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【発明の名称】 畦塗り機
【発明者】 【氏名】遠藤 忠治
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地 小橋工業株式会社内

【要約】 【課題】前処理部及び整畦部の上下位置関係を一定にした状態でこれらの回動を可能にする。

【解決手段】畦塗り機1は、ヒッチフレーム3に設けられた畦塗り機側連結装置50と、ヒッチフレーム3に枢結されて左右に旋回動可能なオフセットフレーム10と、この後端部に設けられた上下に延びる回動中心軸13に回動可能に連結された前処理部31及び整畦部41を有してなる作業部20を備える。畦塗り機側連結装置50はヒッチフレーム3の左右両端部に支持板51を介して連結された幅方向連結部55と、メインフレーム53及びヒッチフレーム3間に配設されて伸縮動可能な前後方向傾斜調整部61を有する。幅方向連結部55に走行機側連結装置73のロアリンク74、74’が連結される。前後方向傾斜調整部61はターンバックルであり、これを回動させると回動中心軸13の前後方向側への傾斜が非傾斜状態に調整される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に装着され、旧畦を切り崩して土盛りを行なう前処理部及び盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を有してなる作業部と、前記走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置に前記作業部を移動可能に支持する本体部と、該本体部の前側に設けられて該走行機体の走行機側連結装置と連結可能な畦塗り機側連結装置を備え、前記前処理部及び前記整畦部のそれぞれの回転軸は、前記本体部に上下方向に回動自在に設けられた回動中心軸に対して直交する方向に回転動自在に設けられ、前記走行機体の移動とともに畦塗り作業を行なう畦塗り機において、
前記畦塗り機側連結装置は、
前記本体部の前側に該本体部の幅方向に所定間隔を有して配設され、前記走行機側連結装置に幅方向に所定間隔を有して配設されて後方側へ延びるリンク部材に連結可能な幅方向連結部と、
前側が前記走行機側連結装置に回動自在に連結されて後側が前記本体部に回動自在に連結されて伸縮動可能であり、伸縮動させると、前記本体部が前記幅方向連結部に回動自在に連結された揺動支点を揺動中心として上下方向に揺動して、前記回動中心軸の前記本体部の前後方向側への傾斜を非傾斜状態に調整可能な前後方向傾斜調整部と
を有してなることを特徴とする畦塗り機。
【請求項2】
前記畦塗り機側連結装置は、前記幅方向連結部と前記前後方向傾斜調整部の前側とを繋ぐ連結フレーム部を有してなることを特徴とする請求項1に記載の畦塗り機。
【請求項3】
走行機体に装着され、旧畦を切り崩して土盛りを行なう前処理部及び盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を有してなる作業部と、前記走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置に前記作業部を移動可能に支持する本体部と、該本体部の前側に設けられて該走行機体の走行機側連結装置と連結可能な畦塗り機側連結装置を備え、前記前処理部及び前記整畦部のそれぞれの回転軸は、前記本体部に上下方向に回動自在に設けられた回動中心軸に対して直交する方向に回転動自在に設けられ、前記走行機体の移動とともに畦塗り作業を行なう畦塗り機において、
前記畦塗り機側連結装置は、
前記本体部の前側に該本体部の幅方向に所定間隔を有して配設され、前記走行機側連結装置に幅方向に所定間隔を有して配設されて後方側へ延びる一対のリンク部材に連結可能であり、対応する前記一対のリンク部材に連結されると、前記回動中心軸の前記本体部の幅方向側への傾斜を非傾斜状態にする一対の幅方向非傾斜連結部と、
前記本体部の前側であって前記一対の幅方向非傾斜連結部よりも上方位置又は下方位置に配置され、前側が前記走行機側連結装置に回動自在に連結されて後側が前記本体部に回動自在に連結されて伸縮動可能であり、伸縮動させると、前記本体部が前記幅方向非傾斜連結部に回動自在に連結された揺動支点を揺動中心として上下方向に揺動して、前記回動中心軸の前記本体部の前後方向側への傾斜を非傾斜状態に調整可能な前後方向傾斜調整部と
を有してなることを特徴とする畦塗り機。
【請求項4】
前記畦塗り機側連結装置は、前記一対の幅方向非傾斜連結部と前記前後方向傾斜調整部の前側とを繋ぐ連結フレーム部を有してなることを特徴とする請求項3に記載の畦塗り機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、畦塗り機に関し、特に、旧畦を切り崩して土盛りを行なう前処理部及び盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を備えた作業部を走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置に移動させて畦塗り作業を行なう畦塗り機に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような畦塗り機は、走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置に作業部を配置し、走行機体の前進動とともに畦塗り作業を行なうのが一般的である。この畦塗り機による畦塗り作業は、走行機体の前進動によって行なわれるので、走行機体の前端部が圃場の端部に到達すると、走行機体の略前後方向の長さ分の塗り残しが発生する。このため、塗り残された旧畦を畦塗りするため、作業部により畦塗りが行なわれた側のオフセット位置と反対側のオフセット位置作業部を移動させ、走行機体を後進動させながら作業部により塗り残された旧畦を畦塗り作業をすることができるように構成された畦塗り機が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この畦塗り機は、走行機体側に取り付けられて車両後方側へ延びて先端部が垂直下方へ延びる回動支点軸の周りに前処理部及び整畦部を有してなる作業部が水平方向に回動自在に装着されている。このため、回動支点軸が垂直方向に延びている限り、前処理部及び整畦部の上下位置関係を一定にしたままで、作業部を回動支点軸周りに回動させることができる。その結果、走行機体を後進動させながら、作業部により塗り残された旧畦の畦塗り作業を行なうことができる。
【0004】
また、畦塗り機には、畦塗り機本体部の前側に畦塗り機側連結装置を有し、畦塗り機本体部の後側に上下方向に延びて回動可能な回動中心軸を有し、この回動中心軸に作業部を取り付け、走行機体側に設けられた三点リンクヒッチ機構を有した走行機側連結装置に畦塗り機側連結装置を連結可能に構成されたものも一般的に知られている。走行機側連結装置は、走行機体の後側下部に車両の幅方向に所定間隔を有して後方側へ突設された一対のロアリンクと、一対のロアリンク間の上方位置に配設されて前端部が走行機体の後部に回動自在に設けられたトップリンクと、トップリンクの先端部と一対のロアリンクの先端部間を回動自在に繋ぐとともに、畦塗り機側連結装置と連結可能なメインフレームを有して構成される。ロアリンクは走行機体に設けられた昇降シリンダの伸縮作動により昇降動可能である。このため、昇降シリンダの伸縮動に応じてロアリンクを介してメインフレームを昇降動させて、畦塗り機の上下位置を調整することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−246001号公報(第3頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、走行機体側に設けられた回転支持軸の周りに作業部が回動自在に取り付けられた畦塗り機では、回転支持軸に対して畦塗り装置の上下位置調整ができないので、圃場の状況に応じて走行機体に対する作業部の上下位置を調整することができず、所望の畦塗り作業を行なうことができない場合が生じる。
【0007】
また、三点リンクヒッチ機構を有した走行機側連結装置に畦塗り機側連結装置を介して連結される畦塗り機の場合では、畦塗り機側連結装置に汎用品が用いられると、走行機体の種類によっては走行機側連結装置のロアリンクを上下方向に揺動させても、作業部を回動自在に支持する回動中心軸が前側又は後側に傾斜して、回動中心軸の延びる方向を垂直方向に調整することができない場合がある。このような状態で前処理部及び整畦部を有してなる作業部を畦塗り機本体部に対して回動させると、前処理部及び整畦部の上下位置関係がずれて、作業部による畦塗り作業が不十分になるという問題が生じる。そこで、走行機側連結装置に応じた専用の畦塗り機側連結装置を製造してこれを用いれば、作業部の回動に拘わらず前処理部及び整畦部の上下位置関係を常に一定にすることができるが、極めて非経済的である。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、旧畦を切り崩して土盛りを行なう前処理部と、盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を備えた畦塗り機において、走行機側連結装置に畦塗り機を装着した状態で畦塗り機の上下位置を調整可能であり、且つ作業部を回転動させても前処理部及び整畦部の上下位置関係を一定にすることができる畦塗り機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わる畦塗り機は、走行機体に装着され、旧畦を切り崩して土盛りを行なう前処理部及び盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を有してなる作業部と、走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置に作業部を移動可能に支持する本体部(例えば、実施形態におけるオフセットフレーム10)と、該本体部の前側に設けられて該走行機体の走行機側連結装置と連結可能な畦塗り機側連結装置を備え、前処理部及び整畦部のそれぞれの回転軸は、本体部に上下方向に回動自在に設けられた回動中心軸に対して直交する方向に回転動自在に設けられ、走行機体の移動とともに畦塗り作業を行なう畦塗り機において、畦塗り機側連結装置は、本体部の前側に該本体部の幅方向に所定間隔を有して配設され、走行機側連結装置に幅方向に所定間隔を有して配設されて後方側へ延びるリンク部材(例えば、実施形態におけるロアリンク74、74’)に連結可能な幅方向連結部と、前側が走行機側連結装置に回動自在に連結されて後側が本体部に回動自在に連結されて伸縮動可能であり、伸縮動させると、本体部が幅方向連結部に回動自在に連結された揺動支点を揺動中心として上下方向に揺動して、回動中心軸の本体部の前後方向側への傾斜を非傾斜状態に調整可能な前後方向傾斜調整部とを有してなる。
【0010】
上記構成の畦塗り機によれば、本体部の前側に設けられた畦塗り機側連結装置は、本体部の前側に本体部幅方向に所定間隔を有して配設されて走行機側連結装置のリンク部材に連結可能な幅方向連結部と、回動中心軸の本体部の前後方向側への傾斜を非傾斜状態に調整可能な前後方向傾斜調整部を有することで、走行機側連結装置のリンク部材に畦塗り機側連結装置を連結し、前後方向傾斜調整部の伸長量を調整するだけで、回動中心軸の本体部の前後方向側への傾斜を非傾斜状態にすることができる。このため、作業部を構成する前処理部及び整畦部の各回転軸の上下方向の位置関係を一定にすることができ、これら各部の上下位置関係を一定にしたままで作業部を本体部に対して回動させることができる。その結果、本体部に対する作業部の位置を変化させたときに、作業部の畦塗り作業の性能が変化する事態を防止することができる。また、畦塗り機側連結装置により回動中心軸の調整をひとたび行なえば、その後の調整作業は不要になるので、畦塗り作業の作業全体の作業効率を向上させることができる。
【0011】
上記構成の畦塗り機において、畦塗り機側連結装置は、幅方向連結部と前後方向傾斜調整部の前側とを繋ぐ連結フレーム部を有してなるようにしてもよい。
【0012】
上記構成の畦塗り機によれば、幅方向連結部と前後方向傾斜調整部の前側とを連結フレーム部を介して繋ぐことで、幅方向連結部に対して前後方向傾斜調整部を位置決めすることができる。このため、畦塗り機側連結装置と走行機側連結装置との連結作業を容易にすることができる。
【0013】
また、本発明に係わる畦塗り機は、走行機体に装着され、旧畦を切り崩して土盛りを行なう前処理部及び盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部を有してなる作業部と、走行機体の走行位置に対して側方にオフセットした位置に作業部を移動可能に支持する本体部と、該本体部の前側に設けられて該走行機体の走行機側連結装置と連結可能な畦塗り機側連結装置を備え、前処理部及び整畦部のそれぞれの回転軸は、本体部に上下方向に回動自在に設けられた回動中心軸に対して直交する方向に回転動自在に設けられ、走行機体の移動とともに畦塗り作業を行なう畦塗り機において、畦塗り機側連結装置は、本体部の前側に該本体部の幅方向に所定間隔を有して配設され、走行機側連結装置に幅方向に所定間隔を有して配設されて後方側へ延びる一対のリンク部材に連結可能であり、対応する一対のリンク部材に連結されると、回動中心軸の本体部の幅方向側への傾斜を非傾斜状態にする一対の幅方向非傾斜連結部と、本体部の前側であって一対の幅方向非傾斜連結部よりも上方位置又は下方位置に配置され、前側が走行機側連結装置に回動自在に連結されて後側が本体部に回動自在に連結されて伸縮動可能であり、伸縮動させると、本体部が幅方向非傾斜連結部に回動自在に連結された揺動支点を揺動中心として上下方向に揺動して、回動中心軸の本体部の前後方向側への傾斜を非傾斜状態に調整可能な前後方向傾斜調整部とを有してなる。
【0014】
上記構成の畦塗り機によれば、本体部の前側に設けられた畦塗り機側連結装置は、回動中心軸の本体部の幅方向側への傾斜を非傾斜状態にする一対の幅方向非連結部と、回動中心軸の本体部の前後方向側への傾斜を非傾斜状態に調整可能な前後方向傾斜調整部を有することで、走行機体の走行機側連結装置に畦塗り機側連結装置を連結して、前後方向傾斜調整部の伸長量を調整するだけで、回動中心軸を確実に垂直方向にすることができる。このため、作業部の回動支点の延びる方向を垂直にすることができ、作業部を構成する前処理部及び整畦部の上下位置関係を一定にしたままで作業部を水平方向に回動させることができる。その結果、本体部に対する作業部の回動位置が変化したときに、作業部の畦塗り作業の性能が変化する事態を確実に防止することができる。また、畦塗り機側連結装置により回動中心軸の調整をひとたび行なえば、その後の調整作業は不要になるので、畦塗り作業の作業全体の作業効率を向上させることができる。
【0015】
上記構成の畦塗り機において、畦塗り機側連結装置は、一対の幅方向非傾斜連結部と前後方向傾斜調整部の前側とを繋ぐ連結フレーム部を有してなるようにしてもよい。
【0016】
上記構成の畦塗り機によれば、一対の幅方向非傾斜連結部と前後方向傾斜調整部とを連結フレーム部を介して繋ぐことで、一対の幅方向非傾斜連結部に対して前後方向傾斜調整部を位置決めすることができる。このため、畦塗り機側連結装置と走行機側連結装置との連結作業を容易にすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1から図3に基づいて説明する。なお、説明の都合上、図1(斜視図)に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として以下説明する。
【0018】
本発明に係わる畦塗り機1は、図1に示すように、左右方向に延びるヒッチフレーム3の前側に設けられて走行機体の走行機側連結装置と連結可能な畦塗り機側連結装置50と、ヒッチフレーム3の左右方向の中央部に前端側が回動自在に取り付けられて後端側が左右方向に旋回動可能なオフセットフレーム10と、オフセットフレーム10の後端部に左右方向に回動可能に連結された作業部20を有してなる。
【0019】
ヒッチフレーム3の左右方向の中央下部には、図3(側面図)に示すように、ギアボックス5が設けられている。ギアボックス5の入力軸5aには、走行機体70のPTO軸71から畦塗り機側連結装置50の伝動軸65を介して、動力が伝達される。オフセットフレーム10は内部が中空な箱状部材であり、オフセットフレーム10の後端部には上下方向に延びて回転動自在に支持された駆動軸11が設けられている。この駆動軸11は、ギアボックス5の入力軸5a及びオフセットフレーム10内に配設されたチェーン伝動機構(図示せず)を介して走行機体70からの駆動力が伝達されるように構成されている。
【0020】
オフセットフレーム10は、図2(平面図)に示すように、一端部がオフセットフレーム10の後側上部に枢結されて他端部がヒッチフレーム3の上部に枢結された旋回シリンダ12の伸縮動作により左右方向に旋回動可能である。
【0021】
オフセットフレーム10の後端下部には、図3に示すように、駆動軸11の下部に連結されて下方へ延びる回動中心軸13が設けられている。回動中心軸13は駆動軸11と同軸上に配置され、オフセットフレーム10が水平方向に延びると、回動中心軸13は垂直方向に延びる。回動中心軸13の外側には回動中心軸13を覆う円筒状の回転軸ケース14が配設され、その上端部はオフセットフレーム10の後端下部に回動自在に接続されている。回転軸ケース14は、図1に示すように、一端部がオフセットフレーム10の側部に枢結されて他端部が回転軸ケース14に枢結された回動シリンダ15の伸縮動作により回動可能である。
【0022】
回転軸ケース14の下部には前述した作業部20が取り付けられている。作業部20は、圃場の周辺に沿って形成された旧畦の上部を切り崩す天場処理部21と、切り崩した土の土盛りを行なう前処理部31と、盛られた土を切り崩された旧畦上に塗り付ける整畦部41を有してなる。
【0023】
前処理部31は、図3に示すように、横方向に延びて回転動自在に支持された回転軸32の外周に放射状に取り付けられた複数の耕耘爪33を有する。前処理部31にはこれを回転自在に支持する前処理動力伝達ケース35が接続され、前処理動力伝達ケース35の先端部は回転軸ケース14に接続されている。前処理動力伝達ケース35内には図示しない動力伝動機構が内蔵され、この伝動機構を介して回動中心軸13の動力が前処理部31に伝達されるようになっている。前処理部31の回転軸32は、回転軸ケース14内に収容された回動中心軸13の延びる方向に対して直交する方向に延びる。このため、回動中心軸13が垂直方向に延びると、回転軸32は水平方向に延びる。
【0024】
整畦部41は、左右方向に延びて回転動自在に支持された回転軸44に取り付けられて内側に進むに従って径が拡開する多面体ドラム42と、多面体ドラム42の右側端部に取り付けられて横方向に延びる円筒部43を有してなる。多面体ドラム42は新畦の法面を形成し、円筒部43は新畦の天場を形成する。整畦部41には、図1に示すように、これを回転動自在に支持する整畦動力伝達ケース45が接続される。整畦動力伝達ケース45は、一端部が多面体ドラム42の内部に延びて整畦部41を回転動自在に支持し、他端部が回転軸ケース14に接続されている。整畦動力伝達ケース45内には図3に示す回動中心軸13からの動力を整畦部41に伝達可能な動力伝達機構が設けられている。図3に示すように、整畦部41の回転軸44は回転軸ケース14内に収容された回動中心軸13の延びる方向に対して直交する方向に延びる。このため、回動中心軸13が垂直方向に延びると、整畦部41の回転軸44は水平方向に延びる。
【0025】
天場処理部21は、下部が開口したカバー部材22に水平方向に延びて回転動自在に支持された回転軸23の外周に放射状に取り付けられた複数の削土爪24を有する。カバー部材22の左側端部には、図2に示すように、天場動力伝達ケース26の一端部が接続されている。天場動力伝達ケース26は前処理部31を囲むようにして配置され、その他端部は図1に示す回転軸ケース14に接続されている。
【0026】
天場動力伝達ケース26内には図3に示す回動中心軸13の駆動力を天場処理部21に伝達可能な動力伝達機構が設けられている。天場処理部21の回転軸23は、図3に示すように、回動中心軸13の延びる方向に対して直交する方向に延びる。このため、回動中心軸13が垂直方向に延びると、天場処理部21の回転軸23は水平方向に延びる。
【0027】
このため、回動中心軸13が垂直方向に延びると、天場処理部21、前処理部31及び整畦部41の各回転軸23,32、44は水平方向に延びる。従って、回動中心軸13を垂直方向にすることで、作業部20の回動支点を垂直にすることができ、各部の上下位置関係を一定にしたままで作業部20を回動させることができる。
【0028】
さて、オフセットフレーム10を支持するヒッチフレーム3には、前述した畦塗り機側連結装置50が設けられている。畦塗り機側連結装置50は、走行機体70の後部に設けられた三点リンクヒッチ機構を構成する走行機側連結装置73に連結される。まず、畦塗り機側連結装置50を説明する前に、走行機側連結装置73を概説する。
【0029】
走行機側連結装置73は、走行機体70のミッションケース72の左右両端部に上下方向に揺動自在に枢結された一対のロアリンク74、74’と、一対のロアリンク74、74’間の上方のミッションケース72の上部に突設されたトップリンクヒッチ75の先端部に上下方向に揺動自在に枢結されたトップリンク76と、ミッションケース72内に収容された昇降シリンダ77の伸縮動に応じて先端側が上下方向に揺動自在なリフトアーム78と、上端部がリフトアーム78に枢結されて下端部がロアリンク74、74’に枢結されてリフトアーム78の上下揺動に応じてロアリンク74、74’を上下方向に揺動させるリフトロッド79を有してなる。
【0030】
この走行機側連結装置73に連結される畦塗り機側連結装置50は、図2に示すように、ヒッチフレーム3の幅方向に所定間隔を有して配設されて前側に延びる一対の支持板51と、一対の支持板51、51に上下方向に揺動自在に枢結されたメインフレーム53を有してなる。メインフレーム53は正面視において逆U字状をなす連結フレーム部54と、連結フレーム部54の左右両下端部に取り付けられた一対の幅方向連結部55を有してなる。連結フレーム部54の上部には前後方向に延びる上ブラケット60が設けられている。幅方向連結部55はその後端部に支持板51が枢結される。このため、オフセットアーム10は、支持板51と幅方向連結部55との枢結位置を揺動支点(以下、「オフセットアーム10の揺動支点P1」と記す。)として、上下方向に揺動可能である。幅方向連結部55の前側の外側面には、ロアリンク74、74’の先端部と回動自在に連結可能な枢支軸56、56’が設けられている。
【0031】
一対の幅方向連結部55よりも上方位置における上ブラケット60とヒッチフレーム3の前端部との間には、前後方向に伸縮動可能な前後方向傾斜調整部61が設けられている。前後方向傾斜調整部61は、前側が上ブラケット60の後側端部に回動自在に連結されて後側がヒッチフレーム3の中央上部に回動自在に連結されたいわゆるターンバックルである。前後方向傾斜調整部61は、前後両端部に雌ねじ部を有した本体部62と、本体部62の前後両端部に螺合した一対の雄ねじ部63を有してなる。本体部62の中間部には外側に突出する棒状の把手部62aが設けられている。前側の雄ねじ部63の端部が上ブラケット60に枢結され、後側の雄ねじ部63の端部がヒッチフレーム3の中央上部に枢結される。
【0032】
把手部62aを介して本体部62を一方側及び他方側に回動させると、一対の雄ねじ部63、63は互いに接近動する方向及び離反動する方向に移動する。このため、本体部62を回動させることで、前後方向傾斜調整部61は前後方向に伸縮動する。従って、前後方向傾斜調整部61を伸縮動させると、オフセットフレーム10はオフセットフレーム10の揺動支点P1を揺動中心として上下方向に揺動して、回動中心軸13のオフセットアーム10の前後方向側への傾斜を非傾斜状態に調整することができる。なお、前後方向傾斜調整部61はターンバックルに限るものではなく、伸縮シリンダ等のアクチュエータでもよい。オフセットフレーム10の上面にはオフセットフレーム10が前後方向及び左右方向に傾斜しているか否かを検出するための図示しない水準器が設けられている。この水準器によりオフセットフレーム10が水平方向にあると検出されると、回動中心軸13は垂直方向に延びていることになる。
【0033】
このように構成された畦塗り機1によれば、図3に示すように、一対の幅方向連結部55の枢支軸56にそれぞれに対応するロアリンク74、74’を連結し、畦塗り機側連結装置50の上ブラケット60にトップリンク76を連結したときに、回動中心軸13がオフセットアーム10の前後方向側に傾斜している場合、走行機側連結装置73の昇降シリンダ77によりロアリンク74、74’を上下方向に揺動しても回動中心軸13の前後方向の傾きが非傾斜状態にならないときには、前後方向傾斜調整部61の本体部62を回動させる。本体部62が回動すると、オフセットアーム10がオフセットアーム10の揺動支点P1を揺動中心として上下方向に揺動して、回動中心軸13の前後方向への傾斜を非傾斜状態に調整する。なお、回動中心軸13が前後方向に非傾斜状態にあるか否かは、前述した水準器により判断される。
【0034】
従って、作業部20を構成する天場処理部21、前処理部31及び整畦部41の各回転軸23,32,44の上下方向の位置関係を一定にすることができ、これら各部の上下位置関係を一定にしたままで作業部20を回動させることができる。その結果、オフセットアーム10に対する作業部20の位置を変化させたときに、作業部20による畦塗り作業の性能が変化する事態を防止することができる。
【0035】
なお、図2に示すように、幅方向連結部55に設けられた枢支軸56、56’にロアリンク74、74’を連結した状態で、オフセットアーム10に設けられた回動中心軸13のオフセットアーム10の幅方向側への傾斜が非傾斜状態になるように、枢支軸56、56’を幅方向連結部55に配設してもよい。このような枢支軸56、56’を配設した幅方向連結部を以下、幅方向非傾斜連結部57と記す。
【0036】
このよう幅方向非傾斜連結部57の枢支軸56、56’にこれらに対応するロアリンク74、74’を連結し、上ブラケット60にトップリンク76を連結し、前後方向傾斜調整部61の本体部62により回動中心軸13のオフセットアーム10の前後方向側への傾斜を非傾斜状態に調整することで、回動中心軸13を垂直状態にすることができる。従って、これら各部の上下位置関係を一定にしたままで作業部20を水平方向に回動させることができ、オフセットアーム10に対する作業部20の位置を変化させたときに、作業部20による畦塗り作業の性能が変化する事態を確実に防止することができる。また、畦塗り機側連結装置50により回動中心軸13の垂直調整をひとたび行なえば、その後の垂直調整作業は不要であるので、畦塗り作業の作業全体の作業効率を向上させることができる。
【0037】
なお、前述した実施の形態では、作業部20は左右方向に旋回動自在なオフセットフレーム10の後端部に設けられた場合を示したが、これに限るものではなく、左右方向に旋回動不能な畦塗り機本体部(図示せず)に、作業部20を、畦塗り機本体部の一方側のオフセット位置と、この位置とは畦塗り機本体部に対して反対側のオフセット位置に移動可能に取り付けてもよい。この場合、畦塗り機側連結装置50は、畦塗り機本体部に作業部20が設けられた側と反対側の畦塗り機本体部に設ける。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる畦塗り機によれば、本体部の前側に設けられた畦塗り機側連結装置は、本体部の前側に本体部幅方向に所定間隔を有して配設されて走行機側連結装置のリンク部材に連結可能な幅方向連結部と、回動中心軸の本体部の前後方向側への傾斜を非傾斜状態に調整可能な前後方向傾斜調整部を有することで、走行機側連結装置のリンク部材に畦塗り機側連結装置を連結し、前後方向傾斜調整部の伸長量を調整するだけで、回動中心軸の本体部の前後方向側への傾斜を非傾斜状態にすることができる。このため、作業部を構成する前処理部及び整畦部の各回転軸の上下方向の位置関係を一定にすることができ、これら各部の上下位置関係を一定にしたままで作業部を回動させることができる。その結果、本体部に対する作業部の位置を変化させたときに、作業部の畦塗り作業の性能が変化する事態を防止することができる。また畦塗り機側連結装置により回動中心軸の調整をひとたび行なえば、その後の調整作業は不要であるので、畦塗り作業の作業全体の作業効率を向上させることができる。
【0039】
また、本発明に係わる畦塗り機によれば、本体部の前側に設けられた畦塗り機側連結装置が、回動中心軸の本体部の幅方向側への傾斜を非傾斜状態にする一対の幅方向非傾斜連結部と、回動中心軸の本体部の前後方向側への傾斜を非傾斜状態に調整可能な前後方向傾斜調整部を有することで、走行機体の走行機側連結装置に畦塗り機側連結装置を連結して、前後方向傾斜調整部の伸長量を調整するだけで、回動中心軸の延びる方向を垂直にすることができる。このため、作業部の回動支点の延びる方向を垂直にすることができ、作業部を構成する前処理部及び整畦部の上下位置関係を一定にしたままで作業部を水平方向に回動させることができる。その結果、本体部に対する作業部の回動位置が変化したときに、作業部の畦塗り作業の性能が変化する事態を確実に防止することができる。また畦塗り機側連結装置により回動中心軸の調整をひとたび行なえば、その後の調整作業は不要であるので、畦塗り作業の作業全体の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる畦塗り機の斜視図を示す。
【図2】この畦塗り機の平面図を示す。
【図3】この畦塗り機の側面図を示す。
【符号の説明】
1 畦塗り機
10 オフセットフレーム(本体部)
13 回動中心軸
20 作業部
31 前処理部
32、44 回転軸
41 整畦部
50 畦塗り機側連結装置
54 連結フレーム部
55 幅方向連結部
57 幅方向非傾斜連結部
61 前後方向傾斜調整部
70 走行機体
73 走行機側連結装置
74、74’ ロアリンク(リンク部材)
【出願人】 【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
【住所又は居所】岡山県岡山市中畦684番地
【出願日】 平成15年6月13日(2003.6.13)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳

【識別番号】100118898
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 立昌

【公開番号】 特開2005−114(P2005−114A)
【公開日】 平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願番号】 特願2003−169130(P2003−169130)