| 【発明の名称】 |
トランスミッションのコントローラ |
| 【発明者】 |
【氏名】大本 啓一 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】山崎 弘章 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】嘉本 政司 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
【氏名】錦織 将浩 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】圃場状態に関わらず操作フィールが変化しないようにトランスミッションを制御するトランスミッションのコントローラを提供することを課題としている。
【解決手段】駆動力を変速して左右の走行装置2に伝動するトランスミッション1に、左右の走行装置2を旋回用に作動させる左右の旋回クラッチ43L,43Rを設け、旋回クラッチ43L,43Rの圧力を電気的にコントロールするコントローラ46に、走行機体1の操向を行う操向レバー7の操作により走行機体1が乾田作業時と概ね同じ状態で湿田作業時に旋回するように、圧力制御を変更する湿田モードを設け、乾田作業時の乾田モードと前記湿田モードとを切り換え可能とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右の走行装置(2)と、走行機体(1)の操向を行う操向レバー(7)と、駆動力を変速して走行装置(2)に伝動するトランスミッション(1)とを備え、トランスミッション(1)に、左右の走行装置(2)を旋回用に作動させる左右の旋回クラッチ(43L),(43R)を設け、該旋回クラッチ(43L),(43R)を電気的に圧力をコントロールして接続を制御することができる圧力制御タイプのクラッチとし、旋回クラッチ(43L),(43R)のコントローラ(46)を操向レバー(7)の操作に応じて上記旋回クラッチ(43L),(43R)を電気的に制御して走行機体(1)を旋回させる構成としたコンバインにおいて、コントローラ(46)を、走行機体(1)が乾田作業時と概ね同じ状態で湿田作業時に旋回するように、圧力制御を変更する湿田モードを設け、乾田作業時の乾田モードと前記湿田モードとを切り換え可能としたトランスミッションのコントローラ。 【請求項2】 旋回内側の走行装置の駆動を、旋回外側の走行装置の駆動に対して、0を超える速度の範囲内で低下させて走行機体(1)を旋回させる緩旋回時において、乾田作業時と概ね同じ状態で湿田作業時に旋回するように、湿田モードを設定した請求項1のトランスミッションのコントローラ。 【請求項3】 乾田モード及び湿田モードでの旋回状態を微調節する微調節手段(66)を設けた請求項1又は2のトランスミッションのコントローラ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、トランスミッションのコントローラに関する。 【背景技術】 【0002】 従来コンバインのトランスミッションとして、左右の走行装置にそれぞれ対応させて旋回クラッチを設け、いずれか一方の旋回クラッチを作動させ、該旋回クラッチに対応する走行装置に、当該走行装置を旋回用に作動させる駆動力を伝動する構成のものが公知となっている(例えば特許文献1参照)。そして上記旋回クラッチは電磁比例弁による圧力比例制御によって、電気的にクラッチの圧力制御が行われる。 【特許文献1】特開平11−291934号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 このためコンバインを圃場内で作業走行させる場合、走行装置に圃場側からかかる抵抗や負荷によって、旋回クラッチが入り作動する圧力が変動することになり、圃場条件が異なる場合、例えば乾田の場合と湿田の場合とでは操作フィールが変わることがあるという問題点がある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 上記課題を解決するための本発明のトランスミッションのコントローラは、左右の走行装置2と、走行機体1の操向を行う操向レバー7と、駆動力を変速して走行装置2に伝動するトランスミッション1とを備え、トランスミッション1に、左右の走行装置2を旋回用に作動させる左右の旋回クラッチ43L,43Rを設け、該旋回クラッチ43L,43Rを電気的に圧力をコントロールして接続を制御することができる圧力制御タイプのクラッチとし、旋回クラッチ43L,43Rのコントローラ46を操向レバー7の操作に応じて上記旋回クラッチ43L,43Rを電気的に制御して走行機体1を旋回させる構成としたコンバインにおいて、コントローラ46を、走行機体1が乾田作業時と概ね同じ状態で湿田作業時に旋回するように、圧力制御を変更する湿田モードを設け、乾田作業時の乾田モードと前記湿田モードとを切り換え可能としたことを第1の特徴としている。 【0005】 また旋回内側の走行装置の駆動を、旋回外側の走行装置の駆動に対して、0を超える速度の範囲内で低下させて走行機体1を旋回させる緩旋回時において、乾田作業時と概ね同じ状態で湿田作業時に旋回するように、湿田モードを設定したことを第2の特徴としている。 【0006】 そして乾田モード及び湿田モードでの旋回状態を微調節する微調節手段66を設けたことを第3の特徴としている。 【発明の効果】 【0007】 以上のように構成される本発明の構造によると、湿田での作業走行時に湿田モードとすることにより、走行機体の旋回を乾田作業時と概ね同じ状態で行わせることができ、圃場条件に応じて操作フィールが変わる等の不都合を防止し、乾田作業及び湿田作業のいずれにおいてもコンバインを円滑に操縦することができるという効果がある。 【0008】 特に湿田モードを緩旋回時に乾田作業時と概ね同じ状態で走行機体を旋回させるように設定することにより、湿田作業時に緩旋回時の旋回半径が必要以上に大きくなるという不都合が防止され、走行機体の旋回を円滑に行わせることができる。 【0009】 そして乾田モード及び湿田モードでの旋回状態を微調節する微調節手段を設けることによって、乾田モード及び湿田モードの旋回状態をより正確に設定調節することができるという効果がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 図1は、本発明のトランスミッションを採用したコンバインの側面図である。走行機体1は、左右にクローラ式の走行装置2を備え、前方に前処理部3が上下昇降揺動自在に設けられている。また走行機体1には運転席4が設けられている他、脱穀部6が搭載されており、前処理部3により刈り取られた穀稈の脱穀を行う。脱穀部6の側方には脱穀後の穀粒を一時的に貯粒する穀粒タンク5が設けられている。 【0011】 運転席4の下方にエンジンが設けられている。該エンジンの駆動力がトランスミッションを介して左右の走行装置2に伝動され、走行機体1が走行する。トランスミッションは、走行機体1を直進(直線上に前進及び後進)させる場合は、左右の走行装置2を等速(同回転数)で駆動し、旋回時には旋回の内側となる走行装置の駆動速度(回転数)を外側となる走行装置の駆動速度(回転数)に比較して低下(逆回転を含む低回転)させる。 【0012】 上記構造により、本コンバインは、従来同様、前処理部3及び脱穀部6を駆動しながら圃場内を走行することによって、前処理部3により穀稈を刈取り、脱穀部6に送り、脱穀部6において脱穀を行い、脱穀後の穀粒を穀粒タンク5に一時的に貯粒しながら脱穀作業を行う。穀粒タンク5内には穀粒センサが設けられており、後述するように穀粒タンク5内の穀粒の検出を行う。 【0013】 運転席4内には、従来同様前処理部3の昇降操作及び走行機体1の操向を操作する1本の操向レバー(マルチレバー)7が設けられている。運転者は、マルチレバー7の左右への揺動操作によってトランスミッションの状態を変更し、左右の走行装置2の駆動を上記のように調節して走行機体1の左右への旋回(走行方向の変更と回転を含む)を行うことができる。 【0014】 運転席4内には、脱穀部6の駆動を入り切り操作する作業機クラッチレバー8、走行速度を変速する主変速レバー9と副変速レバー10も設けられている。作業機クラッチレバー8を入り状態に操作することによって脱穀部6が作動するため、圃場での作業走行中は通常作業機クラッチレバー8が入り状態となる。 【0015】 逆に路上等での走行時は脱穀部6を駆動する必要がないため、作業機クラッチレバー8は切り状態に操作される。また圃場内での移動時等の場合も、脱穀部6を駆動する必要はないため、作業機クラッチレバー8は切り状態に操作される。ただし圃場内での移動時には通常穀粒タンク5内に穀粒が収容されている。 【0016】 上記トランスミッションは、旋回の内側の走行装置の駆動を、走行方向(0を除く前進又は後進方向の速度の範囲内)で、旋回外側の走行装置の駆動に対して低下させ、走行機体1を旋回させる緩旋回モードを備えている。また旋回内側の走行装置にブレーキをかけ、駆動を停止させて走行機体1を旋回させるブレーキ旋回モードも備えている。 【0017】 さらに旋回の内側の走行装置の駆動を、走行方向(旋回外側の走行装置の駆動方向)の反対側に駆動して走行機体1を旋回させる急旋回モードも備えている。そして旋回の内側の走行装置をフリーにするクラッチ旋回モードも備えており、上記4つの旋回モードを備えている。 【0018】 走行機体1は、トランスミッションが各旋回モードに切り替えられることによってそれぞれ異なる半径で旋回する。走行機体1は、旋回内側の走行装置の駆動力が、旋回外側の走行装置の駆動力に対して小さな順に小さな半径で旋回する。すなわちクラッチ旋回モード→緩旋回モード→ブレーキ旋回モード→急旋回モードの順に小さな半径で旋回する。 【0019】 図2に従って、上記トランスミッション11の伝動構造について説明する。ミッションケース12にはHST13が取り付けられている。HST13の入力軸13aにはエンジン側から駆動力が入力されている。HST13は主変速レバー9によって変速操作が行われる。HST13の出力は出力軸13bから前述の副変速レバー10によって操作される副変速機構17を介して中継軸18に出力される。 【0020】 中継軸18に伝動された駆動力は、中継軸18から中継ギヤ19を介して駆動伝動ギヤ21に伝動され、この駆動伝動ギヤ21に伝動された駆動力が、駆動伝動ギヤ21から左右のサイドクラッチ機構23L,23Rを介して両走行装置の駆動ギヤ24L,24Rに伝動され、左右の駆動軸26L,26Rが駆動される。これにより駆動軸26L,26Rに設けられる駆動輪27L,27Rが等速で駆動され、左右の走行装置が等速で回転駆動され、走行機体1が直線上に前後進(直進)する。 【0021】 中継軸18に伝動された駆動力は、中継軸18から旋回中継ギヤ32と旋回駆動ギヤ33を介して旋回駆動クラッチ36にも伝動されている。旋回駆動クラッチ36は、旋回中継軸34に緩旋回駆動力又はブレーキとを切り換えて出力する。旋回中継軸34は、旋回駆動クラッチ36によって、緩旋回駆動力が出力された状態、又はブレーキがかかった状態となる。 【0022】 旋回中継軸34には出力用のギヤ37が軸支されている。旋回駆動軸39に設けられた旋回切換クラッチ41の緩旋回駆動ギヤ38と上記ギヤ37とが噛合している。上記旋回切換クラッチ41の急旋回駆動ギヤ42は上記中継ギヤ19から駆動力が伝動されている。急旋回駆動ギヤ42は逆回転の駆動力を伝動する。以上により、旋回駆動軸39は、旋回切換クラッチ41によって、緩旋回駆動力が入力された状態、又はブレーキがかかった状態、又は急旋回駆動力(逆回転)が入力された状態となる。 【0023】 旋回駆動軸39の左右両側には、旋回駆動軸39に与えられる旋回駆動力(緩旋回駆動力,急旋回駆動力)又はブレーキ力を、左右のサイドクラッチ23L,23R側に伝動する旋回クラッチ43L,43Rが設けられている。旋回クラッチ43L又は43Rを入り状態とすることによって、該旋回クラッチ43L又は43Rからサイドクラッチ機構23L又は23Rの旋回ギヤ44L又は44Rに、上記旋回駆動力又はブレーキ力を伝動することができる。 【0024】 このため左右いずれかのサイドクラッチ機構23L又は23Rを切り状態とし、駆動伝動ギヤ21からの駆動力の入力を断ち、旋回ギヤ44L又は44Rからの駆動力が入力されるように切り換え、切り状態となったサイドクラッチ機構側の旋回クラッチ43L又は43Rを入り作動させると、切り作動させられたサイドクラッチ機構側の駆動軸26L又は26Rに、前記旋回駆動力又はブレーキ力が伝動される。 【0025】 このとき緩旋回駆動力→ブレーキ力→急旋回駆動力の順に、旋回の外側の走行装置の駆動力に対して旋回内側の走行装置の駆動力が小さくなり、トランスミッション11が、緩旋回駆動力を使用する緩旋回モード、又はブレーキ力を使用するブレーキ旋回モード、又は急旋回駆動力を使用する急旋回モードに切り換えられる。 【0026】 なお旋回クラッチ43L,43Rには、上記入り状態のほか、旋回ギヤ44L,44Rと旋回駆動軸39との伝動を断ち、旋回ギヤ44L,44Rを自由回転自在とする切り状態が有る。このため左右いずれかのサイドクラッチ機構23L又は23Rを切り状態とし、切り状態となったサイドクラッチ機構側の旋回クラッチ43L又は43Rを切り状態とすると、切り作動させられたサイドクラッチ機構側の駆動軸26L又は26Rがフリーとなり、トランスミッション11が、クラッチ旋回モードとなる。 【0027】 上記旋回クラッチ43L,43Rは、各旋回クラッチ43L,43R用の旋回電磁比例弁によって電気的に圧力が制御されることによって比例制御で入り切りが切り換え操作される。このため走行装置2が受ける圃場からの抵抗や負荷等によって滑り状態が異なり、入り状態となる圧力が変化する。 【0028】 上記サイドクラッチ機構23L,23Rはサイドクラッチ電磁弁により、左右いずれか一方を択一的に切り状態とすることができるように入り切りが操作される。旋回駆動クラッチ36は、旋回駆動電磁比例弁によって旋回中継軸34にブレーキ力又は緩旋回駆動力のいずれかを与えるように切り換えが操作される。 【0029】 上記各電磁比例弁及びサイドクラッチ電磁弁は後述するコントローラにより作動が制御される。以上のように上記トランスミッション11は、コントローラにより、各電磁比例弁及びサイドクラッチ電磁弁を電気的に制御することによって、直進及び上記各旋回モードに切り換えられる電気制御式となっている。 【0030】 ただし旋回切換クラッチ41は、副変速レバー10のポジション等に応じて、コントローラによる制御とは関係なく旋回駆動軸39に旋回中継軸34側の力(緩旋回駆動力又はブレーキ力)又は急旋回駆動ギヤ42からの力(急旋回駆動力)のいずれかを与えるように切り換えが操作される。つまり急旋回モードのみ手動で切り換えられる。 【0031】 図3に示されるように、上記コントローラ46は、マイコンユニット47を備え、マイコンユニット47の出力側に左右のサイドクラッチ電磁弁49L,49Rとサイドクラッチ用のアンロードバルブ(電磁弁)51と、PWMデータ又はデジタルデータ等の入力により比例弁を操作する比例弁ドライバ部54が接続されている。各比例弁ドライバ部54の出力側には、旋回駆動電磁比例弁52,左右の旋回電磁比例弁53L,53Rが接続されている。 【0032】 一方図4に示されるように、前述のマルチレバー7は、揺動支点軸7aを軸心として左右揺動自在に取り付けられている。基端部側には、マルチレバー7の左右揺動角度を検出するポテンショメータ56が取り付けられている。図3に示されるように、該ポテンショメータ56は前述のコントローラ46の入力側に接続されている。 【0033】 またコントローラ46の入力側に前述の穀粒センサ57も接続されている。穀粒センサ57は、穀粒が穀粒タンク5内の1/3程度の場合にONとなる1/3スイッチ58と、籾が穀粒タンク5内の2/3程度の場合にONとなる2/3スイッチ59と、穀粒が穀粒タンク5内で満杯になるとONとなる満杯スイッチ61と、穀粒のオーバフロー状態でONとなるオーバフロースイッチ62とからなる。 【0034】 各スイッチ58,59,61,62のON,OFFによって穀粒タンク5内の穀粒を検出することができる。そして各スイッチ58,59,61,62がコントローラ46の入力側に接続されている。さらにコントローラ46には、入力側に作業機クラッチレバー8を入り操作するとオンとなる作業機クラッチスイッチ63と、湿田での作業時に手動でONすることができる湿田スイッチ64が接続されている。 【0035】 そしてコントローラ46は、マルチレバー7を所定の遊びの範囲を越えて左右に傾斜させると、傾斜方向側のサイドクラッチ機構23L又は23Rを切り作動させるとともに、マルチレバーの揺動角度に応じてトランスミッション11を緩旋回モードとブレーキ旋回モードとに切り換えるマルチ旋回制御と、マルチレバー7を所定の遊びの範囲を越えて左右傾斜させると、傾斜方向側のサイドクラッチ機構23L又は23Rを切り作動させ、トランスミッション11をブレーキ旋回モードに切り換えるシングル旋回制御とが可能となっている。 【0036】 つまり上記トランスミッション11は、コントローラ46のマルチ旋回制御に基づきマルチレバー7の操作に応じて緩旋回モードとブレーキ旋回モードとを切り換えながら走行機体を旋回させるマルチ作動モードと、コントローラ46のシングル旋回制御に基づきマルチレバー7の操作に対してブレーキ旋回モードを使用して走行機体を旋回させるシングル作動モードとを搭載する。 【0037】 トランスミッション11は、マルチ作動モードでは、マルチレバー7を中立位置から、所定の遊びの範囲を越えた微量傾斜させると緩旋回モードとなり、さらにマルチレバー7の傾斜角度を増加させるとブレーキ旋回モードとなる。 【0038】 具体的には、図5に示されるように、マルチレバー7がセンタから左又は右に2度弱傾斜させられると、旋回駆動電磁比例弁52を作動させて旋回駆動クラッチ36を入り作動させ、旋回駆動軸39に緩旋回駆動力を与え、マルチレバー7がセンタから左又は右に2度強傾斜させられると、サイドクラッチ電磁弁49L又は49Rを作動させ、左又は右のサイドクラッチ機構23L又は23Rを切り作動させる。 【0039】 そしてマルチレバー7の傾斜角度が4.5度程度となると、マルチレバー7の緩旋回範囲Aに入り、左又は右の旋回電磁比例弁53L又は53Rを所定の圧力で作動させ、マルチレバー7の傾斜角度が10度程度となるまで、旋回電磁比例弁53L又は53Rの圧力を徐々に上昇させ、マルチレバー7の傾斜角度が13.5度程度となるまで左又は右の旋回電磁比例弁53L,53Rを作動させ、旋回クラッチ43L又は43Rを入り作動させる。 【0040】 そしてマルチレバー7の傾斜角度が13.5度を超えると、マルチレバー7のブレーキ旋回範囲Bに入り、旋回駆動クラッチ36の切り作動を開始させ、ブレーキ旋回範囲B内においてマルチレバー7の傾斜角度が14度を超えるあたりで程完全にブレーキをかける切り状態とし、ブレーキ旋回モードとする。 【0041】 マルチレバー7側には傾斜角度の10度程度の位置にデテントが設けられており、該デテントによって操作者は緩旋回の範囲でマルチレバー7を揺動させていることを認識することができる。なお旋回電磁比例弁53L又は53Rの圧力は、4.5度〜9度の範囲で緩やかに上昇し、9度から10度にかけて急激に上昇し、10度から13.5度までが一定となり、4.5度〜9度の間で、旋回クラッチ43L又は43Rが入り作動するように旋回電磁比例弁53L又は53Rによる旋回クラッチ43L又は43Rに与えられる圧力が設定されている。つまりデテントの手前で必ず緩旋回モードとなるように設定されている。 【0042】 ただし前述のように圃場状況により旋回クラッチ43L,43Rが入り作動する圧力は変化する。湿田の場合は圃場からの抵抗や負荷が大きくなるため、旋回クラッチ43L又は43Rを入り作動させるためには、より高い圧力を旋回クラッチ43L又は43Rに与える必要がある。上記のように旋回電磁比例弁53L又は53Rが旋回クラッチ43L又は43Rに与える圧力は主に乾田において旋回クラッチ43L又は43Rが入り作動する乾田時の圧力設定(乾田モード)となっている。 【0043】 このため圃場が湿田の場合に対して、図6に示されるように、旋回電磁比例弁53L又は53Rが旋回クラッチ43L又は43Rに与える圧力が、マルチレバー7の4.5度〜13.5度までの各揺動角度で上記乾田モードに比較して高い圧力となる設定(湿田モード)が設けられている。 【0044】 そして後述するようにコントローラ46の作動により、乾田や路上等での走行時には乾田モードを使用し、湿田等での走行時には湿田モードを使用することによって、乾田及び湿田で走行機体1が緩旋回モードで旋回を開始するマルチレバー7の揺動角度が略同じとなり、また旋回内側への駆動力の伝動度合いが乾田及び湿田で概ね同じとなるため旋回半径が異なる等の不都合も防止される。 【0045】 このため緩旋回において圃場条件に応じて操作フィールが変わる等の不都合が防止され、乾田作業及び湿田作業のいずれにおいてもコンバインを同じような操縦感覚で円滑に操縦することができる。特に旋回半径が大きい緩旋回において、湿田作業時に旋回半径が必要以上に大きくなるという不都合が防止され、走行機体1の旋回が円滑に行われる。 【0046】 一方マルチ作動モードの場合、緩旋回モードからブレーキ旋回モードへの切り換えの瞬間、つまり旋回駆動クラッチ36が旋回中継軸34に緩旋回力を出力する入り状態からブレーキをかける切り状態に移行する途中での一瞬に、旋回中継軸34がフリーとなる部分が必ずあり、この時点でクラッチ旋回モードのような状態となり、瞬間的に走行機体1の走行方向が直進する方向に変更されるような動作を行う。 【0047】 通常の圃場内での作業走行時等においては、走行装置2側への走行面からの抵抗や負荷が比較的大きいため、運転者が上記のような走行機体1の若干ギクシャクした動作を感じることはほとんど無いが、例えば路上走行時等の走行装置2側への走行面からの抵抗や負荷が小さい場合は、上記走行機体1の若干ギクシャクした動作を感じ、運転フィールが低下する場合がある。 【0048】 このため後述するようにコントローラ46は、圃場での作業走行時にトランスミッション11をマルチ作動モードとし、路上走行時にシングル作動モードとする。これにより圃場での作業走行時にはマルチレバー7の詳細な操作によって走行機体1の旋回を圃場条件や作業条件に合わせて詳細に行うことが可能となり、路上走行時には、旋回モードが途中で切り換ることが無いため、運転者が上記ギクシャク感を感じることがなく、運転フィールが低下することがなくなる。 【0049】 次にコントローラ46による上記マルチ作動モードとシングル作動モードとの自動切換え及び乾田モードと湿田モードとの切換えについて詳細に説明する。 【0050】 コントローラ46内にはモード切換プログラムが記憶されており、該モード切換プログラムによりコントローラ46が各モードを切り換えるモード切換手段として機能する。モード切換プログラムに基づくコントローラ(モード切換手段)のモード切り換え作動を、図7のフローチャートに基づいて説明する。 【0051】 モード切り換え作動は、まずステップS1において作業機クラッチスイッチ63のON,OFFに基づき作業機クラッチの入り切りを判断する。作業機クラッチが入り状態の場合は、作業走行中と判断し、ステップS2に進み湿田スイッチ64のON,OFFをチェックする。そして湿田スイッチ64がONの場合は、ステップS3に進み湿田モード且つマルチ作動モードとし、湿田スイッチ64がOFFの場合は、ステップS4に進み乾田モード且つマルチ作動モードとする。 【0052】 またステップS1において作業機クラッチが切り状態の場合は、ステップS5に進み、穀粒センサ57のチェックを行う。このチェックは、穀粒センサ57を構成する上記各スイッチ58,59,61,62のON,OFFをチェックする。ステップS5において、いずれかのスイッチ58又は59又は61又は62がONとなり、穀粒タンク内の穀粒を検出すると、作業走行中であると判断し、ステップS2に進み、以降湿田スイッチ64のON,OFFに基づき、湿田モード且つマルチ作動モード又は乾田モード且つマルチ作動モードを選択する。 【0053】 一方ステップS5において穀粒センサ57を構成する上記各スイッチ58,59,61,62がいずれもOFFの場合は、少なくとも作業状態ではないと判断し、ステップS6に進み、乾田モード且つシングル作動モードとする。以上のようにマルチ作動モードとシングル作動モード及び乾田モードと湿田モードとが切り換えられることにより、前述のように乾田での作業走行と湿田での作業走行とを同じような操縦感覚で行うことができる他、路上走行での旋回時の走行機体のギクシャク感を感じることなく、圃場内での作業走行時には走行機体1の旋回制御を詳細に行うことが可能となる。 【0054】 そしてマルチ作動モードとシングル作動モードとが、作業機クラッチの入り状態又は穀粒タンク内の籾の検出に連動して自動的に切り換えられるため、マルチ作動モードとシングル作動モードとを手動で切り換える必要がなく、路上走行時と圃場での作業時とでのモードの切り換えミスが防止され、マルチ作動モードとシングル作動モードとの切換を運転者が意識することなく、走行機体1を円滑に操縦をすることができる。 【0055】 なお穀粒センサ57を籾の穀粒タンク内への流入をチェックするセンサとし、穀粒タンク内への籾の流入によって作業走行と非作業走行状態とを判断し、マルチ作動モードとシングル作動モードとを切り換えるように構成することもできる。また作業機クラッチレバー8を入り状態に操作することによって必ずマルチ作動モードに切り換えられるため、作業機クラッチレバー8の入り切り操作によって、マルチ作動モードとシングル作動モードとを運転者が任意に切り換えることもできる。 【0056】 一方コントローラ46の入力側には、旋回電磁比例弁53L,53Rが旋回クラッチ43L,43R側に与える圧力を微調節する調節ダイヤル(ボリューム)66も接続されている。この調節ダイヤル66を操作することによって、旋回電磁比例弁53L,53Rの作動が制御され、乾田モード及び湿田モードでの旋回クラッチ43L,43R側に与えられる圧力が微調節される。これにより乾田モード及び湿田モードにおいて走行機体1の旋回状態をより正確に設定調節することができる。 【0057】 なお微調節の範囲は図5,6の破線に示されるように、標準(実線)に対して6段階に調節可能となっている。また湿田モードによる圧力は、乾田モードによる圧力に対して予め設定されている所定の割合で増加するように設定されているため、調節ダイヤル66によって乾田モード及び湿田モードの両圧力が一方に依存した状態で同時に自動的に調節される。 【図面の簡単な説明】 【0058】 【図1】コンバインの側面図である。 【図2】トランスミッションの伝動線図である。 【図3】コントローラのブロック図である。 【図4】マルチレバー単体の正面図である。 【図5】乾田モード時に旋回クラッチに与えられる圧力を示す線図である。 【図6】湿田モード時に旋回クラッチに与えられる圧力を示す線図である。 【図7】コントローラのモード切り換え作動のフローチャート図である。 【符号の説明】 【0059】 1 走行機体 6 脱穀部 7 マルチレバー(操向レバー) 11 トランスミッション
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
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| 【出願日】 |
平成16年3月15日(2004.3.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081673 【弁理士】 【氏名又は名称】河野 誠
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| 【公開番号】 |
特開2005−253413(P2005−253413A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月22日(2005.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願2004−72006(P2004−72006) |
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