トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 耕耘作業機
【発明者】 【氏名】岡本 孝志
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地 小橋工業株式会社内

【要約】 【課題】耕耘ロータの耕耘爪やレーキの性能を効果的に発揮させる。

【解決手段】耕耘作業機の一例である代掻き作業機1は複数の代掻き爪25を有して回転動自在な代掻きロータ23を有する。代掻きロータ23の上方にロータの上部を覆って前後に延びるシールドカバー30を配設する。シールドカバー30の前端部にアーム部50を介してサイドカバー40を上下移動可能に連結する。アーム部50は側板部31とサイドカバー40に繋がって平行リンク機構をなす。サイドカバー40には複数の係合孔部61が設けられ、係合孔部61に揺動規制ピン63が取り付けられ、アーム部50の第1リンク部材51又は第2リンク部材52が揺動規制ピン63に当接して揺動範囲を超えるアーム部50の揺動を規制する。サイドカバー40の外側面に第1整地板70を上下揺動自在に取り付け、第1整地板70は前側に耕耘ロータ23側に傾斜する案内面71を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の後部に装着され、該走行機体から伝達される動力によって回転動する耕耘ロータを備え、該耕耘ロータが回転しながら前記走行機体の走行とともに進行して圃場の耕耘作業を行う耕耘作業機において、
前記耕耘作業機の両側の進行方向前側に一対の整地板を備えたことを特徴とする耕耘作業機。
【請求項2】
走行機体の後部に装着され、該走行機体から伝達される動力によって回転動する耕耘ロータを備え、該耕耘ロータが回転しながら前記走行機体の走行とともに進行して圃場の耕耘作業を行う耕耘作業機において、
前記耕耘作業機の両側に一対のサイドカバーを備え、
該一対のサイドカバーのそれぞれの外側に整地板を設けたことを特徴とする耕耘作業機。
【請求項3】
前記整地板は、進行方向前側に前記耕耘ロータ側に傾斜する案内面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の耕耘作業機。
【請求項4】
前記整地板を上下動自在に設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の耕耘作業機。
【請求項5】
前記一対のサイドカバーを耕耘作業機本体に上下動自在に設けたことを特徴とする請求項2に記載の耕耘作業機。
【請求項6】
前記一対のサイドカバーを耕耘作業機本体に上下動自在に設け、
前記整地板は、進行方向前側に前記耕耘ロータ側に傾斜する案内面を有することを特徴とする請求項2に記載の耕耘作業機。
【請求項7】
前記一対のサイドカバーを耕耘作業機本体に上下動自在に設け、
前記整地板を前記サイドカバーに対して上下動自在に設けたことを特徴とする請求項2に記載の耕耘作業機。
【請求項8】
前記サイドカバーは、一端側が前記耕耘作業機本体に回動自在に取り付けられて他端側が進行方向前側に延びて上下方向に揺動自在なアーム部の前記他端側に取り付けられて、該アーム部の揺動に応じて上下動自在に設けられていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の耕耘作業機。
【請求項9】
前記アーム部の所定の揺動範囲を超える揺動を規制する揺動規制手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の耕耘作業機。
【請求項10】
前記アーム部は、前記サイドカバーと前記耕耘作業機本体とに繋がって平行リンク機構をなすことを特徴とする請求項8又は9に記載の耕耘作業機。
【請求項11】
前記揺動規制手段は、前記サイドカバー及び前記耕耘作業機本体の少なくともいずれかに突出して設けられて、上下方向に揺動する前記アーム部と当接して該アーム部の上下揺動を規制する揺動規制部材を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の耕耘作業機。
【請求項12】
前記揺動規制部材は、前記サイドカバー及び前記耕耘作業機本体の少なくともいずれかに上下方向に所定間隔を有して形成された複数の係合部に付け替え可能に取り付けられることを特徴とする請求項11に記載の耕耘作業機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体の後部に装着され、走行機体から伝達される動力によって耕耘ロータが回転しながら走行機体の走行とともに進行して圃場の耕耘作業を行う耕耘作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
このような耕耘作業機は、畑地での耕耘作業に使用される耕耘作業機や水田での代掻き作業に使用される耕耘作業機(以下、「代掻き作業機」と記す。)がある。これらの作業機は、略同様の構成であり、例えば、代掻き作業機としては、複数の耕耘爪を放射状に設けた耕耘ロータを作業機本体に回転動自在に支持し、耕耘ロータの上部を覆うカバー部を作業機本体に取り付け、耕耘ロータの軸方向両端側に配置した前後方向に延びるシールドカバーを作業機本体に取り付け、耕耘ロータの後方位置に整地を行なう均平板及びレーキ体を上下動自在に支持した構成が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この代掻き作業機による代掻き作業時には、耕耘ロータの耕耘爪によって耕耘された耕土は整地用の均平板側に放出されるとともに、均平板及びレーキ体によって整地されるが、その一方では、耕耘された耕土は耕耘ロータの回転動に引きずられて持ち上げられてカバー部に案内されながら前側に移動して代掻き作業機の前方に放出される。また、持ち上げられて耕耘ロータの軸方向に放出された耕土はシールドカバーによってその移動が規制される。
【0004】
【特許文献1】特開平9−107704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、耕耘ロータの軸方向端部に配設されたシールドカバーの両サイド部は前方側への突出量が少なく、またこの突出したシールドカバーの下面は水田の田面よりも上方位置に配置されているので、耕耘ロータによって持ち上げられてシールドカバーの下面下方側へ放出された耕土はこの下面の下方を通って田面上に飛散する。従って、この従来の代掻き作業機によって水田の田面に敷かれたわらを耕土内に鋤込む作業を行うと、耕耘ロータの軸方向端部において軸前方のわらはシールドカバーの下面下方側へ放出した耕土によって外側方向に押されて、わら全体が軸方向外側に移動する。その結果、耕耘ロータの耕耘爪やレーキ体がわらの鋤込み性能がよいものを使用しても、これによってすき込まれるわらは全体の一部分のみとなってしまい、残りの部分は圃面に浮いてしまう。つまり、従来の代掻き作業機では、鋤込み性能がよい耕耘爪やレーキ体を使用しても、これらの性能を効果的に発揮させることができず、水田全体のわらの埋没性を向上させることができないという問題が生じる。
【0006】
この問題は、畑地を耕耘する耕耘作業機によって畑地の雑草等を畑地内に鋤込む作業を行う場合にも同様に生じる。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、耕耘爪やレーキ体の性能を効果的に発揮させることができる耕耘作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の耕耘作業機は、走行機体の後部に装着され、該走行機体から伝達される動力によって回転動する耕耘ロータ(例えば、実施形態における代掻きロータ23)を備え、該耕耘ロータが回転しながら走行機体の走行とともに進行して圃場(例えば、実施形態における水田B)の耕耘作業を行う耕耘作業機(例えば、実施形態における代掻き作業機1)において、耕耘作業機の両側の進行方向前側に一対の整地板(例えば、実施形態における第1整地板70)を備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、耕耘作業機の両側の進行方向前側に一対の整地板を備えることで、一対の整地板によって耕耘作業機外側の圃場を整地することができる。従って、耕耘作業機の両側の進行方向前側にわら等がある場合、わら等は整地板によって圃場内に押し込められる。その結果、圃場内に鋤込まれるわら等全体の埋没量を増加させることができる。つまり、圃場全体のわら等の埋没性を向上させることができる。
【0010】
また本発明は、走行機体の後部に装着され、該走行機体から伝達される動力によって回転動する耕耘ロータを備え、該耕耘ロータが回転しながら走行機体の走行とともに進行して圃場の耕耘作業を行う耕耘作業機において、耕耘作業機の両側に一対のサイドカバーを備え、該一対のサイドカバーのそれぞれの外側に整地板を設けたことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、耕耘作業機の両側に一対のサイドカバーを備え、それぞれのサイドカバーの外側に整地板を設けることで、耕耘ロータによって耕土がサイドカバー側に放出されると、この耕土はサイドカバーに衝突してサイドカバー外側への飛散が防止される。このため、耕耘ロータの軸方向端部の進行方向前側にわら等がある場合、このわら等はサイドカバー側に放出された耕土によって外側に動かされることはない。その一方で、耕耘ロータの外側のわら等の部分は整地板によって耕土内に押し付けられる。その結果、圃場内に鋤込まれるわら等全体の埋没量をより増加させることができる。つまり、圃場全体のわら等の埋没性を向上させることができる。
【0012】
また本発明は、整地板が進行方向前側に耕耘ロータ側に傾斜する案内面を有することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、整地板の進行方向前側に耕耘ロータ側に傾斜する案内面を形成することにより、耕耘ロータの軸方向端部の進行方向前側に軸方向に延びるわら等がある場合、このわら等は、整地板が前側に進行すると、案内面に沿って強制的に耕耘ロータの軸方向内側に移動する。従って、耕耘ロータの耕耘爪やレーキによって鋤込まれるわら等の量をより増大させることができ、鋤込まれずに圃場から突出するわら等の量をより減少させることができる。
【0014】
さらに本発明は、整地板を上下動自在に設けたことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、整地板を上下動自在に設けることで、耕耘作業機が圃場の凹凸によって上下動した場合、整地板は耕耘作業機に対して上下動して、整地板が圃場の上面に接触した状態に保つことができる。また、整地板を上方へ回動して格納状態とすることもできる。
【0016】
また本発明は、一対のサイドカバーを耕耘作業機本体に上下動自在に設けたことを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、一対のサイドカバーを耕耘作業機本体に上下動自在に設けることで、耕耘作業機本体が圃場の凹凸によって上下動した場合、サイドカバーは耕耘作業機本体に対して上下動して、サイドカバーが圃場の上面に接触した状態に保つことができる。
【0018】
また本発明は、一対のサイドカバーを耕耘作業機本体に上下動自在に設け、整地板は、進行方向前側に耕耘ロータ側に傾斜する案内面を有することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、一対のサイドカバーを耕耘作業機本体に上下動自在に設けるとともに、整地板の進行方向前側に耕耘ロータ側に傾斜する案内面を形成することにより、サイドカバーは耕耘作業機本体に対して上下動し、耕耘ロータの軸方向端部の進行方向前側にあるわら等は案内面によって耕耘ロータの軸方向内側に移動されるので、耕耘作業機本体の上下移動に拘わらずサイドカバーを圃場の上面に接触させた状態に保つことができ、耕耘ロータの耕耘爪やレーキによって鋤込まれるわら等の量を増大させて、鋤込まれずに圃場から突出するわら等の量をより減少させることができる。
【0020】
また本発明は、一対のサイドカバーを耕耘作業機本体に上下動自在に設け、整地板をサイドカバーに対して上下動自在に設けたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、一対のサイドカバーを耕耘作業機本体に上下動自在に設け、整地板をサイドカバーに対して上下動自在に設けることにより、耕耘作業機本体が上下動するとサイドカバーは耕耘作業機本体に対して上下動するとともに、整地板がサイドカバーに対して上下動するので、耕耘作業機本体の上下移動に拘わらずサイドカバー及び整地板を圃場の上面に接触した状態に保つことができる。また、整地板を上方へ回動して格納状態とすることもできる。
【0022】
また本発明は、サイドカバーは、一端側が耕耘作業機本体に回動自在に取り付けられて他端側が進行方向前側に延びて上下方向に揺動自在なアーム部の他端側に取り付けられて、該アーム部の揺動に応じて上下動自在に設けられていることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、サイドカバーがアーム部を介して上下動自在に設けられることにより、アーム部を上下方向に揺動させるだけで、サイドカバーを上下方向に移動させることができる。
【0024】
さらに本発明は、アーム部の所定の揺動範囲を超える揺動を規制する揺動規制手段(例えば、実施形態における揺動規制体60)を備えることを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、アーム部は揺動規制手段によって所定の揺動範囲を超える揺動が規制されるので、アーム部が所定の揺動範囲を超えて揺動することはない。このため、サイドカバーが耕耘作業機本体に当接したり、必要以上に深い位置まで下がる事態を未然に防止することができる。
【0026】
また本発明は、アーム部がサイドカバーと耕耘作業機本体とに繋がって平行リンク機構をなすことを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、アーム部がサイドカバーと耕耘作業機本体とに繋がって平行リンク機構をなすことにより、サイドカバーの姿勢を一定にしたままでサイドカバーを上下方向に移動させることができる。
【0028】
また本発明は、揺動規制手段が、サイドカバー及び耕耘作業機本体の少なくともいずれかに突出して設けられて上下方向に揺動するアーム部(例えば、実施形態における第1リンク部材51、第2リンク部材52)と当接してアーム部の上下揺動を規制する揺動規制部材(例えば、実施形態における揺動規制ピン63)を備えることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、揺動規制手段がサイドカバー及び耕耘作業機本体の少なくともいずれかに突出して設けられた揺動規制部材を備えることにより、簡易な構成でアーム部の上下揺動を規制する揺動規制手段を提供することができる。
【0030】
さらに本発明は、揺動規制部材が、サイドカバー及び耕耘作業機本体の少なくともいずれかに上下方向に所定間隔を有して形成された複数の係合部(例えば、実施形態における係合孔部61)に付け替え可能に取り付けられることを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、揺動規制部材が、サイドカバー及び耕耘作業機本体の少なくともいずれか形成された複数の係合部に付け替え可能に取り付けられることで、一対のサイドカバーの上下揺動範囲を所望の範囲にすることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係わる耕耘作業機によれば、耕耘作業機の両側の進行方向前側に一対の整地板を備えることで、これらの整地板によって耕耘ロータの軸方向外側の圃場を整地することができるので、耕耘ロータに設けられた耕耘爪や耕耘作業機に設けられたレーキの性能を効果的に発揮させて、圃場全体のわら等の埋没性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。本実施の形態は、耕耘作業機のうち水田を代掻きする代掻き作業機を例にして説明する。なお、説明の都合上、図1及び図2(a)に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として以下説明する。
【0034】
代掻き作業機1は、図1(側面図)、図2(a)(平面図)及び図2(b)(裏面図)に示すように、作業機本体10を備える。作業機本体10は、左右方向に延びる主フレーム11を備え、この主フレーム11の左右方向中央部にはギアボックス13が設けられている。このギアボックス13には入力軸14が前方に突出して回転動自在に設けられ、入力軸14は走行機体90のPTO軸(図示せず)から動力が伝達されるようになっている。ギアボックス13の上方には前方に向かって突出したマスト16が設けられ、主フレーム11には前方斜め下方に向かって突出した一対のロアアーム17が設けられ、これらマスト16及びロアアーム17は走行機体90の後部に設けられた三点リンク連結機構(図示せず)に連結されるように構成されている。
【0035】
主フレーム11の左右両端部には下方へ延びるチェーンケース19及びサポートアーム20が対向して取り付けられ、これらチェーンケース19及びサポートアーム20の下側間には代掻きロータ23が回転動自在に支持されている。代掻きロータ23は、チェーンケース19及びサポートアーム20間に回転動自在に支持された回転軸24に複数の代掻き爪25を放射状に取り付けて構成されている。代掻きロータ23は、ギアボックス13の入力軸14に伝達された動力が主フレーム11に内蔵された動力伝達機構(図示せず)及びチェーンケース19内の動力伝達機構(図示せず)を介して伝達されてダウンカット方向(図1の矢印A方向)に回転駆動されるようになっている。
【0036】
代掻きロータ23の上方のチェーンケース19及びサポートアーム20間には、代掻きロータ23の上部を覆って前後方向に延びるシールドカバー30が配設されている。シールドカバー30は、チェーンケース19及びサポートアーム20のそれぞれに取り付けられて前後方向に延びる一対の側板部31と、一対の側板部31の上部間に繋がって代掻きロータ23の回転軌跡Cに沿って湾曲した天板部33とを有してなる。側板部31は天板部33の側部を覆うようにして前後方向に延びる。側板部31の前側端部は天板部33の前側端部から突出し、側板部31の下面は水田Bの田面Bsとの間に所定の隙間を形成している。一方、側板部31の後側は天板部33の後側端部から下方へ延びて、その下端部は水田Bの田面Bsの近傍位置まで延びている。
【0037】
側板部31の前側端部には前後方向に延びるサイドカバー40がアーム部50を介して上下方向に移動自在に設けられている。サイドカバー40は板状であり、その下面は略直線状に形成されている。アーム部50は、一端側がサイドカバー40の内側上部に枢結されて他端側が側板部31の前側端部の上部内側に枢結された第1リンク部材51と、第1リンク部材51の下方位置に配置され、一端側がサイドカバー40の内側下部に枢結されて他端側が側板部31の前側端部の下部内側に枢結された第2リンク部材52とを有してなる。第1リンク部材51及び第2リンク部材52はサイドカバー40と側板部31に繋がって平行リンク機構をなしている。このため、サイドカバー40は、作業機本体10が上下動しても、サイドカバー40の下面が略水平方向に延びたままで上下方向に移動可能である。
【0038】
サイドカバー40にはアーム部50が所定の揺動範囲を超えるとその揺動を規制する揺動規制体60が設けられている。揺動規制体60は、サイドカバー40の後側に上下方向に所定間隔を有して形成された複数の係合孔部61と、係合孔部61に付け替え可能に取り付けられる揺動規制ピン63とを有してなる。これらの係合孔部61のいずれかに揺動規制ピン63を挿着した状態でアーム部50(第1リンク部材51及び第2リンク部材52)が下方へ揺動すると、サイドカバー40が下方へ移動し、揺動規制ピン63が第2リンク部材52の上面に当接して第1リンク部材51の下方への揺動が規制されて、サイドカバー40の下方への移動を規制する。またサイドカバー40が下方位置にある状態からアーム部50が上方へ揺動すると、サイドカバー40が上方へ移動し、揺動規制ピン63が第1リンク部材51の下面に当接して第2リンク部材52の上方への揺動が規制されて、サイドカバー40の上方への移動を規制する。
【0039】
このため、揺動規制ピン63を所定の係合孔部61に取り付けると、サイドカバー40の下面を田面Bsの上下近傍位置と田面Bsから上方に所定距離を有した位置との範囲内でサイドカバー40を移動させることができる。なお、係合孔部61を側板部31の前側端部に複数形成し、これらの係合孔部のいずれかに揺動規制ピン63を取り付けてもよい。
【0040】
サイドカバー40の外側面にはこの外側面に取り付けられたヒンジ部75を介して第1整地板70が上下揺動自在に取り付けられている。ヒンジ部75は、サイドカバー40の外側面に沿って取り付けられた軸部材76と、軸部材76の両端部に回動自在に嵌合して取り付けられて左右方向外側に延びる一対の支持部材77とを有してなる。支持部材77の下面は第1整地板70の上面に接合されて、支持部材77と第1整地板70とが一体化している。このため、第1整地板70は軸部材76を回動中心として上下方向に揺動自在である。
【0041】
第1整地板70は、これが下方に揺動すると第1整地板70の内側端部がサイドカバー40の底面に当接して下方への揺動が規制されて、略水平方向に延びた状態に保たれて整地作業が可能な姿勢(以下、「作業可能姿勢」と記す。)になり、また第1整地板70を上方に揺動させて略垂直状態で固定して格納することができる。
【0042】
第1整地板70は、平面視において矩形状をなし、前側端部は上方に屈曲して斜め上方へ延びるとともに、代掻きロータ23側へ傾斜する案内面71を形成している。つまり、第1整地板70が作業可能姿勢に保たれると、案内面71は斜め前側に延びるとともに内側に進むに従って漸次後方側へ傾斜するように直線的に延びる。このため、案内面71の前方にわらが横たわっている場合において、案内面71が前側方向に進行すると、案内面71に沿ってわらを代掻きロータ23側に強制的に移動させることができる。なお、案内面71は湾曲状に形成されてもよい。また軸部材76にねじりコイルばね73等の付勢手段を設けて、第1整地板70を作業可能姿勢にする側へ常に付勢するようにしたり、ボルト・ナット等の締結手段によって第1整地板70をサイドカバー40と締結して、作業可能姿勢に保たれた第1整地板70をサイドカバー40に固定してもよい。さらに第1整地板70を側板部31に上下揺動自在に設けてもよい。
【0043】
さて、シールドカバー30の後側には斜め下方へ延びる第2整地板80が上下揺動自在に取り付けられ、第2整地板80の先端部には第3整地板83が上下揺動自在に取り付けられている。これらの整地板80、83は、作業機本体10と第3整地板83との間に連結されたリンク機構85によって上下動可能に支持されている。第2整地板80及び第3整地板83の各裏側には後方側に延びるレーキ87が左右方向に所定間隔を有して複数取り付けられている。
【0044】
次に、本発明の代掻き作業機1によって水田Bの田面Bsに敷かれたわらWを耕土内に鋤込む作業を行う場合の代掻き作業機1の動作について説明する。先ず、走行機体90に代掻き作業機1を連結するとともに、走行機体90のPTO軸に図示しない動力伝達軸を介して入力軸14を連結する。そして、サイドカバー40をその下面が水田Bの田面Bsの上下近傍位置に移動するように揺動規制ピン63を所定の係合孔部61に取り付ける。なお、このときのサイドカバー40の位置をカバー作業位置と記す。そして、アーム部50を揺動させてサイドカバー40をカバー作業位置に移動させる。また、第1整地板70が格納位置にあるときには、これを下方へ揺動させて作業可能姿勢にする。そして、走行機体90を前進動させるとともに、走行機体90からの動力を代掻き作業機1の作業機本体10に伝達させて、代掻きロータ23をダウンカット方向に回転動させる。
【0045】
そして、代掻き作業時において、代掻きロータ23の耕耘爪25にて耕耘された耕土は第2整地板80側に放出され、第2整地板80及び第3整地板83によって均平に整地される。また、水田Bの田面Bsに敷かれたわらWのうち代掻きロータ23の内側にあるわらWは代掻きロータ23の耕耘爪25によって耕土内に鋤込まれ、そして浮き上がろうとするわらWは第2整地板80及び第3整地板83及び各々に設けられたレーキ87によって上方から押し込まれて耕土内に鋤込まれた状態で埋没する。
【0046】
また、代掻きロータ23の軸方向端部周辺においてわらWtは、第1整地板70の案内面71に沿って代掻きロータ23側に流れる泥水とともに強制的に代掻きロータ23側に移動される。そして、サイドカバー40内側に移動したわらWは代掻きロータ23の耕耘爪25によって耕土内に鋤込まれる。またサイドカバー40に跨るわらは、サイドカバー40の下面によって耕土内に押し付けられ、このわらWtのうち代掻きロータ23側(内側)に延びるわらの部分Wt1は代掻きロータ23の耕耘爪25によって耕土内に鋤込まれる一方、外側方向に延びるわらの部分Wt2は第1整地板70によって耕土内に押し込まれる。
【0047】
その一方で、代掻きロータ23の耕耘爪25によって持ち上げられて天板部33の内側に沿って流れる泥土は、天板部33の前側端部から放出されて水田Bの田面Bsに落下する。また、天板部33の前側端部から放出された泥土のうちサイドカバー40側へ放出された泥土は、サイドカバー40の内側面に衝突して田面Bsに落下する。このため、わらWtのうちサイドカバー40内側に延びる部分Wt1は、前側端部から放出された泥土が当たることがあっても、サイドカバー40で上方から押さえ付けられているとともに、サイドカバー40に衝突した泥土は代掻きロータ23の軸方向内側に跳ね返ってわらWtの部分Wt1に当たるので、このわらの部分Wt1がサイドカバー40の外側に動かされることはない。また前側端部から放出された泥土がサイドカバー外側に延びる部分Wt2に当たることもない。その結果、わらWtは代掻きロータ23の軸方向外側に動かされることはなく、わらWtのサイドカバー40内側方向に延びる部分の長さを短くすることもない。このため、わらWtが軸方向外側に動かされる場合と比較して、耕耘爪25やレーキ87によって鋤込まれるわらWt全体の埋没量を増加させることができる。従って、代掻きロータ23に鋤込み性能がよい耕耘爪25を取り付け、第2整地板80及び第3整地板83に鋤込み性能がよいレーキ87を設けた場合、これら耕耘爪25及びレーキ87の性能を効果的に発揮させることができ、その結果として水田B全体のわらWの埋没性を向上させることができる。
【0048】
なお、前述した実施の形態では、耕耘作業機として代掻き作業機1を例にしたが、畑地を耕耘する耕耘作業機とした場合でも、代掻き作業機1と同様の効果を得ることができる。即ち、耕耘作業機によって畑地の雑草等を畑地内に鋤込む作業を行う場合には、サイドカバー40及び第1整地板70によって耕耘爪25やレーキ87の性能を効果的に発揮させることができ、その結果として畑地全体の雑草等の埋没性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる代掻き作業機の側面図を示す。
【図2】この代掻き作業機を示し、同図(a)は代掻き作業機の平面図であり、同図(b)は代掻き作業機の裏面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 代掻き作業機(耕耘作業機)
10 作業機本体(耕耘作業機本体)
23 代掻きロータ(耕耘ロータ)
40 サイドカバー
50 アーム部
60 揺動規制体(揺動規制手段)
61 係合孔部(係合部)
63 揺動規制ピン(揺動規制部材)
70 第1整地板(整地板)
71 案内面
90 走行機体
B 水田(圃場)
【出願人】 【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地
【出願日】 平成16年4月13日(2004.4.13)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳

【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌

【公開番号】 特開2005−295907(P2005−295907A)
【公開日】 平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願番号】 特願2004−117904(P2004−117904)