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【発明の名称】 自走車のリンク式連結装置
【発明者】 【氏名】宮丸 範之
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】二井本 義昭
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】片岡 烈
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】青山 健一
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【氏名】北野 豊
【住所又は居所】大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボタ堺製造所内

【要約】 【課題】作業装置の自走車体に対するローリング調節が行なわれるようにしながら、作業装置の連結姿勢を操作容易に調節しながら作業でき、しかも、油圧装置の面で構造簡単に得られるリンク式連結装置を提供する。

【解決手段】自走車体5とプラウ6の機枠6bを連結するトップリンク16に油圧シリンダ部25を備え、油圧シリンダ部25によってトップリンク16を伸縮調節するようにしてある。リフトアーム11とロワーリンク13を連結するリフトロッド14に伸縮自在部21を備え、リフトロッド14が設定範囲内で自由に伸縮するようにしてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走車の車体に上下揺動操作自在に設けた左右一対のリフトアーム、前記車体と対地作業装置の機枠にわたって連結するトップリンク及び左右一対のロワーリンク、前記左右一対のリフトアームを前記左右一対のロワーリンクに各別に連結する左右一対のリフトロッドを備えた自走車のリンク式連結装置であって、
前記トップリンクに、このトップリンクを伸縮操作する油圧シリンダ部を装備し、
前記左右一対のリフトロッドに、このリフトロッドの伸縮を許容するとともにその伸縮ストロークを設定範囲内に規制する伸縮自在部を装備してある自走車のリンク式連結装置。
【請求項2】
前記リフトロッドの前記伸縮自在部による伸縮を可能にする作用解除状態と、前記リフトロッドの前記伸縮自在部による伸縮を不能にする作用状態とに切り換え操作自在な伸縮ロック手段を備えてある請求項1記載の自走車のリンク式連結装置。
【請求項3】
前記トップリンクを、前記自走車の車体、及び、前記対地作業装置の機枠に対して脱着自在に連結し、前記リフトロッドを、前記リフトアーム及び前記ロワーリンクに対して脱着自在に連結してある請求項2記載の自走車のリンク式連結装置。
【請求項4】
前記トップリンクに、前記油圧シリンダ部のシリンダロッドに一体移動自在に付設した表示部と、シリンダチューブに設けた指針部とによってトップリンクの長さ状態を表示する表示装置を装備してある請求項1〜3のいずれか1項に記載の自走車のリンク式連結装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、自走車の車体に上下揺動操作自在に設けた左右一対のリフトアーム、前記車体と対地作業装置の機枠にわたって連結するトップリンク及び左右一対のロワーリンク、前記左右一対のリフトアームを前記左右一対のロワーリンクに各別に連結する左右一対のリフトロッドを備えた自走車のリンク式連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばプラウを連結して作業する際、上り傾斜地と下り傾斜地とではプラウの自重などに起因してプラウの連結姿勢が変化することがあるが、プラウの連結姿勢を操作容易に調節することが可能なものであれば、その姿勢変化を抑制するように姿勢調節しながら作業できる。
【0003】
上記リンク式連結装置において、従来、たとえば特許文献1に示されるように、トップリンク3に油圧シリンダ9を介装し、この油圧シリンダ9によってトップリンク3を伸縮操作してプラウ5の連結姿勢を調節できるものがあった。
また、このリンク式連結装置にあっては、左右一対の昇降用ロッド7,7′(リフトロッドに相当)の一方7′に油圧シリンダ8を介装し、この油圧シリンダ8によって昇降用ロッド7′が伸縮操作されてプラウ5のローリグ調節が行なわれるようになっていた。
【0004】
【特許文献1】特開昭57−16601号公報 ( 第2頁、第1−2図 )
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来のリンク式連結装置にあっては、作業装置の連結姿勢を調節するようにトップリンクを伸縮操作するための油圧装置が必要になる他に、作業装置のローリング調節が行なわれるようにリフトロッドを伸縮調節させるための油圧装置も必要になり、構造面で不利になっていた。
【0006】
本発明の目的は、作業装置の連結姿勢調節ができるとともに、作業装置のローリング調節も可能にしながら構造簡単に得られる自走車のリンク式連結装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明にあっては、自走車の車体に油圧シリンダによって上下揺動操作自在に設けた左右一対のリフトアーム、前記車体と対地作業装置の機枠にわたって連結するトップリンク及び左右一対のロワーリンク、前記左右一対のリフトアームを前記左右一対のロワーリンクに各別に連結する左右一対のリフトロッドを備えた自走車のリンク式連結装置において、
前記トップリンクに、このトップリンクを伸縮操作する油圧シリンダ部を装備し、前記左右一対のリフトロッドに、このリフトロッドの伸縮を許容するとともにその伸縮ストロークを設定範囲内に規制する伸縮自在部を装備してある。
【0008】
すなわち、トップリンクの油圧シリンダ部を操作すると、この油圧シリンンダ部によってトップリンクが伸縮操作され、作業装置の連結姿勢がロワーリンクとの連結軸芯のまわりで揺動変化する。
【0009】
左右一対のリフトロッドに前記伸縮部を装備してあるものだから、リフトアームが操作された際、リフトロッドが作業装置などによる荷重のためにストロークエンドまで伸長した状態になってリフトアームによるロワーリンクの昇降操作を可能にし、自走車が左右に傾斜すると、これに伴ってリフトアームが伸縮可能な範囲内で伸縮し、作業装置が自走車に対してローリングする。これにより、リフトアームによる作業装置の昇降操作が可能でありながら、自走車が左右に傾斜しても、その傾斜がリフトアームの伸縮可能な前記設定範囲によって決まる設定範囲内であれば、作業装置が自走車体に付いて傾斜しないように自走車体に対してローリング調節される。
【0010】
従って、本第1発明にあっては、例えば培土作業の際、上り傾斜や下り傾斜になっても、油圧シリンダ部によってトップリンクを伸縮操作してプラウが所定の対地姿勢になるようにその連結姿勢を調節するなど、油圧シリンダ部を操作するだけで操作容易に作業装置の連結姿勢を調節しながら作業できる。また、自走車が左右に傾斜しても、その傾斜角が設定範囲内であればリフトアームが自由に伸縮し、作業装置を自走車と共に傾斜しないようにローリング調節させながら作業できる。しかも、リフトロッドを伸縮させるための油圧装置を備えなくて済み、その分構造簡単にできて安価に得られる。
また、連結装置のための油圧装置としてリフトアーム用以外に一系統の油圧装置しか装備されていない自走車の場合であっても、作業装置のローリング調節を行なわせながら、トップリンクの伸縮操作による作業装置の連結姿勢調節を操作容易に行いながら作業できる。
【0011】
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、前記リフトロッドの前記伸縮自在部による伸縮を可能にする作用解除状態と、前記リフトロッドの前記伸縮自在部による伸縮を不能にする作用状態とに切り換え操作自在な伸縮ロック手段を備えてある。
【0012】
すなわち、リフトロッドが伸縮可能な状態になっていると、リフトアームを上昇側に操作しても、リフトロッドがストロークエンドまで伸長作動する間は、リフトアームによる上昇操作力がロワーリンクに伝達されなくて作業装置が上昇しなくなる場合がある。これに対し、伸縮ロック手段を作用状態に切り換えておくと、この伸縮ロック手段のためにリフトロッドの伸縮が不能になり、リフトアームを上昇側に操作した際、このリフトアームによる上昇操作力がロワーリンクに直ちに伝達されて、作業装置が直ちに上昇するようになる。
【0013】
従って、本第2発明にあっては、伸縮ロック手段を作用状態に切り換えておくことにより、トップリンクの油圧シリンダ部を操作するだけで操作簡単に作業装置の連結姿勢を調整しながら、かつ、リフトアームを操作するとその操作力が作業装置に直ちに伝わって作業装置をスムーズに昇降操作しながら作業できる。
【0014】
本第3発明にあっては、本第2発明の構成において、前記トップリンクを、前記自走車の車体、及び、前記対地作業装置の機枠に対して脱着自在に連結し、前記リフトロッドを、前記リフトアーム及び前記ロワーリンクに対して脱着自在に連結してある。
【0015】
すなわち、ロータリ耕耘装置など、連結した作業装置によっては、トップリンクの伸縮操作による連結姿勢の調節よりも、リフトロッドの伸縮操作によるローリグ調節の方が重用になる。この場合、油圧シリンダ部を備えたトップリンクに替えて、油圧シリンダ部が装備されていない通常のトップリンクを装着し、伸縮自在なリフトロッドに替えて、油圧シリンダ部が装備されたローリング用のリフトロッドを装着し、油圧装置をトップリンクの油圧シリンダ部から分離させてリフトロッドの油圧シリンダ部に接続することができるものである。これにより、伸縮式のリフトロッドに替えて油圧シリンダ部を備えたリフトロッドを装着し、このリフトロッドを伸縮制御して作業装置をローリング制御するようにリフトロッドの油圧シリンダ部が制御される状態に切り換えることができる。
【0016】
従って、本第3発明にあっては、連結する作業装置により、油圧シリンダ部を備えたリフトロッド、伸縮自在なリフトロッドを装着し、作業装置の連結姿勢を操作容易に調節できる状態と、通常のトップリンク、ローリング用のリフトロッドを装着し、作業装置をローリング制御できる状態とに切り換えて作業できる。
【0017】
本第4発明にあっては、本第1〜第3発明のいずれか一つの構成において、前記トップリンクに、前記油圧シリンダ部のシリンダロッドに一体移動自在に付設した表示部と、シリンダチューブに設けた指針部とによってトップリンクの長さを表示する表示装置を装備してある。
【0018】
すなわち、表示装置の表示部と指針部による表示を見ることにより、トップリンクの長さ状態を知って作業装置がどのような連結姿勢になったかを判断することができる。これにより、油圧シリンダ部を操作して作業装置の連結姿勢を調節する際、作業装置の連結姿勢や姿勢変化の度合いを表示装置によって容易に知りながら調節することができる。
【0019】
従って、本第4発明にあっては、作業装置の連結姿勢や姿勢変化の度合いを容易に知りながら姿勢調節を行い、作業装置を所望の連結姿勢に精度よく調節することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、左右一対の駆動及び操向操作自在な前車輪1と、左右一対の駆動自在な後部クローラ走行装置2によって自走し、かつ、前車輪1や後部クローラ走行装置2などに動力伝達するエンジン3が装備された原動部、運転キャビン4が装備された運転部を備えた自走車体の車体後部を構成しているミッションケース5の後部に、左右一対のリフトアーム11を備えたリンク式連結装置10を介して対地作業装置としてのプラウ6を連結して、乗用型耕耘機を構成してある。
すなわち、リンク式連結装置10がリフトシリンダ12によってミッションケース5に対して上下に揺動操作されてプラウ6を犂6aが接地した作業状態に下降操作したり、犂6aが地面上から浮上した非作業状態に上昇操作する。プラウ6を下降作業状態にして自走車体を走行させると、プラウ6が犂6によって土を耕起反転していく。
【0021】
図2,3,10に示すように、前記リンク式連結装置10は、前記ミッションケース5の上部の両横側に上下揺動自在に設けた前記リフトアーム11、前記ミッションケース5の下部の両横側にプラウ6の機枠6bの両横側を各別に連結している左右一対のロワーリンク13、前記左右一対のリフトアーム11を前記左右一対のロワーリンク13の中間部に各別に連結している左右一対のリフトロッド14、前記ミッションケース5のトップリンク支持部としてのトップリンクブラケット15と、プラウ6の前記機枠6bにわたって連結した一本のトップリンク16を備えて構成してある。
【0022】
左右一対のリフトアーム11は、両リフトアーム11,11の基端側を前記ミッションケース5に回動自在に連結している一本の連結軸17によって一体に上下揺動するように連動させてあるとともに、前記連結軸17を回動操作する揺動アーム(図示せず)にシリンダロッドが連動して、連結軸17を介して左右のリフトアーム11を揺動操作するように構成した単動形の前記リフトシリダ12を前記ミッションケース5の内部に設けてある。
【0023】
前記左右のロワーリンク13は、自走車のミッションケース5に対しても、プラウ6の機枠6bに対しても、球面利用の継ぎ手によって車体や機枠6bの横向きの軸芯まわりで相対回動自在に連結するようになっている。
【0024】
図4,5に示すように、前記左右のリフトロッド14は、一端側に球面利用の継ぎ手18が付いているアーム側ロッド14aと、このアーム側ロッド14aの他端側の筒軸部14bに一端側が連結ピン19によって連結しているリンク側ロッド14cを備えて成り、前記継ぎ手18と、これに装着の連結ピン19とによってリフトアーム11に対して相対回動及び揺動自在に連結し、リンク側ロッド14cのヨーク部14dと、これの複数個のピン孔14eから選択した一つに装着した連結ピン20によってロワーリンク13に対して相対回動自在に連結するようになっている。
【0025】
前記アーム側ロッド14aの前記筒軸部14bに前記連結ピン19が挿通するように設けたピン孔14fを、リフトロッド14の軸芯に沿う方向に長い長孔形状にし、このピン孔14fと前記連結ピン19によって伸縮自在部21を構成してある。この伸縮自在部21は、リンク側ロッド14cが連結ピン19と共にピン孔14fに沿ってアーム側ロッド14aに対して相対摺動することを許容することにより、リフトロッド14が伸縮することを許容するようになっている。また、ピン孔14fの長さが連結ピン19の摺動可能なストロークを設定することにより、伸縮自在部21は、リフトロッド14がピン孔14fの長さによって決まる設定範囲内のみで伸縮するようにその伸縮ストロークを規制するようになっている。
【0026】
前記リンク側ロッド14cの前記連結ピン19より先端側の部位にピン孔14gを設けるとともに、このピン孔14gと前記長孔形ピン孔14fを利用して、図6(ロ)に示す如くアーム側ロッド14aとリンク側ロッド14cにわたって伸縮ロックピン22を装着したり、図6(イ)に示す如く伸縮ロックピン22を取り外したりできるように構成してある。
伸縮ロックピン22は、装着されると、前記連結ピン19との協働により、リフトロッド14の前記伸縮自在部21による伸縮を不能にするようにロック作用状態になる。すなわち、伸縮ロックピン22が装着されると、伸縮ロックピン22は、前記長孔形ピン孔14fのリフトアーム側の端部に位置し、前記連結ピン19は、前記長孔形ピン孔14fのロワーリンク側の端部に位置することになり、伸縮ロックピン22の長孔形ピン孔14fの内壁に対する当たりと、連結ピン19の長孔形ピン孔14fの内壁に対する当たりのために、リンク側ロッド14dとアーム側ロッド14aは、ピン孔14fと両ピン19,22の間に発生するガタ付きの分だけわずかに相対摺動しても、それ以上は相対摺動しなくなる。
伸縮ロックピン22は、アーム側ロッド14a及びリンク側ロッド14dから抜き外されると、リフトロッド14の伸縮自在部21による伸縮を可能にするようにロック作用解除状態になる。すなわち、伸縮ロックピン22が抜き外されると、伸縮ロックピン22のピン孔14fの内壁に対する当たりが解除されることになり、リンク側ロッド14cとアーム側ロッド14aが相対摺動するようになる。
【0027】
図7に示すように、トップリンク16は、復動形の油圧シリンダ部25と、この油圧シリンダ部25のシリンダチューブ25aに一端側が固着されているロッド部16aを備えて成り、油圧シリンダ部25のシリンダロッド25bの端部に付いている球面利用の継ぎ手18と、前記シリンダロッド部25bの端部に付いている球面利用の継ぎ手18の一方を介して自走車の前記トップリンクブラケット15に、他方の継ぎ手18を介してプラウ6の機枠6bに対してそれぞれ相対回動自在に連結するようになっている。また、油圧シリンダ部25が駆動操作されることにより、この油圧シリンダ部25の駆動力で伸縮操作されるようになっている。
【0028】
図7に示すように、前記油圧シリンダ部25のシリンダロッド25bに一端側が連結具26によって止着された表示部31と、油圧シリンダ部25のシリンダチューブ25aの角部で成る指針部32とにより、表示装置30を構成してある。
すなわち、油圧シリンダ部25によってトップリンク16が伸縮操作されると、表示部31がシリンダロッド25bと共にシリンダチューブ25aに対して相対移動し、表示部31の移動方向での複数箇所に切欠きを形成して設けてある指標33のうちのトップリンク16の伸縮調節された長さに対応する指標33が指針部32によって指示される。これにより、表示装置30は、いずれの指標33が指針部32によって指示されているかを知ることによってトップリンク16の長さが如何なる長さになっているかを判断できるように、トップリンク16の長さ状態を指針部32と表示部31によって表示する。
【0029】
つまり、リンク式連結装置10は、プラウ6を次の如く連結するようになっている。
すなわち、リフトシリダ12がプラウ上昇側に操作されると、左右のリフトアーム11がリフトシリンダ12の駆動力によって上昇側に揺動操作されてその上昇力をリフトロッド14を介してロワーリンク13に伝達し、トップップリンク16をトップリンクブラケット15に対して揺動させながらロワーリンク13をミッションケース5に対して上昇揺動させる。これによってプラウ6が上昇する。
リフトシリンダ12がプラウ下降側に操作されると、左右のリフトアーム11がリフトシリンダ12及びロワーリンク13を介して掛かるプラウ6の重量のために下降側に揺動操作され、トップリンク16をトップリンクブラケット15に対して揺動させながらロワーリンク13をミッションケース5に対して下降揺動させる。これによってプラウ6が下降する。
プラウ6を上昇操作する際、左右のリフトロッド14から伸縮ロックピン22を外してあると、各リフトロッド14が伸縮可能になっていることにより、リフトアーム11が上昇しても、リフトロッド14がストロークエンドまで伸長するまではロワーリンク13が上昇しなくプラウ6も上昇しないことがあるが、リフトロッド14がストロークエンドまで伸長した後は、リフトアーム11の上昇力がロワーリンク13に伝達されてロワーリンク13が上昇してプラウ6が上昇していく。これ対し、左右のリフトロッド14に伸縮ロックピン22を装着してあると、各リフトロッド14が伸縮不能になっていることにより、リフトアーム11が上昇すると同時にロワーリンク13が上昇してプラウ6も上昇していく。
【0030】
自走車が上りや下りの傾斜地に入ると、プラウ6が自重で前方側や後方側に揺動してその連結姿勢が所望の作業用姿勢と変化することがあるが、この場合、運転部でトップリンク16の油圧シリンダ部25のための制御弁(図示せず)を切り換え操作し、油圧シリンダ部25を駆動操作してトップリンク16を伸縮調節する。すると、トップリンク16の伸縮のためにプラウ6がロワーリンク13との連結軸芯のまわりで前方側や後方側に揺動する。これにより、プラウ6を自走車の前後傾斜にかかわらず所望の作業用姿勢になるように姿勢調節しながら作業できる。このとき、表示装置30によってトップリンク16の長さ状態を知りながらトップリンク16を伸縮調節し、プラウ6を所望の作業用姿勢に精度よくなるように姿勢調節することができる。
【0031】
左右のリフトロッド14から伸縮ロックピン22を取り外しておいて作業すると、各リフトロッド14が伸縮可能になっていることにより、自走車体が左右に傾斜しても、その傾斜角がリフトロッド14の伸縮可能範囲で決まる角度内であれば、リフトロッド14が伸長や短縮作動してプラウ6が自走車体に付いて左右に傾斜しないように自走車体に対してローリングする。これにより、プラウ6を自走車体の左右傾斜にかかわらず所定の左右姿勢を維持するようにしながら作業できる。
【0032】
前記トップリンク16が自走車のトップリンクブラケット15、及び、プラウ6の機枠6bに連結される連結ピン27,28の脱着によってトップリンク16をトップリンクブラケット15及び機枠6bに対して脱着できるように構成し、前記左右のリフトロッド14がリフトアーム11及びロワーリンク13に連結される前記連結ピン19,20の脱着によって各リフトロッド14をリフトアーム11及びロワーリンク13に対して脱着できるように構成してある。
【0033】
すなわち、図9,11に示すように、プラウ6に替えてたとえばロータリ耕耘装置35を連結して作業する場合、前記トップリンク16に替えて油圧シリンダ部25が付いていない通常のトップリンク36を使用して、かつ、いずれか一方のリフトロッド14に替えて油圧式のローリングシリンダ37を使用してロータリ耕耘装置35を連結し、装着したままにしたリフトロッド14を伸縮ロックピン22によって伸縮不能な状態に切り換える。
つまり、ロータリ耕耘装置35にあっては、プラウ6の如くトップリンク16の伸縮調節によって連結姿勢を調節できるようにすることより、ロータリ耕耘装置35を自走車体に対してローリング制御されるようにする方が重要である。このため、プラウ6を連結した際にトップリンク16の油圧シリンダ部25に接続してトップリンク16に伸縮調節を可能にする油圧装置をローリングシリンダ37に接続し、このローリングシリンダ37によるロータリ耕耘装置35のローリング制御を可能にする。
【0034】
図12に示すように、運転キャビン4の乗降口のドア40を、キャビン後方側に位置する軸芯41まわり揺動開閉するように構成するとともに、前記ドア40の内面側に、手すり42及び補助ハンドル43を設けてある。
手すり42はドア40に固定され、補助ハンドル43は、ドア40に対してドア揺動軸芯41の近くに位置する車体上下向きの軸芯44まわりで揺動するように手すり42に連結されている。補助ハンドル43の基部に設けた格納スプリング(図示せず)によって補助ハンドル43を手すり42の直下に位置した格納位置A(二点鎖線で示される位置)に揺動付勢するとともに、補助ハンドル43の格納位置Aからドア40から離れる方向への揺動限界を実線で示される使用位置Bに規制するストッパー(図示せず)を、補助ハンドル43の基部に作用するように設けてある。
つまり、ドア40を開けてキャビン内から閉じ操作するに当たり、手すり42を持って閉じ操作しようとしても、手すり42と運転座席45の位置関係によって運転座席45に着座したままでは操作効率が悪く、強い閉じ力が必要になったり、ドア40が閉じなくなる。これに対し、図13(イ)に示すように、補助ハンドル53を操作すると、先ず、ドア40が揺動しないで補助ハンドル43だけが格納位置Aから使用位置Bまで軽く揺動し、この後、図13(ロ)に示すように、補助ハンドル43と共にドア40が揺動して閉じる。このとき、補助ハンドル43は操作しやすいとともに操作力が効率良く作用する位置になっており、運転座席45に着座したままでもドア40を楽に閉じ操作できる。ドア40が閉じた後、補助ハンドル43は、運転の障害にならないように格納位置Aに格納スプリングによって復帰されるとともに保持される。
【0035】
〔別実施形態〕
図14は、別の実施形態を備えたトップリンク16を示し、このトップリンク16にあっては、一方の球面利用の継ぎ手18を脱着する接続部47を設けてある。すなわち、たとえばロータリ耕耘装置35を連結する際、リフトロッド14のヨーク部14dと同一仕様のヨーク48を接続部47によって継ぎ手18に替えて取り付け、このヨーク部付きのトップリンク16を一方のリフトアーム11とロワーリンク13にわたって連結して、油圧シリンダ部25をローリング制御用に使用できるようにしてある。
【0036】
上記実施形態の如く連結ピン19との協働によってリフトロッド14の伸縮をロックするように構成した前記伸縮ロックピン22を採用する他、アーム側ロッド14aとリンク側ロッド14cにわたって装着されて、両ロッド14a,14cの相対摺動を単独でロックするように構成したロックピンなど、ロック作用の形態や、作用状態と解除状態に切り換える形態が各種異なるものを採用して実施してもよいのであり、これらを総称してロック手段22と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】乗用型耕耘機全体の側面図
【図2】リンク式連結装置の側面図
【図3】リンク式連結装置の平面図
【図4】リフトロッドの伸縮自在状態で正面図
【図5】リフトロッドの伸縮自在状態での側面図
【図6】(イ)は、リフトロッドの伸縮自在部の伸縮自在状態での断面図、(ロ)は、リフトロッドの伸縮自在部のロック状態での断面図
【図7】トップリンクの側面図
【図8】表示装置の連結具での断面図
【図9】自走車のロータリ耕耘装置を連結した状態での側面図
【図10】リンク式連結装置のプラウ連結状態での概略斜視図
【図11】リンク式連結装置のロータリ耕耘装置連結状態での概略斜視図
【図12】ドアの手摺り及び補助ハンドルの側面図
【図13】(イ)は、ドアの開き状態での平面図、(ロ)は、ドアの閉じ状態での平面図
【図14】(イ)は、別の実施形態を備えるトップリンクのトップリンクとして使用している状態の説明図、(ロ)は、別の実施形態を備えるトップリンクのリフトロッドとして使用している状態の説明図
【符号の説明】
【0038】
5 車体
6 対地作業装置
11 リフトアーム
13 ロワーリンク
14 リフトロッド
16 トップリンク
21 伸縮自在部
22 ロック手段
25 油圧シリンダ部
25b 油圧シリンダ部のシリンダロッド
30 表示装置
31 表示部
32 指針部
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
【出願日】 平成15年9月2日(2003.9.2)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎

【公開番号】 特開2005−73644(P2005−73644A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−310267(P2003−310267)