トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 作業機
【発明者】 【氏名】吉田 和正
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】東尾 登
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】三本 松夫
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】タンクから繰り出し機構30によって繰り出された肥料を、送風装置26からの搬送風によって搬送するように構成した作業機において、タンクや繰り出し機構30に残った肥料を送風装置26からの搬送風を利用して、かつ、構造簡単に回収することができるようにする。

【解決手段】送風装置26からの搬送風を送風管24によって繰り出し機構30に供給するように構成してある。繰り出し機構30の残留物取り出し口37に回収管25を接続してある。回収管25の一端側の風導入口25aを送風管24に接続してある。回収管25の他端側の回収物排出口25bに開閉自在な蓋体51を設けてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に供給するべき供給対象物をタンクから繰り出す複数個の繰り出し機構、前記複数個の繰り出し機構の送り出し口に繰り出された供給対象物を搬送する搬送風を各送り出し口に供給するように前記複数個の繰り出し機構に接続された送風管、この送風管に搬送風を供給するように前記送風管の入り口に接続された送風装置を備えた作業機であって、
前記複数個の繰り出し機構の残留物取り出し口に接続されて各繰り出し機構から残留供給対象物を回収する回収管の一端側に風導入口を、他端側に回収物排出口をそれぞれ設けるとともに、前記風導入口を、前記送風管の前記各繰り出し機構に接続する排風口よりも風流れ方向下手側に接続し、前記回収物排出口に、開閉自在な蓋体を設けてある作業機。
【請求項2】
前記送風管の前記繰り出し機構に対する配置高さと、前記回収管の前記繰り出し機構に対する配置高さを同一に設定してある請求項1記載の作業機。
【請求項3】
前記回収管の前記回収物排出口が位置する端部側での内径を、前記風導入口が位置する端部側での内径より大に設定してある請求項1又は2記載の作業機。
【請求項4】
前記回収管の前記残留物取り出し口が接続している部位の付近に絞り部を設けてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項5】
前記回収管を、前記送風管に対して前記送り出し口が位置する側とは反対側に位置するように配置してある請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に供給するべき供給対象物をタンクから繰り出す複数個の繰り出し機構、前記複数個の繰り出し機構の送り出し口に繰り出された供給対象物を搬送する搬送風を各送り出し口に供給するように前記複数個の繰り出し機構に接続された送風管、この送風管に搬送風を供給するように前記送風管の入り口に接続された送風装置を備えた作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記作業機は、繰り出し機構によってタンクから繰り出された肥料などの供給対象物を、送風装置から送風管を介して繰り出し機構の送り出し口に供給される搬送風によって所定の供給箇所に搬送して圃場に供給するように構成されたものである。
【0003】
この種の作業機において、従来、たとえば特許文献1に示されるように、各ホッパ19(タンクに相当)の肥料を繰出ローラ22によって繰出口21c(送り出し口に相当)に繰り出す機構(繰り出し機構に相当)、各繰り出し機構の繰出口21cに接続するエアチャンバ17(送風管に相当)、このエアチャンバ17の左端に取り付けた送風機18(送風装置に相当)を備え、各繰り出し機構の排出管52(残留物取り出し口に相当)に接続する回収管49の右端をエルボ50でエアチャンバ17の縦管17aに連結するとともに、エアチャンバ17の縦管17aに対する流路を開閉する弁51を備え、弁51で通路を開いてエアチャンバ17内の空気を回収管49に供給し、各ホッパ19内に残留している肥料を排出管52によって回収管49に流し込むと、その肥料が風で回収管4の左に送られて袋59に流れ込み、複数のホッパ19に肥料が残っても、その残留肥料を送風機18からの搬送風によってまとめて回収することが可能なものがあった。
【0004】
【特許文献1】特開平8−130951号公報( 〔0018〕−〔0020〕欄、図8,9 )
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の作業機にあっては、作業を行なう際、送風装置からの搬送風が外部に漏れ出ると、繰り出し機構に流入しなくなることから、従来の作業機は、送風管の終端側に設けた弁によってその外部漏れ出しを回避するものになっていた。また、この種の作業機にあっては、回収管の回収物排出口が開いたままになっていると、雨水や洗車水が入り込みやすくなる。従来の残留物回収技術を採用した場合、作業時の搬送風漏れ出しを回避するための弁の他に、回収管の排出口を閉じる手段も設けることにより、前記浸水の回避を図ることになり、操作面や構造面で不利になりがちであった。
【0006】
本発明の目的は、送風装置からの搬送風を利用して残留物を回収することができるものでありながら、回収管の浸水を構造簡単に回避することができる作業機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明にあっては、圃場に供給するべき供給対象物をタンクから繰り出す複数個の繰り出し機構、前記複数個の繰り出し機構の送り出し口に繰り出された供給対象物を搬送する搬送風を各送り出し口に供給するように前記複数個の繰り出し機構に接続された送風管、この送風管に搬送風を供給するように前記送風管の入り口に接続された送風装置を備えた作業機において、
前記複数個の繰り出し機構の残留物取り出し口に接続されて各繰り出し機構から残留供給対象物を回収する回収管の一端側に風導入口を、他端側に回収物排出口をそれぞれ設けるとともに、前記風導入口を、前記送風管の前記各繰り出し機構に接続する排風口よりも風流れ方向下手側に接続し、前記回収物排出口に、開閉自在な蓋体を設けてある。
【0008】
すなわち、この種の作業機にあっては、繰り出し機構の残留物取り出し口に開閉弁を設け、通常は閉じられている。従って、回収管の回収物排出口を蓋体で閉じておけば、送風装置から送風管に供給された搬送風が送風管から回収管に流入しても回収管から外部に漏れ出ることがないのであり、送風装置からの搬送風が送風管から各繰り出し機構の送り出し口に流入し、送り出し口に繰り出された供給対象物が送風管からの搬送風によって搬送される。また、作業時や洗車時には、回収管の回収物排出口を雨水や洗車水などが入らないように蓋体で閉じておくことができる。一方、回収管の回収物排出口の蓋体を開けると、送風装置から送風管に供給された搬送風が送風管から回収管に流入し、回収管の内部を流れて回収物排出口から出ていくのであり、残留物取り出し口を開いてタンクや繰り出し機構の残留物を回収管に流入させると、回収管の内部を流動する搬送風によって搬送されて回収物排出口から排出される。
【0009】
従って、本第1発明によれば、タンクや繰り出し機構に供給対象物が残った場合には、送風装置からの搬送風を利用して回収管の回収物排出口から取り出して楽に回収作業することができるものでありながら、回収管の回収物排出口のための蓋体を設けるだけの簡単な構造で済んで安価に得られる。また、回収管の回収物排出口を開閉するだけで済むように操作面でも有利なものになる。
【0010】
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記送風管の前記繰り出し機構に対する配置高さと、前記回収管の前記繰り出し機構に対する配置高さを同一に設定してある。
【0011】
繰り出し機構の付近には、繰り出し機構に動力伝達するなどの装置が配置されるため、回収管を送風管よりも高い配置高さにして設けると、回収管が繰り出し機構から機体前後方向に大きく離れてタンクから機体前後方向に突出してしまう場合がある。また、回収管を送風管よりも低い配置高さにして設けると、回収管が機体の上面上近くに位置するようにしても、送風管が回収管よりも高い配置高さに位置する分、繰り出し機構やタンクの対機体配置高さが高くなってしまう。これに対し、本第2発明によれば、送風管の繰り出し機構に対する配置高さと、回収管の繰り出し機構に対する配置高さを同一に設定してあるものだから、回収管を繰り出し機構に極力寄せてタンクから機体前後方向に突出しないようにしながら、かつ、送風管が機体の上面上に極力近くに位置して繰り出し機構やタンクの対機体配置高さが極力低くなるようにしながら回収管を設けることができる。
【0012】
従って、本第2発明によれば、送風装置からの搬送風を利用して残留物を回収することができるように回収管を設けるものでありながら、回収管がタンクから機体前後方向に突出しないコンパクトな状態に、かつ、繰り出し機構やタンクの対機体配置高さが極力低くなってタンクに貯留される供給対象物や繰り出し機構のために機体重心が高くなることを回避した状態に得ることができる。
【0013】
本第3発明にあっては、本第1又は第2発明の構成において、前記回収管の前記回収物排出口が位置する端部側での内径を、前記風導入口が位置する端部側での内径より大に設定してある。
【0014】
すなわち、回収管の回収物排出口が位置する端部側での内径を、風導入口が位置する端部側での内径より大に設定してあるものだから、搬送風や回収対象物が流動方向下手側に至っても流動しやすい状態で回収管の内部を流動していく。
【0015】
従って、本第3発明によれば、繰り出し機構の数が多いなどによって回収管が長くなる場合でも、搬送風や回収対象物が回収管内をスムーズに流れてタンクや繰り出し機構からの残留物を回収管内に滞留しにくいようにして、かつ、迅速に回収することができる。
【0016】
本第4発明にあっては、本第1〜第3発明のいずれか一つの構成において、前記回収管の前記残留物取り出し口が接続している部位の付近に絞り部を設けてある。
【0017】
すなわち、送風管から回収管に流入した搬送風を回収管にて流動させるのに、回収管の残留物取り出し口が接続している部位の付近で絞り部を作用させて残留物取り出し口が接続している部位を逆流しにくくしながら流動していくようにすることができる。
【0018】
従って、本第4発明によれば、回収管の残留物取り出し口が接続している部位で搬送風が逆流しにくいことによって回収管に流入した回収対象物を回収物排出口にスムーズに流動させ、残留物を回収管内に滞留しにくいようにして、かつ、迅速に回収することができる。
【0019】
本第5発明にあっては、本第1〜第4発明のいずれか一つの構成において、前記回収管を、前記送風管に対して前記送り出し口が位置する側とは反対側に位置するように配置してある。
【0020】
すなわち、この種の繰り出し機構にあっては、送り出し口から供給対象物を所定の供給箇所に搬送するように送り出し口にホースなどが接続される。このため、回収管を送り出し口に対して送風管が位置する側とは反対側に位置するように配置するには、前記ホースなどと干渉しないように、送風管よりも低い配置高さに配置せねばならない。すると、回収管が機体の上面上近くに位置するようにしても、送風管が回収管よりも高い配置高さに位置する分、繰り出し機構やタンクの対機体配置高さが高くなる。これに対し、本第5発明では、回収管を送風管に対して送り出し口が位置する側とは反対側に位置するように配置してあるものだから、回収管を送風管と等しい配置高さに配置し、本第2発明にて説明した如く繰り出し機構やタンクを極力低い対機体配置高さに配置することができる。
【0021】
従って、本第5発明によれば、送風装置からの搬送風を利用して残留物を回収することができるように回収管を設けるものでありながら、繰り出し機構やタンクを極力低い対機体配置高さに配置してタンクに貯留される供給対象物や繰り出し機構のために機体重心が高くなることを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、左右一対の操向操作自在な前車輪1、及び、左右一対の後車輪2が原動部3に位置するエンジン(図示せず)からの動力によって駆動されて自走し、かつ、原動部3の後方に位置する運転座席4が装備された運転部を備えた自走機体の機体フレーム5の後部に、リフトシリンダ6が装備されたリンク機構7を介して苗植付け装置10を連結するとともに、前記エンジンからの駆動力を回転軸8を介して苗植付け装置10に伝達するように構成し、自走機体の運転座席4の後側に肥料タンク21が装備された施肥装置20を設けて、施肥装置付きの乗用型田植機を構成してある。
【0023】
この田植機は、複数条の稲苗の苗植付け作業を行なうとともに、複数条の植付け苗に対する施肥作業も同時に行なって行くものであり、リフトシリンダ6を操作すると、このリフトシリンダ6がリンク機構7を機体フレーム5に対して上下に揺動操作することにより、苗植付け装置10をこれの機体下部に機体横方向に並んで付いている複数個の整地フロート11が田面に接地した下降作業状態と、各整地フロート11が田面から高く浮上した上昇非作業状態とに昇降操作する。苗植付け装置10を下降作業状態にして自走機体を走行させると、苗植付け装置10の機体後部に機体横方向に並んで位置する複数の苗植付け機構12が、この苗植付け機構12の苗植え運動に連動して機体横方向に往復移送される苗載せ台13に載置されたマット状苗から一株分のブロック苗を切断するとともに取り出して下降し、整地フロート11によって整地された田面に植え付けていく。これに伴い、施肥装置20は、前記肥料タンク21から粒状の肥料を取り出して複数本の施肥ホース22を介して、苗植付け装置10に植付け機体の横方向に並べて設けてある複数個の施肥器23に各別に供給していく。各施肥器23は、前記苗植付け機構12の一つに対して1個ずつ対応するように配置して前記複数個の整地フロート11に分散させて取り付けられており、各施肥器23が田面の苗植付け機構12による苗植付け箇所の横側近くに施肥溝を形成し、この施肥溝に前記施肥ホース22からの肥料を供給していく。
【0024】
前記施肥装置20についてさらに詳述すると、図2,3,5などに示すように、この施肥装置20は、自走機体の横方向に長い1個の前記肥料タンク21、この肥料タンク21の底部に自走機体横方向に並んで位置する複数の漏斗部それぞれに連結している繰り出し機構30、各繰り出し機構30の左右一対の送り出し口31から延出している前記施肥ホース22、各繰り出し機構30の下端部の自走機体前方側に自走機体横方向に沿って位置する1本の送風管24及び1本の回収管25、送風管24の一端側に連結している送風装置26を備えて構成してある。
【0025】
図4,5,6などに示すように、前記各繰り出し機構30は、自走機体の機体フレーム5に支柱9aなどで固定された施肥フレーム9に上端側がボルト連結され、かつ、前記肥料タンク21の漏斗部に上端側が連通している1個の繰り出しケース32、この繰り出しケース32の内部に1本のロール駆動軸33を介して一体回転自在に架設した左右一対の繰り出しロール34、この両繰り出しロール34の上方を開閉するシャッター35、前記左右一対の繰り出しロール34の一方の繰り出しロール34が位置する繰り出し通路36と、他方の繰り出しロール34が位置する繰り出し通路36に対して各別に連通するように構成して前記繰り出しケース32の下部に一体成形した左右一対の筒体部で成る前記左右一対の送り出し口31を備えて構成してある
【0026】
図3,5に示すように、各繰り出し機構30の前記ロール駆動軸33に対して施肥クラッチ(図示せず)を介して連動する1本の自走機体横向きの六角軸で成る回転伝動軸41を各繰り出しケース32の自走機体後方側に回転自在に設け、前記回転伝動軸41に出力部材が連動している一対の一方向回転クラッチ42の入力部材どうしをリンク機構43によって連動させ、一方の一方向回転クラッチ42の入力アーム42aに上端側が連結している連動ロッド44の下端側を、後輪用伝動軸45に装着された動力取り出し機構46の出力クランクアーム46aに連動させて、繰り出し駆動機構40を構成してある。すなわち、この繰り出し駆動機構40は、後輪用伝動軸45から回転駆動力を取り出し、この駆動力を往復動力に変換して回転伝動軸41に伝達してこの回転伝動軸41を一回転方向に駆動し、この駆動力を各繰り出し機構30のロール駆動軸33に伝達して各繰り出し機構30の繰り出しロール34を回転駆動するようになっている。
【0027】
図6などに示すように、前記送風管24は、各繰り出し機構30の前記左右一対の送り出し口31を構成している前記筒体部の自走機体前端側に接続してある。
【0028】
図1に示すように、送風装置26は、ブロワケースの自走機体前方側に電動モータ26bを備えた電動ブロワで構成してある。送風装置26のブロワケースの吸気口26cから吸気ダクト27をエンジン排気マフラーの付近まで延出させてあり、送風装置26は、エンジン排熱によって加熱されて常温よりも温度上昇した空気を吸気ダクト27を介して吸引して風を発生させ、この温風を肥料搬送風として排気口26aから送風管24に供給する。
【0029】
図6に示すように、繰り出しケース32の自走機体前方側に繰り出しケース32と一体成形して設けた連結部32bから取り出しケースを延出させて構成した残留物取り出し口37、及び、この残留物取り出し口37を前記連結部32bで開閉するように構成した弁体38を各繰り出し機構30に設けてある。前記各弁体38は、この弁体38の回転支軸38aを繰り出しケース32の外部から回転操作することによって開閉するように構成してある。
【0030】
図4,6,7などに示すように、前記回収管25は、一端側の開口が風導入口25aになるように、他端側に排出ダクトを連結して設けた回収物排出口25bを備えるように、かつ、回収物排出口25bが位置する端部側での内径D1が、風導入口25aが位置する端部側での内径D2より大になる状態に一端側から他端側に内径が順次に変化するように構成した排出ダクト付きの管体で成り、送風管24に対して各繰り出し機構30の前記送り出し口31が位置する側とは反対側に位置するように各繰り出し機構30の自走機体前方側に配置してある。さらに、風導入口25aが自走機体の両横側のうちの送風装置26が位置する側とは反対の横側に、回収物排出口25bが自走機体の両横側のうちの送風装置26が位置する側の横側にそれぞれ位置する配置向きにして、かつ、回収管25の軸芯の繰り出し機構30に対する配置高さが送風管24の軸芯の繰り出し機構30に対する配置高さと同一又はほぼ同一になる配置高さにして配置してある。
【0031】
図4,7に示すように、回収管25の前記風導入口25aを、送風管24の前記送り出し口31に接続している複数の排風口24dのいずれよりも風流れ方向下手側に接続するように、送風管24の送風装置26が連結している側とは反対側の端部に接続管50で接続してある。回収管25の前記風導入口25aと前記回収物排出口25bの間を、各繰り出し機構30の前記残留物取り出し口37に接続してある。回収管25の前記回収物排出口25bを構成している排出ダクトの端部に設けた蓋体51により、回収物排出口25bの蓋体51を構成してある。この蓋体51は、排出ダクトの端部に外嵌させ、外嵌に起因する弾性変形によって排出ダクトに止着させることによって回収物排出口25bを閉じ状態にし、排出ダクトから取り外すことによって回収物排出口25bを開き状態にするように構成してある。蓋体51は、排出ダクトから取り外しても落下しないように連結具51aによって排出ダクトに連結してある。
【0032】
図7に示すように、回収管25に、前記各残留物取り出し口37が接続している部位の付近に配置した絞り部25cを設けてある。各絞り部25cは、回収管25の内部を風導入口25aから回収物排出口25bに向けて流動する搬送風に対して絞り作用し、これにより、回収管25が残留物取り出し口37に対して開口している付近で搬送風が逆流しにくくなるようにしている。
【0033】
回収管25の回収物排出口25bを構成している排出ダクトは、回収管25に対して回動操作自在に連結してあり、回収物排出口25bを回収管25の本体に対してその軸芯まわりで回動操作することにより、図4に実線で示す如く回収物排出口25bが送風装置26の電動モータ26bを囲う如く電動モータ26bの周囲にコンパクトに収納した格納状態と、図4に二点鎖線で示す如く回収物排出口25bがこれからの肥料回収が行いやすくなるように電動モータ26bの下方に出た使用状態とに切り換わるようになっている。
【0034】
つまり、この施肥装置20にあっては、各繰り出し機構30において、図6に実線で示す如くシャッター35の操作ロッド52を繰り出しケース32に押し込み操作し、シャッター35を収納部53に入れて繰り出しロール34の上方を開放しておくとともに、残留物取り出し口37の弁体38を閉じておき、図4に示す如く回収管25の蓋体51を取り付けて回収物排出口25bを閉じておき、送風装置26の電動モータ26bをオンに操作することによって施肥作業を行なうようになっている。
すなわち、各繰り出し機構30の繰り出しロール34が繰り出し駆動機構40によって後輪用伝動軸45からの駆動力によって駆動され、繰り出しロール34の周面に回転方向に並んでいる繰り出し凹部34aによってこの繰り出し凹部34aの容積によって決まる設定量ずつで肥料タンク21の肥料を送り出し口31に繰り出す。これに伴い、送風装置26が外気より温度が高い搬送風を送風管24に供給し、このとき、送風管24の送風装置側とは反対側から回収管25に搬送風が流入するが、各残留物取り出し口37が弁体38で閉になり、回収管25の回収物排出口25bが蓋体51で閉になっていて搬送風が回収管25から外部に漏れ出ないことにより、送風管24が送風装置26からの搬送風を各繰り出し機構30の各送り出し口31に供給し、各繰り出し機構30において、送り出し口31に繰り出された肥料を順次、送風管24からの搬送風によって施肥ホース22に送り出して施肥器23に供給していく。
【0035】
また、肥料タンク21や繰り出し機構30に肥料が残留した場合、次の如くして回収管25の回収物排出口25bから取り出して回収することができるようになっている。
すなわち、図7に示す如く回収管25を格納状態から使用状態に取り出すとともにこの回収管25の蓋体51を取り外して回収物排出口25bを開けておき、送風装置26の電動モータ26bをオンに操作する。すると、送風装置26が常温より高い温度の搬送風を送風管24に供給し、その搬送風が送風管24の送風装置側とは反対側から回収管25に流入し、回収管25の内部を風導入口25aが位置する側から反対側に流動していく。各繰り出し機構30において、図6に二点鎖線で示す如くシャッター35の操作ロッド52を繰り出しケース32から引き出し操作し、シャッター35を収納部53から繰り出しロール34の上方に引き出して繰り出しロール34の上方を閉じて肥料が繰り出しロール34に流下しないようにし、残留物取り出し口37の弁体38を開き操作する。すると、シャッター35が収納部53から出ても弁体38の上方までは至らなくて残留物取り出し口37を閉じないとともに、シャッター35の操作ロッド52が弁体38の上方に位置しても残留物取り出し口37を閉じないことにより、肥料タンク21や繰り出しケース32の繰り出しロール34よりも上方に残留していた肥料が、残留物取り出し口37から流下して回収管25に入り込み、回収管25を流動する送風管24からの搬送風によって回収管25の内部を搬送されて回収物排出口25bから排出される。このとき、搬送風が回収管25の絞り部25cのために逆流しにくいことと、流動方向下手側に至るほど回収管25の内径が大になっていることとによって回収管25の内部をスムーズに流動して肥料を回収管内に残りにくいように搬送していく。
【0036】
図8は、別の実施形態を備えた施肥装置20を示し、この施肥装置20にあっては、自走機体の横方向に並ぶ複数の繰り出し機構30に接続する自走機体横向きの送風管24の中央部に送風装置26の排気口26aが接続されており、送風装置26からの搬送風が送風管24に対してその中央部から左右に分配されて供給されるようになっている。
送風管24の一端側の繰り出し機構30の送り出し口31に接続する排風口24dのいずれよりも風流れ方向下手側に風導入口25aが接続している回収管25と、送風管24の他端側の繰り出し機構30の送り出し口31に接続する排風口24dのいずれよりも風流れ方向下手側に風導入口25aが接続している回収管25とを設けて、一方の回収管25の蓋体51を備えた回収物排出口25b、及び、他方の回収管25の蓋体51を備えた回収物排出口25bから、肥料タンク21や繰り出し機構30の残留肥料を回収するようになっている。
【0037】
〔別実施形態〕
上記実施形態の如く肥料用の繰り出し機構が付いた施肥装置を備えた田植機の他、種子用の繰り出し機構が対いた播種装置が装備された直播機、薬剤用の繰り出し機構が付いた薬剤散布装置が備えられた田植機や直播機などにも本発明は適用できる。従って、これら田植機、直播機などを総称して作業機と呼称し、肥料を圃場に供給するべき供給対象物と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】施肥装置付き乗用型田植機の全体の側面図
【図2】施肥装置付き乗用型田植機の全体の平面図
【図3】施肥装置の後面図
【図4】施肥装置の正面図
【図5】繰り出し機構の側面図
【図6】繰り出し機構の断面図
【図7】送風管及び回収管の概略断面図
【図8】別の実施形態を備えた送風管及び回収管の概略断面図
【符号の説明】
【0039】
21 タンク
24 送風管
24c 送風管の入り口
24d 送風管の排風口
25 回収管
25a 回収管の風導入口
25b 回収管の回収物排出口
25c 回収管の絞り部
26 送風装置
30 繰り出し機構
31 繰り出し機構の送り出し口
37 残留物取り出し口
51 蓋体
D1 回収管の回収物排出口側の内径
D2 回収管の風導入口側の内径
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成15年12月25日(2003.12.25)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2005−185149(P2005−185149A)
【公開日】 平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願番号】 特願2003−429676(P2003−429676)