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【発明の名称】 畝立機
【発明者】 【氏名】宇佐見 嘉友
【住所又は居所】静岡県庵原郡富士川町北松野1204番地 有限会社 佐野アタッチ研究所内

【要約】 【課題】畝立作業を開始してから比較的長い距離を走行しなければ所望の高さの畝が整形されないこと。

【解決手段】圃場を耕耘して土寄せする畝立ロータ2と、その後方で畝を形成する畝整形板3と、この畝整形板の高さを保持する支持輪23と、これらを一体に保持するフレーム4とからなり、牽引および昇降のための移動農機側の3点リンクと連結可能に形成した畝立機1において、前記フレーム4には、前記3点リンクの左右のロワーリンク15と回動可能に連結する左右のロワーリンク軸19、および、その上方でアッパーリンク14と遊動可能に連結する連結体10を設けた
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場を耕耘して土寄せする畝立ロータと、その後方で畝を形成する畝整形板と、この畝整形板の高さを保持する支持輪と、これらを一体に保持するフレームとからなり、
牽引および昇降のための移動農機側の3点リンクと連結可能に形成した畝立機において、
前記フレームには、前記3点リンクの左右のロワーリンクと回動可能に連結する左右のロワーリンク軸、および、その上方でアッパーリンクと遊動可能に連結する連結体を設けたことを特徴とする畝立機。
【請求項2】
前記アッパーリンクと前記連結体との連結部に係止爪を回動自在に取付けるとともに前記フレームに前記係止爪を係止する段状部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の畝立機。
【請求項3】
前記段状部材は2つの段部を前後位置に配置して形成した事を特徴とする請求項2記載の畝立機。
【請求項4】
前記係止爪に開孔部を設け、
前記フレームと前記連結体との取付部に、横棒を突設したロッドの一端を回動自在に取付け、
前記ロッドを前記開孔部に回動可能に挿通するとともに前記横棒を係止爪の下方に位置させたことを特徴とする請求項3記載の畝立機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、移動農機に連結して牽引され、前進しながら畝立ロータで圃場を耕耘するとともに畝を形成する畝整形板を有する畝立機に関する。
【背景技術】
【0002】
左右下方のロワーリンクと上方のアッパーリンクの3点リンクによって、トラクタなどの移動農機の後部に連結して移動農機により牽引し、畝立ロータによって圃場を耕耘して土寄せするとともに、その後部に連結した畝整形板により圃場に畝を整形する畝立機は一般に知られている。路上などの移動時や方向転換の際には、この畝立機は3点リンクによって昇降させることができる。
【0003】
しかし、3点リンクによって連結された畝立機はほぼ水平状態をとるため、畝立ロータの後部に連結した畝整形板により、畝立ロータによる掻き込み作用が不十分となって、畝整形板によって所望の高さの畝が形成されるまでには比較的長い距離を必要とする。その間、畝整形板により形成される畝は高さが揃わず不完全なものとなってしまい、再度畝の整形作業をしたり手作業で畝を形成したりしなければならず手間がかかっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、畝立作業を開始してから比較的長い距離を走行しなければ所望の高さの畝が整形されない点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1記載のごとく、圃場を耕耘して土寄せする畝立ロータと、その後方で畝を形成する畝整形板と、この畝整形板の高さを保持する支持輪と、これらを一体に保持するフレームとからなり、牽引および昇降のための移動農機側の3点リンクと連結可能に形成した畝立機において、前記フレームには、前記3点リンクの左右のロワーリンクと回動可能に連結する左右のロワーリンク軸、および、その上方でアッパーリンクと遊動可能に連結する連結体を設けた。
【0006】
請求項2記載のごとく、前記アッパーリンクと前記連結体との連結部に係止爪を回動自在に取付けるとともに前記フレームに前記係止爪を係止する段状部材を設けた。
【0007】
請求項3記載のごとく、前記段状部材は2つの段部を前後位置に配置して形成した。
【0008】
請求項4記載のごとく、前記係止爪に開孔部を設け、前記フレームと前記連結体との取付部に、横棒を突設したロッドの一端を回動自在に取付け、前記ロッドを前記開孔部に回動可能に挿通するとともに前記横棒を係止爪の下方に位置させた。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載のごとく、アッパーリンクを連結体により遊動可能に連結したことから、左右のロワーリンクによって牽引走行された時に、畝立機はロワーリンクとの連結部を軸としたピッチング動作が可能となるため、畝整形板に拘束されることなく畝立ロータが効果的に作用して、作業開始当初から十分な掻き込み作用が得られ、所望の高さの畝が形成される。また、アッパーリンクが連結体を介してフレームに作用することにより畝立機を昇降することができるため、畝立機の昇降動作を妨げることなく、畝立機を機体の左右軸まわりに回転動作(ピッチング)させて、効率的な畝立作業が可能である。
【0010】
請求項2記載のごとく、アッパーリンクと連結体との連結部に回動可能に取付けた係止爪をフレームに設けた段状部材に係止するように構成したことから、定常畝立時に耕耘底面を走る支持輪の上死点を規定して畝整形板が上方へ回動することを防ぎ、畝の高さを均一にして整形性を向上することができる。
【0011】
請求項3記載のごとく、段状部材を2つの段部を前後位置に配置して形成し、この2つの段部を畝立開始時と定常畝立時に対応させ、それぞれの時に係止爪を係止させたことにより、定常畝立時には支持輪の上死点を規定して均一な高さの畝を形成するとともに、畝立開始時には畝整形板が上方に過剰に回動して畝立ロータが地面に深く入り込み過ぎず、畝立開始時に過剰な抵抗が生じることを防ぐことができる。
【0012】
請求項4記載のごとく、横棒を突設したロッドの一端をフレームに回動自在に取付けて前記係止爪に設けた開孔部に回動可能に挿通し横棒は係止爪の下方に位置させたことにより、移動農機から降りることなく、ロッドを操作して係止爪の係止位置を変えることができて、畝立作業を開始するたびに移動農機から昇降する必要が無いため、労力を要せず効率がよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明に係る畝立機の連結機構について説明する。第1図は畝整形作業の途中状態を示す側面図、第2図は畝形成作業の途中状態における移動農機と畝立機の連結部分の要部拡大側面図、第3図は連結部に取付けられたロッドの斜視図、第4図は畝形成作業の開始時の状態を示す側面図、第5図は畝形成作業の開始時における連結部分の要部拡大側面図である。
【0014】
まず、第1図を参照して本発明に係る畝立機について説明する。
畝立機1は、耕耘軸21に耕耘爪22を装着した畝立ロータ2の後方に支持輪23を備えた畝整形板3を取付けて構成されている。耕耘爪22を覆うロータカバー20には畝整形板3とフレーム4が一体的に形成されている。フレーム4は上部フレーム24と左右の下部フレーム25、および、これらのフレームを接続固定する固定具26とからなり、左右の下部フレーム25のロワーリンク軸19にはロワーリンク15が連結され、上部フレーム24には連結体10を介してアッパーリンク14が連結されている。また、ジョイント16がロータリカバー20に取付けられたドライブケース27に連結されており、このドライブケース27の左右に耕耘軸21が設けられている。
【0015】
次に、第2図も参照して本発明の要部について説明する。
上部フレーム24は2枚の板により構成されており、これらの板の中間を畝立機1の略中央に位置させた状態でドライブケース27および下部フレーム25に取付けられている。上部フレーム24の前端部(図2中、右方向)には貫通穴が設けられており、フレーム軸17が挿通されている。このフレーム軸17には2枚の板からなる連結体10の一端が回動可能に取付けられている。連結体10の他端にも貫通孔が設けられてアッパーリンク軸18が挿通され、連結体10に挟まれた位置にアッパーリンク14の後端が接続されていて遊動可能に構成されている。
【0016】
連結体10はアッパーリンク軸18を中心にフレーム軸17部分が前後に動き、フレーム軸17が前方に移動したときには、ロワーリンク軸19を軸として畝整形板3が上方に回動して、畝立機1は前低後高状の姿勢をとり、フレーム軸17が後方に移動したときには、ロワーリンク軸19を軸として畝整形板3は下方に回動し、畝立機1は水平姿勢をとる。つまり、連結体10によって畝立機1はロワーリンク軸19を左右軸として上下に回動するピッチング動作が可能となっている。
【0017】
また、ロワーリンク15に設けられているリフトロッド(図示せず)により上昇動作を行なうと、フレーム軸17が後方に移動し畝整形板3が下がった状態で畝立機1は上昇することができ、連結体10によって畝立機1の昇降動作は妨げられず、問題なく行なうことができる。
【0018】
アッパーリンク軸18には係止爪11が回動可能に取付けられている。係止爪11はアッパーリンク軸18にそれぞれ回動可能に取付けられる2枚の板と、それぞれの板の遊離端側に一体的に取付けられる連絡板28とにより形成されており、上部フレーム24に設けられた段状部材12に係止して、畝立機1のロワーリンク軸19まわりの回動量を規定する。
【0019】
この段状部材12は2つの段部を前後位置に配置して形成され、本実施例では一側辺部を折曲げた略L字型の板状体により形成されている。前記係止爪は段状部材の折曲部12Aおよび側辺部12Bの2つの段部で係止され、これら2つの段部は、それぞれ畝立開始時と定常畝立時に対応している。第1図および第2図は係止爪11が段状部材12の側辺部12Bに係止された第1係止状態を示しており、定常畝立時に対応する。
【0020】
係止爪11の段状部材12の折曲部12Aまたは側辺部12Bへの係止状態は連結体10のフレーム軸17の前後動と連動している。フレーム軸17が前方に位置した状態では、係止爪11は折曲部12Aに係止して畝整形板3が上方に過剰に回動しないように回動量を規定する。フレーム軸17が後方に位置した状態では、係止爪11は側辺部12Bに係止して支持輪23が耕耘底面7から浮上らないように畝整形板3の上方への回動を規制している。
【0021】
第3図にロッド13の斜視図を示す。フレーム軸17には、くの字状に折曲げたロッド13の基部30が回動自在に取付けられており、このロッド13の折曲げ部の下方には後方に突出して横棒29を設ける。3点リンクによって畝立機1を持上げた状態でロッド13を機体前方に向かって倒すと、この横棒29が係止爪11の連絡板28にあたって係止爪11は上方に回動して側辺部12Bとの係止状態が解除され、この状態で畝立機1を地面5に降ろすと、畝立ロータ2の耕耘爪22は地面5に食込み、畝整形板3の支持輪23は地面5に接地して畝立機1がロワーリンク軸19の回りに回動して係止爪11は12Aに係止されて第2係止状態をとる。
【0022】
次に、第1図、第2図、第4図および第5図を参照して畝立開始時における畝立機1の態様および畝立開始から定常畝立への作業の流れについて説明する。
まず、3点リンクにより畝立機1を上昇させた状態で、移動農機を畝立作業の開始位置に移動する。畝立機1を上昇したままの状態で、前述のごとくロッド13を前方に倒して係止爪11と側辺部12Bとの係止状態を解除したのち、畝立機1を地面5に降ろすと、畝立ロータ2の耕耘爪22は地面5に食込み、畝整形板3の支持輪23は地面5に接地する。第5図に示すように畝立機1はロワーリンク軸19のまわりに回動して、係止爪11が折曲部12Aに係止するまで畝整形板3が上方に回動する。係止爪11は折曲部12Aに係止され、畝立ロータ2の耕耘爪22が地面5に過剰に深く食込まないように、畝立機1の上方への回動量を規定している。この状態から移動農機を前方に進行して畝立作業を開始する。
【0023】
畝立ロータ2は、開始時からある程度深くまで地面5に食い込んでいるため、畝立を開始すると、畝立ロータ2によってすぐに所定の深さまで耕耘・土寄せを行なえる。それに伴って、畝立機1はロワーリンク軸19を軸として下方に回動し、係止爪11と折曲部12Aとの係止状態が解除される。その時点で、3点リンクによって畝立機1を適度に上昇させると、畝立機1はロワーリンク軸19を軸として下方に回動し、係止爪11は段状部材12から上部フレーム24に落ちる。係止爪11が落ちた状態で3点リンクにより畝立機1を降ろすと、係止爪11は側辺部12Bに係止し、畝立機1はほぼ水平姿勢をとる。以後は、第1係止状態により畝立機1の水平姿勢を保持したまま作業を行えて、所望の高さの畝6が形成される。
【0024】
畝立機1がロワーリンク軸19まわりにピッチング動作可能に構成されているため、畝立ロータ2の耕耘爪22は作業開始時からある程度深くまで地面5に食込む。そのため、畝立ロータ2は所定の深さまで耕耘して土寄せするまでの走行距離が短くなり、畝立作業を開始からすぐに、畝立機1に水平姿勢を保持させて所望の高さの畝6を形成することができる。また、3点リンクによって畝立機1を昇降させて、係止爪11を第2係止状態から第1係止状態に移行することで、畝整形板3が所望の高さの畝6を形成するように畝立機1の姿勢を水平に保持する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】畝整形作業状態を示す作業機の側面図。
【図2】畝整形作業状態における要部拡大側面図。
【図3】ロッドを示す斜視図。
【図4】畝整形作業開始状態を示す作業機の側面図。
【図5】畝整形作業開始状態における要部拡大側面図。
【符号の説明】
【0026】
1 畝立機
2 畝立ロータ
3 畝整形板
4 フレーム
5 地面
6 畝
7 耕耘底面
10 連結体
11 係止爪
12 段状部材
12A 折曲部
12B 側辺部
13 ロッド
14 アッパーリンク
15 ロワーリンク
16 ジョイント
17 フレーム軸
18 アッパーリンク軸
19 ロワーリンク軸
20 ロータカバー
21 耕耘軸
22 耕耘爪
23 支持輪
24 上部フレーム
25 下部フレーム
26 固定具
27 ドライブケース
28 連絡板
29 横棒
30 基部
【出願人】 【識別番号】391020089
【氏名又は名称】株式会社佐野アタッチ研究所
【住所又は居所】静岡県庵原郡富士川町北松野1204番地
【出願日】 平成16年4月27日(2004.4.27)
【代理人】 【識別番号】100077779
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 哲郎

【識別番号】100078260
【弁理士】
【氏名又は名称】牧 レイ子

【識別番号】100086450
【弁理士】
【氏名又は名称】菊谷 公男

【公開番号】 特開2005−312318(P2005−312318A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2004−131309(P2004−131309)