| 【発明の名称】 |
作業車輛の作業機取付構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】布野 尚志 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1 三菱農機株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】機体フレームの後部と前部に作業機取付台を移し替え、後方作業機とフロント作業機を簡単に設置することができる作業車輛の作業機取付構造を提供する。
【解決手段】走行装置1aを有し原動部4と操縦部6を載置した機体フレーム3の後部に、耕耘装置等の作業機8を着脱可能に装着し昇降させる昇降機構7を構成した作業車輛であって、機体フレーム3の後部に形成した後部フレーム座20に、昇降機構7を構成支持する作業機取付台2を着脱可能に設けると共に、該作業機取付台2を機体フレーム3の前部に形成した前部フレーム座20aに移し替えて、フロント作業部を構成する作業車輛の作業機取付構造としている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置(1a)を有し原動部(4)と操縦部(6)を載置した機体フレーム(3)の後部に、耕耘装置等の作業機(8)を着脱可能に装着し昇降させる昇降機構(7)を構成した作業車輛において、前記機体フレーム(3)の後部に形成した後部フレーム座(20)に、昇降機構(7)を構成支持する作業機取付台(2)を着脱可能に設けると共に、該作業機取付台(2)を機体フレーム(3)の前部に形成した前部フレーム座(20a)に移し替えて、フロント作業部を構成することを特徴とする作業車輛の作業機取付構造。 【請求項2】 作業機取付台(2)の上部に、昇降機構(7)の昇降アーム(25)を軸支する軸支台(21)を着脱可能に取付固定した請求項1記載の作業車輛の作業機取付構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、トラクタや建設機械等の機体フレームに作業機取付台を介して作業機を装着する作業車輛の作業機取付構造に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、走行装置を有し原動部と操縦部を載置した機体フレームの後部に、耕耘装置等の作業機を昇降機構に装着し耕耘作業等の後方作業を行なう作業車輛としてのトラクタは、機体フレームの前側にフロントドーザ等のフロント作業部を設け、ブレードを昇降操作してフロント作業を行うように構成される(例えば、特許文献1参照。)。 【0003】 【特許文献1】 特開2003−106306号公報(第2頁、第1図) 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 上記公報で示される構成のトラクタは、機体フレームの後部に立設した後壁部に、3点リンク機構のリンク部材及び昇降シリンダ等を支持する軸支部や取付ブラケットを設け、作業機取付昇降用の昇降機構を構成しているので、作業機が異物と激しく衝突したり側方から過負荷を受けた場合に、軸支部や取付ブラケットの変形破損と共に後壁部の変形も生じ易い欠点がある。また機体フレームに一体的に固定された後壁部は、その修理を後壁部を外して行なうことができないので、修理作業が煩雑になると共に、昇降シリンダや軸支部に対するメンテナンス作業も行い難い等の問題がある。 【0005】 また機体フレームの前側に構成されるフロント作業部の取付構造は、後方作業部の取付構造とは別途単独な構造によって構成されるので、後方作業部の作業機取付部材や昇降機構の昇降シリンダ等の構成部材を簡単に利用することができず、コスト高な専用構造によって構成される等の課題がある。 【0006】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために本発明の作業車輛の作業機取付構造は、第1に、走行装置1aを有し原動部4と操縦部6を載置した機体フレーム3の後部に、耕耘装置等の作業機8を着脱可能に装着し昇降させる昇降機構7を構成した作業車輛において、前記機体フレーム3の後部に形成した後部フレーム座20に、昇降機構7を構成支持する作業機取付台2を着脱可能に設けると共に、該作業機取付台2を機体フレーム3の前部に形成した前部フレーム座20aに移し替えて、フロント作業部を構成することを特徴としている。 【0007】 第2に、作業機取付台2の上部に、昇降機構7の昇降アーム25を軸支する軸支台21を着脱可能に取付固定したことを特徴としている。 【0008】 【発明の実施の形態】 本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図面において符号1は、本発明の作業機取付構造に係わる作業機取付台2を、機体フレーム3の前後部に対し着脱可能に備えたトラクタである。このトラクタ1は左右にクローラ方式の走行装置1a,1aを有する機体フレーム3に、前側から搭載されるエンジンをボンネットで覆った原動部4と、その後方にキャビン5によって覆われた操縦部6を配置し、機体フレーム3の後部に取付固定した作業機取付台2をベースに3点リンク方式の昇降機構7を構成し、該昇降機構7のヒッチ部に耕耘装置或いはプラウ等の作業機8が装着される。 【0009】 このトラクタ1の機体フレーム3は図5〜図9で示すように、左右の側部フレーム9,9を車体間隔を有して、前フレーム10,中間フレーム11,後部フレーム12で連結し平面視方形状の剛体枠構造としている。そして、前フレーム10と後部フレーム12は後述するように作業機取付台2を着脱可能に取付固定する、後部フレーム座20と前部フレーム座20aをそれぞれ兼用する構成としている。そして、両者の取付面には作業機取付台2に穿設した複数の取付孔13と同じ配列で同数のネジ孔15を設け、これにより後部フレーム座20或いは前部フレーム座20aに対し作業機取付台2を移し替え可能とし、取付ボルト16によって締着固定するようにしている。 【0010】 また側部フレーム9,9の外側下部には走行部フレーム17,17を配置し、その適所に各クローラ輪,転輪を軸支しクローラ式の走行装置1a,1aを構成している。また走行部フレーム17,17は、中間フレーム11及び後部フレーム12を介し側部フレーム9,9を一体的に支持した構成とし、その中間巾内に原動部4から駆動されるトランスミッション19を搭載支持している。 以上のように構成される機体フレーム3、縦板状の側部フレーム9,9の後端から前側に作業機取付台2の設置空間を有した位置において、前記後部フレーム12から板状の後部フレーム座20を一体的に立設し、該後部フレーム座20の両端を側部フレーム9,9の内面に接合した補強構造にしている。 【0011】 次に、図2〜図9を参照し、作業機取付構造及び昇降機構7等について説明する。この作業機取付構造は、後部フレーム座20に後述する手段によって取付固定される作業機取付台2と、該作業機取付台2の上部に着脱可能に取付固定される軸支台21とから構成している。 一方、昇降機構7は作業機8を取付支持する3点リンク機構と、油圧によって伸縮作動される昇降シリンダ22と、該昇降シリンダ22に中途部を連結し軸支台21に軸支された昇降軸23を介して揺動可能に設けた昇降アーム25等から構成される。 図示例の3点リンク機構は、作業機取付台2側に各支持ピン26・・を介して枢支したアッパーリンク27と左右のロアーリンク29とからなり、ロアーリンク29,29はそれぞれ昇降軸23の両端に設けた昇降アーム25,25と、連結杆30を介して昇降可能に連結した構成にしている。 【0012】 次に、同図を参照し作業機取付台2について説明する。この作業機取付台2は、側部フレーム9,9の間巾と同巾で後部フレーム座20の座面と同形状に形成された平板状の取付座31と、該取付座31の上端に一体的に取付固定され前記軸支台21を取り付けるネジ孔32を形成した板状の取付台33と、上記取付座31と取付台33に端面を一体的に取付固定し、左右のロアーリンク29,29と昇降シリンダ22,22の各支持ピン26をそれぞれ嵌挿支持するピン孔35を穿設した複数(図示例では4枚)の取付板36と、取付座31と取付台33の中央で端面を一体的に取付固定し、アッパーリンク27の支持ピン26を嵌挿支持するピン孔35を穿設した取付板37等によって一体的構造物として構成される。 また取付座31の中央部には通し孔39を穿設し、この通し孔39にトランスミッション19から後方に向けて突設した作業機伝動用のPTO軸40を挿通し、作業機8を駆動するようにしている。 【0013】 上記のように構成される作業機取付台2は、図2で示すように取付座31の上部に取付台33を側面視で略T字状となるように接合形成した状態で、支持ピン26を軸支するように左右で対となる4枚の取付板36の前端と上端を、それぞれ取付座31と取付台33の裏側に接合せしめ、これによりピン孔35を有したブラケットとなる取付板36をリブ状補強部材として兼用する。 【0014】 この構成により取付座31と取付台33と取付板36は、互いを接合した補強構造にすることができ、大きな昇降支持力が加わる軸支台21を安定よく取付支持する。また左右及び上下方向に衝撃的な負荷を受ける取付板36の強度を高め変形を防止することができる。 さらに、この作業機取付台2は、取付座31の上端から前側に延設される取付台33の一側辺を、後部フレーム座20の上端に載置した状態で、取付座31を後部フレーム座20の取付面に取付ボルト16で締着することができるので、作業機取付台2に加わる下方向の負荷を取付台33で支持し、取付ボルト16に対する負荷を軽減することができると共に、取付台33を後部フレーム座20に仮支持し取付ボルト16の締着作業を簡単にすることができる。 【0015】 次に、軸支台21について説明する。この軸支台21は図7,図8で示すように、昇降軸23を回動可能に軸支する軸支部50と、取付台33に取り付ける取付孔13を穿設した取付座51を一体的なブロック状に形成し、平坦な取付座51の底面を取付台33に載置した状態で取付ボルト16によって着脱可能に取付固定する。 この構成により、各作業機8又は機種毎に異なる仕様の軸支台21を、作業機取付台2に対して選択的に取付固定することも可能になり、また軸支台21のメタル部等が過大な負荷によって破損した場合の、交換や修理等のメンテナンス作業を簡単にすることができる。さらに、軸支部50の側面には例えば作業機8を油圧操作する油圧切換バルブ(図示せず)等を取付支持する取付座52を、鋳造時に簡単に形成することができる等の利点もある。 【0016】 以上のように構成される作業機取付構造を機体フレーム3の後部に設置したトラクタ1は、作業機取付台2及び軸支台21に3点リンク機構並びに昇降シリンダ22等を組み付け昇降機構7を構成し、該昇降機構7に耕耘装置等の作業機8を装着することにより後方作業を行う。 また機体フレーム3の前側にフロント作業部を構成する場合には、前部フレーム座20aに作業機取付構造を設け、この作業機取付台2及び軸支台21に上記のものと同様な3点リンク機構を有する昇降機構7に、耕耘装置等の作業機8を装着し、又は3点リンク機構を外した作業機取付台2に、ドーザアーム等を付け替えてフロントドーザ等の作業機8を装着してフロント作業を行う。 【0017】 上記のように機体の後部に作業機取付構造を構成する際に、作業機取付台2及び軸支台21が共に大型で大重量構造の場合は、先ず軸支台21を外した状態で作業機取付台2を前記側部フレーム9,9間の設置空間内に挿入し、取付台33の一側辺を後部フレーム座20に載せかける。これにより作業機取付台2を後部フレーム座20に仮支持して、取付座31を後部フレーム座20に面接触させて位置決めした後、この位置決め状態で取付ボルト16を取付孔13とネジ孔32に挿入して締着固定する。 次いで、この作業機取付台2の作業機取付台2上に軸支台21を載置し、両者の取付孔13とネジ孔32に取付ボルト16を挿入して締着固定する。 【0018】 また作業機取付構造を機体フレーム3の前側に移し替えるとき、或いはこの部のメンテナンスのために行なう分解作業は、上記のように作業機取付台2に対し軸支台21を後付けできる構造にしているので、上記と逆順の作業によって軸支台21を外したのち作業機取付台2等を簡単に外すことができる。また図10で示すように作業機取付台2及び軸支台21は、機体フレーム3の前側に対しても同様な作業手順によって簡単に置することができる。 尚、作業機取付構造の移し替えを行なう際には、予め3点リンク機構を取り外した状態で行なうと移し替え作業を容易にすることができる。 【0019】 また作業機取付台2と軸支台21の着脱を要しない小型トラクタの仕様の場合には、作業機取付台2に対し軸支台21を予め組み付けた状態で機体フレーム3に取付することができる他、両者を共に鋳造物によって一体的に構成することができる。 このようにして機体フレーム3の前側に設置された作業機取付構造は、機体後方側に設置されたものと同様な、3点リンク機構及び昇降機構7を用いることもできるので、フロント用の作業機8の設置構造を簡潔で廉価な構成にすることができる。 【0020】 【発明の効果】本発明は以上のように作業車輛の作業機取付構造を構成したので、次のような効果を奏する。 耕耘装置等の作業機を装着し昇降させる昇降機構を、機体フレームの後部に形成した後部フレーム座に着脱可能に取付固定される作業機取付台に構成したことにより、機体フレームに対する昇降機構の組み付け及び分解等を簡単に行うことができる。また作業機取付台は前部フレーム座に移し替えて取り付けることができるから、機体フレームの前部にフロント作業部を簡潔で廉価な構造によって構成することができる。 【0021】 また昇降機構の昇降アームを軸支する軸支台を作業機取付台の上部に着脱可能に取付固定したことにより、軸支台のメンテナンス作業等を作業機取付台を外す等の煩雑な作業を要することなく簡単に行うことができると共に、機体フレームの前後部への移し替え作業を容易にすることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係わる作業機取付構造を備えたトラクタの要部の側断面図である。 【図2】図1の作業機取付構造の構成を示す側断面図である。 【図3】図1の作業機取付構造の構成を示す背面図である。 【図4】図3の機体フレームの構成を一部破断をして示す背面図である。 【図5】機体フレームの構成を示す平面図である。 【図6】図5の機体フレームの構成を一部破断をして示す側面図である。 【図7】作業機取付構造の作業機取付台と軸支台の構成を示す分解斜視図である。 【図8】図1の作業機取付構造の構成を示す側断面図である。 【図9】図1の作業機取付台の取付板の構造を示す平断面図である。 【図10】図1の作業機取付台及び軸支台を機体フレームの前側に装着したトラクタの側面図である。 【図11】図10の作業機取付構造を示す分解斜視図である。 【符号の説明】 1 作業車輛(トラクタ) 1a 走行装置 2 作業機取付台 3 機体フレーム 4 原動部 6 操縦部 7 昇降機構 8 作業機 9 側部フレーム 20 後部フレーム座 20a 前部フレーム座 21 軸支台 25 昇降アーム 33 取付台
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社 【住所又は居所】島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地1
|
| 【出願日】 |
平成15年8月26日(2003.8.26) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2005−65516(P2005−65516A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月17日(2005.3.17) |
| 【出願番号】 |
特願2003−208857(P2003−208857) |
|