| 【発明の名称】 |
高周波発振回路、高周波発振回路の温度補償方法、及び無線通信機 |
| 【発明者】 |
【氏名】安川 和行 【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】温度変化による周波数の変化が小さい周波数シンセサイザを安価に、しかも電源電圧に依存することなく用いて構成することが可能な高周波発振回路、当該高周波発振回路の温度補償方法、及び当該高周波発振回路を備えた無線通信機を提供すること。
【解決手段】基準発振の周波数信号を出力する基準発振回路と、上記基準発振回路が出力する周波数信号の温度特性を予め記憶する記憶装置と、周辺の温度を検知する温度センサと、上記温度センサが検知した周辺温度から、上記記憶装置に記憶されている温度特性に基づいて、補正値を出力する制御装置と、上記基準発振回路が出力する周波数信号と上記制御装置が出力する補正値とに基づいた設定値により、高周波出力信号を出力するPLL周波数シンセサイザとを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高周波発振回路において、 基準発振の周波数信号を出力する基準発振回路と、 前記基準発振回路が出力する周波数信号の温度特性を予め記憶する記憶装置と、 周辺の温度を検知する温度センサと、 前記温度センサが検知した周辺温度から、前記記憶装置に記憶されている温度特性に基づいて、補正値を出力する制御装置と、 前記基準発振回路が出力する周波数信号と前記制御装置が出力する補正値とに基づいた設定値により、高周波出力信号を出力するPLL周波数シンセサイザと、 を備えたことを特徴とする高周波発振回路。 【請求項2】 高周波発振回路において実行される温度補償方法であって、 基準発振回路が出力する周波数信号の温度特性を予め記憶し、 温度センサが検知した周辺温度から、前記予め記憶されている温度特性に基づいて、補正値を出力し、 前記基準発振回路が出力する周波数信号と前記制御装置が出力する補正値とに基づいた設定値により、高周波出力信号を出力することを特徴とする高周波発振回路の温度補償方法。 【請求項3】 請求項1に記載の高周波発振回路を有する無線通信機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、自動車電話、携帯電話、無線呼出機等の無線通信機に用いられる高周波発振回路において、出力する周波数の温度を補償する技術に関し、特に、温度変化による周波数の変化が小さい周波数シンセサイザを安価に、しかも電源電圧に依存することなく用いて構成することが可能な高周波発振回路、当該高周波発振回路の温度補償方法、及び当該高周波発振回路を備えた無線通信機に関する。 【0002】 【従来の技術】 無線通信に用いられる高周波発振回路は、発振周波数の温度変化が小さいことが要求される。 【0003】 多くの高周波発振回路は、所望の周波数を発振させるためにPLL(Phase Locked Loop:発振周波数の位相を帰還させて一定周波数を得る方式)周波数シンセサイザを用いている。このPLL周波数シンセサイザの発振周波数の精度は、基準発振の精度により決定されることから、基準発振には水晶振動子、しかも温度補償回路を含むTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator:温度補償回路付き水晶発振器)が良く用いられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、TCXOは一般に高価であり、また動作を保証する電源電圧の範囲が小さく、例えば電池から直接駆動することは困難であるという問題点がある。 【0005】 本発明は、温度変化による周波数の変化が小さい周波数シンセサイザを安価に、しかも電源電圧に依存することなく用いて構成することが可能な高周波発振回路、当該高周波発振回路の温度補償方法、及び当該高周波発振回路を備えた無線通信機を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記課題を解決するため、下記のような構成を採用した。 まず、基準発振回路には、TCXOのような高価な水晶振動子ではなく、予め温度特性が分かっている安価な基準発振回路を用いる。PLL周波数シンセサイザの設定可能な周波数の最小単位、すなわち分解能を要求される精度より、十分小さい値にする。そのためには、基準発振を分周して得られる比較周波数を低い値に設定するか、もしくはN分周PLL周波数シンセサイザを用いる。 【0007】 さらに、温度センサ、および温度特性の補正値を保存するテーブル(記憶装置)を設ける。 そして、温度センサにより周辺温度を検知し、PLL周波数シンセサイザの設定値を補正することにより、周辺温度による偏差を補正することができる。 【0008】 すなわち、本発明の一態様によれば、本発明の高周波発振回路は、基準発振の周波数信号を出力する基準発振回路と、上記基準発振回路が出力する周波数信号の温度特性を予め記憶する記憶装置と、周辺の温度を検知する温度センサと、上記温度センサが検知した周辺温度から、上記記憶装置に記憶されている温度特性に基づいて、補正値を出力する制御装置と、上記基準発振回路が出力する周波数信号と上記制御装置が出力する補正値とに基づいた設定値により、高周波出力信号を出力するPLL周波数シンセサイザとを備えたことを特徴とする。 【0009】 これにより、温度変化による周波数の変化が小さい、安価な周波数シンセサイザを用い、しかも電源電圧に依存しない高周波発振回路を構成することが可能となる。 【0010】 また、本発明の一態様によれば、本発明の無線通信機は、上述の高周波発振回路を有することを特徴とする。 また、本発明の一態様によれば、本発明の温度補償方法は、高周波発振回路において実行される温度補償方法であって、基準発振回路が出力する周波数信号の温度特性を予め記憶し、温度センサが検知した周辺温度から、上記予め記憶されている温度特性に基づいて、補正値を出力し、上記基準発振回路が出力する周波数信号と上記制御装置が出力する補正値とに基づいた設定値により、高周波出力信号を出力することを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を、図1乃至図3を参照しながら詳細に説明する。 図1は、本発明を適用した高周波発振回路の機能構成図である。 【0012】 図1において、高周波発振回路10は、基準発振回路1、記憶装置2、PLL周波数シンセサイザ3、制御装置4、及び温度センサ5を備える。 基準発振回路1は、一般に水晶振動子が用いられ、その基準発振をPLL周波数シンセサイザへ出力する。この水晶振動子は、個体差に応じた発振周波数の温度特性を持っている。 【0013】 図2は、一般的な基準発振回路である水晶振動子における発振周波数の温度特性を示す図である。 図2において、例えば、温度0℃における周波数変化率の差は、最も大きなもので20%以上にもなっており、その個体差は大きく、誤差の範囲といえるものでは決してない。 【0014】 図1の説明に戻り、記憶装置2は、図2に示したような基準発振回路1の個体差に応じた温度特性を予めテーブル形式で記憶している。 温度センサ5は、例えばサーミスタ、半導体センサであり、周辺温度を検知し、制御装置4へ出力する。 【0015】 制御装置4は、温度センサ5が検知した周辺温度をサンプルし、記憶装置2を検索する。そして、記憶装置2に記憶されている温度特性に基づいて、温度による偏移を補正した設定データを出力する。 【0016】 PLL周波数シンセサイザ3は、制御装置4が出力した設定データに基づいて、基準発振回路1から出力される基準発振を補正し、温度補償された高周波出力信号を得て出力する。 【0017】 そして、より具体的には、上述した高周波発振回路を、自動車電話、携帯電話、無線呼出機等の無線通信機に適用することが可能である。 図3は、本発明を適用した高周波発振回路における温度補償処理の流れを示すフローチャートである。 【0018】 まず、予め、ステップS31において、記憶装置は、基準発振回路の個体差に応じた温度特性を予めテーブル形式で記憶する。 ステップS32において、制御装置は、温度センサが検知し出力した周辺温度をサンプルする。 【0019】 そして、ステップS33において、制御装置は、ステップS32でサンプルした周辺温度に基づいて、ステップS31で予め記憶装置に記憶した温度特性を検索し、温度による偏移を補正した設定データを出力する。 【0020】 ステップS34において、PLL周波数シンセサイザは、ステップS33で制御装置が出力した設定データに基づいて、基準発振回路から出力される基準発振を補正する。 【0021】 ステップS35において、PLL周波数シンセサイザは、ステップS34で補正されたデータに基づいて、温度補償された高周波出力信号を出力する。 なお、周辺温度による高周波出力信号の周波数変動を所望の値以下に抑えるためには、PLL周波数シンセサイザにて設定できる周波数の分解能を十分小さくする必要がある。これは、通常のPLL周波数シンセサイザの場合、基準発振を分周して得られる比較周波数にて決定されるので、これを低くする必要がある。しかしながら、比較周波数を低くすると、PLL周波数シンセサイザが所望の周波数にロックするまでの時間が長くなってしまうので、このような場合はN分周のPLL周波数シンセサイザを適用することにより、比較周波数を高くしたまま、分解能だけを下げること、結果として高速なロックが可能となる。 【0022】 なお、図1を用いて説明した高周波発振回路の各構成要素は、いずれも電源電圧の影響を受けにくくすることが可能である。 上述のように、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明してきたが、本発明は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の構成または形状を取ることが出来る。 【0023】 【発明の効果】 以上説明してきたように、本発明によれば、温度変化による周波数の変化が小さい周波数シンセサイザを安価に、しかも電源電圧に依存することなく用いて構成することが可能な高周波発振回路、またはこのような高周波発振回路を有する無線通信機を得ることができる。 【0024】 また、本発明によれば、安価な周波数シンセサイザを用い、しかも電源電圧に依存することなく、温度補償された高周波信号をすることとが可能な高周波発振回路の温度補償方法を実現することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を適用した高周波発振回路の機能構成図である。 【図2】一般的な基準発振回路である水晶振動子における発振周波数の温度特性を示す図である。 【図3】本発明を適用した高周波発振回路における温度補償処理の流れを示すフローチャートである。 【符号の説明】 1 基準発振回路 2 記憶装置 3 PLL周波数シンセサイザ 4 制御装置 5 温度センサ 10 高周波発振回路
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005234 【氏名又は名称】富士電機ホールディングス株式会社 【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年6月19日(2002.6.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074099 【弁理士】 【氏名又は名称】大菅 義之
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| 【公開番号】 |
特開2004−23634(P2004−23634A) |
| 【公開日】 |
平成16年1月22日(2004.1.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−178525(P2002−178525) |
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