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【発明の名称】 農用苗移植機
【発明者】 【氏名】宗好 紀彦
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【氏名】黒田 智之
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地セイレイ工業株式会社内

【要約】 【課題】圃場に植え付けられた苗の数を簡易に把握できるものとなす。

【解決手段】特定個所に供給された苗を列状の特定間隔に植え付けるように作動する農用苗移植機において、圃場へ送り出した苗数に対応して繰り返し変位される特定部位96の繰り返し変位数を数えることを可能としたカウンタ90を設けた構成となす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定個所に供給された苗を列状の特定間隔に植え付けるように作動する農用苗移植機において、圃場へ送り出した苗数に対応して繰り返し変位される特定部位の繰り返し変位数を数えることを可能としたカウンタを設けた構成を特徴とする農用苗移植機。
【請求項2】
特定軌跡上を周回移動する複数の苗搬送ポットを備え、各苗搬送ポットに供給された苗を順に列状の特定間隔で植え付けるように作動する農用苗移植機において、任意な特定時点から現時点までに特定位置を通過した前記苗搬送ポットを計数することを可能としたカウンタを設けたことを特徴とする農用苗移植機。
【請求項3】
前部から順にエンジン、ミッションケース及びハンドルフレームを備え、該ハンドルフレームの前後中途部上に苗供給部、そして該苗供給部の下側に移植手段を備え、前記苗供給部の特定個所に供給された苗を前記移植手段で列状の特定間隔に植え付けるように作動する農用苗移植機において、圃場へ送り出した苗数に対応して繰り返し変位される特定部位の繰り返し変位数を数えることを可能としたカウンタを前記移植手段の上側で前記苗供給部の前部に設けたことを特徴とする農用苗移植機。
【請求項4】
前記苗供給部が特定軌跡上を周回移動する複数の苗搬送ポットを備えたものとなされていて、前記カウンタが前記特定軌跡よりも前側に位置されていることを特徴とする請求項3記載の農用苗移植機。
【請求項5】
前記カウンタがピン止め手段及び又はネジ止め手段により脱着可能となされていて、他の農用苗移植機にも使用可能となされていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の農用苗移植機。
【請求項6】
前記カウンタをこれの上面部が後下がり姿勢となるように固定させたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の農用苗移植機。
【請求項7】
前記カウンタの上方を覆うものとしたカバー部材を開閉可能に設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の農用苗移植機。
【請求項8】
前記カバー部材が透視可能な材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の農用苗移植機。
【請求項9】
前記カウンタが入力機構を介して計数用の往復変位を入力され、該入力機構は前記各苗搬送ポットの1つが特定位置を通過する度に1回の往復変位を生じさせられ、該1回の往復変位が前記カウンタの出力値表示部の表示値を「1」づつ増加させる構成であることを特徴とする請求項2、4、5、6、7又は8の何れかに記載の農用苗移植機。
【請求項10】
前記入力機構の先端にローラを設け、該ローラが前記特定位置を通過する各苗搬送ポットに当接して往復変位されることを特徴とする請求項9記載の農用苗移植機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコなどの苗を移植する農用苗移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
前部から順にエンジン、ミッションケース及びハンドルフレームを備え、該ハンドルフレームの前後中途部上に苗供給部、そして該苗供給部の下側に移植手段を備え、前記苗供給部の各苗搬送ポットに供給された苗を前記移植手段で列状の特定間隔に植え付けるように作動する農用苗移植機は存在している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記移植機でタバコの苗などを移植したとき、栽培管理上から、圃場に植え付けられた苗数を明確に把握することを求められることがある。
このような場合、従来では、植え付けられた後の苗を数えるようにしているのが実情であり、面倒な思いをしている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−276807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、植え付けられた苗の数を面倒な思いをすることなく直ちに認識できるものとした農用苗移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決する
ための手段を説明する。
即ち、第1の発明は、請求項1に記載したように、特定個所に供給された苗を列状の特定間隔に植え付けるように作動する農用苗移植機において、圃場へ送り出した苗数に対応して繰り返し変位される特定部位の繰り返し変位数を数えることを可能としたカウンタを設けた構成である。
【0007】
また第2の発明は、請求項2に記載したように、特定軌跡上を周回移動する複数の苗搬送ポットを備え、各苗搬送ポットに供給された苗を順に列状の特定間隔で植え付けるように作動する農用苗移植機において、任意な特定時点から現時点までに特定位置を通過した前記苗搬送ポットを計数することを可能としたカウンタを設けた構成である。
【0008】
また第3の発明は、請求項3に記載したように、前部から順にエンジン、ミッションケース及びハンドルフレームを備え、該ハンドルフレームの前後中途部上に苗供給部、そして該苗供給部の下側に移植手段を備え、前記苗供給部の特定個所に供給された苗を前記移植手段で列状の特定間隔に植え付けるように作動する農用苗移植機において、圃場へ送り出した苗数に対応して繰り返し変位される特定部位の繰り返し変位数を数えることを可能としたカウンタを前記移植手段の上側で前記苗供給部の前部に設けた構成である。
この際、次のように具体化するのがよいのであって、即ち、請求項4に記載したように、前記苗供給部が特定軌跡上を周回移動する複数の苗搬送ポットを備えたものとなされていて、前記カウンタが前記特定軌跡よりも前側に位置されている構成となす。
【0009】
また上記した各発明は次のように具体化する。
即ち、請求項5に記載したように、前記カウンタがピン止め手段及び又はネジ止め手段により脱着可能となされていて、他の農用苗移植機にも使用可能となされている構成となす。
また請求項6に記載したように、前記カウンタをこれの上面部が後下がり姿勢となるように固定させる。
また請求項7に記載したように、前記カウンタの上方を覆うものとしたカバー部材を開閉可能に設ける。
また請求項8に記載したように、前記カバー部材が透視可能な材料で形成されている構成となす。
【0010】
また請求項9に記載したように、前記カウンタが入力機構を介して計数用の往復変位を入力され、該入力機構は前記各苗搬送ポットの1つが特定位置を通過する度に1回の往復変位を生じさせられ、該1回の往復変位が前記カウンタの出力値表示部の表示値を「1」づつ増加させる構成となす。
この際、請求項10に記載したように、前記入力機構の先端にローラを設け、該ローラが前記特定位置を通過する各苗搬送ポットに当接して往復変位される構成となす。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下に示すような効果が得られる。
即ち、請求項1に記載したものによれば、前記カウンタの出力値表示部の計数値を読み取ることで圃場に植え付けられた苗の数を把握することができるものとなる。
【0012】
請求項2に記載したものによれば、請求項1記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、従来より存在している前記苗搬送ポットを計数するようになしたため、前記カウンタによる計数機構を安価に形成できる。
【0013】
請求項3に記載したものによれば、請求項1記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、前記苗供給部の前部に前記カウンタが位置するので、前記苗供給部の後部で苗を供給する場合に、苗に付着した土砂などが前記カウンタ上に落下し難くなって、前記カウンタの作動が損なわれるなどの事態が発生し難くなる。
【0014】
請求項4に記載したものによれば、請求項3記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、前記苗搬送ポットの移動軌跡の前側に前記カウンタが位置するので、前記苗供給部の後部に位置した前記苗搬送ポットに苗を供給する場合に、苗に付着した土砂などが前記カウンタ上に落下し難くなって、前記カウンタの作動が損なわれ難くなるなどの利点が得られる。
【0015】
請求項5に記載したものによれば、請求項1記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、前記カウンタが必要ないときは取り外して計数機構を不使用状態となすことができ、また他の農用苗移植機に装着して使用することができて、それぞれの農用苗移植機に個別に設ける場合に較べ経済的となる。
【0016】
請求項6に記載したものによれば、請求項1記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、前記カウンタよりも後側に位置してハンドルフレームを持って操縦している作業者が前記カウンタの計数値を視認し易いものとなすことができる。
【0017】
請求項7に記載したものによれば、請求項1記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、前記カウンタの計数値の視認を確保した上で、前記カウンタに塵埃や雨水などが降り掛かるのを阻止することができる。
【0018】
請求項8に記載したものによれば、請求項1記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、前記カバーを開閉移動させないでも前記カウンタの計数値を視認できるものとなる。
【0019】
請求項9に記載したものによれば、請求項2又は4記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、従来より存在している苗搬送ポットを利用することにより、前記カウンタを安価に形成できて的確に作動させるものとなすことができる。
【0020】
請求項10に記載したものによれば、請求項9記載の発明と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、前記カウンタによる計数作動が摩擦抵抗少なく、しかも騒音少なく行えるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例に係る歩行型野菜移植機の全体的な構成を示した側面図、図2は同じく平面図、図3は開孔器の側面図、図4は同じく後面図、図5は開孔器の開閉の様子を示す図、図6は開閉カムの側面図、図7は苗供給部の斜視図、図8は苗供給部の左側面図、図9は苗供給部の前部を示す斜視図、図10は苗供給部の前部を示す斜視図、図11は計数機構周辺を示す平面図、図12は計数機構の拡大平面図である。
【0022】
まず、本発明の一実施例に係る歩行型の野菜移植機の概略構成について説明する。
図1、図2に示すように、野菜移植機1は、機体フレーム2の前部上にエンジン3を載置して、前後中央部上にミッションケース4を配置し、機体フレーム2後部上から後方にハンドル部材となるハンドルフレーム6を水平方向に連設している。機体フレーム2は、その前後中途部にて前機体フレームと後機体フレームとが連結固定され、側面視略逆「へ」字状に構成されている。
【0023】
前記ハンドルフレーム6は平面視略「コ」字状に構成され、その前部をミッションケース4上部と連結し、前後中途部上に苗供給部7と左右の苗載台21・21を支持している。また、前後中途部間に連結プレート24を架設し、後部に昇降レバー22や主クラッチレバー23や作業レバーやアクセルレバーやサイドクラッチレバーや高さ調節レバー等の操作レバーを配置して運転操作部9を形成している。
【0024】
前記機体フレーム2の前部には前輪支持軸10を横架し、該前輪支持軸10の両側に前輪支持フレーム11・11の一端を取り付け、該前輪支持フレーム11・11の他端に前輪12・12を支持している。また、ミッションケース4より後輪駆動軸15を水平方向側方に突出し、該後輪駆動軸15の両側に駆動ケース16・16を連設して、該駆動ケース16・16の後部に後輪17・17を支持している。前輪支持軸10は、前輪支持フレーム11および前輪12の回動支軸となっており、後輪駆動軸15は、駆動ケース16および後輸17の回動支軸となっている。
また、機体後部には、機体フレーム2中途部から後方に延設された鎮圧輪フレーム20に一対の鎮圧輸19・19が支持されている。
【0025】
そして、図3に示すように、移植手段としての開孔器50は前後一対の移植爪28、29を備え、略くちばし状(中空の前後二つ割り円錐状)に形成され、機体フレーム2後部の左右略中央で、前記苗供給部7の下方に配置されている。開孔器50は昇降ガイド53に沿って一定の軌跡を描いて昇降し、上死点となる上昇端(最上昇位置)(イ)で苗供給部7より苗26を受け取り、下死点となる最下降位置(二)で開孔器50を開いて圃場の畝25に植付穴を穿ち、図5に示すように、該植付穴に苗26を開放して、その後方に配置した鎮圧輪19により苗26の根部に土を寄せて覆土して移植する構成としている。
【0026】
このように、野菜移植機1は、苗供給部7より苗26を開孔器50内に投入して、該移植爪28、29を畝25中へ移動させることにより、機体の走行中に畝25に所定間隔毎に苗26の移植を行う移植機である。また、本実施例における野菜移植機1は一畝一条植え付けのタイプとなっており、タバコやキャベツ、ネギ、ニラ、ブロッコリー、豆類等の苗を移植可能としているが、複数条同時に植え付けたり、プラグ苗を移植する移植機等にも適用可能である。
【0027】
図1、図2に示すように、前記苗供給部7には、ミッションケース4から動力が伝達されることにより、回転軸33の周りに間欠的に回転駆動される円板状の回転台30が水平に配置されている。回転台30の下部は、その上部より若干小径に形成されており、該回転台30の下部外周が、回転台30の上部と略同径の回転台枠30aに嵌め込まれて取り付けられて、回転台30が回転台枠30aに対して回転できるようにしている。回転台枠30aは前記連結プレート24上に固定されている。回転台30の上面には、円筒状のポット取付基部31・31・・・・が円周に沿って複数個(本実施例では8個)取り付けられている、そして、ポット取付基部31・31・・・には、苗搬送ポット32・32・・・が挿入されている。作業者は左右の苗載台21・21より苗26を苗搬送ポット32に一株ずつ投入(挿入)するのである。
回転台30が回転され、後述する開孔器50が最上昇位置(イ)に達したとき、該開孔器50の直上に位置するポット付取基部31の底板が開かれて、苗搬送ポット32に収容されていた苗26を開孔器50へ向けて下方に落下させる。このようにして、苗供給部7から開孔器50へ苗26の供給を行っている。
【0028】
次に、開孔器50について図3乃至図6をも参照して説明する。
開孔器50は機体左右中央部のミッションケース4の後方に配設されており図1、図3、図4に示すように、該開孔器50の左右一側には駆動部となるロータリケース52が配置され、左右他側にはガイド部となる昇降ガイド53が配置されている。ロータリーケース52と昇降ガイド53は機体フレーム2に固定され、この間に開孔器50が配設され、該開孔器50は前記苗供給部7の下方で側面視楕円状の軌跡で昇降するように構成されている。
【0029】
前記ロータリーケース52は、機体フレーム2より左右水平方向に突設した支点軸54に回転自在に支持されるロータリーケース52の外側側面の支点軸54外周部に伝動体となるスプロケット55が固設される。ミッションケース4からは、左右方向に植付出力軸4aが延出されており、該植付出力軸4aには、支点軸54のスプロケット55と左右位置が対応する位置に、スプロケット27が設けられている。そして、スプロケット27・55間をチェン等の伝動手段を介して連結されてミッションケース4と連動連結され、開孔器50と前記苗供給部7とが同期して駆動するように構成されている。なお、スプロケット55の代わりに歯車等により伝動する構成としてもよい。
【0030】
前記ロータリーケース52内には三つの歯車が直列的に配置されてそれぞれ噛合され、ロータリーケース52他側より出力軸56を前記スプロケット55と反対側に突出している。該出力軸56上にアーム57の一端が固設されている。こうして、ロータリーケース52が一回転すると同時にアーム57が逆方向に一回転するように前記歯車が設定されている。
【0031】
前記アーム57の他端に連結軸59の一端が固設され、該連結軸59上に支持体60・60の一側(前側)が軸受を介して回転自在に支持されている。該支持体60は左右のプレートより構成して、開孔器50を支持しており、左右のプレートの連結軸59上に開閉カム61を固設している。
【0032】
図3に示すように、移植爪28、29はそれぞれ、土中に貫入する正面視(後面視)三角形状の爪部28a・29aを備えている。爪部28a・29aはそれぞれ、中空の円錐状部材を、中心軸に沿った平面で分割して形成される部材の一方および他方である。
【0033】
移植爪28・29は略同様の構成であるので、一方の移植爪28について説明し、その後に他方の移植爪29に関しては、前記移植爪28と相違する点について説明する。
移植爪28の爪部28aの上端には、平板状の基部28bが設けられる。前後方向(くちばし状による)反開孔側の左右両端には、上方へ延出する一対の第一支持部28c・28cが設けられ、開孔側の左右両端には、上方へ延出する一対の第二支持部28d・28dが設けられる。移植爪29にも、基部29b、第一支持部29c・29c、第二支持部29d・29dが前後略対称に備えられ、同様の構成であるが、第二支持部29d・29d間の間隔は、移植爪28の第二支持部28d・28d間よりも幅広に形成されており、この点が相違している。
【0034】
そして、第二支持部29d・29d間に第二支持部28d・28dが配置され、移植爪28、29の左右で、第二支持部28d・29d間がそれぞれ枢支軸64により枢支されて、移植爪28・29が開閉可能とされる。また、平板状の基部28b 29bは、爪部28a・29aと平面視重複する部位が切除されて、開孔器50の上方から投下された苗26が爪部28a・29aの内部に収納保持されるようにしている。
【0035】
前記支持体60の他側(後側)には漏斗状のカップ60aを形成して、前記苗供給部7よりカップ60aに苗26が入り易くし、該カップ60a下部に開閉可能に移植爪28、29を配置している。
【0036】
移植爪28、29の開閉機構は、前記カップ60aの前方と後方に同距離離れた位置に、爪支点軸63・63を一対ずつ左右水平方向に設け、,該爪支点軸63に移植爪28、29の前後一端(前記第一支持部28c・29c)を枢支している。カップ60aの前後には、カップ60aと固設される支持体60が位置し、カツプ60aの前後で、支持体60および移植爪28・29間に爪支点軸63・63が設けられる。
【0037】
そして、移植爪28、29は前後略対称に構成したくちばし状の爪部28a・29aを合わせた状態で苗26を収納支持し、開いた状態で苗26を落下させるようにしている。また、前記枢支軸64・64とカップ60a上部との間にバネ69・69を介装し、枢支軸64・64を持ち上げるようにして、移植爪28、29を閉じるように付勢している。
【0038】
平面視において、爪部28a・29aの上端部により形成される円の中心を、カップ60aの中心と略一致させ、爪部28a・29aの上端部をカップ60aの上端円より大きく形成して、爪部28a・29aの上端円内にカップ60aが納まるように、開孔器50は構成されている。
【0039】
前記開閉カム61側に位置する移植爪29の爪支点軸63上には当接アーム65の一端が枢支され、該当接アーム65の他端にローラ66を設けて前記開閉カム61の外周に当接するように構成している。該当接アーム65と移植爪29の第一支持部29c・29cとの間には、爪開閉量調節機構67が設けられており、該爪開閉量調節機構67は両者間にボルト68を螺装して、該ボルト68を回動することにより両者の間隔を調節して、移植爪29の回動量を調節できるようにしている。
【0040】
つまり、前記バネ69により移植爪28・29は閉じるように付勢され、支点軸63に対して反対側に位置する当接アーム65の先端は開閉カム61に当接されて回動が規制されている。開閉カム61の回動により、該開閉カム61に当接した当接アーム65が回動されて、爪支点軸63・63を中心に移植爪29が回動されて、移植爪28、29が開閉する。
【0041】
また、前記ロータリーケース52と左右反対側に位置する支持体60の前部で、該支持体60より支持軸70が昇降ガイド53例の側方に突出され、該支持軸70の端部にローラ71を設けて上下方向に配置した昇降ガイド53に嵌合して、移植爪28、29(開孔器50)の昇降をガイドするようにしている。
【0042】
そして、図5に示すように、本実施例においては、開孔器50の昇降および移植爪28、29の開閉は以下のように行われる。
まず、開孔器50の最上昇位置(イ)において移植爪28、29は閉じた状態にあり、このとき、開孔器50に苗供給部7より苗26が投入される。
【0043】
ミッションケース4からの動力によりロータリーケース52が回動され、アーム57も同時に回動されて、開孔器50は昇降ガイド53に沿って、略楕円軌跡を描いて下降する。そして、開孔器50が畝25に突入して植付穴を穿孔する。 開孔器50の最下降位置(二)において移植爪28、29が開かれて、口開き角度が最大の状態となり、このとき、苗26を畝25に開放する。
【0044】
次に、開孔器50が上昇して、その下端が最下降位置(二)から苗26の根鉢高さH以上の高さ位置(ハ)に達すると、移植爪28、29が若干角度だけ閉じて、口開き角度が最大角度より小さくなった状態となり、この状態を維持しつつ、開孔器50が畝25から引き抜かれる。
【0045】
そして、移植爪28、29を閉じながら開孔器50が更に上昇して、最上昇位置(イ)の付近の位置(口)において開孔器50に苗供給が行われる前に、移植爪28、29を少なくとも一度(本実施例では二度)開閉動作を行う。
その後、開孔器50に新たな苗26を供給するため、移植爪28、29が閉じた状態で開孔器50が上昇して最上昇位置(イ)に到達する。
【0046】
移植爪28、29は、開閉カム61の外周形状によって、開閉される。つまり、前記当接アーム65の先端が当接する開閉カム61の外周位置によって、移植爪28、29の開閉が規制されている。
【0047】
本実施例においては、図6に示すように、開閉カム61の外周形状を、最小半径rlの円弧で形成した位置p0からp1までにあたる第一当接部61a、最大半径r2に円弧を形成した位置P2にあたる第二当接部61b、r2よりも若干短く構成した半径r3に至る位置P3から位置P4までの第三当接部61c、半径r3と半径rlの間で外形を波状に形成した位置P5から位置p0までの第四当接部61dを含み、凹凸を有した形状としている。そして、開閉カム61が回動すると、当接アーム65先端のローラ66は、第一当接部61a→第二当接部61b→第三当接部61c→第四当接部61d→第一当接部61aの順に当接する。
【0048】
まず、当接アーム65先端のローラ66が開閉カム61外周の第一当接部61aに当接するとき、移植爪28、29は閉じた状態となっている。このとき、開孔器50は最上昇位置(イ)にあり、苗供給部7より苗26が供給される。
【0049】
次に、開閉カム61が回動して、当接アーム65先端のローラ66が位置Plにおいて開孔機50は畝上に位置して、位置Plより第二当接部61bに至るまでの個所に当接するときに、移植爪28、29は開いて、その口開き角度が最大である全開の状態となる。このとき、開孔器50は最下降位置(二)にあり、移植爪28、29内に保持していた苗26を畝25に開放する。
【0050】
次に、開閉カム61が回動して、当接アーム65先端のローラ66が開閉カム61の第三当接部61cに当接するとき、移植爪28、29は全開状態から若干閉じて、その口開き角度が最大角度より小さい状態となっている。このとき、開孔器50は上昇して、その下端が最下降位置(二)から苗26の根鉢高さH以上の高さ位置(ハ)に達する。その後、苗の葉の高さ以上高くなるまで半開きの状態が維持される。
【0051】
さらに開閉カム61が回動して、当接アーム65先端のローラ66が開閉カム61の第四当接部61dに当接すると、移植爪28、29に少なくとも一度(本実施例では二度)開閉動作を行わせる。この開閉動作が終了したとき、開孔器50は、最上昇位置(イ)の付近の位置(口)にある。この開閉動作は短時間で繰り返されるようにして開孔器50に振動を与えるようにする。
そして、開閉カム61が回動して、当接アーム65先端のローラ66が開閉カム61の第一当接部61aに再び当接する。
【0052】
また、開孔器50の最下降位置(二)おいて、移植爪28、29は全開状態となるため、植付穴の穴底を平らに形成でき、苗26のすわりをよくすることとなる。
また、開孔器50の下端が苗26の根鉢高さH以上の高さ位置(ハ)に上昇すると、移植爪28、29を若干角度だけ閉じるため、植付穴の穴側面との隙間が大きくなり、野菜移植機1の走行(前進)中においても、開孔器50の前側の側面と植付穴の前側の側面との接触を避けて、高さ位置(ハ)よりも高い穴側面の土砂崩れを減少させることができ、苗26が埋没することを防止できる。
【0053】
さらに、開孔器50の最上昇位置(イ)の近くの位置(ロ)のおいて、移植爪28、29は少なくとも一度開閉動作を行うため、その開閉動作の際の振動等により開孔器50(移植爪28、29)に付着した泥土を落とすことができる。つまり、開孔器50が畝25の土中へ突入するときに開孔器50の外側部分に付着した泥土や、ポット苗を収納保持するときに、開孔器50の内側部分に付着した苗26の根鉢部分の泥土を、効率的に落とすことができる。
【0054】
次に図7乃至図12をも参照して、苗載台21の支持構造及びこれに関連して装設された計数機構80について説明する。
図1及び図2に示すように、左右の苗載台21は側面視「L」字形状の苗載台フレーム81L、81Rに支持されている。そして図7及び図11に示すように、前記ハンドルフレーム6の左フレーム6Lと右フレーム6Rとの前後中央部にそれぞれ取付部6L1、6R1が固着されており、各取付部6L1、6R1から、それぞれの苗載台フレーム81L、81Rが斜前方へ向けて延設され、該苗載台フレーム81L、81R上に苗載台21が取り付けられている。
【0055】
前記苗載台フレーム81L、81Rは、垂直部位81aと、該垂直部位81aの上端から前方へ延出される水平部位81bとを備え、該垂直部位81aの下部が前記左フレーム6L及び右フレーム6Rの取付部6L1、6R1の上下向き取付孔に挿入されて、ボルトやナットなどから成る固定具82を介して締結状に固定されている。この固定具82を緩めると、苗載台フレーム81L、81Rの垂直部位81aが左フレーム6L及び右フレーム6Rの各取付孔に対して上下スライド自在、且つ、左右回転自在となって、作業者が作業し易いように苗載台フレーム81L、81Rの高さ位置と向きとを調整できるように構成されている。
【0056】
前記苗載台フレーム81L、81Rには計数機構80が脱着可能に固定されている。該計数機構80は、図7、図9及び図11などに示すように、苗載台フレーム81L、81Rの各垂直部位81a、81aに外嵌される左右一対の短管部材83、83と、これら短管部材83、83のそれぞれに固着された板片84と、正面視門形に屈曲された結合管部材85と、該結合管部材85の左右各側の縦向き部に固着されて各縦向き部に対応する側の前記板片84にボルトナットで固定される前後向き板片86とからなっている。
【0057】
各短管部材83、83はその対応する側の苗載台フレーム81L、81Rの垂直部位81aと短管部材83の直径方向部位に挿通され抜け止めピンを係着されたピン部材(ピン止め手段)87a、及び、短管部材83に螺着されたロック用ネジ具(ネジ止め手段)87bを介して締結状に固定されており、また結合管部材85の長さ途中個所には前方へ張り出させた水平支持片88が固着され、該水平支持片88の上面にカウンタ台板89がボルトを介して固定されている。該カウンタ台板89は図10に示すように、水平支持片88の上面に当接される水平面部89aと、該水平面部89aから前方へ向けて漸次に上昇される傾斜面部89bを具備している。
【0058】
図10〜図12に示すように、傾斜面部89bの上面にはカウンタ90が固定されているのであり、該カウンタ90は、直方体形状の本体ケース91を備え、該本体ケース91の内方に計数演算部を形成されると共に、該本体ケース91の上面部を透明材からなる窓部となされると共に前記計数演算部の出力値表示部92が前記窓部から透視されるようになされ、また左側面にはゼロ設定用摘み部材93を装着されると共に、左右向きの入力揺動軸部材94が一定角度範囲内の回動可能に装設されて該入力揺動軸部材94の右端部が右側面から突出され、該入力揺動軸部材94が一回往復揺動されることにより計数演算部が出力値表示部92に表示される計数値を「1」だけ増加させ、また前記ゼロ設定用摘み部材93を操作することにより出力値表示部92に表示された計数値がゼロになる構成となされている。
【0059】
カウンタ90と前記回転台30との間にはカウンタ90を計数作動させるための入力機構95が形成されている。該入力機構95は、平面視鈎状となされた水平アーム部材96をカウンタ台板89の水平面部89aから起立させた支点軸97を介して水平揺動可能に装着すると共に該アーム部材96の後端に縦向き支持軸98を介して合成樹脂材からなるローラ99を装設し、また該水平アーム部材96の前端部にバネ結合片100を固定し、一方ではカウンタ90の入力揺動軸部材94の右端部に縦向き入力アーム部材101を固定し、該縦向き入力アーム部材101の下端部と前記バネ結合片100とを弾性伸張可能なスプリング連結体102で結合するほか、図示しないバネで縦向き入力アーム部材101の下端部を前方へ付勢したものとなされている。
【0060】
この際、水平アーム部材96は回転台30の回転中に特定位置p1を通過するポット取付基部31の外周面にローラ99が接触して押し移動されることにより支点軸97回りの特定角度範囲だけ揺動変位されるようにその形状及び位置を決定されており、また103は水平支持片88に起立状に固定されたピン部材で水平アーム部材96の左端側部位が前側へ揺動される許容範囲を規制するものである。
【0061】
傾斜面部89bの前端縁にはヒンジ継ぎ手を介して揺動板104を左右向き軸105回りの揺動可能に装設し、該揺動板104にカバー部材106を固定している。該カバー部材106は透視可能な板材、例えば合成樹脂板などで形成されていて、揺動板104に固定された前面部106aとこれに連続した上面部106bとからなっており、使用状態では図10に符号p2で示す位置に位置されて、上面部106bがカウンタ90の上方を覆って傾斜面部89bと並行な状態で安定的に位置保持され、また該使用状態の下で上面部106bの後端縁を上方前側へ移動させることにより図10に符号p3で示す位置に位置されて開放状態となり、該位置を安定的に保持されるものとなされている。
【0062】
上記した移植機による植付中、圃場に植え付けた苗26の株数(又は本数)を数えるとき、作業者は機体を植付開始位置に移動させた後、予め必要な各苗搬送ポット32に苗26の1株づつ(通常は1本の苗)を投入しておき、次にカウンタ90のゼロ設定摘み部材93をゼロ設定操作し、この後、機体を前進させつつ空状態の苗搬送ポット32のそれぞれに順次に苗26の投入を行う。
【0063】
移植機の植付作動中には、1つの苗搬送ポット32が送り方向f1へ周回移動されて該苗搬送ポット32の回転移動軌跡上の特定位置p1に近接したとき、ローラ99がポット取付基部31の外周面に当接し、この後、該苗搬送ポット32が特定位置p1を通過して該特定位置p1から幾分離れるまでの期間中にローラ99をこれに作用する図示しないバネの付勢力に抗して一回往復変位させる。そして、該苗搬送ポット32がさらに同じ方向f1(図9)へ周回移動されたとき、ローラ99はこれまで当接していたポット取付基部31の外周面から離反した状態となり、この状態となった瞬間、ローラ99は図示しないバネの付勢力で急激に初期位置に復帰される。
【0064】
このようなローラ99の変位は、水平アーム部材96を支点軸97回りの特定角度範囲で一回往復変位させるのであり、水平アーム部材96はスプリング連結体102及び縦向き入力アーム部材101を介してカウンタ90の入力揺動軸部材94を特定角度範囲で1回往復変位させ、前記計数演算部の出力値表示部96に表示される計数値を「1」だけ増加させる。
この際、スプリング連結体102は、水平アーム部材96の支点軸97回りの揺動範囲と縦向き入力アーム部材101の揺動範囲とに誤差があるとき、弾性伸張変形して該誤差を吸収するものとなる。
【0065】
そして、次の苗搬送ポット32が特定位置p1を通過する際にもローラ99、水平アーム部材96、スプリング連結体102、縦向き入力アーム部材101及び入力揺動軸部材94は上述同様に作動し、前記計数演算部の出力値表示部92に表示される計数値は「1」だけ増加されるのであり、以後、1つの苗搬送ポット32が特定位置p1を通過する度に、出力値表示部92に表示される計数値は「1」だけ増加される。したがって、植付作業中、出力値表示部92に表示される計数値を読み取ることで、植付作業の開始時点から現時点までの植付株数(或いは植付本数)が把握されるのである。
【0066】
カバー部材106は通常、図10に符号p2で示すように上面部106bが傾斜面部89bに平行となされてカウンタ90を覆った状態に保持されるのであり、またカウンタ90は苗供給部7の後部から前方へ離れて位置するため、作業者が苗搬送ポット32に苗26を投入するなどにより土砂やその塵埃が飛散しても、該土砂などはカウンタ90まで飛来し難く、またカウンタ90まで飛来してもカバー部材106の外表面上に堆積して付着するものとなり、カウンタ90の上面部に直接に付着するのを阻止される。
【0067】
作業者が植付作業中にカウンタ90の出力値表示部92の計数値を視認したいとき、手を伸ばしてカバー部材106の後端縁を指で引き上げ、図10に符号p3で示すようにその上面部106bがカウンタ90を覆っていない状態に位置させる。これにより、カウンタ90の上面部はカバー部材106で覆われていない状態となり、またカウンタ90の上面部には塵埃が付着しないため、出力値表示部92の計数値はカウンタ90の上面部上から確実に透視される。この際、カウンタ90の上面部は後下がり状に傾斜されているため、出力値表示部92の計数値はハンドルフレーム6の後部に位置した作業者により無理なく視認される。
【0068】
上記した計数機構80を上記移植機から取り外すには、例えば、苗載台21を苗載台フレーム81L、81Rから取り外した後、固定具82を弛緩操作するなどして、苗載台フレーム81L、81Rの垂直部位81aを取付部6L1、6R1の上下向き取付孔から抜き出す。そして短管部材83、83及び、苗載台フレーム81L、81Rの垂直部位81aからピン部材87aを抜き取ると共に、短管部材83に螺着されたロック用ネジ具87bを弛緩操作して、各短管部材83、83を垂直部位81aから抜き出し、苗載台フレーム81L、81Rから計数機構を分離させるのである。
こうして分離された計数機構80は他の移植機に装着して使用することができ、また計数機構80を取り外された苗載台フレーム81L、81Rや苗載台21は元状態に復帰させる。
【0069】
本実施例ではカバー部材106を左右向き軸105回りの揺動可能に装着したが、これに限定するものではなく、例えば、カウンタ90に箱状のカバー部材106を被せるようにしてもよいのであって、この場合はカバー部材106とカウンタ台板89側とを紐などで結合しておく。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施例に係?歩行型野菜移植機の全体的な構成を示した側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】開孔器の側面図。
【図4】同じく後面図。
【図5】開孔器の開閉の様子を示す図。
【図6】開閉カムの側面図。
【図7】苗供給部の斜視図。
【図8】同じく左側面図。
【図9】苗供給部の前部を示す斜視図。
【図10】同じく斜視図。
【図11】計数機構周辺を示す平面図。
【図12】計数機構の拡大平面図。
【符号の説明】
【0071】
3 エンジン
4 ミッションケース
6 ハンドルフレーム
7 苗供給部
26 苗
32 苗搬送ポット(特定個所)
50 開口器(移植手段)
87a ピン部材(ピン止め手段)
87b ロック用ネジ具(ネジ止め手段)
90 カウンタ
92 出力値表示部
95 入力機構
96 水平アーム部材
99 ローラ
106 カバー部材
p1 特定位置
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市江並428番地
【出願日】 平成15年8月20日(2003.8.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−58172(P2005−58172A)
【公開日】 平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願番号】 特願2003−296142(P2003−296142)