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【発明の名称】 畦形成機
【発明者】 【氏名】佐々木 一仁
【住所又は居所】青森県十和田市大字三本木字里ノ沢1番地259 株式会社ササキコーポレーション内

【氏名】相馬 敏光
【住所又は居所】青森県十和田市大字三本木字里ノ沢1番地259 株式会社ササキコーポレーション内

【氏名】松橋 憲夫
【住所又は居所】青森県十和田市大字三本木字里ノ沢1番地259 株式会社ササキコーポレーション内

【要約】 【課題】トラクタに連結する畦形成機において、左右に両側整畦作業機構を設けて、さらに昇降機構を設けて、整畦作業位置と上方の退避位置とにおいて固定手段を設けた機構である。

【解決手段】トラクタに連結機構により機枠を連結し、該機枠の進行方向左右両側部に整畦作業機構を各別に配設し、該各整畦作業機構の動力伝達接離機構を配設して構成し、該左右両側部の整畦作業機構が機枠の進行方向中央部に対して回動し、一方が整畦作業位置に他方が対抗した上方の退避位置に選択的に昇降可能に昇降機構を配設した畦形成機である。この整畦作業機構が整畦作業位置及び上方の退避位置とにおいてそれぞれ機枠側に対する固定手段を具備したことにより、昇降機構である電動シリンダ等を小型にすることができるとともに寿命を長めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタに連結機構により機枠を連結し、該機枠の進行方向左右両側部に整畦作業機構を各別に配設し、該各整畦作業機構の動力伝達接離機構を配設して構成し、該左右両側部の整畦作業機構が機枠の進行方向中央部に対して回動し、一方が整畦作業位置に他方が対抗した上方の退避位置に選択的に昇降可能に昇降機構を配設した畦形成機において、該整畦作業機構が整畦作業位置及び上方の退避位置とにおいてそれぞれ機枠側に対する固定手段を具備したことを特徴とした畦形成機。
【請求項2】
左右の整畦作業機構が一体的に回動して、一組の昇降機構によって上下昇降可能に構成し、昇降機構の伸縮動作に連動して固定手段の固定解除を制御する請求項1記載の畦形成機。
【請求項3】
左右の整畦作業機構がそれぞれ別体の昇降機構と固定手段を有し、昇降機構によって整畦作業機構が独立して上下昇降可能に構成し、昇降機構の伸縮動作に連動して固定手段の固定解除を制御する請求項1記載の畦形成機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、水田を形成する畦の造成作業や修復作業に用いられる畦形成機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の畦形成機として、例えば「走行機体に連結機構により機枠を連結し、該機枠の一方側方位置に主整畦機構を下方の作業位置と上方の退避位置との間で上下揺動可能に配設し、機枠の他方側方位置に補助整畦機構を下方の作業位置と上方の退避位置との間で上下揺動可能に配設し、該主整畦機構及び補助整畦機構に畦面を圧接回転により回転整畦可能な回転整畦体を配設してなることを特徴とする整畦機」(特許文献1)の構造が知られる。そして、この従来構造による整畦機は、主整畦機構を作業位置に位置させると共に補助整畦機構を退避位置に上昇位置させ、走行機体を旧畦に沿って走行して主整畦機構の回転整畦体により畦面を回転整畦することができ、そして、この整畦作業を行った後、補助整畦機構を下方の作業位置に位置させると共に主整畦機構を上方の退避位置に上昇位置させ、走行機体を逆回りに走行しつつ補助整畦機構の回転整畦体により未整畦処理部分を整畦作業することができ、主整畦機構及び補助整畦機構により未整畦処理部分を含んで良好に整畦作業を行うことができる。
【特許文献1】特開2002−325503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来構造の場合は、左右の主整畦機構と補助整畦機構は畦形成作業位置と退避位置とに上下作動させるそれぞれに独立した揺動用シリンダを装備している。この揺動シリンダは整畦機構を上方と下方に移動させるべく駆動力によって容量を設定される。そして、畦形成作業時には一方の整畦機構が盛土ロータと圧締整畦の反力を受け、この負荷反力を揺動シリンダが常に受け、時には不測な衝撃力を受けてシリンダが伸縮することがある。
【0004】
又、他方の非作業位置である上方の退避位置においてはトラクタの走行振動が発生して、その反力が揺動用シリンダに直接加わって伸縮する。これらは長時間使用によって寿命を縮める問題がある。又、これらの外力を揺動用シリンダのみで耐えるようにするには、過大な仕様を採用することになりコスト上も無駄が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記した不都合を解決することを目的とするもので、請求項1記載の発明は、トラクタに連結機構により機枠を連結し、該機枠の進行方向左右両側部に整畦作業機構を各別に配設し、該各整畦作業機構の動力伝達接離機構を配設して構成し、該左右両側部の整畦作業機構が機枠の進行方向中央部に対して回動し、一方が整畦作業位置に他方が対抗した上方の退避位置に選択的に昇降可能に昇降機構を配設した畦形成機において、該整畦作業機構が整畦作業位置及び上方の退避位置とにおいてそれぞれ機枠側に対する固定手段を具備したことを特徴とした畦形成機にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は請求項1記載の畦形成機であって、左右の整畦作業機構が一体的に回動して、一組の昇降機構によって上下昇降可能に構成し、昇降機構の伸縮動作に連動して固定手段の固定解除を制御することを特徴としたものである。
【0007】
又、請求項3記載の発明は請求項1記載の畦形成機であって、左右の整畦作業機構がそれぞれ別体の昇降機構と固定手段を有し、昇降機構によって整畦作業機構が独立して上下昇降可能に構成し、昇降機構の伸縮動作に連動して固定手段の固定解除を制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成により、整畦作業機構の負荷反力や不測の衝撃振動力は固定手段が受けることになるから昇降機構を上下昇降能力に応じた小型のシリンダーを採用できて経済的である。又、一組の昇降機構によって上下昇降する際は、全体構成がシンプルになって堅労な構造となる。また、左右別体の昇降機構と固定手段を有した場合は、一方の整畦作業機構をユニットで取り外しが可能となって、トラクタが小馬力の場合等は左右の必要とする片方の整畦作業機構を選択して取り付けると便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施した図面に基づいて構成を説明する。図1乃至図9は本発明の実施形態を示すものである。走行機体は公知のトラクタが用いられ、三点リンク方式の連結機構を有するもので、図面では省略している。
【0010】
図1において、2は機枠を示し、前方にトラクタの三点リンクに連結するためのトップブラケット15及び左右のロアピン14が設けられている。
【0011】
機枠2の後方には、左右の受金具10,10´を設けて、それぞれ支持フレーム4,4´を介して整畦作業機構1,1´を装備している。16は変速ケースを示し、入力軸3がトラクタPTO軸より伝動されて左右の整畦作業機構1,1´に回転力を伝えている。
【0012】
支持フレーム4,4´の基部に設けた支軸9,9´が機枠2側に設けた受金具10に支承されることによって整畦作業機構1,1´を畦形成作業の位置と上方の退避位置とに上下昇降可能に配置される。11は回転ボスを示し、支軸9に対して摺動自在に構成されてブラケット17と規制板26を設けている。このブラケット17には昇降機構8である電動シリンダを連結することよって上下揺動の回動力を与えられる。
【0013】
27は支持フレーム4の後側面に突出したガイドピンを示しており、26の規制板に設けた長孔38に挿入されて配置している。33は上部フックを示し、整畦作業機構1が上方の退避位置に移動したときに上部ロックピン31と係合して固定される。
【0014】
整畦作業機構1,1´は、掘削爪を有した盛土装置5,5´、畦上面の雑草を処理する上面処理装置7,7´及び畦の上面と側面を圧締成形する畦形成装置6,6´を備えている。13は連結アームを示し、左右の整畦作業機構1,1´を吊持している支持フレーム4,4´間を連結している。左右の整畦作業機構1,1´は平面視で対称に構成されている。
【0015】
図2は一側部が整畦作業位置に位置させて、他側部は非作業位置である上方の退避位置に対抗させた状態の後面図である。
【0016】
この後面図の右側一側は、機枠2に対して支持フレーム4が水平状に保持されて整畦作業機構1を畦の成形作業位置に設定されている。機枠2の下部に位置している変速ケース16は左右に出力軸が延出され、クラッチ体18,18´を介して第1伝動ケース19へ回動力を伝える。第1伝動ケース19は上面処理装置を形成する破砕刃の回転軸を回転すると同時に第2伝動ケース20及び第3伝動ケース21を駆動する。
【0017】
第2伝動ケース20は、畦形成装置6を形成する円錐ディスクの回転軸を駆動するものである。第3伝動ケース21は盛土装置5を形成する掘削刃の回転軸を駆動する。
【0018】
後面視の他側側の整畦作業機構1´は、昇降機構8の電動シリンダが最短に伸縮調整された状態を示し、一側の支持フレーム4に連結された連結アーム13によって他側部の支持フレーム4´を規制して一体的に連動し支軸9´を支点として上方に揺動されて退避位置に位置している。
【0019】
この右側の整畦作業機構1が整畦作業位置に設定された状態の固定手段を説明する。支持フレーム4に設けた下部フック32が機枠2側に突設した下部ロックピン30に係合して固定されている。33は上部フックを示し、前記下部フック32の上方に対抗するように支持フレーム4の上部に設けられている。31は機枠2の後方の上面に設けた上部ロックピンを示しており、前記下部フック32と係合可能に設定されている。
【0020】
他側部を構成するクラッチ体18´は変速ケース16の延出軸端に取り付けられた爪181と、上方に揺動され整畦作業機構1´側の爪182とに分離されて回転力は切り離される。
【0021】
図3は本発明を実施した側面図を示したもので、前方から盛土装置5,上面処理装置7及び畦形成装置6を順次配置して構成する。22は盛土装置5を上下揺動させる調整シリンダである。23は仕切カバーを示し、盛土装置5の掘削刃によって掘削された土を畦形成装置6側へ強制案内するものである。
【0022】
図4は動力の伝達を示した図で、機枠2の後方中央に変速ケース16を配置して、トラクタから自在継手25を介して入力軸3に動力を入力する。変速ケース16には前記入力軸3に設けたベベルギヤが出力軸24側へ設けたベベルギヤを駆動する。出力軸24の左右への延出部にはクラッチ体18,18´が設けられて、整畦作業機構1,1´の第1伝動ケース19へ伝動される。第1伝動ケース19の動力は、第2伝動ケース20,第3伝動ケース21ヘチェーン伝動により回転力を伝えている。
【0023】
図5は固定手段の下部解除の説明図である。図の実線で示す下部フック32は下部ロックピン30に係合して支持フレーム4を固定して一側の整畦作業機構1の負荷による浮上力を阻止している。
【0024】
この支持フレーム4が下部フック32によって昇降が阻止された状態から、非作業位置である上方へ移動するために昇降機構8である電動シリンダを伸ばすとブラケット17は支軸9を支点として矢印方向f1へ回動する。この時ブラケット17と一体の規制板26も長孔38の長さ分だけ支軸9に対してf2方向へ回動して下部カム面28が下部フック32の下部当て板34を押し上げて下部フック32をf3方向へ回動させて下部ロックピン30から解除する。さらに電動シリンダが伸びると規制板26が支持フレーム4を上昇させて、ついに上部フック33は上部ロックピン31に係合されて退避位置に固定される。
【0025】
上部フック33,及び下部フック32は共に巻バネが装着されて、その先端部が上下部のロックピン側へ常に圧着されており、昇降機構8によって昇降されてロックピンへ押圧されるとフックの先端爪部は自動係合されて固定される。
【0026】
図6は固定手段の上部解除説明図であり、実線は支持フレーム4が退避位置である上方において上部フック33が上部ロックピン31に係合されて固定されている状態である。この一側の整畦作業機構が退避位置の固定手段を解除して作業位置へ移動する状態の説明をする。昇降装置8と固定手段の動作は退避位置動作と逆方向になる。
【0027】
昇降装置8である電動シリンダを短縮すると、規制板26は長孔38の長さ分だけ支軸9に対して摺動して、この時規制板26の上部カム面29が上部フック33の上部当て板35を押し上げて上部ロックピン31から解除される。さらに電動シリンダを短縮すると規制板26は27のガイドピンを押圧することによって、支持フレーム9を下方の整畦作業位置へ移動させて下部フック32が下部ロックピン30へ係合される。
【0028】
37は機枠2側に設けた固定孔で、37´は支持フレーム4´に設け固定孔であり、移動時に左右整畦作業機構1,1´を浮上した状態でピンを挿入して固定するものである。
【0029】
図7は後面視で左側(他側部)の整畦作業機構1´側が畦形成作業位置に位置して、右側(一側側)が非作業位置である退避位置へ位置した状態を示したもので、この時昇降装置8は最大長さに伸ばした時である。上部フック33が上部ロックピン31に係合固定された状態である。この時、右側の整畦作業機1のクラッチ体18は切り離されている。
【0030】
図8は昇降装置8を中途に伸縮した場合で、左右両者の整畦作業機構1,1´が地上に浮上した状態で移動の際に便利である。この時、左右のクラッチ体18,18´は動力が切り離れている。37の固定孔は支持フレーム4´側の固定孔37´と合致されて手動によってピンを挿入して固定する。
【0031】
図9は左右の支持フレーム4,4´に別体の昇降装置8を装備したその他の実施例を示したものである。後面視で右側の整畦作業機構1を支持する支持フレーム4に対して、昇降機構8,規制板26,上部フック33,下部フック32,上部ロックピン31,下部ロックピン30及びガイドピン27とからなる固定手段を設け、又、他方左側の支持フレーム4´にも対称に昇降装置と固定手段を独立的に設けて、左右単独昇降と固定手段の連動機構を配置したものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明を実施した平面図
【図2】一側部が整畦作業位置に位置させた後面図
【図3】側面図
【図4】動力伝達を示す平面図
【図5】固定手段の下部解除説明図
【図6】固定手段の上部解除説明図
【図7】他側部を整畦作業位置に位置させた後面図
【図8】左右の整畦作業機構を地上から浮上させた移動時の後面図
【図9】左右別体の昇降装置を設けたその他の実施例
【符号の説明】
【0033】
1,1´ 整畦作業機構
2 機枠
3 入力軸
4,4´ 支持フレーム
5,5´ 盛土装置
6,6´ 畦形成装置
7,7´ 上面処理装置
8,8´ 昇降機構
9,9´ 支軸
10,10´ 受金具
11 回動ボス
13 連結アーム
14 ロアピン
15 トップブラケット
16 変速ケース
17 ブラケット
18,18´ クラッチ
181 爪
182 爪
19,19´ 第1伝動ケース
20,20´ 第2伝動ケース
21,21´ 第3伝動ケース
22 調整シリンダ
23 仕切カバー
24 出力軸
25 自在継手
26 規制板
27 ガイドピン
28 下部カム面
29 上部カム面
30,30´ 下部ロックピン
31,31´ 上部ロックピン
32,32´ 下部フック
33,33´ 上部フック
34 下部当て板
35 上部当て板
36,36´ 横ピン
37,37´ 固定孔
38 長孔
【出願人】 【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
【住所又は居所】青森県十和田市大字三本木字里ノ沢1番地259
【出願日】 平成16年4月14日(2004.4.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−295933(P2005−295933A)
【公開日】 平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願番号】 特願2004−119033(P2004−119033)