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【発明の名称】 ヘッドフォンアンプ回路
【発明者】 【氏名】川田 望
【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝マイクロエレクトロニクスセンター内
【氏名】菊地 博幸
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区駅前本町25番地1 東芝マイクロエレクトロニクス株式会社内
【課題】出力カップリングコンデンサを必要とせず、ヘッドフォン回路外のヘッドフォン負荷の基準電圧をグランド電圧に設定可能なヘッドフォンアンプ回路を提供する。

【解決手段】ヘッドフォンアンプ3,7には、電池等からのプラス電圧と負電圧発生回路9からの負電圧が印加される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負電圧発生回路と、
入力端子に、第1の音声信号が供給され、プラス電圧と前記負電圧発生回路からの負電圧が供給される第1のヘッドフォンアンプと、
入力端子に、前記第1または第2の音声信号が供給され、前記プラス電圧と前記負電圧発生からの負電圧が供給される第2のヘッドフォンアンプと、を具備したことを特徴とするヘッドフォンアンプ回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等のオーディオ機器のヘッドフォンアンプ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の出力カップリングコンデンサ方式のヘッドフォンアンプ回路を含むヘッドフォンは、図8に示すように構成されている。ヘッドフォン回路外のヘッドフォン負荷の基準電圧をグランド電圧にするため、ヘッドフォンアンプ103と121のそれぞれの出力側に出力カップリングコンデンサ109と121が配置されている。プラス電圧は、電池等のプラス電圧Vccを使用している。
【0003】
また従来では、出力カップリングコンデンサ無し方式のヘッドフォンアンプ回路を含むヘッドフォンは、図9に示す如く構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図8の従来例の出力段の出力カップリングコンデンサ109,121は、100〜220μFである必要がある。このサイズのため、ヘッドフォンアンプ回路を、半導体集積回路に内蔵出来ない。また携帯電話等の小型セットにも内蔵出来ない。
【0005】
図9では、出力カップリングコンデンサは不要であるが、ヘッドフォン負荷143と145の基準電圧は、コモンアンプ139からDC電圧が供給されるされるため、グランッド基準とならない。この問題として、グランド基準のアクセサリ(例えば、アクティブスピーカ)を、ヘッドフォンジャック141に接続されることが考えられる。
【0006】
ヘッドフォンアンプ135と137とコモンアンプ139からグランドへのパスが発生し、過大電流が、ヘッドフォンア135と137とコモンアンプ139からグランドに流れる。
【0007】
そこで本発明は、大容量の出力カップリングコンデンサを必要とせず、ヘッドフォンアンプ回路外のヘッドフォン負荷の基準電圧をグランド電圧に設定可能なヘッドフォンアンプ回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のヘッドフォンアンプ回路は、
負電圧発生回路と、
入力端子に、第1の音声信号が供給され、プラス電圧と前記負電圧発生回路からの負電圧が供給される第1のヘッドフォンアンプと、
入力端子に、前記第1または第2の音声信号が供給され、前記プラス電圧と前記負電圧発生からの負電圧が供給される第2のヘッドフォンアンプと、を具備したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明のヘッドフォンアンプ回路を含むヘッドフォンの構成を示す。ヘッドフォンアンプ回路は、ヘッドフォンアンプ3と7と負電圧発生回路9よりなる。
【0010】
ヘッドフォンアンプ3の入力端子1に、第1の音声電流が供給される。ヘッドフォンアンプ3には、他に、電池等からのプラス電圧Vccと負電圧発生回路9からの負電圧が供給されている。ヘッドフォンアンプ3は、第1の音声信号を増幅して、ヘッドフォンジャック11に供給する。
【0011】
ヘッドフォンアンプ7の入力端子1に、第1または第2の音声電流が供給される。ヘッドフォンアンプ7には、他に、電池等からのプラス電圧Vccと負電圧発生回路9からの負電圧が供給されている。ヘッドフォンアンプ7は、第1または第2の音声信号を増幅して、ヘッドフォンジャック11に供給する。
【0012】
以上の構成により、ヘッドフォン負荷13と15の基準電圧は、グランド基準となる。
【0013】
図2に、負電圧発生回路9の一例の構成を示す。コンデンサC1の左側は、マルチバイブレータ21の出力端に接続され、コンデンサC1の右側は、ダイオードD1のカソードとダイオードD2のアノードに接続されている。ダイオードD1のアノードは、負電圧出力端に接続されている。ダイオードD2のカソードは、グランドに接続されている。コンデンサC2が、負電圧出力端とグランドの間に配置されている。
【0014】
図3に、マルチバイブレータ21の一部を含む負電圧発生回路9の一例の構成を示す。PNPトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2は、マルチバイブレータ21の一部を構成する。トランジスタQ1のエミッタに、電池等からのプラス電圧Vccが供給されている。トランジスタQ1のコレクタは、トランジスタQ2のコレクタに接続されている。トランジスタQ2のエミッタは、グランドに接続されている。トランジスタQ1とQ2のコレクタは、コンデンサC1の左側に接続されている。
【0015】
トランジスタQ1は、図5の第1のスイッチSW1に相当する。トランジスタQ2は、図5の第2のスイッチSW2に相当する。
【0016】
図4に、マルチバイブレータ21の一部を含む負電圧発生回路9の一例の構成を示す。PチャンネルMOSトランジスタM1とNチャンネルのMOSトランジスタM2は、マルチバイブレータ21の一部を構成する。トランジスタM1のソースは、電池等からのプラス電圧Vccが供給されている。トランジスタM1のドレインは、トランジスタM2のドレインに接続されている。トランジスタM2のソースは、グランドに接続されている。トランジスタM1とM2のドレインは、コンデンサC1の左側に接続されている。
【0017】
トランジスタM1は、図5の第1のスイッチSW1に相当する。トランジスタM2は、図5の第2のスイッチSW2に相当する。
【0018】
第1のスイッチSW1がオンの時、第2のスイッチSW2はオフである。第1と第2のスイッチSW1とSW2は、第1と第2の音声信号とは、関係なしにほぼ同一間隔でオン/オフを行う。
【0019】
第1のスイッチSW1がオンした時を考える。第1のスイッチSW1がオンすると、図6の矢印の如く、電流は流れる。コンデンサC1の左側の電圧は、Vccとなる。
【0020】
コンデンサC1の右側の電圧は、ダイオードD2の順方向電圧VF(D2)となる。するとコンデンサC1の両端での電圧差は、Vcc−VF(D2)となる。但し、初期状態では、負電圧を出力しない。
【0021】
次に、第2のスイッチSW2がオンした時を考える。第2のスイッチSW2がオンすると、図7の矢印の如く、電流は流れる。この時、コンデンサC1の左側の電圧は、グランド電圧となる。コンデンサC1の両端の電圧差は、保持されているため、コンデンサC1の右側の電圧(ダイオードD1のカソード側)は、
グランド電圧−(Vcc−VF(D2))=グランド電圧−Vcc+VF(D2)・・(1)
となる。また電流の経路は、図7に示す如く、コンデンサC2→ダイオードD1→コンデンサC1となっている。この時、
ダイオードD1のアノード側の電圧=負電圧出力は、
グランド電圧―Vcc+VF(D2)+VF(D1)・・(2)
となる。
【0022】
ここで、VF(D1)=VF(D2)=VF(ダイオードの順方向電圧)とすると、(2)式は、
グランド電圧−Vcc+2VF・・(3)
となり、(3)式が、負電圧となる。この負電圧が、コンデンサC2に充電される。
【0023】
実際に、Vcc=5V、VF(D1)=VF(D2)=0.7Vとすると、負電圧は、
負電圧=0V−5V+2×0.7V=−3.6V
となり、負電圧を得られる。
【0024】
【発明の効果】
本発明のヘッドフォンアンプ回路によれば、大容量の出力カップリングコンデンサを必要とせず、ヘッドフォンアンプ回路外のヘッドフォン負荷の基準電圧をグランド電圧に設定可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヘッドフォンアンプ回路を含むヘッドフォンの構成を示す図である。
【図2】図1の負電圧発生回路の一例の構成を示す図である。
【図3】図3のマルチバイブレータの一部を含む負電圧発生回路の一例の構成を示す図である。
【図4】図3のマルチバイブレータの一部を含む負電圧発生回路の一例の構成を示す図である。
【図5】図3と図4の等価回路図である。
【図6】図5の動作を説明するための図である。
【図7】図5の動作を説明するための図である。
【図8】従来の出力カップリングコンデンサ方式のヘッドフォンアンプ回路を含むヘッドフォンの構成を示す図である。
【図9】従来の出力カップリングコンデンサ無し方式のヘッドフォンアンプ回路を含むヘッドフォンの構成を示す図である。
【符号の説明】
3,7・・ヘッドフォンアンプ、9・・負電圧発生回路、11・・ヘッドフォンジャック、13,15・・ヘッドフォン負荷。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【識別番号】000221199
【氏名又は名称】東芝マイクロエレクトロニクス株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区駅前本町25番地1
【出願日】 平成14年7月12日(2002.7.12)
【代理人】 【識別番号】100081732
【弁理士】
【氏名又は名称】大胡 典夫

【識別番号】100075683
【弁理士】
【氏名又は名称】竹花 喜久男

【識別番号】100084515
【弁理士】
【氏名又は名称】宇治 弘

【公開番号】 特開2004−48424(P2004−48424A)
【公開日】 平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願番号】 特願2002−203685(P2002−203685)