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【発明の名称】 農用作業車
【発明者】 【氏名】片上 望
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】松川 輝樹
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】本発明の課題は、土壌成分検出装置を作業車の特定位置にセットすることにより、機体のバランスを良好に保持し、走行性の安定した農用作業車を具現することにある。

【解決手段】本発明は、土中の土壌成分を検出して分析する土壌成分分析用検出装置を車体前後に架設した前輪と後輪との間で且つ後輪側に近い位置に昇降可能に配備してあることが特徴であり、土壌成分検出装置からの検出信号を土壌分析制御装置に送り、その結果をコントロールパネルと施肥装置の繰出モータに送る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土中の土壌成分を検出して分析する土壌成分分析用検出装置を車体前後に架設した前輪と後輪との間で且つ後輪側に近い位置に昇降可能に配備してあることを特徴とする農用作業車。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、土壌成分検出装置を備えた農用作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種、土壌成分検出装置を備えた農用作業車は、その土壌成分検出装置が作業車の後部に装着された耕耘ロ−タリの後方に装備されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−337484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
かかる従来技術ものでは、特に機体前後の重量バランスが悪くなり、作業時には機体のふらつきが生じ、安定性の悪化を招く問題があった。
【0004】
本発明の課題とするところは、土壌成分検出装置を特定位置にセットすることにより、機体のバランスを良好に保持し、安定した農用作業車を具現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
【0006】
すなわち、請求項1記載の本発明は、土中の土壌成分を検出して分析する土壌成分分析用検出装置を車体前後に架設した前輪と後輪との間で且つ後輪側に近い位置に昇降可能に配備してあることを特徴とする。
【0007】
機体の進行に伴い土壌成分検出装置を牽引する。この検出装置は、検出部が土中を潜行しながら土壌成分として土壌中に含まれる硝酸態窒素を検出する。そして、この検出結果は土壌分析制御装置によって土壌中の硝酸態窒素含有量を分析すると共に、その硝酸態窒素含有量に応じて施肥管理を行うことができる。
【0008】
土壌成分検出装置は、作業車の前後輪間にあっても後輪側近くに配備してあるので、機体前後の重量バランスが良好に保持され、検出装置の安定した牽引力が得られ、機体の安定した走行性能が得られる。
【発明の効果】
【0009】
以上要するに、本発明によれば、土壌成分分析用検出装置が作業車の前後輪間にあって後輪側近くに配備してあるので、後輪よりも後方に配した従来のものに比し、機体前後の重量バランスを良好に保持でき、作業中での機体のふらつきもなく、走行性能の良い安定した農用作業車を具現することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0011】
図1は、農用作業車の一例としてトラクタを示すものであり、この車体1の前部にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケ−ス2内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪3と後輪4とに伝えるようにしている。運転部の前側には左右の前輪3,3を操舵するステアリングハンドル5を、後側には運転席6を配置している。
【0012】
車体1の後方部には作業機として圃場を耕耘する耕耘ロ−タリ7が昇降リンク機構8を介して昇降自在に連結装備されている。また、耕耘ロ−タリ7上には、施肥タンク10、肥料繰出部11、繰出モ−タ12、施肥ホ−ス13等からなる施肥装置14を装着支持している。
【0013】
土壌成分分析用検出装置(以下土壌成分検出装置と云う)20は、先端が犂のような形状になっており、土中に食い込んで潜行しながら前端の検出部21で土壌成分を検出するように構成されている。そして、この土壌成分検出装置20は、後輪4の車軸近く下方に配置され、車体前部側に架設された横軸22を支点として昇降可能な昇降リンク23に対し、該検出装置20から上方に突設する支持ステ−24が連結ピン25を介して連結保持され、油圧昇降シリンダ30によって作業車の車体腹部に沿う状態位置まで上昇させる収納状態と、土中に食い込む位置まで下降させる作用状態とに昇降制御するよう構成されている。
【0014】
また、変向シリンダ31の伸縮作動により検出装置20の姿勢角度が収納状態と作用状態とに切替変向されるようになっている。つまり、検出装置はこの支持ステ−24の連結ピン25回りの回動によって姿勢変向する構成であり、仮想線で示す状態に姿勢変向した時には、リヤミッションケ−スの後方で耕耘ロ−タリ作業機の昇降リンク機構8の下方周辺に格納することができ、格納時における地上高の確保が容易となる。検出装置を実線で示す状態に姿勢変向した時には、土中を潜行する時の作用状態であり、特に、後輪4の車軸下方位置において作用することになるため、牽引力が増し安定した牽引力が得られる。
【0015】
なお、前記連結ピン25を挿通する昇降リンク23側の連結孔26を仮想線で示すように長孔26a化することによって旋回時の追従性の向上を図ることができる。
【0016】
また、前記昇降リンク23は、U字型の前リンク23aとコの字型の後リンク23bとからなり、両者をボルト27により一体的に締付固定すると共に、前リンク23aはクラッチハウジングの両サイドに固着したブラケット28,28に前記横軸22を介して回動自在に架設した構成としている。
【0017】
符号36,37はリンク片であって、これらのリンク片36,37は前記油圧昇降シリンダ30と昇降リンク23との間に介装され、油圧昇降シリンダ30の伸縮により昇降リンク23が上下動する。
【0018】
土壌成分検出装置20からの受光パルスを導くハ−ネス32を保護パイプ33内を通して土壌分析制御装置(CPU)34に接続している。保護パイプ33は、土の抵抗を受けないように支持ステ−24の進行方向後方に取り付けて保護する構成としている。
【0019】
土壌分析制御装置34は、トラクタの適所に設置されたコントロ−ルパネル35と、施肥装置14の繰出モ−タ12に接続している。土壌分析制御装置34の分析部から出力される硝酸態含有量に基づいて、硝酸態含有量に応じた施肥量になるよう施肥用繰出モ−タ12を制御する構成としている。従って、トラクタを走行させ、圃場の耕耘と同時に、土壌成分検出装置20で土中を潜行させながら土壌成分を検出し、その検出結果を土壌分析制御装置34によって分析すると共に、その分析結果に基づいて、施肥装置14の繰出モ−タ12の制御により硝酸態窒素含有量に応じた施肥量(繰出量)にて施肥されることになり、硝酸態窒素含有量の分布に応じた施肥を自動的に行うことができる。なお、図示は省略するが、分析結果をコントロールパネル35の記憶部に転送させ、それをフレキシブルディスクなどの記憶媒体に記憶させ、このフレキシブルディスクを自宅に持ち帰って分析に利用できるようにしてもよい。
【0020】
次に、本発明の別実施例について説明する。
【0021】
図3及び図4に示す耕耘ロ−タリ7において、ロ−タリ爪40を覆うロ−タリカバ−41とリヤカバ−42の内側面には、泥土の付着を防ぐためのモラン・ウレタン(以下ウレタンピ−スと云う)43を着脱自在に装着している。
【0022】
すなわち、ロ−タリカバ−41の内側には溝44a付取付部材44が締付固定具45によって着脱自在に固定されてあり、そして、ウレタンピ−ス43は鋼板46に貼り付けすると共に、このウレタン貼付鋼板46をロ−タリカバ−41側に設けた前記取付部材44の取付溝44aに沿わせて差し込み、そして、この差込後の取付は、これより抜け出ないようにストッパ−プレ−ト47にて固定するようにしている。
【0023】
ロ−タリ爪の配列は、通常、4山耕、6山耕等に配列され、山の中央部に泥土付着が集中する。従って、これに合わせてウレタンピ−スも4山耕、6山耕に合わせたピ−スブロックとし、着脱自在に構成しておくと効果的である。
【0024】
更に、個々のウレタンピ−スを前方からストッパ−プレ−トにより同時固定することにより、前側より脱着でき、簡単に着脱することができる。
【0025】
また、図5及び図6に示す実施例では、ロ−タリ軸50と伝動ケ−ス51の軸受ボス部52との近接部位に、複数の切刃状突起53,53を有した巻付防止用スクレ−パ54を設けた構成としている。
【0026】
なお、前記スクレ−パ54は、ロ−タリ爪を取り付ける爪ホルダ55部分に爪と共締めする構成としている。ロータリ軸50が回転すると爪ホルダ55に一体的に固着されたスクレーパ54が回転し、軸受ボス52に巻き付こうとする草や藁を切断する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】農用作業車(トラクタ)の側面図
【図2】同上要部の斜視図
【図3】耕耘ロ−タリ部の要部の斜視図
【図4】同上要部の切断背面図
【図5】耕耘ロ−タリ部の一部の斜視図
【図6】スクレ−パの斜視図
【符号の説明】
【0028】
1 車体 2 ミッションケ−ス
3 前輪 4 後輪
7 耕耘ロ−タリ 14 施肥装置
20 土壌成分検出装置 21 検出部
23 昇降リンク 30 油圧昇降シリンダ
34 土壌分析制御装置
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成16年1月30日(2004.1.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−210995(P2005−210995A)
【公開日】 平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願番号】 特願2004−23701(P2004−23701)