| 【発明の名称】 |
水田作業車 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 鑑明 【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内
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| 【要約】 |
【課題】走行機体から作業装置へ動力を伝達する動力伝達機構における保護対策を、より保護効果が高い構造でありながら、簡単で組み付けやすい構成により実現することで、耐久性の面でもコスト面でも有利な水田作業車を提供すること。
【解決手段】伝動基軸38bと、この伝動基軸38bの端部38cに摺動自在かつ一体回転可能に連結された摺動軸38aとで、伸縮自在な伝動軸38を構成し、この伝動軸38により第1自在継手36と第2自在継手とを連動連結すると共に、入力軸35の端部又は出力軸の端部と、伝動基軸38bの端部38cとに亘って設けられた伸縮自在かつ屈曲自在な一つのカバー40により、摺動軸38a及び自在継手36を覆うように水田作業車を構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に作業装置を昇降自在に連結し、出力軸を前記走行機体に備え、入力軸を前記作業装置に備えて、 前記入力軸の端部に第1自在継手を設け、前記出力軸の端部に第2自在継手を設けて、 伝動基軸と、この伝動基軸の端部に摺動自在かつ一体回転可能に連結された摺動軸とで、伸縮自在な伝動軸を構成し、この伝動軸により前記第1自在継手と前記第2自在継手とを連動連結すると共に、 前記入力軸の端部又は前記出力軸の端部と、前記伝動基軸の前記端部とに亘って設けられた伸縮自在かつ屈曲自在な一つのカバーにより、前記摺動軸及び前記自在継手を覆うことを特徴とする水田作業車。 【請求項2】 前記カバーを蛇腹体により構成してある請求項1に記載の水田作業車。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、乗用型田植機などの水田作業車の保護構造に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、上記の水田作業車においては、走行機体に昇降自在に連結した作業装置を駆動するための動力を伝達する動力伝達機構を備えたものがある。このような動力伝達機構としては、走行機体に備えた出力軸と作業装置に備えた入力軸とを、自在継手を両端に備えた伝動軸を介して連動連結する共に、作業装置を昇降操作したときの伝動軸の両連結箇所間の距離の変化を吸収できる伸縮自在な伝動軸を用いたものが知られている。 【0003】 例えば、特許文献1の図1及び段落番号〔0009〕,〔0010〕には、走行部のミッションケースと植付部の植付駆動ケースとを連動連結する植付駆動軸を、自在継手を介して連動連結する前部駆動軸と後部駆動軸とで構成し、後部駆動軸を、外管軸と内管軸とをスプライン嵌合により伸縮自在に構成し、この内管軸を植付駆動ケースに連動連結した乗用田植機が記載されている。また、特許文献2の図1,図2及び段落番号〔0015〕には、走行機体3から伝動される動力が、伸縮伝動軸13及び前後一対の自在継手14を介して苗植付装置6に入力されるように構成された乗用田植機が記載されている。 【特許文献1】特許第3163080号公報 【特許文献2】特開2002−78406号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上記特許文献1及び2に記載の構成を備えた水田作業車においては、水田作業中の泥はねなどにより、伸縮自在な伝動軸の伸縮部分や伝動軸に連結された自在継手の可動部分に泥や水などの異物が侵入し、駆動力の伝達に支障をきたすおそれがある。そこで、これらの可動部分に保護用のカバーを取り付け、動力伝達機能を正常な状態に維持しようとする対策が従来から行われている。 【0005】 このような対策を行う場合、伸縮伝動軸の非伸縮部分である外管軸と伸縮部分である内管軸との嵌合箇所と、伸縮伝動軸の内管軸に連結された自在継手とに、それぞれ別々のカバーを取り付けることが一般的に行われていた。ところが、このようにそれぞれの部分に別々のカバーを取り付ける構成であると、部品点数が多くなり、構造が複雑になると共に、組み付け作業量が増え、組み付けコストの上昇につながるといった問題があった。 また、それぞれの部分に別々のカバーを取り付ける構成であると、泥や水等の侵入の可能性が高いカバーの端部が多く存在するので、カバー内部に泥や水等が侵入し、伝動機構に不具合が発生するおそれがあるといった問題もあった。 【0006】 そこで、本発明は上記事情に鑑み、走行機体から作業装置へ動力を伝達する動力伝達機構における保護対策を、より保護効果が高い構造でありながら、簡単で組み付けやすい構成により実現することで、耐久性の面でもコスト面でも有利な水田作業車を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0007】 [I] (構成) 本発明の第1特徴は、水田作業車において次のように構成することにある。 走行機体に作業装置を昇降自在に連結し、出力軸を走行機体に備え、入力軸を作業装置に備えて、出力軸の端部に第1自在継手を設け、入力軸の端部に第2自在継手を設けて、伝動基軸と、この伝動基軸の端部に摺動自在かつ一体回転可能に連結された摺動軸とで、伸縮自在な伝動軸を構成し、この伝動軸により第1自在継手と第2自在継手とを連動連結すると共に、入力軸の端部又は出力軸の端部と、伝動基軸の端部とに亘って設けられた伸縮自在かつ屈曲自在な一つのカバーにより、摺動軸及び自在継手を覆うように構成してある。 【0008】 (作用) 本発明の第1特徴によると、作業装置が備える入力軸の端部(又は走行機体が備える出力軸の端部)と、摺動自在かつ一体回転可能に摺動軸が連結された伝動基軸の端部とに亘って設けられた伸縮自在かつ屈曲自在な一つのカバーにより、摺動軸及び自在継手を覆うように構成してあるので、摺動軸が連結されている伝動基軸の端部と、この端部から伝動軸の端部までの摺動軸の部分と、摺動軸側の伝動軸の端部に連結されている第1(又は第2)自在継手と、この第1(又は第2)自在継手が連結される入力軸(又は出力軸)とがまとめて一つのカバーにより覆われるので、保護を行う必要のある複数の箇所を一つのカバーにより覆うことになる。したがって、水田作業車が備える作業装置への動力伝達機構を保護するための構成が簡素になる。 【0009】 また、保護を行う必要のある複数の箇所を一つのカバーにより覆うことになるので、泥や水等の侵入の可能性が高いカバーの端部の数が減少し、泥や水等の侵入のおそれが低減する。 【0010】 さらに、伸縮自在かつ屈曲自在なカバーにより上述の保護を行う必要のある複数の箇所が覆われるので、作業装置が昇降して、摺動軸と入力軸(又は出力軸)とがなす角度が変化したり、摺動軸が連結されている伝動基軸の端部から伝動軸の端部までの摺動軸の部分の長さが伸縮したりしても、上述の保護を行う必要のある複数の箇所は保護されることになる。このように、伸縮自在かつ屈曲自在なカバーを用いることで、姿勢変化する部分の保護対策が簡素な構成で実現できる。 【0011】 (効果) 本発明の第1特徴によると、泥や水等の侵入の可能性が高いカバーの端部の数が減少するので、カバーを複数箇所に個別に設ける場合に比べて信頼性の高い保護構造となり、耐久性の面で有利な水田作業車を得ることができる。また、水田作業車の構成が簡単になり、組み付け作業の効率がよくなるので、コスト面で有利な水田作業車を得ることができる。 【0012】 [II] (構成) 本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴において次のように構成することにある。 カバーを蛇腹により構成してある。 【0013】 (作用) 本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。 カバーを蛇腹により構成してあるので、伸縮自在かつ屈曲自在なカバーを複雑でない簡素な構造で構成することができる。 【0014】 (効果) 本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前述の本発明の第1特徴の「発明の効果」を備えており、この「発明の効果」に加えて以下のような「発明の効果」を備えている。 本発明の第2特徴によると、伸縮自在かつ屈曲自在なカバーを簡素な構造で構成することができるので、カバーのコストが抑えられ、この点からもコスト面で有利な水田作業車を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。水田作業車の一例として乗用型田植機を図1及び図2に示す。図1及び図2に示すように、前輪1及び後輪2で支持された走行機体Aに運転部3が備えられており、走行機体Aの後部にリンク機構4及び油圧シリンダ5を介して苗植付装置6が昇降駆動自在に並びに前後軸芯周りでローリング自在に支持されて、乗用型田植機が構成されている。 【0016】 苗植付装置6は4条植型式に構成されており、図4にも示すように、苗植付装置6の各動作部分を駆動するための動力が入力される入力軸35を備えたフィードケース31、フィードケース31の下方で左右に延設された角パイプ製のメインフレーム32、メインフレーム32に左右2箇所で連結固定された2個の伝動ケース21、各伝動ケース21の後部の右及び左の横側部に回転駆動自在に支持された植付ケース22、植付ケース22の両端に備えられた一対の植付アーム23、メインフレーム32にこれと略並行に回転自在に架設されるフロート支持軸33、フロート支持軸33に片持ち状に後方に延設したフロート支持アーム34に端部を揺動自在に連結支持された接地フロート24、及び苗が載置されて一定ストロークで左右に往復移動する苗のせ台25等を備えて構成されている。これにより、苗のせ台25が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、植付ケース22が回転駆動され、苗のせ台25の下部から植付アーム23が交互に苗を取り出して田面Tに植え付ける。このようにして、走行機体Aが前後車輪1,2により耕盤上を走行しながら苗植付装置6により田面Tに4条ずつ苗を植えつけることができるようにしてある。 【0017】 図1及び図2に示すように、運転部3においてフロア7の後方の上方に運転座席8が備えられており、運転座席8の後側に肥料を貯留するホッパー26、繰り出し部27及びブロア28が備えられている。接地フロート24に作溝器29が備えられて、繰り出し部27と作溝器29とに亘ってホース30が接続されている。これにより、前述のような苗の植え付けに伴って、ホッパー26から肥料が所定量ずつ繰り出し部27によって繰り出されて、ブロア28の送風により肥料がホース30を通って作溝器29に供給されるのであり、作溝器29を介して肥料が田面Tに供給される。 【0018】 次に、運転部3の付近の構造について説明する。フロア7の後方の上方に運転座席8が備えられ、エンジン(図示せず)を覆うボンネット9がフロア7の前方に備えられており、ボンネット9の右及び左の横側部に、フロア7につながる右及び左のステップ10が備えられている。前輪1を操向操作する操縦ハンドル11がボンネット9の上部に備えられており、ボンネット9の上部において、操縦ハンドル11の右の横側部に、エンジンのアクセル部を操作するアクセルレバー15及び苗植付装置6を昇降操作する昇降操作レバー12が備えられ、操縦ハンドル11の左の横側部に、主変速レバー13が備えられている。 【0019】 昇降操作レバー12は上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在であり、後側から前側に向けて上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置が、この順序で配置されている(図2に示す状態は昇降操作レバー12を中立位置に操作している状態)。昇降操作レバー12を上昇位置に操作すると、苗植付装置6に動力を伝達する植付クラッチ(図示せず)が遮断状態に操作されて、油圧シリンダ5により苗植付装置6が上昇駆動される。昇降操作レバー12を中立位置に操作すると、植付クラッチが遮断状態に操作されて油圧シリンダ5が停止する。昇降操作レバー12を下降位置に操作すると、植付クラッチが遮断状態に操作されて、油圧シリンダ5により苗植付装置6が下降駆動される。昇降操作レバー12を植付位置に操作すると、植付クラッチが伝動状態に操作されて、苗植付装置6が田面Tから設定高さに維持されるように油圧シリンダ5により自動的に昇降駆動される。 【0020】 昇降操作レバー12の操作により苗植付装置6が昇降操作されると、苗植付装置6の昇降動作に伴って、後述する左右一対のラインマーカー43が、その先端43Tが田面Tに突入して次回の走行基準線を形成する使用姿勢と、その先端43Tが田面Tから離間して苗植付装置6に近接する格納姿勢とに切り換えられるようになっている。以下にラインマーカー43の操作機構について左ラインマーカー43Lを例にして説明する。 【0021】 図3に左ラインマーカー43Lの取付構造を示す。ラインマーカー43は、先端部43Tと屈曲したロッド部43Sと基端部43Bとで構成されると共に、苗植付装置6のメインフレーム32の両端から左右方向に延設される延長アーム44の先端部に備えたマーカー支持ブラケット45に、前後向きの軸芯P2に揺動自在に装備して構成されている。 【0022】 ラインマーカー43の揺動中心側の基部43Bにはロックピン46を設けてある。前後軸芯P3周りに揺動自在なロック部材49が付勢バネ49aによりロック側に付勢されており、後述する機構によりラインマーカー43が格納姿勢に姿勢変更されると、自動的に格納姿勢において位置保持されるように構成されている。 【0023】 昇降操作レバー12が植付位置に操作された場合にのみ許容される左右方向への操作により、ロック解除ワイヤ47のインナワイヤ47bを引き操作することができ、インナワイヤ47bの端部に連結されたロック部材49が揺動操作されてラインマーカー43の位置保持が解除される。 【0024】 一方、ラインマーカー43の基部43Bにはラインマーカー43を使用姿勢に復帰付勢する付勢バネ50が連結されているので、上述のように昇降操作レバー12が植付位置に操作された場合において昇降操作レバー12を左右方向へ操作することによりラインマーカー43の位置保持が解除されると、付勢バネ50の付勢力によりラインマーカー43が使用姿勢となる。 【0025】 ラインマーカー43の揺動中心側にある基部43Bに備える前記ロックピン46には、引起しワイヤ48のインナワイヤ48bが連結されており、インナワイヤ48bの引き操作によりラインマーカー43が使用姿勢から格納姿勢に姿勢変更操作される。このインナワイヤ48bの引き操作が苗植付装置6の上昇動作に伴って行われるように、リンク機構4と苗植付装置6の固定部とに亘って引起しワイヤ48が連結されている。詳しくは、以下のような構成である。 【0026】 図4及び図6に示すように、リンク機構4を構成する断面視コの字状のアッパーリンク4U及び左右一対のロアリンク4Lが、それぞれの前端部において、支軸52(軸芯P4)及び左右一対の支軸53(軸芯P5)によりフレーム51に揺動自在に連結されている。なお、フレーム51は、走行機体Aのミッションケース16の後端部に固着した左右一対のブラケット54を介して、上向きに立設されており、走行機体Aに備える運転座席8などを支持するものである。 【0027】 ブラケット54の機体内側に延設されるインナ支持ブラケット55は、ロアリンク4Lを支持している支軸53により支持されると共に、インナ支持ブラケット55の屈曲端部がブラケット54に設けた長孔54aに係入して、一定姿勢に支持されている。インナ支持ブラケット55の後方側の端部には頭付の取付ピン56が設けられている。インナ係止バネ57が、この取付ピン56により横軸芯P6周りに揺動自在に連結されている。 【0028】 インナ係止バネ57には、先端部に抜け止め金具59を備えたインナワイヤ48bが挿入されている。ラインマーカー43を引起し操作する引起しワイヤ48のインナワイヤ48bは、インナ係止バネ57が機体後方側に先細りの釣鐘型をしているため、機体前方向(図6の矢印の方向)への摺動は自在であるが、機体後方向へ摺動すると、インナワイヤ48bの先端部に設けた抜け止め金具59がインナ係止バネ57の先細り部分により係止される。したがって、インナ係止バネ57を介して、引起しワイヤ48のインナワイヤ48bが引き操作可能であり、ラインマーカー43を引起し操作できるように構成されている。 【0029】 アッパーリンク4Uの後方部分において左右の外側面に設けた左右一対のアウタ支持ブラケット58には、左右の引起しワイヤ48のアウタワイヤ48aの入力側の端部が連結固定されている。 【0030】 一方、図3に示すように、苗植付装置6のメインフレーム32の左右端部から上方に延設された苗載台サポート60に、ブラケット59が設けてあり、左右のロック解除ワイヤ47のアウタワイヤ47a及び左右の引起しワイヤ48のアウタワイヤ48aのそれぞれの出力側端部が連結固定されている。 【0031】 以上のように構成することで、昇降操作レバー12を操作してリンク機構4が上昇操作されると、図4において実線で示すリンク機構4が2点鎖線で示す姿勢に揺動移動し、アッパーリンク4Uの後方部分に設けたアウタ支持ブラケット58とロアリンク4Lの前端部分に設けたインナ支持ブラケット55との相対距離が延びる。したがって、インナワイヤ48bの入力側の先端部分はインナ係止バネ57を介して引き操作され、結果として、引起しワイヤ48のインナワイヤ48bの入力側の出代が長くなり、逆に、インナワイヤ48bの出力側の出代が短くなり、ラインマーカー43の基部43Bが軸芯P2周りに揺動操作される。このように、苗植付装置6の上昇操作に伴って自動的にラインマーカー43が使用姿勢から格納姿勢に姿勢変更操作され、先述のロック部材49により位置保持される。 【0032】 苗植付装置6が上昇姿勢から植付姿勢に下降操作されると、前述の上昇操作の場合とは逆に、インナ支持ブラケット55に連結されたインナワイヤ48bの端部と、アウタ支持ブラケット58に連結されたアウタワイヤ48aの端部との距離が接近する。このとき、ラインマーカー43が格納姿勢に保持されていると、引起しワイヤ48のアウタワイヤ48aとインナワイヤ48bの相対位置は積極的には操作されないので、入力側及び出力側のインナワイヤ48bの出代はいずれも変化しないことになる。したがって、入力側のインナワイヤ48bの出代が変化しないまま、インナ支持ブラケット55とアウタ支持ブラケット58とが接近するので、入力側のインナワイヤ48bの出代部分が弛んで湾曲してしまうおそれがある。 【0033】 しかし、インナ係止バネ57は後方側端部が先細りの釣鐘型をしており、インナワイヤ48bは機体前方向(図6の矢印の方向)へは摺動自在であるので、アウタワイヤ48aの端部の揺動移動に伴い、インナワイヤ48bが図6で仮想線で示すように押し出し操作される。したがって、インナワイヤ48bが湾曲して他の部材と干渉して不具合が発生する恐れが低減する。 【0034】 走行機体Aには、ギヤ変速式の副変速装置(図示せず)や前述の植付クラッチなどを内装するミッションケース16及び静油圧式無段変速装置(図示せず)が備えられている。エンジンの動力がベルト型式のテンションクラッチ(図示せず)を介して静油圧式無段変速装置に伝達され、主変速レバー13の操作位置に対応した所定の変速比を得て静油圧式無段変速装置から出力される。静油圧式無段変速装置から出力される動力は、副変速装置を介して前輪1及び後輪2に伝達される走行系の動力と、前述の昇降操作レバー12と連係する植付クラッチを介して苗植付装置6に伝達される作業系動力とに分配される。 【0035】 静油圧式無段変速装置は中立位置、前進の高速側及び後進の高速側に無段階に変速自在に構成されており、副変速装置は低速の植付走行位置及び高速の路上走行位置の2位置切換式に構成されている。 【0036】 図1及び図2に示す状態は主変速レバー13を中立位置に操作している状態であり、静油圧式無段変速装置が中立位置に操作されて機体は停止している。主変速レバー13を中立位置から前方の前進変速域に操作すると、静油圧式無段変速装置が前進の高速側に操作されるのであり、主変速レバー13を中立位置から後方の後進変速域に操作すると、静油圧式無段変速装置が後進の高速側に操作される。 【0037】 図2に示すように、右のステップ10におけるフロア7に近い部分に操作ペダル14が備えられており、操作ペダル14を下方の踏み位置に操作すると、静油圧式無段変速装置が中立位置よりも少し高速側の低速位置に操作され、前輪1及び後輪2を制動可能なブレーキ(図示せず)が制動側に操作される。操作ペダル14を上方の戻し位置に操作すると、静油圧式無段変速装置が前述の低速位置に残された状態で、ブレーキが制動解除側に操作されるのであり、バネ(図示せず)により操作ペダル14が上方の戻し位置に付勢されている。 【0038】 図1及び図2に示すように、エンジンを支持する前フレーム19が機体の前部の下部に備えられており、前フレーム19の機体左右方向の横軸芯P1周りに、操作アーム20が揺動自在に支持されている。操作アーム20は正面視で逆U字状に構成されて、上方に起立した格納位置、及び機体の前部から前方に出た作業位置に亘り揺動自在に構成されている。操作アーム20を作業位置に操作すると、前輪1及び操縦ハンドル11が直進位置で保持され、操作アーム20を格納位置に操作すると、前輪1及び操縦ハンドル11の保持が解除されるように構成されている。 【0039】 ミッションケース16に内装された植付クラッチの伝動下流側には、図4に示すように、ミッションケース16から後方に突設した出力軸17が連結されている。出力軸17に分配伝動された作業系の動力は、苗植付装置6のフィードケース31に突設された前述の入力軸35に、伸縮自在に構成された伝動軸38を介して伝達される。以下に、伝動軸38について詳説する。 【0040】 伝動軸38は、第1自在継手36を介して苗植付装置6のフィードケース31が備える入力軸35と連結される摺動軸38aと、第2自在継手37を介して走行機体Aのミッションケース16が備える出力軸17と連結される伝動基軸38bとで構成されている。伝動基軸38bの伝動下手側の端部38cにはスプライン部38Sを有するソケット18が固設されており、ソケット18は、摺動軸38aを嵌挿する嵌挿口18aを有しており、伝動基軸38bにソケット18を介して摺動軸38aが回転軸芯方向に摺動自在かつ一体回転可能にスプライン嵌合している。 【0041】 以上のように構成すると、出力軸17と入力軸35の相対位置が変化すると、伝動軸38の両端に連結された自在継手36,37のジョイント部分36b及び37bがそれぞれに必要な程度で屈曲すると共に、伝動基軸38bに嵌挿された摺動軸38aのうち端部38cから延出する部分の長さが変化して伝動軸38が伸縮する。したがって、走行操作レバー12が植付位置に操作されて、植付クラッチが伝動状態に操作された状態で苗植付装置6が自動的に昇降制御される場合に、出力軸17から入力軸35への動力伝達が伝動軸38を介して支障なく行える。 【0042】 伝動軸38の両端に連結された第1自在継手36及び第2自在継手37は、保護のためのカバー39及び40を備えている。いずれのカバーもゴム製の蛇腹体で構成されており、苗植付装置6が揺動昇降しても、蛇腹体が湾曲或いは伸縮することで、伝動軸38の伸縮や自在継手36及び37の屈曲変形に対応して保護作用を維持することができる。カバー39,40に蛇腹体を用いることで、伸縮自在かつ屈曲自在な部材を構造簡単なもので構成することができる。 【0043】 第2自在継手37を覆うカバー39は、伝動基軸38bの伝動上手側端部38dと、出力軸17と軸芯共通に一体回転するように出力軸17の端部に連結された第2自在継手37の出力軸17側の部分37aとに亘って設けられており、カバー39の両端は、伝動基軸38bの伝動上手側端部38d及び第2自在継手37の出力軸17側の部分37aにそれぞれ外嵌される抜け止めリングで封止されている。これにより、第2自在継手37のジョイント部分37bがカバー39により完全に覆われることになる。 【0044】 図5に示すように、第2自在継手を覆うカバー40は、伝動基軸38bの伝動下手側端部38cと、入力軸35と軸芯共通に一体回転するように入力軸35の端部に連結された第1自在継手36の入力軸35側の部分36aとに亘って設けられている。カバー40の両端は、伝動基軸38bの伝動下手側端部38c及び第1自在継手36の入力軸35側の部分36aのそれぞれに周設した溝に外嵌される抜け止めリング41及び42で封止されている。これにより、第1自在継手36のジョイント部分36b及び摺動軸38aが、カバー40により完全に覆われることになる。また、カバー40は伸縮自在な蛇腹体により構成されているから、伝動基軸38の端部38cから延出している摺動軸38aの部分は、その延出量が変化してもカバー40により完全に覆われることになる。 【0045】 以上のように構成することで、一つのカバー40により、保護が必要な第1自在継手36のジョイント部36b及び摺動軸38aが嵌挿される伝動基軸38bの嵌挿口18aを同時に完全に覆うことができる。これにより、泥や水等の侵入の可能性が高いカバーの端部の数が抑制されるので、カバーの端部からの泥や水等の侵入の可能性が低減し、カバーを複数箇所に個別に設ける場合に比べて信頼性の高い保護構造となる。 【0046】 このように、保護が必要な複数の箇所をまとめて一つのカバー40により覆うことで、信頼性の高い保護構造となり、耐久性の面で有利な水田作業車となると共に、組み付け作業時の工数が減少することで、組み付けコストを抑制することができ、コスト面で有利な水田作業車となる。 【0047】 〔発明の実施の別形態〕 以下、本発明の別実施形態を列記する。 (1)伸縮自在な伝動軸38は、摺動軸38aを伝動基軸38bの伝動上手側端部38dに設けたものでもよいし、伝動基軸38bの伝動下手側端部38c及び上手側端部38dの両方に設けたものでもよい。 (2)カバー40の第1自在継手36側の端部を、図5において第1自在継手36の入力軸35側の端部36aとメインフレーム32との間に位置する入力軸35の部分で封止してもよい。 (3)水田作業車としては、走行機体Aの後部に、リンク機構4を介して作業装置としての直播装置が昇降自在に連結された直播機などであってもよい。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】乗用型田植機の全体側面図 【図2】乗用型田植機の全体平面図 【図3】左ラインマーカーの取付構造を示す正面図 【図4】伝動軸及びリンク機構の取付構造を示す一部縦断側面図 【図5】伝動軸の内部構造を示す縦断側面図 【図6】引起しワイヤの入力側端部の連結構造を示す横断平面図 【符号の説明】 【0049】 A 走行機体 6 作業装置 17 出力軸 35 入力軸 36 第1自在継手 37 第2自在継手 38 伝動軸 38a 摺動軸 38b 伝動基軸 38c 伝動基軸の端部 40 カバー
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ 【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
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| 【出願日】 |
平成16年6月10日(2004.6.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2005−348654(P2005−348654A) |
| 【公開日】 |
平成17年12月22日(2005.12.22) |
| 【出願番号】 |
特願2004−172727(P2004−172727) |
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