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【発明の名称】 作業車輌
【発明者】 【氏名】涌田 毅
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町605番地 菱農エンジニアリング株式会社内

【要約】 【課題】走行機体に作業機を着脱自在に装着する作業車輌において、走行機体と作業機の間の配線作業を無くした作業車輌を提供する。

【解決手段】トラクタ10の後部に配置されたオートヒッチ14に、ロータリ作業機20の作業状態を検知するためのスイッチ18を設置し、ロータリ作業機20のトップマスト30の間に前記スイッチ18を操作するためのスイッチロッド36を設置する。前記スイッチロッド36は、前記ロータリ作業機20の耕耘作業、代掻き作業等の作業状態を切換える操作レバー34の操作位置に連動して、突出位置と退入位置に移動して、前記スイッチ18を操作する。前記スイッチ18は、そのON、OFFにより、前記ロータリ作業機20の作業状態を表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に作業機を着脱自在に装着した作業車輌において、
前記作業機に配置された部材を移動操作する操作部材と、
前記作業機に配置され、該操作部材に連動して突出位置と退入位置に移動する作動部材と、
前記走行機体における作業機装着装置に配置されたスイッチと、を備え、
前記作業機を装着した状態において前記作動部材と前記スイッチが近接した状態になり、前記作動部材の突出位置及び退入位置にて前記スイッチを切換えてなる、
ことを特徴とする作業車輌。
【請求項2】
前記作業機が、ロータリ作業機であり、
前記ロータリ作業機に配置された部材が、リヤカバーであり、
前記操作部材が、前記リヤカバーを耕耘位置と代掻き位置とに切換える操作レバーであり、
前記ロータリ作業機は、前記装着装置の上部に連結される、2枚のプレートからなるトップマストを有し、
前記作動部材は、前記トップマストの2枚のプレートの間に配置されてなる、
請求項1記載の作業車輌。
【請求項3】
前記作動部材は、スプリングにより前記退入位置に付勢され、かつ前記操作レバーの代掻き位置への操作により連動部材に当接して、前記スプリングに抗して前記突出位置になり、
前記リヤカバーの耕耘位置にあっては、前記作動部材が退入位置に保持されてなる、
請求項2記載の作業車輌。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体の後方に作業機を装着して作業を行う作業車輌に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタ等の走行機体の後部に、例えば、ロータリ等の作業機を装着して耕耘や代掻きを行う作業車輌においては、作業機側の可動部材、例えば、ロータリのメインカバーの回動を検知する回転検知スイッチが作業機側に配置され、該回転検知スイッチとトラクタ側に配置された制御部との間を配線で接続するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−303805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような作業車輌においては、ロータリ本体に配置された回転検出スイッチとトラクタに配置された制御部とを配線で接続する構成であるため、トラクタとロータリとをオートヒッチで自動着脱した場合でも、別途作業で配線の着脱を行わなければならず作業が煩雑になっていた。
【0005】
また、トラクタとロータリを切離し、トラクタのみを移動させる場合、配線の切離しを忘れていると配線を切断してしまうなど、トラブルの原因ともなっていた。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑み、走行機体と作業機の間の配線を無くした作業車輌を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、走行機体(10)に作業機(20)を着脱自在に装着した作業車輌において、前記作業機(20)に配置された部材を移動操作する操作部材(34)と、前記作業機(20)に配置され、該操作部材(34)に連動して突出位置と退入位置に移動する作動部材(36)と、前記走行機体(10)における作業機装着装置に配置されたスイッチ(18)と、を備え、前記作業機(20)を装着した状態において前記作動部材(36)と前記スイッチ(18)が近接した状態になり、前記作動部材(36)の突出位置及び退入位置にて前記スイッチ(18)を切換えてなる、ことを特徴とする作業車輌にある。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、前記作業機が、ロータリ作業機(20)であり、前記ロータリ作業機(20)に配置された部材が、リヤカバー(26)であり、前記操作部材が、前記リヤカバー(26)を耕耘位置と代掻き位置とに切換える操作レバー(34)であり、前記ロータリ作業機(20)は、前記装着装置の上部に連結される、2枚のプレートからなるトップマスト(30)を有し、前記作動部材(36)は、前記トップマスト(30)の2枚のプレートの間に配置されてなる、請求項1記載の作業車輌にある。
【0009】
さらに、請求項3記載の発明は、前記作動部材(36)は、スプリング(38)により前記退入位置に付勢され、かつ前記操作レバー(34)の代掻き位置への操作により連動部材(32)に当接して、前記スプリング(38)に抗して前記突出位置になり、前記リヤカバー(26)の耕耘位置にあっては、前記作動部材(36)が退入位置に保持されてなる、請求項2記載の作業車輌にある。
【0010】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る本発明によると、スイッチを走行機体側に設け、上記スイッチを操作する作動部材を作業機側に設けたので、作業機を走行機体に装着すると自動的に作動部材がスイッチ操作可能となり、作業機側の配線を走行機体の制御部にコネクタで連結するものに比し、連結忘れ又は配線の断線による作動不良を生じることがない。
【0012】
また、スイッチを走行機体の装着装置部分に、作動部材を作業機にそれぞれ設ければよく、構造がシンプルで故障の発生も少なく、かつ配線等がないので、外観も良好となる。
【0013】
請求項2に係る本発明によると、作動部材がトップマストの2枚のプレートの間に配置されるので、作動部材更にはスイッチも、トップマストに保護されて、外力による変形や故障を少なくすることができる。
【0014】
請求項3に係る本発明によると、作動部材は、標準位置である耕耘状態にあっては退入位置にあり、作業機を装着装置から外した場合にあっても、作動部材は退入位置に保持されて、外力により変形することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、ロータリによる深耕耘作業状態を示す側面図、図2は、ロータリによる代掻き作業状態を示す側面図、図3は、図1の要部を拡大した部分断面側面図、図4は、図2の要部を拡大した部分断面側面図、図5は、ロータリの斜視図である。
【0016】
図1乃至図4において、トラクタ(走行機体)10の後方下部の左右に揺動可能に支持された一対のロアリンク11(11)と、トラクタ10の後方上部にトップブラケット12を介して揺動可能に支持されたトップリンク13で3点リンクが構成される。前記ロアリンク11及びトップリンク13の一端には、オートヒッチ14が配置されている。そして、前記オートヒッチ14を介してロータリ作業機20が着脱可能に装着される。なお、前記ロータリ作業機20は、前記トラクタ10側に設けられた制御部(図示せず)により耕耘、代掻き等の作業に応じた制御が行われる。
【0017】
前記オートヒッチ14の中央部に設けられたヨークジョイントカバー16には、前記ロータリ作業機20の作業状態(耕耘、代掻き)を検出するためのスイッチ18が固定され、前記制御部に接続されている。即ち、前記スイッチ18は、ロータリ作業機20の作業状態を検出し、前記制御部に耕耘作業時には、制御感度を敏感にしてきめ細かい深さ制御を行わせ、代掻き作業時には制御感度を鈍くしてバタバタ動き過ぎないようにすることにより、適正な制御を行わせる。
【0018】
前記ロータリ作業機20は、装置フレーム21の下方にロータリ爪22が回転可能に支持されている。前記ロータリ爪22は、その上方及び両側方をメインカバー(ロータリカバー)23で覆われている。前記メインカバー23の後部には、固定支持された中間カバー24と、軸25を介して揺動可能に支持されたリヤカバー26が配置され、吊りロッド27で連結されている。
【0019】
前記装置フレーム21の上部には、軸28を介して左右一対のトップマスト30(30)が揺動可能に支持されている。前記トップマスト30(30)の中央部に回動可能に支持された軸31には、リンクアーム32が固定支持され、該リンクアーム(連動部材)32の一端と前記メインカバー23の間がロッド33で連結されている。
【0020】
前記軸31には、操作レバー34が固定されている。前記操作レバー34は、前記トップマスト30に配置されたガイド35に沿って操作され、その操作位置(耕運位置、代掻き位置)で保持されるようになっている。
【0021】
スイッチロッド(操作部材)36は、一端が前記スイッチ18と対向し、かつ、他端が前記リンクアーム32の回転領域内に突出するように、ブラケット37を介して前記トップマスト30に支持され、スプリング38で前記スイッチ18から離間する退入位置に向けて付勢されている。
【0022】
前記トラクタ10側からヨークジョイント41を介してロータリ作業機20側に伝達されるロータリ爪22の駆動力は、図5に示すようにギヤケース42に入力される。このギヤケース42は、左右に伸びる軸ケース43L、43Rを介してサイドプレート44、チェーンケース45によって支持されている。
【0023】
前記ギヤケース42に伝達された動力は、前記軸ケース43L、43R内に回転可能に支持された駆動軸(図示せず)を介して前記前記チェーンケース45に伝達される。さらに、前記チェーンケース45に伝達された動力は、前記チェーンケース内に移動可能に配置されたチェーン(図示せず)によって、前記ロータリ爪22に伝達され、該ロータリ爪22を回転駆動する。
【0024】
前記の構成で、耕耘作業を行う場合、図1、図3に示すように、ロータリ作業機20を下降させた状態で操作レバー34をガイド35に沿って耕耘位置(走行機体10側)へ移動させる。すると、軸31を介してリンクアーム32が反時計方向に揺動し、ロッド33を引き上げる。このロッド33の上昇によりメインカバー23の後端側が引き上げられて、リヤカバー26も引き上げられる。即ち、リヤカバー26はロータリ爪22で耕される土の飛散を防止する高さに位置決めされる。
【0025】
このとき、スイッチロッド36はスプリング38に高圧力によって、退入位置(図1、図3では、図の左方向)に付勢され、スイッチ18とは離間した位置にある。このためスイッチ18は、OFF(又は、ON、以下スイッチ18が押されている場合をON、押されていない場合をOFFとして説明する)状態になっている。このスイッチ18の信号を制御部が検知して、その制御感度を敏感にして耕耘深さを制御する。
【0026】
一方、代掻き作業を行う場合、図2、図4に示すように、ロータリ作業機20を上昇させた状態で、操作レバー34をガイド35に沿って代掻き位置(反走行機体10側)へ移動させる。すると、軸31を介してリンクアーム32が時計方向に揺動し、ロッド33を押し下げる。このロッド33の下降によりメインカバー23の後端部が押し下げられて、リヤカバー26も押し下げられる。即ち、リヤカバー26は、耕耘作業時よりも急な傾斜となる代掻き位置に設定される。
【0027】
このとき、スプリング38の抗圧力によって退入位置に位置決めされていたスイッチロッド36は、その一端がリンクアーム32によって押され、スプリング38の抗圧力に抗してスイッチ18側に押し出され、スイッチ18を押し操作する。すると、スイッチ18がONとなり、このON状態が保持される。このスイッチ18のON信号を制御部が検知し、その制御感度を鈍くして適正な代掻き作業を行う。
【0028】
前記実施の形態に述べたように、走行機体10側に配置したスイッチ18を、ロータリ作業機20側に配置した操作レバー34の操作によりON、OFF操作するようにしたので、走行機体10とロータリ作業機20との間を結ぶ配線が不要となり、ロータリ作業機20の着脱の際の煩雑な作業をなくすことができる。また、配線の断線等のトラブルをなくすことができる。
【0029】
また、スイッチロッド36を一対のトップマスト30の間に配置したので、ロータリ作業機20をトラクタ10に装着した場合、あるいはトラクタからロータリ作業機を外した場合にも、外力からスイッチロッド36を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ロータリによる深耕耘作業状態を示す側面図。
【図2】ロータリによる代掻き作業状態を示す側面図。
【図3】図1の要部を拡大した部分断面側面図。
【図4】図2の要部を拡大した部分断面側面図。
【図5】ロータリの斜視図。
【符号の説明】
【0031】
10…走行機体(トラクタ)
18…スイッチ
20…作業機(ロータリ作業機)
26…リヤカバー
30…トップマスト
32…連動部材(リンクアーム)
34…操作部材(操作レバー)
36…作動部材(スイッチロッド)
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
【出願日】 平成16年3月1日(2004.3.1)
【代理人】 【識別番号】100082337
【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫

【公開番号】 特開2005−245226(P2005−245226A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−56854(P2004−56854)