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【発明の名称】 農業用機械のカバー装置
【発明者】 【氏名】中谷 公紀
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地 小橋工業株式会社内

【要約】 【課題】耕耘ロータの上下位置に拘わらず、耕耘ロータにより耕耘された土がカバー部材から飛散する事態を防止する。

【解決手段】カバー装置50は、上下方向に移動可能に支持された天場処理ロータ24の上部を覆う天場側カバー部25を上下動させる揺動アーム部51を有する。揺動アーム部51は、上下方向に間隔を有して配設された上リンク部52材及びこれより長尺の下リンク部材を有して、リンク機構を構成する。下リンク部材は、天場処理ロータ24を支持し且つ動力を伝達する第2動力伝達ケース26bである。上リンク部材52は、前処理部を覆う耕耘側カバー部35及び天場側カバー部25間に枢結される。揺動アーム部51は、第2動力伝達ケース26bが上下に揺動すると、上リンク部材52が天場側カバー部25を介して上下方向に揺動して、天場側カバー部25を、姿勢が略同じ状態のままで天場処理ロータ24の外周に沿って回動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に装着される作業機側本体部と、該作業機側本体部に回転動自在で且つ上下方向に移動可能に支持されて、圃場に対して所定作業を行なう作業部を備えた農業用機械のカバー装置であって、
前記作業部の上部を覆って該作業部の外側に沿って回動自在に支持されて、前記作業部とともに上下方向に移動可能なカバー部と、
一端側が前記作業機側本体部に回動自在に接続され、他端側が前記カバー部に回動自在に接続されて、他端側が上下方向に揺動自在であり、前記作業部が上下方向に移動すると、前記カバー部の姿勢を略同じ状態にしたままで該カバー部を上下移動させる揺動アーム部とを有することを特徴とする農業用機械のカバー装置。
【請求項2】
前記揺動アーム部は、上下方向に間隔を有して配設された上リンク部材及び下リンク部材を有してなる平行リンク機構であり、
該平行リンク機構の一端側端部が前記作業機側本体部に枢結され、前記平行リンク機構の他端側端部が前記カバー部に枢結されることを特徴とする請求項1に記載の農業用機械のカバー装置。
【請求項3】
前記揺動アーム部は、上下方向に間隔を有して配設された上リンク部材及び該上リンク部材の長さと異なる長さを有する下リンク部材を有してなるリンク機構であり、
該リンク機構の一端側端部が前記作業機側本体部に枢結され、前記リンク機構の他端側端部が前記カバー部に枢結されることを特徴とする請求項1に記載の農業用機械のカバー装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用機械のカバー装置に関し、特に、所定作業を行なう作業部の上部を覆うカバー部が作業部の上下移動とともに移動可能な農業用機械のカバー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
農業用機械は圃場に対して所定作業を行なう作業部を備え、作業部の上部には作業部により耕耘等された土の飛散を防止するためのカバー部材が設けられているのが一般的である。また、農業用機械は、作業部により行なわれる作業深さを調整可能にするため、作業部を上下方向に移動可能に構成したものも知られている。
【0003】
作業部が上下移動可能な農業用機械は、作業部を回転動自在に支持する回転軸に繋がって作業部の上方位置に延びるコネクトブラケットを、トラクタに設けられた支持アームの先端部に枢結し、支持アームの上下揺動により作業部が上下移動可能に構成されているものがある(特許文献1参照)。この作業部の上部は、前後方向に延びるカバー部材により覆われる。カバー部材の上部には、前後方向に延びるプレートが取り付けられ、このプレートには、コネクトブラケットに固定されてプレートに沿って前後方向に移動自在なブラケットが装着される。プレートには、一端部がトラクタに枢結されてプレート側に延びて他端部がプレートに枢結された支持棒が連結されている。このため、支持アームが、上下方向に揺動すると、作業部が支持アームの回動支点を回動中心として上下方向に移動し、且つ支持棒が上下方向に揺動して、プレートがブラケットに対して前後方向に移動して、カバー部材をブラケットに対して前後方向に移動させる。
【0004】
【特許文献1】
特公昭53−27165号公報(第1〜2頁、第2図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
その結果、作業部が上下移動すると、カバー部材はトラクタ側に接近移動又は離反移動するので、作業部に対するカバー部材の相対位置関係がずれる。このため、カバー部材により覆われていた作業部の前側又は後側が露出し、この状態で作業部が所定の作業を行なうと、作業部により耕耘等された土の一部がカバー部材により規制されずに飛散するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、上下方向に移動可能な作業部において、作業部が上下方向に移動しても、作業部により耕耘等された土がカバー部材で規制されて、土の飛散を防止することができる農業用機械のカバー装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わる農業用機械(例えば、実施の形態における畦塗り機1、管理作業機60)のカバー装置は、走行機体に装着される作業機側本体部(例えば、実施の形態におけるオフセットフレーム5、主フレーム61)と、該作業機側本体部に回転動自在で且つ上下方向に移動可能に支持されて、圃場に対して所定作業を行なう作業部(例えば、実施の形態における天場処理ロータ24、中耕ロータ64)を備えた農業用機械のカバー装置であって、作業部の上部を覆って該作業部の外周に沿って回動自在に支持されて、作業部とともに上下方向に移動可能なカバー部と、一端側が作業機側本体部に回動自在に接続され、他端側がカバー部に回動自在に接続されて、他端側が上下方向に揺動自在であり、作業部が上下方向に移動すると、カバー部の姿勢を略同じ状態にしたままでカバー部を上下移動させる揺動アーム部とを有する。
【0008】
上記構成の農業用機械のカバー装置によれば、揺動アーム部は、作業部が上下方向に移動すると、カバー部の姿勢を略同じ状態にしたままでカバー部を上下移動させるので、作業部の上下移動に拘わらず、カバー部により覆われる作業部の相対位置関係を常に一定にすることができる。このため、作業部による耕耘等の作業の作業深さを変えるため、作業部の上下位置が調整された場合、作業部により耕耘等された土はカバー部材により規制される。その結果、土がカバー部材の外側に飛散する事態を防止することができる。
【0009】
また、上記構成の農業用機械のカバー装置において、揺動アーム部は、上下方向に間隔を有して配設された上リンク部材及び下リンク部材(例えば、実施の形態における第2動力伝達ケース26b)を有してなる平行リンク機構であり、該平行リンク機構の一端側端部が作業機側本体部に枢結され、平行リンク機構の他端側端部がカバー部に枢結されてもよい。
【0010】
上記構成の農業用機械のカバー装置によれば、揺動アーム部を平行リンク機構で構成することで、カバー部を上下方向に移動させたときに、カバー部の姿勢を常に且つ確実に一定の状態にすることができる。
【0011】
また、上記構成の農業用機械のカバー装置において、揺動アーム部は、上下方向に間隔を有して配設された上リンク部材及び該上リンク部材の長さと異なる長さを有する下リンク部材(例えば、実施の形態における第2動力伝達ケース26b、動力伝達ケース66)を有してなるリンク機構であり、該リンク機構の一端側端部が作業機側本体部に枢結され、リンク機構の他端側端部がカバー部に枢結されてもよい。
【0012】
上記構成の農業用機械のカバー装置によれば、揺動アーム部は、上下方向に間隔を有して配設された上リンク部材及び該上リンク部材の長さと異なる長さを有する下リンク部材を有してなるリンク機構で構成することで、カバー部材の姿勢を略一定にしたたままでカバー部材を上下方向に移動させることができる。このため、簡易な構造でカバー部材の姿勢を略一定にするカバー装置を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1から図6に基づいて説明する。本実施の形態は、農業用機械の畦塗り機及び管理作業機を例にして、以下説明する。
なお、説明の都合上、図1(斜視図)及び図5(側面図)に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として以下説明する。
【0014】
【第1の実施の形態】
初めに、本発明に係わる農業用機械のカバー装置における第1の実施の形態について説明する。なお、カバー装置が搭載される農業用機械は畦塗り機を例にする。先ず、カバー装置を説明する前に、カバー装置が搭載される畦塗り機を説明する。畦塗り機1は、図2(b)(側面図)に示すように、走行機体80の後部に設けられた三点リンク連結機構81に連結されて、走行機体80の前進動に応じて畦塗り作業を行なうものである。畦塗り機1は、左右方向に延びるヒッチフレーム2の前側に取り付けられて三点リンク連結機構81に連結可能な畦塗り機側連結装置3と、ヒッチフレーム2の中央部に前端側が回動自在に取り付けられて後端側が左右方向に旋回動可能なオフセットフレーム5と、オフセットフレーム5の後端部に左右方向に回動可能に連結された作業部10を有してなる。
【0015】
ヒッチフレーム2の左右方向の中央下部にはギアボックス4が設けられ、ギアボックス4の入力軸4aには、走行機体80のPTO軸(図示せず)から畦塗り機側連結装置3の伝動軸3aを介して、動力が伝達される。オフセットフレーム5は内部が中空な箱状部材であり、オフセットフレーム5の後端部には、上下方向に延びて回転動自在に支持された駆動軸11が設けられている。この駆動軸11は、ギアボックス4の入力軸4a及びオフセットフレーム5内に配設されたチェーン伝動機構(図示せず)を介して走行機体80からの駆動力が伝達されるように構成されている。オフセットフレーム5は、オフセットフレーム5及びヒッチフレーム2間に枢結された図1に示す旋回シリンダ12の伸縮動作により左右方向に旋回動可能である。
【0016】
オフセットフレーム5の後端下部には、駆動軸11の下部に連結されて下方へ延びる回動中心軸13が設けられている。回動中心軸13の外側には、図1に示すように、回動中心軸13を覆う円筒状の回転軸ケース14が配設され、その上端部はオフセットフレーム5の後端下部に回動自在に接続されている。回転軸ケース14は、一端部がオフセットフレーム5の側部に枢結されて他端部が回転軸ケース14に枢結された回動シリンダ15の伸縮動作により回動可能である。
【0017】
回転軸ケース14の下部には前述した作業部10が取り付けられている。作業部10は、図2(b)に示すように、圃場の周辺に沿って形成された旧畦の上部を切り崩す天場処理部21と、切り崩した土の土盛りを行なう前処理部31と、盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部41を有してなる。
【0018】
前処理部31は、横方向に延びる回転軸32の外周に放射状に取り付けられた複数の耕耘爪33を有する。なお、耕耘爪33を備えた回転軸32を、以下、耕耘ロータ34と記す。耕耘ロータ34にはこれを回転動自在に支持する前処理動力伝達ケース(図示せず)が接続され、前処理動力伝達ケースの先端部は回転軸ケース14に接続されている。前処理動力伝達ケース内には図示しない動力伝動機構が内蔵され、この伝動機構を介して回動中心軸13の動力が耕耘ロータ34に伝達されるようになっている。耕耘ロータ34の上部にはこれを覆う耕耘側カバー部35が配設される。耕耘側カバー部35は回転軸ケース14に連結された連結部材36を介して支持される。このため、耕耘ロータ34及び耕耘側カバー部35は回転軸ケース14を回動中心として回動可能である。耕耘側カバー部35の後側は、後述する整畦部41の上部まで延びる。
【0019】
整畦部41は、左右方向に延びて回転動自在に支持された回転軸42に取り付けられた多面体ドラム43と、多面体ドラム43の右側端部に取り付けられて横方向に延びる円筒部44を有する。整畦部41には、図2(a)に示すように、これを回転動自在に支持する整畦動力伝達ケース45が接続されている。整畦動力伝達ケース45は、一端部が多面体ドラム43の内部に延びて整畦部41を回転動自在に支持し、他端部が図1に示す回転軸ケース14に接続される。整畦動力伝達ケース45内には図2(b)に示す回動中心軸13からの動力を整畦部41に伝達可能な動力伝達機構が設けられている。
【0020】
天場処理部21は、図2(b)に示すように、横方向に延びて回転動自在に支持された回転軸22と、回転軸22の外周に軸方向に所定間隔を有して配置されて放射状に延びる複数の削土爪23と、削土爪23を備えた回転軸22(以下、これらをまとめて「天場処理ロータ24」と記す。)を覆う天場側カバー部25を有してなる。削土爪23は、圃場の周縁に形成された旧畦の上部を削り取って圃場の内側に移動させるように形成されている。天場側カバー部25の左側端部には図2(a)に示すように、天場動力伝達ケース26の一端部が接続され、天場動力伝達ケース26の他端部は図1に示す回転軸ケース14に接続されている。
【0021】
天場動力伝達ケース26は、図1に示すように、天場側カバー部25の左側端部に固着されて横方向に延びる第1動力伝達ケース26aと、第1動力伝達ケース26aの先端部に固着されて前後方向に延びる第2動力伝達ケース26bと、第2動力伝達ケース26bの後端部に上下方向に回動自在に接続されて後側に延びて回転軸ケース14に固着された第3動力伝達ケース26cを有してなる。このため、天場側カバー部25は、第2動力伝達ケース26bの第3動力伝達ケース26cへの回動位置を回動中心として上下方向に揺動可能である。天場動力伝達ケース26内には、図2(b)に示すように、回動中心軸13の駆動力を天場処理ロータ24に伝達する動力伝達機構(図示せず)が設けられている。
【0022】
次に、天場処理ロータ24を覆うカバー装置50について説明する。カバー装置50は、図3(a)(側面図)に示すように、前述した天場側カバー部25と、天場処理ロータ24の上下移動に拘わらず天場側カバー部25の姿勢を略同じ状態にしたままで天場側カバー部25を上下移動させる揺動アーム部51と、揺動アーム部51を上下方向に揺動させる揺動シリンダ55を有してなる。天場側カバー部25は、天場処理ロータ24の上方位置に配置されて前後方向に延びた天板部25aと、天場処理ロータ24の左右の側方位置に配置され上下方向に延びて天板部25aの左右両端部に接続された一対の側板部25bを有してなる。一対の側板部25bのうちの天場動力伝達ケース26側の側板部25bは、図2(a)に示すように、第1動力伝達ケース26aの端部に回動自在に接続されている。揺動シリンダ55は、手動式の伸縮シリンダであり、揺動シリンダ55の一端部が耕耘側カバー部35の上部に枢結されて他端側が第1動力伝達ケース26aに枢結されている。このため、図3(a)に示すように、揺動シリンダ55が伸縮動作すると、天場処理部21が第2動力伝達ケース26bの回動支点P1を回動中心として上下方向に移動する。
【0023】
揺動アーム部51は、上下方向に間隔を有して配設された上リンク部材52及び上リンク部材52の長さより長尺な下リンク部材を有してなるリンク機構を構成する。下リンク部材は前述した第2動力伝達ケース26bである。各リンク部材の長さは、上リンク部材52の場合では、上リンク部材52の両端部の枢結位置間の距離L1をいい、第2動力伝達ケース26bの場合では、側面視において第2動力伝達ケース26bの回動支点P1と、回転軸22の中心が第2動力伝達ケース26bと交差する点との間の距離L2をいう。上リンク部材52の一端側端部は耕耘側カバー部35の右側端部に設けられた連結部材53の下部に枢結され、上リンク部材52の他端側端部は天場側カバー部25の天板部25aに枢結される。このように構成される揺動アーム部51は、第2動力伝達ケース26bが回動支点P1を回動中心として上方に揺動すると、図3(b)(側面図)に示すように、天場側カバー部25を介して上方向に揺動されて、天場側カバー部25の姿勢を略一定にしたままで天場側カバー部25を天場処理ロータ24の外周に沿って回動させる。
【0024】
このため、天場処理ロータ24により旧畦の天場処理作業を行なう場合、削り取られる旧畦の上部の深さ調整を行なうため、揺動シリンダ55を伸縮動させて天場処理ロータ24の上下位置を変更しても、天場処理ロータ24を覆う天場側カバー部25の姿勢は天場処理ロータ24の上下位置に拘わらず略同じ姿勢に維持される。その結果、天場処理ロータ24により削り取られた旧畦の土等は天場側カバー部25内で移動して、土等が天場側カバー部25の外側に飛散する事態を未然に防止することができる。
【0025】
なお、揺動アーム部51は、図4(a)(側面図)に示すように、第2動力伝達ケース26bの長さと同じ長さを有した上リンク部材52と第2動力伝達ケース26bとを有してなる平行リンク機構であってもよい。この場合、上リンク部材52の先端部の枢結位置は、天場側カバー部25の右側の側板部25bの周縁部前側である。このため、図4(b)(側面図)に示すように、揺動シリンダ55を縮小動させて天場処理ロータ24を上方に移動させても、天場側カバー部25は、平行リンク機構を構成する揺動アーム部51により姿勢が維持される。即ち、揺動アーム部51を平行リンク機構にすることで、天場処理ロータ24の上下移動に拘わらず、天場側カバー部25を常に一定の姿勢にすることができる。
その結果、天場処理作業により削り取られた土等が天場側カバー部25の外側に飛散する事態をより確実に防止することができる。
【0026】
【第2の実施の形態】
次に、本発明に係わる農業用機械のカバー装置における第2の実施の形態について説明する。カバー装置を搭載する農業用機械は、中耕、除草等を行なう管理作業機を例にして説明する。先ず、管理作業機について概説する。管理作業機60は、図5(側面図)に示すように、左右方向に延びる主フレーム61に設けられた管理機側連結部62に図示しない走行機体の後部に設けられた三点リンク連結機構を連結して、走行機体の後部に昇降動可能に装着される。主フレーム61の左右方向の中央下部には図示しないギアボックスが設けられ、このギアボックスの入力軸には、走行機体のPTO軸(図示せず)から、動力が伝達されるようになっている。
【0027】
主フレーム61の後側の下方には、主フレーム61の延びる方向に所定間隔を有して配置された複数の中耕ユニット63が設けられている。中耕ユニット63は、主フレーム61の下部に前後方向に揺動自在に枢結された動力伝達ケース66の下端部に設けられている。中耕ユニット63は、動力伝達ケース66の下端部に回転動自在に支持された中耕ロータ64を有する。中耕ロータ64は周縁部に複数の耕耘爪65を有し、ギアボックスの入力軸及び動力伝達ケース66内に設けられた伝動機構を介して走行機体からの駆動力が伝達されるようになっている。
【0028】
中耕ロータ64の上方にはカバー装置70が設けられている。カバー装置70は、中耕ロータ64の上方位置に配置されて略水平方向に延びて中耕ロータ64の上部を覆うカバー部71と、中耕ロータ64が上下方向に移動したときにカバー部71の姿勢を略同じ状態にしたままでカバー部71を上下移動させる揺動アーム部73を有してなる。カバー部71は、動力伝動軸ケース66の下端部に前後方向に揺動自在に支持された揺動支持軸72の上端部に固着される。
【0029】
揺動アーム部73は、動力伝達ケース66の上部に突設されたブラケット67の先端部に枢結されて動力伝達ケース66に沿って下方へ延びて下端部がカバー部71の上部に枢結された上リンク部材74と、前述した動力伝達ケース66を有して、リンク機構を構成している。動力伝達ケース66は、上リンク部材74に対して下側のリンク部材(以下、「下リンク部材」と記す。)を構成し、動力伝達ケース66の長さは、上リンク部材74のそれよりも長尺である。動力伝達ケース66には、上端部が主フレーム61に枢結されて下端部が動力伝達ケース66に枢結されて、中耕ロータ64の上下位置を調整可能なコンプレッションロッド75が設けられている。コンプレッションロッド75は主フレーム61に対して上下方向に移動可能に構成される。コンプレッションロッド75の上下位置を調整すると、動力伝達ケース66が上下方向に揺動し、カバー部71がブラケット67及び上リンク部材74を介して揺動支持軸72の揺動支点P2を揺動中心として前後方向に揺動する。
【0030】
このため、図6(側面図)に示すように、コンプレッションロッド75を上方に移動させると、動力伝達ケース66が上方に揺動して、カバー部71が上リンク部材74を介して揺動支点P2を揺動中心として後側に揺動する。これと同時に中耕ロータ64が動力伝達ケース66の枢結位置を揺動中心として上方に移動する。即ち、カバー部71は、動力伝達ケース66が上方へ揺動すると、中耕ロータ64とともに上方へ移動し、且つ後側に揺動する。このため、カバー部71は動力伝達ケース66の前後揺動に拘わらず、常に略水平状態に維持される。その結果、中耕ロータ64により耕耘された土がカバー部71で規制されずにカバー部外側に飛散する事態を未然に防止することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる農業用機械のカバー装置によれば、揺動アーム部は、作業部が上下方向に移動すると、カバー部の姿勢を略同じ状態にしたままでカバー部を上下移動させるので、作業部の上下移動に拘わらず、カバー部により覆われる作業部の相対位置関係を常に一定にすることができる。このため、作業部による耕耘等の作業の作業深さを変えるため、作業部の上下位置が調整された場合、作業部により耕耘等された土はカバー部材により規制される。その結果、土がカバー部材の外側に飛散する事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるカバー装置を搭載した畦塗り機の斜視図を示す。
【図2】この畦塗り機を示し、同図(a)は畦塗り機の平面図であり、同図(b)は畦塗り機の側面図である。
【図3】カバー装置の動作を説明するためのカバー装置の側面図を示す。
【図4】揺動アーム部が平行リンク機構を構成するカバー装置の動作を説明するためのカバー装置の側面図を示す。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係わるカバー装置を搭載した管理作業機の側面図を示す。
【図6】この管理作業機の側面図を示す。
【符号の説明】
1 畦塗り機(農業用機械)
5 オフセットフレーム(作業機側本体部)
24 天場処理ロータ(作業部)
25 天場側カバー部(カバー部)
26b 第2動力伝達ケース(下リンク部材)
50、70 カバー装置
51、73 揺動アーム部
52、74 上リンク部材
60 管理作業機(農業用機械)
61 主フレーム(作業機側本体部)
64 中耕ロータ(作業部)
66 動力伝達ケース(下リンク部材)
71 カバー部
80 走行機体
【出願人】 【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地
【出願日】 平成15年6月26日(2003.6.26)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳

【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌

【公開番号】 特開2005−13104(P2005−13104A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2003−182919(P2003−182919)