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【発明の名称】 農作業車
【発明者】 【氏名】山本 明
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる産業株式会社内

【要約】 【課題】畝幅及び畝間が狭い場合でも、機体を安定させることができるとともに、機体の大型化を抑制することができるようにする。

【解決手段】本発明の農作業車1は、畝Uを跨ぐように配設された左右の前輪2,2及び左右の後輪3,3により畝長さ方向である前後方向に走行自在に支持された機体4を備えている。そして、左右の前輪2,2は一つの畝Uを跨ぐように配設され、左右の後輪3,3は三つの畝Uを跨ぐように配設されている。また、左右の後輪3,3は、互いの間隔を調節可能に機体4に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
畝を跨ぐように配設された左右の前輪及び左右の後輪により畝長さ方向である前後方向に走行自在に支持された機体を備えた農作業車であって、
前記前輪又は前記後輪のいずれか一方の両車輪は一つの畝を跨ぐように配設され、他方の両車輪は複数の畝を跨ぐように配設された農作業車。
【請求項2】
前記他方の両車輪を駆動する駆動部を備えた請求項1記載の農作業車。
【請求項3】
畝の側面に周面が当接し前記機体の進行に伴って転動するように畝の両側にそれぞれ配設された一対の畝ガイドローラを少なくとも1組備えた請求項1又は2記載の農作業車。
【請求項4】
前記一対の畝ガイドローラは、前記機体の後方に設けられ、畝の側面に前記周面が当接する稼働状態と、畝の上方に退避した退避状態とのいずれか一方の状態に切り替え可能に支持された請求項3記載の農作業車。
【請求項5】
地面に接地する接地部と、該接地部に対して前記機体を支持する支持部とを備えており、前記前輪又は/及び前記後輪を地面から浮かせた状態で前記機体を旋回可能に地面に対して支持する旋回スタンドを前記機体の左右両側にそれぞれ設けた請求項1〜4のいずれか一項に記載の農作業車。
【請求項6】
前記他方の両車輪は、互いの間隔を調節可能に機体に設けられた請求項1〜5のいずれか一項に記載の農作業車。
【請求項7】
前記他方の両車輪は、互いの間隔を調節可能に機体に設けられ、
前記両旋回スタンドは、互いの間隔が、前記他方の両車輪の互いの間隔と一体的に調節されるように機体に設けられた請求項1〜5のいずれか一項に記載の農作業車。
【請求項8】
前記両旋回スタンドは、前記他方の両車輪の間に設けられた請求項7記載の農作業車。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、畝の上面にシートを張り又は回収したり、畝に野菜・花の種・苗を植えたり、畝やそこに植えられた野菜・花に肥料、薬液、水等を散布したり、畝上面付近の低位置に支持された座席に腰掛けて圃場の畝に対して農作業をしたりするための各種農作業車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の農作業車として、特許文献1に記載されたものを例示する。図7に示すように、この農作業車81は、前部にバッテリー及び左右一対の前輪83を有し、後部には左右一対の後輪84と該後輪84を回転駆動する走行モータ85及びミッションケース86と後方に向けて突設した操縦ハンドル部87とを備えている。農作業車81は、圃場内の畝Uを跨ぐように前輪83及び後輪84が畝間を走行し、乗車部88に着座し足を左右のステップ90上に載せた状態にある作業者が苗載せ台91上の苗を取り出しては作業空間部99から畝Uの上面に苗を植え付けていくようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−38008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、畝Uの幅が狭く、しかも畝U同士の間隔が狭い場合、従来例の構成では次の課題がある。
(1)左右の車輪83,84の間隔が狭くなり、機体幅も狭くなるので、機体が不安定になってしまう。仮に、左右の車輪83,84が複数の畝Uを跨ぐように構成することも考えられるが、そうすると機体の幅が広くなり、機体が大型化してしまう。
【0005】
(2)左右の車輪84の間隔が狭くなり、両車輪84の間に乗車部88を配設することが困難になる。そして、例えば、機体幅を変更せずに両車輪84と乗車部88とが干渉しないようにするには、両車輪84を乗車部88の後側にずらしたり、乗車部88を車輪84の上方にずらしたりする必要がある。前者では機体の長さが長くなり、旋回等の取り回しの作業性が低下するし、後者では畝上面と乗車部88との相対距離が離れ、作業性が低下する。
【0006】
(3)畝U同士が接近しているため、複数の畝Uに対して一度に農作業を行うことも考えられるが、そうすると、畝の端部で農作業車81に複数の畝Uを跨がせて畝替わりさせなければならず、畝替わりし難い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の発明の農作業車は、
畝を跨ぐように配設された左右の前輪及び左右の後輪により畝長さ方向である前後方向に走行自在に支持された機体を備えた農作業車であって、
前記前輪又は前記後輪のいずれか一方の両車輪は一つの畝を跨ぐように配設され、他方の両車輪は複数の畝を跨ぐように配設されている。
【0008】
この構成によれば、前記一方の両車輪については互いの間隔が狭く設定されており、前記他方の両車輪についてのみ互いの間隔が広く設定されているので、前記機体の大型化を抑制することができる。そして、前記他方の両車輪については、互いの間隔が広く設定されているので、前記機体を安定させることができるとともに、該他方の両車輪の間に座席や作業空間を配設することができる。
【0009】
第2の発明の農作業車としては、第1の発明において、前記他方の両車輪を駆動する駆動部を備えた態様を例示する。
【0010】
この構成によれば、前記他方の両車輪は互いの間隔が広く設定されているので、前記駆動部の駆動力を効率的に地面に伝達することができる。
【0011】
第3の発明の農作業車としては、第1又は2の発明において、畝の側面に周面が当接し前記機体の進行に伴って転動するように畝の両側にそれぞれ配設された一対の畝ガイドローラを少なくとも1組備えた態様を例示する。
【0012】
この構成によれば、左右一対の畝ガイドローラを、少なくとも1組備えているので、直線状に形成されていない畝や、傾斜地の等高線に沿って設けられた畝でも、機体全体を確実に畝に沿って走行させることができる。このため、作業者は農作業に集中することができる。なお、この作用効果は、1組の前記畝ガイドローラを前記前輪の前方に設けた場合に、最も効率よく発揮される。
【0013】
第4の発明の農作業車としては、第3の発明において、前記一対の畝ガイドローラは、前記機体の前方又は後方に設けられ、畝の側面に前記周面が当接する稼働状態と、畝の上方に退避した退避状態とのいずれか一方の状態に切り替え可能に支持された態様を例示する。
【0014】
この構成によれば、例えば、畝上で前記機体を旋回させて向きを変更するときや、畝のない場所を走行するとき等、前記畝ガイドローラを使用しないときは、該畝ガイドローラを前記退避状態に適宜切り替えることができる。
【0015】
第5の発明の農作業車としては、第1〜4のいずれかの発明において、地面に接地する接地部と、該接地部に対して前記機体を支持する支持部とを備えており、前記前輪又は/及び前記後輪を地面から浮かせた状態で前記機体を旋回可能に地面に対して支持する旋回スタンドを前記機体の左右両側にそれぞれ設けた態様を例示する。
【0016】
この構成によれば、畝上で前記機体を旋回させて向きを変更するときは、該旋回方向側の前記旋回スタンドによって、前記機体を旋回可能に地面に対して支持させておき、前記機体の反旋回方向側を作業者が持ち上げて、前記旋回スタンドを中心に前記機体を一点旋回させることができる。このため、機体の向きの変更を一人の作業者で行うことができる。このとき、前記旋回スタンドは、前記前輪又は/及び前記後輪を地面から浮かせた状態で支持するようになっているので、前記機体の旋回時に車輪が畝に接触し難くすることができ、該旋回時に畝を崩すことを防止することができる。
【0017】
第6の発明の農作業車としては、第1〜5のいずれかの発明において、前記他方の両車輪は、互いの間隔を調節可能に機体に設けられた態様を例示する。
【0018】
この構成によれば、畝幅に応じて両車輪の間隔を調節することができ、また、畝のない場所を走行するときは、前記他方の両車輪の間隔が狭くなるように調節すれば、狭い場所を走行させることができるとともに、旋回等の取り回しの作業性を向上させることができる。
【0019】
第7の発明の農作業車としては、第1〜5のいずれかの発明において、前記他方の両車輪は、互いの間隔を調節可能に機体に設けられ、
前記両旋回スタンドは、互いの間隔が、前記他方の両車輪の互いの間隔と一体的に調節されるように機体に設けられた態様を例示する。
【0020】
この構成によれば、前記他方の両車輪の間隔に関わらず、該両車輪のいずれかに対する一定の位置(例えば車輪の略直下方)を中心に前記機体を旋回させることができる。車輪は地面に接する部位であって、農作業車全体で地面に最も近い位置に配設された部位であるので、旋回時に該車輪で畝を崩さないように、この部位を地面から確実に持ち上げて前記機体を旋回させることができるようになっている。
【0021】
第8の発明の農作業車としては、第7の発明において、前記両旋回スタンドは、前記他方の両車輪の間に設けられた態様を例示する。
【0022】
この構成によれば、前記他方の車輪の外側に設ける場合に比べ、前記旋回スタンドが農作業車の重心の近くに位置することになり、該旋回スタンドを該機体に支持する部位に加わる荷重を軽減することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る農作業車によれば、畝幅及び畝間が狭い場合でも、機体を安定させることができるとともに、機体の大型化を抑制することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1〜図6は本発明を具体化した一実施形態の農作業車1を示している。この農作業車1は、畝Uを跨ぐように配設された左右の前輪2,2及び左右の後輪3,3により畝長さ方向である前後方向に走行自在に支持された機体4と、前輪2の前側において畝Uの両側にそれぞれ位置するように設けられた一対の畝ガイドローラ9,9と、後輪3,3の後方において畝Uの両側にそれぞれ位置するように設けられた一対の畝ガイドローラ9,9と、両後輪3,3の内側にそれぞれ設けられた一対の旋回スタンド5,5と、該機体4により畝上面付近の低位置に支持された座席6と、エンジン31により後輪3,3を駆動する駆動部7と、両前輪2,2の略上方に支持された作業台としての苗載せ台8と、座席6の後側に支持されて予備苗ケース(図示略)を載置する予備苗ケース支持部10とを備えている。なお、各図において、矢印Fは機体前側を指し示している。
【0025】
機体4は、左右の側枠部11,11と、前後の横枠部12,12とにより矩形枠状に形成されたフレーム本体13と、該フレーム本体13の後部に取り付けられ、左右に延びる横フレーム14と、該横フレーム14の両端部にそれぞれ取り付けられたサブフレーム15,15とを備えている。
【0026】
機体4の前部において、横枠部12の両端側には、支持部16を介して畝ガイドローラ9が回転自在に支持されている。また、側枠部11の前端側には、機体旋回時に機体4を持ち上げるための旋回取手21が設けられ、その後側には前脚部17を介して前輪2が回転自在に、かつ方向転回しないように支持されている。
【0027】
側枠部11の長さ方向の中間部は、畝間上面付近の低位置となるように下方に張り出した形状に形成されている。この中間部には、足載せ18,18が機体内方に向けて突設されるとともに、該足載せ18,18の後方には農作業車1の収納時に機体4を二つ折り状にするための関節部19が設けられている。右側(左側又は両側とすることもできる)の足載せ18の前方には、駆動部7による後輪3の駆動を操作する駆動調節ペダル20が設けられており、該駆動調節ペダル20が押し下げられるとワイヤ23を介して連結された第一クラッチ(図示略)が切れ、エンジン31と駆動部7との間の動力を伝動しなくなるようになっている。両側枠部11,11における前記中間部のすぐ後には、座席支持フレーム6aが架け渡されており、該フレーム6aには、作業者が畝長さ方向に向かって着座するように座席6が支持されている。この座席支持フレーム6aは、側枠部11に対して上下位置調節可能に支持されており、これにより座席6の高さが調節可能になっている。機体4における座席6前方の空間と、該空間の機体4側方の空間は、作業者が畝に対して苗Pを植え付けるための作業空間Wとなっている。また、座席6の右側の側枠部11には、エンジン31の回転数を調節するスロットルレバー22が配設されている。
【0028】
機体4の後部には、駆動部7が支持されている。また、機体4の後端部には、畝ガイドローラ9の取付部25が機体後方へ突設されている。取付部25の先端部は、平面視で左右方向における機体内方へ向いて延びており、該先端部に設けられた支持部16に畝ガイドローラ9が回転自在に支持されている。
【0029】
取付部25は、図4及び図5に示すように、その基端側に、左右方向に延びる軸25aを有している。この軸25aは、機体4の後端部において、軸長さ方向へスライド自在な状態で軸支されるとともに、付勢手段としてのバネ26で軸長さ方向における一方(本例では機体内方)へ付勢されている。そして、前記一方へ付勢された取付部25を、畝Uの側面に畝ガイドローラ9の周面が当接する稼働状態Sraと、畝ガイドローラ9が畝の上方に退避した退避状態Srbとにおいて、それぞれ係止する係止凹部27a,27bを有する係止板27が機体4の後端部に設けられている。取付部25の基端側には握り28が設けられている。取付部25の状態の切り替えは、この握り28により、バネ26の付勢に逆らって取付部25を一方の係止凹部27a(又は27b)から外し(図4の二点鎖線の状態)、回動させ、他方の係止凹部27b(又は27a)に係止させることにより行う。このように、機体4の後部に設けられた畝ガイドローラ9は、稼働状態Sraと退避状態Srbのいずれか一方の状態に切り替え可能に支持されている。
【0030】
横フレーム14は、角筒体からなる横フレーム本体14aと、該横フレーム本体14a両側の筒穴に左右スライド可能に挿入されるとともに、固定ボルト14cで位置固定されたスライドフレーム14bとからなっており、横フレーム本体14aに対する各スライドフレーム14bの固定位置を調節することにより、左右のサブフレーム15の間隔を調節することができるようになっている。
【0031】
サブフレーム15には、回転自在に、かつ方向転回しないように後輪3が支持されるとともに、該後輪3の機体側には、旋回スタンド5が取り付けられている。
【0032】
旋回スタンド5は、図5に示すように、後輪3の略直下方の地面に接地する接地部5aと、該接地部5aに対して機体4を支持する支持部5bとを備えており、後輪3を地面から浮かせた状態で機体4を旋回可能に地面に対して支持するようになっている。本例の接地部5aは、その接地面が略半球形状に形成されており、地面に対して回転可能に接地するように構成されている。この旋回スタンド5は、接地部5aが地面に接地して機体4を支持する支持状態Ssaと、該接地部5aが地面から離れて機体4を支持しない退避状態Ssbとの間で、移動可能に設けられるとともに、状態保持手段としての引張バネ部材29によって旋回スタンド5を支持状態Ssa又は退避状態Ssbのいずれかの状態に選択的に保持させるようになっている。
【0033】
駆動部7は、原動機としてのエンジン31と、該エンジン31に連結された減速ミッション32と、該減速ミッション32に連結された動力伝動機構33とを備えている。減速ミッション32は無段変速機構を内蔵しており、これを変速レバー34により調節可能になっている。これにより、植え付けピッチや作業者の作業スピードに応じて適宜減速量を調節することができる。例えば高速走行時のエンジン31の回転数を抑制することができるので、低騒音かつ省エネルギーを実現できる。減速ミッション32の変速機構としてはこれに限定されず、例えば2段変速機構を採用するようにしてもよい。この動力伝動機構33は、機体4に回転自在に支持されて左右に延びる伝動軸35を備えており、減速ミッション32の出力は、第二クラッチ36を介して伝動軸35に伝動される。そして、伝動軸35の回転は、その両端に設けられた伝動要素37(本例ではチェーン伝動機構)を介して後輪3の軸に伝動されるようになっている。伝動軸35は、両サブフレーム15,15の間隔に応じて両端側が伸縮するように、横フレーム14と同様に構成されている。第二クラッチ36は、スロットルレバー22の後側に設けられたクラッチレバー38により入切の切り替えが行えるようになっている。この第二クラッチ36を切ると、作業者の作業スピード等に応じた低速走行用に減速比が大きく設定され抵抗の大きい減速ミッション32から伝動軸35を切り離すことができる。これにより伝動軸35が回転自在となるので、例えばこの農作業車1を人力で走行させる場合等に少ない力で走行させることができるようになる。
【0034】
畝ガイドローラ9は、支持部16により、取付部25に対して、左右方向における相対的な位置、相対的な傾き、相対的な高さを調節可能に支持されており、図2に示すように、軸9aに回転自在に支持された比較的硬質の円柱体45と、該円柱体45の周面に配設されたクッション材46とを備えている。ここで、比較的硬質の円柱体45を採用しているのは、円柱体45の周面が畝Uの側面をしっかりと押さえることができるようにし、これにより、機体4の進行方向を畝Uに沿わせやすくするためである。また、円柱体45の周面にクッション材46を配設しているのは、畝Uの表面に張られたマルチフィルムを傷めないようにするためである。
【0035】
苗載せ台8は、前側の横枠部12に、平面視で回動可能かつ前後左右の位置調節可能に取り付けられるとともに、側面視で上下に回動可能に取り付けられており、作業者の体格や畝Uの高さ等に応じて位置を調節することができるようになっている。
【0036】
予備苗ケース支持部10は、図6に示すように、左右一対の前脚部51と、左右一対の後脚部52とを備えており、該各脚部51,52は、支持片53を介して機体4に着脱可能に支持されている。予備苗ケース支持部10は左右対称の構成であるので、以下左側についてのみ説明すると、前脚部51及び後脚部52は、側面視で略ハ字状に配設されている。前脚部51の下端部51aは、その先端が略上方へ向くようにフック状(略J字状)に折曲形成されており、後脚部の下端部52aは、その先端が略後方へ向くよう(略L字状)に折曲形成されている。この予備苗ケース支持部10を機体4に取り付けるには、まず、前脚部51の下端部51aを、前側の支持片53に設けられた被係止穴に後側から嵌入する(図6に二点鎖線で示す状態)。次に、後脚部52を前方に弾性変形させて、後側の支持片53に設けられた被係止穴に前側から嵌入し係止し、下端部51aに被係止穴からの外れ止め手段54(ピン等)を取り付ける(図6に実線で示す状態)。この構成によれば、予備苗ケース支持部10を簡単に機体4に着脱することができる。しかも、座席6に座った作業者が予備苗ケース支持部10にもたれ掛かって、該予備苗ケース支持部10が後方へ押されたとしても、前脚部51の下端部51aが略上方を向くフック状に折曲形成されているので、該下端部51aが前側の支持片53から外れることがない。また、前脚部51及び後脚部52はハ字状に配設されるとともに、それらの下端部51a,52aが前後の支持片53,53により挟持された状態となっているので、予備苗ケース支持部10に予備苗ケースが載置されると、その重量により、下端部51a,52aがそれぞれ前後の支持片53,53に押し付けられて、確実に係止されるようになっている。
【0037】
以上のように構成された本発明の農作業車1によれば、両前輪2,2は一つの畝Uを跨ぐように配設され、両後輪3,3は複数の畝Uを跨ぐように配設されている。このように、両前輪2,2については互いの間隔が狭く設定されており、両後輪3,3についてのみ互いの間隔が広く設定されているので、機体4の大型化を抑制することができる。そして、両後輪3,3については、互いの間隔が広く設定されているので、機体4を安定させることができるとともに、該両後輪3,3の間に座席6や作業空間Wを配設することができる。本農作業車1は機体4が安定しているので、作業者は、両前輪2,2の間の畝Uと、その両側の畝Uとの計3つの畝Uに対して一度に作業を行うことができる。
【0038】
また、駆動部7は互いの間隔が広く設定されている両後輪3,3を駆動するようになっているので、駆動部7の駆動力を効率的に地面に伝達することができる。
【0039】
また、左右一対の畝ガイドローラ9,9を前後に2組備えているので、直線状に形成されていない畝Uや、傾斜地の等高線に沿って設けられた畝Uでも、機体4全体を確実に畝Uに沿って走行させることができる。このため、作業者は農作業に集中することができる。
【0040】
また、左右一対の畝ガイドローラ9,9は、畝Uの側面に畝ガイドローラ9の周面が当接する稼働状態Sraと、畝Uの上方に退避した退避状態Srbとのいずれか一方の状態に切り替え可能に支持されているので、例えば、畝U上で機体4を旋回させて向きを変更するときや、畝Uのない場所を走行するとき等、畝ガイドローラ9を使用しないときは、該畝ガイドローラ9を退避状態Srbに適宜切り替えることができる。
【0041】
また、旋回スタンド5を機体4の左右両側にそれぞれ設けているので、畝U上で機体4を旋回させて向きを変更するときは、該旋回方向側の旋回スタンド5によって、機体4を旋回可能に地面に対して支持させておき、機体4の反旋回方向側の旋回取手21を作業者が持ち上げて、旋回スタンド5を中心に機体4を一点旋回させることができる。このため、機体4の向きの変更を一人の作業者で行うことができる。このとき、旋回スタンド5は、後輪3を地面から浮かせた状態で支持するようになっているので、機体4の旋回時に後輪3を畝Uに接触し難くすることができ、該旋回時に畝Uを崩すことを防止することができる。
【0042】
また、両後輪3,3は、互いの間隔を調節可能に機体4に設けられているので、畝幅に応じて両車輪の間隔を調節することができ、また、畝Uのない場所を走行するときは、図1及び図2に二点鎖線で示すように、両後輪3,3の間隔が狭くなるように調節すれば、狭い場所を走行させることができるとともに、旋回等の取り回しの作業性を向上させることができる。
【0043】
また、両旋回スタンド5,5は、互いの間隔が、両後輪3,3の互いの間隔と一体的に調節されるように機体4に設けられているので、両後輪3,3の間隔に関わらず、両後輪3,3のいずれかにおける略直下方を中心に機体4を旋回させることができる。後輪3は、地面に接する部位であって、農作業車1全体で前輪2と並んで地面に最も近い位置に配設された部位であるので、旋回時に後輪3で畝Uを崩さないように、この部位を地面から確実に持ち上げて機体4を旋回させることができるようになっている。また、本例の農作業車1では、作業者が計3つの畝Uに対して一度に作業を行うようになっているが、これに対応して、本例の旋回スタンド5によれば、旋回時に3つ隣の畝Uに畝替わりすることができるようになっている。
【0044】
また、両旋回スタンド5,5は、両後輪3,3の間に設けられているので、両後輪3,3の外側に設ける場合に比べ、旋回スタンド5が農作業車1の重心の近くに位置することになり、該旋回スタンド5を該機体4に支持する部位に加わる荷重を軽減することができる。
【0045】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)両前輪2,2の間隔を調節可能に構成すること。
(2)両後輪3,3が4以上の畝Uを跨ぐように配設された構成とすること。
(3)両後輪3,3が一つの畝Uを跨ぐように配設され、両前輪2,2が複数の畝Uを跨ぐように配設された構成とすること。
(4)エンジン31に代えて電動モータを採用すること。
(5)畝ガイドローラ9,9を省き、前輪2又は/及び後輪3を操向可能に構成すること。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を具体化した一実施形態に係る農作業車の平面図である。
【図2】同農作業車の後面図である。
【図3】同農作業車の左側面図である。
【図4】図3のIV矢視図である。
【図5】図1のV矢視図である。
【図6】同農作業車の予備苗ケース支持部を示す左側面図である。
【図7】従来の農作業車の平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 農作業車
2 前輪
3 後輪
4 機体
5 旋回スタンド
7 駆動部
8 苗載せ台
9 畝ガイドローラ
10 予備苗ケース支持部
14 横フレーム
15 サブフレーム
16 支持部
25 取付部
27 係止板
31 エンジン
32 減速ミッション
33 動力伝動機構
35 伝動軸
36 第二クラッチ
38 クラッチレバー
P 苗
Sra 畝ガイドローラの稼働状態
Srb 畝ガイドローラの退避状態
U 畝
W 作業空間
【出願人】 【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地
【出願日】 平成16年1月30日(2004.1.30)
【代理人】 【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一

【公開番号】 特開2005−210999(P2005−210999A)
【公開日】 平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願番号】 特願2004−23780(P2004−23780)