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【発明の名称】 種子選別装置
【発明者】 【氏名】小川 文弘
【住所又は居所】大阪府吹田市穂波町12番43号 カネボウ株式会社内

【氏名】平原 聡子
【住所又は居所】大阪府吹田市穂波町12番43号 カネボウ株式会社内

【要約】 【課題】様々な種子の選別を正確に行うことができる種子選別装置を提供する。

【解決手段】検知有効幅がしきい値を下回った場合、制御部は、最頻輝度値の抽出を行う。次に、制御部は、最頻輝度値が輝度基準値よりも小さいか否かを判別する。最頻輝度値が輝度基準値よりも小さい場合、制御部は、算出された周囲長および面積を用いて複雑度を算出する。制御部は、算出された複雑度が複雑度基準範囲内にあるか否かを判別する。算出された複雑度が複雑度基準範囲内にある場合、制御部は、種子長さが長さ基準範囲内にあるか否かを判別する。種子長さが長さ基準範囲内にある場合、制御部は、選別吸引装置に吸引指示の指令信号を送る。次に、制御部は、作業の終了が指示されたか否かを判別する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種子を選別する種子選別装置であって、
種子の画像を入力する画像入力手段と、
前記画像入力手段により入力された種子の画像において、予め設定された範囲の輝度値を有する領域を抽出し、抽出された領域における輝度値の度数分布を作成する度数分布作成手段と、
前記画像入力手段により入力された種子の画像において、種子の周囲長および面積を算出し、算出された周囲長および面積に基づいて複雑度を算出する複雑度算出手段と、
前記度数分布作成手段により作成された度数分布および前記複雑度算出手段により算出された複雑度に基づいて種子を選別する選別手段とを備えたことを特徴とする種子選別装置。
【請求項2】
前記選別手段は、
前記度数分布作成手段により作成された度数分布において最も高い度数を有する輝度値を抽出する最頻輝度抽出手段と、
予め設定された輝度の基準値を記憶する第1の記憶手段と、
前記最頻輝度抽出手段により抽出された最頻輝度値を前記第1の記憶手段に記憶された輝度の基準値と比較する第1の比較手段と、
予め設定された複雑度の基準値を記憶する第2の記憶手段と、
前記複雑度算出手段により算出された複雑度を前記第2の記憶手段に記憶された複雑度の基準値と比較する第2の比較手段と、
前記第1の比較手段の比較結果および前記第2の比較手段の比較結果に基づいて種子が所定の種類であるか否かを判定する判定手段とを含むことを特徴とする請求項1記載の種子選別装置。
【請求項3】
複数種類の種子について前記画像入力手段および前記度数分布作成手段により輝度値の度数分布を作成し、前記度数分布における複数のピークに基づいて前記輝度の基準値を算出する基準値算出手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の種子選別装置。
【請求項4】
前記画像入力手段は、
種子を第1の方向に搬送する搬送手段と、
前記第1の方向と交差する第2の方向に沿った直線状の領域を撮像するラインセンサとを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の種子選別装置。
【請求項5】
前記画像入力手段により入力された画像に基づいて種子の長さを算出する長さ算出手段をさらに備え、
前記選別手段は、前記度数分布作成手段により作成された度数分布、前記複雑度算出手段により算出された複雑度および前記長さ算出手段により算出された種子の長さに基づいて種子を選別することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の種子選別装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、種子を選別する種子選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、種子の遺伝的な特質の種子選別装置として、種子の表面模様の状態を計測および2値化し、この2値化画像と予め記憶装置に記憶されている種子の基準分布値とを比較することにより種子選別を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3334003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記種子選別装置では、種子の表面模様の画像を白黒の2値化画像に変換して種子選別を行うので、表面状態が同じでかつ色彩が異なる種子に対しては種子選別が困難であった。
【0004】
また、種子の色彩選別をカラーセンサーで行う種子選別装置があるが、同一種子内での色彩のむらがある場合に正確な種子の色彩選別が困難であった。さらに、種子の周囲または内部のすじ部に色彩を有さない白い部分が存在する場合にも、正確な種子の色彩選別が困難であった。
【0005】
本発明の目的は、様々な種子の選別を正確に行うことができる種子選別装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る種子選別装置は、種子を選別する種子選別装置であって、種子の画像を入力する画像入力手段と、画像入力手段により入力された種子の画像において、予め設定された範囲の輝度値を有する領域を抽出し、抽出された領域における輝度値の度数分布を作成する度数分布作成手段と、画像入力手段により入力された種子の画像において、種子の周囲長および面積を算出し、算出された周囲長および面積に基づいて複雑度を算出する複雑度算出手段と、度数分布作成手段により作成された度数分布および複雑度算出手段により算出された複雑度に基づいて種子を選別する選別手段とを備えたものである。
【0007】
ここで、複雑度とは、種子が円形に近い程度または円形から離れた程度を表わし、周囲長と面積との比に比例する値または面積と周囲長との比に比例する値で表わされる。
【0008】
本発明に係る種子選別装置においては、画像入力手段によって種子の画像が入力され、入力された種子の画像において、予め設定された範囲の輝度値を有する領域が度数分布作成手段により抽出され、抽出された領域における輝度値の度数分布が作成される。また、複雑度算出手段により算出された種子の周囲長および面積に基づく複雑度および度数分布作成手段により作成された輝度値の度数分布に基づいて、選別手段により種子の選別が行われる。
【0009】
それにより、ある一定の範囲内の輝度値に基づいて選別を行うことができる。その結果、同一種子内で色彩のむらがある場合や種子の周囲または内部のすじ部に色彩を有さない部分が存在する場合にも、正確な種子の選別が可能となる。
【0010】
また、複雑度および輝度値の度数分布に基づいて選別を行うことにより、種子色が同じで種子形状が異なる場合あるいは種子形状が同じで種子色が異なる場合においても種子の正確な選別を行うことができる。さらに、種子と異物とを選別することも可能となる。
【0011】
選別手段は、度数分布作成手段により作成された度数分布において最も高い度数を有する輝度値を抽出する最頻輝度抽出手段と、予め設定された輝度の基準値を記憶する第1の記憶手段と、最頻輝度抽出手段により抽出された最頻輝度値を第1の記憶手段に記憶された輝度の基準値と比較する第1の比較手段と、予め設定された複雑度の基準値を記憶する第2の記憶手段と、複雑度算出手段により算出された複雑度を第2の記憶手段に記憶された複雑度の基準値と比較する第2の比較手段と、第1の比較手段の比較結果および第2の比較手段の比較結果に基づいて種子が所定の種類であるか否かを判定する判定手段とを含んでもよい。
【0012】
この場合、最頻輝度抽出手段により抽出された最頻輝度値と第1の記憶手段に記憶された輝度の基準値とが第1の比較手段により比較され、複雑度算出手段により算出された複雑度と第2の記憶手段に記憶された複雑度の基準値とが第2の比較手段により比較される。さらに、第1の比較手段の比較結果および第2の比較手段の比較結果に基づいて種子が所定の種類であるか否かが判定手段により判定される。第1の記憶手段に記憶させる輝度の基準値および第2の記憶手段に記憶させる複雑度の基準値をそれぞれ任意に変更することにより、種々の種子を選別することが可能となる。
【0013】
複数種類の種子について画像入力手段および度数分布作成手段により輝度値の度数分布を作成し、度数分布における複数のピークに基づいて輝度の基準値を算出する基準値算出手段をさらに備えてもよい。
【0014】
この場合、複数の輝度値のピークより自動的に輝度の基準値が算出されるので、輝度の基準値を設定する作業が不要となり、作業効率が向上する。
【0015】
画像入力手段は、種子を第1の方向に搬送する搬送手段と、第1の方向と交差する第2の方向に沿った直線状の領域を撮像するラインセンサとを含んでもよい。
【0016】
この場合、搬送手段により第1の方向に搬送されている種子の画像がラインセンサにより正確かつ瞬時に撮像される。それにより、種子の高速かつ正確な選別が可能となる。
【0017】
画像入力手段により入力された画像に基づいて種子の長さを算出する長さ算出手段をさらに備え、選別手段は、度数分布作成手段により作成された度数分布、複雑度算出手段により算出された複雑度および長さ算出手段により算出された種子の長さに基づいて種子を選別してもよい。
【0018】
この場合、長さ算出手段により算出された種子の長さ、度数分布作成手段により作成された度数分布および複雑度算出手段により算出された複雑度に基づいて選別手段により種子の選別が行われる。それにより、形状および色彩が類似しかつ大きさが異なる種子を選別することもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る種子選別装置によれば、ある一定の範囲内の輝度値に基づいて選別を行うことができる。その結果、同一種子内で色彩のむらがある場合や種子の周囲または内部のすじ部に色彩を有さない部分が存在する場合にも、正確な種子の選別が可能となる。
【0020】
また、複雑度および輝度値の度数分布に基づいて選別を行うことにより、種子色が同じで種子形状が異なる場合あるいは種子形状が同じで種子色が異なる場合においても種子の正確な選別を行うことができる。さらに、種子と異物とを選別することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1は本実施の形態に係る種子選別装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、種子選別装置100は、ラインセンサカメラ1、画像処理装置2、制御部3、ディスプレイ4、キーボード5および選別吸引装置6を含む。
【0024】
ラインセンサカメラ1は、主としてCCD(電荷結合素子)ラインセンサおよびレンズを含み、ベルトコンベア(図示せず)上の種子を撮像し、その出力輝度データを画像処理装置2に出力する。また、ラインセンサカメラ1は、ベルトコンベアの移動方向に直交する直線状の領域を撮像するように設けられている。ラインセンサカメラ1の出力輝度データは、撮像される直線状の領域の輝度値を表している。
【0025】
ラインセンサカメラ1は、上記直線状の領域に沿って2048個の画素を有する。ラインセンサカメラ1の各画素は、上記直線状の領域における50μm×50μmの正方形の領域の平均輝度値を測定する。
【0026】
画像処理装置2は、ラインセンサカメラ1の出力輝度データを処理する。制御部3は、パーソナルコンピュータ等からなり、画像処理装置2および選別吸引装置6を制御する。
【0027】
制御部3には、ディスプレイ4およびキーボード5が接続されている。また、選別吸引装置6は、ノズルからなり制御部3からの指令信号によりベルトコンベア上の種子を吸引することによって選別を行う。
【0028】
図2は図1のラインセンサカメラ1により種子の検知方法を示す図である。図2(a)は種子の画像の一例を示す平面図であり、図2(b),(c)はラインセンサカメラ1の出力輝度データを示す波形図である。図2(b),(c)の横軸は時間を示し、縦軸は輝度値を示す。
【0029】
図2(a)に示すように、種子10の画像においては、外周部10bおよびすじ部10cは、表面10aに比べ輝度値が高い。ここで、表面10aとは、外周部10bおよびすじ部10cを除く種子10の領域をいう。
【0030】
本実施の形態では、ラインセンサカメラ1から画像処理装置2に入力された画像の予め設定された輝度値以下が抽出され、抽出された輝度値の度数分布が作成される。すなわち、種子10の画像において、外周部10b、すじ部10cおよび種子10の周囲を除く領域における輝度値の度数分布が作成される。
【0031】
ラインセンサカメラ1により種子10が矢印Uの方向に走査される。本実施の形態においては、種子10が矢印Vの方向に移動しつつラインセンサカメラ1による走査が繰り返し行われる。それにより、種子10が矢印Vの方向における一端部から他端部に約50ライン分走査される。この場合、制御部3により1ラインの走査ごとに図2(b),(c)に示すような波形が得られる。
【0032】
ここで、輝度値が予め設定された検知有効レベル以下となる領域の幅を検知有効幅とする。
【0033】
図2(b)に示すように、検知有効幅が予め設定されているしきい値よりも小さいときには、制御部3により種子10がラインセンサカメラ1下を通過中でないと判定される。
【0034】
また、図2(c)に示すように、3ライン分連続して検知有効幅がしきい値よりも大きいときには、制御部3により種子10がラインセンサカメラ1下を通過中であると判定される。
【0035】
図3は種子10の輝度値の度数分布の一例を示す模式図である。図3に示すように、横軸は輝度値を示し、縦軸は出現画素数を示す。
【0036】
予め設定された輝度値以下の画像の領域に対して制御部3により種子10の輝度値の度数分布が作成される。ここで、出現画素数が最大となる輝度値が最頻輝度値である。
【0037】
本実施の形態では、最頻輝度値を予め設定された輝度基準値と比較することにより2種類の種子10を選別する。
【0038】
図4は制御部3の輝度基準値算出処理を示すフローチャートである。図5は複数の種子10の最頻輝度値分布の一例を示す模式図である。本実施の形態では、形状が同じで中央部が黒色と茶色の2種類の種子10を選別する。
【0039】
輝度基準値算出処理では、複数の種子10の最頻輝度値から最頻輝度値分布を作成し、最頻輝度値分布における黒色の種子10および茶色の種子10の2つのピーク値から輝度基準値を算出する。この場合、後述する種子選別処理を行う前に、輝度基準値算出処理を行うことによって自動的に輝度基準値が設定される。
【0040】
図4に示すように、制御部3は、ラインセンサカメラ1の出力輝度データを読み込む(ステップS1)。
【0041】
次に、制御部3は、ラインセンサカメラ1の出力輝度データにおいて、3ライン分連続して検知有効幅がしきい値を上回ったか否かを判別する(ステップS2)。3ライン分連続して検知有効幅がしきい値を上回っていない場合、制御部3は、ラインセンサカメラ1の出力輝度データを読み込み続ける。
【0042】
3ライン分連続して検知有効幅がしきい値を上回った場合、制御部3は、予め設定されている輝度値以下を抽出し、抽出された輝度値の度数分布の計測を開始する(ステップS3)。
【0043】
次に、制御部3は、検知有効幅がしきい値を下回ったか否かを判別する(ステップS4)。検知有効幅がしきい値を下回っていない場合、制御部3は、検知有効幅がしきい値を下回るまで判別し続ける。
【0044】
検知有効幅がしきい値を下回った場合、制御部3は、輝度値の度数分布の計測を終了する(ステップS5)。それにより、輝度値の度数分布が作成される。続いて、制御部3は、作成された輝度値の度数分布における最頻輝度値を抽出する(ステップS6)。
【0045】
次に、制御部3は、作業の終了が指示されたか否かを判別する(ステップS7)。作業の終了が指示されていない場合、ステップS1に戻りステップS1からS7の処理を繰り返す。
【0046】
作業の終了が指示された場合、制御部3は、図5の最頻輝度値分布を作成する(ステップS8)。図5の横軸は最頻輝度値を示し、縦軸は種子個数を示す。次に、制御部3は、図5の最頻輝度値分布に基づいて輝度基準値を算出する(ステップS9)。この場合、図5において、最頻輝度値分布の2つのピークにおける最頻輝度値からAおよびBが算出され、この最頻輝度値AおよびBを用いて式(A+B)/2から輝度基準値が算出される。
【0047】
図6および図7は制御部3の種子選別処理を示すフローチャートである。なお、本実施の形態においては、黒色の種子10を吸引することにより種子選別を行う。また、後述の種子長さの基準範囲である長さ基準範囲および複雑度の基準範囲である複雑度基準範囲は、予め行った試験の結果を手動入力することにより設定される。
【0048】
図6に示すように、制御部3は、ラインセンサカメラ1からライン毎に出力輝度データを読み込む(ステップS21)。
【0049】
次に、制御部3は、ラインセンサカメラ1の出力輝度データにおいて、3ライン分連続して検知有効幅がしきい値を上回ったか否かを判別する(ステップS22)。3ライン分連続して検知有効幅がしきい値を上回っていない場合、制御部3は、ラインセンサカメラ1の出力輝度データを読み込み続ける。
【0050】
3ライン分連続して検知有効幅がしきい値を上回った場合、制御部3は、検知有効幅がしきい値を下回っているか否かを判別する(ステップS23)。検知有効幅がしきい値を下回っていない場合、制御部3は、読み込んだラインの出力輝度データにおいて、予め設定された輝度値以下の領域を抽出する(図7のステップS24)。
【0051】
次に、制御部3は、抽出された領域内の出力輝度データにおいて、輝度値の度数分布を計測する(ステップS25)。
【0052】
続いて、制御部3は、抽出された領域の周縁部の長さを積算する(ステップS26)。
【0053】
次に、制御部3は、抽出された領域の面積を積算する(ステップS27)。
【0054】
次に、制御部3は、抽出された領域のライン数を計測する(ステップS28)。
【0055】
以後、制御部3は、上記のステップS23において、検知有効幅がしきい値を下回るまでステップS21〜S28の処理を繰り返す。
【0056】
ステップS25の計測結果から種子10全体の輝度値の度数分布が作成される。また、ステップS26の周縁部の長さの積算結果が種子10の周囲長に相当する。また、ステップS27における面積の積算結果が種子10の面積に相当する。さらに、ステップS28におけるライン数の積算結果が種子10の種子長さに相当する。
【0057】
ステップS23において、検知有効幅がしきい値を下回った場合、制御部3は、最頻輝度値の抽出を行う(ステップS29)。
【0058】
次に、制御部3は、最頻輝度値が前述の輝度基準値よりも小さいか否かを判別する(図7のステップS30)。
【0059】
最頻輝度値が輝度基準値よりも小さい場合、制御部3は、算出された周囲長および面積を用いて複雑度を算出する(ステップS31)。ここで、複雑度はL2/(4πS)で表される。Lは種子10の外周部の周囲長であり、Sは種子10の面積である。種子10が真円形状を有する場合は、複雑度の値は1となる。例えば、種子10が種子の一種であるリネアリスの場合、複雑度は1.0〜1.3となる。
【0060】
次に、制御部3は、算出された複雑度が複雑度基準範囲内にあるか否かを判別する(ステップS32)。
【0061】
算出された複雑度が複雑度基準範囲内にある場合、制御部3は、種子長さが長さ基準範囲内にあるか否かを判別する(ステップS33)。ここで、種子長さとは、測定領域内における1単位ごとの平均輝度値が、検知有効レベル以下となり、かつその幅が検知有効幅以上となるライン数に相当する。
【0062】
種子長さが長さ基準範囲内にある場合、制御部3は、吸引処理を行う(ステップS34)。この場合、制御部3は、選別吸引装置6に吸引指示の指令信号を送る。
【0063】
次に、制御部3は、作業の終了が指示されたか否かを判別する(ステップS35)。作業の終了が指示されていない場合、ステップS21に戻り上記の処理を繰り返す。
【0064】
ステップS30において、最頻輝度値が輝度基準値より大きい場合、ステップS32において、複雑度が基準範囲内にない場合またはステップS33において、種子長さが基準範囲にない場合には、ステップS35に進む。
【0065】
ステップS35において、作業の終了が指示された場合、種子選別処理が終了する。
【0066】
上記のように、本実施の形態に係る種子選別装置においては、最頻輝度値および複雑度の値とそれぞれの基準値とを比較することにより種子選別を行うので、種子色が同じで種子形状が異なる場合あるいは本実施の形態のように種子形状が同じで種子色が異なる場合においても正確な種子選別を行うことができる。また、種子10と異物とを選別することも可能となる。
【0067】
さらに、最頻輝度値および複雑度とそれぞれの基準値との比較に加え、種子長さと長さ基準値との比較も行うことにより、形状および色彩が類似しかつ大きさが異なる種子10を選別することもできる。
【0068】
また、種子10の色彩がわずかに変化しても輝度基準値算出処理によって輝度基準値が自動的に設定されることにより、種子10の最頻輝度値と輝度基準値との比較を正確に行うことができるとともに高精度な種子選別が可能となる。
【0069】
さらに、予め設定された輝度値以下の領域に対して制御部3により種子10の輝度値の度数分布が作成されることにより、種子10の外周部10b、すじ部10cおよび種子10の周囲のような予め設定された輝度値以上の領域の影響を排除することができる。それにより、種子の高精度な選別が可能となる。
【0070】
本実施の形態においては、ラインセンサカメラ1が画像入力手段に相当し、選別吸引装置6が選別手段に相当し、制御部3が度数分布作成手段、複雑度算出手段、最頻輝度抽出手段、第1の記憶手段、第2の記憶手段、第1の比較手段、第2の比較手段、判定手段、基準値算出手段および長さ算出手段に相当する。
【0071】
なお、本実施の形態においては、予め設定された輝度値以下の画像領域に対し、制御部3により種子10の輝度値の度数分布が作成されることとしたが、これに限定されるものではなく、予め設定された輝度値の一定範囲の画像領域に対し、種子10の輝度値の度数分布が作成されることとしてもよい。
【0072】
また、本実施の形態においては、複雑度をL2/(4πS)により算出しているが、これに限定されるものではなく、複雑度を上記実施の逆数である(4πS)/L2により算出してもよい。この場合、図7のステップS32における複雑度の基準範囲は、上記実施の基準範囲の逆数の下限値および上限値よりなる。
【0073】
また、本実施の形態においては、ラインセンサカメラ1を用いることとしたが、これに限定されるものではなく、エリアセンサカメラを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、様々な種子を選別するための種子選別装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本実施の形態に係る種子選別装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のラインセンサカメラにより種子の検知方法を示す図である。
【図3】種子の輝度値の度数分布の一例を示す模式図である。
【図4】制御部の輝度基準値算出処理を示すフローチャートである。
【図5】複数の種子の最頻輝度値分布の一例を示す模式図である。
【図6】制御部の種子選別処理を示すフローチャートである。
【図7】制御部の種子選別処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1 ラインセンサカメラ
3 制御部
6 選別吸引装置
10 種子
100 種子選別装置
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区墨田五丁目17番4号
【識別番号】390028130
【氏名又は名称】タキイ種苗株式会社
【住所又は居所】京都府京都市下京区梅小路通猪熊東入南夷町180
【出願日】 平成15年8月8日(2003.8.8)
【代理人】 【識別番号】100098305
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 祥人

【公開番号】 特開2005−58038(P2005−58038A)
【公開日】 平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願番号】 特願2003−289940(P2003−289940)