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【発明の名称】 肥料散布機
【発明者】 【氏名】松橋 憲夫
【住所又は居所】青森県十和田市大字三本木字里ノ沢1番地259 株式会社ササキコーポレーション内

【氏名】相馬 敏光
【住所又は居所】青森県十和田市大字三本木字里ノ沢1番地259 株式会社ササキコーポレーション内

【要約】 【課題】複数種類の肥料をホッパ内で短時間に効率よく混合可能で、拡散散布と筋状散布が可能な肥料散布機を提供する。

【解決手段】U字状の樋に撹拌羽根を有した回転軸を内設して原料を一方向へ撹拌しながら移送する撹拌部を構成し、この撹拌部の移送方向が互いに逆方向になるように一組を隣接して設け、これらの移送方向の末端に隣接する樋に肥料が移動可能な掻き上げ材を設けて原料が連続循環するように肥料ホッパを構成し、片側一方の底面に、複数個の排出口を設けて落下させ散布するように構成した第1散布部と、他方片側のホッパ底部の中間部に排出口を設け、排出口下方に、落下した肥料を拡散散布する回転散布板を設けた第2散布部とを設け、第1散布部か第2散布部のいずれかからの散布を選択できる肥料散布機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
U字状の樋に撹拌羽根を有した回転軸を内設して肥料を一方向へ撹拌しながら移送する撹拌部を構成し、この撹拌部の移送方向が互いに逆方向になるように一組を隣接して設け、これらの移送方向の末端に隣接する樋に肥料が移動可能な掻き上げ材を設けて肥料が連続循環するように構成するとともに、一組に隣接したU字状の樋の片側一方の底面には、撹拌部の移送方向の略樋幅に連設して複数個の排出口を設け、その排出口より肥料を落下させて散布可能とした第1散布部と、他方片側の底面には、長手方向中間部に排出口を設け、この排出口下方には、水平面に散布羽根を設けた円板を水平回転自在にした回転散布板を装設し、前記排出口より落下した肥料を遠心力で拡散散布可能とした第2散布部を設け、肥料散布時は第1散布部又は第2散布部からの散布を選択できることを特徴とした肥料散布機。
【請求項2】
撹拌羽根の移送方向の開始端部側には、リボン状螺旋に成形された補助撹拌羽根を撹拌羽根開始端と開始端の取付位相をずらして2条に設けた請求項1記載の肥料散布機。
【請求項3】
U字状の樋の底面に排出口を複数個設けた排出口には、肥料の落下量を調節するシャッタ板が密着されて設けてあり、シャッタ部の排出口ごとに設けられた落下口には可撓性の案内筒が設けられ、この案内筒の出口側である他方端の先端部は、U字状の樋の長手方向に亘って設けられた横支持材の希望位置に、それぞれ単独に又は複数本の案内筒を抱持可能に構成した請求項1〜2のいずれか一つに記載の肥料散布機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は肥料散布機に関するもので、複数種類の肥料をホッパ内で混合して散布できる構成に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
背景技術として、同一出願人による「U字状の樋に撹拌羽根を有した回転軸を内設して原料を一方向へ撹拌しながら移送する撹拌部を構成し、この撹拌部の移送方向が互いに逆方向になるように一組を隣接して設け、これらの移送方向の末端に、隣接する樋に原料が移動可能な掻き上げ材を設けて原料が連続循環するように構成するとともに、移送方向の末端側底面に排出口を設け、排出口は樋長さに対して移送方向の末端側に2分の1の長さに亘って複数個設けた肥料散布機」が公知である。(特許文献1)
【特許文献1】特開2003−235318公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
公知の技術によれば、一組の隣接するU字状の樋に肥料を水平方向に連続循環させて混合し、それぞれの樋の底面に排出口を設けて、この排出口から肥料を落下させ散布するため、散布幅が最大で略樋幅での散布となり、広範囲に全面散布する場合は不利となる。このため、短時間に肥料を効率よく混合できる肥料散布機であって、筋状または条状にも散布可能で、さらに広範囲に全面散布する場合に有利な拡散散布も可能な肥料散布機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、U字状の樋に撹拌羽根を有した回転軸を内設して肥料を一方向へ撹拌しながら移送する撹拌部を構成し、この撹拌部の移送方向が互いに逆方向になるように一組を隣接して設け、これらの移送方向の末端に隣接する樋に肥料が移動可能な掻き上げ材を設けて肥料が連続循環するように構成するとともに、一組に隣接したU字状の樋の片側一方の底面には、撹拌部の移送方向の略樋幅に連設して複数個の排出口を設け、その排出口より肥料を落下させて散布可能とした第1散布部と、他方片側の底面には、長手方向中間部に排出口を設け、この排出口下方には、水平面に散布羽根を設けた円板を水平回転自在にした回転散布板を装設し、前記排出口より落下した肥料を遠心力で拡散散布可能とした第2散布部を設け、肥料散布時は第1散布部又は第2散布部からの散布を選択できることを特徴とした肥料散布機を提供するものである。
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のうちの請求項2に記載の発明では、上記肥料散布機において、肥料の連続循環する効率をさらに上げるため、撹拌羽根の移送方向の開始端部側には、リボン状螺旋に成形された補助撹拌羽根を、撹拌羽根開始端と開始端の取付位相をずらして2条に設けた肥料散布機を提供する。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のうちの請求項3に記載の発明では、上記肥料散布機において、肥料の筋状または条状散布をより効率よくまた多岐に亘る散布パターンができるように、U字状の樋の底面に排出口を複数個設けた排出口には、肥料の落下量を調節するシャッタ板が密着されて設けてあり、シャッタ部の排出口ごとに設けられた落下口には可撓性の案内筒が設けられ、この案内筒の出口側である他方端の先端部は、U字状の樋の長手方向に亘って設けられた横支持材の希望位置に、それぞれ単独に又は複数本の案内筒を抱持可能に構成した肥料散布機を提供する。
【発明の効果】
【0007】
上記のようにU字状の樋に一方向へ撹拌しながら移送する撹拌部を構成し、相互に移送方向を逆方向に組み合せてそれぞれの移送方向の末端に、隣接する樋に肥料が移動可能な掻き上げ材を設け連続循環して撹拌するので、高速撹拌を可能にし、又、散布にあたって撹拌部のU字状樋の底面から直接排出散布するので、混合肥料の圧縮作用やブリッジが少なく円滑な混合と散布作業ができる。また、一組に隣接したU字状の樋の片側一方で筋状または条状散布が可能で、他方側では落下させた肥料を回転散布板で樋幅より広範囲に拡散散布ができるため、それぞれの作物や栽培工程に合った散布方法が選択できる。
【0008】
本発明のうち請求項2に記載の発明は、撹拌羽根の移送方向の末端に設けた掻き上げ材によって隣接する樋に肥料が移動しやくするように、受け入れ側の撹拌羽根の移送方向の開始端部側にリボン状螺旋に成形した撹拌羽根を、開始端の取付位相をずらして2条に設けて、受け入れ側の開始端側の搬送効率を上げることで肥料の滑らかな流れが形成され、肥料の連続循環の効率をよくできる。
【0009】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、排出口の肥料落下量を調節するシャッタ部に設けられた落下口には、可撓性の案内筒が設けられ、案内筒の先端部はU字状の樋の長手方向の希望位置に、それぞれ単独に又は複数本の案内筒を抱持可能に構成されているため、例えば作物の植付畝部に案内筒先端部を合せて取り付けると、植付畝部のみに散布することが可能で、必要な部分のみに肥料を筋状または条状に散布ができるため、肥料の無駄な散布が行われない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を実施した側面図、図2は本発明を実施した平面図、図3は一部を省略した左側面図、図4はシャッタの開閉作動説明図、図5は案内筒の取付使用方法説明図、図6は本発明の別実施形態の側面図である。
【0011】
図1と図2において1はパイプフレームを示し、このパイプフレーム1には4のトップブラケット、及び一対のロアピン5が取り付けられ、これにより図示していないがトラクタの三点リンクに装着することができる。又、後述してあるように自走式の台車に装着しても良い。
【0012】
18はホッパで複数の肥料を投入するものである。ホッパ18はU字状の樋17に撹拌羽根14を有した第1回転軸9を内設し、一方向へ回転移送するものであり、移送末端側に掻き上げ材10を設けて、第1撹拌部を構成する。本実施例において、撹拌羽根はリボン状螺旋に形成されている。
【0013】
12は撹拌羽根141を有した第2回転軸13からなる第2撹拌部を示し、前記した第1撹拌部11の移送方向とは逆に向けて移送回転させ、末端に掻き上げ材101を設けて構成する。これにより、矢印A方向に肥料が連続循環して撹拌する。
【0014】
撹拌羽根14,141の移送方向の始端部側は、リボン状螺旋に成形された補助撹拌羽根16,161を、撹拌羽根と開始端の取付位相をずらして撹拌羽根を2条に設けて搬送開始時の搬送効率を上げるように構成してある。
【0015】
15は第1撹拌部11の排出口を示し、第1撹拌部11の樋17の底面に複数個配列されてあり、樋の底面の外側には、肥料の落下量を調整するシャッタが密着されて設けてある。151は、第2撹拌部12の排出口を示し、第2撹拌部12の樋171の底面の長手方向中間部に設けられて、樋の底面の外側には肥料の落下量を調整するシャッタが密着されて設けてあり、さらに排出口下方には、落下した肥料を遠心力で拡散散布する回転散布板40を設けてある。
【0016】
2はギヤケースで前方に入力軸3を有し、上下のパイプフレーム1に支持されている。ギヤケース2には、ベベルギヤ2aが設けられ、入力軸3と直角方向に出力軸が左右に延出されている。延出された一方の第1出力軸2bの他方端には駆動スプロケット6が設けられている。駆動スプロケット6から中間スプロケット6aを経由し減速され、第1スプロケット7及び第2スプロケット8を駆動し、第1回転軸9と第2回転軸13を回転させ、図1に示すa,bの矢印の回転方向に相互に隣接する内方に掬い上げるように回転する。6bはテンションスプロケットでローラーチェーン6cの張り調節を行う。
【0017】
前記延出された他方の第2出力軸42aの他方端には、出力プーリ42bが設けられ、この出力プーリと駆動プーリ42dがVベルト42cで連結されて駆動され、駆動プーリ42dは回転散布板40を回転駆動させるカウンタシャフト42eを駆動する。
【0018】
第1シャッタ開閉レバー23cと第2シャッタ開閉レバー23dは、肥料の落下量を調節するシャッタを開閉するためのもので、レバーガイド23bに表示された希望する散布量目盛23aに合わせて引くと排出口15,151のシャッタがそれぞれ希望量開く。
【0019】
第1シャッタ開閉レバー23cを引くと、第1撹拌部11のシャッタが開かれ、第2シャッタ開閉レバー23dを引くと、第2撹拌部12のシャッタが開かれる。ホッパ内の肥料は一組に隣接したU字状の樋を連続循環させているため、第1シャッタ開閉レバー23cが第2シャッタ開閉レバー23dを選択することで、筋状または条状散布か拡散散布かを選択できる。
【0020】
図3と図4において、14,141の撹拌羽根は互いに内方の矢印の方向へ回転し、14,141の撹拌羽根はリボン状螺旋に形成され、肥料は互いに逆方向に移送されるように形成されている。
【0021】
また、移送方向の末端には、隣接する樋に肥料が掻き送られるように掻き上げ材10,101を設けて、肥料が連続循環するように構成されている。
【0022】
ホッパ18の底面のU字状の樋の一方片側に設けられた肥料の排出口15にはシャッタ19が設けられ、第1シャッタ開閉レバー23cを引くと、第1連結ロット25と連結された第1リンクアーム27は支軸26を支点に回動し、第1リンクアームと第1リンクピン19aで係合された第1シャッタ19bを矢印方向にスライドさせ、略五角形の排出口15と落下口28の重合した孔より肥料を落下させ散布する。
【0023】
ホッパ18の底面のU字状の樋の一方片側に設けられた肥料の排出口151にはシャッタ19cが設けられ、第2シャッタ開閉レバー23dを引くと、第2連結ロット25aと連結された第2リンクアーム27aは支軸26aを支点に回動し、第2リンクアームと第2リンクピン19dで係合された第2シャッタ19cを矢印方向にスライドさせ、略五角形の排出口151と落下口28の重合した孔より肥料を落下させ、下方に設けた回転散布板40を回転させ遠心力で拡散散布する。回転散布板に設けられた散布羽根40aでより遠方へ拡散散布され、取付角度や大きさを変えると散布距離や散布方向を変化させることができる。また、回転散布板は複数設けてもよい。
【0024】
第1シャッタ19bと第2シャッタ19cは、サポートプレート30によりU字条の樋の底面に密着させてU字状の樋の長手方向に摺動自在に設けられていて、第1シャッタ19bの落下口28には可撓性の案内筒22が設けられている。
【0025】
スタンド20は、ホッパ18に肥料を投入する時にホッパ底面部を地面の接触等から保護し、必要によりキャスター車輪21を付けると、格納や移動時に便利である。
【0026】
図5は、案内筒22の使用例を示したもので、可撓性の案内筒22の先端部は、ホッパ18の下部に掛け渡した横支持材29の切欠溝に取り付けられた固定リング29aに、案内筒を挿入し希望位置で固定することが可能で、A,B部のように複数本をまとめたり、C部のように単体で散布することも選択でき、D部のように延長横支持材29bを利用して、ホッパ18の幅よりも外側に散布することも可能であり、栽培畝の中心部や希望する畝筋条に合致するように案内筒22の先端位置を固定して散布することができる。
【0027】
図6は本発明を実施した別実施形態の一例を示したもので、本発明の肥料散布部を自走できる台車に載設したものである。自走台車70に前記した肥料散布機構で構成された肥料散布装置60を載設したもので、台車フレーム55に動力源としてエンジン50が取りつけてあり、エンジンのエンジンプーリ50aから走行テンションクラッチ70aを介して変速機入力プーリ51bにVベルトで伝達された動力は、変速機51で変速されクローラ52を駆動し走行する。また、タイヤで駆動輪を構成して走行してもよい。
【0028】
ハンドル53部に設けられた操作パネル54には、走行クラッチレバー,操向レバー,スロットルレバーやメインスイッチが配設されて台車の走行をコントロールできる。また、ハンドル下方の変速レバー51aで走行速度を選択できる。
【0029】
一方エンジンプーリ50aから散布テンションクラッチ70bを介して、Vベルトで動力を伝達されて肥料散布装置60は駆動される。操作パネル54には、肥料散布装置を駆動するクラッチレバーが設けられて、このクラッチレバーにより動力の伝達,遮断が行われ、第1シャッタ開閉レバー23cか第2シャッタ開閉レバー23dを選択し操作することで、第1散布部35による筋状または条状散布か、第2散布部36による拡散散布作業が行われる。
【0030】
前記のように自走台車に載設することで、全体をコンパクトに構成することができ、温室パイプ栽培等の狭い場所での肥料散布を有利にする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明を実施した側面図
【図2】本発明を実施した平面図
【図3】一部を省略した左側面図
【図4】シャッタの開閉作動説明図
【図5】案内筒の取付使用方法説明図
【図6】本発明の別実施形態の側面図
【符号の説明】
【0032】
1 パイプフレーム
2 ギヤケース
2a ベベルギヤ
2b 第1出力軸
3 入力軸
4 トップブラケット
5 ロアピン
6 駆動スプロケット
6a 中間スプロケット
6b テンションスプロケット
6c ローラーチェーン
7 第1スプロケット
8 第2スプロケット
9 第1回転軸
10,101 掻き上げ材
11 第1撹拌部
12 第2撹拌部
13 第2回転軸
14,141 撹拌羽根
15 第1排出口
151 第2排出口
16,161 補助撹拌羽根
17,171 樋
18 ホッパ
19a 第1リンクピン
19b 第1シャッタ
19c 第2シャッタ
19d 第2リンクピン
20 スタンド
21 キャスター車輪
22 案内筒
23a 散布量目盛
23b レバーガイド
23c 第1シャッタ開閉レバー
23d 第2シャッタ開閉レバー
25 第1連結ロット
25a 第2連結ロット
26 第1支軸
26a 第2支軸
27 第1リンクアーム
27a 第2リンクアーム
28 落下口
29 横支持材
29a 固定リング
29b 延長横支持材
30 サポートプレート
35 第1散布部
36 第2散布部
40 回転散布板
40a 散布羽根
41 第2ギヤケース
42a 第2出力軸
42b 出力プーリ
42c Vベルト
42d 駆動プーリ
42e カウンタシャフト
50 エンジン
50a エンジンプーリ
51 変速機
51a 変速レバー
51b 変速機入力プーリ
52 クローラ
53 ハンドル
54 操作パネル
55 台車フレーム
60 肥料散布装置
70 自走台車
70a 走行テンションクラッチ
70b 散布テンションクラッチ
【出願人】 【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
【住所又は居所】青森県十和田市大字三本木字里ノ沢1番地259
【出願日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−218350(P2005−218350A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2004−29124(P2004−29124)