、ローラ40が横一列の苗Sにわたる長さに形成されていると、取り出される苗Sの他の苗Sがローラ40にからんでローラ40がスムーズに回転しない場合がある。
【0030】
また、各ローラ40は相互に接触するように設けられていてもよいが、取り出される苗Sに隣接する他の苗Sの葉Lがローラ40にからむ場合がある。
したがって、ローラ40は、図例のように、横方向の苗Sの1つ1つに対応して独立して設けられると共に相互に間隔をおいて設けられるのが好ましい。
なお、トレイ縦送り方向A最前列の横1列の苗Sが取り出されて苗トレイTが縦送りされると、次の横1列の苗Sの葉Lがローラ40によって支えられる。
また、この移植機1には、植付作業をしながら畝Rに敷設されたマルチフィルムM上の土を落とす(排除する)ブラシ装置37が設けられており、このブラシ装置37は、苗S植付位置の左右両側に位置する左右一対のブラシ38と、この左右ブラシ38を機体4に取り付けるための取付フレーム39とを有する。
【0031】
また、この移植機1にはスタンドが前後に設けられており、機体4を最上げ位置に上昇させた後、前後のスタンドを立てて機体4を下降させることにより、格納時等において、前後のスタンドで機体4を支持できるように構成されている。
後側のスタンド48は左右一対設けられ、該スタンド48は、図2及び図7に示すように、ハンドルポスト20の下部に固定された取付ブラケット49にその一端側が取り付けられている。
取付ブラケット49は左右一対の側壁49aと、左右側壁49aの前面側を連結する前壁49bとを備えてなり、左右各側壁49aには、軸支孔50と、一対の係止孔51とが左右方向貫通状に形成されている。
【0032】
一方の係止孔51は軸支孔50の下側に位置し他方の係止孔51は軸支孔50の後上方に位置していると共に、一対の係止孔51は軸支孔50の軸心を中心とした同一円周上に形成されている。
スタンド48の一端側は取付ブラケット49の左右の側壁49a間に挿入されており、該スタンド48の一端側には、軸支孔50に一致する軸挿通孔52と、係止孔51に一致するピン挿通孔53とが形成されている。
このスタンド48は、図2に仮想線で示すと共に図7(a)に実線で示すように取付ブラケット49から下方に突出状とされたスタンド48を立てた姿勢(展開姿勢)と、図7(a)に仮想線で示すように後方に向かうに従って上方に移行する傾斜状とされて取付ブラケット49から後上方に突出状とされた収納姿勢とに姿勢変更自在に、ロック金具54によって取付ブラケット49に取り付けられている。
【0033】
ロック金具54は、本実施の形態では棒材によって形成されており、取付ブラケット49の左右の軸支孔50及びスタンド48の軸挿通孔52に挿通された左右方向の軸心を有する支軸部55と、この支軸部55の左右方向外端側から軸心に直交する方向に延設された把持部56と、この把持部56の中途部から前記支軸部55に平行状として延設され且つ取付ブラケット49の左右側壁49aの係止孔51及びスタンド48のピン挿通孔53に挿通された係止軸部57を備えている。
このロック金具54の支軸部55は、取付ブラケット49の内側の側壁49aから左右方向内方側に突出しており、この支軸部55の突出部分に左右一対のバネ受け座金58が軸方向移動自在に外嵌されていると共にこのバネ受け座金58間に介装された圧縮コイルバネ59(付勢手段)が套嵌されている。
【0034】
左右方向内方側のバネ受け座金58は、ピンによって支軸部55に対して抜け止めされており、コイルバネ59によってロック金具54が左右方向内方側に付勢されている。
また、支軸部55には取付ブラケット49の外側の側壁49aの外面に接当する接当部材60が固定され、この接当部材60が取付ブラケット49の外側の側壁49aすることにより、支軸部55の左右方向内方への移動が規制されると共に、該側壁49aと把持部56との間隔を保つように構成されている。
前記構造のスタンド装置にあっては、スタンド48を展開姿勢から収納姿勢に姿勢変更する場合、機体4を上昇させてスタンド48を地面から浮かせ、この状態で把持部56を把持してロック金具54をコイルバネ59の付勢力に抗して矢示C方向に引っ張って係止軸部57を取付ブラケット49の係止孔51及びスタンド48のピン挿通孔53から抜脱する。
【0035】
この状態で、スタンド48は支軸部55の軸心廻りに上下揺動自在であるので、該スタンド48を収納姿勢とすると共にロック金具54の係止軸部57を取付ブラケット49の上側の左右の係止孔51及びスタンド48のピン挿通孔53に一致させて、ロック金具54に対する矢示C方向への引張力を解除すると、コイルバネ59の付勢力によって係止軸部57が取付ブラケット49の係止孔51及びスタンド48のピン挿通孔53に挿通され、スタンド48が収納姿勢に保持される。
収納姿勢から展開姿勢にするには、前記と逆の動作を行う。
【0036】
従来のスタンドは、軸支孔50及び軸挿通孔52に挿通される枢軸によってスタンドの一端側を左右軸廻りに回動自在に支持すると共に、頭付きピンを係止孔51及びピン挿通孔53に挿通させることにより、スタンドを展開姿勢と収納姿勢とに位置決めしており、頭付きピンはスナップピンによって抜け止めしている。
この従来のスタンドの取付構造にあっては、スナップピンが抜きにくい、頭付きピンの差し替えが面倒、抜いたピンを落として失うことが多い等の問題があるが、本実施の形態の移植機では、このようなことがなく、1個のロック金具54の操作によって、スタンド48を展開姿勢と収納姿勢とに簡単に切り替えることができる。
【0037】
なお、本発明は前記実施の形態に示したものに限定されるものではなく、乗用型移植機、トラクタに牽引される形式の移植機、又は、手動型の簡易移植装置にも適用できるものである。
また、苗トレイTの上面が左右方向又は後方を向くように該苗トレイTが配置されるように構成されていてもよく、また、苗トレイが鉛直方向下側に縦送りされるように構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】ローラと苗取出爪と苗との関係を示す側面図である。
【図2】移植機の側面図である。
【図3】苗載せ台を正面側斜め上方からみた図である。
【図4】苗載せ台の側面図である。
【図5】垂れ下がり防止装置のD矢示図である。
【図6】垂れ下がり防止装置の側面図である。
【図7】後側のスタンドの取付部分を示し、(a)は側面図、(b)は背面図である。
【符号の説明】
【0039】
23 苗取出爪
40 ローラ
B 床土
L 葉
P ポット部
S 苗
T 苗トレイ
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成16年3月26日(2004.3.26)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄

【公開番号】 特開2005−278409(P2005−278409A)
【公開日】 平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願番号】 特願2004−93292(P2004−93292)