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【発明の名称】 多層プリント配線板用材料とそれを用いた多層プリント配線板およびその製造方法
【発明者】 【氏名】島田 靖
【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社総合研究所内
【氏名】近藤 裕介
【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社総合研究所内
【氏名】斑目 健
【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社総合研究所内
【氏名】大塚 和久
【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社総合研究所内
【氏名】島山 裕一
【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社総合研究所内
【氏名】山口 正憲
【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社総合研究所内
【氏名】渡辺 悦男
【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社下館事業所内
【氏名】山本 和徳
【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社総合研究所内
【氏名】竹内 一雅
【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社総合研究所内
【氏名】田中 裕子
【住所又は居所】茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成工業株式会社総合研究所内
【氏名】横澤 舜哉
【住所又は居所】東京都港区芝浦四丁目9番25号 日立化成工業株式会社内
【課題】経済的に優れた多層プリント配線板およびその多層プリント配線板用材料を提供すること。

【解決手段】金属箔を備えた半硬化熱硬化性樹脂材料のシートの金属箔をエッチングして回路形成することと、そのシートに穴を設け、導電性材料を充填することにより、一括積層可能な回路シートを作製する。その後、複数の回路シートを一括積層することにより多層プリント配線板を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側の最外層に金属箔を備え、それぞれの金属箔に接する半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備え、コアに半硬化状態の熱硬化性樹脂層と容易に剥離できるシートを備えたことを特徴とする多層プリント配線板用材料。
【請求項2】
半硬化状態の熱硬化性樹脂層の破断強度が、室温にて40MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板用材料。
【請求項3】
半硬化状態の熱硬化性樹脂層が織布または不織布を含むことを特徴とする請求項1、2に記載の多層プリント配線板用材料。
【請求項4】
最外層の金属箔が粗化処理を行った表面を有していることを特徴とする請求項1〜3に記載の多層プリント配線板用材料。
【請求項5】
容易に剥離できるシートが熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4に記載の多層プリント配線板用材料。
【請求項6】
最外層の金属箔が任意の回路パターンを形成されていることを特徴とする請求項1〜5に記載の多層プリント配線板用材料。
【請求項7】
半硬化状態の熱硬化性樹脂層に、穴が任意の位置に設けられ、導電性材料が充填されていることを特徴とする請求項1〜6に記載の多層プリント配線板用材料。
【請求項8】
導電性材料の導電率が1×10S/m以上であることを特徴とする請求項7に記載の多層プリント配線板用材料。
【請求項9】
請求項1〜8に記載の多層プリント配線板用材料を用いたことを特徴とする多層プリント配線板。
【請求項10】
複数の導体層と絶縁層を有する多層プリント配線板の製造方法であって、半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
【請求項11】
半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程において、露点温度が−50℃以下の乾燥度を有した空気の噴流に曝されることにより、基板洗浄後の乾燥を行うことを特徴とする請求項10に記載の多層プリント配線板の製造方法。
【請求項12】
複数の導体層と絶縁層を有する多層プリント配線板製造方法であって、その工程に少なくとも、
1)半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程と、2)半硬化状態の熱硬化性樹脂層に非貫通穴を設ける工程と、3)非貫通穴に導電性材料を充填する工程と、4)これらの半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
【請求項13】
半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程において、最外層の片面に金属箔を、他の片面に非貫通穴に導電性材料を充填した半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備え、且つ回路パターンを形成していない金属箔を構成したことを特徴とする請求項12に記載の多層プリント配線板の製造方法。
【請求項14】
複数の導体層と絶縁層を有する多層プリント配線板製造方法であって、その工程に少なくとも、
1)半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程と、2)半硬化状態の熱硬化性樹脂層に貫通穴を設ける工程と、3)貫通穴に導電性材料を充填する工程と、4)これらの半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
【請求項15】
半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程において、最外層の片面に金属箔を、他の片面に貫通穴に導電性材料を充填した半硬化状態の熱硬化性樹脂シートと金属箔を構成したことを特徴とする請求項14に記載の多層プリント配線板の製造方法。
【請求項16】
半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程において、両面に任意の回路パターンが形成され必要な層間接続されたコア回路基板を半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の任意の間に構成したことを特徴とする請求項12、14に記載の多層プリント配線板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、多層プリント配線板用材料とそれを用いた多層プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の発達にともない、電子部品を搭載する配線板の配線数も増加し、多層化が進んできた。これまでは、配線ライン幅の細線化等の高密度配線化が重要な技術と見なされてきたが、経済性が大きく見直されている状況にある。
【0003】
多層プリント配線板の経済性を見直すための手段としては、使用する材料コストの低減と製造プロセスコストの低減が有効である。前者については、例えば一般的に多層プリント配線板に用いられているガラスエポキシ基材等の材料を紙フェノール基材などの安価な材料に切り替えることが有効である。しかし、耐熱性に代表される多層プリント配線板の信頼性が低く、品質低下を招く。すなわち、品質の材料依存性が高いために実用化は非常に困難である。したがって、経済性の見直しは、製造プロセスコストの低減に向けられている。
製造プロセスコストを低減させるためには、製造プロセス工程数の削減が有効である。しかし、各工程の運転コストを急激に下げることは品質低下を招きやすく、全体の工程数を削減することが、経済性と品質の両立の解を与える方法である。
【0004】
製造プロセス工程数の削減を目的とした生産技術として一括積層という考え方がある。この考え方の効果については、日経BP社発行の日経エレクトロニクス820号120〜127頁の記事“一括積層でコスト半減、部品内蔵で機能のみ込む”に詳しい。一括積層の考え方を端的に述べると、回路を片面に形成し、接続材料を埋め込んだビアを有する片面基板を複数枚、一括して積層するものである。従来、一般的に用いられてきたビルドアップ基板の製造法では総数に比例して積層回数が増えるのに対して、一括積層法は大幅に改善するものである。前述の文献では、基板材料として熱可塑性樹脂を用いている。また、熱硬化性樹脂を用いた一括積層技術の例として、特開平7−240582や特開平9−36551などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一括積層用基板材料として熱可塑性樹脂を用いる場合には、積層温度が高くなる。これは、実装時に加わる温度(200〜300℃)よりも積層温度を高く設計しないと、リフロー時に熱変形を起こして不良が発生するためである。一般的に多層プリント配線板に用いられているガラスエポキシ基材等の材料を用いた場合の積層温度は150〜200℃であり、従来の製造設備が使えないという問題点が発生する。また、熱硬化性樹脂を用いた特開平7−240582や特開平9−36551の例では、基板の接着のために、基板材料と異なる新たな接着剤層が必要であり、塗布や貼り付け等の工程を加えなければならず、経済性に問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は次のものに関する。
(1) 両側の最外層に金属箔を備え、それぞれの金属箔に接する半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備え、コアに半硬化状態の熱硬化性樹脂層と容易に剥離できるシートを備えたことを特徴とする多層プリント配線板用材料。
(2) 半硬化状態の熱硬化性樹脂層の破断強度が、室温にて40MPa以上であることを特徴とする上記(1)に記載の多層プリント配線板用材料。
(3) 半硬化状態の熱硬化性樹脂層が織布または不織布を含むことを特徴とする上記(1)、(2)に記載の多層プリント配線板用材料。
(4) 最外層の金属箔が粗化処理を行った表面を有していることを特徴とする上記(1)〜(3)に記載の多層プリント配線板用材料。
(5) 容易に剥離できるシートが熱可塑性樹脂からなることを特徴とする上記(1)〜(4)に記載の多層プリント配線板用材料。
(6) 最外層の金属箔が任意の回路パターンを形成されていることを特徴とする上記(1)〜(5)に記載の多層プリント配線板用材料。
(7) 半硬化状態の熱硬化性樹脂層に、穴が任意の位置に設けられ、導電性材料が充填されていることを特徴とする上記(1)〜(6)に記載の多層プリント配線板用材料。
(8) 導電性材料の導電率が1×10S/m以上であることを特徴とする上記(7)に記載の多層プリント配線板用材料。
(9) 上記(1)〜(8)に記載の多層プリント配線板用材料を用いたことを特徴とする多層プリント配線板。
(10) 複数の導体層と絶縁層を有する多層プリント配線板の製造方法であって、半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(11) 半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程において、露点温度が−50℃以下の乾燥度を有した空気の噴流に曝されることにより、基板洗浄後の乾燥を行うことを特徴とする上記(10)に記載の多層プリント配線板の製造方法。
(12) 複数の導体層と絶縁層を有する多層プリント配線板製造方法であって、その工程に少なくとも、
1)半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程と、2)半硬化状態の熱硬化性樹脂層に非貫通穴を設ける工程と、3)非貫通穴に導電性材料を充填する工程と、4)これらの半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(13) 半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程において、最外層の片面に金属箔を、他の片面に非貫通穴に導電性材料を充填した半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備え、且つ回路パターンを形成していない金属箔を構成したことを特徴とする上記(12)に記載の多層プリント配線板の製造方法。
(14) 複数の導体層と絶縁層を有する多層プリント配線板製造方法であって、その工程に少なくとも、
1)半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程と、2)半硬化状態の熱硬化性樹脂層に貫通穴を設ける工程と、3)貫通穴に導電性材料を充填する工程と、4)これらの半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程を有することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(15) 半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程において、最外層の片面に金属箔を、他の片面に貫通穴に導電性材料を充填した半硬化状態の熱硬化性樹脂シートと金属箔を構成したことを特徴とする上記(14)に記載の多層プリント配線板の製造方法。
(16) 半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程において、両面に任意の回路パターンが形成され必要な層間接続されたコア回路基板を半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の任意の間に構成したことを特徴とする上記(12)、(14)に記載の多層プリント配線板の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、両側の最外層に金属箔を備え、それぞれの金属箔に接する半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備え、コアに半硬化状態の熱硬化性樹脂層と容易に剥離できるシートを備えた多層プリント配線板用材料である。両面側に金属箔を有した板の構造であるために、一般的な銅張り積層板の回路加工設備を用いることができる。また、熱硬化性樹脂層と剥離性のあるシートを用いることにより、回路加工後に容易に分離できる。このような多層プリント配線板用材料を作製する手段としては、金属箔と半硬化状態の熱硬化性樹脂シート、及び熱硬化性樹脂層と剥離性のあるシートを本発明の構造に構成して、半硬化状態の熱硬化性樹脂が溶融し、且つ硬化が進まない条件で加熱加圧積層することにより得ることができる。金属箔と半硬化状態の熱硬化性樹脂層として、熱硬化性樹脂の付いた金属箔を用いても良い。熱硬化性樹脂としては、多層プリント配線板で一般的に用いられているエポキシ樹脂の他に、耐熱性に優れたビスマレイミド−トリアジン樹脂や誘電特性に優れた変性ポリフェニレンエーテル樹脂や変性ポリフェニレンオキシド樹脂、シアネート樹脂なども使用できる。さらに必要に応じて官能基を有するゴム系やイミド系などの高分子量樹脂を成分として加えても良い。しかしながら、熱硬化性樹脂としては、上記に限定するものではなく、半硬化状態を工業的に制御可能な樹脂であれば使用可能である。
【0008】
本発明は、さらに半硬化状態の熱硬化性樹脂層の破断強度が、室温にて40MPa以上である多層プリント配線板用材料である。破断強度が、室温にて40MPa以上であると取り扱い性が良好となり、作業効率が向上する。破断強度が40MPa未満の場合には、加工工程でシート材料を補強する材料が必要となる。樹脂自体の物性向上や充填材などの補強材料とのコンポジット化により、このような熱硬化性樹脂層を得ることができる。具体的には、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリエーテル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルアミドイミドのような単体でも高い強度を示すポリマを主成分としたフィルムや、樹脂成形品で強度向上に実績のあるウィスカやガラス繊維などを補強材料としたコンポジット材の使用が効果的である。
【0009】
本発明は、さらに半硬化状態の熱硬化性樹脂層が織布または不織布を含む多層プリント配線板用材料である。織布や不織布は補強材料として十分に破断強度を向上させる。そのために取り扱い性が良好となり、作業効率が向上する。織布としては、ガラスクロスに代表される無機系織布でもアラミドクロスに代表される有機系織布でも使用可能である。不織布についてもガラスペーパーに代表される無機系、アラミドペーパーに代表される有機系ともに使用できる。
【0010】
本発明は、最外層の金属箔が粗化処理を行った表面を有している多層プリント配線板用材料である。積層する基板の金属表面は、樹脂との接着性向上のために、粗化形状を有していることが望ましい。半硬化状態の熱硬化性樹脂は硬化後の状態と比べ、耐薬品性に劣る。例えば、メチルエチルケトン等の溶剤やアルカリ過マンガン酸液などの強アルカリに曝されると樹脂の溶解が起こると予想される。そのために、半硬化状態の熱硬化性樹脂の耐薬品性を厳密に評価して、問題発生の無い薬品を使用しなければならない。そのために、金属箔の回路パターンを形成する工程以外では、半硬化状態の熱硬化性樹脂を薬品に曝すことを削減することが有利である。そのための一つの方法として、積層密着性を向上させるための金属箔表面の粗化処理を予め行っておくことは効果的である。
粗化表面を得る方法としては、両面粗化処理をした金属箔を用いる方法と、両面側に金属箔を有した板の金属箔表面を粗化する方法とがある。粗化の手法としては、マイクロエッチングで表面を粗化する手法、酸化により酸化物を析出させて表面を粗化する手法、めっきで金属粒を析出させて粗化する手法等を用いることができる。
【0011】
本発明は、熱硬化性樹脂層と容易に剥離できるシートが熱可塑性樹脂からなる多層プリント配線板用材料である。熱可塑性樹脂シートは剥離性に優れているために作業性が向上する。熱可塑性樹脂シートとしては、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリスチレンシート、ポリ塩化ビニルシート、ポリ塩化ビニリデンシート、ポリビニルアルコールシート、ポリアミドシート、ポリイミドシート、ポリフッ化ビニリデンシートなどが使用できる。耐熱性が必要な場合には、フッ素系の材料であるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)シート、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)シート、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)シートなどが使用できる。多層プリント配線板の接着性や耐熱性等に影響を与えない範囲であれば表面に離形剤処理を施してあっても良い。
【0012】
本発明は、最外層の金属箔が任意の回路パターンを形成されている多層プリント配線板用材料である。回路パターンを形成する方法としては、最も一般的な写真印刷法を用いることができる。すなわち、エッチングレジストを表面に塗布またはフィルムラミネートし、回路パターンの写真ネガを焼き付けして現像し、不要な金属箔をエッチャントでエッチング除去し、最後にエッチングレジストを剥離することにより、形成可能である。半硬化状態の熱硬化性樹脂はエッチャントに耐える必要性があり、最適なエッチャントを選択する必要がある。金属箔に銅箔を用いた場合、塩化第二鉄、塩化第二銅などのエッチャントに対して半硬化状態のエポキシ樹脂層の変色や溶解は見られず、十分な耐性を有していることを確認した。
【0013】
本発明は、半硬化状態の熱硬化性樹脂層に、穴が任意の位置に設けられ、導電性材料が充填されている多層プリント配線板用材料である。導電性材料が充填されている穴により、積層加熱硬化後に多層プリント配線板の層間接続がなされるものである。穴の形成には、ドリル穴明けやレーザ穴明けを採用することができる。熱硬化性樹脂層の物性や厚み等を考慮して最適な加工方法と加工条件の設定を選択することができる。ドリル穴明けであれば100〜500μm、レーザ穴明けであれば50〜200μmの穴を精度良く形成することができる。
導電性材料としては、金、銀、銅、ニッケル、錫などの金属またはその合金を導電性フィラーとして含有したペーストを用いることができる。金属ではなくても、カーボンなどの電気伝導性の高い物質であれば導電性フィラーとして使用することができる。ペーストのバインダーとしては、市販品の導電性ペーストで用いられているエポキシ樹脂やフェノール樹脂などを用いることができる。さらに基板絶縁材料と同じ種類の熱硬化性樹脂を含むことにより信頼性を上げることが可能である。しかし、ペーストのバインダーを熱硬化性樹脂に限定するものではなく、特性に影響を与えない範囲であれば、熱可塑性樹脂や溶剤等も用いることができる。導電性材料を穴内に充填する方法としては、ディスペンサーで個々に充填する方法もあるが、スクリーン印刷法で一括して充填する方法が工業的には有利である。
【0014】
本発明は、半硬化状態の熱硬化性樹脂層に、穴が任意の位置に設けられ、導電性材料が充填されている多層プリント配線板用材料において、さらに導電性材料の導電率が1×10S/m以上である多層プリント配線板用材料である。導電率が高いと、ドリル穴明けした穴のように導電性フィラー含有ペーストと金属箔との接触面積が小さい場合でも、十分に低い導通抵抗を確保することができる。硬化後の導電率が1×10S/m以上である導電性フィラー含有ペーストとしては、金属ナノ粒子粒子ペーストを用いることができ、ハリマ化成株式会社や藤倉化成株式会社から試作品が提供されている。
【0015】
本発明は、複数の導体層と絶縁層を有する多層プリント配線板製造方法であって、半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程を有する多層プリント配線板の製造方法である。半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成することによって、接着性を損なわない複数枚の熱硬化性樹脂層を一括して積層硬化することができる。回路パターンを形成する方法としては、既に述べたように、最も一般的な写真印刷法を用いることができる。
【0016】
本発明は、さらに半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程において、露点温度が−50℃以下の乾燥度を有した空気の噴流に曝されることにより、基板洗浄後の乾燥を行う多層プリント配線板の製造方法である。基板洗浄後の乾燥としては、温風乾燥が多層プリント配線板の製造では一般的である。しかし、半硬化状態の熱硬化性樹脂層に熱を与えることは硬化状態を進め、保管性を低下させる。本発明においては、室温の乾燥度の高い空気を用いるために、硬化状態を進めることなく、基板洗浄後の乾燥を行うことができる。露点温度が−50℃以下の乾燥度を有した空気を作製する方法としては、コンプレッサー等で圧縮された空気の冷却による方法を採用することができる。このような装置としては、協和加工株式会社よりドライマスターという商品名で市販されている。
【0017】
本発明は、複数の導体層と絶縁層を有する多層プリント配線板製造方法であって、その工程に少なくとも、1)半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程と、2)半硬化状態の熱硬化性樹脂層に非貫通穴を設ける工程と、3)非貫通穴に導電性材料を充填する工程と、4)これらの半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程を有する多層プリント配線板の製造方法である。非貫通穴を設け、導電性材料を充填することにより、金属箔の回路パターンと導電性材料との電気的な接続を強固とするものである。非貫通穴を設ける方法としては、レーザ加工を用いることができる。レーザとしては、炭酸ガスレーザやエキシマレーザ、UV−ヤングレーザ等が一般的に用いられているが、非貫通穴を工業的に形成できるものであれば特に限定するものではない。加工条件についても特に限定するものではないが、炭酸ガスレーザであれば、パルス出力でサイクル加工を行うと加工穴周辺のダメージが小さいことがわかっている。導電性材料の穴内への充填については、既に述べたようにメタルマスク等を用いたスクリーン印刷法を採用することができる。非貫通穴内へ均一に導電性材料を充填させるためには、粘度の調整の他に真空脱気、揺動などが効果的である。
【0018】
本発明は、さらに、半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程において、最外層の片面に金属箔を、他の片面にレーザを用いて形成した非貫通穴に導電性材料を充填した半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備え、且つ回路パターンを形成していない金属箔を構成した多層プリント配線板の製造方法である。積層時の最外層に金属箔を構成して鏡板プレスすることにより、非常に平坦な基板表面を得ることができる。平坦な基板表面は電子部品を搭載しやすいため、搭載不良を起こしにくく有利である。
【0019】
本発明は、複数の導体層と絶縁層を有する多層プリント配線板製造方法であって、その工程に少なくとも、1)半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の回路パターンを形成する工程と、2)半硬化状態の熱硬化性樹脂層に貫通穴を設ける工程と、3)貫通穴に導電性材料を充填する工程と、4)これらの半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する多層プリント配線板の製造方法である。貫通穴を設ける方法としては、ドリル加工を用いることができる。非貫通穴を設ける方法と比較して貫通穴を設ける方法は、複数枚を重ねて加工できるために、大量加工に有利である。穴明け条件は、穴径や熱硬化性樹脂層の厚み等により最適な条件を選択することができる。導電性材料の穴内への充填については、既に述べたようにメタルマスク等を用いたスクリーン印刷法を採用することができる。
【0020】
本発明は、さらに、半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程において、最外層の片面に金属箔を、他の片面にレーザを用いて形成した非貫通穴に導電性材料を充填した半硬化状態の熱硬化性樹脂シートと金属箔を構成した多層プリント配線板の製造方法である。積層時の最外層に金属箔を構成して鏡板プレスすることにより、非常に平坦な基板表面を得ることができる。平坦な基板表面は電子部品を搭載しやすいため、搭載不良を起こしにくく有利である。
【0021】
本発明は、さらに、半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔を一括積層する工程において、両面に任意の回路パターンが形成され必要な層間接続されたコア回路基板を半硬化状態の熱硬化性樹脂層を備えた金属箔の任意の間に構成した多層プリント配線板の製造方法である。コア回路基板を用いることにより、基板構成を対称化することができ、反り低減に有利である。
【0022】
本発明は、既に述べた本発明に属する多層プリント配線板用材料を用いた多層プリント配線板である。既に述べた本発明に属する多層プリント配線板の製造方法により、多層プリント配線板を得ることが可能である。従来の製造法で作製した多層プリント配線板と比較して製造工程が少なく、経済的に有利である。
【0023】
【実施例】
実施例1
以下は請求項1に関する多層プリント配線板用材料の実施例である。
18μm銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGTS18を使用)をキャリアとした100μm厚のエポキシ系接着フィルム(日立化成工業株式会社製のGF−3500を使用)を両面剥離紙(株式会社巴川製作所製のレリーズを使用)の両面に接着フィルム面が接するようにして60℃、1MPa、5分の条件で積層して、図1に示すような多層プリント配線板用材料を得た。
【0024】
実施例2
以下は請求項2に関する多層プリント配線板用材料の実施例である。
9μm銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGTS18を使用)をキャリアとした50μm厚のポリアミドイミド系接着フィルム(日立化成工業株式会社製のKS−6600を使用)をテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマーシート(ダイキン工業株式会社のネオフロンFEPを使用)の両面に接着フィルム面が接するようにして120℃、1MPa、5分の条件で積層して、図1に示すような多層プリント配線板用材料を得た。
【0025】
実施例3
以下は請求項3に関する多層プリント配線板用材料の実施例である。
18μm銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGTS18を使用)と100μm厚のガラスペーパー入りハロゲンフリープリプレグ(日立化成工業株式会社製のAS−5000GPを使用)を両面剥離紙(株式会社巴川製作所製のレリーズを使用)の両面にプリプレグが接するようにして100℃、1MPa、5分の条件で積層して、図1に示すような多層プリント配線板用材料を得た。
【0026】
実施例4
以下は請求項4に関する多層プリント配線板用材料の実施例である。
18μm銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGTS18を使用)と100μm厚のガラス織布入り高耐熱エポキシプリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−679Fを使用)を両面剥離紙(株式会社巴川製作所製のレリーズを使用)の両面にプリプレグが接するようにして100℃、1MPa、5分の条件で積層した。次に、有機酸系マイクロエッチング剤(メック株式会社製のCZ−8100Bを使用)によって、粗化処理を行って、図1に示すような多層プリント配線板用材料を得た。
【0027】
実施例5
以下は請求項5に関する多層プリント配線板用材料の実施例である。
18μm銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGTS18を使用)と100μm厚のガラス織布入りハロゲンフリープリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−67BE(H)を使用)をポリフッ化ビニリデンシート(デュポン株式会社のテドラーを使用)の両面にプリプレグが接するようにして100℃、1MPa、5分の条件で積層して、図1に示すような多層プリント配線板用材料を得た。
【0028】
実施例6
以下は請求項5に関する多層プリント配線板用材料の実施例である。
18μm両面粗化銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGLD18を使用)と100μm厚のガラス織布入りハロゲンフリープリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−67BE(H)を使用)を両面に離形処理を施したポエチレンテレフタレートシート(帝人株式会社のピューレックスを使用)の両面にプリプレグが接するようにして100℃、1MPa、5分の条件で積層して、図1に示すような多層プリント配線板用材料を得た。
【0029】
実施例7
以下は請求項6に関する多層プリント配線板用材料の実施例である。
18μm両面粗化銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGLD18を使用)と100μm厚のガラス織布入りハロゲンフリープリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−67BE(H)を使用)をテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマーシート(ダイキン工業株式会社のネオフロンFEPを使用)の両面にプリプレグが接するようにして100℃、1MPa、5分の条件で積層した。この材料にエッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に除去して、図2に示すような多層プリント配線板用材料を得た。
【0030】
実施例8
以下は請求項7に関する多層プリント配線板用材料の実施例である。
18μm両面粗化銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGLD18を使用)と100μm厚のガラス織布入りハロゲンフリープリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−67BE(H)を使用)とポリプロピレンシート(東セロ株式会社製CPを使用)100℃、1MPa、5分の条件で積層した。この材料のポリプロピレンシート側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてプロポリプレンシートを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた後、ポリプロピレンシートを剥離した。2枚のこの材料を、必要な位置合わせを行った後に、両面に離形処理を施したポエチレンテレフタレートシート(帝人株式会社のピューレックスを使用)の両面にプリプレグが接するようにして100℃、1MPa、5分の条件で積層して、図3に示すような多層プリント配線板用材料を得た。
【0031】
実施例9
以下は請求項7に関する多層プリント配線板用材料の実施例である。
18μm両面粗化銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGLD18を使用)と100μm厚のガラス織布入り高耐熱エポキシプリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−679Fを使用)とポリプロピレンシート(東セロ株式会社製CPを使用)100℃、1MPa、5分の条件で積層した。この材料のポリプロピレンシート側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてプロポリプレンシートを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた後、ポリプロピレンシートを剥離した。2枚のこの材料を、必要な位置合わせを行った後に、両面に離形処理を施したポエチレンテレフタレートシート(帝人株式会社のピューレックスを使用)の両面にプリプレグが接するようにして100℃、1MPa、5分の条件で積層した。この材料にエッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に除去して、図4に示すような多層プリント配線板用材料を得た。
【0032】
実施例10
以下は請求項8に関する多層プリント配線板用材料の実施例である。
18μm両面粗化銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGLD18を使用)と100μm厚のガラス織布入り高耐熱エポキシプリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−679Fを使用)とポリプロピレンシート(東セロ株式会社製CPを使用)100℃、1MPa、5分の条件で積層した。この材料のポリプロピレンシート側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてプロポリプレンシートを印刷マスクとしてスキージ印刷により、硬化後の導電率が1.5S/mを示す銀ペースト(藤倉化成株式会社製のドータイトXA−9024を使用)を非貫通穴に充填した。
【0033】
印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた後、ポリプロピレンシートを剥離した。2枚のこの材料を、必要な位置合わせを行った後に、両面に離形処理を施したポエチレンテレフタレートシート(帝人株式会社のピューレックスを使用)の両面にプリプレグが接するようにして100℃、1MPa、5分の条件で積層した。この材料にエッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に除去して、図4に示すような多層プリント配線板用材料を得た。実施例1〜10で使用する多層プリント配線板用材料を表1に示す。
【0034】
【表1】


【0035】
実施例11
以下は、請求項1の多層プリント配線板用材料を用いて作製した請求項9の多層プリント配線板の実施例である。また、請求項10及び12の製造法を用いた実施例でもある。
実施例1の多層プリント配線板用材料に、有機酸系マイクロエッチング剤(メック株式会社製のCZ−8100Bを使用)によって、粗化処理を行った。続いて、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に除去して回路を得た。接着シートの破断強度が20MPaだったため、粘着フィルム(日立化成工業株式会社製のヒタレックスK−2130を使用)を補強材料として回路面にラミネートし、接着シートと両面剥離紙を剥離させた。
【0036】
続いて接着シート側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅50μs、ショット数3回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、銀ペースト(藤倉化成株式会社製のドータイトXA−9024を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。次に粘着フィルムを剥がし、必要な位置合わせを行って、回路が形成され、かつ必要な箇所に銀ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを、図5(a)に示すように6枚重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、図5(b)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0037】
実施例12
以下は、請求項2の多層プリント配線板用材料を用いて作製した請求項9の多層プリント配線板の実施例である。また、請求項10及び12の製造法を用いた実施例でもある。
実施例2の多層プリント配線板用材料に、有機酸系マイクロエッチング剤(メック株式会社製のCZ−8100Bを使用)によって、粗化処理を行った。続いて、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。
【0038】
その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に除去して回路を得た。次に、接着シートと両面剥離紙を剥離させ、接着シート側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅50μs、ショット数3回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。接着シートの破断強度が50MPaだったため、補強材料なしに取り扱うことができた。次に、必要な位置合わせを行って、回路が形成され、かつ必要な箇所に銅ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを、図5(a)に示すように6枚重ね、200℃、4MPa、60分の条件で一括積層して、図5(b)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0039】
実施例13
以下は、請求項3の多層プリント配線板用材料を用いて作製した請求項9の多層プリント配線板の実施例である。また、請求項10及び12の製造法を用いた実施例でもある。
実施例3の多層プリント配線板用材料に、有機酸系マイクロエッチング剤(メック株式会社製のCZ−8100Bを使用)によって、粗化処理を行った。続いて、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。
【0040】
その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に除去して回路を得た。次に、プリプレグと両面剥離紙を剥離させ、プリプレグ側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。次に、必要な位置合わせを行って、回路が形成され、かつ必要な箇所に銅ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを、図5(a)に示すように6枚重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、図5(b)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0041】
実施例14
以下は、請求項4の多層プリント配線板用材料を用いて作製した請求項9の多層プリント配線板の実施例である。また、請求項10及び12の製造法を用いた実施例でもある。
実施例4の多層プリント配線板用材料に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に除去して回路を得た。次に、プリプレグと両面剥離紙を剥離させ、プリプレグ側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。次に、必要な位置合わせを行って、回路が形成され、かつ必要な箇所に銅ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを、図5(a)に示すように6枚重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、図5(b)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0042】
実施例15
以下は、請求項5の多層プリント配線板用材料を用いて作製した請求項9の多層プリント配線板の実施例である。また、請求項10及び12の製造法を用いた実施例でもある。
実施例6の多層プリント配線板用材料に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に除去して回路を得た。次に、プリプレグとポエチレンテレフタレートシートを剥離させ、プリプレグ側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。次に、必要な位置合わせを行って、回路が形成され、かつ必要な箇所に銅ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを、図5(a)に示すように6枚重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、図5(b)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0043】
実施例16
以下は、請求項6の多層プリント配線板用材料を用いて作製した請求項9の多層プリント配線板の実施例である。
実施例7の多層プリント配線板用材料のプリプレグとテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマーシートを剥離させ、プリプレグ側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。次に、必要な位置合わせを行って、回路が形成され、かつ必要な箇所に銅ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを、図5(a)に示すように6枚重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、図5(b)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0044】
実施例17
以下は、請求項7の多層プリント配線板用材料を用いて作製した請求項9の多層プリント配線板の実施例である。
実施例9の多層プリント配線板用材料のプリプレグとポエチレンテレフタレートシートを剥離させ、必要な位置合わせを行って、回路が形成され、かつ必要な箇所に銅ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを、図5(a)に示すように6枚重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、図5(b)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0045】
実施例18
以下は、請求項8の多層プリント配線板用材料を用いて作製した請求項9の多層プリント配線板の実施例である。
実施例10の多層プリント配線板用材料のプリプレグとポエチレンテレフタレートシートを剥離させ、必要な位置合わせを行って、回路が形成され、かつ必要な箇所に銀ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを、図5(a)に示すように6枚重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、図5(b)に示すような多層プリント配線板を得た。実施例11〜18で使用する多層プリント配線板の材料と製造プロセスを表2に示す。
【0046】
【表2】


【0047】
実施例19
以下は、請求項11の多層プリント配線板の製造法を用いた実施例である。
実施例6の多層プリント配線板用材料に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して回路を得た。剥離後の材料の乾燥には、協和加工株式会社製ドライマスターを用いて、露点温度が−60℃の乾燥度を有した空気の噴流を用いた。次に、プリプレグとポエチレンテレフタレートシートを剥離させ、プリプレグ側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。次に、必要な位置合わせを行って、回路が形成され、かつ必要な箇所に銅ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを、図5(a)に示すように6枚重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、図5(b)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0048】
実施例20
以下は、請求項13の多層プリント配線板の製造法を用いた実施例である。
実施例6の多層プリント配線板用材料に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して回路を得た。次に、プリプレグとポエチレンテレフタレートシートを剥離させ、プリプレグ側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。
【0049】
また、別の実施例6の多層プリント配線板用材料のプリプレグとポエチレンテレフタレートシートを剥離させ、プリプレグ側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設け、回路加工のない材料も作成した。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。次に、必要な位置合わせを行って、図6(a)に示すように回路が形成され、かつ必要な箇所に銅ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを4枚重ね、その外側のプリプレグ面には銅箔を、回路面には回路が未形成でのかつ必要な箇所に銅ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層した。この基板(図6(b))に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して、図6(c)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0050】
実施例21
以下は、請求項14の多層プリント配線板の製造法を用いた実施例である。
実施例6の多層プリント配線板用材料に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して回路を得た。次に、プリプレグとポエチレンテレフタレートシートを剥離させ、ドリル穴あけ機を用いて回転数:12万回転/分、送り速度:2.6m/分の条件でドリル穴明けを行い、任意の位置に貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、銀ペースト(藤倉化成株式会社製のドータイトXA−9024を使用)を貫通穴に充填した。次に、必要な位置合わせを行って、回路が形成され、かつ必要な箇所に銀ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを、図7(a)に示すように6枚重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、図7(b)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0051】
実施例22
以下は、請求項15の多層プリント配線板の製造法を用いた実施例である。
実施例6の多層プリント配線板用材料に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して回路を得た。次に、プリプレグとポエチレンテレフタレートシートを剥離させ、ドリル穴あけ機を用いて回転数:12万回転/分、送り速度:2.6m/分の条件でドリル穴明けを行い、任意の位置に貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、銀ペースト(藤倉化成株式会社製のドータイトXA−9024を使用)を貫通穴に充填した。
【0052】
また、100μm厚のガラス織布入りハロゲンフリープリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−67BE(H)を使用)を両面に離形処理を施したポエチレンテレフタレートシート(帝人株式会社のピューレックスを使用)で挟み、100℃、1MPa、5分の条件で積層して、銅箔のないプリプレグ材料のみのシート材料を作製し、ドリル穴あけ機を用いて回転数:12万回転/分、送り速度:2.6m/分の条件でドリル穴明けを行い、任意の位置に貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、銀ペースト(藤倉化成株式会社製のドータイトXA−9024を使用)を貫通穴に充填した。次に、必要な位置合わせを行って、図8(a)に示すように、回路が形成され、かつ必要な箇所に銀ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを4枚重ね、外側のプリプレグ面には銅箔を、回路面にはポエチレンテレフタレートシートを剥がした必要な箇所に銀ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートと銅箔を重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層した。この基板(図8(b))に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して、図8(c)に示すような多層プリント配線板を得た。実施例19〜23で使用する多層プリント配線板製造プロセスを表3に示す。
【0053】
【表3】


【0054】
実施例23
以下は、請求項16の多層プリント配線板の製造法を用いた実施例である。
100μm厚のガラス織布入りハロゲンフリープリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−67BE(H)を使用)を両面に離形処理を施したポエチレンテレフタレートシート(帝人株式会社のピューレックスを使用)で挟み、100℃、1MPa、5分の条件で積層して、銅箔のないプリプレグ材料のみのシート材料を作製し、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に貫通穴を設けた。続いてポエチレンテレフタレートシートを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を貫通穴に充填した。次に、ポエチレンテレフタレートシートを剥がしたプリプレグの両面に18μm両面粗化銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGLD18を使用)を重ね、170℃、2MPa、60分の条件で積層した。この基板に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離してコア回路基板を得た。
【0055】
また、実施例6の多層プリント配線板用材料に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して回路を得た。次に、プリプレグとポエチレンテレフタレートシートを剥離させ、プリプレグ側に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてメタルマスクを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。先に作製したコア回路基板の両面に、図9(a)に示すように、回路が形成され、かつ必要な箇所に銅ペーストが埋められた穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを回路面にプリプレグが接するように片側2枚づつ重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、図9(b)に示すような多層プリント配線板を得た。
【0056】
比較例1
以下は、一般的なビルドアップ多層配線板の製造法に準じて作製した多層プリント配線板の比較例である。
12μm銅箔を有する100μm厚のハロゲンフリー銅張積層板(日立化成工業株式会社製のMCL−BE−67(H)を使用)の任意の位置に、ドリル穴あけ機を用いて回転数:12万回転/分、送り速度:2.6m/分の条件でドリル穴明けを行い、貫通穴を設けた。続いて、基板洗浄後、めっき触媒付与、薄付け無電解銅めっき、厚付け電気銅めっきにより、貫通穴を導体化した。次に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して両面基板を得た。次に、この基板を有機酸系マイクロエッチング剤(メック株式会社製のCZ−8100Bを使用)によって粗化処理を行い、100μm厚のガラス織布入りハロゲンフリープリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−67BE(H)を使用)と12μm銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGTS12を使用)を重ね、170℃、2MPa、60分の条件で積層した。次に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望の非貫通穴を設ける箇所にエッチング穴を形成するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離してレーザ穴明け用の窓穴を有する基板を得た。続いて、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、窓穴の位置に非貫通穴を設けた。
【0057】
この基板を洗浄後、めっき触媒付与、薄付け無電解銅めっき、厚付け電気銅めっきにより、非貫通穴を導体化した。次に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して4層基板を得た。次に、この基板を有機酸系マイクロエッチング剤(メック株式会社製のCZ−8100Bを使用)によって粗化処理を行い、100μm厚のガラス織布入りハロゲンフリープリプレグ(日立化成工業株式会社製のGEA−67BE(H)を使用)と12μm銅箔(古河サーキットフォイル株式会社製のGTS12を使用)を重ね、170℃、2MPa、60分の条件で積層した。次に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望の非貫通穴を設ける箇所にエッチング穴を形成するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。
【0058】
その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離してレーザ穴明け用の窓穴を有する基板を得た。続いて、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、窓穴の位置に非貫通穴を設けた。この基板を洗浄後、めっき触媒付与、薄付け無電解銅めっき、厚付け電気銅めっきにより、非貫通穴を導体化した。次に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して6層プリント配線板を得た。
【0059】
比較例2
以下は、硬質基板に接着剤層として半硬化状態の熱硬化性樹脂を有した多層配線板材料を用いて作製した多層プリント配線板の比較例である。
18μm銅箔を有する100μm厚のハロゲンフリー銅張積層板((日立化成工業株式会社製のMCL−BE−67(H)を使用)に、エッチング用レジスト(日立化成工業株式会社製のH2330を使用)を100℃,0.3MPa,0.3m/分の条件でラミネートし、片面に所望のパターンを有するネガマスクを当て、80mJの露光量で写真焼き付けを行った。他方の片面は、未露光とした。その後、炭酸ナトリウム水溶液で現像を行い、塩化第二鉄で不要な銅箔をエッチング除去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でエッチング用レジストを完全に剥離して片面基板を得た。次に、この基板を有機酸系マイクロエッチング剤(メック株式会社製のCZ−8100Bを使用)によって粗化処理を行った。この基板の回路のない面に、ポリエチレンテレフタレートをキャリアシートとした60μm厚のエポキシ系接着フィルム(日立化成工業株式会社製のGF−3500を使用)を60℃、1MPa、5分の条件で積層した。次に、炭酸ガスレーザを用いて、出力パワー10mJ、パルス幅70μs、ショット数6回の条件でレーザ穴明けを行い、任意の位置に非貫通穴を設けた。続いてポリエチレンテレフタレートシートを印刷マスクとしてスキージ印刷により、熱硬化性樹脂をバインダーとした銅ペースト(タツタ電線株式会社製のNF2000を使用)を非貫通穴に充填した。印刷後、真空脱気により空気のボイドを取り除いた。次に、必要な位置合わせを行って、6枚のシート材料を重ね、170℃、2MPa、60分の条件で一括積層して、6層プリント配線板を得た。比較例1〜2で使用する多層プリント配線板製造プロセスを表4に示す。
【0060】
【表4】


【0061】
実施例1〜10は、いずれも、本発明の請求項1〜8に関する多層プリント配線板材料である。また、実施例11〜23は、いずれも、本発明の請求項9に関するこれらの多層プリント配線板材料を用いた多層プリント配線板である。また、実施例11〜23は、本発明の請求項10〜16に関する多層配線板の製造法も示すものでもある。
実施例11〜23の基本製造プロセス工程図を表す図10を比較例1の基本製造プロセス工程図を表す図11と比べると、製造工程が少なく、経済的に優れていることがわかった。また、比較例2の基本製造プロセス工程図を表す図12と比べても、製造工程が少なく、経済的に優れていることがわかった。また、本発明においては、接着シートを使用しないために、材料費用や貼り合わせ費用について、経済的に優れていることがわかった。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、経済的に優れた多層プリント配線板を提供し、併せてその多層プリント配線板用材料とその多層配線板製造プロセスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プリント配線板用材料の例を示す断面図である。
【図2】本発明の多層プリント配線板用材料の例を示す断面図である。
【図3】本発明の多層プリント配線板用材料の例を示す断面図である。
【図4】本発明の多層プリント配線板用材料の例を示す断面図である。
【図5】(a)は、回路が形成され、かつ必要な箇所に銀ペーストが埋められた非貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを一括積層する際の構成の例を示す図である。(b)は、一括積層後の多層プリント配線板を示す断面図である。
【図6】(a)は、回路が形成され、かつ必要な箇所に銀ペーストが埋められた非貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートと金属箔を備え、かつ必要な箇所に銀ペーストが埋められた非貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートと金属箔を一括積層する際の構成の例を示す図である。(b)は、一括積層後を示す断面図である。(c)は、表層の回路を形成した多層プリント配線板の例を示す断面図である。
【図7】(a)は、回路が形成され、かつ必要な箇所に銀ペーストが埋められた貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートを一括積層する際の構成の例を示す図である。(b)は、一括積層後の多層プリント配線板を示す断面図である。
【図8】(a)は、回路が形成され、かつ必要な箇所に銀ペーストが埋められた貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートと必要な箇所に銀ペーストが埋められた貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートと金属箔を一括積層する際の構成の例を示す図である。(b)は、一括積層後を示す断面図である。(c)は、表層の回路を形成した多層プリント配線板の例を示す断面図である。
【図9】(a)は、回路が形成され、かつ必要な箇所に銀ペーストが埋められた非貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシートとコア基板を一括積層する際の構成の例を示す図である。(b)は、一括積層後の多層プリント配線板を示す断面図である。
【図10】本発明の6層プリント配線板の製造プロセス工程図である。
【図11】従来の6層ビルドアップ配線板の製造プロセス工程図である。
【図12】従来の接着剤層付き片面金属張り積層板を用いた6層プリント配線板の製造プロセス工程図である。
【符号の説明】
1.金属箔、2.半硬化熱硬化性樹脂シート、3.剥離シート、4.回路パターン、5.導電性材料、6.回路が形成され、かつ必要な箇所に導電性材料が埋められた非貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシート、7.金属箔を備え、かつ必要な箇所に導電性材料が埋められた非貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシート、8.回路が形成され、かつ必要な箇所に導電性材料が埋められた貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシート、9.必要な箇所に導電性材料が埋められた貫通穴を有する半硬化熱硬化性樹脂材料のシート、10.コア回路基板
【出願人】 【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目1番1号
【出願日】 平成14年8月20日(2002.8.20)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−79848(P2004−79848A)
【公開日】 平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願番号】 特願2002−239439(P2002−239439)