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【発明の名称】 除草機
【発明者】 【氏名】岡本 善嗣
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる産業株式会社内

【氏名】幡上 宏政
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる産業株式会社内

【氏名】大倉 嗣之
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる産業株式会社内

【要約】 【課題】圃場条件に対応して確実に除草できるようにする。

【解決手段】車輪12、13に支持された機体11に土壌表面DHに接地して除草を行う除草手段14を設け、除草手段14は機体11側に上端16aを連結された引張バネ16の下端16bに連結されて吊り下げられ、除草手段14は引張バネ16の伸縮により土壌表面DHに追従可能としている。また、機体11には引張バネ16の上端16aの位置を調節する位置調節手段15を備え、位置調節手段15により引張バネ16を昇降させて除草手段14の土壌表面DHへの接地圧を調整できる構成としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪に支持された機体に土壌表面に接地して除草を行う除草手段を設け、該除草手段は機体側に上端を連結された引張バネの下端に連結されて吊り下げられ、
上記除草手段は上記引張バネの伸縮により土壌表面に追従可能な構成としていることを特徴とする除草機。
【請求項2】
上記機体には上記引張バネの上端の位置を調節する位置調節手段を備え、該位置調節手段により上記引張バネを昇降させて上記除草手段の土壌表面への接地圧を調整できる構成としている請求項1に記載の除草機。
【請求項3】
複数の苗が条植えされた水田に生育する雑草を除草するものであって、
上記除草手段は、土壌表面に接地されるソリあるいは/および鎮圧ロータにより条間の雑草を押し埋めると共に、複数の羽板部が放射状に突出した回転羽根部材あるいは/およびスプリング爪により同一条の苗間の雑草を掻き出して除草する構成としている請求項1に記載の除草機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、除草機に関し、詳しくは、水田に条植えされた苗の周囲に生育する雑草を除草するためのものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水田の苗周囲に生育する雑草を除草するための装置として、特開2002−204603号公報において図6に示すような除草装置1が開示されている。
除草装置1は、駆動源2により車輪3を回転させて走行し、車輪3の前方に除草部4を設けていると共に、後方に乗用部5を牽引するように備えている。除草部4は、羽板部を放射状に突出した回転除草機構6と、回転除草機構6の後方に配置した除草ローター7と、回転除草機構6の前方に配置したソリ部8とを備えている。
作業者は、上記除草装置1の乗用部5に乗ってハンドル操作しながら走行し、回転除草機構6で雑草を掻き出して除草すると共に、回転除草機構6によっては除草されなかった雑草を除草ローター7によって土壌内に押し埋めて死滅させるようにしている。
【0003】
しかしながら、上記除草装置1の場合、除草部4は機体に対して固定的に設けられているため、除草部4の土壌への接地圧を調節することはできない問題がある。ソリ部8が土壌表面を滑ることで除草部4をある程度は追従させることができるが、圃場条件に応じて雑草を確実に除草できるためには、表土が硬い場合には接地圧を大きくする一方、表土が柔らかい場合には接地圧を小さくすることができることが望まれる。
【特許文献1】特開2002−204603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、除草手段の土壌への接地圧を調整可能として、異なる圃場条件でも確実に除草できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、車輪に支持された機体に土壌表面に接地して除草を行う除草手段を設け、該除草手段は機体側に上端を連結された引張バネの下端に連結されて吊り下げられ、
上記除草手段は上記引張バネの伸縮により土壌表面に追従可能な構成としていることを特徴とする除草機を提供している。
【0006】
上記構成とすると、引張バネにより除草手段を機体から吊り下げる構造としているので、土壌耕盤(車輪が沈まない層)に凹凸があり機体が上下動する場合や土壌表面に凹凸がある場合でも、引張バネの伸縮作用により、除草手段が土壌表面の起伏に追従して適切な接地圧が維持され、確実に除草を行うことができる。
【0007】
上記機体には上記引張バネの上端の位置を調節する位置調節手段を備え、該位置調節手段により上記引張バネを昇降させて上記除草手段の土壌表面への接地圧を調整できる構成としていると好ましい。
【0008】
上記構成とすると、上記位置調節手段により上記引張バネを昇降させて上記除草手段の土壌への接地圧を変更可能としているので、圃場の表土硬さや深さや土質条件に対応して接地圧を最適化することができ、様々な圃場条件においても確実に除草作業を行うことができる。例えば、圃場の表土が硬い場合には位置調節手段により引張バネを降下させて除草手段の土壌表面への接地圧を大きくし、圃場の表土が柔らかい場合には引張バネを上昇させて除草手段の土壌表面への接地圧を小さくすると好適に除草を行うことができる。
【0009】
複数の苗が条植えされた水田に生育する雑草を除草するものであって、
上記除草手段は、土壌表面に接地されるソリあるいは/および鎮圧ロータにより条間の雑草を押し埋めると共に、複数の羽板部が放射状に突出した回転羽根部材あるいは/およびスプリング爪により同一条の苗間の雑草を掻き出して除草する構成としている。
【0010】
上記構成とすると、条植えされた苗の条間の雑草は上記ソリや鎮圧ロータにより水田の土壌中に埋め込んで死滅させることができると共に、同じ条の苗間(株間)やその周辺に生育する雑草については回転羽根部材やスプリング爪により土壌より掻き出して除草することができる。
また、上記除草手段の接地圧が低すぎると雑草を掻き出すことや雑草に土を被せることが不十分になる一方、接地圧が高すぎると上記除草手段が土壌に深く潜ってしまい苗を傷める問題があるが、本発明によれば、除草手段の土壌表面への接地圧を最適にすることで、除草性能を保ちながらも苗の損傷を防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、除草手段は引張バネにより吊り下げる構造としているので、土壌耕盤や土壌表面に凹凸がある場合でもその起伏を吸収して接地圧を一定に保ち確実に除草を行うことができる。また、圃場の表土硬さ、深さ、土質条件に対応して、上記位置調節手段により引張バネを昇降させて除草手段の土壌への接地圧を最適に調節することにより、様々な圃場条件において確実に除草作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は水田に条植えされた苗の周囲に生育する雑草を除草するための4条用の除草機10を示す。
除草機10は乗用型で、前後に縦断する機体11を支持する前輪12と後輪13は原動機17により回転駆動されると共に、操縦用ハンドル25および運転席14は機体11の後部中央に設けられている。
【0013】
前輪12と後輪13の間には、除草手段14をリンク部材39および油圧シリンダ40を介して上下動可能に機体11に取り付けており、引張バネ16で除草手段14を吊り下げていると共に、機体11に固定された位置調節手段15に引張バネ16の上端フック部16aを取り付けている。
【0014】
除草手段14は、引張バネ16およびリンク部材39が連結される基部20と、基部20の下方で前後方向に延在するフレーム21と、フレーム21にリンク状の取付片28を介して昇降可能に連結されたソリ22と、ソリ22の両側より斜め後方に突出して形成された弾性を有する金属棒からなるスプリング爪23と、フレーム21に取付片29を介して固定された回転羽根部材24と、フレーム21に取付片30を介して固定された鎮圧ローラ27とを備えている。
【0015】
ソリ22は、前端部22aを上方に反り返らせていると共に、後端部22bは斜め下方に傾斜させてギザギザの爪を形成している。リンク状の取付片28に取り付けられた角度調節棒43により取付片28の角度を変化させることで、ソリ22の高さを調節可能としている。
【0016】
回転羽根部材24は、ソリ22の斜め後方に前後二対配置されており、取付片29の下端に回転自在に連結された回転軸部26と、回転軸部26より放射状に突出された複数枚の羽板部25とを備えており、回転軸部26の軸線方向を図3に示すように内向きに傾斜させている。羽板部25は、回転軸部26より下方に突出すると共にその下端部25aから先端部25bにかけて斜め上方に突出しており、かつ、周方向に湾曲して形成されている。
【0017】
鎮圧ロータ27は、ソリ22の後方で且つ回転羽根部材24の斜め後方に配置されており、図1および4に示すように、円盤状の両側面44、45の間に複数本のロッド46を周状に間隔をあけて配置することで仮想円筒を形成するカゴ状としており、両側面44、45を取付片30に対して回転自在に取り付けている。また、図4に示すように、左右方向に配列された複数の鎮圧ロータ27のうち、両側に配置されるものは非対称鎮圧ロータ27Bとすると共に、その他のものは対称鎮圧ロータ27Aとしている。
非対称鎮圧ロータ27Bは、前方のソリ22の中心線Cから内側面45までの距離をd1、ソリ22の中心線Cから外側面44までの距離をd2とすると、d1>d2の関係となっており、非対称鎮圧ロータ27Bの外方への突出量を少なくして、前方のソリ22の外側縁よりも外方へは突出しないようにしている。
【0018】
位置調節手段15は、機体11にブラケット部31aを介して固定されたハウジング31に外周にネジが刻設されたネジ軸32を回転自在に固定しており、ネジ軸32の上端に調節ハンドル33を固定していると共に、ハウジング31の下方にネジ軸32が内嵌螺合された昇降棒34を突出し、調整ハンドル33を廻してネジ軸32が回転されることにより、昇降棒34が昇降される構造としている。また、第1傾動片35および第2傾動片36は、その下端が固定軸38により機体11に対して回転自在に固定されており、かつ、第1傾動片35と第2傾動片36との間の交差する角度は不変のまま固定軸38を支点として傾動される構造としている。
【0019】
引張バネ16は、上端フック部16aを第2傾動片36の先端の突起部36aに連結していると共に、下端フック部16bを除草手段14の基部20の突起部20aに連結している。
油圧シリンダ40は、その上端を機体11に固定している一方、そのピストン部41の下端の固定部42をリンク部材39に連結している。また、リンク部材39は後端を機体11の連結部11aに回転自在に取り付けていると共に、前端を除草手段14の基部20の連結部20bに回転自在に取り付けている。
【0020】
次に、除草機10を用いた除草作業について説明する。
作業者は調節ハンドル33を廻すことで除草手段14を降下させ、水田の土壌表面DHの硬さ等の条件に応じて接地圧を調節する。詳しくは、図2に示すように、調節ハンドル33を廻すことで昇降棒34が降下し、第1傾動片35が固定軸38を支点として下方に傾動するのに伴って第2傾動片36も傾動し、その上端の突起部36aが下方に移動することとなる。これにより、引張バネ16の上端フック部16aの位置も下方に移動するので、除草手段14が降下されて土壌表面DHに接地される。リンク部材39は平行を保ったまま下方に傾動すると共に油圧シリンダ40のピストン部41も降下され、油圧シリンダ40が連結されていることで除草手段14が激しく上下振動するのが防がれる。
【0021】
除草手段14のソリ22が接地した状態では、スプリング爪23、回転羽根部材24および鎮圧ロータ27は土壌表面DHより少し沈んだ状態となっている。
この際、調節ハンドル33を廻して除草手段14を降下させてソリ22が接地開始した段階で停止すると接地圧は約ゼロとなるが、更に調節ハンドル33を廻して引張バネ16を降下させると除草手段14の接地圧は増大され、引張バネ16に加わる引張力がゼロ(伸張量がゼロ)となった状態では除草手段14の全重量が土壌表面DHに負荷される。即ち、水面Sより下層の土壌表面DHの硬さや深さ等の条件に合わせて接地圧を調節することとする。なお、除草手段14の全重量でも接地圧が足りない場合には、除草手段14にウェイトを載せるようにすると良い。
【0022】
そして、図4に示すように、ソリ22、対称鎮圧ロータ27Aおよび非対称鎮圧ロータ27Bは苗Nの条間に配置していると共に、回転羽根部材24およびスプリング爪23は同じ条の苗Nを左右方向から挟み込む位置に配置している。よって、除草機10を走行させることで、ソリ22、対称鎮圧ロータ27Aおよび非対称鎮圧ロータ27Bにより条間の雑草が押し埋めて死滅させることができると共に、スプリング爪23および回転羽根部材24により同一条の苗N間の雑草を掻き出して除草することができる。
【0023】
回転羽根部材24は、図3に示すように、左右に対向して内向き傾斜された状態で軸支されており、除草機10の走行時に内側の羽板部25が土壌表面DHに接地することで自発的に回転し、羽板部25の表面で根の浅い雑草Zが掻き出される。
【0024】
また、図2に示すように、前輪12および後輪13の走行する土壌耕盤DKに凹凸があり機体11が上下動する場合や土壌表面DHに凹凸がある場合には、土壌表面DHへの除草手段14の接地圧が不安定になりやすく、本発明では、位置調節手段15により引張バネ16の上下位置を調節していることと、引張バネ16の振動吸収作用とにより、接地圧が安定的に保たれてソリ22が土壌表面DHに追従する。よって、ソリ22、スプリング爪23、回転羽根部材24および鎮圧ロータ27が深く潜り過ぎて苗Nを傷めることが防止され、かつ、回転羽根部材24が雑草Zだけを的確に掻き出し、鎮圧ロータ27で雑草に確実に土を被せることができる。
【0025】
また、図5に示すように、田植機により苗Nが4条植えされていた場合には、移植単位T1、T2内の条間J1は田植機の設定により一定となるが、移植単位T1と移植単位T2との間の距離である隣接条間J2は、田植機を往復させる際の操作加減により狭くなったり広くなったりする。
しかし、除草機10の両側の非対称鎮圧ロータ27Bは、上述のように中心線Cから外方への距離d2を少なくしており、本実施形態ではソリ22の外側縁よりも外方へは突出しないようにしているので、隣接条間J2が狭い場合でも隣合う条苗Nを非対称鎮圧ロータ27Bで踏みつけてしまうことがない。
【0026】
しかも、隣接条間J2が広い場合であって、非対称鎮圧ロータ27Bの両側方向への突出量が少ないために鎮圧しきれなかった領域が発生したとしても、除草機10を往復させる際に結局は当該領域に非対称鎮圧ロータ27Bが通過することとなり、結果的に非通過領域を発生させることもない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態の除草機の側面図である。
【図2】除草機の除草手段の位置調節後の側面図である。
【図3】回転羽根部の作用を説明する図面である。
【図4】除草機の走行時の上面図である。
【図5】除草機の往復を示す上面図である。
【図6】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
【0028】
10 除草機
11 機体
12 前輪
13 後輪
14 除草手段
15 位置調節手段
16 引張バネ
16a 上端フック部
16b 下端フック部
17 原動機
18 操縦ハンドル
19 運転席
20 基部
20a 突起部
21 フレーム
22 ソリ
23 スプリング爪
24 回転羽根部材
25 羽板部
25a 下端部
25b 先端部
26 回転軸
27 鎮圧ロータ
27A 対称鎮圧ロータ
27B 非対称鎮圧ロータ
28〜30 ブラケット
31 ハウジング
32 ネジ軸
33 調節ハンドル
34 昇降棒
35 第1傾動片
36 第2傾動片
36a 突起部
37 取付軸
38 固定軸
39 リンク部材
40 油圧シリンダ
41 ピストン部
42 固定部
DH 土壌表面
DK 土壌耕盤
N 苗
S 水面
Z 雑草
【出願人】 【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地
【出願日】 平成15年12月24日(2003.12.24)
【代理人】 【識別番号】100072660
【弁理士】
【氏名又は名称】大和田 和美

【公開番号】 特開2005−185113(P2005−185113A)
【公開日】 平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願番号】 特願2003−427135(P2003−427135)